首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 文字なし
 トップ会議等一覧司法制度改革推進本部検討会法曹養成検討会

法曹養成検討会(第5回)議事録

(司法制度改革推進本部事務局)



1 日時
平成14年3月7日(木)10:30〜12:45

2 場所
司法制度改革推進本部事務局第1会議室

3 出席者
(委 員)
田中成明座長、井上正仁、今田幸子、加藤新太郎、川野辺充子、川端和治、ダニエル・フット、永井和之、牧野和夫、諸石光熙(敬称略)
(説明者)
板東久美子(文部科学省高等教育局高等教育企画課長)
合田隆史(同大学課長)
黒川弘務(法務省大臣官房司法法制部司法法制課長)
(事務局)
山崎潮事務局長、大野恒太郎事務局次長、松川忠晴事務局次長、片岡弘参事官

4 議題
(1) 第三者評価(適格認定)の実施の在り方について
(2) 第三者評価(適格認定)基準の在り方について
(3) 新司法試験の在り方について

5 配布資料
資料1 法曹養成検討会(第4回)議事概要
資料2 第三者評価(適格認定)の実施の在り方に関する主な論点
資料3 第三者評価(適格認定)基準の在り方について(意見の整理)(案)
資料4 新司法試験の在り方について(意見の整理)(案)

6 説明資料(文部科学省)
資料1 大学の質の保証に係るトータルシステムの構築について(骨子案)
資料2 法科大学院の第三者評価(適格認定)についての検討の視点
資料3 大学評価について(抄)

7 議事
(□:座長、○:委員、■:事務局、●:文部科学省、▲:法務省)

□ それでは所定の時間になりましたので、第5回の法曹養成検討会を開会させていただきます。
 まず初めに、事務局から本日の配布資料の確認をお願いいたします。

■ 本日の配布資料の確認をお願いいたします。資料1は「法曹養成検討会(第4回)議事概要」でございます。資料2は「第三者評価(適格認定)の実施の在り方に関する主な論点」であります。本日の検討の参考にしていただくため、事務局で論点を整理するなどした資料でございます。資料3は、「第三者評価(適格認定)基準の在り方について(意見の整理)(案)」と題する資料であります。この資料につきましては、後ほど座長から御説明いただくことを予定しております。資料4は、「新司法試験の在り方について(意見の整理)(案)」という資料でございます。これにつきましても、後ほど座長から御説明いただく予定になっております。
 そのほか本日は文部科学省の説明のための資料を配布してございます。御確認いただきたいと思います。以上です。

(1) 第三者評価(適格認定)の実施の在り方について

□ どうもありがとうございました。文部科学省から御説明いただく前に、まず事務局から関係する資料について説明をお願いしたいと思います。

■ お手元の配布資料の資料2を御覧いただきたいと思います。これは、「第三者評価(適格認定)の実施の在り方に関する主な論点」と題する資料でありまして、事務局で本日の検討の参考にしていただきたいという趣旨で作成しました。簡単に御説明しますと、1に「第三者評価(適格認定)の基本的な在り方」としまして、司法制度改革審議会意見の関係部分の抜粋を記載してございます。
 2の「第三者評価(適格認定)の実施の在り方」についてですが、「(1)評価機関の在り方、具体的な論点の例」として、評価機関の要件をどうするか、組織体制、構成、専門的能力等が問題となるのではないか、国(文部科学大臣等)と評価機関の関係をどうするか、こういうことが論点となるのではないかという趣旨で、参考にしていただくため、このように論点の例として記載させていただきました。
 「(2)評価(適格認定)の実施方法(具体的な論点の例)」としては、書面審査、訪問審査の方法・頻度等をどうするかという問題があろうかと思います。
 「(3)評価結果の判定の在り方と適格認定の効果」としまして、まず司法制度改革審議会意見の関係部分、特に司法試験の受験資格との関係について述べられた部分を抜粋してございます。具体的な論点の例としまして不適格認定、適格認定の取消し等の法的効果をどうすべきか、設置当初の問題、設置されてもまだ本格的な適格認定等が行われてない段階で仮認定制度等を導入するかどうかということが問題になろうかと思います。
 そして法科大学院からの不服申立ての在り方をどうすべきか、不適格認定(適格認定の取消し)の場合の国の関与の在り方をどうすべきか、評価結果の公表の在り方をどうすべきであろうかというような点が問題となり得るかと思います。
 このほかにも論点となる事項があろうかと思いますが、本日の参考にしていただくためにこのような具体的な例を記載させていただいたものでございます。参考にしていただければと思います。

a)文部科学省からの説明

□ まず、あらかじめ一般的な論点を指摘していただいたわけですけれども、これに関連しまして、現在中教審で大学全体の第三者評価(適格認定)の在り方について検討が行われておりますので、その状況などについて文部科学省から説明をお願いしたいと思いますのでよろしくお願いします。

● 大学評価あるいは設置認可について中教審の大学分科会における現在の検討の状況を御報告をさせていただきたいと存じます。
 1月、2月の段階で、大学評価の簡単な御説明をさせていただいておるかと思いますので説明が重なる部分もあろうかと思いますけれども、お手元に改めて大学評価についての資料を配らせていただいておりますので、大学評価全般のお話と現在検討されております事柄につきまして併せて御説明をさせていただきたいと存じます。
 まず資料3を御覧いただきたいと存じます。これは前に配らさせていただきました資料を簡略にさせていただいたものでございますけれども、もともと大学評価といいますのはいろいろな種類のもの、あるいはいろいろな目的のものがあるわけでございますけれども、大学の自己改善と申しますか大学の教育研究水準の維持向上、活性化ということが大学評価のねらい、効果の共通のベースとしてあろうかと思っております。
 それに加えまして、例えば社会に対して一定の水準の確保についての保証を行っていくというような機能を持つもの、資源配分に結び付けるものといったような様々な評価があるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、そのベースといたしましては、大学の教育研究水準の維持向上、大学としての改善努力を促していくということが共通の効果、ねらいとしてあるわけでございます。
 評価の主体で考えてまいりますと、今現在大学全体について義務づけられております自己点検・評価という、各大学が自らの理念・目標に照らして大学が自ら行う評価というものがあり、そのほかに現在修士課程で高度職業人養成に特化されているビジネススクールのような大学院、すなわち「専門大学院」につきましては、大学の教職員以外の者が評価をする外部評価が義務づけられております。
 それから第三者評価というものが今回問題になっているものでございますけれども、これは今申し上げました外部評価のように大学が選任する評価者によって評価をされるというものではなく、その大学から独立した第三者が専門的、客観的な立場から評価をしていくというものでございます。
 この第三者評価につきましても、先ほどいろいろな機能があると申し上げましたけれども、ここで問題になっておりますのは、下に掲げさせていただいておりますアクレディテーションに類する問題であろうかと思いますので、その辺りの御説明をさせていただきたいと存じます。
 もともと大学についての質の保証をどういうふうに図っていくかという点につきましては、その入り口と申しますか大学が設置をされるときの事前チェックと事後チェックという2つのシステムをどう組み合わせていくかということがあるわけでございますが、ここにございますように、通常「チャータリング」と言われます事前のチェックシステム(設置認可)、事後のチェックシステム(アクレディテーション)として、一定の水準を満たしているかどうかという適格認定、この2つを組み合わせるというのが一般的なシステムになるわけでございます。
 次のページにございますように、一般的に諸外国のケースを見てまいりますと、チャータリング自体につきましては、行政当局が直接行う、例えばアメリカの場合でございますと州政府が行うという形になるわけでございまして、それからアクレディテーション(事後チェック)の方につきましては、これは民間団体、行政当局から認定を受けた民間団体ないし行政当局から一定の独立性を有する大学評価の専門的機関が行っているというのが通例になっているわけでございます。
 それから、アクレディテーションの中には大学全体をまるごと評価をしていきます「機関別アクレディテーション」と、分野によりまして、例えばビジネスならビジネスに関する分野、法律とか工学とかそういった分野ごとのプログラムの評価をしていく「専門分野別のアクレディテーション」があるわけでございますけれども、こういったものを適切に組み合わせることによって大学の質の保証を図っているというのが大学の質の保証のシステムということでございます。
 我が国におきまして、今このアクレディテーションという問題が非常に注目を浴びてきておりますけれども、それにつきましては、ここにございますように、総合規制改革会議が昨年の12月に第1次答申を出しており、その中で大学がこれから競争的な環境の中で教育研究活動を活発に行っていくことができる環境をつくっていくためにはどうしていくか、そしてその質の保証を図るにはどういうふうに考えていくかということにつきましての方向性を出しているわけでございます。それには、2つ大きな柱がございます。
 1つは、いろいろな新たな試みができるように事前規制をなるべく最小限のものにしていこうということで、「大学・学部の設置認可の準則主義化」があります。すなわち、これは例えば今まで政策的な観点から、大学の設置認可の抑制とか都市部の設置認可の抑制、あるいは分野によっての抑制、そういった政策的な考慮がいろいろな形で入り込んでいた部分を、一定の水準を満たしていれば大学の設置認可については認めていきましょうという、準則主義化という方向性、あるいは設置認可の対象、手続といったことにつきましても、従来以上の緩和を図っていこうという方向性が出されているわけでございます。
 それと併せましてもう一つは、事前のチェックのところを軽くしていくかわりに、事後的なチェックのシステム(評価のシステム)を導入していこう、それを併せてトータルで大学の質の保証のシステムを整備をしていこうということが提案されているわけでございます。ここでは「認証評価」という言い方をしておりますけれども、文部科学大臣が認証をいたしました第三者認証評価機関が大学の評価を行っていくと、そういったシステムを導入していこうということが提案されているわけでございます。
 この提案を受けまして、現在、これから御紹介させていただきます大学分科会の中の将来構想部会というところで大学の質の保証に関するトータルシステムの構築ということが議論がされているわけでございます。このシステムを考えるに当たりましては、先ほどの資料3の一番最後に書かせていただいておりますように、大学制度全体との整合性のとれたシステムを考えていこうと、大学改革の方向性とも合致をした方向を考えていこうということ、あるいは大学の自主性の配慮とか評価機関が自律性を担保できるようにその基盤を確保していく、そういった観点からの検討をしていこうということでございます。
 資料1を御覧いただきたいと存じますけれども、これは、将来構想部会でこれから中間的なまとめとか答申をまとめていくことを考えているわけでございますが、その前提となります考え方の骨子案ということで今議論していただいているものでございます。中間的なまとめについてはなるべく早く、できれば方向性のところは13年度内に取りまとめをし、中間報告も4月中に考えていきたい、そして各方面の御意見を聴きながら6月までに答申をまとめていきたいと現在考えているところでございます。
 資料1の、まず総論のところは先ほど申し上げましたように、総合規制改革会議における議論などを踏まえながら、大学が設置された後のチェック体制の整備を図っていくとともに、設置認可の弾力化を併せて図っていくということで、トータルなシステムとしての大学教育の活性化のシステムをつくっていこうということでございます。
 まず第三者評価制度でございますけれども、これにつきましては、大学の教育研究活動の状況につきまして、国からきちんとした評価機関であるということで認証を受けました第三者評価機関が定期的に評価をして、一定の水準に達しているかどうかいうことをチェックをすることとともに、大学が、そういった第三者評価をするということで大学自ら改善を図っていくことを促していく制度を導入しようというものでございます。
 国はこの第三者評価機関を認証するに当たりまして、認証のための基準を示し、そしてその基準を満たすものをきちんとした、公的なそういった機能を果たし得る第三者評価機関として認証していくということでございます。
 その認証の中身としましてはここにございますように、大学評価のための適切な基準を定めている、あるいは適切な評価が実施できる体制が整備をされている、また定期的な評価の実施、評価結果の公表、不服申立て制度をきちんと整備をしている、そういったことが主な点になろうかと思います。
 そして、この適切な基準の点でございますけれども、これにつきましては、後で法科大学院についてはどうなのかというお話があろうかと思いますけれども、これは例えば分野によりまして、こういうことは必ず評価基準の中に盛り込む必要があるというような事柄があれば、それぞれの分野に応じたものを認証基準として考えていくということも可能であるということでございます。
 それから第三者評価の義務づけの点でございますけれども、大学全体をまるごと評価をする機関別の評価につきましては、一般的な義務づけを行っていこうということで現在検討をしております。
 それから専門分野別というものにつきましては、それぞれの専門分野によってもいろいろな状況が違ってまいりますし、また実際にそういう団体などが育っているかどうかという状況が非常に違うということでございますので、これにつきましては、現在考えておりますのは高度専門職業人養成の大学院、こういったように、社会に対して一定の質の保証を特に積極的に図っていかなければいけないような分野につきまして、第三者評価機関による評価を義務づけるということを考えてはどうかということで検討させていただいております。
 それから、先ほど論点のところでも御紹介いたしました第三者評価の結果を踏まえた措置ということでございますけれども、これにつきましては、一般的な機関評価の場合と専門分野別の評価、あるいは指摘をさせていただいておりますように、例えば国家資格の基礎資格などと結び付くというような、一定の法的な効果との関連が非常に強く認められるような場合ということで違ってまいるかと思います。審議会の方の議論といたしましては、一般的な大学まるごとの評価のところについては、当面特別の措置をストレートに結び付けるということに対しては消極的な御意見が多いわけでございますけれども、例えば法科大学院のような一定の国家資格、受験資格とのリンクなどが強く図られているような場合について、何らかの措置を検討することも考えられるのではないかという御意見が出されているところでございます。
 それから設置認可につきましては、これはまだ案が絞られておりませんけれども、大学の学位の授与という機能に着目して、そのためのプログラムの認可ということを考えていくか、あるいは学部といったような組織に着目して、大学の基本組織の認可ということとしていくか、この辺りについての検討を今させていただいているところでございます。いずれにしろ現在は学科まで認可対象になっておりますけれども、現在に比べまして認可の対象範囲を狭めていこうということで検討させていただいております。
 それから、次の3ページをお開きいただきまして、これは先ほどの評価を受けた事後的な措置とも実質上関連してくる部分があるわけでございますけれども、大学の設置後につきまして、現在国の直接的な関与がほとんどないシステムになっております。これは私学の自主性の尊重といったようなこともあるわけでございますけれども、現在はオール・オア・ナッシングといいますか、学校に対する閉鎖命令といったものしか規定をされていないという状況でございまして、いろいろな問題、不適正な事例についての対応が十分できない状況であります。これについても総合規制改革会議などでも御指摘があるわけでございますけれども、いきなりオール・オア・ナッシングというのではなくて、例えば改善措置について勧告をするとか、それを命じていくとか、そういった大学の閉鎖だけではない改善の措置についての権限を何らかの形で考えていく必要があるのではないかということで、現在検討をさせていただいているところでございます。
 それから設置認可の取消しについても、現行法令上の規定がないということで、これについても要件あるいは手順といったようなことについて、規定の整備を考えていこうということでございます。
 「その他」にございますように、第三者評価機関につきましては、これからスケジュールの明確化を図り、トータルシステムへの円滑な移行ということを、設置認可の弾力化と一体になるものとして考えていこうということでございますし、第三者評価機関に関する国の支援措置についても考えていくべきではないかということが言われているところでございます。
 それから、最後に資料2としてお配りをさせていただいておりますものでございますが、これも法科大学院部会の方に、法科大学院の場合について、先ほど申しました大学の質の保証に関するトータルシステムを考えていく場合の視点ということで、部会の方でも配らせていただいた資料の抜粋でございます。まずどういうところに位置付けられるのかということでございますが、先ほど申しましたように、機関別、専門分野別とあるわけでございますが、専門分野別の評価に当たるわけでございます。現在、先ほど申しました高度職業人養成について修士課程で専門大学院という制度がございますけれども、その制度を更に発展させ、例えば研究指導などについては、必要ないのではないかといったようなこと、教員組織についてどう考えていくか、どのように専門職業人養成の大学院にふさわしい学位を考えていくか、などを併せて考えまして、専門職大学院といった、仮称でございますけれども新たな制度を検討させていただいております。法科大学院はその中の1つの大きなジャンルということになるのではないか、したがって専門分野別評価として専門職大学院である法科大学院についての評価の義務づけということを考えていったらどうかということを検討しているということを先ほど申し上げましたけれども、その中の位置付けということを与えることもできるのではないかということでございます。
 それから法科大学院への当てはめの上での留意点ということで、これは先ほど御指摘いただいたこととも重なるわけでございますけれども、まず1番目の点といたしまして、内容的には今現在この検討会で御議論いただいているところでございますので、こういった内容を踏まえたものとする必要があるということでございます。この基準の中身の問題につきましては、この第三者評価機関が第三者評価基準というものを定めていくわけでございますけれども、先ほど申しましたように、認証基準に必要なものとしてこういうものを盛り込む必要があるということであれば、その中に盛り込んでいくということが基本ではないかということでございます。基準の策定あるいはその変更などにつきまして、何らかのチェック・関与が必要かどうかという点についても、また御指摘をいただければありがたいと思っております。
 2番目に第三者評価機関の在り方ということでございまして、審査体制などの点につきまして、特に法科大学院につきましては法曹三者あるいは利用者としての立場でございます企業関係といったような、各層の方々の御意見を反映させる仕組みということを考えていく必要があるのではないか、そして客観性、公平性、透明性を特に重視をしていく必要があるということでございます。
 それから機関につきましては、資格との関係ということがございますので、広く関係者の合意が得られるものであることが必要になってくるのではないかということでございます。
 それから、先ほども御紹介いただきました「仮認定」といいますか、評価について考えていきますと、これはどうしても発足してそのパフォーマンスを評価をしていくということになるわけでございますので、それまでの扱いをどういうふうに考えていくかということで、これは幾つかの方法があろうかと思いますけれども、特に受験資格との関係でどのような制度を考えていく必要があるのかということを御指摘いただければと思っております。
 簡単でございますけれども、今検討しておりますことの枠組みを御紹介させていただきました。

● ただ今御説明申し上げたとおりでございますが、いずれにいたしましても全体の大学評価の枠組みの中で、法科大学院につきましては、特に国家試験の受験資格と結び付くといったようなことで、それなりに法科大学院に則した適切な独自の仕組みというものが当然必要になってくるだろうと思っております。その辺は十分そういう全体の枠組みの中でいろいろな工夫をしていくことが可能だろうと思っておりますので、その辺、推進本部を中心に、私どもも関係方面と十分御相談させていただきながら検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

b)法務省からの説明

□ どうもありがとうございました。引き続いて、この法科大学院の第三者評価の在り方につきましては、法務省からも補足的な説明をしたいという御希望が出されておりますので御発言いただきたいと思います。

▲ 若干貴重なお時間をちょうだいしまして補足的に説明させていただきます。
 ただ今文部科学省から法科大学院についての第三者評価については独自のものであって、また別途の工夫の余地があるというお話がございましたが、まさに今御説明があったのは、大学一般についてお考えの第三者評価スキームであるのに対し、司法制度改革審議会の意見では、法科大学院の第三者評価については、その結果が司法試験の受験資格という法律上の効果に直結するものとして制度設計をしなければならないという点で大きな特殊性がございます。文部科学省が大学一般についての第三者評価を検討するに当たって、法科大学院についても、第三者評価機関による評価を義務づけるという意味の御説明がありまして、その点については全く私どもも同感でございますが、冒頭申し上げた特殊性との観点で御留意いただきたい点が3点ほどございますので申し上げさせていただきます。
 まず1点目は、評価基準は全国統一的なものにしていただきたいという点でございます。例えば文部科学省から御説明がありました大学一般についてのトータルシステムの場合には、恐らく複数の第三者評価機関が存在し得ることになるのだと思います。そして、その評価基準はそれぞれの第三者評価機関自体が独自に策定されることになるのだと思います。そして、もちろん第三者評価機関の認証のための基準の中で、その第三者評価機関が適正な基準を持っているかどうかは判断対象になるとは思うものの、基本的にはある意味で緩い枠組みになっていると思います。けれども、法科大学院についての評価基準は司法試験の受験資格と結び付くものでありますから、全国統一的な、言わばミニマムスタンダードとして位置付けられるべきものでありますので、そのような位置付けに照らせば、法科大学院が評価基準を満たしていない場合には、文部科学大臣等が改善勧告や改善命令等の行政処分を行い得るような効果を発生させるものとすることが必要だと考えています。
 そういった位置付けの保証がないものである場合には、評価基準を満たす法科大学院の修了者に司法試験の受験資格を付与するという法律上の効果を与える合理性が認められないのではないかと考えています。第三者評価機関がその研究、創意工夫によって大綱の範囲内で評価基準の細目的なものを独自に策定することはあってよいと思いますけれども、司法試験の受験資格を付与するために不可欠な事項は評価基準に必ず盛り込まれることが法制的に担保されていなければならず、評価基準の骨格・大綱的な部分については法令で規定されていなければならないのではないかと考えています。もっともすべての評価基準を法令でがちがちに縛ってしまうということを考えているわけではなく、まさに骨格部分だけを定めていただいた上で、その細目は評価機関にゆだねることも1つだと考えております。
 申し上げたい点の2点目は、第三者評価機関を全国で1つに限ってもらいたいということでございます。文部科学省のお考えになっているトータルシステムというものは教育水準の向上を図る観点から非常に有益でありますし、法科大学院についても教育水準の向上を図るためにいろいろな評価機関が様々な切り口で第三者評価を行うことはあっていいものだと考えています。一般的な意味での第三者評価については複数の第三者評価機関があってもいいと思っておりますけれども、司法試験の受験資格に結び付く適格認定を行うという意味での第三者評価、その機関は1つに限る必要があると考えています。
 と申しますのは、評価機関が複数あり得る仕組みとした場合には、特定の法科大学院について、ある評価機関は適格と認定し、他方、別の評価機関が不適格と認定するなど評価が個々に分かれた場合に、司法試験の受験資格を付与すべきかどうかの判断に困難を来すからです。また、そもそも第三者評価機関が設立されなかった場合どうするのか、あるいは複数設立されたものの評価機関がつぶれてしまったらどうするかとか、廃業してしまったらどうするのかといったようなことを考えますと、大学一般に対する第三者評価スキームでは、司法試験に対する第三者評価スキームが担保できないのではないかと考えております。
 その意味であくまで参考ですけれども、独立行政法人というものがありまして、その通則法第2条第1項の規定が示唆に富むものと考えております。この条項には「公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるもの」と規定されておりますが、法科大学院の第三者評価はまさにこういった事項に整合するものではないかと思っております。私どもとしてはこれも1つの考え方として成り立つのではないかと思っています。
 申し上げたい点の第3点ですけれども、最後に第三者評価機関による不適格認定又は適格認定を取り消された法科大学院に対しては、公的な仕組みによって一定の行政処分等の措置が講じられるという法的な担保が必要であると考えています。不適格認定を受けても単にその評価が公表されて不名誉を被るだけというのであれば、そのようなシステムに依拠して司法試験の受験資格を認めないという行政処分を行うことができるかという問題が生じます。第三者評価機関の認定を踏まえて法科大学院に対する行政処分等の措置が行われるという仕組みが採用され、行政処分等の措置を待って受験資格の付与を停止するものとすることが適切であると考えられます。
 この点については、不服申立て等を考えてみましても、第三者評価機関を純粋な民間機関としつつ行政処分を介在させない場合には、当該民間機関を相手方とした損害賠償等の民事上の責任を追及し得るにとどまってしまいますけれども、行政処分を介在させれば、当該処分の取消しを求めることによって受験資格の回復等も可能になることからも合理的ではないかと思われます。
 不適格認定の場合の行政上の措置の内容としては様々なものが考えられるところです。例えば、アメリカの制度を参考にして学位授与権限を停止することが考えられると思いますし、また主務大臣が認証した評価基準に違反しているという事実を契機として主務大臣による改善勧告、改善命令、学校閉鎖等の処分を行うものとすることも考えられるところです。
 以上のとおり、主に3点について申し上げましたが、これらについては新たな立法措置が必要になりますので、第三者評価のスキームを議論すべきこの検討会で慎重に御検討いただいた上で、今後、推進本部事務局等において所要の立案作業を進めていただきたいと考えております。以上でございます。

c)質議・意見交換

□ どうもありがとうございました。
 それではただ今の文部科学省と法務省の説明に対して御質問などがあれば挙手の上、御発言願いたいと思います。

○ 今の法務省の御見解に対して文部科学省としてはそれでよろしいのですか。違う御意見がおありでしょうか。

□ 文部科学省いかがでしょうか。

● まず第1点、評価基準について、大綱的なところ、評価基準に必ず盛り込まれるべきものについての骨格部分を法令で定めるということについてでございますけれども、先ほど申しましたように、評価基準自体につきましては、基本的には第三者評価の枠組みの中で考えていくものであり、第三者評価機関自体が策定するものとは思っておりますけれども、先ほど申しましたように、例えば認証基準の中で適切な基準というふうに考えるためには、例えばこういうものも盛り込んでいかなくてはいけないというような必要事項がございましたら、そこは事項あるいは内容について、その認証基準の中に規定をしていくということは可能であろうかと思っております。一般的な評価基準として、法令で定めるべきという御指摘についてどうかということでございますけど、もしそういうものであると、これはイコール設置基準ではないかという感じもいたしますので、その点、法令上の問題をどう考えていくか、位置付けの問題をどう考えていくかという点は出てくるのではないか。
 今申しました評価基準と設置基準ということでございますが、実は大学設置基準と申しますのは大学の設置のときについて見る、その要素を規定してある基準というだけではなく、大学として存在していく、その基本的な枠組みを規定しているという基準でございますので、例えば単位制度の問題とか、あるいは教育課程の基本的な問題、教員組織の問題について基本的な枠組みを規定しておりますので、そういったものとの関係はどう考えていくかという事柄が出てこようかと思いますけれども、今申しましたように、実質上、法務省がおっしゃいました点につきまして、認証基準ということを介して規定を第三者評価基準の中に出していくということは十分に可能であろうかと思っております。実質の問題については全く異論はございません。

○ 今の点ですが、第三者評価機関を認証するときに適正な基準を定めているということを要件にする。その「適正な基準」かどうかを判断するための何らかの実体基準もどこかで定める。文部科学省の方で定めることは考えられるということですが、その法令上の位置付けというのはどういうものなのでしょうか。同じことの反面を、法務省に伺いたいのですけれども、法制的担保が必要だと言われたのですが、厳密な意味での、狭い意味での「法令」でなければいけないのか。あるいはそれよりも下位の規範でも、先ほどおっしゃったようなスキームの前提にできるのでしょうか。
 2点目は、文部科学省がおっしゃったことなのですが、何らかの行政処分に直接つながるような基準だとすると、それは設置基準そのものではないかということですけれども、その場合、先ほど一番最初におっしゃった、設置のところは緩やかにし、事後的に厳しい基準でチェックをして質を担保していこうというのが全体の流れである。そのことからしますと、事後的に厳しい基準でチェックをする、その基準が公的な性格を持ち、それに適合しないと、さかのぼって設置認可の取消しにつながるというふうに戻っていけるものなのかどうかということです。戻っていけるとすれば、それは設置基準そのものだということになるわけですが、それは、しかし、設置基準を準則化して緩やかなものにするということとは矛盾しているような気がするのですね。そうしますと、厳しい基準でチェックして、何らかの行政処分をそれに結び付ける。そういう制度にするには、設置認可のシステムとは何か違う仕組みを考えないと整合しないような感じがするものですから。その点を含め文部科学省には2点、法務省には1点、お伺いしたいと思います。

● 大学設置基準と評価基準というのをどうリンクをしていくか。1つの方法としましては、お話のように設置基準の中に、例えば厳しい措置をするような中身を抽象的にしろ盛り込む、例えば学生の評価はきちんとしなければいけないというようなこととか、あるいは2年制課程、3年制課程の関係のようなものがありましたら、そういうものを盛り込む。大学院の存否ということに関わる非常に重要な問題だということであれば抽象的にしろ盛り込むという方法は1つあるわけでございますけれども、もう一つの考え方として、専門職学位あるいは法科大学院に特化してということで考えてもいいのかもしれませんけれども、そういう特定の資格とのリンクが非常に強いような大学院で、その場合に受験資格などが認められるかということに評価ということがまさにストレートに関わると、その評価の得られない、適格認定も得られないと、そういう大学院がそもそも大学院としての設置要件といいますか、存続要件というところにも大きく関わるということで、例えば設置基準なら設置基準に適格認定を受けなさいということを包括的に書いてしまうという方法、あるいは専門職学位を出すということの前提といたしまして、適格認定を受けている大学院でないとそういう学位は出せないということを包括的に書いてしまうという方法はあるのかもしれません。そこのところは、どれほどこういった適格認定自体と行政的な事後的な措置というものをリンクさせるべきかという、まさに検討会における御検討のお考えを踏まえながらということであろうかと思います。
 第1点につきましては、まだ確定的イメージではございませんけれども、先ほど申しました第三者評価というものを一般的に義務づけるといたしますと、やはり学校教育法に根拠を持ってくる必要があるのではないかと思います。学校教育法に根拠を置き、そして具体的なシステムについては下位の法令におろしていくということになろうかと思いますけれども、政省令、どのレベルで出てくるかということは詰めておりませんが、何らかの形で認証基準について、例えば省令なら省令というところで定めを置いていくと、先ほど書かせていただきましたような抽象的な要件あるいはそれを更に受けての具体的な要件を法令で書いていくということになるかと思います。

□ 法務省の方はいかがでしょうか。

▲ 御質問に対しては、行政処分が可能になるようなものであれば、どこかの法令に位置付けていただければ、広い意味の法令ですけれども、しかも名宛人が法科大学院になるようなものであれば差し支えないと考えます。テクニカルな点は、また事務局の方の御検討に協力させていただきたいと思います。

■ 議論の流れに関係しますのであえて発言させていただきますが、第三者評価機関を大臣が認証するというような話がございましたが、今後およそ大学のトータルの中で何十、場合によっては何百もの評価機関ができるかもしれない。それを大臣が全部認証するような、大臣に非常に大きな権限を与えるようなことをお考えなのか、あるいは法科大学院のように公的な受験資格に結び付くものに限って公的な位置付けが必要なので大臣が認証するということをお考えなのか。
 もう一つの切り口で言うと、法務省案のように全国で1つに限るようなスキームを何らかの法令で手当てすればそもそも認証というのは要らなくなるので、そういう公的な位置付けさえできれば、あえて大臣が機関を認証することも要らないのではないかという疑問も生じるのですが、大臣が機関を認証するというのは大前提となっているのかどうか、そこを確認したい。

● 今日は詳しい資料を配らせていただいていませんが、総合規制改革会議の第1次答申の中で提言されている、設置認可の弾力化を行い、入り口規制のところを最小限にしていきます。それと併せて、先ほど申しました事後チェック、そういうアクレディテーションシステムを入れていきます。したがって、そういった評価を必ず受けてくださいと、そういうシステムをつくっていきます。
 その場合に評価機関というのはいろいろなものがあっていいわけでございます。例えば世の中にあるいろいろなランキング機関なども含めて、いろいろな評価機関があるということ自体は構わないわけでございますけれども、この評価機関の評価はそういった設置認可の弾力化との兼ね合いの関係で質の保証システムとして、この機関の評価は受けてくださいよと、もちろんそれは通常の大学の機関評価の場合には複数あっていいわけだと思いますが、そのものについては文部科学大臣がそういうきちんとした機関ですよということを認証しなさいと、それが総合規制改革会議の御提案ということでございますので、我々もそれを踏まえた議論をさせていただいているということでございます。
 ですから、そういう意味では複数の評価機関が存在することがあり得るシステムでございますけれども、例えば特定の分野について、特に資格等のルートがあるような場合には別途考慮すべきだという話であれば、そこのところは合理的な範囲で、合意によっての多様性というのはあり得るのではないかと思っておりますけれども、一般的なシステムとして、先ほど申しました文部科学大臣の認証といったシステムについては総合規制改革会議の御提言でございますので、それを踏まえて議論させていただいているということでございます。

○ 今の説明への質問ですが、効果のところで第三者評価の結果を踏まえた措置としてどう考えるかというのは例示されていますけれども、法務省案との一番大きな違いは、行政処分性を付与するものとして構成するように考えるかどうかだと思いますが、その点はどうなのでしょうか。

● ここのところは正直申しまして、審議会としての詰めはこれからだと思っております。特にこちらの御検討もいろいろな意味で踏まえさせていただく必要があろうかと思いますので。

○ 議論としてはオープンになっていて、これから決めていくという話なのですね。

● はい。特に将来構想部会の御議論の中ではこういった国家資格の基礎資格になるような場合についてはいろいろな形で行政的に責任をとる仕組みも必要になってくるのではないか、別途考慮が必要な部分はいろいろ出てくるのではないか、そこのところは十分に検討していかなければいけないという一般的な御指摘はいただいております。

□ 今まで議論になっております何らかの法的な担保というか、法令上の位置付けが必要かどうかという問題と、今、委員が御質問になられました行政処分の問題をどうするかという問題、これらは文部科学省と法務省の所管がオーバーラップするところなので、先ほど両方から推進本部で調整して具体的なイメージをつくり上げるという御提案もいただいていますので、推進本部の方で両方調整していただきたいと思います。

○ そういう引き取り方ですとオープンな議論ではなくて、調整してくれというふうに聞こえますけれども。

□ そういう趣旨ではなく、ここで御議論いただいた上で、文部科学省だけで決めるとか法務省だけで決めるのではなくて、推進本部で両省と調整を図りつつ詰めていくというふうに了解しています。

○ その点、ちょっとよろしいですか。大学全体としての第三者評価の在り方、特に専門職大学院の学位に結び付く評価というのは中教審でやられる。しかし、まだ詰まってないところが多々あるということなのですが、その全体のスキームの構築を待たないと、我々としては議論できないのか。それとも、我々としては、法科大学院に専ら関心を集中して、それにふさわしいスキームを先に検討していいのか。その辺はいかがなものなのでしょうか。

● もちろん先ほど申しましたように、こういう国家資格とのリンクという場合には、国家資格の方から来るいろいろな御要請があろうかと思いますので、そういうところを十分に聞かせていただいて、制度的な位置付けができるものについては考えていきたいというオープンスタンスで考えさせていただいているということでございます。そういう意味では、もちろんこの場でいろいろ御議論いただいて、むしろそれをきちんとリンクをさせていただくという、なるべく我々としても早く検討はさせていただこうと思っておりますけれども、全く別の形で御議論していくというのではないのではないかと思っております。

○ 先ほどの座長のまとめは、予定調和でいくようにも聞こえたのですけれど、矛盾が生じないように、最終的には推進本部で調整をする。そういう位置付けだということですね。

□ ええ。確かに全体として専門職大学院の第三者評価の仕組みの一環に位置付けられることは間違いないのですけれども、先ほど来問題になっていますように、司法試験の受験資格の問題と絡んでいるため、それに関して一定の法制的な検討は要るので、その関連付けについて専門職大学院のスキームが全部出来上がるまでこちらの検討が進まないというのは困ると思います。もともとこの法科大学院の第三者評価のスキームの方は審議会などで議論が先に進んでいて、しかもここで議論していることは、どんな第三者評価機関が立ち上がるにしろ、その中に実質的には組み込まれるのだという前提でないと、この検討会で議論している意味がなくなってしまいます。その辺りについて、ここでの議論がベースになるのだということを踏まえないと、これから意見の交換をしても無意味になってしまうので、それを確認したかったという趣旨なのです。それで文部科学省も法務省もよろしいのでしょうか。決してここで勝手にやるという意味ではなくて、流れとしてはそうなっているという確認です。

▲ はい。

□ そういうことで、御意見も含めてお願いします。

○ 今の座長の取りまとめで大分了解をしたのですが、大学全体の第三者評価とかいろいろなことがこれから大変変わっていくのだろうと思うのですが、確かにそれを待っていたのではこちらが間に合わないと思いますし、その中で専門職大学院でもいろいろ特色があって、特に法科大学院の評価基準の中身をつくるとか言えば、法曹三者の参画というか、そういう意見が取り入れられるようなものであってほしいと思いますし、大学の設置基準の方は非常に自由なものであっても、それはそれであっても結構だけれども、司法試験の受験資格を与えるかどうかということに関しては、言わばこちらの世界で議論されると。第三者評価機関というのが、先ほどの文部科学省の御説明だったら何十、何百とできるかもしれないと、それはそれで自由に評価したらいいけれども、それと法的効果を与えるものとはやはり別で、先ほど法務省の御説明にあったようなものが1つは必ずあるし1つで足りると。いっぱいあって、どれかやさしそうなのを選ぶというのにはちょっとふさわしくないだろうと思いますし、そこの一般的な第三者評価基準を認可するのかどうか分かりませんが、その基準は非常に一般的なものになるでしょうが、それが実際に各法科大学院を訪問してチェックしてやるところに我々は関心があって、それのやり方について法曹の世界からの関与といいますか、そういう特殊性が十分活かされるような制度のつくり方をしていただきたいと思うのですが。

● 御趣旨非常にごもっともだと思いますし、私どもも是非こういう場で法科大学院の国家試験の受験資格と結び付く評価の在り方について、いかにあるべきかということを是非御議論をいただきたい。私どもとしてもそういう御意見を十分にちょうだいをした上で、むしろ逆にそういうものがうまくおさまるような全体のトータルの設計をしていきたいと思っておりますので、そういう意味では、私どもも推進本部を中心に関係省庁に十分相談させていただきながら、双方が、この法科大学院の評価のスキームと大学全体の評価のスキームとが矛盾なく整合的におさまるような格好に議論させていただければというふうに思っております。

□ そういうことをベースにして関係機関の調整をしていただくとしても、やっていただく前提はここで検討しなければならないので、それに関して御意見がございましたら。

○ 法務省にお伺いしたいのですけれども、先ほど評価基準には何らかの法令的な位置付けを与えると、それは行政処分の根拠になるものでなければいけないからだとおっしゃって、その行政処分というのは一体何かということなのですけど、これは考えられておられるのは不適格認定、適格認定の取消しを第三者評価機関が行った後の行政処分という意味ですね。つまりある基準に違反したのに対して、いきなり行政処分で是正命令を出すとか、そういうことではないんですね。そこをちょっとお伺いしたい。

▲ いろいろなつくり方はあろうかと思いますけれども、御指摘のようなことを念頭に置いています。

○ それとこれは両方にお伺いしたいのですけど、適格認定された後も受験資格の認定というのが2つ分かれることになっているのですけど、文部科学省の言われる大学全体の評価のシステムで民間機関が適格認定した場合、それが司法試験の受験資格の認定とどうつながるのかということと、法務省のお考えになっている仕組みだとどうつながるのか。特に文部科学省が言われるような第三者評価機関の認証基準の中にいわゆる最低限の基準が含まれているというような仕組みであった場合に何か変わってくるのかということをお伺いしたいのですが。

● 司法試験の受験資格の関係は我々の所掌ではないと思いますので、そちらの方のお答えは難しいかと思いますが、基本的には大学評価と申しますか、大学が言わば改善努力をしていく、あるいは水準を担保していくための評価というのが、一般的に、先ほどから申し上げました第三者評価であろうかと思いますけれども、それをうまくこの司法試験でも活用していただけるようなものとして我々としても構築していけたらということでございます。

▲ 適格認定を受けた法科大学院の修了者の願書を受理することになります。認証基準の中に評価基準が溶け込んでしまう場合には、認証の相手は第三者評価機関ですので、法令違反をする者は第三者評価機関ですので、第三者評価機関をおとりつぶしになることはあるかもしれませんが、法科大学院はとりつぶされませんので、我々のイメージしている世界とは違うことになります。

● その点は先ほど申しましたように、適格認定と設置基準とのリンクの仕方、あるいは学位授与なら学位授与という認可の仕方には、いろいろな選択肢があろうかと思いますので、そこのところはどういう形でリンクを考えていくのか、例えば大学院の存続自体と適格認定ということを、大学院の設置基準の方で何か書くかどうかという点は問題としてはあろうかと思います。その場合に法令違反という意味が、設置基準なら設置基準あるいは学位規則なら学位規則というものとの関連が出てくるかどうかと。

○ 今の御説明は、こういうことですね。設置基準の中に何か受け皿的なものをあらかじめ用意しておいて、厳しい基準で適格がないとされたときには、さかのぼって存続を認めない。そういう形の設置認可の取消しということが1つあり得ると。

● いちいち書くという意味ではなく、適格認定を受けなさいということを書くかどうかということです。

○ 確かに、設置認可が取り消されれば、結局法科大学院としての資格がなくなるので、司法試験の方としては、受験資格として法科大学院を修了したことというふうに書いておけば、その要件に当たらなくなるから、司法試験管理委員会の方は受験資格の確認がやりやすいスキームだと思います。
 もう一つの可能性は、不適格の場合には学位の認定権を取り消すということで、その場合は、司法試験の方では、何という学位か分からないですけど、○○という学位を取得している者に受験資格があるという形にすれば、これも前提要件のところが取り消されれば受験資格はないことになる。そういうことが考えられるということですね。

○ あともう一つ、今、法務省の回答を聞いていて、法文としては適格認定を受けた法科大学院の修了者に受験資格を認めるというような形でお考えなのかなと私は思ったのですけど、そういうものはないのですか。

▲ 今は司法制度改革に関する法令の立案権限は推進本部にありますので、我々は条文案は考えておりません。

■ 現在、条文案のたたき台を考えている最中なのですが、「適格認定を受けた法科大学院を修了した者が受験資格を有する」と書くと、先ほど法務省が指摘したように、第三者評価機関が存在しない、あるいはつぶれてしまった場合は何人も受験資格がないわけになりますから、これはストレートには書けないかもしれません。
 それから、「適格認定」と書いた場合、それを定義する必要が生じますが、例えば「○○という民間会社が行った適格認定」と書くわけにはいきませんので、これは文部科学省が言うように、「文部科学大臣が○○と認定した○○機関による」と書ければ、評価機関が1つしかない場合はいいのかもしれませんが、それが複数あるとなるとまた法務省御指摘のような問題も生じます。そういうことと、仮に受験資格をめぐって不服申立て等があった場合に、国が受けて立たないといけないのですが、適格認定が合理的であったかどうかは、その民間機関に聴かないと分からないというようなことになって、国は必ず負けてしまうことにもなりかねないという、ちょっと訴訟的な、事後的な配慮が必要ということであって、恐らく法務省がお考えのように、何らかの行政的な行為を介在させて、その行政処分あるいは行政処分が行われることを前提にして、例えばこういう学位を取得した者とか、不適格なところは必ずとりつぶされるのだから、単に「法科大学を修了した者」と書けば法制的にはつながるというような考慮もあり得ますので、どういうつなぎ方にするかは法制面での詰めが必要になると思っています。

○ 今の説明に関連して法務省にお伺いしたいのですが、評価機関を民間にした場合、どこも手を挙げなかったり、あるいは手を挙げたのだけれども、認証できないようなものであったとか、あるいは一度認証されたのだけれども、廃業してしまったという事態が生じたら困る。それが評価機関は1つでないと不都合だということの理由の1つとされていたと思うのですけれど、それは1つかどうかということよりは、ないと困るということでしょう。そうしますと、ぎりぎり詰めた場合、国がその存在について責任を持たなければならないということになるのではないでしょうか。
 そうなりますと、民間で誰でも参入できるという形でいいのかどうかということにも関わると思うのですが、ちょっと性格の違う問題のように思うのですね。

▲ ぎりぎりに詰めた場合という前提で申し上げさせていただくと、根っこが純粋に民間で、それに対する認証を行うだけというつくりだとやや不安を感じます。その意味で、例えばという形で独立行政法人も御提案させていただいているんですけれども、ここも工夫の仕方はいろいろあろうかと思います。ぎりぎり詰めたら、委員の御指摘のとおりやや困る事態が起こるだろうなと思います。

□ この問題は役所の所管がオーバーラップし、しかも、官民の役割分担の再調整をやっているところの問題で、頭の痛い問題です。また、第三者評価のスキームから言うと、法科大学院などの教育を向上させるというプログラム規定的なものと、標準的なもの、ミニマムスタンダードの面とがあるわけですけれども、第三者評価の問題はミニマムスタンダードの面だけではないことを御認識いただいた上で、最低ベースのところをどう詰めるかというのは法制的に重要な問題であり、この点について御意見を伺った上で、なるべく早く方針を決めていただかないと、後の具体的な基準のつなぎ方などとも関連してくるところがありますので、よろしくお願いいたします。

○ ミニマムスタンダードと、いずれにせよ、第三者評価機関が実質的に定める基準というのはあるわけですね、どちらのスキームをとっても。その場合、適格認定はとにかくミニマムスタンダードだけクリアーしていれば適格認定はすると、ただ、それぞれの評価機関が持っている評価基準から言うと不十分なところがたくさんあるところに対しては、例えば改善命令を出すというようなスキームをお考えになっているのですか。それとも適格認定の基準だけを持った第三者評価機関を1つだけつくるというイメージなのでしょうか。

□ 第三者評価機関の評価の仕方ですが、行政処分に結び付くようなもののほかに、改善命令とか、勧告、アドバイスとかいろいろな機能を含めてやらないと、本来の第三者評価機関としての役割を果たせないので、そのうちの一番ハードというか、ミニマムなレベルだけが満たされていればすべてOKというのではないわけです。ただ、司法試験の受験資格認定との関係では、ミニマム基準だけが差し当たりどうしてもクローズアップされざるを得ないのですが、最低基準さえ満たしていればそれで結構ですというのでは評価機関の役割は果たせないのではないかと理解しております。

○ 資格に結び付く点を考慮すると、これを一本化して全国均一なものにしないと、受験生又は対外的に世間一般から見て、いろいろな認定機関があるというのでは、それぞれの基準が、審査のマニュアルまでが本当に統一されているかどうかなど、具体的な点でかなり不公平感や不公正感といったものが出てくることになり、それは避けなければいけないのではないか。
 それから、そもそも文部科学省が言っているような第三者評価というのは、本来、大学の自己点検、自己改善の方から来るもので、そういった意味ではロースクールでも、ロースクールごとのいろいろな協会・グループができると思うんですね。そこにおいて自分たちで自主的な改善面の目標を定めるような、そういう業界団体のようなものは出てくると思いますが、そのようなものを文部科学省は意図しているのではないかと思います。本来のそれぞれのミニマムよりもっと上のところの向上をねらうような評価機関と、新司法試験の受験資格に結び付くところの評価をする機関は分けて構築していった方がいいのではないか。新試験に結び付くのは全国統一で一本化して公的にやっていただかないと、例えば、ある審査機関にロースクールが申し込んで断られたと、こっちにも申し込んだら断られたと、断る事由がなければ、みんなある1カ所に集中するかもしれませんが、もしそのような問題を民間でというようなことになった場合に、車検ではないけれども、値段がピンからキリまであってどうのなどということになっても困るのではないかと思うのですね。だから公的な資格に結び付く方だけは一本化して、全国統一のものというふうにしておいていただきたいという感じがします。

○ 私も同じような問題意識で御意見を申し上げようと思ったのですが、最低基準でロースクールとして最低要件を満たしているかどうかだけを審査する第三者評価機関というものにどれだけの意味があるのか。それはないと困るということは分かりますけれども、私どもがイメージしていたのは、もっと高度な、常にそれを評価して、その結果を世間に公表して、それを通じてロースクール同士の競争が行われてレベルアップさせると、そういうイメージでおりましたので、最低水準を満たしているかどうかという、今の委員の御意見だと、それはそれとしておいて、もう少し高度な方は別にしてもいいのではないかという、これは私は今まで思いつかなかった。私は1つの評価機関が最低基準もやれば上の方もやるのだと思っていましたので、逆に言うと、本当に我々がほしいのは、もっと高度なところでどれだけいい中身をやっているかと、それはそれで受けなくてもいいというか、一番安いところに申し込んで受けておけばいいというのも、これはちょっと難儀だなと思って、やはり1つのところで、最低基準も満たすし、非常に高いレベルの、どんな学生を出しているのかということも評価して、それを世間に公表するということまで共通でやってくれたらいいような気がするんですけれども。

○ ただ今の委員の意見に大賛成なんですけれども、恐らくそんなにたくさん評価機関ができるはずはないと思うんです。実際、費用の問題を考えても、行政的な意味を持つ分だけ補助金が出るとかそういうことがあるのかもしれませんが、純粋に大学からフィーを取っていい評価機関を成り立たせようとしたら非常に難しいと思うんですね。それで結局1つしかできなかったとして、そこが最低限のことしかやらないというのでは非常に困ると思うんですね。ですからそれは最低限の判定もするけど、もっと高いものを目指せるような、そういう評価機関の制度をどうしても構想してほしいと思うんです。

○ 文部科学省の大学改革のフレームというのは、非常に賢い、利口な合理的な判断をする子どもたちがいて、そういう大学の卒業生に対して、非常に賢く合理的な判断をする企業があって、その中間に評価機関が適切にシグナルを出すと、賢い子どもたちが賢い選択をして、結果としていい子どもたちが生まれて、そのことについて評価機関が適切なシグナルを出すと企業は非常に効率的に人々を労働力として確保できるという、そういうスキームだと思うんですね。だからこの評価システムというのは、そういう意味で入り口の入ってくる人からと企業の労働力を受け取る側からのチェックを受けるわけですね。その結果として、大学は自己改革をしてよりいい子どもたちを受け入れ、よりいい労働力をアウトプットするために自己改革をするというモデルだと思うんです。そういう意味では、競争、完全情報、完全市場ですね。その方が適切だというモデルで、それはそれとして一貫性があると思うんです。
 それを今回の法科大学院に当てはめていいのかというのが1つあって、今言ったようなアウトプットの側は、この制度の場合には司法試験の受験資格なわけです。企業がシグナルを見て、この大学はいいとか悪いとかいう制度にはなっていないわけです。そのときにいろいろな評価があって、自由なシグナルを出してもらって合理的に判断をするというような枠組みは、この受験、特に職業資格にもいろいろあると思うのですけれども、この司法試験制度には合わないというか、合理的ではない、フィットしないのではないかと懸念するのですけれども。

● 今、委員がおっしゃいました、一般的な、例えば大学まるごと評価というようなものについては、おっしゃるように一定の水準の担保ということとともに、それを社会的にいろいろな情報を提供していくということにより、学生あるいは受け取る側についても、ある意味では適切な評価をしていただくと、そういうことにより競争を高めていきましょう、質を担保していきましょうと、今の段階ではそこにとどまるところからスタートしましょうということだと思います。例えばアメリカのシステムの場合も機関別評価、専門別評価の2つに分かれており、その専門分野別の評価の1つとして、例えばABAが行うもののように資格とリンクをしていくような評価もあるわけでございますので、分野によってはいろいろな多様性、効果というものを考えていっていいのではないかと思います。
 特に先ほど申しました専門分野別の評価というのが、今、例えば技術者教育についてJABEEといわれる機構などが立ち上がってきていますけれども、これは国際的に技術者としての通用性を担保させていくワシントンアコードという仕組みの中に乗せていこうというものであり、国家資格として我が国にも技術士という資格はございますけれども、それとのリンクも志向する評価システムも立ち上がってきております。そのような、一定の職業資格のようなものとのリンクを全く考えられないかどうか、そういった意味で今検討させていただいているのは、むしろ専門職大学院と申しますか、一定の職業能力の育成ということ、あるいは一定の職業との結び付きが求められている大学院の場合には、それにふさわしいある種の効果、それにふさわしい評価の在り方を一般のシステムに加えて付加をしていくということの可能性はないのだろうかということです。
 そこで先ほど申しましたように、特定の資格にリンクしている場合についてのプラスアルファの考慮を加えていくという可能性があるのではないかということで、審議会の方では御検討をいただいているということでございます。

● 一言補足させていただきますと、私どもの考えているスキームも結局適格認定のスキームでございますから、それにいろいろ副次的な情報が併せて公表されることはあるにしても、基本的には○、×をつけるシステム、適格か不適格かということを認定するシステムでございます。その場合に、そうではあるのだけれども、それは不適格なところを排除するというところに重点を置いて制度設計をするか、あるいは各大学が不適格だと言われないように努力をすると、そして全体として司法試験の受験者の水準が向上していくと、そういうことを目指して制度設計するのかという辺りで若干幾つかのバリエーションがあり得るのではないかと思います。そのところは是非いろいろ御議論いただいて、いいものにしていただきたいというか、いきたいと思っているということでございます。

(2) 第三者評価(適格認定)基準の在り方について

□ まだいろいろ御議論があると思いますけれども、本日の説明と今までの御議論を踏まえて、大体どういうスキームで今後検討するかということについて、次回私の方で整理をして、それをまたここで検討していただくということにして、このスキームの話は一応これぐらいにさせていただきます。第三者評価の基準に盛り込むことを決めなければならなければならない事項と、法科大学院の設置準備の前提として早急に確定すべき事項、司法試験法の改正作業を進める前提として特定すべき事項がございますので、どうしても今までの議論の流れからいうとミニマム基準中心になりがちなんですけれども、それを確定しないと後の検討が進まないところがありますので、今日のスキームの話は一応これぐらいにして、次に前回に引き続いて、第三者評価(適格認定)の基準の在り方について意見の整理に進ませていただきたいと思います。
 そこで、前回までの意見を整理したものを資料3として準備しております。これは第1回の検討会で配られた資料に関して委員のいろいろな意見をいただいて、口頭で発言されたものも踏まえまして、私の方で整理し直したもので、多少私の意見も加えておりますけれども、加えたいけれども抑制しているところもございます。基本的には、今まで出された意見で、どちらかというとミニマムの方に合わせた基準ですけれども、早急に決めていただきたいという事項を整理したものでございます。
 お配りしている資料3のうち、3の「入学者選抜」と「教育方法」と「修了要件」について、少し従来よりも書き込んだものを準備しておりますので、これに関しましては、次回またこの問題と新司法試験の問題についても議論するのですけれども、その前提として、この3つのことについて、ある程度意見の違いは残ると思うのですが、少々日程的に厳しいので、意見を整理した上で議論を先へ進めたいと思います。この3点について少し重点的に議論していただきたいと思います。
 まず、資料3の「入学者選抜について」、(注)のところでございますけれども、「開放性」及び「多様性」の確保に関する措置について、今まで表明された意見を踏まえて、イに関して解釈指針的な位置付けのものとして「当分の間、非法学部出身者及び社会人の合計が2割以上である場合には、評価基準に適合しているものとし、その合計が2割未満である場合には、各法科大学院における入学志願者の動向、選抜方法の実情等に関する説明を聴取した上で評価基準に適合しているかどうかを判断するものとする」というものを入れてみたのですが、この点について御意見をお伺いできればと思います。

○ 基本的には異論はないのですけれども、ただ、非法学部出身者というのはどういうイメージを持って言われているのか。

□ 今までの議論では、法学部の中にもいろいろなものがあり、例えば法学部の中に政治学科もあるのだけれども、それは一応全部法学部で括ることにして、四文字学部とか微妙なものがあるのですけれども、そこまで細かく決めるということまでは必要ないだろうということだったと思います。社会人をどうするかというのも、これはある程度は常識的に決めていただくということで、基準としてはそこまで細かく規制することは必要はないのではないかということだったと思います。

○ ここに2割という具体的な数字が出てくるもので。

□ はい。それは中身を見て判断するということになると思います。

○ 判断が難しくなりますね。

○ 「2割未満である場合には」という方はこれでいいのかもしれませんけれども、2割以上であればもうOKというのはいくら何でも少な過ぎると思います。こういう人たちをより多く法曹に誘導しようという基本的な発想からいえば、もう少し大きい数字を入れるべきではないでしょうか。我々はもともとこれを「5割以上」と言っていたんですが、それは容れられないとしても、2割では、今の受験生のうちに占める他学部、社会人の割合とほとんど同じに過ぎないのではないでしょうか。

□ そうなんですね。これはミニマム基準の方に照準を合わせているので、従来の流れからすれば、私も個人的にはもう少し高い目標を掲げてもよいと思うんですけれども、その辺りいかがでしょうか。審議会の議論ではどういう流れだったのですか。

○ 具体的な数字について語るのは非常に難しいのですけれども、審議会でもいろんな御意見があって、今、委員がおっしゃったような方向の御意見もかなり有力に主張されましたね。しかし、それに対しては少なくとも当面は法学部出身者が受験者の大半を占めるだろうということ、それにこれまでの実績から見てもそうなので、その点を無視することもできないだろうということで、そういう意味での抑制的な意見も少なからずあったわけです。
 私自身の意見を申し上げれば、せっかくこういう制度をつくるのですから、上向きに、法学部出身の人だけでなくて多様なバックグラウンドを持った人にできるだけ入って来ていただけるような、あるいはそれを誘導するような制度であった方がいいだろうとは思うのですが、この基準に達しないと場合によっては適格認定を取り消される。そういう基準でもあるので、そういうものとしては、余り飛び跳ねた高いものに設定するのは、少なくとも当分の間は適切でないだろうと思います。
 ただし、姿勢の問題として、やはりこれくらいはやってくださいという努力目標としての数値を、これとは別に掲げる意味はかなりあるのではないか。そういう意味では、この原案に加えて、努力目標として、例えば3割以上確保することを目標とするといった形で示すことは、適格認定に直接は結び付かないのですけれども、かなり意味はあるように思いますね。

○ 学生が均一にならないようにということで、他学部、他大学、社会人という3つのクライテリアが出てきたと思うんです。3年制か2年制かということは入学試験の在り方が違うから、これは数の比率をどれだけにしようと言えばそれでできると思うのですが、同じ2年制とか同じ3年制という中で、ある数を決めれば、まさに逆差別の問題が起こってくるわけで、そういう意味では、法学部かどうかという、法学部卒で2年制で入って来る人を何割にと言えば、これは制度設計ができます。それ以外は、点数が低くてもそっちの方を優先するという結果になるので、努力目標としてなら大いに結構だと思いますが、選抜基準につながるようなことで数字を書くのは難しいのではないかと思うんですけれども。

□ 今、委員がおっしゃったことを踏まえて、例えば入学志願者の内訳を見て、非法学部とか社会人は1割とか5%ぐらいしかいなかった、そこで2割採るのが大変だというふうなデータがはっきりすれば、それはそれとして容認する。しかし、例えば非法学部とか社会人の数がかなりあり、適性検査でも相当いい成績をおさめているにもかかわらず、その合格者の数を押さえるというふうなことは不適切ですから、ある程度高い努力目標を掲げておいて、2割以下の場合にはきちんと説明してもらい、何故そうなったかということをチェックした上で問題にするという仕組みにすることが考えられます。いずれにしろ、画一的にやるのは非常に難しいことは事実です。だから3割以上採るということを宣言しても、実際その仕組みでやってみて、結果的に採れなかったということはあり得ますし、入学試験をどのように行うかによって、合格を通知したけれども、最終的にどれだけ歩留まりするかということなどを見ますと非常に複雑なんですね。ただ、数値目標を示すだけで、後は御自由にというのはいかがなものでしょうか。

○ 努力目標でもいいのです。我々も当分の間、それを確定的な基準とはしないということはしようがないと思っていますので。ただ、この書き方は、2割以上だったらもうOKというのが出過ぎているので、2割以下の方はちゃんと審査しますよというのを書いて、そのほかにできるだけこういう人たちを法科大学院は受け入れるように努力しなければならないと、その努力目標は、我々は4割と言いたいのですけれども、とにかく何らかのより高い努力目標を掲げるという規定の仕方の方がいいのではないでしょうか。

○ 2割、3割のところは何も書かないということもあり得るかと思います。同じことです。

○ 全く同じです、基本的には。

□ 3割以上入学させることを仕組みとして努力すべきだということですね。2割と3割の間は適格だと言ってしまうと問題があるのであれば、3割以下の場合でも、これは問題があるが、当分の間は容認することにして、しかし2割以下の場合にはきちんと審査して問題を指摘するという、少し膨らみのある基準の方が第三者評価基準的な感じはするのですが。

○ 今の案で大体私は賛成できるのではないかと思いますけれども、私が心配しているのは、数字を出すと自己実現的な表現のようなものになってしまう可能性がありまして、先ほど委員がおっしゃったように、多様性を誘導するような仕組みにしなければいけないと思いますけれども、2割ということにしてしまうと、他学部はやはり不利だというイメージになってしまう危険性があると思いますので、せめて目標としては3割ということであれば、むしろ他学部でも十分法科大学院に入る可能性があるというメッセージを与えるだろうと思いますし、また、自己実現的な表現にならないためには、「当分の間」という言葉はちょっと気になっていまして、少なくとも定期的にこの数字を見直すというようなことにすればいいのではないかと思います。

□ 全般的にこれは立ち上げ当初の基準ですから、最終的には評価機構で定期的に見直してもらわないと困ります。

○ その点は審議会の意見でも、この数字は適時に見直すということになっています。ただ、「当分の間」というのは、2割から3割の間のところにかかっているので、先ほど委員がおっしゃったように、これを削除したら、「当分の間」が飛んでしまって、永続的なものと受け取られる心配があると思うのですが、そこはよろしいのですか。

○ 高等職業教育機関の入学選抜にダブルスタンダードを置くというのはできるだけ避けた方が賢明だという基本的な考え方なのですが、多様性がこれからの時代は必要だとしても、立ち上がりは抑制的な数字の方が賢明ではないかという感じがします。現在、受験生が2割、合格者は大体1割ぐらいですか。ところがこの1割はよく見てみると他のディシプリンをきちんと修得した人ではなくて法学部へ行ってないというだけなのですね。みんな予備校に行くわけですから。そういう意味では、今の数字も、実はもっと低くてもいいのではないかと思うぐらいなのですけれども、しかし、多様性の方向は望ましいことですから、せいぜいこれぐらいかなという感じがします。
 要するに何が大事かといえば、多様性も大事ですが、黒い猫でも白い猫でもネズミを捕る猫をつくってもらわなければいけないわけですね。黒い猫はちょっとのろのろしているけれども、多様性が大事だからねということでは困ると思いますし、また、委員が言われるように、入り口で高い数字にしますと逆差別ということになりかねないということで、初めは2割ぐらいというところでスタートしておいた方が賢明なのではないかと思います。

□ 3割を努力目標とすることについてはやむを得ないということですか。

○ そんなに無理しなくてもいいのではないかというのが本音のところです。その努力目標という意味ですが、鉦と太鼓で他学部出身者を集めろと言っても来るでしょうか。そこのところですよね。

□ それは各法科大学院のポリシーの問題だと思うんですね。ただ、最小限度これだけのことはしてもらうということで、うちはむしろ他学部、社会人が中心だというところも当然出てくると思います。

○ そういうところがもちろんあってもいいと思いますが、それは努力目標として書こうが書くまいがそういう方針をとる法科大学院はそうするわけですね。

□ これは2割を最低基準にした努力目標ということで、これぐらいの方が第三者評価基準的な性格が強くなってくるので、ミニマム基準だけよりは上を向いているということになります。

○ 今の点ですが、司法試験を受験するというところだけを考えますとおっしゃることは分かるんですね。ほかのディシプリンもちゃんと修得せずに予備校へ行って勉強した者が受けてくる。そういうことが広がっていいのかという、そういうことなら分かるのですが、今回の法科大学院というものは、そういう法的な勉強をしていない人でも、3年間で法曹となるための学力を身につけさせるということを趣旨としているわけですから、そういう人でも、志のある人はどんどん入ってきてくださいということにならないとおかしい。それが多様性ということにつながっているのです。
 そういうものですから、努力目標というか、社会やこれからそういうことを目指したいと思う人に対する姿勢といいますか、それを示すことに意味があると思うのですね。また、全国で立ち上がる法科大学院にも、そういうことを十分お考えくださいということになると思いますので、適格認定に結び付く基準として高い数字を掲げることには反対ですけれども、目標として掲げる意味はあるのではないかと思います。

□ 時間の関係で先へ急ぎたいのですけれども、前から、いつもこれは最後になって議論ができなくて延び延びになっているのですが、「修了要件」について御検討いただきたいと思います。法科大学院で大体どういうことを教えるのかについての具体的なイメージを確定しないと、司法試験をどのように実施するかということも確定できないところがあります。8の「修了要件」について、これは2ページの(注)よりも、最後の6、7ページを見ていただいた方がいいと思いますが、意見としては、「法科大学院の教育内容・方法等の在り方についての中間まとめ」をベースに規定の仕方を考えていたわけですけれども、これよりも多くすべきだという意見と少なくすべきだという意見があったわけです。この辺りについて少し御議論をいただいて、何らかの形で、できれば次回ぐらいには大体こういう方向だということを、この問題は法科大学院の設置準備との関連でもかなり急ぐ問題でございますので、少なくとも大枠のところは御議論して確定していただければありがたいと思います。
 趣旨としては、やはりミニマム基準をベースに考えていまして、各法科大学院の自由度は相当程度残っておりますので、ビジネスローへの対応などは選択必修でやるとか、各法科大学院の工夫でやっていただければ、二十数単位ぐらいは残りますので、これと組み合わせてやっていけば、いろいろな展開が可能であり、新しい創意工夫をするための支障になるというほどの必修単位でないと思うのですけれども。

○ ちょっと質問なんですけど、登録単位数の上限、最終年度にあっては44単位という数字が出てきましたけど、これは何が根拠なのでしょうか。

□ 1年次、2年次でかなり基礎的なことを勉強していますし、3年次は選択科目が多くなるのだから、能力的に余裕のある人はたくさん認めても余り弊害はないだろうということです。むしろ、そういうことを助長した方がいいのではないかという意見が出てきて、1、2年次と3年次の取扱いは別にした方がよいのではないかということからこうなったのです。1年次、2年次にきちんと勉強させるという意味では、このキャップ制がよいのですけれども、最終学年は不要ではないかということで特別扱いした方がいいのではないかということになりました。

○ 私は司法試験の方が公、民、刑、3系統と、プラス選択が少なくとも1系統、そういうことであって、選択というのは幾つか分かりませんが、5つか10かあって、各法科大学院がその全部の選択コースを置くことは難しいから、その中の幾つかを、1つでも2つでも置くと、それによって、どこに重点を置く、どういう特徴を出すかがそこから出てくると、こういうイメージを持って今までも発言しておったのですが、これは大体私が申しましたようなことと同じようなことをイメージしておられると思っていいのでしょうか。

□ 委員がおっしゃるようなことを裏からミニマムに焦点を合わせて規定するとこうなると考えております。プラスの面についてはそういういろいろな展開科目とか先端科目でビジネスローとかそれぞれの法科大学院で個性的な取組をして、それに司法試験の選択科目などもリンクさせた形で、各法科大学院が自由にやるということになります。最終的に第三者評価機関で基準をつくるときに、ある程度そういう展開を選択必修制などでやりましょうというような努力目標的なアドバイス的なものを置くことも考えられると思うのですけれども、しかしミニマムとしてこういうものを入れてもらわないと困るという意味でして、委員がおっしゃったことが展開できるようなものだというふうに理解しています。

○ 分かりました。

○ わざわざ確認するまでもないんですが、ここに「単位数の内訳等については、「法科大学院の教育内容・方法に関する中間まとめ」を基本とする」という記述がありますよね。それで後ろの7ページに必須科目の割り振りが書いてあるのですけれども、これは単位数としてこういうものは必須にしなさいということで、その中身の具体的なカリキュラムの展開については、当然のことですが、各法科大学院の自由ということですよね。

□ もちろんそうです。

○ 何かあのとおりのカリュキラムでやらなければいけないという情報が大学に流れているようなので。

□ あれは、単位数についてこういう基準にすれば、こういう形で展開できますということを研究会でモデルとして提示したものでして、あのようなものを1つの参考資料として、第三者評価の基準にするならば、ミニマムとしてこの辺りは押さえておかなければならないのではないかというもので、あれを参考にしていただくかどうかというのは、これは各法科大学院の御自由でございますので、あれに公定力を持たせるという趣旨は全くございません。

○ その点は周知を考えないと、あれがものすごい縛りだと、あるいはあれに乗れば安全だと、そういう傾向がどうも生じているみたいなんです。

□ それは繰り返しあの文章でも書いてあるのですけれども。

○ でも相当有名な大学でも、これから一歩も違ったら駄目なんだというような議論をまじめにしているという話を聞いてびっくり仰天したものですから。

○ それはないですよ。その点で今確認していただいてありがたかったんですけど、うちでも私が幾ら言ってもなかなか、実際にやっている人たちは言うことを聞かないという面がある。それから、この単位数のバッファーなんですけど、総単位数で結局116単位ですか、上限が。

□ それは規定する必要はないのではないかということです。

○ だけど、上限を足していくと116単位。

□ 計算するとそうなります。

○ 明記はしてないけれど、ここは単純算数で、そうすると93単位に上積みが23単位ですね。また、それをプラスした特色を出すか、先端なんかのところの単位数と組み合わせて、34単位のところとうまく組み合わせて特色を出すかということになると思うんですね。そういう意味では単位数は十分あるかなという感じはするのですけど、上限116単位でも。今言った柔軟性があるということを前提の話ですけど。

□ 基準で決めるのは単位の話だけで、中身をどうするかというのは全く、各法科大学院の自由です。

○ 単位数では、各ロースクールの特色が出せるバッファーがあるかなというような感じがします。

○ これは確認の点ですけれども、ホの「その他の分野の科目34単位」となっているのは、例えば刑事を専門にしようと思っている人ですと、この34単位のうち、例えば10単位は刑事系のものでいいというふうに理解すればいいんですか。それとも上の刑事系は、ハで書いてありますので、刑事以外で34単位を取らなけれはいけないのかということですか。

□ 今おっしゃった点について、例えば犯罪学、被害者学などはその他の科目の方に入れて、組み合わせて刑事に強い法曹を養成するとかという組み合わせを考えていまして、一番気にしたことは、「その他の科目」という名称の下に公法系、民事系、刑事系の司法試験科目に関連する科目だけにならないように配慮して、多様な展開を各法科大学院で行うために、「その他の科目」というふうにしたのですけれども。

○ その場合、1つ疑問なんですけど、例えば刑事裁判実務とか、あるいは刑事弁論演習とか、そういうのはホに入れてはいけないという意味を含んでいるのかどうか。

□ それはそうではありません。

○ それはそうではないんですね。

○ いわゆる基本科目を別の名前で増やしていって、受験勉強をさせるというのはよくないと。

□ よくないという趣旨です。

○ そういった場合、例えば刑事法系でも民事法系でも、演習の講座、あれは多分融合的なものがかなり中身ではいろいろで、それの更に先端というか発展では、例えばビジネス法務などの場合だと企業結合、M&A、ファイナンスというような形のものが並んでくる。かなり融合科目の発展という形があるわけですね、2年生の科目では。そういったところでは微妙に、それもある意味ではみんな民事法系だなんて、こうやられるとそれができなくなるので、そういうことはないでしょうね。

□ そういうことにはなりません。

○ その辺りは多分、規模が大きい300人規模のロースクールだと、その中には幾つかのコースがあって、例えば民事系を集中して勉強するコースの人たちもいる、刑事系もいる。そうやって見ると、科目的には言わばはっきり言えば、刑、民系が並んでいるではないかとかというようなことはあり得るんですよね。そういったことは必ずしも排除するものではないと。言わば実質的なシラバスを見て、中身を見て、これが先端的にやっているかどうかということの問題ですね。領域がどこであるということではなしに。

○ 登録できるというのがありますけど、私も昔、学生時代には登録だけしておいて試験問題を見てから放棄していたことがよくあったのですが、そういうことは許さなくて、だから、登録して受けた以上は日常活動も熱心にやるし、だから、そこで試験を受けなければそれは不合格という記録で残ると、そういう言わばバッファーでちょっとひやかしで受けるといったことはなくなると、登録することはなかなか難しいと、そういう趣旨だと思っていいのでしょうか。

□ 今、どこの大学もそれは非常に苦労している問題でして、厳格な成績評価の問題との関連で、それはいずれは詰めたいと思っています。受講登録と受験登録との人数の差の問題などが各大学で今深刻な問題になっておりますので、今指摘された点は厳格な成績評価の問題に絡んでいくと思います。

○ 登録単位数というのはそういうことではなくて、その学年で、実際に受けようとする人が受けられる上限を指す。つまり、キャップをはめようということでして、そうしませんと、授業ばかりたくさん取って、自分で勉強しない人も出てくる。そういう事態を防ごうということだと思うのです。
 ついでにこの数字の意味なのですけれど、先ほど委員がおっしゃったように、確かにキャップをはめますから、各法科大学院が修了要件としての単位数を引き上げていったときの上限にもなるわけですが、それ自体としてはそういうものではない。93単位以上修得していれば修了させられるのですが、百幾つというのは、個々の学生がトータルで取れる単位数のアッパーリミットである。そういうことだと思うのです。

○ 要するに最高履修単位と卒業に必要な単位ですよね。

○ 修了に必要な単位以上を取るなら取っても結構だが、これ以上は取ったら駄目だという数字です。

○ というのが言わば上限ですね。

□ それともう1点、もう時間がなくなって申し訳ないですけれども、「少人数教育」について2ページのところで、これは理想値を掲げているんですが、(注)のところで「「少人数教育」に関し、解釈指針的な位置付けのものとして、「基本法科目にについて、各授業の学生数は50人を標準とする」ものとする。各授業の学生数が50人を超える場合には、当該授業科目についての個別事情を考慮することができるものとするが、その場合であっても、「80人を超えてはならない」ものとする」としてみました。今までの議論では50という数字と80という数字しか出ていないのですけれども、こういう規定の仕方で具体的な数値などについて御意見がございましたら。これも各法科大学院が定員などを決めるときに非常に重要な問題ですので、なるべく早く公表する必要があるので、こういうものでよろしいでしょうか。これはまた次回、御意見ございましたら伺うことにいたします。

(3) 新司法試験の在り方について

□ 続きまして、新司法試験の在り方につきましても、同じようにこれまでの意見を踏まえて、幾つか整理し直してみたものがお配りしている資料4でございます。問題となりますのは、2の「新司法試験の試験科目」と「新司法試験の試験方法」、それと「予備試験」という辺りが意見が分かれていたところではないかと思います。今までの議論を一応こういう形で整理してみたのですけれども、お気づきの点がございましたら。短答式試験については、差し当たりこういう整理をしてみたのですが、短答式試験の問題はこういうことでよろしいでしょうか。次回にまた付け加えてもらって結構ですけれども。

○ ここで「新委員会」というのは、司法試験管理委員会を改組した委員会ということだと思いますが、これはいつごろできるという予定なんですか。今のスケジュールからの関係でいうと。

■ 新司法試験の開始が恐らく平成18年になりますので、それより前でないと困ると、それぐらいしか言えないのですが、ただ、現行司法試験との兼ね合いが出てきますので、いずれにせよ併存期間の現行司法試験も新委員会でやるしかありませんし、ですから一番遅くても18年よりちょっと前ですから17年、それよりもっと前になる可能性もございます。これはそういう意味での法制面での兼ね合いの問題かと思いますけど、今のところ16年辺りがいいのではないかとは思っております。15年にはちょっとできないかなと。14年中に法律ができても、もう15年の試験の準備も始まっているものですから、タイミング的には16年の辺りがいいかなと思っております。

○ この試験科目という意味なんですけど、刑事系科目を必須科目とするという場合、これは問題が刑事的な視点を問うということであって、その事例で、例えば独禁法、証券取引法だとか、言わばそういった企業犯罪的なものが題材になっているということになるということもあり得るということですね。純然たる人を殺した、どうのこうのじゃなしに。

■ イメージですが、例えば刑法又は刑事訴訟法に関する分野というような規定振りにさせていただいて、刑事法なんだけれども、事例的にはほかの分野もあり得ると、それで足りなければ更に融合させるものもあると考えられます。

○ ロースクールになっても、ほとんど刑事系の科目の内容が、ある意味では刑法、刑訴という形のイメージで固定してしまって、例えば今の新しいいろいろな企業犯罪とかエンロン事件のような場合の刑事事件を追及するようなものというのはほとんど出てこないということになる。

○ それはあり得るのではないでしょうか。今でも経済犯罪的な問題を出すことはあるのですが、ただ、その場合、その前提としての経済法や商法といった分野について問うという試験では本来ない。そういう企業活動などに題材や設定を借りながら、やはり刑法とか刑事訴訟法の基本的な考え方を問うというものですから、もしそういう特殊なものをつくるとすれば、前提となる他分野の法知識などについては、最低限の情報を問題の中で与えるという形をとるだろうと思うのですね。

○ 例えば証券取引法が分かってないとその事件も分からない。

○ それは無理でしょう。証券取引法を知らなければ答えられないという問題にするのは。

○ そこは要するに告知の問題があって、受験生に対して、このものを基礎にしたところから問題を出しますよということを言わないといけないと思うんですね。もし、そういうものをも問うとすれば。

○ 前から私のイメージとしては範囲はかなり広い範囲から、ただ、問題の視点が刑事法的な視点の問題、民事法的な視点の問題、公法的な視点の問題という形になってくるのではないかと思います。実際に行われる試験科目というのはそういう特定の法律分野と結び付いてしまうと、刑法、刑訴という形で。

○ 必ずしもそうではないのではないでしょうか。受験生全般について、そういうふうに告知をしなくても、ロースクールではどこでもそういうことを教育している。普通のロースクールの学生だったら、そういうことは十分理解しているだろうといえるならば、そういうことも可能だと思うのです。ただ、そういう問題でないといけないというふうに逆に限定するのも、またおかしいと思うのですね。

○ それは限定はしないですけれども。

○ これはそういう含みなのではないかと思います。

○ ただ、そういう何かこの幅を、試験科目というのは特定の法律科目と、例えば刑法、刑訴と言うと怒られますけど、結び付いてしまうと、絶対予備校が出てきます。ロースクールで幅広くいろいろな勉強をした上で、それを踏まえて試験をするというようなシステムになるべく近づけていくためにはこの試験科目、必須科目という、この言い方をどうするかということを少し検討する必要があるのではないか。

○ ただ、選択科目としてどれを取るかによって、それを取ってない人には答えられないというのはちょっと困るのでしょうね。

○ 今の御議論は、刑法、刑事訴訟法と法文に書いた場合に、その刑法が形式的意味の刑法か実質的意味の刑法かという解釈の問題だと思うのですね。実質的意味の刑法でいいという解釈になれば、そういうアナウンスをした上で、そういう問題も出し得るということになるという性質の問題ではないでしょうか。

○ 新司法試験の短答式の関係なんですけれども、新司法試験で非常に受験者が増えて、全員について論文式試験を実施するのは困難なような事態の場合には、短答式試験を実施して、その短答式試験の合格者だけに論文式試験を課するというようなことも可能なわけですね。

□ はい。そういう議論は前も出てました。

○ でも、それは反対だという意見もありました。

□ 反対もありました。そのやり方については工夫をしていただくということで、従来のような試験では困るということにはなっていると思います。

○ 以前は融合問題の話は大分ありましたけれども、これを見た限りではそういう融合問題は出てこないと思いますけれども。

□ ミニマムなことだけ書いたものです。

○ 中には法曹倫理とかは、今後考えるということは書いてありますけれども、特にこれは随分注目されるはずだと思いますので、せめて融合問題を検討するとか、そういうことを書いた方がいいと思います。

○ 一般的、抽象的にはよく分かるのですけれども、試験問題をつくって採点していくときには、問い方というのは、どんな複合的な設例をしても、ある方向での問題にならざるを得ないんですよ。それがあるものですから、大まかではあれ、何か群をつくらざるを得ないということだと思うのですね。
 もう一つは、テクニカルな問題として、法令には○○法、○○法と書かざるを得ないのではないかというふうに思うのですね。そういうものを基礎にしながら問題をつくりますよというふうに法制上は書かざるを得ないので、そういうこともあって、やはり何らかの仕分けは必要になってくるのではないでしょうか。

○ それに関して、確かに採点することを考えると、問題をつくる側からしまして難しい面もあろうかと思いますけれども、実際上法律事務所にいて、クライアントが入ってきたときの話では、場合によっては民事関係のものも含まれていますし、場合によっては行政関係、場合によっては刑事関係のものも含まれているので、試験を受けて、パッと見て、これは刑事の問題だから刑事を注目すればいいというような問題だけですと、むしろ予備校現象も出てくるだろうと思いますし、むしろ法曹にとってもっと融合的な問題はあっていいのだろうと思いますので、工夫は必要になってくるだろうと思いますけれども、むしろ試験としては少なくともそういうことも考えていただきたいと思っています。

○ 今委員がおっしゃったことと同じことだと思いますが、これで論文試験で必須はこういう系統だと、これだけ書いてありますと、従来とどう違うのかというのが、これは最低限だけを書いてあるという、これからの議論なのだと思いますけれども、一番みんなが知りたいところがすっと飛んでいるような気がいたしまして、これを何かで外部へ発信するときには、例えば紙10枚ぐらいのケースを与えて、それについて各方面から聞いていくのですよとか、そういうイメージとか、従来の予備校で勉強したら間に合うような司法試験ではないんですよということをPRするような、何かそういうことをこの意見の整理の中に入れられないでしょうか。

■ この資料のまとめ方はまた別として、今、条文案のたたき台を検討している立場から、少々法制的に申し上げますと、先ほど委員もおっしゃったように、受験生に対してこういう科目の範囲から出すという、そういう通知性・メッセージ性は要るわけです。それで公法系、民事系、刑事系を仮に崩した場合は、また、憲、民、刑から始めてずっとリスト方式になって、20科目、30科目のリストをつくって、その中のどれかから出すよという法制的な手当てをしないといけない。そうすると逆に仮に30科目のリストをつくったとしたら、法科大学院でその30科目を全部教えないといけないという、逆のメッセージが出て、そのリスト方式というのはちょっとよろしくないのではないかというのが法制的な、技術的な詰めであります。出題の仕方として、民も刑もまた融合するとかいう方法も検討するとか、それはもちろんあり得ていいのですが、すべての垣根を払ってしまうということは法制的にできないし、逆にリスト方式にすると逆のメッセージになりかねないという心配があります。

○ 民事系なんていうのはどこまでの幅を言われるのですか。

■ 法制的には今の司法試験もそうなんですが、司法試験管理委員会なり省令なりで範囲を決めると。柔軟に対応していけると。

○ 柔軟に。

■ はい。

○ ただ、非常に広いですね。民法系も商法も、総則から海商法まで。

■ 思い切って契約関係だけでいいとか、債権関係でいいというとそうなるかもしれません。とにかく科目の名称と範囲はまた別で、範囲は柔軟に対応できると。

○ 国際私法関係とか労働法だとかみんな民事系だと。

○ 今、委員が言われたことですけど、論文式試験を中心とするとしか書かないと、まさに今の司法試験の論文と同じことをやるのだなというメッセージになってしまうと思うのですが、ここは何か工夫が要るのではないかと思いますが。

□ 法務省の説明でももう少し詳しい文章がありましたし、ああいう内容を入れた方がよろしければ、そういうものを入れて取りまとめることにさせていただきます。

○ 何か違うのだというイメージを出していただければと思うんです。

□ ほかに何か整理する上で、こういうことを入れるべきだとか、こういうところは駄目だというようなものがありましたら。

○ ロースクールをつくる方から言えば、この試験科目、これが必須的にここから出るというところをカリキュラムで外すわけにはいかないわけで、そういう意味では民事系のように抽象的だと、これはどうしようもないと。そこで急にふたを開けたら、こういう科目が入っていたなんて言われたのでは、これは設立に向けての準備段階である程度範囲は明らかにしてくれないと、カリキュラムだって、それを抜きにしたロースクールというのは恐らくないのではないですか。

□ それは法科大学院のカリキュラムに合わせて司法試験の科目が設定されるというのが基本的な制度的な関係ですから。

○ 各ロースクールがかなり特色を持っていろいろなものをつくっていく場合に、共通項ということになるわけですか。

□ 先ほど話しましたように、ミニマムの基準、公法系、民事系、刑事系というものを法科大学院で教えて、それに合わせた司法試験になっていくという仕組みになるので、司法試験の科目がこうなるということから法科大学院の教育内容が決まるわけではないですから。

○ だけど、公法系、民事系といっても、そこの中身ははっきりしませんよね。

□ それは基本的にはそうだと思いますね。

○ 今おっしゃったように、出るかもしれない法律のリストをつくればものすごくなるし、しかし、それがはっきりしないと教える方は、そんなの習ってなかったと言われたら困るということだと思います。

○ そういうロースクールが適格があるのかどうか。

■ 法科大学院での教育内容を踏まえて現実の出題をするわけですから、司法試験が先に決まらないとカリキュラムが決まらないと言われても司法試験を所管する法務省はつらいのではないかと思われます。

□ それは今回の改革のベースなので、司法試験の科目が決まったから、それに合わせて法科大学院のカリキュラムを決めるというのはおかしいのではないでしょうか。

○ 現実には表裏一体となりましょうからね。

○ 基本科目としてみんなが共通に認識しているようなものは、恐らくどこでも教えるだろうと思うのですね。それがどこまで幅が広がっていくかという問題であって、現実に今の司法試験の問題をつくるときも、この法分野から出しますよという場合であっても、やはり全国的にどういうことをどこまで教えているかということは意識しながらつくっていると思うのです。そ新司法試験についても、ある程度時間がたてば安定してくるだろうと思うのですけれども、初期については心配があるかもしれませんね。基本的には、事務局が言われたように、全国の法科大学院でどういうことが教えられているのかということを念頭に置きながら、範囲を決定し、問題もつくっていくということではあるのでしょうが。

8 次回の予定等
□ 時間もかなり過ぎましたので、今日は一応ここまでにしまして、次回も、今日順番に検討してきたことについて、少しこちらの方で整理し直して、先ほど推進本部をベースに関係機関と調整いただくことにしました問題についての基本的な枠組みをここで決めていただいた上で細部に入っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次回は3月28日(木曜日)の14時から、場所は今日と同じでございます。引き続いて意見の整理を行いたいと思います。
 4月以降の日程について調整をお願いしましたが、事務局から御説明をいただきたいと思います。

■ 本日、配布資料と一緒に4月以降の日程をお配りしておりますが、第7回は5月10日、第8回が6月4日、第9回が6月28日、第10回が7月19日と、時間はそれぞれ記載してあるとおりの予定をさせていただきました。一部の委員で、既に差し支え、支障があるお方もいらっしゃいましたが、4月はどうしても調整できませんもので、第7回は5月10日ということにさせていただきました。よろしくお願いいたします。

□ それでは時間を超過して申し訳ありませんでしたが、本日の議事はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。