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 トップ会議等一覧司法制度改革推進本部「司法ネットの整備」についての御意見募集

司法ネット構想の概要


 現状−国民に縁遠い司法
 今日のように,社会が複雑多様化し,また,構造改革が進んで事前規制型社会から事後監視型社会に転換していく中で,司法の場での紛争の解決の必要性は一層高まっています。しかし,現状では,「法的なトラブルに直面しているが誰に相談したらいいのか分からない」「身近に弁護士がいないため相談相手がいない」「経済的理由から弁護士に依頼することができない」といった理由で,司法の場にたどり着けないままに,いわば泣き寝入りをしている国民が少なくないと言われています。例えば,最近,闇金融による被害が大きな社会問題になっていますが,司法へのアクセスを容易にすることにより,このような被害を未然に防止し,あるいは早期に解決していくことが求められています。


 これまでにも,弁護士会等の相談窓口で相談に応じる,経済的な理由で司法制度を利用できない方へは法律扶助制度により支援をする,法曹人口を増加して国民が広く法律サービスを受けることができるようにするといった取組みがされてきました。
 しかし,これらの取組みにも限界があり,情報が集約・整理されていないために多様な紛争解決方法に関する総合的な情報を入手できず,紛争解決までの道筋が分からない,弁護士がいない地域では適切な法律サービスを受けられない,法律扶助制度が十分でなく,依然として経済的な理由から司法制度を利用した紛争解決をあきらめている国民がいるといった問題が指摘されています。


 国民に利用しやすい司法の実現−司法ネット構想
 司法へのアクセス障害の原因となっている問題を抜本的に解決し,国民が,司法の場に容易にアクセスすることができるようにするとともに,必要な法律サービスの提供を受けられるようにするための総合的なシステムを構築することにより,司法制度をより国民に利用しやすいものにしようという構想が,司法ネット構想です。
 司法ネット構想の実現を図る上では,次のような取組みをしていく必要があるのではないかと思われます。
 司法へのアクセス障害への対策としてまず考えなければならないのは,弁護士がいないいわゆる司法過疎地域も含めて,全国どの街でも,法的なトラブルに直面した国民が,身近なところで相談を受けたり,紛争解決に関する総合的な情報の提供を受けて,紛争解決への道筋が分かるようにすることではないかと思います。そして,必要な場合に,弁護士等の紹介を受けて,相談に乗ってもらったり,法律サービスの提供を受けることができれば,トラブルに巻き込まれないで済んだり,トラブルになっても早期に解決できるようになるのではないかと思います。
 法律サービスの提供については,経済的な理由で司法制度を利用した紛争解決をあきらめることのないよう,民事法律扶助制度を充実させる必要があります。また,被疑者段階の公的弁護制度の導入や,新たに設けられる裁判員制度による裁判を含めた刑事裁判の集中審理等に対応するための公的弁護態勢の整備も必要です。さらに,犯罪の被害にあった方やその家族の方の救済に役立つような取組みを行う必要があります。


 司法ネット構想の具体的内容
 司法ネット構想においては,中核となる運営主体を創設し,常勤のスタッフ弁護士等を確保して,(1)相談窓口(アクセスポイント)業務,(2)司法過疎対策,(3)民事法律扶助,(4)公的刑事弁護,(5)犯罪被害者支援,という業務を一体として担うことを想定しています。相談窓口としての業務や民事・刑事の法律サービスの提供を一体として行うこと,一部にスタッフ弁護士を活用することにより,効率的な業務運営が可能になるものと考えられますし,利用する国民の皆様の利便性にも資するものと考えています。


 特に,司法に関する相談については,運営主体において総合的な相談窓口を整備するとともに,弁護士会,地方公共団体などの既存の各種相談機関等との連携・協力を図ることにより,アクセスポイントのネットワーク化を進めていくことを考えています。また,法律サービスの提供についても,運営主体を中核としつつ,弁護士会等と協力してネットワークを構築し,ネットワーク全体として,国民が必要としている多様なサービスを提供していけるようにしていくことを考えています。