5月23日(金)午前、伊藤補佐官は、
 ・高齢者認知症の専門治療機関として名高い杏林大学医学部付属病院「もの忘れセンター」(三鷹市)
 ・知的障害者雇用の積極的な展開で知られる横河電機子会社「横河ファウンドリー」(武蔵野市)
 ・高齢者認知症の介護ケア施設(グループホーム)として有名な「グループホーム方南」(杉並区)
 を視察し、御関係者との意見交換を行いました。
 
1.杏林大学医学部付属病院「もの忘れセンター」(三鷹市)では、高齢医学教授でもの忘れセンター長を務められる鳥羽研二教授から、最先端の高齢者認知症治療の現状の説明をいただいた後に、政策的な対応を中心に意見交換を行いました。意見交換の概要は以下のとおりです。
 
高齢者認知症の治療は医療だけで完結するものではなく、医療、福祉の関係者に加えて、患者、家族を含めた連携を進め、地域で認知症の高齢者を支える「地域連携」を進めていくことが重要であり、医療・介護の関係者がどこにいて、関係施設がどこにあるかなどの「資源マップ」の作成や各自治体に散在している医療・介護データベースの一元化などを早急に進め、「地域連携」の具体化・充実を図るべき。
杏林大学病院も拠点となり、三鷹市、武蔵野市、調布市の各自治体、医師会とが一体となって「地域連携」による高齢者認知症対策を開始している。
高齢者認知症の対応は家族への相談、教育に時間がかかるが、診療報酬の対象とならず、ボランティア的に実施されているのが現状。何らかの手当をしないと、特に開業医(特にかかりつけ医)の負担が大きく、対応は困難なのではないか。
 
  
 
2.横河ファウンドリー(武蔵野市)は、障害者雇用促進法上の特例子会社として、知的障害を持つ方々を積極的に雇用され、知的障害を持つ方が自分の能力をフルに発揮して大活躍されている会社です。
 冒頭、横河電機の田中勲会長、海堀周造社長から御挨拶をいただき、障害者雇用を積極的に展開するために必要な施策等について、意見交換を行いました。意見交換の概要は以下のとおりです。
 
障害者雇用を社内の方針として根付かせるためには、企業経営者トップの強い意思が必要で、それが社の「伝統」となり「文化」となる。
うれしい悩みとしては、技術やノウハウをお持ちの高齢者の再雇用者と障害者の方々が雇用の際に競合すること。それほど、知的障害者の方々は「適材適所」で大活躍されている。
 
 
 
 その後、横河ファウンドリーでは、知的障害を持つ方々が名刺作成、ラベル作成などを行う現場を、田中会長、志賀浪横河ファウンドリー社長の御案内で見学いたしました。仕事への高い責任感を持ち、一つ一つの手順を大切に業務を丁寧に遂行されていること、そして何より、活き活きと持てる力を発揮されている姿に感銘を受けました。
 
 
 
3.「グループホーム方南」(杉並区)は、「通い(デイサービス)」、「泊まり(ショートステイ)」など、高齢者認知症対応も含めた介護ケアを総合的に提供する施設として、「まちづくり」を念頭に置いた生活支援を行う施設です。
 現場では、浴場や居室を見せて頂くと共に、高齢者の方々がスタッフの支援を得ながら、食事を共同で自炊する様子などを視察させていただきました。スタッフの方々が献身的に高齢者の方々に接していらっしゃること、スタッフの方々の支援を得ながら高齢者の方々が一つ一つ「できること」を積み重ねて、日常生活を営む力を回復されている様子が印象的でした。
 
 
 
 その後、運営主体である大起エンゼルヘルプの白鳥嘉久エリアマネージャー、和田行男クオリティマネージャーと意見交換を行いました。概要は以下のとおりです。
 
人材の確保が相当厳しい。離職率が高いことが懸案。介護人材の確保は経済情勢に影響されるが、政府においても、その計画的な介護人材の手当の方策は示されていないのではないか。
地域、街と高齢者の生活はつながっている。高齢者ケア施設ではなく、街を作るつもりで対応している。
医療との連携は重要。グループホームにも特別養護老人ホームにも医療職配置義務はなく、両者のネットワークは弱い。
高齢者のサポートは「生活支援」。そのためには、医療・介護・地域・街、これらの仕組みを分断させないこと。そのための、地域再生がきわめて重要な意義を持つ。
 
 

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