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21世紀新農政 2008


平成20年5月7日
食料・農業・農村政策推進本部決定


 農政については、「食料・農業・農村基本計画」(平成17年3月25日閣議決定)の方向に沿って、政府一丸となって集中的に取り組んでいるところである。
 このような中で、世界的な気候変動やBRIC's等経済成長が著しい国の所得向上、バイオ燃料の大幅増産等に伴う世界的な穀物の需給ひっ迫と価格高騰は、我が国の食料自給率が低水準にあることと相まって、現在及び将来にわたる国民への食料の安定供給の大きな不安要因となっている。
 このため、今後、食料をめぐる諸問題について国民全体で認識を共有した上で、食料自給率向上を目指して、消費者、生産者、事業者、行政機関といったそれぞれの主体による食料・農業・農村に関する諸課題への取組を更に促進していく必要がある。
 このような視点に立って、内閣に設置された各種本部との連携を図りつつ、関係府省が一体となって、下記事項を内容とする「21世紀新農政2008」を推進することとする



I 「食料の未来を描く戦略会議」のメッセージを踏まえた戦略的対応
 〜食料の未来を確かなものにするために〜
 国民に食料を安定的に供給するための施策を効果的に実施するためには、国内のみならず世界の食料事情や、これらを踏まえた対応の方向性について、国民に的確に認識していただくことが不可欠である。このため、今般、「食料の未来を描く戦略会議」において取りまとめられた国民へのメッセージ「食料の未来を確かなものにするために」(平成20年5月7日)に基づき、食料をめぐる諸事情等に対する国民の共通認識の醸成を図りつつ、消費者、生産者、事業者、行政機関といった各主体による食料・農業・農村に関する諸課題への取組を更に促進する。

1 国際的な食料事情を踏まえた食料安全保障の確保
(1)国内外の食料事情に関する情報の把握・提供体制の強化
 国際的な食料需給、衛生・検疫制度、関税制度等の情報を一元的に収集・分析し、その成果を消費者、生産者、事業者、行政機関といった主体に対し幅広く提供するとともに、国民対話や地方版戦略会議を実施すること等により、世界や我が国の食料事情に関する認識を高め、国民的な議論の展開に資する。
 また、世界の食料需給の見通しについて更に的確な分析を行うため、食料輸入国として独自の世界食料需給予測モデルの開発と需給予測に取り組むとともに、中長期的な視点に立って、不測時における国民への食料供給の在り方について検討を開始する。

(2)国内における食料供給力の強化
 不透明な国際的な食料の需給事情に対応して、現在及び将来にわたり食料の安定供給を図っていくためには、国内で国民に対する食料を供給する力を強化しておく必要がある。このため、平成18年度にカロリーベースで39%に低下した食料自給率の向上と不測時における食料安全保障の確保の観点に立って、次の点を中心に、国内における食料供給力の強化に積極的に取り組む。
1) 米利用の新たな可能性の追求
 我が国の貴重な食料生産装置であるとともに、国土保全、景観保持等の多面的な機能を有する水田の有効活用を図るため、米を消費が減少している「ご飯」としてだけでなく、「米粉」としてパン、麺類等に活用する取組を本格化するとともに、飼料として活用するための課題に積極的に取り組む。
 また、米は食料としての利用を優先することが原則であるが、水田を有効利用しつつ不測時の食料供給にも活用できるよう、稲わら等のセルロース系原料と併せ、バイオ燃料の原料として利用するための研究開発やモデル構築に努める。
2) 飼料自給率の向上対策
 国際的な穀物需給がひっ迫していることを踏まえ、青刈とうもろこしや稲発酵粗飼料の生産促進、耕作放棄地における放牧の促進等を図るとともに、食品残さを飼料化したエコフィードや飼料用米の生産・利用を促進する。
3) 農林水産業と食品産業等の連携の強化
 国産の農林水産物の需要に応じた生産と積極的な活用を一層推進するため、農林水産業と商工業等のそれぞれの技術やノウハウ等を活用する農商工連携を積極的に推進する。(後掲IIの2)
 国産ニーズの高い野菜や畜産物等の供給体制の整備を促進するため、「加工・業務用需要対応プラン(仮称)」を策定し、同プランに基づき生産に取り組む産地、農業経営等に対して重点的な支援を行う。
4) 食料供給コストの縮減
 食料供給コストを平成17年から5年で2割縮減するとの目標の達成に向け、「食料供給コスト縮減アクションプラン」(平成19年4月27日改定)の着実な実施により、生産から流通・加工の各段階において食料供給コストの縮減を図る。生産現場でのコスト縮減の取組事例等を取りまとめた「品目別生産コスト縮減戦略」の普及・活用、一層の省力化、資材の節減等を通じて生産コストの縮減に資する農業機械の開発やレンタルサービス等を通じた普及、食品流通における電子タグ等の新技術を活用したビジネスモデルの構築等を推進することにより取組の加速化を図る。また、農協系統の経済事業改革について、生産資材価格や流通コストの低減等を確実に実行し、改革の成果が生産者とりわけ担い手に還元されるよう、その取組の徹底を図る。

(3)農業に関する国際交渉等への戦略的な対応
1) WTO農業交渉、EPA交渉への戦略的取組
 WTOやEPAの国際交渉に当たっては、「多様な農業の共存」を基本理念として、「守るべきもの」はしっかりと「守る」との方針の下、食料安全保障や国内農業の構造改革の進捗状況にも留意しつつ、日本として最大の利益を得られるよう取り組む。
 WTO農業交渉については、輸出国と輸入国のバランスのとれた貿易ルールの確立を目指し、関係各国との連携を緊密に図りつつ交渉に取り組む。
 EPAについては、WTOを中心とする多角的貿易体制を補完するものとして、農業の重要性を十分認識し、各国・地域との交渉に戦略的に取り組む。
2) 国際協力等を通じた世界の食料問題解決への貢献
 北海道洞爺湖サミット及び第4回アフリカ開発会議(TICADIV)が開催されることを踏まえ、農業生産性向上のため、生産拡大に向けたネリカ米の改良等の研究開発、かんがい施設の整備・更新を通じた農業用水の確保、農業者の協同組織化等のアフリカへの協力を推進するとともに、「売れる農林水産物づくり」に向けた南南協力による人材育成等を内容とする「開発イニシアティブ」を着実に推進する。
 また、バイオマスの利活用を加速化し、従来の食料等の生産の枠を超え、農林水産業・農山漁村の新たな領域を開拓する。(後掲IIIの1)
3) 我が国農林水産物・食品の輸出の促進
 平成25年までに我が国農林水産物・食品の輸出額を1兆円規模とすることを目指し、「我が国農林水産物・食品の総合的な輸出戦略」(平成19年5月25日農林水産物等輸出促進全国協議会了承)に沿って、検疫協議の加速化をはじめとする輸出環境整備等を推進するとともに、意欲ある農林漁業者等にとって見本となる「輸出ビジネスモデル」の確立を図るなどの輸出促進策に戦略的に取り組む。

2 消費者の「食」への信頼確保と食生活の充実を図る施策の展開
(1)消費者の信頼と食品の安全の確保に向けた取組の充実
1) 消費者の信頼の確保
 食品表示の適正化を図ることを通じ、消費者の「食」への信頼を確保するため、内閣府、公正取引委員会、警察庁、厚生労働省及び農林水産省により構成する食品表示連絡会議(国レベル)や関係する都道府県の機関と国の出先機関との間で設置する食品表示監視協議会(都道府県レベル)等を通じて関係機関との連携を図るとともに、広く国民から食品の表示について情報提供を受ける「食品表示110番」の体制の充実、食品表示特別Gメンの新設等を通じて監視体制の強化を図る。問題のある事業者に対しては、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)に基づく指示等を行うなど迅速な是正の措置を講ずる。
 また、加工食品の原料原産地表示について、食品事業者による自主的な情報提供を推奨するため、食品事業者向けの手引きによる周知、事業者表彰の実施等の措置を講じる。
 食品産業の各業界に対し、国が示す信頼性向上のための手引きに沿った自主行動計画の策定や計画に基づく取組を要請する。これにより、平成20年度中に、自主行動計画を180団体以上で策定するとともに、平成22年度までに、7割以上の中小食品事業者において企業行動規範の策定を目指す。また、民間の格付機関等多様な主体が、食品事業者による消費者の信頼確保のための意欲的な取組を、格付けや表彰等により評価・奨励するための枠組み作りを推進する。
2) 生産から食卓までの食品の安全の確保
農産物、食品等におけるカドミウム、O157等の危害要因の汚染実態調査、汚染リスクを低減するための技術確立や生産・製造段階での取組指針の策定等を進めるとともに、平成23年度までにおおむねすべての主要産地(2,000産地)において農業生産工程管理手法(GAP)の導入を目指すとの目標の達成に向けて、コスト削減や品質向上等の生産現場におけるメリットの明確化等に取り組む。さらに、畜産分野においては、鶏卵のサルモネラ汚染をはじめとする微生物等による畜産物汚染のリスクを低減するため、危害分析重要管理点(HACCP)手法を活用した飼養衛生管理の実践を図る。これにより、平成25年度までにHACCP手法を用いた農場を全国的に広げること(5,000農場)を目指す。
 また、農薬登録制度について、国際基準等と調和した新たな試験項目の導入などにより、農薬の安全性の更なる確保を図る。
 食品の安全性の確保と品質管理の高度化に資するHACCP手法について、大手企業に比べてその導入率が低位にとどまっている中小規模の食品製造事業者を中心に、人材育成等の取組を支援することにより導入の推進を図る。

(2)米を中心とする食生活の実践に向けた取組
 米の消費量の減少や畜産物・油脂類の消費量の増加等により栄養バランスが崩れるとともに、食料自給率の低下にもつながっていることを踏まえ、食育の一環として、ごはん食に関する正しい知識の普及を図り、米を中心とする食生活の実践を図る。特に、朝食欠食の改善を図る「めざましごはんキャンペーン」の展開、コンビニ・外食等における「朝ごはんビジネス」の推進、伝統的な日本文化である和食の食べ方を身につける機会を増加させるための米飯学校給食の一層の普及・定着、「家族揃って夕ごはん」の推進(ワークライフバランスの実現)等に取り組む。
(3)食と農のつながりの深化に向けた取組
 学校給食や企業の食堂等における地場農林水産物の活用の推進を図るとともに、年間を通じた品揃えの充実、効率的な集荷体制の構築、異業種との連携等を通じた経営の高度化等により、直売所を中心とした地産地消の取組を一層推進する。
 都市住民の身近に存在する都市農業・都市農地を活用し、市民農園等での農業体験活動を通じて都市住民の農業への理解の増進を図る。

3 国内農業の体質強化による食料供給力の確保
(1)意欲と能力のある担い手の育成
 意欲と能力のある担い手の育成と経営発展により我が国農業の食料供給力を強化する。このため、水田・畑作経営所得安定対策(品目横断的経営安定対策)について、一定の経営規模要件をクリアする努力を梃子に土地利用型農業の体質を強化するという制度の根幹は維持しつつ、市町村特認制度の創設、申請手続の簡素化等の改善の内容を現場に周知しながら、着実に推進する。その際、集落営農の組織化に向けた活動への支援等により、小規模・高齢農家が集落営農により参加しやすくする。また、経営の法人化への取組を推進するとともに、経営の発展段階に応じて、異業種との提携等も活用した新規作物の導入、農産物の加工販売、新たな販路の開拓等の取組や、経営診断を通じた経営管理能力の向上等への支援を行うことにより、多様な農業経営の発展を促す。  農内外からの若者の就農を促進するとともに、他産業の経験を有する団塊世代などの農業への参入に資するため、情報提供・相談、体験・研修、参入準備、定着の各段階に応じた支援を行う。集落営農を支える人材の確保や農業法人等への雇用による就農の促進に向けた支援を行うとともに、女性、高齢者、障害者等の多様な人材が活躍できる環境づくりを推進する。  外国人研修・技能実習生の受入れについては、開発途上国等の「人づくり」における役割の重要性に鑑み、農業分野において適正かつ効果的な受入れが行われるよう、受入れ体制の整備を行うとともに、制度全体の適正化に向けた見直しを踏まえた対応を検討する。

(2)食料の生産基盤である農地の確保・有効利用の促進
1) 農地政策改革等
 国内の食料供給力の向上に向け、最も基礎的な食料生産基盤である農地について、優良農地の確保と有効利用を図るための改革を進める。このため、「農地政策の展開方向について」(平成19年11月6日農林水産省)に基づき、全体の改革が、遅くとも平成21年度中に新たな仕組みとして始められるよう、順次具体化する。優良農地の確保対策を充実するとともに、農地の有効利用を図るため、農地の所有者にとってはより貸しやすく、農地の利用者にとってはより借りやすくするための措置を講じることとし、そのための条件整備として、農地情報の一元化とその活用を促すとともに、耕作放棄地の計画的な解消の取組を進める。  良好な営農条件を備えた農地・農業用水を確保するため、新たな土地改良長期計画を策定し、農業農村整備を計画的・効率的に実施する。
2) 水田の有効利用
 稲作を営む農業者の経営を安定させるとともに、地域水田農業の活力の維持を図るため、行政、農協系統、集荷団体等の関係者がそれぞれ及び相互に連携して生産調整目標を達成するため全力をあげる。各地域・都道府県及び全国において、関係機関が相互に連携し、生産目標数量の配分・水稲の作付け・収穫の各段階における生産調整の取組状況を把握するとともに、的確な指導を行う。麦、大豆、飼料作物等の生産の拡大や米粉の原料用米等非主食用米の低コスト生産技術(多収品種・直播栽培・二期作・麦と非主食用米の年2作等)の確立に向けた取組を支援する。
3) 耕作放棄地の解消
 食料の安定供給に向けて限りある農地を有効に利用するため、増加傾向にある耕作放棄地(全国の耕作放棄地面積:38.6万ha(2005農林業センサス))の解消に取り組む。すべての耕作放棄地について現地調査を行い、農業的利用ができる土地と農業的利用ができない土地に振り分け、「耕作放棄地解消支援ガイドライン」等を踏まえ、市町村における耕作放棄地解消計画の策定・実施を推進する。これにより、平成23年度を目途に農業上重要な地域である農用地区域を中心に耕作放棄地の解消を目指す。

(3)先端技術や知的財産を活用した農業の潜在的な力の発揮
1) イノベーションを先導する技術開発の加速化
 原油価格の高騰、バイオ燃料需要の増加等によるエネルギー事情の変化や担い手の減少・高齢化等に対応するため、栽培技術とロボット、IT等の先端工学技術を複合化した新たな省力栽培システムの開発など、省エネルギー・省力・コスト低減に向けた技術開発を推進するとともに、新食品・新素材の開発等により農林水産業の新たな可能性を開拓する。
2) 知的財産の戦略的な創造・保護・活用
農林水産・食品分野における知的財産の創造・活用を一層促進するため、現場で開発された知的財産の流通手法を開発するとともに、知的財産に関する情報を一元的に提供し、知的財産実務者や他業種に従事する者との情報交換・連携を促進する場としての「農林水産知的財産ネットワーク」を構築する。知的財産の保護体制を強化するため、我が国の登録品種の海外への無断持ち出し等の権利侵害に対応し、「東アジア植物品種保護フォーラム」の場を通じてアジア諸国における品種保護制度の早期整備を働きかけるとともに、DNA品種識別技術の開発を推進する。

II 農山漁村の活性化
1 地方再生に向けた農山漁村活性化対策の展開
 活力ある農山漁村の再生に向けて、「地方再生戦略」(平成19年11月30日地域活性化統合本部会合)に即し、地域リーダーの育成やアドバイザーからの指導・助言による地域活性化を担う人材の育成、祭りや伝統文化の保全・復活等による集落の再生、農商工連携など、地域の主要産業である農林水産業を核とした地域経済の活性化に向けた取組を積極的に支援する。子ども達の農山漁村での宿泊体験を行う「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進し、将来的に、毎年、全国120万人(1学年規模)の小学生が参加できるよう、モデル地域における受入体制の整備を推進する。
 また、「立ち上がる農山漁村」や「オーライ!ニッポン」等の優良事例を分析し、ネットワーク化を進めることにより、全国的な取組への発展を図る。
 「農地・水・環境保全向上対策」による創意工夫を生かした地域活動や環境負荷を低減する先進的な営農活動への支援、都市と農山漁村の共生・対流の一層の推進、中山間地域等の条件不利地域への支援等を通じて、豊かな田園環境を保全し、活力ある農山漁村地域の実現を図る。
 さらに、農山漁村の活性化に向けて、農協等の意思決定過程及び農業経営への女性の参画を促進し、農山漁村における男女共同参画を推進する。

2 農林水産業と食品産業等の連携の強化
 第169回国会に提出した「中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律案」により、農林漁業者が中小企業者と連携して行う先進的な農商工連携の取組を支援する。また、流通業、外食産業、観光産業等のノウハウを活用した消費者ニーズに即した商品開発や販路拡大の取組を支援する。さらに、農林水産業と商工業等のそれぞれの技術や特徴等を活用する農商工連携のモデル的取組を選定した「農商工連携88選」を作成し、その内容を積極的に紹介する。
 産地と研究機関、民間企業の力を結集して新食品・新素材の事業化を図る取組を支援することにより、新たな需要を創出する。

3 暮らしを守る鳥獣害対策の展開
 平成20年2月に施行した「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づき、市町村が作成する被害防止計画に基づく個体数調整、侵入防止柵の整備等による鳥獣による被害の防除、緩衝帯の設置等による生息環境管理の取組を支援する。イノシシの効率的な捕獲技術や鳥獣を引き寄せにくい営農管理技術など効果的な被害防除技術の開発・普及に取り組む。

III 環境・資源対策
1 バイオマスの利活用の加速化
(1)国産バイオ燃料の大幅な生産拡大
 第169回国会に提出した「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律案」により、農林漁業者等とバイオ燃料製造業者の連携による低コストでのバイオ燃料の安定供給に向けた取組を支援する。これにより、平成23年までに国産バイオ燃料を5万kl生産することを目指す。さらに、食料と競合しない稲わらや間伐材等の非食用資源から効率的にバイオ燃料を生産する「日本型バイオ燃料生産拡大対策」を推進し、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を目指す(技術の開発等がなされれば、2030年頃には600万klの国産バイオ燃料の生産が可能(農林水産省試算))。

(2)地域の創意工夫を活かしたバイオマス利活用の推進
 地域のバイオマスを総合的に利活用するバイオマスタウンについて、複数の市町村が連携した広域的なバイオマスの利活用モデルを構築することなどにより、バイオマスの利活用をさらに加速化し、平成22年度までにバイオマスタウンを300地区構築することを目指す。

2 地球環境保全に対する農林水産業の積極的な貢献
(1)農林水産分野における地球温暖化対策の強化
 「農林水産省地球温暖化対策総合戦略」(平成19年6月21日農林水産省地球温暖化・森林吸収源対策推進本部決定)に基づき、京都議定書の6%削減約束を達成するため、森林吸収源対策やバイオマス資源の循環利用等の農林水産分野の排出削減対策の加速化を図るとともに、地球温暖化の進行により懸念される農林水産業への影響に対処するための適応策を推進する。また、たい肥の施用など適切な土壌管理を通じて、農地土壌の温室効果ガスの吸収源としての機能を向上させていくためモデル地区での実証を行うとともに、農山漁村地域における低炭素社会の実現を目指して、地域全体で CO2を削減する取組や、CO2排出量の実態把握、効果的な表示方法の検討等による省CO2効果の「見える化」を推進する。

(2)農林水産業における生物多様性保全の推進
 「農林水産省生物多様性戦略」(平成19年7月6日農林水産省新基本法農政推進本部決定)及び「第三次生物多様性国家戦略」(平成19年11月27日閣議決定)に基づき、有機農業をはじめとする環境保全型農業の推進、生物多様性に配慮した生産基盤整備の推進、間伐等による森林の適切な整備・保全、藻場・干潟の造成・保全等、生物多様性をより重視した農林水産施策の推進を図るとともに、農林水産業と生物多様性の関係を定量的に計る指標の開発等に取り組む。生物多様性の保全を重視した農林水産業の生産活動を国民に分かりやすくアピールし、農林水産業に対する理解の促進を図るため、「生きもの認証マーク」の創設について検討する。これらの取組については、平成22年に名古屋市で開催される予定の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)において世界に向けて発信する。

3 北海道洞爺湖サミットへの対応
 平成20年7月に開催される北海道洞爺湖サミットに向けて、我が国が進めるエネルギー変換効率の高い革新的な技術、地域の実情に即した利用システムを構築するバイオマスタウン等の普及を促進する。
 洞爺湖周辺地域をはじめ、国内におけるバイオマスタウン構想の策定を進めるとともに、セルロース系原料からのバイオ燃料生産技術、バイオディーゼル燃料やペレットなどによるエネルギーの地産地消等に取り組む。メディアセンターの内装材、調度品に間伐材を活用するとともに、サミット会場においてバイオマス製品を使用する。