内閣官房内閣内政審議室
−夢と絆の家庭支援−
少子化への対応を考える有識者会議第2回議事次第
- 日 時 平成10年8月17日(月) 14:00〜16:00
- 場 所 内閣総理大臣官邸大ホール
- 1 開 会
- 2 議 事
- (1)分科会に期待する事項等について
- (2)報告事項その他
- 3 閉 会
【岩男座長】 ただいまから第2回「少子化への対応を考える有識者会議」を始めたいと思います。委員の皆様には大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
それでは、本日の議題に入らせていただきます。まず本日御出席いただいております古川官房副長官よりごあいさつをいただきたいと思います。
【古川官房副長官】 御紹介いただきました官房副長官の古川でございます。委員の先生方には大変お忙しいところをお集まりいただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
実は本来でございましたら、小渕総理大臣が出席いたしまして、親しくごあいさつ申し上げるところでございますけれども、御案内のようにただいま国会が開かれておりまして、そちらの方に出掛けておりますのでよろしくお願い申し上げたいと思います。
総理は、この前の国会における所信表明演説におきまして、この有識者会議のことに触れまして、併せまして、「結婚や出産に夢を持てる社会を築くことは、時代を超えた非常に難しい課題であるが、国民各層の知恵を合わせ、展望を切り開いていきたい」というふうに強い決意を申し述べております。少子化問題は大変難しい問題でありますが、是非ともこれは展望を開いていかなければいかぬ問題であると私どもも思っております。委員の先生方には何とぞよろしく御検討お願い申し上げたいと思います。
なお、そういう国会の事情で関係の大臣も欠席させていただいておりますので、併せまして御了承お願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【岩男座長】 ありがとうございました。それでは第1の議題に入りたいと思います。
前回お知らせいたしましたが、本日の会議の後、10月ごろまでに働き方分科会と家庭に夢を分科会におきまして、具体的な検討をしていただくこととしております。そこで本日は、何が結婚や子育てに夢を持ちにくくしているのか、どこに問題があるのかといった点を始め委員の皆様に幅広く御指摘をいただき、分科会での検討につなげていきたいと思います。
このような趣旨を踏まえ、事務局において前回の会議の発言整理メモと議事録に加え、分科会に期待する事項などに関するたたき台の資料を作成しております。これらを基に分科会で検討いただいてはどうかと考えております。
それではまず事務局より、資料について御説明お願いいたします。
【厚生省大臣官房長】 お手元の資料2「分科会に期待する事項(案)」という資料につきまして、御説明申し上げたいと存じます。
ただいま座長からお話ございましたように、前回の会議の討議内容を基にいたしまして、本日の御討議のたたき台として作成したものでございます。本日の御議論を踏まえまして、必要があればまた改訂をいたすことにいたしたいと存じます。
なお、前回の有識者会議の議事録、発言整理メモ、別途資料4で発言整理メモがございます。御参照いただければと存じます。
資料2でございますけれども、まず1ページは本会議から両分科会に対しまして、討議のお願いする枠組みをお示しするというものでございます。1ページの最初の方で、検討の対象範囲を総括的に述べておりまして、書いてございますように、有識者会議におきましては、1つには結婚や出産について個人が望む選択ができるような環境整備を行うための具体的方策。
2つには、人口成長を前提として組み立てられてきたこれまでの社会の枠組みを、人口減少社会に適合するものに転換していく方策。これらについて幅広い観点から検討するということにされておりまして、分科会におきまして御論議、御討議、あるいは御報告いただくものの性格につきましては、有識者会議における討議の材料というふうに位置づけをし、したがいまして、分科会では各課題について意見の集約を図っていただくということでは必ずしもなくて、むしろ率直な意見を幅広く御報告いただくという整理の方が適切ではないか。そのような考え方で整理がされてございます。
以下、2つの分科会ではこれを踏まえまして、次のページ以下でございますが、別紙に掲げる課題に沿いまして、問題の所在と原因、その対応策について御討議をいただき、できるだけ具体的な提案を本会議にしていただきたい。また、そのような位置づけでございますから、別紙に検討課題として明記されている事項以外の事項についても当然会議のために有益と考えられるものであれば、幅広く討議、御報告いただければよいのではないか。その旨を記してございます。
2ページが両分科会におきます主要な検討の柱ということでございますが、ただいま申し上げましたように、ここにお示しをいたしました柱以外につきましても、幅広く御論議いただくわけでございますので、一応の目安という意味で柱建てをしたものでございます。上の方が働き方分科会の検討課題、その他を入れまして6項目。下の方が家庭に夢を分科会検討課題ということで、その他を入れまして9項目ということで、項目の数は多少違いますけれども、それぞれが大変幅広い柱でございますから、実質的にはそれぞれの分科会とも幅広い検討課題ということになろうかと思います。
各検討課題につきましては、次の3ページ以下で個別に出てまいりますので、言わばこの2ページは目次的にごらんいただきまして、3ページ以下につきまして御説明を続けたいと思います。
それぞれの項目につきまして、前回までの委員の方々の御発言を整理いたしまして、更に参考材料ということで、人口問題審議会報告書、厚生白書、男女共同参画2000年プラン、中央教育審議会の答申、大学審議会の中間まとめといったような各種の提言、取りまとめなどの関連部分の抜粋をそれぞれの項目に記載してございます。それぞれの項目に付されました各審議会等の抜粋につきましては御説明を省略させていただきますが、各項目に委員の発言要旨というものがございます。前回の会議でお示しいただきました意見を適宜各項目に関連付けて整理したものでございますので、そういう意味で重複がございましたり、あるいは項目の張り付けが妥当かどうかというところもあろうかと思いますので、それは御意見賜れれば適切に見直したり、訂正を加えたいというふうに考えておるところでございます。
まず3ページから御説明を加えますけれども、3ページ以下しばらくの間働き方分科会の関係でございます。1つ目の項目を「職場優先の企業風土の見直し」という項目にいたしております。前回の会議でごらんのように各委員の御発言がございましたので、基本的な問題ということで1つの柱建てをいたしました。
以下、関連の審議会の答申は省略させていただきます。
4ページでございますが、2つ目の項目といたしまして、「男性中心の企業風土の見直し」という柱でございます。これは家庭に夢を分科会の方でも家庭や地域での男女の役割分業の見直しというような柱がございますので、それぞれ関連するわけでございますが、こちらの分科会では言わば職場という切り口でこういう問題を取り上げるということで柱にいたしました。前回の御発言さまざまございますけれども、男女共同参画社会の実現が要であるといった御意見でありますとか、男性の意識と行動が重要、あるいは企業でも女性の力が必要な時代ではないかといったような御発言がございましたので整理してございます。
次の項目は6ページになります。「就業コース、就業形態の多様化」という項目でございます。これもごらんのように弾力的な勤務体制や、多様なキャリアコース、パートタイムなど、いろいろな形での働き方を認めていくべきだという御発言がございましたけれども、比較的具体的な検討分野というイメージで1つの柱建てをいたしました。
次に8ページに進めさせていただきます。「育児休業等仕事と育児の両立支援」という柱でございます。職場における子育て支援のためのさまざまな方策を中心に御検討いただくという観点で柱建てをいたしました。前回の会議では、特に育児休業関係の御発言が多かったように考えられますので、代表的な例示といたしましては、育児休業を掲げてございますけれども、このほか事業所保育を含めまして、企業の福利厚生の一環としてのさまざまな多様な育児支援の工夫などが入ってくるのかと思いますし、また場合によりましては、職場というものをもう少し広げて、職場外その他の両立支援策についての御提案なども今後の御論議の中で含まれてくる柱かと存じます。
次に9ページに進めさせていただきますが、「女性や高齢者等が働きやすい社会づくり」でございます。これは前回の会議で社会の仕組みを人口減少社会に適合するものに転換していく方策も検討すべきだという御発言がございまして、その文脈の中で女性、高齢者、あるいは子どもが働きやすい仕組みというものを考えていくべきというような趣旨の御発言がありましたことを念頭に置いた柱ということになります。 それから2ページほど進ませていただきまして、11ページ「その他」でございます。以上のような項目になかなか整理し切れないといいましょうか、区分するのが難しい御発言をここで整理いたしたものでございまして、ごらんのような御発言がございました。 一方、この働き方分科会では、職場の在り方などを中心に御検討を加えていただくということになろうかと考えておりますけれども、一方の家庭に夢を分科会が中心になって検討される課題につきましても、こちらの分科会からもさまざまな観点からの検討をしてほしい事項というのもございましょうし、御意見を申し上げる事項というのも出てまいるかと思いますし、逆に、家庭に夢を分科会の方から職場の問題についても論議が出てくるということも当然考えられます。「その他」のあたりで整理ができないかというふうにその辺は考えているところでございます。
13ページに進めさせていただきます。13ページ以下は2つ目の分科会でございます家庭に夢を分科会の関係でございます。冒頭の「男女の役割分業の見直し」の項目につきましては、先ほど働き方分科会の方でも触れましたように、男女共同参画社会の実現などについての御発言があり、それぞれの分科会で切り口は違え、非常に基本的な論点ということになりますので、柱建てをいたしました。
15ページをお願いいたします。こちらの分科会の2つ目の柱でございますが「結婚をめぐる状況への対応」という項目でございます。前回の会議でも農村部などを含めまして、結婚の御希望がありながらなかなかできないというような条件にある方々の問題も考えるべきというような御発言がございましたので、そういったことを踏まえまして、1つの検討分野として柱建てをいたしました。
16ページでございますけれども、「育児をめぐる国民意識」という項目でございます。育児はつらいものというような考え方がある一方、子育ての喜びというようなことについてお触れになった御発言などがございましたことを踏まえまして、このような柱にいたしました。
2ページほど進めさせていただきまして18ページでございますが、「保育等子育てサービスの在り方」の項目でございます。保育制度の改善すべき点などにつきまして、さまざまな御発言がございましたので、これも具体的な検討課題になり得るものといたしまして、1つの大きな柱といたしました。ごらんのように大変さまざまな御意見をちょうだいいたしたところでございます。
20ページでございますが、「地域全体での子育て支援」という項目でございます。親に集中している子育ての負担を地域社会が支援していく方向、あるいは仕組みなどにつきましての御発言がございました。これも大変大きな論点ではないかということで事項として整理いたしました。
次に22ページでございますが、『「住」の在り方とまちづくり』という項目でございます。先ほども「地域全体での子育て支援」という柱が立っておりますけれども、どちらかといいますとそちらの項目がソフトな観点からの地域づくりということであるとするならば、こちらではハードの面から検討、整理してみたら議論しやすいのではないかという柱にいたしております。例えば、職住の在り方、ベビーカーで移動できるまちづくりといったような御発言が前回もございました。
項目が大変多くて恐縮でございますけれども、24ページ「学歴偏重社会の見直し」という項目でございます。御発言はここに掲げたようなことになるわけでございますけれども、これも大きな柱ということで、1つの検討事項として出したものでございます。
25ページでございますが、「子育てのための経済的負担軽減措置」という柱でございます。出産時や教育費などにおける経済的負担の問題につきましては、さまざまな賛否両論含めました議論があるといったような御発言ございましたけれども、検討課題として1つの柱にいたしました。
最後「その他」でございますが、27ページでございます。働き方分科会と同様に、それまでの項目になかなか整理し切れない問題をここに網羅的に掲げてございます。
以上が分科会にお示しする資料のたたき台ということで、私ども事務局の方で取りまとめた、あくまで案でございます。本日の御議論を踏まえまして、必要な修正、あるいは組み立ての直し方をいたしたいと思います。
なお、ついででございますが、このほかお手元にお配りしておりますほかの資料につきまして一言御紹介いたしますと、資料3は委員を公募するという仕組みをとっております。現在の応募状況についての資料でございますが、後ほど会議の終了近い時点で御説明を申し上げる予定でございます。
資料4は先ほど御紹介いたしましたが、第1回目の委員会の発言整理メモでございます。
最初封筒の中に取りまとめてあったと存じますけれども、各委員から前回の会議以降、事務局に対しまして種々の資料提供の御要請がございました。そういったものを取りまとめて本日お手元にお届けしてございます。
ざっと申し上げますと、労働省が作成いたしました育児休業に関連する資料。
各経済団体がさまざまな御提言をされておりますので、そういうものを取りまとめて配布してほしいという御要請がございました。そういうものも含めてございます。具体的に申し上げますと、公表時期順に申し上げれば、関西経済連合会、東京商工会議所、日本経営者団体連盟、経済同友会といったところが御提言を取りまとめておりますので、御紹介のためにお手元にお配りしたというものでございます。
このほか、諸外国の対応についての研究報告といったものがあればという御要望もございましたので、資料の中に含めてございます。
以上、簡単でございますが、御説明を申し上げました。
【岩男座長】 ありがとうございました。それでは、討議に入りたいと思いますが、その前に前回御欠席の河合隼雄委員、小西聖子委員、八代尚宏委員、渡里杉一郎委員に自己紹介も含めて少子化への対応について一言ずつ御発言をお願いしたいと思います。その後で資料2について順次検討を進めてまいりたいと思います。
それでは、河合隼雄委員お願いいたします。
【河合座長代理】 この前欠席して申し訳ありませんでした。欠席したおかげか何か知りませんが、代理というものになっておりましてびっくりしたのですが、やらせていただきたいと思っております。
少子化の問題は非常に私も深刻に思っております。昔はともかく子どもを育てないと自分が老後を見てもらえないというのでみんな子どもを育てたのですが、このごろは育てなくても見てもらえるような気がしているということもあると思うのですが、国家に頼ってるということは社会に頼っているわけで、それは結局次の世代の人たちに頼っていることになりますので、子どもを育てるというのは自分のためでもあるし、社会のためでもあるし、また、社会のためを考えることは自分のためでもあるしというふうな、お互いが関連し合っていると。その辺の認識をもっとみんな持ってもらったら、子どもを育てるということに意欲を燃やしてもらえるのではないかなというふうに思っております。
【岩男座長】 ありがとうございました。それでは、次に小西聖子委員お願いいたします。
【小西委員】 私は普段性暴力の被害者や虐待の被害者とか、あるいは殺人事件の遺族などの犯罪被害者のカウンセリングをしておりますが、精神科医でございます。ただ、この会議に関しましては、私自身がここに書いてあるように大学を大分年取ってから出ましたり、子どもは現在中学1年生と高校1年生とおりますが、やはり自分の経験から言いたいことがいろいろあるなと思っておりまして、それで発言させていただければと思っております。
1つは、私が今、子どもを2人持ってこういうところに来られるような仕事をしているのもほとんど運によっている。子どもも健康だったし、私も健康だったし、保育園も何とか計算してきっちり4月に入れるように産めましたし、それだってそうもできない人もいますし、それから母もそばにいました。そういうもの全部込みでようようやってこられた。普段の私の仕事と比べてもかなり大変な仕事だったというのが正直なところです。これが少しでも運が悪ければ、きっと私はできなかっただろうと思うのです。多分運がいい人ばかりではありませんので、多少運が悪くても、普通でも、だれでもが育てられるようにならないといけないのではないかなというふうに思っております。
【岩男座長】 ありがとうございました。それでは、八代尚宏委員お願いいたします。
【八代委員】 私は経済学の立場から少子化問題を考えてきております。よく出生率の低下の問題について、それが人々の意識の変化であるとか、あるいは人々の意識が間違っているからこれを正さなければいけないという立場がよくあると思うのですが、私の考え方は、意識の背後にあるインセンティブに注目いたしまして、そういう個人や企業の行動を規定している要因は何なのだろうか。それを変えなければ、人々が合意的な行動をしているという前提に立っているとすれば、少子化をとめることはできないのではないか。
今の仕組みというのは、それなりに高度成長期には合理的であったものなのですが、高度成長期と申しますのは、やはり男女の固定的な役割分担を前提として、企業が専業主婦ぐるみで雇用するというような考え方で成り立ってきたシステムが、今後の低成長、女性就業の拡大の時代に合っていないものになっている。ですから、制度を変えることによって本来合理的に行動している企業や個人の行動を出生率の回復という方向に持っていくためにはどうしたらいいか。そういう制度問題として考えております。
【岩男座長】 ありがとうございました。それでは、渡里杉一郎委員お願いいたします。
【渡里委員】 日経連で社会保障特別委員会の方を担当いたしております。前回の議事録を拝見しますと、70代は私一人のようで、最年長ということになりましょうか。産めよ増やせよの時代に育って、会社に入ってからは会社人間で、家庭のことは家内任せということでありましたので、その反省も含めて勉強をしなければならぬというふうに思っております。
日経連でも提言がありますけれども、昨年少子化について少し勉強いたしまして、その中で議事録にありますように、女性の就業率の高い国、そして男性の家事への協力度の高い国ほど出生率が高いということで考えさせられるところがありました。当然企業が関連してまいりますので、それを含めて勉強しながら討議に加わらせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【岩男座長】 ありがとうございました。それではまず資料2のうち1ページ目の「分科会に期待する事項(案)」について何か御意見がある方御自由に御発言お願いしたいと思います。こういうものが落ちているというような御指摘もいろいろあるかと思いますけれども。
【板本委員】 結婚の問題を取扱っている立場から、私は働き方分科会ではないのですけれども、要望として、もし考えられるのであれば、今、結婚をするということは、1つは出会いがないということと、出会ってからいい関係をつくっていくという中で結婚する喜びとか、家庭を持ちたいという希望がわいてくるのだと思うのですが、前も申し上げましたけれども、30代ぐらいなりますと、働き過ぎという構造の中でなかなか自由な時間を持てないと。それは一方では、家事や育児に参加するための企業の在り方というものを検討されるわけだと思うのですけれども、もう一つ加えて、やはり20代後半、あるいは30代の未婚の人たちが、働きながらでもいろいろな意味での人格形成をしていけるようなチャンスを何とかつくれないのだろうかと。
例えば、ボランティア休暇というのもありますし、棚上げになっております有給教育休暇みたいなものもありましたけれども、生涯学習時代だということや男女共同参画社会だということで、そういったことの意味を有給というか、いろいろなところに参加しながら学んでいけるチャンス。直接企業利益とは関係ないのかもしれませんけれども、そういうものを学んだり、あるいはそういうことを築いたりするような、そういうこともできたら織り込んでいただけないでしょうか。つまり、相手を選ぶという選択力とか、決定力とか、人を恋していく、愛していくといった力が非常に劣っているように思いますので、非常なスピードで、イケイケの社会の中で男の人たちが、特に男性の場合が取り込まれていますので、そういう前提が「職場優先の企業風土の見直し」の中で少し検討されればということをお願いしたいと思います。
【渡里委員】 前回の記録にもありましたけれども、若い男女の出会う機会が少ないとありますけれども、私たちの年代なのかもしれませんけれども、我々のときよりはよほど多いし、ただ、我々のときは確かに結婚というものを意識してあれしたような感じがしますが、今の人を見ていますと、非常にドライというのか、そういうことではなくて付き合っている方が多い。それからもちろん、この前出ているように、親というものが前と全然違って、我々のときはそういうときには親は余り考えなかったのですけれども、最近は親が大事にしてくれますから、そういうことで、結婚に対する意識が非常に違ってきているのではないかなというような感じがいたしますが、その辺はいかがなのでしょうか。
【板本委員】 もちろん、意識の問題とか、結婚とは何かとか、結婚に期待するものというのが時代の変化とともに当然変わってきているわけで、そのことも考慮しなければならないのですけれども、私が結婚相談所という関連でいろいろ見ていますと、20代は確かにさほどでもございませんけれども、日本の働き方のシステムというものがそうなのでしょうけれども、やはり業種によっては多少違いますけれども、30代の未婚率がかなり急速に伸びているわけで、その30代の人たちの実態を見ますと、忙しいというだけではなくて仕事中心の生活スタイルができ上がってしまっていますから、そこから逸脱して新しい別な世界を知るとか、心がけるとか、そういうところに出ていくチャンスが余りなくて、仕事、仕事に追われていくと。
こういう言い方は大変失礼なのですが、厚生省や文部省を見ていましても、30代の独身の方が毎晩12時過ぎまで働いているという実態は何なのだろうかというような、例えばですけれども、そういったことが結構いろいろなところで多いということと、プラス仕事のことでは非常にプロフェッショナルですけれども、今、言っていたような男女共同参画社会とか、結婚観が変わってきているということへの認識は持てるチャンスがないということで申し上げたわけです。
【岩男座長】 今のお話を聞いていて、昨日私のところにアメリカから来たメールを思い出したのですけれども、私の大学院のときの先生が再婚なさったのだそうで、そのお知らせのメールだったのです。ニール・ミラーといって89歳なのです。奥様は80歳ということで、もちろん、これは少子化にはもう貢献できないわけですけれども、私はそれを聞いてすごくエネルギーが違うのだなというか、やはり結婚するにはエネルギーが必要だな、マメでなくてはできないなという感想を持ちました。
【八代委員】 今、板本委員と渡里委員の2人の意見は、それぞれもっともな点があるのですが、ただ、何が基本的な原因かということを考えないと、はっきりいって余り具体的な解決に結び付かないのではないかと思います。
板本委員は男性がなかなか時間がないから結婚できないというふうにおっしゃっているのですが、それは昔からのことであって、なぜ出生率が下がってきたかの原因にはならないのではないかと思うのです。昔から男性は忙しかったし、昔から日本の男性というのはそんなに女性に対して大した配慮もしなかったのに、昔は結婚できていたのに、なぜ今は結婚できないのか。それは基本的に女性の行動の変化に大きな鍵があるわけで、それは決して女性に責任があると言っているわけではないのですが、女性の経済的地位が上がっていく中で昔は楽に結婚できた男性が結婚できなくなったということであるわけでして、そこを考えなければいけないのではないかと思います。
それから、意識の変化ということなのですが、意識自体は同じであっても、そういうふうに女性の行動が変わってきた中で新たな対応を迫られている。そのときにどうすればいいかというふうに考えるべきではないかと思います。そのときに、企業の負担でボランティア休暇だとか、休めるようにするといっても、企業はそれ自体国際競争の中で猛烈に闘っているわけですから、個々の企業がそういうことをしてもそれは無理ではないか。前回の議事を見ましても、企業が雇用者の時間を取り過ぎているとか、保育所や学校の行事に週日の昼間働く親が出席するように企業が認知しろと言っても、それは無理だと思います。企業がそれをやったとしても、個人としてそれは受け入れないのではないか。
だからより基本的な問題は、個人の働き方の自由度を高めるということ。つまり、場合によっては個人は別にボランティア休暇でなくても、単純に企業を辞めて好きなことをして、また自由に復帰できるというような、それは日本的雇用慣行を根本から変えるということになるのではないかと思います。今の雇用慣行の前提のままで表面的なことだけの対応をしてもそれは無理であって、先ほど座長のおっしゃったように、アメリカの例というのはまさに男性も自由に企業を変われるような世の中だから女性も変われるわけであって、そういうような雇用の自由度が高まればそれだけ個人の自由度も高まり、今日は非常によく働いて明日は休むとか、そういう働き方の自由度が高まる。
先ほどおっしゃった厚生省の場合でも、非常に無駄に時間を過ごしていることが実は基本的な問題であって、もっと仕事を効率化して、デートのために今日は早く帰るというような自由度があればいいわけで、その自由度がない、過度の集団主義ということが実は問題なので、長時間労働というのはその結果にすぎないのだと。そういうような考え方を私はしているわけなのですが、その点についてコメントいただければありがたいと思います。
【河野委員】 いろいろ伺っていながら、笑いながら失礼いたしました。実は根本的な、これからの課題としてどうかというところからいろいろ話が発展したと思うのですが、まず私は働き方分科会という名前が大変好きでした。実は根本の問題として、働き方を変えることでありまして、私は企業の質や企業が経営難になるほどプライベートを充実させるようなことはできないと思うのです。今、八代委員のお話の中にも働き方の多分質という意味で、私はいつも質という言葉を使っているのですけれども、というような伏線が含まれているのかと思うのですが、今、企業の中で現場をたくさん見ておりますので、雇用の現場を見ていると、雇用の現場といいますか、働いている人が増えたということは、基本的には自営業というより雇用者が増えたという原点から考えていくと、やはり雇用慣行は大きな課題だと思います。
だからといって企業というのは、これだけ厳しい時代になって、私昨日、明日とリストラクチュアリングの取材というような今日このごろ、やはりきれい事を言ってもそんなに簡単には実施できないと思うのですが、したいと思っているのです。やはりそれには質を落とさないぞと。プライベートベースで休んだことでも、少しはネタにして仕事してやるぞですとか、やはり今、非常に必要なのは、ちょうど時代が消費者対応の商品開発ですとか、サービスをするときも消費者のニーズに合ったものというような展開にちょうどなってきているので、かえってオフのタイムを充電しようというような気持ちで動かしながら、さっきおっしゃっていました、プライベートを充実することが自分の仕事にも役立つし、プライベートにも役立つというか、そういう発想を経営者にしていただきたいと思うのです。
実は全部見切っていないので、ダブってお話ししたら申し訳ないのですけれども、最終的につくったものを動かすのは経営者であり管理職だと思います。その中に出てくるのが、私のテーマでいくと採用ですとか、評価ですとか、仕事をマニュアル化するですとか、代行要員の準備育成ですとか、各論はたくさんあるのですけれども、それを運用していくのは管理職だと思うのです。ですので、意識改革をどうやっていくのかという問題と、あとはビジネスマンというかサラリーマンが多いわけですので、どうしても仕事の質より上司の顔色を見てしまうというのも事実なのです。やはり一社員の交渉力が今は大分弱まってきていますので、そんな中で後ろから後押しができるような体制を御用意しながら、働く方も質で働く。
質で働くというのは具体的に、どこかに入っていたと思うのですけれども、例えば通勤時間をうまく使う、社屋外勤務と私は言っているのですけれども、自宅も含めて社屋外勤務の遂行ですとか、通信をうまく使わせる。申し訳ないのですが、大体50歳以上の企業人というのは通信に大変弱いのです。学者の先生たちやほとんど御自分で仕事をされている専門職の方は、お医者様も含めて非常に強いのですけれども、どうも企業の中では通信というものを余り利用し切っておりません。通信をうまく使いこなそうとすると、そこで出てくるのは人の評価の問題です。1週間べったり見ていないと評価ができないという上司たちもまだまだ多い中、どうやってアウトプットを見ていくのか、オフのタイムはオフのタイムでうまく使わせ、オンのタイムのときには拘束時間を短くすることによって、でも質を高める仕事をさせるというか、その辺を是非検討課題に入れていただければと思います。
【直江委員】 八代委員の御意見に触発されて思ったことなのですが、卵が先か鶏が先かという問題になるのかもしれませんが、企業の方はそういうことを強く望んでいるという社員が増えれば、大体企業はそれに対応した制度をつくるということは非常に容易ですし、すぐ対応するのですけれども、なかなかこうあるべきだというのでこういうふうな社員をつくりたいと、よってもってこういう制度をつくって、どうぞこういう制度ありますからボランティア云々もそうですし、育児もそうですけれども、男性も取ってくださいということは、制度をつくってもなかなか動かないというような感じがありますので、そういうことを欲する社員が多くなれば、企業というのは容易に対応できる。容易にというのは会社によるのですけれども、私の経験で言うと、本当に社員がそれを望んでいるというふうに認識をすれば比較的容易に対応できるというふうに思っておりまして、やはり働き方とか、個人の価値観とかいうことをもっと表に出す、言わば社員というか人を増やすという働き掛けをすることが、実際に社会が変わっていくためには一番早いのではないかなというふうに思っています。もちろん、それをするためにどうするかというのがこの会議だとは思っておりますが。
そういうものに関連して、この分科会に期待する事項の2行目のところ、ここには「結婚や出産について個人が望む選択ができるような環境整備を行うための具体的な方策」を検討すると書いてあるのですが、私はここのフレーズで少し気になるのは、「個人が望む選択」という部分です。個人が本当にどういう価値観を持って何を望んでいるのかというのをしっかりつかまないと、このくだりだけ見ると、パートタイムで仕事したいからパートタイムの制度下さい、育児休業したいから育児休業の制度下さい、給与の補てんがないと働けないから給与の補てん下さいと。そういうようなあれを下さい、これを下さいというふうになりがちになると思うのですけれども、それはなかなか企業経営からいくとそう簡単にはいきませんよと。だけれども、本当に個人が望む選択、本当に社員が本気で望んでいるのであれば、比較的対応できますよということで、「個人が望む」という部分についてもっともっと掘り下げるような議論を分科会でもしていただければなというふうに思います。
【三浦委員】 私は家庭に夢を分科会の方なのですけれども、今まで働き方分科会的な話だったので、家庭に夢をの方を話しますけれども、先ほど河野委員が働き方分科会という名前はいいという話があったのですが、家庭に夢を分科会は余りいい名前ではないなというのが私の考えでして、なぜならば、非常に家庭に夢を持つのは難しい時代であるというふうに思うからです。
逆に、そんなに家庭や結婚に夢が持てた時代というのはいまだかつてあったのであろうかというふうに思います。あったとしても非常に限られた時代にしかなかったのではないかなというふうに思うのです。常に家庭主義というのは特定の時代、社会において1つのイデオロギーといいますか、思想として大衆の側から自然に発生するというよりは、上の方から与えられたイメージを人々が信じていく中で出てきているわけで、日本の場合はそれが戦後の高度経済成長期であったし、アメリカの場合はやはり1950年代、あるいは20年代、30年代にあったと。イギリスはビクトリア朝にあったというふうに言われております。
そういうように、ある時代、ある社会が特に経済的に発達しようとしたときに、家庭の重要性が非常に求められて家政学ができたり、家庭教育の重要性が言われたりするということがあると思うのです。今の時代にそういう上からのイメージの提供ということがいいのかどうかという大問題があって、その辺がまず非常に難しいなと思います。
私は戦後の昭和一けた、二けたから団塊の世代あたりまでは家庭や結婚に夢を持った世代かなというふうに思っておりますが、やはり1つ大きいのは恋愛結婚だと思うのです。つまり、親の決めた結婚とか、許婚とか見合いではなくて、自分の選んだ相手と結婚できるということが結婚に夢を与えたと思うのです。しかし、これはいまや当たり前ですから、恋愛結婚ということは全然心理的なインセンティブになりません。
それから物質的なインセンティブがあって、高度経済成長期に2DKの団地に住んで、家電を買って、車を買ってというような物質的な意味でのライフスタイルのイメージも結婚や家庭と一緒にはっきりと提示されたと。住都公団も団地のプロモーションフィルムをつくり、それこそ東芝さんも、松下さんも家電をつくって、こんないい家庭が築けるぞというイメージが提供できたわけです。それが今できないわけです。私マーケティングの人間ですから、企業の方に聞かれるわけですけれども、私としては新しい家庭のイメージを提供して物を作ったり、コマーシャルを打ったりしても、だれも買わないよねという話をせざるを得ない状況だと思うのです。
そういう中で、どういうふうに家庭や結婚に夢があるよと言っていったらいいのかというのは実に大問題でして、ですから私としてはなかなかそこに積極的な提言が今のところ持てないのですけれども、提言をする前提として、なぜかつて持てたのかという分析をきちんとまずやっておかないといけないのではないかなという気がします。有識者として呼ばれているので、それはお前がやることだということになるのでしょうけれども、それ以外にも必要があればそういう御専門の方をお呼びして、御意見を伺うなりの機会も欲しいなというふうに思います。
【岩男座長】 ありがとうございました。次のページにある分科会における検討課題のところに既に議論が入っておりますので、続けて資料2の2ページの検討課題を取り上げて議論したいと思います。
まず働き方分科会の検討課題の方を先に取り上げて御自由に御発言をいただきたいと思いますけれども。
【田尻委員】 今いろいろお話が出ていて、結局中間的な働き方というものをきちんと制度として用意するということが非常に大事だと思うのです。パートタイムをもっときちんとする。日本の場合非常にパートタイムとフルタイムの賃金格差は非常に高いという、前回の岩男座長のお話でオランダの例がありましたけれども、まさにああいうようにパートをきちんと位置づけるということ。
あと、人間の一生としてフルタイムで最初働いて、育児期にパートタイムで働いて、またしばらくしたらフルタイムになるということでキャリアが継続できて、そういうような働き方を企業に委ねるのではなくて制度として保障するというか、そういうものがないとなかなか男女にかかわらず育児と仕事を両立して無理なくやっていける社会というものは組めないのではないかというふうに思うのです。オランダは例えば、官公庁のキャリア組ぐらいの方でもそういう仕事をなさっているというのは、やはりそこにそういう意味があるのだと思うのです。
例えば、私の下には市民運動でよく企業で育児休業を取ろうか取るまいかと迷ったり、取ったりする男性が来るのですけれども、やはり企業の評価が非常にネックになっていると。取ろうと思えば取れないことはないけれども、ありていに言えば、一生に傷が付くような評価を男の場合、女性もそうですけれどもそれを受けてしまうという、これではなかなか取れないのではないかというふうに思うのです。ですから、そこに何らかの制度的保障というものをやっていかないと個人の力では立ち行かないのではないかというふうに思います。
【小西委員】 私は家庭に夢をの分科会で、私もこれはすごい名前で、だれが付けたのだろうと自分で思っていたのですけれども、今の働き方のことに関しても、制度改革が必要だというのは確かにそうですけれども、やはり意識の改革というのも常に伴わせないと、例えば、実力主義でアメリカのように仕事をしょっちゅう転職して、そういう形でやれば自然にこれがよくなるかというと、例えば、そういう働き方の中では落ちこぼれる人がたくさん出てくるわけですよね。では、日本で落ちこぼれないようにするためには、そうしたら今度は夫がそういうハードな仕事をするために裏で支える人が要るという形になってしまうという話は十分あるわけです。
ですから、これはもちろん、制度を変えていくことの方を動かすためには、アメとムチだとこういうものの対策はアメしかないわけですから、やっていかなくてはいけないわけですけれども、常に企業や個人とか、社会とか、そういう意識を変えるとき一緒に働き方の方もやっていただかないと、また日本式の実力雇用のような非常に恐ろしいものができてしまう可能性も十分あると思いますので、それを言っていただきたいなというふうに思っています。
【河合座長代理】 私も田尻委員の説に大賛成なのです。ずっと昔からそれを言っておったのです。というのは、私の関係する職場は女性の優秀な方が多いのです。カウンセラーとか、あるいは調査官、教員もそうですし、お医者さんもおられますが、そういう方がパートタイムになったり、あるいは辞めたりすると次のキャリアが続かないのです。どうしても無理してキャリアを続けることで大変なことが起こってくる。だから、まずは公務員の世界で何とかできるのではないかと思うのです。今、言いました調査官にしてもそうですし、教員にしてもそうですから、しばらく辞めているとか、パートになってまた帰ってくる。これをまず国がやれば企業の方もそれを真似られると思いますし、真剣に討議してほしいと思います。そしてまた、国の方からいっても、そういう人を使うということは非常に得だと思うのです。ほとんど同意見なのですが、そのことを申しておきます。
【河野委員】 それぞれ同意見でございます。実はそれプラスαで、私も研修や講演を通していろいろな管理職の方やワーキングウーマンを見ていますと、仕事はしたい、続けたいのだという気持ちと、何ができるかが別でございまして、今、河合座長代理おっしゃったような、ある1つの専門性を持った方はいろいろなワーキングスタイルが変わっても、何とか必要とされる人材であり得ます。ただ、企業というのは非常に怖いところで、入ってしまうとそのまま何もキャリアがなくて、社内価値は高いけれども市場価値は低いなどというサラリーマンがいっぱいおりまして、ここでリストラの今日このごろは大変なわけです。実は私のところでライフ・アンド・キャリアデザインというセミナーで、今までワーキングウーマンの方は何万出たか分からないのですが、一番ネックなのは、あなたは何がしたいのかということに答えられないことです。
例えば、結婚、出産のときにブランクをつくってでも続けたいのであれば、何かそのブランクの間を自分としてはブランクでなく、ブラッシュアップや充電期にすることもできます。ただ、どうしても会社へ入ると、自分も20代、30代経験してきて今になっていますので、大変上司からもある程度目を掛けられ、仕事をしてきて、ふっと考えると、では、私には何があるかということになり得るのだと思うのです。たまたま外との接点が多い男性、女性というのは非常に自分を客観的に見る目はあるのですが、私はどこかの段階で、男性も女性も一社会人として生涯社会に貢献したいのであれば、自分のキャリアの棚卸し。その中で自分が専業主婦を、夫でもどちらでもいいのですけれども、専業主婦を選ぶと。しかもこのくらいの経済力の中でやるというライフプランを持ったのであれば、それはその人の選択であろうと思うのです。
ですので、本当に個の時代というのは、一人一人のライフスタイルに合わせたコースが世の中にあればいいのであって、実は個の時代と口でばかり言って商品だけはいろいろなシャンプーなどは出ているのですけれども、企業の中で個に対応した人事政策がありそうでないのです。先ほど田尻委員もおっしゃっていましたけれども、あっても運用できない。育休に関しては、いろいろ文章を見ていくと、そこはマイナスにしてはいけないとか文章ではあります。でも運用するのは上司ですから、上司が「休むからさあ」と言うと、もうそういうことになってしまうわけでして、やはり先ほど小西委員もおっしゃっていましたけれども、意識の部分と政策の部分と両方を両輪でやっていかなければいけないのではないかと思います。
【八代委員】 2回目で申し訳ありませんが、まず言いたいことは、働き方と家庭という分け方自体も実は問題で、両者密接に関連していると。私は今の家庭の問題というのは日本的雇用慣行そのものから来ている部分があって、分け方は仕方ないのですが、両方を一緒にある程度考える必要があるかと思います。
先ほど三浦委員が言われたことに私は非常に共通認識なのですが、なぜかつては家庭に夢があって今はなくなったのだろうか。あるいはそういう考え方が正しいかどうかということだと思います。それは結局、昔より今の方が悪くなっているという仮説があるのですが、本当はそうだろうか。私は逆だと思うのです。昔より今の方がよくなっている。だから家庭に夢がなくなったのだと。こういう一見矛盾のようなことが実はポイントではないかと思います。
なぜかつては家庭に夢があったか。それは女性の社会的地位が低かったからなのです。女性の社会的地位が低かったから永久就職の結婚が自由にできるということが非常に夢があったということになる。しかし、それが女性も今は社会的地位が経済的に高くなって、男性と同じような給料をもらうようになった。だからそれを犠牲にしてもいいほどすばらしい男性でなければ結婚したくなくなった。そういうことであって、これは女性の経済的地位の高まりで家庭の夢が相対的に落ちてきたということではないかと思います。
ですから、そういうふうに進化論的に考えたら実は非常に厳しいことであって、女性の経済的地位が高い中で、かつ結婚することが得になるような仕組みに持っていかなければいけない。これは非常に難しいことなのですが、それを考えないと、昔から悪くなっているから昔のようにしようと思っても、それはむしろ逆行することになるのではないかというふうに考えております。そのためにどうしたらいいかというのは、先ほど田尻委員がおっしゃっているように、中間的な働き方というか、結婚と仕事が少なくとも育児期には両立できるような働き方を自由にできるようにするというのも1つの方法であると思います。
それから、そういうふうにどんどん働けということは逆に落ちこぼれではないかという御意見が先ほど小西委員からあったと思うのですが、私はそうではないと思います。働き方の多様化というのはまさに社会的地位が高く、給料の高い人ほどより働くというような形であって、普通の人はそんなに働かなくていいのです。今は逆であって、官庁でもそうですが、補佐や下の人が猛烈に長時間働いて、失礼ですが、局長クラスは逆に言えば出世すれば楽になるというような仕組みになっているのではないか。それが問題であって、それは欧米のように上に行けば行くほど仕事がきつくなる。こんなにきつくなるなら、上に出世しなくてもいいという人が増えてこそ、個人の多様な働き方ができるのではないかと思います。
抽象的なことを言っても仕方がありませんから具体論で申し上げますと、今の公務員の一番長時間労働の基本原因は、今週でもそうですが国会答弁のための作成待機であります。はっきりいってああいう国会答弁をやめてしまう。政府委員をやめるということもそうですが、政府委員制度が残っていても、局長が俺が全部答えてやると、どんな質問があったって構わないと。質問用意など要らないというふうに意識を変えれば、ある意味で下の人の仕事は猛烈に楽になるわけでして、そういうふうに上司がより責任を持ってやるような仕組みに変える。これは日本的雇用慣行から米国型雇用慣行への変更でありますけれども、そういう人事制度を変えれば、ある意味で今のままでも、はっきり言えば、結婚したりデートしたりする時間を若手の人に与えることができるのではないか。これは別に官庁だけではなくて日本の企業も全くそのとおりだと思います。
制度か意識かということなのですが、今まで余りにも政府の審議会は個人の意識を変えろということばかり言ってきたわけで、これは言うのは簡単ですけれども実際には難しい。制度を変えるという形で、制度を変えるというのは政府の責任もあるわけで、今の税制や社会保険制度というのは今の日本的雇用慣行をサポートする側に回っているわけでありますから、それを中立的なものにする。
それから、政府が変わるだけではなくて民間の企業も変わるということはそのとおりなのですが、特に、そのときには上司の行動というものが重要である。上司の行動を変えるというのは簡単で、経営を効率化すればいいわけでありまして、要するに、高い地位の人ほどたくさん働く。それによって全体の労働時間を短縮していく。これは経営の効率化と何ら矛盾しないわけであります。ですから、よくこういう少子化や社会問題というのは、企業が社会的意識に目覚めて、企業利益を犠牲にしてやれと言う人が多いのですが、それは逆であって、日本の企業経営をもっと効率化していけば自然とこういうことができるのではないかと思います。この辺是非日経連の考え方も教えていただければと思います。
【渡里委員】 八代委員おっしゃられることほとんど全部賛成です。ただ、効率経営、企業は効率を志向していかなければならぬということ、このとおりだと思うのですが、いろいろなことをこれから企業について考える場合に、1つだけカバーしてやらなけければならぬのは、我々大企業の場合は、例えば、育児休暇を取ろうとすれば、それをカバーするだけのやりくりもできるし、それに対する上司の考えというのもできていると思うのですけれども、大部分を占める中小企業の方はそういう余裕はないと思うのです。ですから、中小企業に対しては中小企業自身ではなくて、国あるいは地方自治体がアウトソーシングの仕組みを含めて、これは新しいマーケットをつくることになりますけれども、そういうことを含めてこの委員会でも検討していかないと不十分になると思いますので、それだけ付け加えさせていただきます。
【岩男座長】 それから、八代委員の最初の御質問の家庭と職場、働き方とを分けるということですけれども、それは先ほど官房長の御説明からも多分お分かりいただけたのではないかと思いますけれども、とにかく全部ごったにしてというのではなかなか議論が進められないので、ですから両方でオーバーラップしながら、ただ、ウエートをどこに置くかというような便宜的なものだというふうに御理解いただけたらよろしいのではないかと思います。
【伊藤委員】 政府の皆さん若い方御苦労されているのですが、私は審議会なくしたら随分時間が上がると思います。これだけ審議会があったら本当に課長補佐の若い方は御苦労もいいところで、それに一人一人説明をするわけですから、是非審議会をやめていただきたい。それが1つ。
本題に入りますが、資料2の20ページですが、地域全体での子育て支援です。ここのところで、これは審議会だと必ず私がやらなければいけないのです。やるならやりますけれども、事実を教えてもらいたいのですが、田舎と都会と東京とで合計特殊出生率とか離婚率、母子家庭率とか、それが過去10年間どう変わってきたか。これは人口問題研究所でやっていると思うのですが、非常に簡単なのはないのです。さっきからこの資料を見ていたのですが、日本全体のはあるのですけれども、どうもよく分からないです。それから長生きをするとか、合計特殊出生率とか、そういうのはどこかパンフレットありますか。そこのデータが欲しいのです。
というのは、私の仕事は都市のつくり方について50年ぐらいのタームで議論しますので、長い少子化の問題を解くときに、四半世紀とか半世紀の政府の努力をするときに、東京とか、大阪とか、皆さんの御議論の対象になっているような社会がいい社会なのか、悪い社会なのか。むしろ山村みたいなところで意外とすべてが兼業化していて、余りこういう議論しなくても子どもを3人つくってしまったとか、そういう昔の美徳で支えられているところがもし苦痛でなくて存在しているのかどうか。
この辺の状況は非常に大事で、今までそういう議論をしないで大都会の経済的な生産性は田舎より高いとか、就業機会は東京に来れば来るほど多いとか、東京に投資をすると、それの経済的乗数効果は高いとか、いろいろそういうことを言っていたのですが、子どもさんの問題だとどうも私の直感的感覚は、東京にお嬢さんが来れば来るほど日本の少子化は進行するという感触が、大学の教師なので何となくそういう感じがあるのですけれども。そういう資料提供だけを申し上げました。
【厚生省大臣官房長】 お求めのすべての資料を準備できるかどうか自信がございませんが、例えで申し上げれば、当然合計特殊出生率は地域的な違いがございます。
【伊藤委員】 非常にあるでしょうね。
【厚生省大臣官房長】 例えば、1.39というのが全国平均でございますが、当然東京というふうにくくればガクンと下がります。
【伊藤委員】 県別だけではなくて市別と町村別が欲しいのです。だからそれが重要なのです。
【厚生省大臣官房長】 そこまでのデータを直ちに準備できるのは、統計的な……。
【伊藤委員】 私はできるはずだと思うのです。
【厚生省大臣官房長】 今までの統計でも限界がございますので、どこまでお求めに詳しくお答えできるかどうか分かりませんけれども、可能な限り。
【伊藤委員】 私のやっている国土計画で、今、県のバウンダリーが余り意味がないということを常識で議論しておりますので、むしろDIDの大都市版とか、DIDの中小都市版とか、それから逆に山村の指定した地域とか、そういうところの子どもさんのつくられ方の方が非常にこれから、こういう地域全体での子育て支援の議論には役に立つかと思います。是非それだけ。
【厚生省大臣官房長】 そこまでのデータを直ちに準備できる自信がはっきり言ってございません。
【伊藤委員】 では、私つくりましょう。
【高木委員】 ここは少子化への対応を考えるというのが一番メーンテーマだと思って参加しておるのですが、少子化のそもそもの原因というのは今のところ何なのですか。いろいろな社会事象が絡んでいるのですが、一番直接的に言えば晩婚化、あるいは未婚化ということで、この現象を少子化でない方向に向けていくということでいいのでしょうか。
なぜこんなことを申し上げるか、もう二十数年前ですが、労働組合の中でもいろいろな議論がありまして、アメリカ・ヨーロッパ型の複数稼得世帯を日本の社会は目指すのか、主として父ちゃん稼得型の社会を目指すのかで大論争があったことがございます。現在の状況はどちらかというと複数稼得型の世帯構成になることをみんなで志向してきているということでしょうが、それを前提にして1.39という状況が起こってきたことをどう受けとめるのか。そういう意味で、要は子どもを産み育てる、そちらに重点を置くのか、働き続けるいわゆる男女共同参画型というイメージを強く議論していくのか。あるいはその両方を追い掛けなければいかぬのかによって議論の切り口が大分違うのではないかと思います。
私どもの加盟組合の組合員でも、先ほどの河野委員ですか、結婚したらどうするのと、子どもができたらどうするのというときに、仕事で自分はアイデンティファイされているから働きたいという志向の女性がどのぐらいの比率おるのかということで見てまいったら、そんなに仕事で自らをアイデンティファィして働き続けたいと思っている女性はそれほど多くないと思われる面もあります。もちろん、DINKS型のキャリア形成をしていける女性はある意味で御返事は大分違うわけですけれども。
逆に、これはヨーロッパの現象のようですけれども、低学歴の人ほど子どもさんを産まなくなるとかいうことで、その辺の感覚は非常に未整合というか、うまくどれかに収れんして単線的にアプローチができるということではないようなので、問題は2つなのだろうと思います。ですからその辺の議論の切り口を、今のままではみんな混濁して、両方の分科会でそれぞれやってくださいということになるのではないかなという心配をしながら話を聞いておりましたが、雑駁な印象で申し訳ないのですが、もう少しその辺の入口を整理した方がいいのではないかと思うのですが。
【内海委員】 今、高木委員から、働くことと子育てと二者択一のようなお話が最初にあったかと思うのですが、それではこれからの企業は21世紀に残っていけないというような時代に入っていると思うのです。先ほど小西委員おっしゃったように、今までだと運のいい、特別の人だけが何とか働き続けられたというのが、いわゆるアイデンティファイされている女性たちだろうと思うのですけれども、普通の人たちというのでしょうか、運が特別よくなくても、そういう人たちにも働いてもらわなくてはいけなくなってくるような時代を今、迎えているのではないかというふうに私などは思っています。
会議の最初に板本委員から、ボランティア休暇という話が出ましたが、私も最初働き方分科会の検討課題として職場優先の企業風土の見直しという委員発言要旨のファックスをいただいたときに、こんな話が前面に出ていたかなと少し前回のことを思い出していたのですけれども、八代委員から指摘されたように、本当にこれは企業側から考えると、企業がこのような配慮を今まで当然していませんし、これからもするかどうかというのは、必要とあらばするでしょうけれども、それほどの価値を見出していないかもしれないと思うのです。
ただ、これは両極端な話をしているみたいな気がしていまして、昔はそれこそ運のいい人だけ残って働いてくれればいいという程度の企業の姿勢だったと思うのです。ですから、例えば私が結婚していようが、子どもがいようが、別にそれは会社にとって何も関係ないのだよという会社の論調だったと思うのです。ところが、だんだんそういうわけにいかなくなって、普通の人も是非今までの仕事を続けてほしいという企業の意思が出てきますと、当然各個人がどういう家庭的環境にあって、働くのにどういう障害があるのかということを当然考えますし、分析して、先ほどの直江委員のお話ではないですけれども、それに合った必要な制度をどんどんつくっていくのだろうと思うのです。
いただいた本(人口減少社会、未来への責任と選択)を読んでいましたら、ここにいらっしゃる委員の方もたくさん書いていらして、そこだけは全部読ませていただきました。大変参考になりました。特に、最後の方に女性の声と男性の声を分析されていまして、苦労して仕事と子育てを両立させてまで子どもを産もうとは思わないという女性の声があったかと思うのですけれども、そうすると、子どもを産まずに仕事を続けるか、あるいは仕事を辞めて子どもを産むかという結果になろうかと思いますけれども、結果的に子どもが余り生まれていないということであれば、1を選んでいるのか、それとも2を選ぶにしても迷って逡巡しているうちに年齢が高くなって、結婚や出産が遅れて、その結果子どもが少なくなっているということが考えられると思います。
逡巡する原因は何かというふうに私なりに考えてみますと、やはり今まで積み上げてきたキャリアをここでゼロにしてしまうというのは惜しいと。専業主婦に徹することができるだろうかという迷いもあると思いますし、それから経済的に夫の収入だけで今の生活水準を維持できるだろうかというふうな思いもあるかと思うのです。そのようなことを解決していくには、やはりここで今おっしゃった仕事か子育てかという1かゼロではなくて、それぞれの状況に応じた働き方ができる。さっき田尻委員からも出ました、パートタイムということかもしれませんが、今の日本のパートタイムの様相を変えていくのか、それとも今のままだったらば私どもの会社でも育児休職制度があって、短時間勤務制度、1時間、あるいは2時間の短縮勤務を取ることができますけれども、その時期は観念して早く帰るというような働き方を志向してもいいのではないかと思うわけです。
ただ、ここで、女性だけがそういう働き方をやっていると、何で私だけが仕事を制限されるのというふうに多分思って精神衛生上よくないのではないかなと思います。それでまたこれはもう一つの家庭に夢を分科会の方の話になるかもしれないですけれども、家庭責任は男女両方の肩に掛かるようになっていったらいいのではないかなと思っていまして、これもこの本にあったのですけれども、男性の声の中に、自分が家事や育児をするくらいだったら子どもは要らないというふうに男性が言っているのですね。ある世論調査で新聞に出ていましたのも、女性も仕事を持っていいけれども、家事・育児はきちんとすべきという男性が86.4%もいて、これはだめだというふうに思ったのですけれども、これから考えると、もう子どもは産まないか、あるいは妻が一人で家事・育児を背負いながら働くか、あるいは妻が仕事を辞めて家事・育児に専念する。この3通りぐらいになるかなと思います。
こういう男性の声を聞いていると、家庭での育ち方だとか、男性は家庭的な雑務から逃れられるというような社会的風潮とか、いろいろな原因があるのだと思うのですけれども、この辺が変わらなければ家庭責任を二親でシェアするという感覚にはなかなかならないのではないかなと思います。女性の仕事の重要性を認めてほしいというのが私の働いている女性としての本音です。男性の仕事、女性の仕事、それぞれ夫婦で両方仕事をしている人たちは当然お互いの仕事のことを認め合っているとは思うのですけれども、なかなか若い私どもの従業員を見ていましても、奥さんの方が自分よりも遅く帰ってくるとなると、家事がきちんとできないから勤め続けられないというふうに夫の方から言われたりするものですから、せっかく女性に男性と同じような一人前の仕事を任せてやってもらおうと思った矢先にそういう話が出てきて残念な思いをしております。
【高木委員】 少し誤解があって、産みたい組と働きたい組に分けるなどということでは全然ありませんから。そこは誤解をしないでいただきたい。
それから、ヨーロッパの二、三の国の例などを見ますと、女性の就業率といいますか労働力率が高い国ほど合計特殊出生率も高くなってきているとか、いろいろな各国の実態もあります。
ただ、私が申し上げたかったのは、少子化ということにだけ焦点を当てて議論をしていくと、今、言ったような議論に行き着く世界がまだ残っておりますよと。それから、私どもの職場の女性の皆さんとも議論してみても思いますのは、本当に今、内海委員おっしゃったようなレベルで自分の働くということについて、これは男も一緒ですが、それぞれが自らアイデンティファイできているかと。さっきの○○企業だから務まる課長だけど、社会全体では普遍性を持てない何々会社型のというのが日本の企業の実態でもございますし、そういう中でどういう議論の仕方をして、結果的に何が求められていくのがいいのか。だから、最近の雑誌等に出ているものには若干エキセントリックに少子化問題を捉えるものが出てきており、例えば『諸君!』の今月号に「これを少子化不況となぜ言わぬ」とかいう記事が出ておりましたり、そういう意味では、この辺の議論を、今、内海委員のような御反論というか御意見があったことがこの場の議論の整理にもなるのだろうと思うのです。
【岩男座長】 若干誤解があるかと思いますが、ここの議論というのは、確かに有識者会議のタイトルは少子化への対応を考える有識者会議となっておりますけれども、その少子化だけを解決するというか、それだけにフォーカスしないというのも前回の議論の中にあったと思うのです。少子化の対応を考えるには、幅広い問題を考えない限りこの解決にはいかないのだということをまず共通認識にしておいた方がよろしいのではないかと思うのです。そうしないとこれからの議論も非常に混乱が生じるおそれがあるのではないかというふうに思います。
要するに、少子化への対応というところにフォーカスされていますけれども、人々が自分の望むような生き生きとした生活をできる、そういう社会をつくっていくにはということなのだろうと思うのです。その中に当然子どもを産みたいけれども、産みたいと言いながらいろいろな理由で産めない人の問題も入ってきますし、そういうようなことで、少し幅広い議論をしない限りこの問題は解決しないのだということでお考えいただきたいと思います。
それからもう一つ、男女共同参画社会の問題は、私はたまたま男女共同参画審議会の会長を兼ねておりますので、男女共同参画というのは別に必ずみんなが働くとか、男も女も必ず一緒に働くとか、そういうような非常にある決まったライフスタイルを人に押し付けようなどということを考えているのではないのです。ですから、男女共同参画についてももう少し是非御理解、御支援をいただければありがたいと思いますので。
【高木委員】 えらい不勉強ですみません。
【岩男座長】 いえいえ、私たちもまだ勉強中でございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
【高木委員】 どうも御示唆ありがとうございました。
【岩男座長】 それから、スケジュールではもうそろそろ家庭に夢を分科会の方についても議論することになっておりますけれども、既に両方に議論がわたっておりますが、少しあれでしたらウエートを家庭に夢をの方に置いていただければ。そうでなければもちろん、結構でございますので。
【前田委員】 岩男座長の格調高い御意見の後であれなのですけれども、伊藤委員と高木委員が言われたことに関連があるのですけれども、私も東京に勤めて働いておりますので、今、保育問題の研究をしているのですが、都会型の子育ての問題に最初すごく注目していたのです。それがいけないということで去年あたりから、前回の会議で申しましたけれども、過疎地に行ったり、地方に出掛けて地方の子育てや保育の状況がどうなっているかということを見て歩いているのです。
今お父ちゃん一人の稼ぎというふうにおっしゃっていましたけれども、連合に入っているような大企業の夫がいる場合は別として、地方の男性が取る給与ではお母ちゃんも働かないとやっていけないというのが当たり前で、地方では健康な若い奥さんが家にいるということはもう許されないことなのです。みんな働いているのです。みんな働いていますけれども、例えば、人口が減っていますので保育園はすぐ入れます。ゼロ歳児保育は保育園がいらっしゃい、いらっしゃいと言うぐらいに入れますし、それからおじいちゃん、おばあちゃんが見ているかというと、地方では足腰が立つ限りおじいちゃん、おばあちゃんも働くのです。ですから昼間は地方に行くと、子どもの姿はもちろん、おじいちゃん、おばあちんゃんの姿も、遠くの畑にはぽつぽつと見えますけれども、子どもたちが歓声上げて遊ぶ姿とか、地域の人がそこら辺に立って話している姿というのは本当にいないのです。あと家にいるおばあちゃんは足腰が立たなくなったおばあちゃんです。
ですから、地域においても、むしろ東京の下町などではまだ密接なコミュニティーが残っていて、地方などでは、そういう意味での人の厚い交流みたいなものがなくなってきていますので、かえって保育園みたいな施設に子どもが来ることによって子ども社会が形成されというのがありますけれども、そういう地方の方が通勤も短いですし、働き方もそんなに激しくないですし、家事手伝いというのはほとんどおばあちゃんがするのです。3世代同居が多いので、人口もいっぱい生まれていると。ただやはり、ユートピアでないことは確かで、社会的な子育てを助ける手段が入らないと難しくなっていますので、地方に専業主婦などに来たお母さんたちは出掛ける場所もありませんので、かなり深刻な育児ノイローゼになっています。
それと、働き方全般にそうなのですけれども、地方は本当に中小企業ばかりですので、大体お父さんが年収200〜300万円で働いて、お母さんもパートで働いているのですけれども、パートも子どもの病気で休むと、「小さか子がいるお母さんば病気でばっか休むから、雇いたかなかよね」と言ってその日でクビになるそうなのです。そういう厳しい状況がありますので、働き方も、家庭の在り方も、どうしても私たちというのは都会に住みがちなので、地域の状況がどうなっているかとか、中小企業で働く人たちの実態がどうかということも見ながら全体の子育ての問題をどう解決していくかということを考えていく必要があると思います。
長くなりますけれども、どんな地方に行っても、保育園の人たちに会っても、エンゼルプランを中心として都会型の子育て支援がすごくなっているということで、地方に目を配ることをしていただきたいということと、それから本当に話は広くなり出すのですけれども、板本委員の話につながると思うのですが、本当に地方には男性のきちんとした職場がないのです。そういう意味でも過疎が進んでいますし、世帯を持ってそこで新しい次の世代を産もうという気力もなくなってきていますので、少子化の問題は非常に難しいのですけれども、日本全体の働き方、産業の在り方のようなものも、少し話は大きくなりますけれども、踏まえた提言のようなものを出せたらなというふうに思っています。
【尾崎委員】 少し違った角度から働き方分科会に要望を1点だけお願いしたいと思うのは、私自身がこの委員会の中ではかなりシニアの方であるというわけでもないのですが、高齢者の活用の問題に関して要望しておきたいのです。
今の制度では65歳以上が従属人口に入れられていろいろな生産の基礎になっているわけですが、言うまでもなくこれだけ平均寿命が延びていまして、どうして65歳以上が老人の分類になるかということをもう一回考え直して、違ったデザインの社会というものを描いてみたらどうだろうということなのです。八掛け人生と言われたりして、私自身は6×8=48歳、48歳の抵抗などと言っておりますが、昔の織田信長の人生50年から随分違ってきていますし、やはり男性、女性を問わず少子・高齢化社会の中でもう少し高齢者をどんどん使っていくという発想から、65歳を取り払って例えば75歳までを労働力人口需要という考え方もできるのではないかという気がします。
たまたま私が教えをいただいている黒田先生という人口問題研究所の所長をやっていた方ですが、この方が試算をしたものがありまして、それによりますと、従来型の試算で、例えば2050年には従属人口が年少の方と年の方含めて83%なのですが、これを75歳までに延ばして、子どもの方を0歳〜19歳までにしますと、57.5%という従属人口の指数が随分減ってくるわけですが、直ちに実行可能かどうかは別として、考え方としてこういう高齢者の活用ということも1回議論していただければ大変ありがたいと思います。
【安達委員】 私は家庭に夢を分科会の方のメンバーになるのですけれども、先ほどネーミングについていろいろあったのですが、私は家庭に夢を分科会というネーミングはなかなかいいと思っているのです。当然基本的なことですけれども、一人で生きていくよりは結婚して伴侶を持った方が自分の社会が広がるわけですし、子どもがいれば、今度子どもの目を通したそういう社会や世界を知ることもできるわけですし、自分も高めていくことができると。というようなことから、そういうことが家庭に夢、自分が成長していくというような家庭をつくるということで、家庭に夢を分科会というのは大変いいと思っているのです。
さっき働き方分科会のでいろいろ難しいお話もありましたけれども、基本的にはこういう家庭に夢をという基本から考えた働き方というふうに考えますと、2つの点ではないかと思うのです。1つは、だれもがということではなくて個人に合わせたフレキシビリティーを持って結構なのですけれども、家族と接触が持てるような働き方を考えていただきたいということと、それからもう一つ、仕事をしていても家族が伸び伸びと成長できている。そういう支援が得られるような社会をつくっていくというか、そういう社会的な支援を個々の企業も含めてですけれども、そういうようなものを確立していくような働き方を決めていただければなと思っています。
先ほどから出ている保育園や、前回も出ましたけれども、それよりも少し年齢を上げますと、例えば、小学校に入ってきますと、当然春休み、夏休み、冬休みというのが入ってくるのですが、保育園においては働いている期間全部預かってもらえるわけですけれども、学童の特に低学年の子どもを持つ親にしてみますと、春休み、夏休みというのはある意味において恐怖です。というのは、子どもがずっと家にいるからなのです。学童というのがありますが、学童の時間というのは9時〜9時30分の時点から預かりますので、とても普段の学校には対応できません。そういう意味からも、例えば具体的なことを申し上げて申し訳ないのですが、低学年の学童がいる働いている両親は、例えば任意で春休みに何日間、夏休みに何日間というような休みを取ることができるとか、そういうような制度なども広めていければいいなというふうに思っております。
家庭に夢をの中で、当然お子さんは産めないということもありますけれども、いる場合に、1人、2人、3人というふうに考えたときに、ここは少子化を考える問題ですから、一人っ子よりはもちろん、2人の方がいいことは皆さん頭では分かっているわけですけれども、今日でしたか、テレビで中国の一人っ子政策によって肥満児が増えてきたというようなことをやっておりました。肥満児がなぜ増えるかというと、一人っ子だからどうしても両親がいろいろなものを食べさせたり、子どもの欲しいものをみんなあげるということで肥満になっていくということで、肥満児を一堂に集めて訓練して、規律正しい生活をさせて、食生活などもやって、では、肥満はどうなるかというと、一定期間そこで子ども集めて訓練しても余り肥満は解消しないのですが、しかし我慢させるということを学ばせられるというような、たしか報道だったと思うのです。
私は医師ですから、現代病、職業病とも言いますが、今は男性が多いわけですが、男性が中年期に入ってから、心臓や動脈硬化に関係したような病気で倒れることが多いわけですけれども、そういう予備軍がもう子どもの中にいるということで、成人病予備軍としての子どもということの育て方について、医学的な面ですけれども、その管理について非常に問題視されているわけですが、具体的には一人っ子を持っていらっしゃる方と、2人、3人以上のお子さんがいる家庭ではどちらが多いか。これは統計的に私は分かりませんけれども、こういう点から考えてみましても、健康で、さっき言いました心身ともに我慢したり、そういうようなことも含めまして、少子化というものが成人病、あるいは心身的にも伸び伸びとしないといいましょうか、言い方がいろいろありますけれども、そういうものを作る土台を持っているのではないかというようなことからもいろいろと啓蒙していければというふうに思っています。そういうことも考えた対策というものを家庭に夢を分科会の中でも持っていきたいと思いますし、そこのメンバーからとしてさっき言いました、働き方分科会へもお願いしたいと思っております。
【杉山委員】 今、一人っ子云々の話が出て、私一人っ子を育てておりまして、それでお医者様や専門家の方たちが、例えば、一人っ子は弊害があるというふうにまたキャンペーンを起こすとか、そういうことだけはやめていただきたいなと。だから、では産みなさいよと言われても多分産まないと思うのです。
一体どういうところに原因があるかというと、先ほども何度も出ているように、女性が結婚に魅力を感じなくなってきているということ。それは取りも直せば専業主婦になりたくないということなのではないかなというふうに思っております。1つは、結婚というものをもう少し楽ちんなものにして、未婚の母もいいじゃないとか、同棲をして子どもを産んでもいいじゃないかと。例えば、職場の独身のOLさんが「実は妊娠をして産休と育休を取りたいのですけれども」とぺろっと言ったとしても、「おめでとう」と言うような職場、子育てができる職場、そういうところからまず、先ほども出ましたような個人の働き方の自由度を高めるというのであれば、進めていくというのも1つなのではないかと思います。
育児雑誌を読んでいらっしゃるお母様方というのは大体専業主婦がほとんどでして、取材にいろいろ行ったりもしているのですけれども、余り楽しそうではないのです。本当にこんなに育児が大変だとは思わなかったと皆さん口をそろえておっしゃる。それが育児はつらいということになっていくのですけれども、子どもが生まれるまでは私はどこどこの会社にいて、こういうふうに仕事をしていて、すごい張りがあった。確かに仕事自体がそんなに面白かったかというと、辞めたということは子育ての方が価値があるというふうに思われたから辞めたのだと思うのですが、いざ家庭に入ってみると、すごい空虚な、閉塞感があるつらい日々になってしまっているというのは、少し前だったら専業主婦はよかったのだと思うのですが、今の若い女性たちにとってはそれほどいいものではないと思うのです。収入を得ないということが相当つらいことだと思うのです。
地方の方だとお母さんも働いているという話があったのですが、事都会に関して言うと、もう少し女性がパートに行くとか、フルタイムで働くというのとは違うようなやり方で収入を得る方法というのはあった方がいいのではないかなというふうに思っております。
子育てサークルというのが結構注目を浴びてきまして、文部省や厚生省の国の方でもサポートしていくというお話が出てきているのですが、サポートが福祉だけではなくて、それが行く行くは女性の活用につながるような前向きなものになっていく方がかえっていいのではないかしらと思っております。
と申しますのも、どうしても最近の母親を見ていると、何でもやってもらう、やってもらうというところが非常に多くて、サークルもつくってもらわないと入れないのです。お友達がつくれないのです。それも保健婦さんですとか市の職員の方たちが、「あなたとあなたはお家が非常に近いですから、お友達になったらどうですか」と言うと、あっとか言って、なかなかお電話ができないとかという状態で、ついこの間までばりばり働いていたのではなかったのかいみたいなところを思うのです。そこをもう少しうまく持っていけたらなというふうに思っております。とりとめがなくてすみません。
【小西委員】 今、杉山委員の方で私が言いたかったことも少し話していただいたのですけれども、高木委員からお話があったように、私たちが追っているモデルというのは、非常にキャリアのばりばり働いている女の人に傾いているのではないかということは、きっとここにいるたくさんの男の人が思っていらっしゃるのではないかと思うので、そういう選択をしない、私はキャリアでばりばり頑張りたいとは思わないと言っている女の人たちが、では、本当にそれでいいと思っているのかというところをお話ししておきたいと思うのです。
今、杉山委員が言われたことはそのとおりだと思うのですが、専業主婦で家にいる人たちが、私はこれでいいと思っているかというと、全然思っていないのです。非常にセルフエスティームが低くて、専業主婦であることにも誇りが持てない。やはり人のお金に依存して生きていて、余り世の中からもいい仕事だと思われていなくて、かつでも私は満足して生きていますと言うには人生の達人でないとだめなわけですよね。多分男性の中に、では、今のキャリアを辞めてそういう立場で、私は非常に満足のいく生き方ができます。そういう人も少数いるかもしれませんけれども、ほとんどの人はだめだと思うのです。
そういう点で専業主婦になりたいということが否定されるわけではないけれども、それで今、生きていくのは非常に難しい。そういう中で、子どもが生まれたときにはやはり負担としか思えない。実際にカウンセリングなどしていても、そういうことが非常に負担で、うまく育てられなくて人と関係を持ちにくいという人がたくさんいるのです。
ですから、そこには2つ選択があるように見えて、本当は自由な選択ではない。キャリアの仕事をしたくないというのは、キャリアの仕事をする、キャリアのコースを辿るということも非常に大変なことだということが見えているから、一応私は力はないから楽な方にしましょう。だけれども、結局はその後も精神的にはいろいろな問題を抱え込んで、孤立したり、不安定になったりということは実際に起こっている。ですから、実はそれは自由な選択ではないというふうに私は思っています。もちろん、そういうことができる少数の人はいますよね。仕事をしなくても充実して生きられる人、それはでもすごく特殊な人なのだと思うのです。
もう一つは、結局そういう女の子たちはそれこそ家庭に夢を持って家庭に入るのかといったら、決してそうではないということです。では、家庭に夢をの方になりますが、私はやはりこのネーミングについては、今本当はたくさんの方がこれに反対だったら分科会の名前を変えていただくのがいいのではないかと思っていたのですけれども、伴侶を持った方がいいとおっしゃいましたし、子どもを持った方がいいだろうとおっしゃいましたけれども、まずそこから非常に今は考えなくてはいけない。本当に伴侶を持つということは、その人にとっていいことなのか、幸せになることなのか、そこからやはり分からなくなっていると思うのです。知らない人同士が2人一緒に暮らすというのはなかなか大変なことで、私の周りには30歳前後の結婚しない女の人たちがすごくたくさんいるのですけれども、その人たちが異口同音に言うことは、今、私はある程度安いけれども一人で食べられるお金も稼いで、家事も全部自分でやって一人で暮らしている。結婚してだれかのそういう家事や、いろいろな心配などを背負い込むのだったら嫌だと言うのです。これは八代委員がずっとおっしゃっていることだと思いますけれども、そういう選択は贅沢なのではなくて、むしろ女の人の地位が上がったから、ある人と一緒に暮らすということが本当に私のためになるかどうかということをようよう選択できるようになってきている。
ですから、そういう意味で言うと、結婚がいいことだと必ずしも思えないというところからスタートしなければいけないし、家庭をつくることが家庭をつくらないことよりいいことだというのは本当かしらというところからスタートしなければいけない。そういう意味では、家庭に夢をという言い方は、1つのメッセージが込められていて、多分私が家庭に夢を委員会から出た何らかの答申に従って政策ですよと言われた話がどこかから出てきたら、それだけで少し嫌だなと思ったりするのではないかなと思うのです。そういう点では、もう少し根本的なところから、三浦委員がおっしゃったように考えた方が、特に夢をの方はいいのではないかなというふうに思っております。
【河野委員】 今の続きで、私は働き方の方なのですが、家庭に夢をの方に2点ほどお願いしたい点がございます。
杉山委員、小西委員の流れなのですけれども、実はこれあえて企業の雇用者の中を見ると、キャリア組が2割、6割が一般組、申し訳ないのですがアンダーが2割ぐらい、これが平均的です。でもそれぞれがそれぞれに価値を持って働いています。上から4つ目の「保育等子育てサービスの在り方」というものに関して触れたいのですけれども、それぞれの価値観を持って、私は生活も大切、仕事はそこそこでもきちんとやるという人が6割ぐらいいまして、2割ぐらいがキャリア組でうまくいけば課長ぐらいはというような女性も本当にきちんといるのです。役員になるような女性も本当に最近出てきているくらいですので、そういう方もいます。
そこで、子育てサービスの中として少し検討でお願いしたいのは、前田委員いらっしゃるので保育園のプロはいらっしゃるのですけれども、保育サービス全体としたときに、保育園以外のサービスをいろいろ検討していただきたい。というのは、2割以上になるだろうと思われるキャリア志向の女性たちは、多分こちらにいらっしゃる先生方皆さんそうだと思うのですが、保育園だけでは十分ではなく、保育園を諦めて自分の親とか、親戚の方の手をかりている方が多いと思います。
例えば、手をかりていなくても2世帯にして同居にするとか、今度は住居の問題になると思うのですが、何らかの投資をしております。その辺を考えると、税金を使って保育園が近くの方だけが得をしているのはどうか。これは非常にこういう公的な場では大変申し上げづらいことなのですが、私の持っている受講生のワーキングウーマンの中で、保育園だけで私は十分で、全部送り迎えもやっているし、熱を出したら自分もきちんと休んでいるわという方々が、いいか悪いかは別ですが、今、企業から見たらすごい必要かというと、非常に答えづらい状況なのです。ですので、そうなっている現状も問題だとは思うのです。子ども中心で休めるような、代行要員の用意ですとか、仕事のマニュアル化という体制も必要だと思うのだけれども、それと同時に、今度は働く方々のそれぞれの価値観に合った保育サービスの提供ができるような、そんないろいろな保育サービスの在り方と、それからサービスでなくバジェット制と言うと言い過ぎかもしれないのですけれども、それも無理かもしれませんが検討課題に入れていただきたいと思います。
私の知人である照明メーカーに勤めていらっしゃる次長クラスの方で、部下が20人ぐらいいる方は、やはり月々40〜60万のベビーシッター代でした。それから2世帯にした方は少なくとも2千万円ぐらいの投資を個人でしています。ですので、そういう方もいるというのも1つ。そうでない方も6割いるというのも1つ考えていただきたいと思います。
もう一つは、これは別のところでお話ししたことがあるのですが、この中にはなかったのですけれども、妊娠すると母子手帳というものをいただきまして、母子手帳の中に母親教室とか両親教室というものを地域でやっていただいて、一般には行くのです。平日やるという問題もあるにはあるのですけれども。その中に入れていただきたいなと思うのが、働きますかどうするのですか、働くのだったらこの後のライフプランどうするのですかというようなコースを是非入れていただきたいと思います。
実はこれを言うと自分の仕事を失うかもしれないのですけれども、今、私がやっている産休・育休を組み込んだこれからのライフ・アンド・キャリアデザインというコースが、やると必ず満杯です。どこにも情報がないからとおっしゃいまして、土日に遠方から働く女性たちが集まってきます。私がやっている中身というのは、今、産むのは一人かもしれないけれども、その後どうするの? そのときあなたは海外駐在かもしれないじゃない。だったらここで辞めるのも選択、または続けるのだったら一般事務職でしばらく行くのもいいとか、そういういろいろな選択肢をアドバイスというか情報提供しています。やはり考える1つのきっかけとして、妊娠したときにこれからの仕事をどうするの? 何をするの? 何ができるの? パートナーとはどうなの? どこに住むの? その辺を考えるチャンスを入れるところ、働き方では半分検討しなければいけないのですが、是非こちらの分科会でも検討していただければと思います。
【田尻委員】 高木委員から出た話というのは非常に重要だと思うのです。それで私事で恐縮ですけれども、私の妻は共働きで20年ぐらい働きまして、特に彼女が何かにアイデンティティーがあったり、キャリアですごいバリバリ働くというわけではなくて、いわゆる事務の普通の仕事をしていて。ただ、やはりそういう僕らの家庭で子どもを育てて、仕事と子育てと家事を両立させていこうというのは、非常にまなじりを決してというか、非常に大変な作業なのです。
ですから、とにかく強い意思でキャリアの方というのは、それはそれで置いておいて、普通の方を、やはり仕事か子どもかという選択をさせないという社会をどうやってつくるかということだと思うのです。いわゆる普通の女性とか、僕らにどちらかを選択しなければいけない社会というのは非常にプアーというか、貧困だと思うのです。そういった意味でもう少し中間的なやさしい働き方というものを社会で、国で用意するという必要性はあるのではないか。
もう一つはガラッと話は変わるのですけれども、私の娘は中学2年と小学校3年なのですが、今の学校というのがかなり閉塞している。それは直接少子とそれほど密接ではないようで、やはり子育てをしていく上での潜在的な非常な圧迫感というものがあると思うのです。具体的に、もう少し学校を開いて、例えば、前回の話で子どもが乳幼児に接する機会だとか、いろいろな体験だとか、そういうものをもっとする機会をというふうにありましたけれども、そういうボランティア的なものを学校の単位に組み入れて、特に中学校、高校生、学校教育とうまくマッチさせて、そういうものをまた入試や何かに評価していくというか、今の手付かずの学校教育をもう少しやわらかくしていかないと、産んだはいいけれども子育てがつらいものになっていく、それを見てまた産むのをためらうというか、そういうことになるのではないか。
もう一つは、東京都で子育ての関係のときに話した面白い話があったのですけれども、子どもたちにもう少し多様な家族を触れさせるというか、地域に子ども宿というのですか、私たちの家庭に子どもを預かって、子どもがいろいろな家族を体験するというか、子どもたちに家族を開くというような発想とか、そういう具体的にいろいろなプログラムを提言していってもいいのではないかというふうに思います。
【岩男座長】 それでは、実は後の予定もありますので、恐れ入りますが手短に八代委員、渡里委員でおしまいにさせていただきたいと思います。
【八代委員】 たびたび恐縮でございます。先ほど家庭に夢をのタイトルでいろいろ御意見があったのですが、私はこのタイトルでもいいと思うのですが、問題はそこで言う家庭のイメージ。それがどうも暗黙のうちに専業主婦家庭ということであれば当然反発があるわけで、このタイトルのままでも、家庭のイメージをもっと幅広く、共稼ぎとか、極端なことを言えば事実婚のような家庭も含めて、それを法的に全く平等にしていくというような考え方、そうすれば別に家庭に夢をということがまさにこのタイトルそのものになるのではないかと思います。
先ほど言いたかったのは、先ほど尾崎委員がおっしゃった高齢者の活用ということなのですが、これは実は女性の活用と全く同じ問題でありまして、男女共同参画でも言われているのは、エイジ・フリー、ジェンダー・フリーということであって、企業も一般社会も女性から性別や年齢を無視するというような風潮になってくれば、逆に言えば働きやすい社会になってくる。それは基本的に能力主義にするということと同じで、今は能力主義でないから年齢や性別が逆に重要になってくるわけです。
それからもう少し重要なのは、もっと具体的に言いますと、生活給ということなのです。これは組合では非常に重視されていますけれども、私は生活給の発想が諸悪の根源であって、生活給というのは年齢とリンクしていますし、生活給というのは奥さんを養うだけ十分な賃金をということにもなっているわけで、これが逆に言えば企業にとって中途採用を困難にさせ、それからパートとの賃金格差を非常に広げている大きな要因になっているわけで、この生活給をやめてフラットな賃金体系であれば、夫婦2人で働いて今の生活給と同じような賃金を得られると。一部の組合では検討されているそうですけれども、こういうようなポイントではないかと思います。高木委員がおっしゃったように、少子化だけを考えればいいということは絶対そのとおりではないと思います。少子化というのは、今のいろいろな社会的な病理から来ている現象であって、社会的な病理の中には雇用慣行の問題も当然入っているのではないかと思います。
【渡里委員】 私からは保育所について、私がこの会議に出ることを知って、かつての部下から電話が来まして、是非発言してくれと言われたのです。
それは、彼女の娘が子どもをつくって、保育所に頼んで、それで勤めていた。今度第2子ができたのだそうです。第2子ができて育児休業を取ったら、途端に預かっていた子どもは出ていってくれと言われたと。いわゆる母親が家庭にいるとなると、今まで預かっていた子どもは出て行かなければならぬらしいのです。本人は第2子が出て褒められるかと思ったら、かえって手の掛かる者が出てきて大変苦労していると。これではつくる気にならないというのが本音で、その辺、育児場そのものは非常によくなっているのだそうですけれども、そうしたところの血の通い方といいますか、子どもをつくるのだったらむしろ上の方は安心して預けておきなさいぐらいのことが、これが本当だとすれば、私育児場の実際というのは余り見たことがないので何とも言えませんけれども、本当だったら調べていただいて改善していただいたらなというふうに思いますので、一言。
【高木委員】 皆さんからいろいろ御反論をたくさんいただきましたが、こうした議論をすること自体は有意義だと思います。
ただ、入口で議論をしなければいかぬなと思いましたのは、小西委員ですか、例えば、家庭というものの存在。私は家族など要らないのだと自分でも得心できる人と、そうでないのだという議論は、よいこと、悪いことと決めつけて物事を議論してということではなくて、問題提起としていい問題提起だと思うので議論されたらいいと思うのです。さっき事実婚のお話も出ましたし、同友会は事実婚にまで踏み込まれて議論をしました。事実婚イコール、例えば日本の民法のいろいろな仕組みの中ではいろいろな葛藤を起こすような現実もございますし、そういうものの中で、その辺までの議論まで分科会でいろいろ御検討をいただくなら、それはそれで1つのものだと思いますし、それは日本の社会の歴史だとか、慣行だとかにかかわってくるでしょう。
それから、ここ20年ほどでなぜイギリス、フランスであれだけ事実婚型の子どもがたくさんできているのか、その社会的背景は何なのか。先ほどオランダの例もございましたけれども、オランダの社会というのはヨーロッパの中でもとりわけ男は働け、女は子育てをやれという伝統の強い社会であった訳ですが、例えば、パートタイマーのしくみを社会的に整理してああいう方向を目指してきたのだと思います。それぞれの国の選択ですから、そういう中で我々はどういう選択をしていくのが現状に照らして一番いいのか論議をしていけばよいのではと思います。
それから、どなたか連合には中小の労働者はいないというお話かあったけれども、そんなことはありませんで、私のところの加盟組合の8割は中小ですから、また、田舎の現実もよく存じておりますので、また機会がありましたら議論をさせていただけたらと思います。
それから生活給のお話を八代委員はされましたが、生活給というのはそんなに簡単に歴史が流れてきているわけではございません。いろいろな議論があるわけですし、ここは賃金論の論争の場ではないようですが、ただ、時代が大きく変わってきましたから、そういう中でどういうふうに形づくっていったらいいのだということについて労働組合でもいろいろな論議を今しておるところでございます。皆さんからいろいろ御示唆をいただきまして、本当にありがとうございました。
【岩男座長】 ありがとうございました。まだいろいろな御意見あると思いますけれども、時間の関係もございますので、このあたりで討議を終了させていただきたいと思います。これから先まだ会議がございますから、どうぞそのときにまた続けて議論をお願いしたいと思います。
本日委員の皆様から数多く貴重な御意見をいただきましたけれども、資料に必要な修正を加えまして、特に、分科会検討課題についての委員発言等につきましては、本日の御発言を追加するような形で修正を行いまして、分科会の資料とさせていただきたいと思います。修正の内容につきましては、恐縮でございますけれども、私に御一任いただきたいと思います。
それでは次に、事務局から分科会参加者の公募の状況について御報告をいただきたいと思います。
【竹島内政審議室長】 資料3というものをごらんいただければと思いますが、「分科会参加者公募の状況」を簡単に御報告申し上げます。
公募につきましては、官邸のホームページ、全国紙でその旨を掲載いたしたわけですが、いかんせん2週間という短い時間でございましたが、ごらんいただきますとおり291名の方から応募をいただきました。男性65人、女性226人でございます。女性が78%を占めております。
それから、分科会ごとの性・年齢別分布をごらんいただきますとお分かりいただきますとおり、30歳台〜40歳台の方が多数を占めております。
2にございます住所地分布でございますが、首都圏に集中しているということでございますが、それ以外の地域、数は少のうございますけれども、ごらんいただけますようなことでございます。
これらを踏まえまして、今、関係省庁の御協力もいただきながら参加者の選考を行っております。ごく近いうちに参加者が決定でき、岩男座長とも御相談できるのではないかと思っておりますが、もう少しお時間をいただきたいというふうに思います。
それからもう一点、応募に際しまして、皆様から2千字程度の文章をいただいておるわけでございます。中には大変貴重な御意見もございますので、プライバシー等に配慮しつつ、御本人の御了解が得られたものにつきましては、今後の会議の資料として御利用いただけるように準備させていただきたいというふうに考えております。
以上でございます。
【岩男座長】 ありがとうございました。それでは、次回の会合でございますけれども、10月ごろまでに分科会からの御報告をいただきまして、その後に開催をして、分科会報告を材料として具体的な提案に向けての討議を行いたいというふうに考えております。
次回の日程につきましては、分科会報告の時期との関係もございますが、大体10月下旬から11月上旬を目途に事務局において調整中でございます。正式には分科会討議の進捗状況を見て、後日事務局より御案内を申し上げるようにいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ちょうど予定の時間もまいりましたので、本日の会議はここで終了させていただきたいと思います。本日は大変御多忙の中、ありがとうございました。