少子化への対応を考える有識者会議

第2回家庭に夢を分科会議事要旨

1.日時及び場所
平成10年10月2日(金) 13:30〜17:30
厚生省特別第1会議室

2.出席者(敬称略)
安達、板本、井上、岩男、うえやま、薄井、小川、落合、川村、杉山、鈴木(光)、鈴木(り)、詫摩、戸田、西村、根本、萩原、樋口、前田、松尾、三浦、宮田、椋野、森、山口(この他、少子化への対応を考える有識者会議の尾崎委員が出席。)

3.議題
(1)分科会に期待する事項に関する討議
(2)関係省庁を交えた意見交換
(3)その他

4.討議の概要

(1)開会後、岩男主査から本日の会議の進め方について説明の後、「育児をめぐる国民意識」「保育等子育てサービスの在り方」「地域全体での子育て支援」について以下のような議論が行われた。

○ 厚生省では緊急保育対策等5か年事業に基づいて様々な保育サービス支援を行っているが、公立保育所では私立保育所に比べて延長保育、低年齢児保育の実施率が低い。この原因には、公務員である公立保育所の保母の過度の年功序列賃金制など硬直的な人事管理制度による人件費の高さ等があるので、公立保育所の保育費用を下げる努力を行い、一方民間の認可保育所については助成を引き上げて、その一層の活用を図るべきである。そのほか、緊急に待機児童の解消計画を策定してもらいたいが、その前提として、市町村ごとに保育ニーズに関する調査をきちんと実施し、サービスの提供計画を作るとともに、保育の現状に関する情報公開を行って保育にどの程度お金を使うのかという優先順位を住民が判断していくべきである。また、認可保育所に入れない待機児童は認可外保育所等さまざまなサービスを利用しているが、公的な補助がないため保育の質の面でも料金の面でも非常に不公平である。こうしたサービスの利用者にも公費で助成し、質の向上を図りながら認可保育所の整備を進めるべきである。学童保育については、学校との協力・連携を深め、より充実すべきである。

○ 阪神大震災の混乱の中で、保育所は地域の子育て支援再生の中心としての役割を果たしたが、一方で認可外保育所の場合は、施設の状況の把握が難しく、復旧できずに事業をやめた例も聞く。育児支援については、ベビーシッターなど様々な形態があるが、認可保育所を中心に位置づけ、その役割を重視すべきである。

○ パートタイムともフルタイムとも異なる専業主婦の新しい働き方を模索すべきである。育児サークルについては、支援を行う自治体も増えてきているが、子どもが成長すると、その母親は育児サークルの参加をやめてしまうために貴重な体験が次の世代の母親に伝わっていかない。こうした母親に対し、子育て支援の担い手として、有償による活動の場を設けてはどうか。また、育児による就業中断に対して、職業能力を維持するための支援が必要である。さらに、駅型保育については、報告書の提出を求めるだけではなく、実際の運営状況についてもチェックすべきである。

○ 待機児童の解消がなぜできないのかしっかり分析する必要がある。保育所の年齢別定員の見直しが必要ではないか。保育料についても、低年齢児ほど保育料が高い体系を平準化できないか。また、待機児童数が多い中ですぐには困難だろうが、将来的には、保育所を「保育に欠ける」児童のためだけに限定することなく、もっと多様なニーズに対応できる施設として位置づけるべきである。国や自治体による様々なサービスの内容が、利用者側に知られていないことが問題。サービスに係る予算も全ては使っていないと聞く。情報のPRを進めるとともに、利用のための手続を簡素化し、規程にとらわれない柔軟な対応を取ってほしい。また、子育てを終えた人もこれから子育てする人も参加し、子育ての知識や経験を伝えていく「子育て隣組」のようなものを作ることも一つのアイデアである。

○ 就労しながらの子育てが一般化し始めているにもかかわらず、母親がフルタイムで働いていて0歳児保育が必要な者のうち約3分の1しか認可保育所を利用できていない。認可保育所を保育の中心としてサービス提供の拡充を行う必要があるが、例えば待機の状況が全国の中でも深刻な横浜市では保育所建設に一園当たり約20億円かかるなど、厳しい地方の財政状況の下では拡充がままならない面もあるので、国家プロジェクトとして対策を講じるべきである。保育サービスについては、自治体によって取組みに大きな差がある。手軽だからといって少子化対策として出産お祝い金などを出すより、保育所を充実し母親が働き続けられる状況を作ることが重要との視点を自治体は持つべき。自治体ごとの取組みの状況を公表してはどうか。夜間保育や休日保育、延長保育などについて、親の都合に合わせているだけという批判があるが、こうした保育がないと、厳しい労働条件で長時間労働をしている親をもつ子どもは、最も良質な保育を必要としているにもかかわらず、認可保育所を利用できないため、結局子どもにしわ寄せがいくことになる。また、認可外保育所に対しても緊急避難的にある程度支援を行って保育の質を上げ、保育内容の監査を強化するべきである。幼稚園の預かり保育については、質の問題が深刻であり、幼保一元化については保育の質をどう維持するかという観点から議論を行うべきである。また、保母の側に、現在の少子化や働く女性の状況に関する理解が十分でないので、保母養成課程や研修等において十分に教育すべきである。自治体の担当者、議員、首長、企業幹部、労組幹部など、政策決定担当者に対しても、保育の現状とその重要性を教育していくことが必要である。学童保育について、学校側に、学校よりも一段下のものとしてとらえる風潮があることは問題であり、改善が必要。少子化が進む中で、乳幼児に一度も触れる機会がないまま成人する子どもが増えており、若い世代が思春期に乳幼児と接する機会をつくるべきである。

○ 今の小中学生は、自分たちと年齢の違う子どもと触れ合う機会が減っている。保育所や幼稚園で、小中学生が子どもと触れ合う機会が必要ではないか。難しい点はあるかもしれないが、各地域の教育委員会などで進められれば、かなり状況は変わるのではないか。

○ 少子化と豊かな時代を迎えたこととは密接な関係がある。何のために結婚をするのか、何のために子育てをするのかといった、「何のために」が問われ、価値観が揺らいでいる時代。子どもを持つ意味を各自が問うとともに、子どもを親の消費財としてとらえるのではなく、子どもとの関係を重視することが必要であり、他の人たちとの対話や交流を通じてこうしたことに気付いていくのではないか。例えば、横浜の女性施設では、保育技術の習得と母親の子育ての悩みをフォローすることを目的とした学習会をボランティアによる自主サークルで行っている。こういった場において、子どもを持つことの意味を模索する機会が得られるのではないか。

○ 家庭教育学級や母親学級は1回限りのものが多く、母親が抱えている問題を深く掘り下げるまでに至らない。母親の悩みを聞き、母親自身を支援することで、子どもの問題行動もかなり予防、改善できる。子育て中の母親を支えるため、児童館に常勤のカウンセラーを置くべきではないか。

○ 子どもが小学校に入ったので外に勤めに出るという母親が多いが、小学生にはかえって親の目が届きにくい面がある。小学校では学童保育が継子扱いされている傾向があるが、子どもの精神面の安定という点から学童保育の充実を図るべきである。

○ 家庭に夢を持つためには、仕事の有無にかかわらず、気軽に子どもを預けて好きなことをする機会を持てるようにすることも一つの方向ではないか。夕方の2、3時間程度でも子供を預かるところがあればよい。月に1、2回小学校を開放して子どもを預かり、看護婦や保母経験者が子どもの面倒を見るとともに、学校の生徒がボランティアで手伝えるような場を作れないか。

○ 荒川区では、地域子育てサポート事業ということで、保母や教師経験者などが有償ボランティアとして地域の子育て支援を行っている。9月の一カ月で57件の利用があった。自分の子どもでなくても叱れるような地域での信頼関係を作るためには、PTAや町内会、警察の少年課などの間で、お互い顔のわかるようなネットワークづくりをしていくことが必要である。

○ 日本は他人を自分の家に入れることに対する抵抗感が強いが、この意識を変える必要があるのではないか。様々な需要に応えられるような多様なサービスが必要。

(2)次に、「「住」の在り方とまちづくり」「学歴偏重社会の見直し」「子育てのための経済的負担軽減措置」「その他検討を要する事項」について、以下のような討議が行われた。

○ 子ども連れでの母親の外出が増えているが、公共の場での行動としてどこまでが許され、どこからが許されないのか、当事者だけの問題とせず皆で考えていくことが必要である。

○ 第二子を持つ人を増やすには、子どもが早く社会に出て結婚することが必要だが、一方で高学歴化の進展により子どもが社会に出る時期は遅くなっている。大学の数が多すぎることが原因の一つであり、「大学卒でないと幸せになれない。」という考え方が社会全体として強すぎる。例えばいったん入学して結婚した後学業を再開しても卒業できるなど、何歳になっても大学を卒業できるよう自由な選択を認めるシステムにして、少子化に対する高学歴化の影響をニュートラルにする必要がある。ブランド大学偏重の原因は、企業がそういったものに対する需要を強く持っていて労働者の側はそれに応じざるを得ないところにある。人生のセーフティネットが、会社や官庁という組織を経由してではなく直接個人に対して与えられるような社会にしていくことが必要である。また、厳しい財政状況の中でも、限られた資源の配分を変えていくことは可能であり、子どもを生む人と生まない人の間の公平という観点から、子どもを生まない人に対して社会的な負担の配分を重くしてはどうか。環境問題に対する不安が将来に対して夢を持てない一因となっていることから、政府が環境問題に対して強い姿勢を見せ、社会に対する安心感を持てるようにすべき。

○ DINKS税について、不妊など子どもを生む、生まないは本人では決められないこともあるので、生まない人に課税するのはおかしい。課税するなら、子どもを育てない人にすべきである。学歴偏重の是正については、ある一つの高校から一つの大学に入る定員を制限することが有効ではないか。まちづくりについては、通勤時間の長いことが男性が育児に参加できない一因となっており、職住近接のまちづくりを進めるべきである。子育てのための経済的負担軽減措置については、子育ての機会費用の問題と直接的な費用の問題とがあるが、前者は子育てと仕事の両立や再就職を可能にすれば解決する。後者については、親の所得にかかわらず、大学は奨学金で通う仕組みとするべき。学費を自分で負担するようになれば、大学に進学する必要性を判断した上で進学するようになる。「保育料が高い。」という意見は、保育料そのものの額というよりは負担額の不公平感から出ているのではないか。保育料は平準化は必要だが、一般的な引き下げは優先順位が低い。働くことに伴う必要経費として保育料に対する税制上の控除制度を設けるべきである。児童手当の充実よりも、保育サービスや奨学金の充実の方が優先順位は高い。

○ 自分の家の近所には、子どもが外で遊べる場所がない。家の中だけで子どもが過ごすようになると、様々な年代の人と接する機会が失われ、育児の負担感も高まる。まちづくりの中で、多様な年代の人が集えるようなスペースを整備してほしい。

○ 自分の身の回りの例から見ると、三人目の子どもを欲しいのにちょっと考えてしまうという原因は、夫が極めて多忙であるとか、教育費や居住スペースの問題に集約されている。また、子どもを欲しくても産むことができない人が大変肩身の狭い思いをするようになってきているので、皆が相手の立場を理解できるような気持ちを持って育っていく教育が必要である。

○ 出産祝い金等を支給しても、それで子どもを持とうというインセンティブにはならない。自治体の財源は、農業や道路など物を中心に配分されており、子育て支援のソフト面にはなかなか回らない。

○ 住都公団が建設するマンション等では入居者の年齢にも配慮するなど、様々な年代層から成るバランスのとれた人口構成のまちづくりを行う必要がある。また、子どもに対する犯罪が多く、安心して外に出せない。子どもが安全にすごせる場所と、子どもに対する大人の犯罪防止のためモラルに関する教育が必要である。児童手当や出産手当金があるから子どもを持つという人は少なく、優先順位は低いのではないか。児童手当を出すのであれば、三号被保険者の問題など社会保障制度全体の見直しが必要である。社会的な生産活動を行う次の世代を育てるかどうかで DINKS税を設けることには反対。子どもを欲しくても産めない人もいるし、障害児を持つ親に対する差別にもつながりかねない。

○ 子どもを育てることが損だという発想はおかしい。損だから、あるいは得だから子どもを産む、産まないという議論は悲しい。子育ては素晴らしいことであり、子どもを持てるにもかかわらず持たない選択をしている人に対しては、信用できない、人間として大事なことをしていない、という感じがある。今の中高校生はサラリーマンと同じで時間がなく、家事・育児の大切さ、素晴らしさが伝わらない。子どもにも有給休暇が必要になっている。家庭の中で誰が働き、誰が家にいるかは男女に関わりなく二人で話し合って決めれば良い。家事・育児は余計なものではなく、素晴らしいものであることを伝えていく必要がある。

○ 学校教育において、もっと体を使って学ばせるということを徹底させるべきである。学校でのボランティア活動の充実や義務化が必要ではないか。

○ ベビーカーを押していると道路や建物に段差が多いことに気付く。安心してベビーカーや車椅子で外出できるようなまちづくりにもっと力を入れ、公共事業の重点配分を行うべきである。子育てのための経済的負担軽減措置については、妊娠中の検診から出産までの検診等を公費で賄うなど、妊娠から出産までの経済負担を大幅に軽減するとともに、乳幼児の医療費の無料化を目指し、当面、1割負担とするなど段階的な負担軽減策を取るべき。また、児童手当については、現在の財源の在り方を抜本的に見直し、支給額を現行水準の2倍程度にすべき。その場合、現在の消費低迷の中で景気浮揚効果もあろう。育児休業中の所得保障を6割給付にするなどの生活保障措置を講ずるとともに、育児休業中の事業主の社会保険料負担免除など中小企業に対する支援策も充実させてはどうか。全体として、国・地方ともこの分野にもっと財政配分を行うべき。

○ 心の教育が大切であり、子どもに「体験させる」ことが必要。そのためには教師一人当たりの生徒数ももっと減らす必要がある。家庭科教育は、今度時間数が減らされることになったが、もう少し時間をとれないか。体験的な学習を行うことで、子どもが、子育てに対して興味を持つことができる。社会全体としてゆとりを持ち、家庭にかける時間を増やして子育てを楽しむことが必要である。

○ 地域社会は重要。もう少し地域で子どもを安心して預かってもらえる場所ができるよう、真剣に考えて欲しい。DINKS税の導入は、国として子どもを産むことを良いこととしてある面強要する結果となるため、政策として選択すべきではない。子どもを持つ人と持たない人との公平の問題は、課税より児童手当の充実等により対応すべきである。現在、日本の社会というのは学歴至上主義になっており、価値観が画一化されている。子どもを名の通った学校に入れることが女性の自己実現の方法となってしまっており、このプレッシャーから子育てを楽しむことができないでいる。学歴偏重社会からもっと人間教育を重視する社会にしなければならない。父親の育児参加を促すため、母子手帳に対応して父親手帳を交付するといったシステムづくりができないか。奨学金の充実については大賛成である。

○ 子育てを中心とした中心市街地活性化を進めるべき。また、住宅の問題について、例えば子育てに夢を持てる住宅の提案イベントを実施して、世論を盛り上げる必要がある。飛び級を広く認め、早く就きたい職業を決めて、卒業していく教育システムが望ましい。環境問題対策にも力を入れるべき。メディアを通じて、ディストピア的なイメージを払拭し、家庭に夢をという雰囲気を社会的に作ることが必要。

○ 子どもが自由に遊べる空間を、対人口比で見て必ず一定量つくるということを施策として考えてはどうか。また、子どもを育てるためには田舎の方が優れている点も多いので、自分が住んでいる地域に子どもの頃から誇りが持てるよう、地域活動に子どもが参加できるような仕組みを作っていくべきではないか。

(3)厚生省児童家庭局保育課長より保育行政に関する資料説明を行った後、保育行政について、以下のような討議が行われた。

○ 認可保育所だけに支援措置があるのはおかしい。認可保育所に入れなかった結果認可外保育施設を利用している人もおり、利用者本人に責任はないのに何ら援助がないのは不公平である。また、3歳以上児と3歳未満児の施設を分け、施設の認可基準に違いを設けることによって待機児の解消を図れないか。保育サービスについては市町村間の格差が大きく、これを埋められないか。

○厚生省児童家庭局保育課長 認可外保育施設は、保育の内容がまさに玉石混淆であり、扱いは非常に微妙な問題である。児童福祉法には認可外保育施設に対する監督規定があり、一定の水準を維持するため指導監督を行っている。認可外保育施設の扱いを整理することは、将来の検討課題であるが、当面、厚生省としては、認可外保育施設よりも、保育の質を担保するための一定の基準を満たした認可保育所をより有効に活用してもらいたいという立場にある。国としては、様々な補助メニューや事業を用意しているが、その上で生じる保育の地域格差は、それぞれの自治体の考え方の違いから生じるものであり、地方自治の問題である。

○厚生省大臣官房政策課長 地方分権の観点から、福祉については、身近な行政主体に責任を持って実施してもらうということで、保育所の整備については市区町村にお願いしている。介護問題と比べ、保育問題は、市区町村で比較的深刻にとらえられていないという印象がある。このため、政府から市区町村等関係者に働きかけていくことも重要であるし、市町村ごとの保育サービスの状況を情報公開していくことも課題だと考えている。なお、認可、認可外の問題については、福祉の性格上、基本的には誰でも参入できる領域であるが、公費を出す範囲を限定するものとして、いわゆる認可保育所を定めているものであり、公的支援を行う一定の水準に関する線引きであり、待機者がいるからといってその水準を下げて良いのかという問題があることは御理解願いたい。

(4)文部省生涯学習局生涯学習振興課長より教育行政に関する資料説明を行った後、 教育行政について、以下のような討議が行われた。

○ 性教育、リプロダクティブヘルス/ライツについてはどのように教えているのか。

○文部省生涯学習局生涯学習振興課長 小・中・高校すべてに総合的学習を導入し、一つのテーマを多角的・総合的に考える時間を創設した。教師、学校の意識により、御指摘のような問題を教室で扱うようになるかどうかが今後の課題である。教育内容について地域住民の意見を反映できるような仕組みを提案しており、こうした仕組みを通じて教育内容に地域住民の意見が反映されるよう、大いに働きかけていただきたい。

(5)これまでの討議を踏まえ、全体を通して意見を求めたところ、下記の討議が行われた。

○ だんだん世の中が悪くなっているという意識が蔓延し、これが少子化と微妙に絡んでいるのではないかという気がする。この風潮は、必ずしも根拠のあるものではなく、きちんと事実を提示する必要がある。例えば、最近、いやな犯罪が増えている、というイメージが広まっているが、実際の殺人の発生率などは低下している。根拠のない悲観的な未来観を正していく必要がある。また、男性が子育てに関わることによって、次世代の気持ちを理解できるようになるなど仕事の上でも、プラスの面がある。男性の子育ては出世の妨げになるという意識を変えていくことが必要である。母親の子育てには第一に安全ばかり考えてしまうところがあり、一方、男の子育てには「雑」なところがあって、男性と女性それぞれの特質を生かした子育てをすることにより、うまくバランスが取れる。父親の子育て参加が必要なのは、子どもに多様性を持ち込むためであり、そのことが学歴偏重社会というものをいくらかでも解決するための手段になるのではないか。

○ 子育てのための経済的負担軽減措置については、親に対してでなく子ども自身に対してお金をかけるべきである。学歴偏重社会の是正ということであれば、学校に行かずに事業を起こしたり技能を身につけようとする子どもも奨学金の対象とすべきではないか。また、配偶者控除については、税金逃れのために悪用されるケースもある。世帯単位ではなく個に着目した税制にできないか。子育て支援について、地域という面、空間、また、年齢的にも乳幼児から思春期まで、広がりのある支援ができないか。その際、NP0の力を活用し、そこにお金を出していくという予算配分をしてもらえないか。

○ 結婚をめぐる状況についてだが、30代は、仕事中心の生活で、男性も女性も人間関係をうまく編めず、その範囲も狭いために出会いがない。夫婦別姓など様々な結婚の形態がとれるようにし、結婚を通じて多様な形でのパートナーシップがあり得ることを広く知らせていくべき。農村の結婚問題の背景には、農家の中で嫁の地位が確立していない現実がある。こうした農村の結婚難に関しても調査を実施してほしい。

(6)最後に、事務局より、第3回家庭に夢を分科会については、平成10年10月23日(金)12:30〜15:30の開催を予定している旨発言があり、閉会した。

(以上)