| 日時:平成11年6月30日(水)17:00〜18:38 場所:内閣総理大臣官邸大食堂 |
【宮下厚生大臣】定刻になりましたので、ただいまから「少子化への対応を推進する国民会議」の初会合を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、御多忙のところをお集まりいただきましてありがとうございます。私は厚生大臣の宮下創平でございます。
当会議の議長であります総理の御指名によりまして、便宜、私が本会議の進行を務めさせていただきます。
なお、総理は後ほど参って御挨拶する予定でございますが、おおむね5時半ごろになるとの連絡がございます。
それでは、お手元に配布いたしました議事次第に沿って進めたいと思います。
まず、本会議の開催の趣旨等や配布資料について、事務局から説明をお願いいたします。
【竹島内政審議室長】この国民会議の事務局を仰せつかっております内閣内政審議室長の竹島でございます。
たくさん資料がございますが、この中で資料4と5について御説明をさせていただきます。
資料4をごらんいただきたいのでございますが、「国民会議の開催について」でございます。
最初に、この国民会議を開催する趣旨についてでございます。少子化への対応を考える有識者会議という会議がございました。岩男壽美子先生に座長をしていただいて提言をおまとめいただきましたが、その有識者会議での提言にございますように、少子化問題に対応するためには、国民的な理解と広がりを持って、家庭や子育てに夢を持つことができる環境を整備しなければならないと考えております。
すなわち、政府自らがやる政策だけではなくて、今日お忙しいところお集まりいただいている経済界、労働界をはじめ各界の方々、それから有識者の方々の御参加によりまして、いろいろお知恵を拝借するとともに、それぞれの分野でまた少子化問題について御検討もいただいて、いろいろと積極的に社会に対して情報発信をしていただきたいという趣旨で、国民会議が開催されるところでございます。
次に、この国民会議の検討課題について御説明申し上げます。
二つございますが、第1は、少子化への対応を考える有識者会議の御提言の中にいろいろな具体的な方策が述べられているわけでございますが、それらにつきまして、委員の御出身のそれぞれの団体、業界が主体となってお取り組みいただくことがふさわしい政策につきまして、いろいろお考えいただくとともに、その施策の推進状況やこれからの実施方策等について、皆様方でいろいろ意見交換、情報交換をしていただきまして、世の中全体として施策を推進していきたいというのが一点。
第2点は、少子化への対応に関しまして、広く国民に向けて情報発信をしていきたい。そのときに是非積極的に情報発信について御協力をいただきたいということでございます。次に、この国民会議の構成でございますが、国民会議は内閣総理大臣、及びお手元に配布させていただいております委員名簿の方々をもって構成させていただきます。小渕総理が議長を務めさせていただきますが、実態は宮下厚生大臣にチェアマンをしていただくということになります。庶務につきましては、厚生省の協力を得まして、内閣官房において扱わせていただきます。
その他、必要なことは、議長が定めるということになってございます。
以上が開催要綱についてでございます。
次に資料5という一枚紙がございますが、これについて御説明申し上げます。
この国民会議の「運営要領」でございます。
まず「目的」でございますが、今申し上げましたような趣旨で実施される国民会議の円滑な運営を図るための必要な事項を定めるということでございます。
二番目に「代理出席」ということがございます。この本会議、大変お忙しい方々にお願いを申し上げているわけでございますが、全員に御出席いただくということが、お忙しい中恐縮でございますが、是非原則にさせていただきたいと考えておりますが、それぞれの団体の代表というお立場で御参加いただいている委員の先生方につきましては、やむを得ない場合には議長が認めた場合に代理出席を認めるということでございます。
次に、この会議の運営についてでございますが、この会議の活動をより広く国民に伝えるため、第一に「国民会議は、原則として、公開とする」。
第二に「国民会議の議事録については、これを速やかに作成し、公表する」。
第三は「国民会議は、インターネット等を通じて広く国民の声を集め、検討の参考とする」。
以上三点でございます。
【大塚厚生大臣官房長】本会議の事務局を補佐する立場でございます厚生省の官房長の大塚でございます。私の方から、お手元にたくさんの資料がございますので、簡単に配布資料について御説明させていただきます。
まず資料6でございます。「少子社会の論じ方」でございます。これは昨年12月の少子化への対応を考える有識者会議の御提言、それから分科会の報告書などが掲載されておりますので、資料としてお配りをさせていただきました。
資料7でございますが、『「少子化への対応を考える有識者会議」提言(実施主体別整理表)』という資料でございますけれども、有識者会議の御提言を、いわば実施主体別と申しましょうか、関係省庁あるいは各界ごとに整理をしたものでございます。
資料8でございますが、「少子化と人口減少社会を考える」というパンフレットでございますが、人口問題審議会が平成9年10月に取りまとめた報告書のポイントを概説したものでございます。
資料9でございますけれども、「少子化に関連する諸外国の取組みについて」、これも同じ人口問題審議会がこの6月に、諸外国の状況について調査し、取りまとめたものでございます。
資料10は「少子化に関する世論調査」で、政府において少子化問題に関する国民の意識というものを調査したものでございます。
資料11ですが、「少子化対策委員会中間報告」でございます。本会議の委員である日本医師会の会長の坪井委員から御提出をいただきました資料で、日本医師会において作成された報告書でございます。
それから、本日御欠席の委員から、資料の提出あるいはお手紙が届いています。
一つは、まず紺野委員でございますけれども、本日御都合で御欠席ということでございますが、紺野委員がお書きになられた『「怪獣」のそだてかた』という本でございます。それから委員から、各委員に宛てたお手紙のコピーをお届けしております。
やはり本日御欠席でございますけれども、原田委員から皆様にということでお手紙を頂戴しております。これもお手元に配布してございます。
以上でございます。
【宮下厚生大臣】それでは、本会議は先ほど説明のありましたとおりの開催要領と運営要領に基づいて運営をしてまいりたいと存じます。
本会議には、少子化への対応を考える有識者会議座長を務めた岩男委員に御参加をいただいております。ここで岩男委員から提言の概要説明を含めまして、今後の少子化への対応に関する問題提起をお願いしたいと思います。
岩男委員よろしくお願いいたします。
【岩男委員】私はただいま御紹介いただきましたように、昨年7月、総理主宰で設けられた「少子化への対応を考える有識者会議」の座長を務めさせていただきました。
この会議は30代、40代の方々が過半数を占め、また、男女ほぼ同数という構成で、公募による参加者を加えた2つの分科会での討議を含め、若い世代の実感を踏まえた討議を半年にわたって行い、昨年12月にとりまとめた提言を小渕総理に提出いたしました。
提言の本体やその材料となった分科会の報告につきましては、配布資料6の中の「少子社会の論じ方」に収載されていますので、後ほど是非お読みいただきたいと存じますが、私からその背景にある基本的な事実関係や、提言の要点を御紹介したいと思います。
まず、少子化の進行の実態からお話しさせていただきます。
我が国の合計特殊出生率は、昭和30年頃から昭和50年頃までは、おおむね2をやや上回る水準で安定して推移いたしておりました。
しかし、この二十数年間は低下傾向が続き、現在の人口規模を維持するにはね約2.08の出生率が必要と言われておりますが、平成10年には1.38まで低下し、現人口を維持できる水準を大きく下回っております。
なお、都道府県別に見ますと、最低の東京では1.05、最高の沖縄でも1.83となっております。
このような出生率の低下の結果、我が国の人口は2007年にピークに達した後、減少に転ずると予測されており、国立の研究所の中位推計、高位推計とかいろいろございますけれども、中位推計を見ますと、現在1億2,600万人の人口が、2100年には約半分になると予測されております。
極端な話をして脅かすわけではございませんけれども、私は先ごろ誕生したトキのひなのかわいい姿をテレビで見るたびに、いささか複雑な思いにとらわれております。江戸時代までは全国に分布していた日本のトキは、とうとう佐渡のトキ保護センターにいる1羽、キンと言うようですけれども、1羽になり、絶滅が確実となっております。1908年には国の保護鳥に指定されましたけれども、既に手遅れで、中国からもらわなければならなくなったことは御承知のとおりでございます。
新しいミレニアムを迎えようとしている中で、日本の将来について、超長期の展望を念頭に置くことも大事ではないかと考えております。
そこまで長期の話はさておくといたしまして、ごく近い将来に進行すると見込まれる人口減少は、総じて言えばネガティブな影響が大きいと予測いたします。
確かに人口の減少は混雑の解消につながるなど、よいことだという声もあるかもしれません。しかし、日本はこれから世界一早いスピードで増える大きな高齢人口と、少子化という二つの課題を同時に抱えることになります。経済的には、労働力人口の減少、社会保障負担の増加という影響も、考えなければなりません。
それだけではなく、人口が減ると市場の規模も縮小することになります。
文化の維持という面においても深刻な問題があります。既に良質な児童書に絶版になるものが増え、子ども会が成り立たず、夏祭の子どもみこしがお蔵入りしているところもあります。
また、子どもの健全育成面にも影響があり、親の愛情、関心、期待といった、子どもに対する心理的な資源配分が過剰になりやすく、溺愛、過干渉、過剰期待など、さまざまな形で子どもにマイナスをもたらすことが懸念されます。
このような問題をはらむ少子化は何故進行しているのでしょうか。その主な原因は直接的には未婚化、晩婚化の進行です。日本では未婚女性の出生率は極めて低いので、20代、30代での未婚者が増えていることが出生率の低下につながっています。
勿論、結婚や出産ということは個人の自由な選択によるものですが、昨今の未婚者増の背景には、一方で結婚や家庭を築くことを望んでいても、現実には家事や子育ての負担感が特に女性に重く、仕事の継続との両立が難しいなどのため、子どもを持つことをやむを得ずあきらめる、あるいは結婚自体をためらうといった状況があります。
もう少し掘り下げてみると、このような状況をもたらしている背景要因として、男性は仕事、女性は家庭、あるいは女性は家庭と仕事といった性別役割分担意識や、働き手には長時間勤務や職場関係の付き合いを家庭より優先することが求められ、遠距離通勤と相まって、家庭のことに使う時間もエネルギーもほとんど残らないといった職場優先の働き方の慣行があります。
これらのことが結果的に若い男女に親から自立して、働きながら新たな家庭を築き、子どもを育てていくという責任ある喜びや楽しさを経験することを躊躇させているのではないか。そのような制約要因は社会全体の取組みとして取り除いていくべきである。
言い換えれば、男女が共に家庭や地域の責任と仕事を両立できる多様な働き方、生き方を実現できるような、また、子どもたちが伸び伸びと楽しく成長していけるような、そのために必要な環境整備を行うべきである。
これらの環境整備は少子化への対応として有効なだけではなく、高齢化への対応としても望ましく、更にはこれからの日本を誰にとっても住みやすい社会にしていくことにも直結しているものであると考えております。これが少子化への対応を考える有識者会議の提言の基本的な考え方です。
環境整備の分野については、働き方に関する事項と、家庭・地域・教育のあり方に関する事項の2つに大別して整理しています。
まず働き方関係では、日本的雇用慣行と密接に結び付いている男女の固定的な性別役割分業を隅々まで見直し、併せて職場優先の企業風土を是正することをはじめとする四つの大きな柱を提言しています。
次に家庭・地域・教育のあり方などの関係では、家事や育児への男女共同参画の推進、子育てを社会全体で支援するという国民的合意の確立と、ハード・ソフト両面にわたる環境整備、低年齢児保育など需要の多い保育サービスの整備や多様で良質な保育サービスの効率的な提供、児童・生徒・学生・若い世代・社会全体に対し男女共同参画の視点や子育ての楽しさなどについて広報・啓発を行い、また、体験の機会を提供することなど、六つの大きな柱を掲げました。
その上で環境整備のための施策として100を超える具体的施策を提案し、更にその一つ一つについて、労使、各省庁、地方公共団体、地域住民、各種民間関係者など、その事項に関する検討実施の中心となることを期待する主体を明記させていただきました。
これらの提言を画にかいた餅に終わらせず、着実に実施していくためには、中心となる推進体制を確立することが必要不可欠です。しかし、人々の意識や慣行に関わる事項も多いことから、政府のみで進めていくことは適当でも、また可能でもありません。そのため実施体制として、総理に、労使をはじめ趣旨に賛同する各界関係者の参加を得てこの国民会議を設けていただくことと、政府においても閣僚レベルでの取組みの体制を整えていくことを併せて提言いたしました。
以上、提言の概要説明を含めた今後の取組みへの問題提起ということでお話しさせていただきました。
先ほど竹島内閣内政審議室長からもお話がございましたように、国民会議が有識者会議の提言を検討・実施し、少子化への対応の推進に関して、広く国民に情報発信を行って、国民的な広がりのある取組みの中核として機能するよう、委員の皆様と御一緒に取り組んでまいりたいと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
以上でございます。
【宮下厚生大臣】ありがとうございました。
次に、本国民会議といたしまして、少子化への対応を推進するために、どのような方針で臨んだらいいかということでございますが、この点につきましては、事務局から申し出がありますので、内閣内政審議室長から説明をお願いいたします。
【竹島室長】資料はございませんが、口頭で三点申し上げさせていただきたいと思います。今、岩男先生からお話がございましたとおりですが、政府の方では既に少子化対策推進関係閣僚会議というのを、御提言に基づいて設置をしております。もう一つが国民会議ということで、本日第1回目ということでございます。
その国民会議のこれからのお取組みの方針として、以下の3つのようなことでは如何でしょうかということでございますが、1つが、資料7にございますように、たくさんあるわけでございますけれども、有識者会議で御提言がありまして、それぞれ労使、各役所、地方公共団体も入っておりますが、こういうふうに主体別にこういうことが取り組むべき課題ではないでしょうかというのがあるわけでございまして、それぞれの団体に関する事項について各々のお立場で、どうお取組みをしていただけるかということについて御検討いただき、また、この場で御発言をいただくとともに、できるものから取り組んでいただくというのが1点。
2つ目が、御自分の関係だけではなくて、その他の分野についても積極的に御意見を言っていただいて、お互い少子化への取組みについて情報交換を相互にしていただきたい。
3点目は、そういうことを踏まえまして、国民一般に対しまして、先ほど申し上げましたように、少子化への対応の推進に関する情報を発信する、その源になっていただきたいということでございます。
以上、簡単でございますが、その3点をこの国民会議のこれからのミッションにしていただければありがたいと思います。
それから、今日の国民会議の委員の先生方に直接すべてというのは物理的にも大変でございますので、御了解がいただけましたら、事務局レベルの話でございますけれども、少子化対応への国民的な理解と広がりを持たせるために、団体を代表していらっしゃる場合には、事務局とタイアップして作業ができるために、各団体から若手、中堅の方に御参加いただく幹事会を設置したいと考えておりますので、その設置についても、併せて御提案申し上げたいと思います。
以上でございます。
【宮下厚生大臣】ただいまの取組方針につきまして、何か委員の先生方から御意見がありますでしょうか。
今の幹事会の点はひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、ただいまの取組方針に基づきまして、本国民会議として、少子化への対応に取り組んでまいりたいと思いますが、よろしゅうございますね。ありがとうございました。それでは、委員の皆様方の中で団体を代表されて参加いただいている委員におかれまして、有識者会議の提言を踏まえまして、特にそれぞれの団体に関する事項について御理解をいただいた上、御自身の団体におきまして、少子化への対応をどのように推進していくかを検討し、実践に移していただきたいと思います。
また、すべての委員の方々に少子化の対応の推進に関する国民への広報、啓発に積極的に取り組んでいただくことを期待しておりますので、御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
次に、本日御出席の各委員の皆様方にお一人ずつ自己紹介を兼ねまして、本国民会議の委員として、少子化への対応の推進に取り組むに当たってのお考えなどについて、お話しいただきたいと思います。
恐縮でございますが、時間の関係等もございますので、お一人一分程度でお願いしたいと思います。
委員の名簿につきましては、資料3にございますので、御参照いただきたいと思います。
なお、小椋委員、鈴木委員のお2人には、後ほど御自身の経験を踏まえまして、少子化の問題についてのお考えをお話ししていただくことになっておりますので、とりあえず簡単な自己紹介をお願いするということにさせていただいて、後ほどお話を承るということにいたします。
では、名簿に従いまして、赤崎義則委員からお願いを申し上げます。
【赤崎委員】皆さんこんにちは。全国市長会の会長を仰せつかっております鹿児島市長の赤崎でございます。
それぞれの立場の委員の皆様方がおいでですが、私どもは地域におりまして、学校では空き教室がどんどん増えていく。あるいは幼稚園や保育園に入る子どもさんが大変少なくなって、幼稚園や保育園の経営自体が破綻をしつつあるという実態をかねて見ておる立場でございまして、そういう意味でかねてから少子化についての非常な不安と焦りを持っておるところでございます。
地方自治体、とりわけ市町村としての対応もできることは今までもやってまいりましたが、やはりそれだけではほとんど基本的な事項を解決するにはほど遠いというのが実態であろうと思いますので、この国民会議におきましては、先ほどからお話がございますように、その基本に触れた、しかも実効性のあるそういうものをお互いに編み出して、それをそれぞれの立場で行政とか、それだけではなくて、企業の皆さんも御一緒にやっていく、そういうことを私は御提案を申し上げたいと思っております。
【宮下厚生大臣】続きまして、全国地域婦人団体連絡協議会長の秋田幸子委員にお願いいたします。
【秋田委員】皆さんこんにちは。ただいま御紹介を賜りました全国地域婦人団体連絡協議会長の秋田でございます。私自身の出身母体は福岡県の地域婦人団体連絡協議会でございます。
私たちは地域を基盤に活動している母親の集団でございまして、会員500万人が家庭、または地域を住みよくすべく、一生懸命努力をしている団体でございます。
特に子どもの問題につきましては、地域の子どもは地域で育てるということを基本に、家庭や地域の教育力を高めて、子どもが家庭にとっても、地域にとっても、とても大切な一員であるということをいかに実感させるかということに苦慮しているところでございます。
こうした中で私どもは男女共同参画社会の実現を目指して努力しているわけでございますが、特に若い世代の女性たちは、結婚したら、まして、子どもを抱えたら、家庭は勿論、働く場も、地域も社会も、決して自分たちにやさしくないというような考えを十分持っているように私は思うのでございます。
また、子どもたちにとっても、今の社会というのは非常に生きづらい、住みづらい自然環境、社会環境であって、こうした中で子どもを産み、育てるということに非常に若い女性が疑問を持ち、躊躇しているという現実があると私は考えております。
生きるものが安心して生活できる自然環境、子育てを地域ぐるみで支援する手厚い体制ができて、それが社会全体に広がったら、女性の結婚とか、出産へのためらいも、少しは弱まるのではないかと。そういうふうな方面で少し整備を急ぐ必要があるのではないかというのが私の考えでございます。
【宮下厚生大臣】それでは、次に関西経済連合会会長の秋山喜久委員にお願いいたします。
【秋山委員】関西経済連合会の秋山でございます。
関経連では平成7年から、少子高齢対策委員会を設置いたしまして、アンケート調査を実施するなど、検討を重ねて提言をしてまいりました。
その提言内容は、岩男先生の報告と全く方向を一にするものでございます。
関経連といたしまして、この問題はもはや論議の段階ではなく、実践の段階であり、実践を促進する上では、企業の果たすべき役割は非常に大きいというふうに強く認識しております。
御提言いただいた労使でやるべき事項の中で、特に我々といたしましては、職業と家庭が両立できるように、労働時間の裁量化をはじめとする就業環境を整備すること。
第2に、少子化対策を熱心に実践している企業が、社会的な高い評価を受けるような仕組みづくりを行うこと。これを重点に実施してまいりたいと考えております。
【宮下厚生大臣】日本商工会議所会頭の稲葉興作委員は、欠席されておりますので、次は岩男壽美子委員にお願いいたします。
【岩男委員】先ほど既にお話をいたしましたので、1つだけ自己紹介の代わりに簡単にお話をしたいと思います。
資料の中にも諸外国の取組みというのが配られておりますが、4月末にパリでヨーロッパを中心とする取組みの関係の会議がございまして、私それに参りましたので、そこでの経験をお話しいたします。
日本はスウェーデンを非常に理想的だと考えがちですけれども、スウェーデンの代表からはとてもそういう状況じゃないんだと。むしろフランスを見た方がいいということで、フランスの代表から伺いましたのは、フランスでは女性を職場から家庭に戻すような政策は出生率の上昇にはつながらないこと。それから、児童手当であるとか、有給の育児休業だけでは出生率のアップにもつながらないこと。これだけでは不十分である。
要するに、家庭と仕事が両立できるような雇用政策を取らなければいけないということで、多くの人々の多様なニーズに適った選択肢を用意したということでいろいろとお話を伺いました。結果は、雇用の創出にもつながりまして、多くの保育所をつくった関係で保育者も増えたということ。それから、家庭で子どもを見る人たちに新しい職を与えたと。それから、放課後子どもたちを見る人たちをたくさんつくり、また、休みになったときにキャンプに連れて行ってくれるという、そのためのキャンプということで、男女のための非常に多くの雇用の場をつくったというお話がございまして、大変参考になりましたので、御紹介いたします。
【宮下厚生大臣】次に、日本民間放送連盟の会長の氏家委員が御欠席でございますから、代理といたしまして、酒井専務理事に御出席をいただいております。酒井様、よろしくお願いします。
【酒井代理】日本民間放送連盟の氏家会長の代理で参りました酒井でございます。
まず、民間放送の役割、機能をお話しした上で、メディアとしての少子化対策の啓発について意見を述べさせていただきたいと思います。
私ども民放連は昭和26年に我が国初の民間放送として予備免許を受けましたラジオ16社でスタートいたしまして、その後、27年の4月に社団法人として誕生したわけでございます。目的は、民放各社の共通の問題を処理して、民放の公共的使命の達成を目指すということでございます。現在、民放連の会員社は196社を数えておりまして、これにはラジオ、テレビ、それに地上の放送だけじゃなくて、BSも加盟してございます。その役割としては、ジャーナリズムとして、またマスコミとして、独自の報道活動を行うとともに、自律、自浄作用を働かせながら、独自の編成権の枠の中でいろいろ情報番組や娯楽番組、あるいはCMを放送している。この辺は皆さん御承知のとおりかと思います。
したがいまして、連盟は全国すべての民間放送で組織する団体ではございますけれども、各放送局の放送内容に直接干渉するということではございません。それぞれ編成権を持っておりますから、自主独立で番組を放送しているわけでございますが、今日の会合のような重要なテーマにつきましては、我々として、公共的なテーマでございますので、「有識者会議の提言」の趣旨や、あるいは政府の考え方を正確に、かつ誤解を生じさせないように十分留意しながら、さまざまな機会をとらえて会員社に周知し、公正に報道するよう務めていきたいと思っておりますので、これから会員各社に対しまして、今日の模様を何らかの機会でお伝えしたいと思っております。
【宮下厚生大臣】次に、日本放送協会の会長海老沢委員が欠席でございますので、代理として、松尾専務理事に御出席いただいております。よろしくお願いします。
【松尾代理】松尾でございます。本来ならば海老沢会長が御挨拶申し上げべきところでございますが、ABU、アジア放送連合の会議で海外に出ておりますので、申し訳ございません。私が代理として発言をさせていただきます。
今も御指摘のように我が国における少子化の進行については、社会にさまざまな影響を与え、また、ひずみをもたらしかねないということで、NHKとしても、21世紀を目前に大変重要な国民的課題の一つであるというふうに受け止めております。
そのために、例えば今月の上旬でございますけれども、NHKスペシャルというので時間を延ばしまして、特別枠を編成して、6月4日と6日でございますが「少子社会日本」という番組をシリーズで放送いたしました。さまざまな事例、若者たちの声等々を入れながら、これからの日本のあり方というものを問うていったわけですが、結果的に大変多くの反響をいただきました。
やはりご覧の方々が大変問題に対して深い認識を持っていらっしゃるということがわかりました。今度とも、単に少子社会ということだけではなくて、家庭環境のあり方、家族のあり方、さまざまな角度から少子社会というものを見つめていく番組を多角的に取り上げていきたいと思っております。
わかりやすく番組化することが大変重要であろうということを考えておりますので、今後ともそういう点で取り組みたいと思っております。
【宮下厚生大臣】次に日経連の会長の奥田碩委員にお願いいたします。
【奥田委員】日経連の奥田でございます。
日経連におきましても、この少子化の問題につきましては、短期的にも中長期的にも非常に強い危機意識を持っておりまして、この問題につきましては、昨年の1月に提言を発表いたしまして、その後も継続的に研究を進めております。
また、私自身も経営者として、あるいは一個人として、少子化の影響ということについては、大きな危機感を持っております。
ただいま、岩男先生、あるいは厚生大臣から、我々がそれぞれの立場で取組みを進めるようにというお話がございましたが、特に人に関する問題を所管する日経連といたしまして、引き続き積極的にこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
【宮下厚生大臣】それでは、作詩・作曲家であります小椋委員、お願いします。
【小椋委員】小椋でございます。
私は組織、あるいは団体の代表ではございませんので、この少子化への対応を考える有識者会議の御提言、具体項目にどれほどの参画ができるか、不安でございますが、恐らくお役目の中でお話しさせていただいた情報交換とか情報発信という側面で考えますと、現実に音楽を通して世代の若い方々とのお付き合いがあったり、舞台制作を通じて、過去20年ほど少年少女たちと深く付き合っておりまして、その辺から今申し上げた情報交換とか情報発信に、あるいはお役に立てるかなと。
私自身は今50歳過ぎでございますが、学生をやらしていただいておりまして、若者と毎日会って意見を交わしている身でございますので、その辺からも何か情報交換という意味でお役に立てればと考えております。 よろしくお願いします。
【宮下厚生大臣】それでは、日本保育協会理事長の上村委員、お願いいたします。
【上村委員】上村でございます。
日本保育協会は民間の保育所、約5,900を会員としていたしております。全国の保育所数が2万2,000、その中で民間の保育所が9,300でございますから、63%の割合を占めているということでございます。主な仕事といたしましては、保育に携わる人の質を高めるために、時代の求めに応じた研修を行っております。一方で、国の施策に積極的に協力をしているものでございます。去年12月の有識者会議では保育関係の提言が数多くなされておりまして、私たちも保育所が子育て支援の大きな柱になるものだと考えております。その中でも、乳児など、低い年齢の子どもの保育とか、退所時間を延長する保育というのは、公立よりも民間の保育所の方がより積極的に取り組んでおりまして、低年齢の子どもの保育を行っております保育所の7割、退所時間の延長を行っております保育所の66%が民間の保育所でございます。これからも保育需要の多様化に応じながら、子育て支援のために積極的な役割を果たしてまいりたいと存じます。
それから、保育所のことに合わせまして、少子化を考えますとき大切なことは、産科と小児科の医師なり、診療施設を確保することでございます。この10年ばかりの傾向を見ますと、医師総数の中で、産科、小児科の医師の占める割合なり実数は減少しておりますし、病院の産科なり小児科、あるいはこの科を標榜いたします診療所の数も減少しております。子どもを産む人が減り、子どもの数が減れば、市場原理として供給が減るのは当然かもしれませんけれども、それがまた、子どもを産み、育てる気持ちを損いまして、言わば縮小傾向に拍車を掛けるのではないかというふうに心配いたしております。
需要が減る中で経営が安定する配慮が要るのではないかと思うのでございます。提言では、直接触れておられませんので、この機会に申し上げさせていただきました。
【宮下厚生大臣】次に、全国町村会会長の黒澤委員、それから『「怪獣」のそだてかた』を配布してございますが、この著者であります紺野委員は、欠席でございます。
それでは、次に全国都道府県教育委員会連合会会長の清水委員にお願いいたします。
【清水委員】ただいま御紹介いただきました全国都道府県教育委員会連合会の清水でございます。
私どもの立場といたしましては、先ほどもちょっとお話がございましたように、学校教育の場で、どのようにこの問題について取り組むかということになるかと思いますけれども、先ほど全国市長会会長の赤崎さんもおっしゃられましたように、幼稚園をはじめといたしました保育所のあり方、そして小中学校の統廃合といったようなことが今、大きな問題にはなっておりますが、これらを有効に活用して、地域社会の中に、先ほど来お話のございますように、子育て支援組織をどうやってつくっていくかということが一つ大きな課題でございます。そういったことで中学校の中に保育所をつくったりということなどをいたしております。
特に東京の場合には、先ほどお話もございましたように、1.05という出生率で、働く女性のためにどのような地域社会をつくるかというのが大変大きな課題でございます。勿論、東京も島の方に参りますと、それなりに地域社会というのが、コミュニティーをちゃんとつくっておりまして、子育てもしやすい状況というのが生まれるわけでございますけれども、また、西多摩地区の方へ参りますと、それなりに過疎地としての違った形でございますが、やはり一極集中化している日本の全都市を考えますと、そういった意味で学校の施設、学校教育、就学前教育を含めて、どのように子育てができるか、子育て支援ができるか、そういったことについて考えてまいりたいと思います。
また、そのようなことについて既に実施をしておるところもございますので、また、御紹介ができればと思います。
どうぞよろしくお願いします。
【宮下厚生大臣】それでは、作家の鈴木光司委員、お願いいたします。
【鈴木委員】皆さんこんにちは。「文壇最強の子育てパパ」と自分で勝手に名乗っている鈴木光司です。
私は大学を卒業してから小説家になるための文学修業をしながら、塾の先生であるとか、家庭教師をやっていて、高校教師である妻と結婚して子どもが生まれました。
そういった状況だったものですから、子育てはほとんどすべて私がやってきたということで、10年間にわたって2人の娘を保育園に預けて、その送り迎え、あるいは食事の支度とか一切やってきました。そういった経験がこの会議で反映されればなと思っております。
今の日本の社会の中では、余り結婚したくない、子どもを産みたくないという漠然としたムードが漂っていると思います。そして、このムードですから、これがはっきりと言葉になっていないように私は思うんです。ですから、あなたはどうして子どもを産まないんですか。どうして結婚しないんですかと聞かれたときに、いや、子育てはお金がかかるから、非常にわかりやすい回答が返ってくる。これだけに対処していると、なかなかムード全体が改まらないんじゃないかと思います。私はそういった漠然としたムードに言葉を当てはめる、要するに意識化するのが小説家である私の役割ではないかと思っております。どうぞよろしくお願いします。
【宮下厚生大臣】次の土屋全国知事会会長も欠席でございますので、引き続きまして、日本医師会会長の坪井委員、お願いいたします。
【坪井委員】日本医師会の坪井でございます。
鈴木さんの非常にわかりやすい話の次に、医師会の話というのは大体わかりにくいのが相場でございますが、なるべくわかりやすく、簡潔にお話ししたいと思います。
総理をはじめとして国が大きな目的を持って少子化対策を行っておられるのを目の当たりにしまして、それでは、我々医師として、あるいは医師会として何がお手伝いできるのかということをいろいろと考えた上で、お手元に差し上げました資料11のとおり日本医師会に少子化対策委員会を立ち上げたわけでございます。
まだ討議が煮詰まっておりませんので、中間報告という時点でございますが、本日のお話にありましたような有識者会議の御意見、あるいは今の鈴木さんのお話のようなことを十分に尊重して、医師会の立場として、どういうお手伝いをすればいいかということを考えていきたいと思っております。
今まで何を考えたかということにつきましては、その中間報告の中に書いてありますので、お暇な折にでもご覧いただければと思っています。
医師会がタッチすることですから、当然医療に関することでございます。当然厚生大臣と、私どもとの話し合いはかなり頻繁に行われる部分が多いのではないかと思っております。今、子どもが生まれる中で、おおよそ0.6%は何らかの不妊治療によって妊娠をして出産をされるというデータが出ております。これはおそらく1%くらいまで上がるだろうと言われております。少子化対策の中で、その部分に関して、有識者会議の御意見を尊重し、どういうお気持ちを抱いて、どう考えておられるのかを十分私自身も考えて参酌させていただいた上で、御紹介、あるいは皆さん方からのお問い合わせがあった場合には、できるだけ正確にお答えできるような準備をしながら、国民会議に出席したいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
【宮下厚生大臣】引き続きまして全国社会福祉協議会会長の長尾委員、お願いいたします。
【長尾委員】全国社会福祉協議会の会長をいたしております長尾でございます。
まず最初に総理にお礼を申し上げたいと思いますが、少子化問題というのは、本当に国を挙げて対応していただかなければならない非常に大きな問題だと思いますが、総理自ら議長になっていただきまして、このような国民的な会議を開催していただきましたこと、心より御礼を申し上げます。
私どもの社会福祉協議会は、全国で大体21万人くらいおります民生委員、それから全国の社会福祉施設、この中の大所はお話に出てきます保育所でございますけれども、保育所を経営しております者、こういったものが参加をしております団体でございます。今、福祉の問題、非常に各方面で御関心が深いわけでございますが、全国市町村、全部に社会福祉協議会がございますし、都道府県の社会福祉協議会も、いろいろな部分でこういった問題に直面をしているわけでございます。
従来から私どもの団体としましては、こういった少子化問題につきまして、厚生省とタイアップをいたしまして、キャンペーン活動をずっとやってきまして、特に国際児童年のときには、空飛ぶメッセージというのをやらしていただきました。
私は少子化問題を考えますときに、先ほど来、先生方からお話がございますが、最大の問題は、働こうとする若い母親が、働きながら子育てができるという環境をつくっていくということが非常に大きなポイントになるのではないかと思っております。こういう観点からいたしますと、やはり保育対策の充実ということを是非、総理、厚生大臣にお願いいたしたい。このことがやはり少子化対策の非常に大きなキーポイントになるのではないかと思っております。
もう一つは、母親が子育てをしております期間、収入が減る。どうしても保育所に通わせていながらも収入が減る。そこを補填していただくためには、有識者会議でも御提案をいただいておりますけれども、児童手当の充実ということが非常に大きいのではないかという気がいたします。
確かにフランスにおきます児童手当の充実は、必ずしも出生率の改善に結びつかなったかということが言われておりますけれども、やはり保育対策と併せてやるということによって、これは非常に効果を上げるのではないか。この10年、20年、非常に重要な時期に、この部分を優先してお考えいただきたいと思うわけでございます。
【宮下厚生大臣】引き続きまして、全国国公立幼稚園長会会長さんの羽田委員、お願いいたします。
【羽田委員】全国の国立大学の付属幼稚園と、市区町村が持っております公立幼稚園の園長が所属してつくっておる全国国公立幼稚園長会を代表してお話し申し上げます。
私どもとしましては、幼稚園教育は、3歳から5歳の幼児の教育機関ですが、就園させた子どもだけを教育するということだけではなくて、就園させたことを機会として、保護者が子どもの成長に合わせて、共に学びながら、生涯学習の一環として育っていくことを考えなければいけない、保護者を育てていくという視点がとても大事であるということを常々思っております。
私たちはこの6月の半ばに、21世紀の公立幼稚園はどうあったらよいかということで、公立幼稚園像を描きたいということで研究をしてきたことを公表しました。その中で21世紀の公立幼稚園の姿として、未来の国民の育成を目指す幼稚園であること、家庭とともに子育てに取り組む幼稚園であること、創意工夫を生かした特色ある幼稚園であること、社会の変化に対応できる幼稚園であること、この4つを大事にしたいと考えました。
中でも少子化対策に当たることとしては、家庭とともに子育てに取り組む幼稚園であるという自覚をきちんと持つことが非常に大切なことである。我々園長が職員を指導していくために大切な考え方であると思っております。
小さな子どもを持つ保護者が、自分たちの子どもの教育に安心できるという実績を持つところが、やはり地元の幼稚園ですよということを周知させることも、お母さんたちの子育てのモチベーションを高めることではないかと思っております。
子育て不安とか孤立感を解消しなければならないということは常に言われておりますので、地域に密着した幼稚園が地域の幼児教育のセンターとしてお母さんたちに積極的に関わっていく。特に公立の幼稚園の場合には、地域にある公的な機関としてしっかりその使命を果たしてまいりたい。そのことを会員とともに考えているところでありますし、実践していきたと思っております。
公立幼稚園としては、子どもの指導と相まって、保護者に対して家庭の中で今の少子化の問題とか、子どもの教育をどのように考えたらいいかということを、実際に自分の目の前にいる子どもたち、私たちがお預かりした子どもたちの指導を通しながら、家族、家庭を啓発するということを忘れてはならない。そのことが少子化対策に結び付く大事な要素であろうと考えてこれからも実践に努めてまいりたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
【宮下厚生大臣】次に全国農業共同組合中央会会長の原田さんから連絡がございまして、出席予定でしたが、急遽欠席させていただきましたということで、先ほど紹介ありましたように、文書による意見の提示がございましたので、ごらんいただきたいと思います。
それでは、次に日本PTAの全国協議会会長の松井委員にお願いいたします。
【松井委員】日本PTA全国協議会会長の松井です。よろしくお願いします。
私どもの組織は、小学校、中学校の子どもを持っている保護者の集まりでございます。全国で1,200万世帯ございます。保護者でございますから、掛ける2倍ですから、
約2,400万人でございまして、最大規模の団体でございます。その中で30代、40代、50代の年齢が多いわけでございまして、まさに生産年齢と合わせまして、いわゆる子育ての当事者であるということでもって、大変な重要な役割を果たしているところでございます。
最近、中央教育審議会を中心にしまして、国の方から心の教育ということで家庭の中に入ってまいりました。私はこれは大変いいことだと思っております。
私たちも明確な目的を持った意図的な家庭教育をしていかなければいけないだろうということで、昨年度から1,200万会員を中心にしまして、全国子育てキャンペーンを実施しております。
そういう中で文部省、その他の省庁さんと連携しまして、子ども緊急3か年プランの具体的な実践、あるいは家庭教育ノート、それを中心にしまして、家庭のあり方を今検討しております。
大変な重要なことは、私自身子どもが4人いるわけです。24、22、18、15、成人しているのが2人おりますけれども、この子どもたちが家庭を持つことの意義、あるいは家族を持つことの意義、これを私どもは正しく教えなきゃいけないと思います。
というのは、私たちはもう子どもを産んでしまったわけてございますけれども、私どもの子どもたちに子どもを持つこと、すなわち家族を持つこと、家庭を持つのことの意味を教えていく、これが非常に重要だと思いますので、1,200万世帯、あるいは2,400万会員、保護者合わせまして、啓発と実践をしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【宮下厚生大臣】引き続きまして、全日本私立幼稚園連合会会長の三浦委員、お願いいたします。
【三浦委員】ただいま御紹介いただきました全日本私立幼稚園連合会の会長を務めております三浦でございます。今日のような会議に委員として御推薦いただきましたこと、心から厚く御礼を申し上げます。
先ほどからお話を承っておりましたところ、一番先に全国市長会会長さんらのお言葉のとおり、大変幼稚園も保育所も園児数が激減をしているということは事実でございますので、それはやはり子どもが随分少なくなっているということにつながっています。
是非政府の方におきましては、少子化対策といろいろお考えいただいておりますが、是非子どもの視点に立ってどうぞお考えをいただきたいと思っております。
また、働く女性が優先的に国の施策で随分取り上げていただいておりますが、どうぞ専業主婦の立場も御理解いただいて、同時にそのことも御考慮いただければと思っております。
また、子どもを産み育てている若い家庭に対して、どうぞ御支援を心からお願いしておきたいな思って参りました。どうぞよろしくお願いをいたします。
【宮下厚生大臣】次に日本看護協会の会長の南委員が欠席でございますので、次に上智大学国際関係研究所の教授で有識者会議の分科会の主査もやっていらっしゃいました八代委員どうぞ。
【八代委員】上智大学の八代でございます。
私は先ほど御紹介がありました岩男先生が座長になられました有識者会議のうち、働き方分科会という方に参加させていただいておりました。そういう意味で働き方の観点から一言申し上げたいと思います。
私は少子化問題というのは古くからある日本の社会問題が出生率の低下という形でたまたま表れてきたと考えております。
先ほど何人かの委員が既におっしゃいましたように、女性の就業継続と子育てが両立できないような日本の社会制度がある。これまでは両立できないから結婚退職、出産退職をしていたわけですが、女性の高学歴化とともに、それが未婚という形を取って現れたのが現代の少子化問題ではないかと思います。
この女性の継続就業と子育てが両立できないという原因として、日本的雇用慣行というものがあります。日本的雇用慣行は非常に多くのメリットもありますが、その陰の部分というのが、「内助の功付き男性」を前提とした働き方でして、長時間労働とか、頻繁な転勤とか、男女間の賃金格差というものが陰の部分として表れているかと思います。
現在、全国で70万人の単身赴任者がいるわけですが、こういう状況ではともに子育てをするということではない、その日本的雇用慣行でなければよい働き方ではないという通念を打ち破って、女性が子育て後にも正社員として復帰できるような流動的な雇用形態、あるいは働きつつ子育てができるような多様な雇用形態をきちっと認知することが大事である。たとえば、今の派遣労働的なものを悪い働き方としている規制というものをできるだけ緩和するような形で、多様な雇用形態を実現していく。私はこれが就業継続の社会的なコストを減らすことによって、子育ての援助というか、支援というものに結びつく一つの大きな切り札になるのではないかと思います。
【宮下厚生大臣】次に、住宅生産団体連合会会長の山口委員は欠席でございますので、日本労働組合総連合会会長の鷲尾委員、お願いいたします。
【鷲尾委員】連合の鷲尾でございます。私ども連合はいつも政府の政策に反対したり、注文付けたり、要望したり、要求したりして、総理はじめ、厚生大臣にも御迷惑をかけているんですが、にもかかわらず、こういう場所に参加をさせていただいて、意見を言う機会を持たしていただくという度量の広いお考えに敬意を表したいと思います。せっかく入れていただいておりますので、私どもがやるべきことにはきっちりとやりたいと思いますし、今、冗談半分に申し上げましたけれども、考え方が同じものもたくさんございますから、そういう意味では是非役割を果たさせていただきたい、こんなふうに思っています。
私の考え方はお手元の資料6の「少子社会の論じ方」の107ページにインタビューという形で記載されておりますので、簡単なものですから、後ほどお読み取りいただきたいと思いますが、そこに書いてございますけれども、私たち労働運動も若干反省しなきゃいけないんですけれども、ゆとりには3つございまして、お金と物のゆとりと、時間のゆとりと、空間のゆとりとよく言われるんですが、どうも、今までの日本人は第1番目のお金と物のゆとりばかり追求していたような気がいたします。
やはり少子化社会というものを将来安定的な社会に変えていくためには、何よりも少子化対策というのは、時間のゆとりと空間のゆとりを確保するという取組みが必要なんじゃないかと思っています。
もう一つ、そこにはインタビューで載っておりませんが、もう一つ重要なことは、最近、政府は男女共同参画基本法を提案され、確認をされまして、大変重要だったと思いますが、私どもは共同というのを平等にしろと言い続けてきたわけでありますが、何よりも男女平等社会を実現するということが、今の時間と空間のゆとりを確保すると同時に非常に重要なことでありまして、各論についてはまた機会があったら御意見を申し上げますが、そういうふうに思っているところでございます。
いずれにいたしましても、私ども労働組合の団体として、私ども自身がやれることについては精いっぱいやらしていただくということを申し上げます。
【宮下厚生大臣】最後になりましたが、日本新聞協会会長の渡邉委員の方からお願いいたします。
【渡邉委員】渡邉でございます。新聞協会の理事を十何年かやってまいりましたが、いまだかつて理事会、総会等で少子化対策が議論になったとは一度もありません。私自身は息子が一人、孫はゼロ、母親だけでも兄弟10人、父親の方は十数人いたのが、私の時代でゼロになってしまうという点で、ここで何だかんだ大きなこと言えないんですけれども、しかし、この資料4によれば、少子化への対応に関し、広く国民に向けた情報発信を行うことというのがありまして、情報発信はまさに我が方の役割だと思いますので、いまだかつて議論したことのない新聞協会でこういうことが議論されるようならなければいかぬし、また、百何十社加盟社がありまして、理事社だけでも四十数社あるんですが、この社長さんに女性の社長は一人もいないということも、あるんだろうと思います。
しかし、新聞社としてまさにこの問題は大問題でありまして、それぞれの新聞社はみな議論しておると思います。
私は読売新聞の社長でありますが、読売新聞社でも重大問題で、毎週編集会議その他で私自身も発言し、自分でゼロということで非常に苦しんでおりますから、何とかしなくてはいかぬと真剣に議論しておりますので、皆さんの御意見を拝聴し、それを国民に向けて発信するために参加させていただいたと存じております。
ありがとうございました。
【宮下厚生大臣】よろしくお願いいたします。
以上で委員からのごく短い時間で恐縮でございましたが、御発言を終わらせていただきます。
それでは、総理がお見えでございますので、引き続きまして、総理大臣から御挨拶をいただきたいと思います。
【小渕総理】第1回の「少子化への対応を推進する国民会議」に際して、一言御挨拶を申し上げます。
御出席をいただきました皆様方には、大変御多忙の中にもかかわらず御参加を快くお引き受けいただきましたことを厚くお礼申し上げます。
また、ただいま少子化への対応に関する大変経験深いお話をいただき心強く感じているところでございます。
私は、国政運営の基本は「5つの架け橋」であると申し上げており、少子化への対応はその1つの「安心への架け橋」を築いていくために極めて重要であると考えております。結婚や出産はすぐれて個人の選択の問題でありまして、国や社会が干渉すべきものではありませんが、家庭や子育てに若い人々が夢を持ち、希望を実現していくための環境の整備は、社会全体で取り組むべき課題であります。
昨年12月には、「少子化への対応を考える有識者会議」から、社会全体の環境整備を進めるための具体的な提言を頂きました。この提言を踏まえまして、政府一体となりまして、対策を一層強力に推進するため、5月28日に「少子化対策推進関係閣僚会議」を発足させ、年末を目途に少子化対策基本方針を取りまとめることといたしております。
少子化対策を効果的に進めるには、ひとり政府だけでなく、職場、家庭、地域、学校など、それぞれの分野において問題意識を共通にして取り組むことが必要であり、このため広く各界からの御参加を頂いて国民会議を開催することにいたした次第でございます。
皆様方におかれましては、それぞれの立場から少子化への取組みを進めていただくとともに、各界相互に情報を交換しながら、広く国民に対して情報を発信していただくようお願い申し上げます。
国民会議と政府の取組みによりまして、夢ある家庭づくりや子育てができる環境整備が一層進められるよう、委員の皆様方の御協力を切にお願いいたす次第でございます。
実は私、つい先立ってケルンの8か国先進国サミットに出席をいたしました。同時にレイキャビック、すなわちアイスランドでございますが、そこで開かれました第2回日本・北欧首脳会談に出席をいたしてまいりました。諸々の政治経済問題はもとよりでございますが、私が実は関心を持ちましたのは、北欧における人口問題でございまして、厚生省のパンフレットの3ページにございますように、合計特殊出生率の推移が書かれておりますが、この資料によりますと、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、北欧5か国のうちの3か国でありますが、1980年は1.68、1.73、1.54が、現在、これは年次がまだ95年、94年でありますが、1.74、1.87、1.81と、実は上昇しているわけであります。私自身は、いわゆる北欧というものは、女性の皆さんが男子同様に職業を持ち、また活躍の場が多いということもありますし、それを促された所以のものは、消費税のかなり高い税率でありまして、大体低いところで20%、高いところで25%の付加価値税を持っているところでありまして、こうした税負担に耐えかねるということで男女が共同で働かなければならぬと、こういうことも北欧においては出生率の低下につながっているのではないかと思っておったのでありますが、この数字が示すように最近は上昇しております。
私非常にこの点について関心を持ちましたので、諸外国の首脳の皆さんともお話をいたしました。その折、例えばグリムソン・アイスランド大統領に伺ったところ、北欧諸国で少子化傾向に歯止めがかかったのは、30代後半、40代の夫婦が子どもをつくるようになったことが大きく影響しているとのことでした。社会全体で経済的に潤い、余裕ができたことを一般的背景として、特にこの世代が家計的にも社会的にも安定し、若いときほどあくせく働く必要を感じなくなったときに、物質的な豊かさに加えて、家庭という精神的な豊かさを求めるようになったことの証しであるというのが、私に対する大統領の説明でございました。勿論、日本のように1億2,000万を超える国民と、アイスランドは25万人くらい、ほかの北欧諸国も数百万人くらいの人口規模ですから、必ずしも同様には考えられません。しかし、先ほど鷲尾さんもいろいろおっしゃられましたけれども、求A物、時間と同時に、精神的な満足感を求める動きが現れているようでございます。もちろん、こうした国々で30代後半から40代にかけての出産、これは医学的にもかなり可能性の高い時代でありますが、その背景にあるらしい、そういうことを考えると、いろいろなことを教えられて帰ってまいりました。
ここで示されるように日本の国も、2100年は6,700万人になってしまって、私自身も生きている時代ではありませんが、しかし、これは国家として考えるのか、世界として考えるのかどうかわかりませんけれどけも、世界中が全部人間を除く動物で終わってしまってもいけないわけでございますので、私はそういう意味で、北欧5か国、この間参りまして、いろんな貴重なお話を聞きまして、改めて今日この席に出席をさせていただいておるという感じがいたしております。
今後とも日本における少子化問題、いかに考えていくかということにつきまして、改めて貴重な御意見を承りながら、また、その中で政治として取り組まなければならない課題につきましても、いろいろと御提言等を頂戴できればありがたいことだと思っております。
最初でございましたので、いささか長くなりまたが、御挨拶に代えたいと思います。よろしくお願いします。
【宮下厚生大臣】総理から直にこの前の外遊の成果を御披露いただきまして、大変有意義だと思います。
続きまして、先ほども申し上げましたように、小椋委員と鈴木委員のお二人からお話をいただく予定にしております。
小椋佳委員は、銀行勤務のかたわら音楽活動を続けられまして、平成5年に銀行を退職され、母校の東京大学に学士入学され、一普A子どものミュージカルをプロデュースされるなど、幅広い分野で御活躍されていらっしゃいます。
また、鈴木光司委員は、『リング』『らせん』などのベストセラー作家でいらっしゃいます。御自身を文壇最強の子育てパパと称せられ、著書の『ママとパパに聞かせたい27の話』などを通じまして、男性の家事、育児参加を積極的に訴えていらっしゃいます。
また、岩男委員同様、有識者会議に御参加いただいております。
それでは、小椋委員からお話をいただきたいと思います。
【小椋委員】先ほど申し上げましたとおり、私は具体的な推進活動にどれほど力が尽くせるのかよくわからないし、この国民会議、そもそも委員になる資格があるのかどうかわかりませんが、個人的なことからお時間を頂いたのでお話ししますと、私の家は息子が2人でございます。勿論、息子が2人いるから呼ばれたわけじゃないんでしょうが。
今のお話の中で言うと、大体活動の1つとして、十数年になりますが、毎年関東地区で5歳から15歳のお子様、1,000人ほど毎年新しい方々にお会いしております。オーディションという形が多いんですが、その中から数十名、才能のあると認められる方に残っていただいて、その方々と半年間、歌、踊り、芝居の特訓という形での生活を共にして、毎年夏休み、まさにこの夏もそうですが、全国の子どもたち数十名が主役を務める演劇を全国で公演させていただいている、そういう運動をしてきたものでございます。その過程で自分の子どもたちではないわけですが、いかに子どもたちの生命力がすばらしいか、あるいはその才能がすばらしいかを痛感してまいりました。
長いことやってきたことが成果なんでしょうが、オーディションに受かることを目標にまた新たなお子さんたちがさらなる自己啓発というか自己訓練をした上で翌年のオーディションに来てくださる。十数年前ですと、1,000人お会いしても3人使える子がいるかいないかという状況でしたけれども、今は1,000人お会いすると300人程度が集まる方の中で既に使えるというレベルで、ありがたいことでございます。
その延長線でお話させていただくと、教育という言葉がありますけれども、こういう舞台をつくっていますと、教育というのは普通大人が子どもたちを教え育てるという言葉で使われるわけですが、現実に創造の現場では、子どもたちによって、あるいは若者によって年上の者が教わり、育つということが非常に多うございまして、極めて細かい具体的な例ですが、そこで3回回転してみなさいというと、変に知恵が付いた人間は、クラシック・バレエの踊り方で皆さん御存じでしょうけれども、首を固定化し、胴体を先に回して、ぎりぎりになってから首を後から回すという踊り方を必ずやるわけです。そういうふうに教え込まれているわけです。今3回回ってごらんなさいというと、首と胴体を一緒に回します。無垢の子ほどそうします。妙な教育を受けていないほど。その方が実は人間の回転としては美しいわけでございます。
三半器官が弱い大人が編み出した踊り方が後から首だけ追いかけて回転させるという踊り方でありますが、それを見た振り付けの先生が始め、あっ、この方が本当は美しいんだということに気がつく。人間の創造というのは人間技ですから無から有は生まれないわけで、必ずそういう土台、素地があって、創造的なことが実は生まれてくるんだろうと思いますが、先ほど申し上げました生命力とか、才能とか、創造性ということを考えても、今回話題になっています逆ビラミッド型の人口構造というのは決して好ましくない。
話を広げますと、先ほど経済的な理由、特に労働力の減少とか市場規模の縮小というお話もありましたけれども、自分が思いますに、21世紀の日本社会、あるいは日本人のテーマとして、間違いなく欠かせないキーワードとして創造性ということがあると思います。明治以降、以前のマネビ文化がむしろ主役だった日本社会という考え方を私1つ持っておりますが、21世紀はそういう意味でもマネビから本当の学びへ、あるいは真似から創造の時代が来ると思うと、ますます若者、子どもたちの占める割合が維持されるということは非常に大切だなと痛感しております。
ただ、いろんな有識者会議の御提言、大変多岐にわたって、それぞれすばらしいと思うんですが、1つ、こういう視点もあるかなということをあえて申し上げますと、言ってみれば、結婚するよりしない方がいいとか、あるいは子どもを持つより持たない方がいいという、非常に漠然とした意識というか、漠然とした価値観が今あることも事実だろうと思うんです。
この体験というのは、我々日本にとって過去何回もあったかというと、そんなことないんだろうと思うのです。今、若年期、中年期をそういう価値観で生きて未婚のまま、あるいは子どもを持たないまま年を取ってどうなるかという社会的な体験をまだきっとしていないんだろうという気がするんです。2100年に人口は半減してしまうという見通しをお伺いしたんですが、社会的に多くの方々が未婚のまま、多くの方々が子どもを持たないまま人生の終盤を迎えるという社会的な体験をまだしていないと思うんです。
その中で今ある漠然とした一定の価値基準が横行している。一回体験したときに、さあ、それを見たときの若者、若年層が、やはり結婚しない方がいい、自分の人生プランとしてしない方がいいと思うのか、子どもは持たない方がいいと思うのか、それも一回見てみたいなという気がしております。
そうは言っても、その結果としても、持たない人間たちの方が幸せだという話になると手遅れでしょうから、そういう視点も踏まえつつ、そんなことも待たずに諸施策を、これだけ多岐にわたって本当にみんなできるんだろうかという気もしますが、是非できるものからやっていくことに大賛成でございます。
いずれにしても、拝見すると制度面の変更も含めて、お金も大変かかることであろうと思いますが、例えば企業さんなどにとってみれば、あるいはこれに掲げてありますのは、相当コストアップとか収益性のダウンにつながることもお書きになっているようですから、本当にここら辺を実行するには、いろんな意味での資本・資金が必要だなという懸念も実はございます。
それから、もう一言だけ言わせていただくと、これも別の観点かもしれませんが、時代の流れが、私より前の世代の皆様は、どうも頭でっかちだったなという感じがしているんです。身のことが処せないまま日本の将来とはとか、社会全体を考えるということを一生懸命考えて動いていた時代がどこかにあったかなと思います。
当時を頭でっかちの時代だとすると、今の若年層を見ると、どうも頭せっかちの時代かもしれない。目の前のよさそうなこと、目の前のとりあえずおいしそうなもの、割と望遠鏡のようなものを見て物を考えるということに不得手な時代に今来ているのかなと。
そこへ持ってきて、日本社会にとって子どもが少なくなることは問題だとか、社会構造上不都合が起きるというのは、実はそういう層には説得力を持たないという感じがいたします。もう少しイメージ戦略として、子どもを持つことはすばらしいんだとか、結婚生活というのはすばらしいんだということを、具体的に、あなたにとってすばらしいんだということをどう広報、啓蒙で訴えていくかという具体的な施策が必要だろうという気がしております。イメージ戦略と言ってしまえばそれまでですが、プラス具体的に現実にいろんな制度変更を起こして、今、起きている現実の結婚したり、子育てをすることに対する不都合を解消してあげる制度変更とか、その辺も具体的に進めていくという両面が必要なんだろうと、そんな思いがしております。
長くなりましたが、以上です。
【宮下厚生大臣】続きまして、鈴木委員からお願いします。
【鈴木委員】私は実は初恋の女性と結婚しまして、結婚したばかりから非常に仲がよかったんです。二人の生活だけで非常に楽しいものですから、子どもを持たなくても、このまま二人で暮らしていくのも楽しいかなというふうにも感じました。そんなふうに感じているときにある人から言われました。鈴木君、子どもが生まれると、それ以前の生活が信じられないくらい絶対こちらの方がいいんだよというふうな、アドバイスというわけではないんですけれども、そんな言葉を聞いたんです。そうか、子どもがいる生活というのはそんなに楽しいのかと思って、じゃ、つくってみようかということで生んでみました。そうしたら、そのとおりだったんです。私、子育てをしていて、最初のうちはわからないことがいっぱいあって、手探り状態、最初から楽しくはなかったです。でも、子どもとの絆ができていくうちに、非常にこの子どもがかわいくてしようがない。それから、家庭生活が非常に豊かになって、やっぱりその人が言ったとおりに、子どものない生活というものが考えられなくなってしまったんです。
そして、二人目を生んでから思ったのは、一人よりも二人の方が絶対に楽だということです。上が女の子だったものですから、面倒くさいことは上の長女にやらせればよいと考えて、4歳年が離れていたものですから、女の子というのは非常に下の妹の面倒などを見てくれます。ちょっとだっこをしていてと言えばだっこをしていてくれます。
二人いると楽なのは、ある程度子どもが大きくなってから、夫婦でたまに映画を見に行こう、あるいは芝居を見に行こうとなったときに、二人だったら留守番をしてくれるんです。ところが、一人だと、パパとママ行っちゃいやだということになってしまうと思います。私は絶対二人以上いた方が、子育ては楽だというふうに大きな声で言っていきたいと思っているんです。
この前、先ほどもおっしゃった方がいましたけれども、NHKスペシャルで少子化問題を扱った番組がありまして、私はそれにゲストとして出演させてもらいました。そのときに一般の方で結婚に余り意欲のない方、今独身の方ですね。それから、もう結婚しているんだけれども、子どもはつくらないと決めている方とか、あるいは結婚して子どもがいるんだけれども、一人で十分だと思っている方とか、そういった一般の方が30人か40人くらい集まってくれたんですけれども、彼らの話を聞いていて非常に思ったのは、現状維持だなということだったんです。
一昔前、私の両親の世代だったりすると、男も女も結婚せざるを得ないという、ほかの選択肢がないという状況だったと思うんです。要するに、男は身の周りのことができない。要するに、自分の食事もつくることもできない。女性は経済的な自立というものが奪われているということになると、この二人がカップルになって、家庭生活を進めていくのが一番合理的である。ほかに余り選択肢はない。要するに結婚しないと不都合な状況だったと思うんです。
ところが、今はファミリーレストランはいっぱいあるし、コンビニはどこにでもある。男で一人で暮らしていこうと思ったら平気でできてしまう。女性もまた経済的な自立というものをほとんど手に入れてきたとなると、結婚という選択肢をあえて採る必要はなくなってきたわけです。採らなくても、一人でもかなり快適に生きていくことができる。あえて結婚する必要はなくなってしまった。その中で、では結婚のメリットを提示できるかというのが非常に大きな問題だなと思ったんです。
みんな聞いていると、今の生活を変えたくないという漠然としたニュアンスを感じました。今、一人で生活しているけれども、何の不自由はないんだと。結婚したらこういう悪いことがいっぱいあるんじゃないかとかなり危惧しているわけです。結婚したりとか、子どもができてということは、非常に自分の人生の足を引っ張るものではないかと危惧している。私のことを考えると、私も結婚したときには子どもがいなくてもいいやと考えていた。ところが、ある知人の、子どもができればそれ以外の生活は考えられなくなるという言葉に触発されて、私は子どもを生みました。
それから、私がここでできるのは、そういった言葉で社会にどんどん発信していくことです。結婚は人生の墓場ではなくて、結婚は人生のパラダイスだと私は言い切ってしまいたいと思っています。そう言い切ることが大事だと思います。
それから、結婚して子どもが産まれたら、パラダイスに虹がかかるようなものだと。この前、厚生省の主催のシンポジウムに出たときに、こういった話をして、未来は明るい、この明るい社会にどんどん皆さん子どもを産んでくださいと言いましたら、何の根拠があってそういうことを言うんだと。根拠はありません。今がいいのか、あるいは過去の時代の方がよかったのかということを測るような根拠はどこにもありません。ただ、全く無根拠でありながらも、私は自信を持って、そういった言葉をみんなの前に提出していきたいと思います。その言葉によって、一人でも暮らしやすい生活をずっとキープし続けるのではなくて、私は生活はもっとダイナミックにいろいろ変わっていった方がいいと思うんです。そういった新しい生活に一歩乗り出すきっかけになる言葉をどんどん発信していければ、自分がこの場にいる意味があるのではないかと思っています。
どうもありがとうございます。
【宮下厚生大臣】小椋委員と鈴木委員の貴重な御意見でございました。
それでは、時間が大分経過しておりますので、この辺で取りまとめをしてみたいと思いますが、岩男委員からの問題提起とか、今、小椋委員、あるいは鈴木委員からのお話を受けまして、今後の少子化の対応の推進に関しまして、他の委員の先生方からどのような取り組みが必要か、御意見がございましたら、ごく短時間、5分程度にさせていただきますが、御意見が特にある方はお述べいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
【長尾委員】鈴木委員のお話、面白く、興味深く聞かしていただきました。しかし、現実の生活をしている人間にとっては、やはりそういう楽しさの中に苦しみも現実にはあって、そういう現実の苦しみに、凡人というのはやはり負ける部分が大きいと思うんです。その苦しみとは何かというと、子どもを育てるということはものすごく大変なことで、かつ、そのために経済的な負担というのが、両親は若いですので非常にかかってくると。それを社会的に考えていく必要というのは私は絶対にあるんじゃないかと思います。
子育てというのはものすごく楽しいんで、その楽しさを本当に実感できるためには、それを支えてやる社会全体の仕組みというのを、その保育対策もそうだと思いますし、いろんな対策があると思いますが、それを考えていって、本当に楽しみを若い方に味わっていただけると、そういうことが併せて必要なのではないかということを是非お願いしたいと思います。
【宮下厚生大臣】それでは、大変恐縮でございますが、もっともっと御意見を頂戴したいんですが、時間の関係等もございますので、今日は意見交換をこの程度にさせていただきます。
討議事項につきましては、これで一応今日のところは終わらせていただきますが、本日は本国民会議としての少子化への対応の推進に向けました取組み方針について確認し、そして、委員の皆さん方から少子化への対応に関しまして、具体的な取組みの進め方に対するいろいろな貴重な御意見を頂きましたが、いろいろ課題が多く、長い取組みが必要かと存じます。本日のこの会議を第一歩といたしまして、国民的な広がりのある活動となることを期待したいと思います。
先ほど総理からも申されたとおり、政府としましても、少子化対策の推進に積極的に取り組んでいくこととしておりますので、皆様方の取組みと連携を十分取りながら、これを推進させて頂きたいと存じております。
今日は、予定の時間でございますのでこれで閉会とさせていただきますが、なお、次回は委員の皆さん方から合意いただきました取組み方針に基づきまして、それぞれのお立場での少子化への取組み状況などを報告していただきたいと思います。
また、政府の取組みにつきましても、この席で御報告させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
なお、今後は冒頭に合意いただきました取組み方針にもありましたとおり、幹事会なども開かせていただきながら、具体的な取組みを進めていきたいと思います。次回の国民会議の開催につきましては、その状況を見ながら、改めて事務局より御連絡をさせていただきたいと存じます。
以上をもちまして、本日の会議は終了させていただきたいと思いますが、本日は御多忙のところ、御出席をいただき、本当にありがとうございました。