○狩野厚生労働副大臣
ありがとうございました。ただいまの発表に対する御質問等のお時間は後ほど取らせていただきまして、次に進めさせていただきます。
続きまして、去る1月30日に公表されました日本の将来推計人口についてと、厚生労働大臣が主催する有識者による懇談会、少子化社会を考える懇談会についての説明、更に冒頭の坂口大臣のごあいさつの中でも触れられておりました小泉総理の坂口大臣に対する今後の少子化対策に関する御指示の内容につきまして、事務局からその概要を御説明させていただきます。
○厚生労働省石本政策統括官
政策統括官の石本でございます。お手元の資料の3、日本の将来推計人口、本年1月推計でございますが、1枚おめくりいただきまして、人口でございますけれども、2年前の国勢調査に基づきまして今回推計をいたしました。既に、もう御案内かと思いますが、今回の推計結果では、特に、少子化がいっそう進展するということでございまして、前回の私どもの中位推計1.61に対して、今回の合計特殊出生率1.39ということでかなり低い数字あるいは少子化のスピードが早いという数字が出たわけでございます。50年後でございますが、お生れになるお子さんは1年間で67万人ということで、現在の約半分程度になるだろうというふうに推計させていただきました。
1枚飛びまして3枚目ですが、今回の人口推計に当たりまして、最近の状況をフォローしたわけでありますが、上の図は出生コーホート別平均初婚年齢、それから生涯未婚率をとったものでございますが、ごらんいただきますと、最近のこの5、6年の状況が白丸で書いてございますが、下の方で平均初婚年齢を見ていただきますと、大体27か27.5で、壁に着き当たっているといいますか、初婚年齢、晩婚化のスピードが落ちている。一方で、左の方に生涯未婚率と書いてございますが、生涯未婚率が上の方に上がってきているということが1つの傾向でございます。
それから、下の図でございますが、これは上の実線が35歳到達時点の夫婦の奥様の年齢のそのときにお生みになっているお子さんの累積出生児と申しますか、その下は、30歳のお母さんの累積出生児でございます。この実線は、従来の晩婚化によるモデルによってはじきましたところ、実際の黒丸は、そのモデルの下にある、これは35歳のものでございまして、下の方は30歳でございますが30歳もやはり晩婚化によって、子どもさんが少なくなるよりも更に少なくなっている。これは、ひるがえって言いますと、晩婚化、結婚されても子どもさんの数が少ない、結婚されても出生される子どもの数が少なくなっているというのが、大体35から40歳ぐらいの傾向として出ましたので、これをもって今回かなり厳しい推計をいたしたということでございまして、これは従来の晩婚化では説明できない現象だというふうに見ております。
これを踏まえまして、先ほど坂口大臣からお話ございましたが、資料の4ですが、「少子化社会を考える懇談会」というのを、大臣の御指示に基づきまして立ち上げまして、特に30代、40代の若い男女、約半分ずつの方々にお集まりいただきまして、特に最近の少子化の要因というものをどう見たらいいんだろうか、それから、現在、さまざまな取り組みが行われているわけでございますが、どういう取り組みが本当に実効性があるんだろうかということをざっくばらんに御意見いただいて、これを参考にして先ほど大臣お話のとおり9月には中間的な御意見をまとめていただきまして、それを踏まえて厚生労働省において各省分も含めてメリハリのきいた方向性みたいなものが出せないだろうかということで議論をさせていただいております。
資料の6でございますが、総理から先ほど、坂口大臣が申されたとおりでございまして、総理の方から5月21日に、このような御指摘がございまして、大臣の下でさまざまな検討を現在行っている状況でございます。
○狩野厚生労働副大臣
ただいまの小泉総理から坂口大臣への御指示に関することや、先ほど発表いただいた取り組み状況に対する御質問など含めて、少子化の対応に関して、御自由に意見交換をお願いしたいと思いますけれども、限られた時間の中で、大変申し訳ないんですが、5分間ぐらいしか時間はないんですけれども、もし、何か御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
○長尾委員
少子化の原因というのは、いろいろなものがあると思うのですが、子どもを産み・育てる目的を考えてみますと、やはり一つには従来の伝統的な考えでは、家を継いでくれるとか、自分の老後を子どもによって養ってもらうとか、そういう考え方が、伝統的な社会の中にはあって、そして子どもを育てるのに両親とも大変苦労するわけですけれども、その目的のためには、その苦労をいとわないでやってきたという経緯があることは事実だと思うんです。
現在、厚生労働省で御検討になっておられる対策の多くは、子どもを育てるということについての苦労を軽減すること。例えば、保育施設を利用しやすいようにする。それから、経費について助成をする。そういう方向にシフトしておられる。これは当然だと思うのですけれども、子どもを育てるということが、その人にとって楽しみとか、そういうことだけに終わっている社会というのが背景にあるということを、冷静な意味で認識する必要があるんじゃないかという気がいたします。
この厚生労働省の今度の懇談会の中に年金局長も入っておられるようですが、従来の自分の家業を継いでくれるとか、自分の老後を子どもによって支えてもらうとか、そういった非常にリアリスティックな言い方をすれば、人間社会の持っていた基本的な扶養の構造というのを、現在の社会では年金が置き換えているわけです。そのことを、冷静に考えていく必要があるんではないかということを思うわけです。
その意味は、子どもを産まない人に年金を払ってはいけないということを言っているわけではないんですけれども、今後の社会の中で、年金制度について、子育てというものを配慮していく要素を入れていただくということを是非検討してほしいと、私はそれを強く思っております。
それは、例えば給付の面、保険料の面、いずれの面でも考えられることではあると思うんですけれども、やはり子どもを育てるということが、現実的なものとして従来考えられてきたという要素を無視して、子どもはかわいいものだと、子どもは家庭にとって必要なものだという要素だけを考えていくということに、非常な危さを感じる。幾らうれしくても、それくらいの費用だったら自分は自由な生活をした方がいいと、自分の老後は年金で保障してくれるんだからというのが現実の、今の若い人たちの考え方ではないかという気がいたします。
その点につきまして、もし考えておられないのならば考えていただきたいと思います。
○狩野厚生労働副大臣
ほかに何か御意見ございますか。
○清水委員
ただいまの長尾委員のお話に全く同感で、フランスが出生率がぐんと下がったときに何をやったかと言えば、今お話が出た、子ども一人当たりの給付額をぐんと増して、これでもって出生率が急速にアップしてきた、やはりそれなりの子育ての目標というのが、今お話があったようにちょっと違ってきている、子育てプラス、これは収入というふうに考えてはいけないかと思いますけれども、ある程度、休業して、その代償には十分なり得るというような給付がなされるという状況がフランスの場合には行われた、という今までの歴史がございます。
私は、先ほど山本委員がお話しになったいろいろな形での給付に大変お金を掛けていらっしゃると思うんです。そういうのをもうちょっと多様な子育ての仕方をしている過程ですから、多様なニーズがあるわけなので、それに応えるには、もとを与えて、多様に消費していただく、ということが私はいいのではないかと、これが一番手っ取り早いというような、大変軽率的なお話で申し訳ありませんけれども。
○狩野厚生労働副大臣
どなたか委員の方、御意見ございますか。
私、先ほど5分間と申しましたけれども、ちょっと予定を変更しましたので、あと2〜3分はございますので、どうぞ。
○大窪委員
社団法人日本PTAという全国組織の1,100 万会員のところなんですけれども、報告書の中には、楽しい子育て全国キャンペーンということで、子育てというのは楽しいものだよということを再確認しようということで、一部、長尾委員さんと、楽しいところだけではないよという意見もありますけれども、やはり、いろいろなシンポジウムを通しまして、大学生とか今二十歳前後の子どもたちもパネラーに招いて、自分たちが育っていった中で、今の親の姿を見て、子どもにこびていたり、子どもの言いなりになっている親を見ると、どうしても自分が家庭を持ちたいという思いにならないんだとかいう話を聞きます。そういう意見もどんどん吸収しながら、親が、しっかりと自分の子育ての中でも、自分の時間をしっかり持ったり、社会人としての意識を持って、生き生きとしている姿を見せることによって、将来、自分も家庭を持ちたい、そして子育てしてみたいというようなパワフルな親であるために、ということで一部で活動しています。
そういう経済的な支援もあるかと思いますけれども、やはりそういった私たちが今、子育てしている中で、将来、子どもたちが家庭を持ちたい、そういう思いを持てるようないろいろな施策があるかと思いますけれども、一方的なそういった精神的な支えとか、子どもたちに夢あるような活動ということでは考えております。
そういう中で、いろいろな団体が自分のできることをしっかりと認識しながら、そして、連携してやっていくということが一番大事だと思います。すぐ数字が行って、すぐ数字を期待するほわけではなくて、長期的スパンで考えなければならない大きな問題だと思いますけれども、今、そういう形で、どこの団体も取り組んでいるということをしっかりと確認した中で、情報交換しながら頑張っていきたいというふうに思っております。
○狩野厚生労働副大臣
ありがとうございました。
まだちょっと1分ありますので、大臣、何かコメントございましたら、お願いいたします。
○坂口厚生労働大臣
いろいろな御意見を聞かせていただきましてありがとうございました。
今まで我々の頭の中にあったような固定的な考え方ではなくて、もう少し幅広く考えていかなきゃいけないというふうに思っております。
1つは、笹森委員からも人間の生き方のお話が出ましたけれども、確かに生活の在り方そのものを変えていかなければならないし、やはりその中で男性の生き方を変えていかないといけないのかなと、私は率直にそんな気がいたしております。
お子さんの気持ちの中には、お母さんの姿を見ているときがかなりあるわけでありまして、そこには、男性の生き方がかなり関わってきているというふうに私は思っております。ですから、女性の生き方もさることながら、男性がどういう生活をしていくかということをもう少し考える時代にならないといけないのかなという気がいたしております。
もう一つは、長尾委員から年金のお話を出していただきましたが、年金の改定は再来年よりやらなければならないので、来年は年金の考え方をまとめなければならないということになりまして、今、着手をしているところでございます。その中で、どういう形がいいかわかりませんが、高齢者と年金というだけではなく、子育てと年金というところにもう少し着手ができないだろうかといったようなことを年金局長さんとお話しをしているところでございます。
それはいろいろなタイプがあると思います。フランス辺りも、先ほどお話が出ましたとおり、保険料をその間免除したりもいたしておりますし、あるいは実際に年金でカバーしたりもいたしておりますし、それがどんな形がいいのか、やり方はいろいろいあるんだろうと思いますが、やはりそうしたことも少し考えに入れながら、1つのことではなかなかいきませんので、幾つもの道を組み合せて行く以外にない。1つの何か特効薬的な方法はないと思っておりまして、いかに幾つかのことを組み合せるかということが大事ではないかというふうに思っている次第でございます。
今日は、いろいろの御意見をちょうだいをいたしまして、ありがとうございました。お礼申し上げたいと存じます。
○狩野厚生労働副大臣
そろそろ時間もまいりましたので、国民会議の全国キャンペーンの実施状況と政府の取り組みにつきましては、報告を省略いたしまして、後ほど資料をごらんになっていただきたいと思います。
本日は、国民会議参加団体の取り組み状況について発表していただき、また、大変参考になる御意見もいただきました。ありがとうございました。
当会議における議論を聞いておりますと、急速な少子化の進行は、社会保障を始めとして、社会経済全体に影響を及ぼす大きな問題であるとの認識をまた改めて感じたところでございます。この少子化の問題に関しましては、幅広い観点から対策を講じていく必要があると再認識いたしまして、今後、積極的に関わっていく決意をした次第であります。また、その実効を上げていくためには、皆様方の御協力は不可欠であり、今後とも少子化への取り組みについて、おのおのの立場で積極的な取り組みを進めていただきますよう、お願い申し上げます。
最後に、当国民会議におきましては、現在、厚生労働省を中心に検討している今後の少子化対策についてある程度まとまった段階で、政府側の考え方を御説明申し上げ、また、協力をお願いすることが必要になってくるものと思われます。今後、そのような場を設定させていただくこともあるかと存じますので、その際はよろしくお願いいたします。
以上をもちまして、本日の国民会議は、これで終了させていただきます。本日は御多忙のところ御出席いただきありがとうございました。
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