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○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
それでは続きまして、全日本私立幼稚園連合会会長の三浦貞子委員からお願い申し上げます。
○三浦委員
ご報告させていただきます。
私立幼稚園は、具体的な活動としては、昨年度と同様に行っております。
一つは、本連合会発行の保護者向け機関誌などを通して子育てサポートをしております。また、子育て支援は親育てという視点から、公開講座の開催やサークル活動の場の提供を行っております。また、保護者の要請に応じて、預かり保育も実施いたしております。
未就園児の子育ての親同士が出会える場や学びの場を設けるなど、交流の場を提供しております。中高生の保育体験の受け入れ、また小学生との交流を積極的に進めております。
6番目は、全国9地区の研修会を実施しております。
今、私立幼稚園はこのように取り組んでおります。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、日本経済団体連合会常務理事の紀陸孝委員代理からお願い申し上げます。
○紀陸委員代理
恐縮でございますが、お手元の資料6の後に、日本経団連の提出資料ということで「子育て環境整備に向けて」というコピーがございますので、ご覧いただきたいと存じます。
この頭にございますように、子育て環境整備の中で、特に仕事と家庭の両立支援、保育サービスの充実、こういう問題に焦点を当てさせていただきまして、今年の7月に日本経団連として報告を取りまとめました。
日経連と日本経団連は、昨年の5月に統合いたしましたけれども、以前からこの両団体はいろいろな取組みをしてまいりましたが、統合後、第1段階の行動といたしまして、特にここにございますように、仕事と家庭の両立支援、保育サービスの充実という問題に向けて焦点を絞って、子育て環境整備に向けて経営側として取りまとめを行ったというような経緯でございます。
今年の7月でございますが、この内容につきましては、この委員会はJR東日本の大塚社長が所管をされておられますが、この7月の取りまとめ後、坂口厚生労働大臣にもお伺いをさせていただきまして、ご説明申し上げたところであります。
お開きいただきまして3枚目のところに提言ということで、1枚の概要の図が出てございますので、ご披見いただきたいと存じます。
基本的な問題意識は一番上のところでございますが、社会全体として、企業として、子育て環境整備の必要性をともに感じて取り組まなければいけないというスタンスでございますが、その下に、具体的に企業が取り組むべきこと、社会全体が取り組んでいくことと、大きく2つ枠を設けてございます。
企業が具体的に何をすべきか、企業に働く女性の方々がたくさんいらっしゃいますものですから、企業がやるべきこととして、仕事と家庭の両立のために、まず企業における意識改革が必要であろうと。左の箱の提言1でございますが、職場の固定的な、実際には性別役割分担意識というのはかなり多うございますので、これを払拭していかなければいけないという姿勢であります。
さらにその、提言の右肩の2でございますが、いろいろな制度を、きちんと女性が働きやすいように選択肢を設ける、労働時間ですとか就労の場所ですとか育児の問題、そういう点に向けて、今でも制度はございますけれども、これをもっと一段と柔軟に運用していくという姿勢が必要だという、それを示させていただきました。
その下に、社会全体が取り組むべきことということで、これはこの下に、保育サービスの充実とございますけれども、基本的に現行の保育に欠ける児童の保育、それに加えて、保育を希望するすべての人たちのニーズにこたえる、先ほど佐々木委員からお話ございましたけれども、このような認識に立って、ここでは提言の1と2という形で、2段階で保育サービスの改善の問題を提言させていただいております。
提言の1としては、現行の制度を段階的に変えていく、一つは、認可保育所制度の規制改革、2は地方公共団体独自の認定制度の拡大、3は利用者のニーズから発想した新たな仕組みの導入、4としては、事業所内託児施設への支援、複数の企業が連携して託児所の設置に努めるというような発想であります。
さらに、一番下の提言2といたしましては、この保育所制度自体の抜本改革が必要ではないかという一歩推し進めた提言をさせていただいております。
具体的には、この認可保育所制度を廃止して、第三者の客観的な評価に立った事後規制への転換をしていくというような形でもって多様な保育所制度を拡充をしていく、従来と発想を改めてやっていただいてはどうかというようなことを提言させていただいております。いろいろな観点から、ご批判も賜りながら、企業としてもいろいろな取組みに努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
最後に、日本労働組合総連合会副会長の植本眞砂子委員代理からお願い申し上げます。
○植本委員代理
よろしくお願いをいたします。
連合の取組み状況につきましては、お手元の資料の5ページ、30ページ、31、32、39と、それぞれの項目ごとに取組みを示させていただいておりますので、後ほどお読み取りをいただきたいと思います。
連合としてはこれまで労働を中心とした福祉型社会の実現を目指して、少子化への対応としては、男女共同参画推進の立場から、職場における仕事と家庭の両立支援のための環境整備に取り組んでまいったところでございます。
先ほどご説明がございましたように、次世代育成支援対策推進法が成立いたしまして、地域と職場における次世代育成支援のための行動計画の策定が定められ、特に、労働者301人以上のすべての企業に計画策定が義務づけられたという点について、連合としても、これまでの両立支援の取組みを一層進めていく基盤ができたかなと喜んでいるところであります。
今一段の取組みを進めていく、特に男性も含めた働き方の見直しを進めていく非常にいい機会であるというふうにとらえて、積極的に計画の策定を進めていく決意を持っております。策定が努力目標となっています労働者300人以下の企業におきましても、計画策定を推進してまいりたいと考えているところであります。
今後の具体的な取組みといたしましては、2004年の春季生活闘争の重要課題の一つとして取り上げさせていただき、事業主に対しては、行動計画策定のための協議の場を求めていくということを始めとして、労働組合が積極的に策定を推進する方針を連合の機関会議でも確認をする予定としております。
同時に、計画策定の取組みを進めるために、連合として行動計画の手引き書、マニュアルをつくってまいりたいと考えています。そして、それぞれの傘下の構成組織が、そのマニュアルに基づいてそれぞれの産業別組織の実情に応じた計画をつくっていけるような、そのようなことを進めてまいりたいと考えています。
今日は経営者団体の方からも意見表明がございましたけれども、ぜひとも行動計画策定に、ともに労使上げて積極的に取組みを進めさせていただきたいと考えています。
さらに、事業主団体については、次世代育成支援対策推進センターの設置・運営が期待されているところでもあり、その意味からも経営者団体の取組みは大変重要だと私自身も認識をしています。ともに労使で、よりよい形での行動計画を策定し、そして少子化への対応をますます進めていけるように努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
ただいま4名の方からご発言をいただきましたが、これらの議論につきましても、後ほど一括してお願いを申し上げるといたしまして、次に進めさせていただきます。
当国民会議の取組みとしまして、平成14年度及び15年度に実施、または実施予定の少子化への取組みについての全国キャンペーンの概要につきまして、事務局から報告をいたします。
○伍藤雇用均等・児童家庭局長
資料6についてでございますが、当国民会議の取組みといたしまして、家庭や子育てに夢を持つことができるようにするための環境整備を地域、家庭、職場、学校等で進めていくことを呼びかける全国キャンペーンを平成12年度から実施しているところでございます。
まず、平成14年度の取組みでありますが、少子化対応推進全国フォーラムといたしまして、長崎県佐世保市において開催いたしました。
当会議委員の鈴木光司氏に基調講演及びシンポジウムへの参加をお願いしたところでございます。
地方フォーラムは、岩見沢市、東京都港区、大阪市、福岡市、熊本市の5カ所で実施したところでございます。
また、少子化対策等につきましてわかりやすく説明したリーフレットとパンフレットをお配りしておりますが、各自治体、フォーラム等を通じて、幅広く配布しているところでございます。
平成15年度の取組みでございますが、14年度と同様に中央フォーラムと地方フォーラムを5カ所で予定しております。
まず、中央フォーラムは、11月1日から2日にかけまして、愛知県高浜市において開催されました。また、地方フォーラムのうち、港区で開催されました子育て支援推進知事フォーラムでは5県の知事による討論が行われまして、少子化の流れを変える5県知事共同アピールというものが採択をされ、先日、坂口厚生労働大臣に報告をされたところでございます。
また、今年度は、男性の育児参加キャンペーンといたしまして、子育て層向けと、管理職向けの2種類のポスターを作成しております。あちらに掲示しておりますが、「パパはてんやわんや、ああ大変、ああ幸せ」と、「私は育児なしの父でした」をコピーとして使用しております。
さらにお手元にお配りしておりますが、子育てについて、男性33人の方のメッセージを掲載した小冊子「男の次世代育て」を作成いたしました。
当会議の委員であります、鈴木光司委員、堀田力委員のほか、本日ご欠席の赤井英和委員、小椋佳委員にも、執筆していただいているところでございます。
少冊子につきましても、今後、自治体や各経済団体等を通じまして幅広く配布していきたいと思っております。
今後も、フォーラムの開催などに当たりまして、各委員の皆様方にもご協力をお願いすることがあろうかと思いますが、何とぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
○坂口厚生労働大臣
それでは、今までの説明でございますとか、あるいは各委員からご発言をいただきましたこと等につきまして、皆様方からご意見がございましたら、自由にご議論いただきたいと思います。どなたでも結構でございますので、ご発言をいただきたいと存じます。
○岩男委員
先進的な取組みをしておられるところは、もちろんどんどん、一層の取組みを進めていただきたいと思うのですけれども、先ほど、小野大臣からも大綱の策定、あるいは局長からも一連の立法措置が来年度行われるというお話がございましたので、一つお願いがございます。新聞にも報道されておりましたけれども、ある学校法人が、産休や育児休業を取った女性の勤務を欠勤扱いにしてボーナスを全額カットした。それに対して最高裁がそれは無効であるという、全額カットはできないという判決が出たのですけれども、この学校法人も、働く女性が子どもを生み出したというので就業規則を変えてきているんですね、2回にわたって。
たまたまその判決があった日に、私の教え子から私は相談を受けました。大学に勤務する講師ですけれども、その大学で子どもを産んだ第1号の女性で、理事長兼学長から、二度とこういうことがこの学校にあってはならないといわれた。家庭と仕事の両立支援どころか、極めて陰湿ないじめが行われているというのが、実態としてあるのですね。
大学は、確かに少子化の結果、冬の時代で非常に困っているのですけれども、その結果、さらに管理がきつくなっており、その結果、また少子化が進むようなことをしている。いろいろな形で、子育て中の女性をやめさせようとしている。県の労働局にご相談をしたところ、労働局の方から何かしていただけるかもしれないし、場合によっては、文部科学省の方から何か指導というようなこともあり得るのではないかというお話だったんですけれども、就業規則に子どもを産み育てる女性たちが不利益になるような規則を書き加えるというような動きだけは、せめてやめていただきたいと思うのです。まだ、そういう状況のところが今日もあるということで、二つのケースが出てきたということは、恐らくほかにも、小さな大学では同じようなことが行われているかと思うのです。
ですから、こういうことも考慮に入れて、立法措置なり大綱なりをお考えいただければ大変ありがたいと思いますので、お願いをしておきたいと思います。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
関係して、ご意見がございましたらご発言ください。
○八代委員
今まで、少子化対策としてさまざまな政策が打たれているわけですが、やはり大事なのは、何が少子化の最も大きな原因かということを、きちっと押さえることだと思います。
確かに、子育てが楽しくないという人が増えている、だからその意識を改革しようということは非常に大事なことでありますが、たとえ子どもを持ちたいと思っても持てない人がたくさんいるわけであります。
それは一つは、子どもを持つコストが大きい、教育費とか、そういう問題もありますけれども、内閣府の経済財政白書等にも指摘されていますように、子どもを持つことの最大のコストは、実費よりもむしろ機会費用、つまり子どもをもつことによって、主として母親がフルタイムで働けない、場合によっては会社をやめなければいけない、やめると今度はパートの仕事しか、再就職先としてはない。そういう日本の雇用システムの現実があれば、なかなか子どもを持ちたくても持てないのではないか。ここが一番大きなポイントではないかと思います。
もちろん、政策には働くことと子育ての両立ということは書かれてあるんですが、具体的にこれを実現するような、例えば弾力的な雇用制度への転換というか、そういうことになりますと、また今度はいろいろな利害、対立が生まれて来る。結局、既存の制度とぶつかるような本来の少子化対策というのはなかなか進まないのではないか。そういう意味で、何が一番大事な少子化対策であるかということを、もっと明確に打ち出していただきたいと思います。
この点については、もう10年くらい前の人口問題審議会で明確に指摘されているわけですけれども、そこがなかなか実現しないというのが残念と思います。それが第1点でございます。
それから、先ほどご説明いただきました次世代育成支援対策のところで、児童福祉法の一部を改正する法律というのがございました。従来の児童福祉法における、保育に欠ける子の児童対策が中心であったのを、すべての児童の健全な育成を図るための児童福祉法へというのは非常に結構なことであると思いますが、これを徹底すると、例えばどういうことになるのか。
今、一部の学者の間で、ちょうど高齢者の扶養を社会的に担うという考え方から介護保険ができたように、子育ても社会的に担うという意味で、いわば育児保険という大胆な発想もあるわけですけれども、そういうような大きな政策転換ということも検討されているのかどうかというようなこと、2点をお伺いしたいと思います。
○伍藤雇用均等・児童家庭局長
2点お尋ねがありましたが、1点目は大変基本的な問題でありまして、今後どういったことを政策として具体的に打ち出していくべきかどうか、少し具体的に研究してみたいと思いますが、今はそういうことを踏まえて、これだけ網羅的な対策を打っているわけでございますが、弾力的な雇用制度といったことはなかなか難しい面もございますので、いろいろ研究をさせていただきたいと思います。
児童福祉法の改正についてのお尋ねで、育児保険というお話がありましたが、これは私どもの省の研究会でこういう提言がされたわけでございまして、介護保険と同じように子育ての財源を国民全体で広く負担をしていこうという発想だと受けとめております。その方向性そのものは、関係者それぞれ思いを同じくするところではないかと思いますが、提言を受けて具体的に制度として実現をしていく上では、制度上のいろいろな難しい点もございまして、そもそも社会保険の原理になじむのかどうかといった原理的な問題から、あるいは、どのような人にどういった負担をお願いするのが妥当なのかといったことまで、いろいろ問題を抱えておりますので、骨太の大きな方針としては私どももこれを参考に、今後の児童対策の財源という面で大いに研究をさせていただきたいと思いますが、来年、再来年という、若干中長期的な課題かなという受けとめでございますが、ぜひ貴重な提言として、これを何らかの形で施策に反映できないかどうか研究していきたいと思っているところでございます。
○堀田委員
初めての参加で、生意気なことを言う点はお許し願いたいと思いますけれども、まず、今の八代委員の問題提起、私も賛成であります。着々と全体構造を描いて作業を進めておられますので、その点はすばらしいと思いますけれども、新しい目で見まして3点ほどもう少しこういう点が欲しいなと感じる点を簡潔に申します。
第1点は、働く環境の整備というのは非常に大切だと思います。その点で、経団連、連合さんが今の制度を前提にして大変いいご提案をされておる、これはぜひ企業がそういうふうに働き方が変わっていくことを推進しなきゃいけないと思います。ご提案のいろいろな制度は、今の日本人の働き方、つまり就職して、大体その会社に最後までおるという、そういう前提の中で給料とか、いろいろな制度をお考えですけど、もっと自由に転職もできて、あるいは休業して、また新しいところへ転職できて、それが不利にならないと、そこまでちょっと仕組みを考えなきゃいけないんじゃなかろうか、その点が第1点であります。
第2点は、地域のいろんな力を使うということについての配慮がもっと欲しいと思いました。三浦委員の父母、親権者への教育、それは大変いいんですけれども、親権者だけでなくて、もっと地域全体の高齢者には、いろいろな子どものために、何とかしたいと思っている方が多い、そういう地域をも巻き込んだ教育、仕組みづくり、そういったことを考えていく必要があるんじゃなかろうかと、これが第2点であります。
第3点は学校でありまして、岩男委員からもちょっとありましたが、子どもたちが元気がない、いじめはとんでもない話でありますが、画一的な価値観の中でだんだん元気がなくなっていっておる。もう高校生ぐらいになりますと、私もあちこちの学校へ講演に行きますが、もうほとんど目を合わせない、本当に無気力な子どもたちが増えている。あれでは親は子育てに夢が持てないんじゃなかろうか。もっとそれぞれの個性が存分に生かせる、非常に柔軟な教育の仕組みというのを考える必要があるんじゃなかろうか、その3点を感じましたので申し上げました。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
引き続き、坪井委員、鈴木委員の順でお願い申しあげます。
○坪井委員
抽象的な発言で恐縮ですけれども、次世代育成支援に関する当面の取組方針の中で、1ページ目のところに社会保障における次世代支援という言葉がございますね。ここで社会保障という言葉が出てくるわけで、私は大変これは大切なことであるというふうに思うんですが、もう少し掘り下げて、広く社会保障というものを使いまして、結構少子化の根本的なところに触れてくるというふうに私どもは考えているわけです。
具体的な政策としてどういうものがあるかということをお話は今すぐにはできませんので申しわけありませんが、社会保障の概念というものの整理というよりも進展ですね。そういうものを、私は私の立場からすれば、医療とか福祉という立場から主張しているわけですけれども、これは次世代支援という、言葉は少しあれがあるかもしれませんが、狭まったところじゃなくて、もう少しライフサイクル全体に向かって社会保障というのは必要になるわけですから、もう既に子どもとして、この世に生存するという人たちに対する社会保障というものの考え方よりももっと前に、私はよく精子、卵子のときから社会保障というのは必要だと言うわけですけれども、その辺のところの考え方の幅広さもひょっとしたら少子化対策には結構基本的に必要なことなんじゃないかなと。私の領域からは、そういうことを少し主張していかなければいけないかなと思っております。
○鈴木委員
なぜ少子化になるのかという根本的な原因を探るということはとても大事なことだと思うんですね。
それで、気になるのは、アンケート調査必ず出てくるんですね。そうすると、大体トップに出てくるのが、子育ての費用の負担が大きいからと。非常にわかりやすい結果が出てきます。そうすると、例えばどこかの地方自治体で、お金がないんだったらお金を支給しようということをやったら、逆に少子化がもっとひどくなったという結果が出たことが前にあったような気がするんですけれども。
僕は小説家なものですから、得意なのは行間を読むということですね。アンケートで出てくる結果と結果の間に、必ず行間にもやもやと漂っているものを僕は感じるんですよ。それは一体何かなと思うんですけれども、僕は東京都の青少年教育の審議会の委員とかやっているんですけれども、そこでもいろいろアンケート結果が出てきます。アンケートの正確なつくり方というのは非常に問題になってくると思うんですね。箇条書きされていると、アンケートとらされる方は非常にわかりやすい答えしか選んでいかないんです。そうすると、いかにもという結果しか出てこないんですね。その結果を見て、こういった取組みをやろうと思うと、これが結構的外れになっちゃう場合があると僕は思います。ですから、いわく言いがたい、もやもやっとしたものを、適切な文章で、アンケートとして持ち出してくるという力が必要なわけですね。
僕は、どういうふうな原因があるのかなということを考えるんですけれども、東京都の方で、例えばこんなアンケート結果がありました。お父さん、お母さんに聞きました。将来、日本は暗くなると思いますか。どんどん悪くなると思いますか。不安があると思いますか。そうすると、8割のお父さん、お母さんが不安を感じているんです。今度は子どもに聞きました。お子さんに、あなたは早く大人になりたいですか。8割のお子さんが「なりたくない」と答えるんです。このアンケート結果が一致しているんですね。僕はですね、社会が、世界が徐々に悪くなっていくと思ったら、その世界に向かって新しく子どもを生み出すという気にはならないと思うんですね。そこのところの雰囲気というものがいわく言いがたい、言葉にならないようなものとしてこのアンケート結果の行間に漂っているような気がするんですよ。そこをどうやって自然に将来は明るいんだ、その明るい世界に新しい生命を生んでみようという気を起こさせるかというのがすごく大事だと思うんですけれども、ですからそこのところにポイントを絞った、何かキャンペーンというものが僕は必要な気がします。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
植本委員代理、お願いいたします。
○植本委員代理
先ほど岩男委員の方からありました、出産をする女性に対する圧力が今もなお現にあるということのご報告に対しては、私自身も労働組合の責任者の一人として、本当にそういうことがすべてのところでチェックができていないということを今さらながらに反省をする次第です。
ですけれども、やはりこれは一つは使用者側の発想の中にコスト意識というものがあり、これから多分大学の方でもそういう意識を持てということの浸透の中で、ともすればコスト意識の中に子どもを産む女性はコスト高だという発想が入っていっているということだと感じております。ですから社会で育てるという意識と、それから企業がすべて責任を持つとしたら、それはやっぱりコスト高だということとのせめぎ合いのところが出てきているわけでありまして、この次世代育成支援対策推進法の趣旨としても、社会で責任を持っていこうということが非常に大きいと思います。そこの意識改革を私たち自身も一生懸命頑張りますけれども、トータルでやはり子育ては金がかかるというふうなことではなくて、むしろ子どもを育てることによって親も豊かな人間性をもつ、育っていくんだという意味では、社会全体が育まれ、育っていくんだという意識で子育てのことが考えられるような、そういうような制度整備が必要だと考えております。
それと同時に、先ほど八代委員や堀田委員がおっしゃっていただいた多様な働き方への、対応についてはコストの問題と重なってくるわけですけれども、コスト意識でいる限りは多様な働き方への対応がはかられる一方、均等待遇の視点が非常に欠けがちになりますので、そういうことも連動しているという趣旨でぜひとも推進をしていただきたい。
特に先ほどの資料の中にありました共働きの女性と専業主婦とでは子育ての不安感は専業主婦の方が強いというのは、結局共働きの女性というのは職場に仲間がいますし、今までは保育園、これからは保育所も少し開かれた形になりますが、保育園でも、ともに相談し合える仲間がつくりやすかったと思います。ですから、ストレスのはけ口といいますか、相談先が多様にあった。専業主婦の方は、そういうところが非常に少ないために子育てストレスが多かったという、そういう意味でもやはり社会での子育て、社会が育んでいくという発想で諸制度の整備を続けていく必要があると考えております。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
貴重なご意見ばかりでございますが、ここでまとめはなかなかできないと思いますので、いただきましたご意見につきましては、次の機会に向けて我々も努力をさせていただきたいと存じます。
それでは、官房長官にごあいさつをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○福田内閣官房長官
それでは、ごあいさつさせていただきます。
本日は、大変ご多用のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。いろいろとご議論をいただきまして、拝聴しておりましたけれども、本当にいいお話を伺いました。大いに参考にさせていただきたいと思います。
この少子化問題は本当に深刻な問題で、将来に対して各家庭や社会が不安を感じる原因にもなっています。また、少子化は、国家的にも、いろいろな問題をはらんでいるのではないかと思います。この間の通常国会で少子化社会対策基本法、また次世代育成支援対策推進法が立法されましたので、少子化への取組みをもう一段強化する枠組みはできたと思うのでありますけれども、これを活用して、いかにこれから少子化対策に取り組んでいくかということが重要になろうかと思います。
先ほど来のお話にありますとおり、仕事を優先しがちな企業風土、核家族化の進行などによります家庭、地域における子育て機能の低下に対して、企業、職場においては働き方の見直し、また子育てと仕事の両立のための効果的な取組みを、地域においてはさまざまな家庭のためにきめ細かな子育て支援策の充実、こういうことが求められているのではないかと思います。このような取組みを着実に進めていくために、国民会議に参加されている各団体のご協力、これは極めて重要でありまして、本日の会議を契機といたしまして、地方レベルも含めた取組みを一層推進していただきたいと思っている次第でございます。
本日は、各団体の代表の方々にお集まりいただいておりますけれども、このような考え方を各団体において下の方に広げていくということ、これが組織のすべてに行きわたるようにするということが大事です。そういう意味におきましては、この会議が平成11年に発足して、本日は第5回ということですが、少し数が足らないのではないか、今年の第5回目というぐらいの取組みをしていただかないと、とてもこの問題解決には向かっていけないのではないかというようなことも考えて、政府も、極めて大事な国家的な課題という認識を持ちまして、懸命に取り組んでまいりますので、どうかよろしくご協力のほどをお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
本日は、各般にわたりまして様々なご意見をいただきまして、ありがとうございました。ここでいただきましたご意見をその場限りのものとせずに、それを現実にどう結びつけていくかという努力を我々はしなければならないと思っております。大変貴重なご意見をいただきましたので、一つひとつ本日のご意見を大事にしながら進めさせていただきたいと思っております。ご指摘を賜りましたことにお礼を申し上げまして、これで終わりにさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
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