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少子化への対応を推進する国民会議(第5回)議事録

平成15年12月8日(月)16:00 〜17:12
場所:内閣総理大臣官邸 大会議室

議事次第
1.開 会
2.議 事
 (1)政府における取組について
 (2)「国民的な広がりのある取組みの推進について」の見直しについて
 (3)国民会議参加団体の取組について
 (4)国民会議全国キャンペーンの実施状況について
3.意見交換
4.閉 会

○坂口厚生労働大臣 
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第5回少子化への対応を推進する国民会議を開催させていただきます。
 委員の皆様にはご多忙のところ、お集まりいただきまして、心からお礼を申し上げたいと存じます。厚生労働大臣の坂口でございますが、本会議の進行を務めさせていただきたいと存じます。
 本日の会議には、総理は所用のために出席がかないませんでしたが、後ほど福田官房長官が出席されますので、ごあいさつをいただきたいと思っております。
 それではまず、小野少子化対策担当大臣からごあいさつをいただければと思います。

○小野内閣府特命担当大臣 
 本年9月に新たに設けられました少子化対策担当の内閣府特命担当大臣を拝命いたしました小野でございます。第5回の少子化への対応を推進する国民会議の開催に当たりまして、ご多忙な中をご出席いただきました委員の皆様に厚く御礼を申し上げます。
 近年の我が国におけます急速な少子化の進行は、経済面の影響ばかりではなく、社会の活力や子どもの健全な成長といった面も含めて、今後の国民生活に深刻な影響を及ぼすものでございます。
 こうした少子化の流れを変えていくためには、子どもを生み、育てる楽しみあるいは喜び、こういったものを実感できる社会を実現していくことが重要であり、地域、家庭、職場、学校を始めといたします社会全体の課題として取り組んでいくことが不可欠でございます。そのためにも、少子化への対応を大きく国民的な広がりのもとに進めようとする本国民会議におきまして、今後さらに取組みが推進されることを大いに期待をしているものでございます。
 政府におきましても、本年9月に少子化社会対策基本法が施行されたことを受けまして、来年5月を目途に、少子化に対処するための施策の大綱を策定することといたしております。私は、少子化対策を担当する大臣といたしまして、この大綱の作成、そして政府一体となりました総合的な取組みの推進のために全力を尽くしていく所存でございます。
 委員の皆様におかれましては、本日の会議で活発なご意見をいただき、これを踏まえて、家庭や子育てに夢が持てるような環境の整備に向け、一層のご尽力をいただきますようお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。

○坂口厚生労働大臣 
 ありがとうございました。
 では、続きまして本日の会議から、新たに4名の方に委員として加わっていただくことになりましたので、ご紹介を申し上げたいと存じます。
 団体からは、日本子どもNPOセンター代表理事の堀田力委員、全国中小企業団体中央会会長の石川忠委員でございます。有識者からは、俳優の赤井英和委員、歌手の早見優委員の以上4名の方々に加わっていただくことになりました。なお、赤井委員は海外ロケのため本日ご欠席でございます。また早見委員は、テレビ収録が終わり次第おこしをいただけるというふうに承っているところでございます。
 それでは、堀田委員と石川委員の代理の田勢専務理事から簡単にごあいさつをちょうだいしたいと思います。

○堀田委員 
 子どもからお年寄りまで含めまして、ボランティア、地域で支えるという仕組みをいろいろと実践に移しております。どうぞよろしくお願いいたします。

○田勢委員代理 
 全国中小企業団体中央会の専務理事でございます。よろしくお願いいたします。
 中小企業331万社、私ども傘下におりますけれども、なかなかこうした取組みが進みにくいのが現状でございます。本日は、状況を踏まえまして議論に参加をさせていただければと思います。ありがとうございます。

○坂口厚生労働大臣 
 ありがとうございました。
 それでは、会議の進行に移らせていただきたいと思います。
 まず、本年3月に関係閣僚会議において決定をいたしました「次世代育成支援に関する当面の取組方針」、それから7月に成立をいたしました「次世代育成支援対策推進法」など、今般の次世代育成支援に関する政府の取組みにつきまして、事務局からその概要をご説明させていただきたいと存じます。

○伍藤雇用均等・児童家庭局長 
 事務局を担当しております厚生労働省の雇用均等・児童家庭局長の伍藤でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料1に基づきまして、次世代育成支援対策に関します最近の状況について概要をご説明させていただきます。
 まず、少子化対策(次世代育成支援対策)の経緯でございますが、昨年1月に発表されました日本の将来推計人口におきましては、出生率低下の要因といたしまして、従来言われておりました晩婚化、あるいは未婚化に加えて、新たに夫婦の出生力そのものの低下という現象が明らかになりました。その結果、今後一層少子化が進行する見通しが示されたわけでございます。
 このため、昨年5月に総理から厚生労働大臣に対しまして、改めて少子化の流れを変えるための実効性のある対策を検討するよう指示をいただき、昨年9月に、従来の取組みに加えたもう一段の対策を推進する政策パッケージとして、「少子化対策プラスワン」を厚生労働大臣から総理にご報告を申し上げたところでございます。
 また、これを踏まえまして、本年3月には少子化対策推進関係閣僚会議におきまして、政府における「次世代育成支援に関する当面の取組方針」を取りまとめたところでございます。
 この取組方針に基づきまして、本年3月には、地方公共団体や企業等において行動計画を策定し、今後10年間の集中的、計画的な取組みを推進するための次世代育成支援対策推進法案と、地域における子育て支援の取組みの強化を図るための児童福祉法改正法案を国会に提出をいたしまして、本年7月に成立したところでございます。
 さらに8月には、この次世代法に基づきまして、地方公共団体や企業等が行動計画を策定する際の指針となる行動計画策定指針が、関係7大臣の告示として出されたところでございます。
 これらの概要につきまして、順次ご説明をいたします。
 まず、参考資料1の「次世代育成支援に関する当面の取組方針〈概要〉」でございます。
 「目的・基本的な考え方」をお示ししておりますが、少子化の流れを変えるためのもう一段の取組みとして、政府、地方公共団体、企業等が一体となって国の基本政策として次世代育成支援を進め、家庭や地域における子育て機能の再生の実現を目指すということが目的でございます。そのための対策の枠組みとしては、従来から取り組んでまいりました「仕事と子育ての両立支援」に加えまして、「男性を含めた働き方の見直し」、「地域における子育て支援」、「社会保障における次世代支援」、「子どもの社会性の向上や自立の促進」という4つの柱を掲げて進めていくこととしたわけでございます。
 具体的な対策につきましては、次のページの「すべての働きながら子どもを育てている人のために」という大きなくくりの中で整理をしておりますが、ここでは、男性を含めた働き方の見直し、多様な働き方の実現や仕事と子育ての両立の推進のほか、待機児童ゼロ作戦の一層の推進などの保育サービスの充実のための各種の取組みを進めることとしております。
 次のページでございますが、「子育てしているすべての家庭のために」では、専業主婦の急病や、育児疲れなどに対応した一時預かりサービスの推進、あるいは子育て中の親子が気軽に集まることができるつどいの場の設置の推進など、さまざまな子育て支援サービスの充実のほか、家庭教育への支援の充実、子育てを支援する生活環境の整備など、各種の施策を進めることといたしております。
 次の4ページでございますが、ここでは「次世代を育む親となるために」というスローガンのもとに、中高生が乳幼児とふれあう機会の拡充、あるいは子どもの生きる力の育成と子育てに関する理解の促進、若者の安定就労、子どもの健康と安心・安全の確保など、多岐にわたる取組みを進めることといたしております。
 以上が、ポイントだけご説明申し上げましたが、事業の内容でございますが、5ページの今後の推進方策といたしましては、今後の大まかなスケジュールを明示しているところでございます。ここでは、平成15年と16年の2年間を次世代育成支援対策の基盤整備期間と位置づけまして、一連の立法措置を講じることにしているわけでございまして、具体的には平成15年は次世代育成支援対策推進法と児童福祉法の見直しを行ったわけでございます。
 また、平成16年度には、児童手当の支給対象年齢を見直す児童手当制度の見直しや、より利用しやすい仕組みとするための育児休業制度などの見直しについて、来年の通常国会に所要の法案を提出することとしております。
 次に、参考資料2でございますが、次世代育成支援対策推進法の概要につきまして、ご説明を申し上げます。
 この次世代法は、国が定める指針に即しまして、平成16年度末までに地方公共団体、企業等に行動計画を策定していただき、平成17年4月から10年間の集中的、計画的な取組みを推進しようとするものでございます。
 地方公共団体が策定をする行動計画につきましては、すべての市町村と都道府県において策定していただくこととしておりますが、この中で地域住民の意見の反映あるいは計画の内容、実施状況の公表といったことも法律に規定されております。いわば住民との協働作業としてこの次世代育成支援の計画を進めていこうということでございます。
 一方、事業主等が策定する行動計画につきましては、労働者が300人を超える企業については策定が義務づけられております。300人以下の企業は努力義務ということになっておりますが、企業における取組みを促進するために、すぐれた計画をつくり、実行した企業を認定する制度を設けるほか、国や地方公共団体の機関におきましても、職員を雇用する立場からの特定事業主の行動計画を策定していただくことになっております。
 次に、児童福祉法の改正の概要でございます。
 核家族化や都市化の進行等に伴いまして、地域における子育て力が低下する中で、子育て家庭の孤立、負担感の増大といった状況がみられ、とりわけ、共働き家庭に比べて専業主婦の家庭において子育ての負担感が大きくなっております。このような中で、専業主婦家庭を含めたすべての子育て家庭に対する子育て支援事業が必ずしも十分に行われていない状況でございまして、今回の改正では、子育ての相談支援や、短期預かり支援などの子育て支援事業を児童福祉法に位置づけ、市町村の責務ということを明確化して今後推進することにしております。
 参考資料3は、行動計画策定指針の概要でございます。
 本指針は次世代育成支援対策推進法に基づき、関係7大臣が連名で告示をしたものでございますが、地方公共団体や事業主が行動計画を策定する際の指針でございまして、基本的な事項を定めたものであります。1ページに背景及び趣旨を書いております。それから2ページから4ページまでは地方公共団体の行動計画について記述をしております。
 それから5ページと6ページが一般事業主の行動計画について、7ページが特定事業主の行動計画について、それぞれまとめております。
 今後、地方公共団体や企業等におきましては、以上の点を踏まえながら、平成16年度末までの間に実効性のある行動計画を策定していただきたいと考えているところでございます。

○坂口厚生労働大臣 
 それでは、引き続きまして、内閣府の山本政策統括官、お願いいたします。

○山本内閣府政策統括官 
 それでは、資料2に沿いまして、ご説明申し上げます。
 まず、少子化社会対策基本法の概要でございますが、この法律は、この通常国会で超党派の議員立法によって成立したものでございまして、この9月から施行されているところでございます。
 少子化に対処するための施策を総合的に推進するということを目的といたしまして、政府の責務等が定められております。政府といたしましては、ここに書いてございますように、少子化に対処するための施策の大綱を策定する、必要な法制上、財政上の措置を講ずる、あるいは年次報告を国会に提出するといったようなことが義務づけられておりまして、基本的施策としてはここに掲げてございますようなことが定められております。
 それから、内閣総理大臣を会長とする少子化社会対策会議を内閣府に設置して、この少子化社会対策会議で大綱の案の作成をすることが定められているところでございます。ただいま伍藤局長からお話がございました次世代育成支援対策推進法などと相まって少子化対策を進めていくことになっております。
 続いて、「少子化社会対策大綱の案の作成方針等について」をご覧いただきますと、ただ今申し上げました少子化社会対策会議は、9月10日に第1回目の会議が開催され、来年5月を目途に大綱案の作成をするという方針が定められました。大綱の中身は、この2に書いてございますような事項を中心として作成をしていくこととしております。また、会長が指名する委員、これは関係大臣ということでございますけれども、及び有識者による検討会を開催して、より詳細な審議を進めていくということが決められておりまして、有識者8名の方にお願いをして、明後日12月10日にこの検討会の第1回を行うこととしているところでございます。

○坂口厚生労働大臣 
 資料3についてでございますが、政府におきましては、平成11年末に決定されました少子化対策推進基本方針に基づきまして、各種の少子化対策を推進してきておりますが、平成14年度及び15年度の取組み状況をまとめたものでございます。参考のためお配りをさせていただきました。
 なお、ただいまの説明に対しますご質問等のお時間は後ほどとらせていただいておりますので、次に進めさせていただきたいと思います。
 続きまして、平成12年に、当国民会議の取組みとして決定いただきました「国民的な広がりのある取組みの推進について」につきまして、参加団体にこれまでの取組みに加えてもう一段の取組みを進めていただくよう見直しのための検討を行っていただきたいと考えておりますので、事務局からその内容をご説明させていただきます。

○伍藤雇用均等・児童家庭局長 
 資料4に沿いましてご説明をさせていただきます。
 家庭や子育てに夢を持つことができるよう、国民的な広がりをもって環境整備を進めていくことが必要であるとの観点から、平成12年4月に当国民会議におきまして、関係団体における少子化への対応に関する具体的な取組みに関しまして、「国民的な広がりのある取組みの推進について」が決定され、平成14年に一部改正されているところでございます。
 各参加団体におかれましては、以後、これに沿いましてそれぞれ主体的にいろいろな取組みを進めてきていただいたところでございます。
 一方、今般、政府におきましては、従来の取組みに加えまして、国・地方自治体・企業あるいは各種の団体等が一体となって、もう一段の対策を新たに推進することとしたところでございます。
 このため、国民会議参加団体におかれましても、もう一段の取組みを進めていただくことが大変重要であると考えておりまして、この「国民的な広がりのある取組みの推進について」を見直すべく各団体における具体的な取組み方策の検討をお願いしたいということでございます。
 この見直しの検討につきましては、具体的にはこの国民会議のもとに設置されております幹事会におきまして、来年4月までの間に有識者からの意見聴取などを行いながら検討を進めた上で、先ほど少子化社会対策基本法に基づく少子化社会対策大綱の決定が来年5月を予定されているとのことですので、それと歩調を合わせるという意味で来年5月にこの国民会議で決定をしていただくという運びにしたらどうかと考えているところでございます。
 なお、見直しのための検討に当たりましては、参考資料2といたしまして政府において取りまとめました次世代育成支援に関する当面の取組方針の内容に対応して、それぞれ項目ごとに各参加団体に期待される主な取組の方向を整理したものを添付させていただいておりますので、検討材料としてご活用いただきたいと思います。

○坂口厚生労働大臣 
 ただいまの提案につきまして、何かご意見がございましたら、お伺いをしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、後ほどまたまとめてご発言をいただくといたしまして、ただいまの事務局からの提案につきましては、その見直しのための検討をさらに進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、各種団体におかれましては、「国民的な広がりのある取組みの推進について」に沿いまして、さまざまな取組みを進めていただいておりますが、その取組状況につきまして、資料5にまとめております。本日は事前にお願いをしております佐々木委員、三浦委員、紀陸委員代理、そして植本委員代理の4名の方から報告していただきたいと存じます。まことに恐縮ではございますが、3、4分程度でご報告いただきたいと存じます。
 それでは、日本保育協会理事長の佐々木典夫委員からお願いいたします。

○佐々木委員 
 この春から日本保育協会の理事長を仰せつかっております。したがいまして、この会は初めて参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、日本保育協会の取組みについてご報告を申し上げます。
 日本保育協会は、民間の保育所を会員としまして、児童福祉の増進と保育事業の向上を目的として活動いたしておりまして、創立40周年になったところでございます。保育に関します相談、調査研究、情報提供、研修などを行っております。資料は資料5の中から適宜ご覧いただきたいと思いますけれども、特に保育従事者の研修事業には力を注いでまいってきております。
 また、法定資格となりました保育士の登録業務を都道府県知事の委託を受けまして今年から開始をいたしております。第1陣といたしまして、改正法施行期日でございますこの11月29日付で保育士証を21万人の方にお届けする運びになっているところでございます。
 このほか、会員が6,300施設ございますので、また全国に55の支部を擁しておりますので、機関誌「保育界」、あるいはファクシミリネットワークサービスを活用しまして、いろいろな制度、施策の普及啓発を行いまして、国の諸施策に積極的に協力をいたしているというところでございます。
 以下、3点だけ申し上げさせていただきます。
 まず第1は、保育所待機児童ゼロ作戦の受け皿としての積極的な取組みでございます。新エンゼルプランや保育所待機児童ゼロ作戦によりまして、保育所の受け入れ児童の増が図られておりますけれども、厚生労働省のこの春の調査によりますと、4月現在、なお認可保育所の待機児童は前年より増えて2万6,000人余りいると、その7割近くは低年齢児、ゼロ歳児、1歳児、2歳児でございます。低年齢児保育あるいは時間延長保育につきましては、これまで民間の保育所が積極的に取り組んできております。ちなみに、低年齢児保育、入所児童数の6割弱でございますが、民間の保育所を利用しております。
 また、民間の保育所の7割以上は時間延長保育を行っているところでございます。政府の待機児童ゼロ作戦等の推進方策に沿った予算措置や、規制緩和の措置を活用いたしまして、民間保育所の柔軟さを発揮しまして、待機児童解消に積極的に取り組んでまいる所存であります。
 第2点でございますが、地域子育て支援センターや一時保育の取組みの強化でございます。平成7年からのエンゼルプラン以来、保育所の地域子育て支援の事業が進められておりますけれども、現状では、民間保育所で地域子育て支援センターの事業を行うものはまだ1,000カ所ちょっとでございますし、一時保育も3,000カ所弱というような状況でございます。今年の児童福祉法の改正によりまして、保育所は保育サービスの提供主体としてのほか、地域の子育て支援の拠点としての期待も大きくなっておりますので、この面の一層の普及拡充に努めたいと考えております。
 3つ目でございますけれども、保育事業の資質の向上のための研修でございます。研修に関しましては、昭和37年に日本保育協会設立以来、理論と実際の現場に徹した研修に取り組んでまいりました。所長研修あるいは主任保母研修でございましたけれども、昭和40年代後半から、厚生省との共催という形で国庫補助事業ということでこの研修事業は発展いたしまして、現在は、民間の保育所職員だけでなく、公立の保育所職員も含めた研修を日本保育協会が担当させていただいておるところでございます。
 厚生労働省との共同主催研修ということでは、主任保育所長研修などの所長研修、それから乳児保育の研修、障害児保育の研修、地域子育て支援センター担当者研修、さらに主任保育士研修といったようなものがございます。このような研修をやっておりまして、14年度の参加者は4,100名の参加を得ております。
 日本保育協会単独で、あるいは民間団体の助成を受けまして行っております研修を含めますと、14年度では7,200名の研修を実施しているところでございます。
 また、これらの研修の中で、いわゆる児童虐待防止問題などにつきましては、積極的に取り入れているところでございます。
 以上3点に絞って申し上げました。資料にはそのほかのふれあいの問題その他ございますが、省略をいたしました。
 日本保育協会は、民間保育所の長所を発揮しまして、利用しやすく質の高い、頼りになる保育所づくりに引き続き会員一丸となって取組み、次世代支援の大切な役目の一端をしっかり果たしてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○坂口厚生労働大臣 
 ありがとうございました。
 それでは続きまして、全日本私立幼稚園連合会会長の三浦貞子委員からお願い申し上げます。

○三浦委員 
 ご報告させていただきます。
 私立幼稚園は、具体的な活動としては、昨年度と同様に行っております。
 一つは、本連合会発行の保護者向け機関誌などを通して子育てサポートをしております。また、子育て支援は親育てという視点から、公開講座の開催やサークル活動の場の提供を行っております。また、保護者の要請に応じて、預かり保育も実施いたしております。
 未就園児の子育ての親同士が出会える場や学びの場を設けるなど、交流の場を提供しております。中高生の保育体験の受け入れ、また小学生との交流を積極的に進めております。
 6番目は、全国9地区の研修会を実施しております。
 今、私立幼稚園はこのように取り組んでおります。

○坂口厚生労働大臣 
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、日本経済団体連合会常務理事の紀陸孝委員代理からお願い申し上げます。

○紀陸委員代理 
 恐縮でございますが、お手元の資料6の後に、日本経団連の提出資料ということで「子育て環境整備に向けて」というコピーがございますので、ご覧いただきたいと存じます。
 この頭にございますように、子育て環境整備の中で、特に仕事と家庭の両立支援、保育サービスの充実、こういう問題に焦点を当てさせていただきまして、今年の7月に日本経団連として報告を取りまとめました。
 日経連と日本経団連は、昨年の5月に統合いたしましたけれども、以前からこの両団体はいろいろな取組みをしてまいりましたが、統合後、第1段階の行動といたしまして、特にここにございますように、仕事と家庭の両立支援、保育サービスの充実という問題に向けて焦点を絞って、子育て環境整備に向けて経営側として取りまとめを行ったというような経緯でございます。
 今年の7月でございますが、この内容につきましては、この委員会はJR東日本の大塚社長が所管をされておられますが、この7月の取りまとめ後、坂口厚生労働大臣にもお伺いをさせていただきまして、ご説明申し上げたところであります。
 お開きいただきまして3枚目のところに提言ということで、1枚の概要の図が出てございますので、ご披見いただきたいと存じます。
 基本的な問題意識は一番上のところでございますが、社会全体として、企業として、子育て環境整備の必要性をともに感じて取り組まなければいけないというスタンスでございますが、その下に、具体的に企業が取り組むべきこと、社会全体が取り組んでいくことと、大きく2つ枠を設けてございます。
 企業が具体的に何をすべきか、企業に働く女性の方々がたくさんいらっしゃいますものですから、企業がやるべきこととして、仕事と家庭の両立のために、まず企業における意識改革が必要であろうと。左の箱の提言1でございますが、職場の固定的な、実際には性別役割分担意識というのはかなり多うございますので、これを払拭していかなければいけないという姿勢であります。
 さらにその、提言の右肩の2でございますが、いろいろな制度を、きちんと女性が働きやすいように選択肢を設ける、労働時間ですとか就労の場所ですとか育児の問題、そういう点に向けて、今でも制度はございますけれども、これをもっと一段と柔軟に運用していくという姿勢が必要だという、それを示させていただきました。
 その下に、社会全体が取り組むべきことということで、これはこの下に、保育サービスの充実とございますけれども、基本的に現行の保育に欠ける児童の保育、それに加えて、保育を希望するすべての人たちのニーズにこたえる、先ほど佐々木委員からお話ございましたけれども、このような認識に立って、ここでは提言の1と2という形で、2段階で保育サービスの改善の問題を提言させていただいております。
 提言の1としては、現行の制度を段階的に変えていく、一つは、認可保育所制度の規制改革、2は地方公共団体独自の認定制度の拡大、3は利用者のニーズから発想した新たな仕組みの導入、4としては、事業所内託児施設への支援、複数の企業が連携して託児所の設置に努めるというような発想であります。
 さらに、一番下の提言2といたしましては、この保育所制度自体の抜本改革が必要ではないかという一歩推し進めた提言をさせていただいております。
 具体的には、この認可保育所制度を廃止して、第三者の客観的な評価に立った事後規制への転換をしていくというような形でもって多様な保育所制度を拡充をしていく、従来と発想を改めてやっていただいてはどうかというようなことを提言させていただいております。いろいろな観点から、ご批判も賜りながら、企業としてもいろいろな取組みに努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 最後に、日本労働組合総連合会副会長の植本眞砂子委員代理からお願い申し上げます。

○植本委員代理
 よろしくお願いをいたします。
 連合の取組み状況につきましては、お手元の資料の5ページ、30ページ、31、32、39と、それぞれの項目ごとに取組みを示させていただいておりますので、後ほどお読み取りをいただきたいと思います。
 連合としてはこれまで労働を中心とした福祉型社会の実現を目指して、少子化への対応としては、男女共同参画推進の立場から、職場における仕事と家庭の両立支援のための環境整備に取り組んでまいったところでございます。
 先ほどご説明がございましたように、次世代育成支援対策推進法が成立いたしまして、地域と職場における次世代育成支援のための行動計画の策定が定められ、特に、労働者301人以上のすべての企業に計画策定が義務づけられたという点について、連合としても、これまでの両立支援の取組みを一層進めていく基盤ができたかなと喜んでいるところであります。
 今一段の取組みを進めていく、特に男性も含めた働き方の見直しを進めていく非常にいい機会であるというふうにとらえて、積極的に計画の策定を進めていく決意を持っております。策定が努力目標となっています労働者300人以下の企業におきましても、計画策定を推進してまいりたいと考えているところであります。
 今後の具体的な取組みといたしましては、2004年の春季生活闘争の重要課題の一つとして取り上げさせていただき、事業主に対しては、行動計画策定のための協議の場を求めていくということを始めとして、労働組合が積極的に策定を推進する方針を連合の機関会議でも確認をする予定としております。
 同時に、計画策定の取組みを進めるために、連合として行動計画の手引き書、マニュアルをつくってまいりたいと考えています。そして、それぞれの傘下の構成組織が、そのマニュアルに基づいてそれぞれの産業別組織の実情に応じた計画をつくっていけるような、そのようなことを進めてまいりたいと考えています。
 今日は経営者団体の方からも意見表明がございましたけれども、ぜひとも行動計画策定に、ともに労使上げて積極的に取組みを進めさせていただきたいと考えています。
 さらに、事業主団体については、次世代育成支援対策推進センターの設置・運営が期待されているところでもあり、その意味からも経営者団体の取組みは大変重要だと私自身も認識をしています。ともに労使で、よりよい形での行動計画を策定し、そして少子化への対応をますます進めていけるように努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 ただいま4名の方からご発言をいただきましたが、これらの議論につきましても、後ほど一括してお願いを申し上げるといたしまして、次に進めさせていただきます。
 当国民会議の取組みとしまして、平成14年度及び15年度に実施、または実施予定の少子化への取組みについての全国キャンペーンの概要につきまして、事務局から報告をいたします。

○伍藤雇用均等・児童家庭局長
 資料6についてでございますが、当国民会議の取組みといたしまして、家庭や子育てに夢を持つことができるようにするための環境整備を地域、家庭、職場、学校等で進めていくことを呼びかける全国キャンペーンを平成12年度から実施しているところでございます。
 まず、平成14年度の取組みでありますが、少子化対応推進全国フォーラムといたしまして、長崎県佐世保市において開催いたしました。
 当会議委員の鈴木光司氏に基調講演及びシンポジウムへの参加をお願いしたところでございます。
 地方フォーラムは、岩見沢市、東京都港区、大阪市、福岡市、熊本市の5カ所で実施したところでございます。
 また、少子化対策等につきましてわかりやすく説明したリーフレットとパンフレットをお配りしておりますが、各自治体、フォーラム等を通じて、幅広く配布しているところでございます。
 平成15年度の取組みでございますが、14年度と同様に中央フォーラムと地方フォーラムを5カ所で予定しております。
 まず、中央フォーラムは、11月1日から2日にかけまして、愛知県高浜市において開催されました。また、地方フォーラムのうち、港区で開催されました子育て支援推進知事フォーラムでは5県の知事による討論が行われまして、少子化の流れを変える5県知事共同アピールというものが採択をされ、先日、坂口厚生労働大臣に報告をされたところでございます。
 また、今年度は、男性の育児参加キャンペーンといたしまして、子育て層向けと、管理職向けの2種類のポスターを作成しております。あちらに掲示しておりますが、「パパはてんやわんや、ああ大変、ああ幸せ」と、「私は育児なしの父でした」をコピーとして使用しております。
 さらにお手元にお配りしておりますが、子育てについて、男性33人の方のメッセージを掲載した小冊子「男の次世代育て」を作成いたしました。
 当会議の委員であります、鈴木光司委員、堀田力委員のほか、本日ご欠席の赤井英和委員、小椋佳委員にも、執筆していただいているところでございます。
 少冊子につきましても、今後、自治体や各経済団体等を通じまして幅広く配布していきたいと思っております。
 今後も、フォーラムの開催などに当たりまして、各委員の皆様方にもご協力をお願いすることがあろうかと思いますが、何とぞよろしくお願いをいたしたいと思います。

○坂口厚生労働大臣
 それでは、今までの説明でございますとか、あるいは各委員からご発言をいただきましたこと等につきまして、皆様方からご意見がございましたら、自由にご議論いただきたいと思います。どなたでも結構でございますので、ご発言をいただきたいと存じます。

○岩男委員
 先進的な取組みをしておられるところは、もちろんどんどん、一層の取組みを進めていただきたいと思うのですけれども、先ほど、小野大臣からも大綱の策定、あるいは局長からも一連の立法措置が来年度行われるというお話がございましたので、一つお願いがございます。新聞にも報道されておりましたけれども、ある学校法人が、産休や育児休業を取った女性の勤務を欠勤扱いにしてボーナスを全額カットした。それに対して最高裁がそれは無効であるという、全額カットはできないという判決が出たのですけれども、この学校法人も、働く女性が子どもを生み出したというので就業規則を変えてきているんですね、2回にわたって。
 たまたまその判決があった日に、私の教え子から私は相談を受けました。大学に勤務する講師ですけれども、その大学で子どもを産んだ第1号の女性で、理事長兼学長から、二度とこういうことがこの学校にあってはならないといわれた。家庭と仕事の両立支援どころか、極めて陰湿ないじめが行われているというのが、実態としてあるのですね。
 大学は、確かに少子化の結果、冬の時代で非常に困っているのですけれども、その結果、さらに管理がきつくなっており、その結果、また少子化が進むようなことをしている。いろいろな形で、子育て中の女性をやめさせようとしている。県の労働局にご相談をしたところ、労働局の方から何かしていただけるかもしれないし、場合によっては、文部科学省の方から何か指導というようなこともあり得るのではないかというお話だったんですけれども、就業規則に子どもを産み育てる女性たちが不利益になるような規則を書き加えるというような動きだけは、せめてやめていただきたいと思うのです。まだ、そういう状況のところが今日もあるということで、二つのケースが出てきたということは、恐らくほかにも、小さな大学では同じようなことが行われているかと思うのです。
 ですから、こういうことも考慮に入れて、立法措置なり大綱なりをお考えいただければ大変ありがたいと思いますので、お願いをしておきたいと思います。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 関係して、ご意見がございましたらご発言ください。

○八代委員
 今まで、少子化対策としてさまざまな政策が打たれているわけですが、やはり大事なのは、何が少子化の最も大きな原因かということを、きちっと押さえることだと思います。
 確かに、子育てが楽しくないという人が増えている、だからその意識を改革しようということは非常に大事なことでありますが、たとえ子どもを持ちたいと思っても持てない人がたくさんいるわけであります。
 それは一つは、子どもを持つコストが大きい、教育費とか、そういう問題もありますけれども、内閣府の経済財政白書等にも指摘されていますように、子どもを持つことの最大のコストは、実費よりもむしろ機会費用、つまり子どもをもつことによって、主として母親がフルタイムで働けない、場合によっては会社をやめなければいけない、やめると今度はパートの仕事しか、再就職先としてはない。そういう日本の雇用システムの現実があれば、なかなか子どもを持ちたくても持てないのではないか。ここが一番大きなポイントではないかと思います。
 もちろん、政策には働くことと子育ての両立ということは書かれてあるんですが、具体的にこれを実現するような、例えば弾力的な雇用制度への転換というか、そういうことになりますと、また今度はいろいろな利害、対立が生まれて来る。結局、既存の制度とぶつかるような本来の少子化対策というのはなかなか進まないのではないか。そういう意味で、何が一番大事な少子化対策であるかということを、もっと明確に打ち出していただきたいと思います。
 この点については、もう10年くらい前の人口問題審議会で明確に指摘されているわけですけれども、そこがなかなか実現しないというのが残念と思います。それが第1点でございます。
 それから、先ほどご説明いただきました次世代育成支援対策のところで、児童福祉法の一部を改正する法律というのがございました。従来の児童福祉法における、保育に欠ける子の児童対策が中心であったのを、すべての児童の健全な育成を図るための児童福祉法へというのは非常に結構なことであると思いますが、これを徹底すると、例えばどういうことになるのか。
 今、一部の学者の間で、ちょうど高齢者の扶養を社会的に担うという考え方から介護保険ができたように、子育ても社会的に担うという意味で、いわば育児保険という大胆な発想もあるわけですけれども、そういうような大きな政策転換ということも検討されているのかどうかというようなこと、2点をお伺いしたいと思います。

○伍藤雇用均等・児童家庭局長
 2点お尋ねがありましたが、1点目は大変基本的な問題でありまして、今後どういったことを政策として具体的に打ち出していくべきかどうか、少し具体的に研究してみたいと思いますが、今はそういうことを踏まえて、これだけ網羅的な対策を打っているわけでございますが、弾力的な雇用制度といったことはなかなか難しい面もございますので、いろいろ研究をさせていただきたいと思います。
 児童福祉法の改正についてのお尋ねで、育児保険というお話がありましたが、これは私どもの省の研究会でこういう提言がされたわけでございまして、介護保険と同じように子育ての財源を国民全体で広く負担をしていこうという発想だと受けとめております。その方向性そのものは、関係者それぞれ思いを同じくするところではないかと思いますが、提言を受けて具体的に制度として実現をしていく上では、制度上のいろいろな難しい点もございまして、そもそも社会保険の原理になじむのかどうかといった原理的な問題から、あるいは、どのような人にどういった負担をお願いするのが妥当なのかといったことまで、いろいろ問題を抱えておりますので、骨太の大きな方針としては私どももこれを参考に、今後の児童対策の財源という面で大いに研究をさせていただきたいと思いますが、来年、再来年という、若干中長期的な課題かなという受けとめでございますが、ぜひ貴重な提言として、これを何らかの形で施策に反映できないかどうか研究していきたいと思っているところでございます。

○堀田委員
 初めての参加で、生意気なことを言う点はお許し願いたいと思いますけれども、まず、今の八代委員の問題提起、私も賛成であります。着々と全体構造を描いて作業を進めておられますので、その点はすばらしいと思いますけれども、新しい目で見まして3点ほどもう少しこういう点が欲しいなと感じる点を簡潔に申します。
 第1点は、働く環境の整備というのは非常に大切だと思います。その点で、経団連、連合さんが今の制度を前提にして大変いいご提案をされておる、これはぜひ企業がそういうふうに働き方が変わっていくことを推進しなきゃいけないと思います。ご提案のいろいろな制度は、今の日本人の働き方、つまり就職して、大体その会社に最後までおるという、そういう前提の中で給料とか、いろいろな制度をお考えですけど、もっと自由に転職もできて、あるいは休業して、また新しいところへ転職できて、それが不利にならないと、そこまでちょっと仕組みを考えなきゃいけないんじゃなかろうか、その点が第1点であります。
 第2点は、地域のいろんな力を使うということについての配慮がもっと欲しいと思いました。三浦委員の父母、親権者への教育、それは大変いいんですけれども、親権者だけでなくて、もっと地域全体の高齢者には、いろいろな子どものために、何とかしたいと思っている方が多い、そういう地域をも巻き込んだ教育、仕組みづくり、そういったことを考えていく必要があるんじゃなかろうかと、これが第2点であります。
 第3点は学校でありまして、岩男委員からもちょっとありましたが、子どもたちが元気がない、いじめはとんでもない話でありますが、画一的な価値観の中でだんだん元気がなくなっていっておる。もう高校生ぐらいになりますと、私もあちこちの学校へ講演に行きますが、もうほとんど目を合わせない、本当に無気力な子どもたちが増えている。あれでは親は子育てに夢が持てないんじゃなかろうか。もっとそれぞれの個性が存分に生かせる、非常に柔軟な教育の仕組みというのを考える必要があるんじゃなかろうか、その3点を感じましたので申し上げました。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 引き続き、坪井委員、鈴木委員の順でお願い申しあげます。

○坪井委員
 抽象的な発言で恐縮ですけれども、次世代育成支援に関する当面の取組方針の中で、1ページ目のところに社会保障における次世代支援という言葉がございますね。ここで社会保障という言葉が出てくるわけで、私は大変これは大切なことであるというふうに思うんですが、もう少し掘り下げて、広く社会保障というものを使いまして、結構少子化の根本的なところに触れてくるというふうに私どもは考えているわけです。
 具体的な政策としてどういうものがあるかということをお話は今すぐにはできませんので申しわけありませんが、社会保障の概念というものの整理というよりも進展ですね。そういうものを、私は私の立場からすれば、医療とか福祉という立場から主張しているわけですけれども、これは次世代支援という、言葉は少しあれがあるかもしれませんが、狭まったところじゃなくて、もう少しライフサイクル全体に向かって社会保障というのは必要になるわけですから、もう既に子どもとして、この世に生存するという人たちに対する社会保障というものの考え方よりももっと前に、私はよく精子、卵子のときから社会保障というのは必要だと言うわけですけれども、その辺のところの考え方の幅広さもひょっとしたら少子化対策には結構基本的に必要なことなんじゃないかなと。私の領域からは、そういうことを少し主張していかなければいけないかなと思っております。

○鈴木委員
 なぜ少子化になるのかという根本的な原因を探るということはとても大事なことだと思うんですね。
 それで、気になるのは、アンケート調査必ず出てくるんですね。そうすると、大体トップに出てくるのが、子育ての費用の負担が大きいからと。非常にわかりやすい結果が出てきます。そうすると、例えばどこかの地方自治体で、お金がないんだったらお金を支給しようということをやったら、逆に少子化がもっとひどくなったという結果が出たことが前にあったような気がするんですけれども。
 僕は小説家なものですから、得意なのは行間を読むということですね。アンケートで出てくる結果と結果の間に、必ず行間にもやもやと漂っているものを僕は感じるんですよ。それは一体何かなと思うんですけれども、僕は東京都の青少年教育の審議会の委員とかやっているんですけれども、そこでもいろいろアンケート結果が出てきます。アンケートの正確なつくり方というのは非常に問題になってくると思うんですね。箇条書きされていると、アンケートとらされる方は非常にわかりやすい答えしか選んでいかないんです。そうすると、いかにもという結果しか出てこないんですね。その結果を見て、こういった取組みをやろうと思うと、これが結構的外れになっちゃう場合があると僕は思います。ですから、いわく言いがたい、もやもやっとしたものを、適切な文章で、アンケートとして持ち出してくるという力が必要なわけですね。
 僕は、どういうふうな原因があるのかなということを考えるんですけれども、東京都の方で、例えばこんなアンケート結果がありました。お父さん、お母さんに聞きました。将来、日本は暗くなると思いますか。どんどん悪くなると思いますか。不安があると思いますか。そうすると、8割のお父さん、お母さんが不安を感じているんです。今度は子どもに聞きました。お子さんに、あなたは早く大人になりたいですか。8割のお子さんが「なりたくない」と答えるんです。このアンケート結果が一致しているんですね。僕はですね、社会が、世界が徐々に悪くなっていくと思ったら、その世界に向かって新しく子どもを生み出すという気にはならないと思うんですね。そこのところの雰囲気というものがいわく言いがたい、言葉にならないようなものとしてこのアンケート結果の行間に漂っているような気がするんですよ。そこをどうやって自然に将来は明るいんだ、その明るい世界に新しい生命を生んでみようという気を起こさせるかというのがすごく大事だと思うんですけれども、ですからそこのところにポイントを絞った、何かキャンペーンというものが僕は必要な気がします。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 植本委員代理、お願いいたします。

○植本委員代理 
 先ほど岩男委員の方からありました、出産をする女性に対する圧力が今もなお現にあるということのご報告に対しては、私自身も労働組合の責任者の一人として、本当にそういうことがすべてのところでチェックができていないということを今さらながらに反省をする次第です。
 ですけれども、やはりこれは一つは使用者側の発想の中にコスト意識というものがあり、これから多分大学の方でもそういう意識を持てということの浸透の中で、ともすればコスト意識の中に子どもを産む女性はコスト高だという発想が入っていっているということだと感じております。ですから社会で育てるという意識と、それから企業がすべて責任を持つとしたら、それはやっぱりコスト高だということとのせめぎ合いのところが出てきているわけでありまして、この次世代育成支援対策推進法の趣旨としても、社会で責任を持っていこうということが非常に大きいと思います。そこの意識改革を私たち自身も一生懸命頑張りますけれども、トータルでやはり子育ては金がかかるというふうなことではなくて、むしろ子どもを育てることによって親も豊かな人間性をもつ、育っていくんだという意味では、社会全体が育まれ、育っていくんだという意識で子育てのことが考えられるような、そういうような制度整備が必要だと考えております。
 それと同時に、先ほど八代委員や堀田委員がおっしゃっていただいた多様な働き方への、対応についてはコストの問題と重なってくるわけですけれども、コスト意識でいる限りは多様な働き方への対応がはかられる一方、均等待遇の視点が非常に欠けがちになりますので、そういうことも連動しているという趣旨でぜひとも推進をしていただきたい。
 特に先ほどの資料の中にありました共働きの女性と専業主婦とでは子育ての不安感は専業主婦の方が強いというのは、結局共働きの女性というのは職場に仲間がいますし、今までは保育園、これからは保育所も少し開かれた形になりますが、保育園でも、ともに相談し合える仲間がつくりやすかったと思います。ですから、ストレスのはけ口といいますか、相談先が多様にあった。専業主婦の方は、そういうところが非常に少ないために子育てストレスが多かったという、そういう意味でもやはり社会での子育て、社会が育んでいくという発想で諸制度の整備を続けていく必要があると考えております。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 貴重なご意見ばかりでございますが、ここでまとめはなかなかできないと思いますので、いただきましたご意見につきましては、次の機会に向けて我々も努力をさせていただきたいと存じます。
 それでは、官房長官にごあいさつをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○福田内閣官房長官
 それでは、ごあいさつさせていただきます。
 本日は、大変ご多用のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。いろいろとご議論をいただきまして、拝聴しておりましたけれども、本当にいいお話を伺いました。大いに参考にさせていただきたいと思います。
 この少子化問題は本当に深刻な問題で、将来に対して各家庭や社会が不安を感じる原因にもなっています。また、少子化は、国家的にも、いろいろな問題をはらんでいるのではないかと思います。この間の通常国会で少子化社会対策基本法、また次世代育成支援対策推進法が立法されましたので、少子化への取組みをもう一段強化する枠組みはできたと思うのでありますけれども、これを活用して、いかにこれから少子化対策に取り組んでいくかということが重要になろうかと思います。
 先ほど来のお話にありますとおり、仕事を優先しがちな企業風土、核家族化の進行などによります家庭、地域における子育て機能の低下に対して、企業、職場においては働き方の見直し、また子育てと仕事の両立のための効果的な取組みを、地域においてはさまざまな家庭のためにきめ細かな子育て支援策の充実、こういうことが求められているのではないかと思います。このような取組みを着実に進めていくために、国民会議に参加されている各団体のご協力、これは極めて重要でありまして、本日の会議を契機といたしまして、地方レベルも含めた取組みを一層推進していただきたいと思っている次第でございます。
 本日は、各団体の代表の方々にお集まりいただいておりますけれども、このような考え方を各団体において下の方に広げていくということ、これが組織のすべてに行きわたるようにするということが大事です。そういう意味におきましては、この会議が平成11年に発足して、本日は第5回ということですが、少し数が足らないのではないか、今年の第5回目というぐらいの取組みをしていただかないと、とてもこの問題解決には向かっていけないのではないかというようなことも考えて、政府も、極めて大事な国家的な課題という認識を持ちまして、懸命に取り組んでまいりますので、どうかよろしくご協力のほどをお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 本日は、各般にわたりまして様々なご意見をいただきまして、ありがとうございました。ここでいただきましたご意見をその場限りのものとせずに、それを現実にどう結びつけていくかという努力を我々はしなければならないと思っております。大変貴重なご意見をいただきましたので、一つひとつ本日のご意見を大事にしながら進めさせていただきたいと思っております。ご指摘を賜りましたことにお礼を申し上げまして、これで終わりにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。