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少子化への対応を推進する国民会議(第6回)


1.日  時  平成16年9月3日(金)16:00〜17:05
2.場  所  内閣総理大臣官邸 4階大会議室
3.議事次第
 1.開 会
 2.議 事
  (1)政府における取組について
  (2)「国民的な広がりのある新たな取組の推進について」の決定について
  (3)国民会議参加団体の新たな取組について
  (4)国民会議全国キャンペーンの実施状況について
 3.意見交換
 4.閉 会


○坂口厚生労働大臣
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第6回の少子化への対応を推進する国民会議を開催させていただきます。
 委員の皆さんには、御多忙のところをお集まりいただきまして誠にありがとうございます。厚生労働大臣の坂口でございます。本会議の進行を務めさせていただきたいと存じます。
 本日の会議には、総理は所用のため遅れて出席されまして、後ほど御挨拶をいただくことになっておりますので、お許しをいただきたいと存じます。
 それでは、まず小野少子化対策担当大臣より御挨拶をいただきますので、よろしくお願いいたします。

○小野内閣府特命担当大臣
 少子化対策担当の内閣府特命担当大臣の小野清子でございます。
 第6回「少子化への対応を推進する国民会議」の開催に当たりまして、御多忙中、御出席を賜りました委員の皆様に厚く御礼を申し上げます。
 近年の我が国における急速な少子化の進行は、経済成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会の活力低下といった問題に加え、子ども達が同世代の仲間と切磋琢磨して健やかに育つ環境がなくなりつつあるなど、国民生活にさまざまな影響を及ぼすことが危惧されるものでございます。
 こうした少子化の流れを変えていくためには、子どもが健康に育つ社会、子どもを生み、育てる喜びを実感できる社会を実現していくことが喫緊の課題であり、家庭、学校、地域、職場を始めとする社会全体の課題として取り組んでいくことが不可欠でございます。そのためにも、少子化への対応を大きな国民的広がりのもとに進めようとする本国民会議におきまして、今後、さらに新たな取組が推進されることに大いに期待をしているところでございます。
 政府におきましても、昨年9月に施行されました少子化社会対策基本法に基づき、本年6月に少子化社会対策大綱を策定したところでございます。私は、少子化対策を担当する大臣として、この大綱に基づき、政府一体となった総合的な取組の推進のために全力を尽くしてまいる所存でございます。
 委員の皆様におかれましては、本日の会議で活発な御意見をいただき、これを踏まえて、家庭や子育てに夢が持てるような環境の整備に向け、一層の御尽力をいただきますようお願い申し上げて、私の挨拶といたします。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 それでは、会議の進行に移らせていただきますが、まず、本年6月に閣議決定いたしました「少子化社会対策大綱」でありますとか、昨今の少子化をめぐる動きなどにつきまして、今般の次世代育成支援に関する政府の取組等について、事務局からその概要の御説明をお願いしたいと思います。

○内閣府山本政策統括官
 内閣府政策統括官の山本でございます。どうぞよろしく。
 座って説明させていただきます。
 それでは、私から、少子化社会対策大綱につきまして御説明を申し上げます。お配りしております資料の概要説明版という横長の概要版で説明をさせていただきたいと存じます。
 この大綱につきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、昨年、超党派の議員立法で成立いたしました少子化社会対策基本法に基づきまして策定をいたしたものでございます。有識者8名の先生方と、小野大臣、坂口大臣を始め5閣僚の皆様方で検討を重ねていただきまして、本年の6月に総理会長の少子化社会対策会議におきまして決定いたしたものでございます。
 1枚目のところでございますけれども、少子化が進んでいるということでございますが、危機感がなかなか共有されていないということで、少子化が著しく進みますことによりまして、社会経済の持続可能性を揺るがす、あるいは子どもが育ちにくい、こういったような問題があるということから、子どもを生み、育てることに喜びを感じることができる社会への転換が喫緊の課題であるという認識のもとで、今後5年程度で少子化の流れを変えるための取組を集中的に進めたいということでございます。5年程度といいますのは、第2次ベビーブーマー、いわゆる昭和46年から49年生まれの方々がちょうど今30から35ぐらいの年代でございまして、そういったような人口構造も一応背景に、こういったような目標を立てたものでございます。
 全体の大綱の構成は、三つの視点を挙げまして、それに基づきまして四つの重点課題と28の行動と、こういったような構成になっております。
 推進体制ですが総理を会長に、全閣僚によって構成される少子化社会対策会議を中心に、内閣を挙げて取り組んでいます。それから、具体的実施計画、これは新新エンゼルプランということになりますが、これを年内に策定する予定です。それから、国民的な理解と広がりを持った取組の推進については、本日のこの国民会議などを通じて行っていきます。それから、毎年、きちんとフォローアップをしていくということをうたっております。
 中身でございますが、三つの視点ということで、それぞれライフステージの各段階に応じて視点を打ち出しております。
 まず、青年期において、「自立への希望と力」ということで、今なかなか若者の自立が難しくなっていることから、社会的な自立を支援していく、そしてその前の幼児期からのたくましい育ちといったようなこともその前提として大切だということです。
 それから、2番目は「不安と障壁の除去」ということで、子育ての不安や負担を軽減していく、仕事と子育ての両立といったようなことでございますとか、あるいは在宅育児につきましても、今子育て不安とか孤立化が大きいということでございます。そういう負担感を除去、軽減をしていく。それから、そのもととして働き方の見直しが喫緊の課題です。
 それから、3番目としまして、「子育ての新たな支え合いと連帯」ということを打ち出しております。一つは、命を次代に伝え育んでいく、あるいは家庭を築くことの大切さ、こういったような基本的なことの理解を深めていく。それから、子育て、あるいは親育て、こういう言葉を使っておりますが、そういう社会をつくって、子育てを地域や社会全体で支え、変えていくんだと、こういう視点を挙げておるところでございます。
 それに基づきまして、四つの重点課題ということで、今申し上げました3つの視点に沿いまして、「若者の自立とたくましい子どもの育ち」、この中には奨学金の充実といったようなことも入ってございます。それから、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」、これは行動計画の策定や勤務時間の短縮、といったような内容でございます。
 それから、3番目が先ほどの「生命の大切さ、家庭の役割等についての理解」を深めていくということで、例えば、幼児とのふれあい体験をもう少し活発にやっていくといったようなことを入れております。
 それから、4番目が「子育ての新たな支え合いと連帯」ということで、ここはさまざまな地域での子育て支援、あるいは児童虐待の問題、妊娠・出産等の保健医療の問題、こういったさまざまな問題を4番目の重点課題といたしております。
 そうしまして、今申し上げましたものをさらに重点課題に取り組むための28の行動ということで、こういったような課題に政府を挙げて重点的に取り組んでいくということを大綱としてうたっているところでございます。
 以上が今般の少子化社会対策大綱の概要でございます。
 以上でございます。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして厚生労働省伍藤局長からお願いいたします。

○厚生労働省伍藤雇用均等・児童家庭局長
 厚生労働省の雇用均等・児童家庭局長の伍藤でございます。
 座らせていただきます。
 続きまして、私の方からは資料2に沿いまして、最近の少子化をめぐる動きにつきまして、簡単に概要を御説明させていただきます。
 資料2に1枚紙で昨今の動きをまとめてございますが、現状の取組、一番左にありますが、今年度まで5カ年計画として新エンゼルプランを進めてまいりました。それと並行して平成14年度から16年度まで、「待機児童ゼロ作戦」を進めてまいりました。
 こういった取組の中で、現在をどう認識するかということで象徴的なことを書いてありますが、子どもと家庭をめぐる危機的な状況というようなことでまとめておりますが、一つは、最近発表されました15年の出生率が予想を下回っている、1.29ということで出生率が依然低下している、これが一つの現実でございます。
 それから、二つ目は、一般家庭にも広がる子育ての負担感とか不安感。これは、今進めております新エンゼルプランとか待機児童ゼロ作戦、これは共働きの家庭をいかに支援していくかと、家庭と仕事の両立をどう支援していくかということに主眼が置かれた対策が今までの中心でございましたが、昨今のいろいろな問題を見ておりますと、そういう共働きの家庭のみならず、むしろ、ここにありますように統計等では家庭で子育てをしている専業主婦の方がかなり子育てに悩んでいると。それが3つ目の虐待問題などに結びついているのではないかということでございます。
 それから、3点目が、今年の2月に発生いたしました岸和田の事件は衝撃的でございましたが、こういったことを初めとして、児童虐待というのが非常に増加の傾向をたどっているということでございます。
 こういった現状をいかに認識をして今後の対策を考えていくかということが必要ではないかということで、現在、進めております対策の枠組みが右側にまとめてございますが、昨年の7月には、超党派の議員立法ということで、少子化社会対策基本法というのが成立いたしました。あわせて右の方に、これは政府提案で、次世代育成支援対策推進法と児童福祉法改正というようなことを相次いで実施をしたわけでございます。
 具体的には、この少子化社会対策基本法に基づいて、今説明をいたしました少子化社会対策大綱というものを策定いたしましたし、それから、右の方の次世代育成支援対策推進法に基づきまして、国、自治体それぞれの関係機関、それから民間の企業に次世代育成支援のための計画をつくっていただくということで、民間も含めて総ぐるみでそういう計画づくりを進めているというのが現時点の動きでございます。
 あわせて、これに関連する具体的な法案でありますが、関連法案として、私ども3法案を前国会に提出いたしました。
 一つは、児童手当法の改正ということで、児童手当を小学校3年まで引き上げるという改正案。児童福祉法の改正案は、児童虐待に焦点を当てて、今、都道府県が主としてこういう対策を担っておりますが、それを市町村にも担っていただくというのが改正点でございます。それから、職場の改革ということで、職場の面からも子育てを支援していただくということで、育児・介護休業法を改正して、今、育児休業は1年でありますが、これを必要な方には1年6カ月まで取れるようにする。こういった総合的な法案を提出させていただきましたが、いろいろな経過で児童手当法だけが成立して、残りの2法案は秋の臨時国会へ継続審議という形になっているというのが現状でございます。
 それから、今後の動きとして、先ほど御説明申し上げました新エンゼルプランに代わる新たなプランを、幅広いものとして今年の12月に策定をしたいということが現在の動きでございます。
 あとは、参考までに次のページの参考資料1は、今年度で終了する新エンゼルプランの進捗状況をまとめたものでございまして、一番右側に最終年度までの目標値というものを掲げておりますが、これに比べて平成16年度どうであったかということをそこに並べているわけでありまして、かなり大幅に上回って目標を達成しているものもございますし、病後児保育とか、あるいは下の方の小児救急医療とか周産期医療、医療関係のところは医療との関係がなかなか難しいということで若干足踏み状態のものもございますが、おおむね進捗状況は計画を達成している、あるいは上回っているというような状況にございます。
 それから、次のページの参考資料2の待機児童ゼロ作戦の関係でございますが、これは平成14年度から3カ年計画で進めておりますが、待機児童が5年ぶりに減少に転じまして、今年の4月時点では昨年の2万6千人から2万4千人に低下しているということで、新しい動きでございます。
 参考資料3は、年末に策定いたしますが、新エンゼルプランに代わる新たなプランのイメージとして、先ほど申し上げましたような専業主婦の対策をどうするかとか、あるいは虐待対策にどう取り組むかということで、今までの新エンゼルプランよりも少し幅広の項目を掲げたらどうだろうかというような、まだこれは素案の段階でございますが、イメージとして提出させていただいたものでございます。
 以上でございます。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 ただいまの説明に対する御質問等は、後でまとめて行っていただく時間をとっておりますので、次に進めさせていただきたいと思います。
 続きまして、平成12年に当国民会議の取組として決定いたしました「国民的な広がりのある取組の推進について」につきまして、参加団体におかれましても、これまでの取組に加えて少子化の流れを変えるもう一段の取組を進めていただくよう、見直しのための検討をお願いしていたところでありますが、各団体において鋭意御検討いただきまして、それを取りまとめたものが資料3−2の「国民的な広がりのある新たな取組の推進について」でございます。
 本日は、まず事務局からその概要を説明していただいて、意見交換の後に国民会議の新たな取組方針といたしまして、国民会議として決定いただきたいと存じます。
 それでは、まず事務局から説明をお願いいたします。少し時間が詰まっておりますので、簡潔明瞭にお願い申し上げます。

○厚生労働省伍藤雇用均等・児童家庭局長
 それでは、資料3−1と3−2に基づきまして、御説明をさせていただきます。
 昨年の12月8日に開催されました当国民会議におきまして、それぞれ各団体におかれまして、少子化の流れを変えるためのもう一段の取組を行っていただくため、その見直しをするということが決定されて、それ以来、作業を進めてきたものでございます。各団体におかれましていろいろ御検討いただきまして、去る7月1日に開催されました幹事会で了承いただいたものが、本日お配りしております資料3−2でございます。それを概要にまとめたものが資料3−1の概要版ということでございます。概要版に沿いまして、説明させていただきたいと思います。
 最初に、改正の趣旨でございます。
 これまで平成12年に決定されました「国民的な広がりのある取組の推進について」、これに基づきまして、いろいろ各団体で取組を進めてきていただいたところでございますが、その後、合計特殊出生率が1.29になるなど、少子化が一層進んでいるということで、これをさらにどうするかということが喫緊の課題になっているということでございます。
 こうした状況の中で、先ほど説明いたしました少子化社会対策基本法、あるいは次世代育成支援対策推進法、あるいは少子化社会対策大綱というものが決定されてきているということは、先ほど御説明したとおりでございます。
 国民会議としても、さらに一層のこういう国民的な取組を推進するためにこれを決定するということで、主体的かつ積極的に取り組むということが、この趣旨のところに述べられているところでございます。
 それから、Uの具体的な主な取組という欄でございますが、まず取組の方向性といたしましては、先ほど少子化社会対策大綱、あるいはこの大綱に基づく施策の具体的実施計画、いわゆる新エンゼルプランに代わる新たなプランに基づく政府の施策と連携を図りながら取組を進めていくということとされております。
 具体的な取組の柱立てでございますが、まず1として、社会的な機運の醸成というものから始まりまして、2として、若者の自立とたくましい子どもの育ち、それから3といたしまして、次のページでございますが、仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し、4といたしまして、生命の大切さ、家庭の役割等についての理解、5が子育ての新たな支え合いと連帯というふうに、大きく五つの柱から構成されております。これは、先ほどの少子化社会対策大綱の重点課題に沿って、この構成をさせていただいているところでございます。
 具体的な取組の内容につきましては、簡単に説明をさせていただきますが、まず1の社会的な機運の醸成というところでは、いろいろな全国的なキャンペーンの実施を初めといたしまして、さまざまな意識啓発等の取組を進めるということにしております。
 それから、2の若者の自立とたくましい子どもの育ちというところでは、各経済団体における就労支援、あるいは世代間交流や体験活動、こういった取組を進めていただくこととしております。
 それから、2ページにまいりまして、3の仕事と家庭の両立支援と働き方の見直しでは、企業行動計画の策定、それから男性の子育て参加促進のための取組、こういったことをなお一層進めるということにしております。
 それから、4の生命の大切さ、家庭の役割等についての理解では、福祉教育団体における中・高校生と乳幼児がふれあう機会の取組を進める、こういったことでありますとか、各種のフォーラム等を通じて、生命の大切さ、家庭の役割等についての理解を広めていくという取組を記述しております。
 それから、3ページから4ページにかけまして、5の子育ての新たな支え合いと連帯でございますが、これは地域行動計画の策定、実施への支援、あるいは多様な保育サービスの充実、幼稚園における預かり保育の拡充、親子交流の場の設置・促進、あるいは児童虐待防止に向けた各種の取組、子どもの健康や妊娠・出産への支援、こういったことを幅広く進めていくということにしております。
 国民的な広がりのある新たな取組の推進について、各団体と協議をしながらまとめてまいりました概要について、ポイントだけ御説明を申し上げました。
 以上でございます。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 少し急いで説明をしていただきましたので、御理解いただきにくい点もあったかと思いますが、事務局が説明いたしました国民会議の新たな取組方針につきまして、何か御意見がございましたら、皆さん方から御発言をいただきたいと思います。
 どなたからでも結構でございます。

○八代委員
 先ほど御説明がございましたように、本会議は6回目の会議ということなんですが、この間、日本の合計特殊出生率は一貫して下がっておりまして、しかもそれは政府の予想を上回るスピードで下がってきているわけです。従って、各界、非常にいろいろ御努力はされているわけですが、評価の視点から考えれば、はっきり言って効果はなかったというふうに言わざるを得ないのではないかと思っております。
 やはり今後本当に少子化をとめるためにはどうしたらいいかという戦略をつくらなければいけないわけですが、そのためには、少子化の原因ということをきちっと分析しなければいけないのではないか。もちろん、ここに三つの視点という形でいろいろございますが、それがどの程度深刻なのか、人々の意識の変化が問題なのか、それとも制度に問題があるのかという根本に立ち返って分析しなければいけないのではないか。いわば敵を知らなければ敵に勝てないわけでして、その意味では、まだ分析が不十分ではないかと思っております。
 かつて厚生省の人口問題審議会で、少子化の基本要因は二つである。それは、働き方の問題と子育ての支援といいますか、保育サービスの充実であるというふうに明確に定義した時期がございました。少子化対策として働き方を変えるといったときにどこまで変えればいいのか、保育サービスを充実するというときに、どこまでやればいいのかということがあまり議論されずに、専ら各団体が反対されない範囲で、いわば誰も文句を言わないような形の政策を積み重ねてきたのが現実ではないかと思っております。
 その意味では、やはり規制改革と同じように、ある意味で一部の反対を押し切ってでもやるような戦略をしなければ、いつまでたってもこの出生率の低下というのはとどまらないのではないかと思っております。
 少子化の要因については、国民生活白書とか、いろいろな白書では既に分析しているわけですけれども、基本的には子どもを持つことのコストというのが、傾向的に高まっている。それはなぜかというと、やはり今の企業内での働き方や社会保障制度というのが、専業主婦を持つ夫を前提とした形になっているわけです。それが働く女性が増えることと矛盾してきている。この矛盾を解消するためにはどうしたらいいかというと、今の生活給という世帯単位の賃金制度とか、世帯単位の年金制度とか、そういうものに切り込まなければいけないわけですが、それがいまだに十分実現していないのではないか。これは当然既得権の壁があるからでありまして、そういうやはり規制や制度の改革ということを結びつけた少子化対策でないと、残念ながら実効性はないのではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 これはお答えするのもなかなか難しいですが、何かございますか。

○内閣府山本政策統括官
 今、八代委員からお話がありましたが、先ほども申し上げましたが、この大綱をつくるに当たりましても、有識者の先生方、あるいは閣僚の大臣方にいろいろ御議論いただきました。なかなかヨーロッパ諸国も非常に出生率が低くて、要するに先進諸国は低いわけです。あるいは韓国とか、最近はシンガポールとかも低い。一体何をすればそういったものが反転するというか、歯どめがかかるのかという御議論はなかなか難しいということで、決め手がないということではございますけれども、一応、現時点での考えられる施策をまとめて、国を挙げてやっていこうということでまとめたところでございまして、さらにどういうものが、原因分析だとか、施策だとか、そういったものが一番効果的であるのかというのは、さらにこういう施策を進めながら研究を進めて、より重点的にやはりやっていく必要があると。場合によっては、今、委員おっしゃいましたように、そういう制度的な問題にもいろいろ研究・分析を加える必要があるのではないかなというぐあいに考えておるところで、なかなかはっきりした、これをやればこうだという決め手がないのがなかなか難しい問題かなというのは、実感として、この作業をやりながらも痛感しておるところでございます。
 お答えにはなりませんけれども、失礼しました。

○坂口厚生労働大臣
 八代先生、よろしゅうございますか。貴重な意見でございますので。

○八代委員
 ただ、ヨーロッパとの比較でちょっと問題なのは、ヨーロッパも出生率が低いですけれども安定しているわけですね。日本はまだまだ安定するところまでいかずに、下がり放しになっている、そこはやはりヨーロッパとの大きな違いではないかと思っております。

○清水委員
 スウェーデンは、そういう意味では上がってきたからね。

○八代委員
 そうですね。

○清水委員
 今お話しの2点を改善すると。

○坂口厚生労働大臣
 よろしゅうございますか。
 それでは、まだ御意見も恐らくおありだと思いますし、重要な点でございますが、あとまた少し御議論いただく時間もございます。
 新たな取組の推進につきまして、国民会議決定として、ただいまの案を御承認いただくということでよろしゅうございますか。
 それでは、この新たな取組の推進につきましては、国民会議決定とさせていただきます。
 それでは、次に各団体における新たな取組の御報告に移らせていただきますが、ただいま決定いただいた新たな取組方針におきまして、もう一段の取組として、特に集中的に取り組むべき重点分野である働き方の見直しや地域における子育て支援の充実といった観点から、関連深い4団体の代表の方に事前にお願いしてございますので、御報告いただきたいと思います。
 恐縮でございますが、時間の関係からお一人3〜4分程度でお願いを申し上げたいと存じます。
 では、全国社会福祉協議会の会長の長尾立子委員からお願いを申し上げたいと思います。

○長尾委員
 私からは2点について発言いたしたいと存じます。
 第1点でございますが、子育てに関する社会的な意識の醸成、啓発活動でございます。第2点は、深刻な児童虐待の防止を中心といたします子育て支援の問題でございます。
 まず、第1点について申し上げたいと思います。
 子育てについての社会的な意義、社会的な認識をさらに深めていきたい、これはこの対策大綱におきましても非常に重視しておられるわけでございますが、私どもの保育関係団体におきましても、社会全体でこれらの子育てを支えようキャンペーン、こういった活動を大々的に実施いたしております。
 その一つといたしまして、明日、9月4日土曜日にNHKの衛星第一放送のBSフォーラムの番組で、私どもが企画いたしましたシンポジウム、「子育ては地域の支援で」というのが紹介されますので、御覧いただければありがたいと思います。現在、全国で2万2,000カ所の保育所があるわけでございますが、すべての保育所においてこういったキャンペーンに取り組みたいと思っておるところでございます。
 具体的にどういった取組かという事例を富山県の例で申し上げたいと思いますが、富山県の保育連絡協議会、いわば保育所関係団体でございますが、子育ての支援事業として、保育の出前、これは社会福祉協議会にありますボランティアセンターと提携いたしまして取り組んでおります。遊具をつくる、遊びの紹介、子育てのミニ講座、子どもの食事や生活相談、こういったさまざまな支援を公民館、学校、児童館、子育てサロンやサークル、企業等へ出向いて活動を広めているわけでございます。
 保育士団体からは、子育ての喜びを保育者や保護者とともに社会にメッセージを出したいということで、楽しい子育てメッセージコンテストを行っております。これは、全国から1,385のメッセージが寄せられておりまして、皆様の御協力に感謝しているところでございます。
 地域の保育所は、待機児童対策への対応を図る一方で、保育所が子育ての拠点施設としての役割を発揮して、保育所とは直接御関係のない一般市民、また、一般の子育て中の家庭に対しまして、子どもを生み育てる喜びや意義について理解を進める活動を展開しているところでございます。お手元に幾つかの活動事例集を載せましたパンフレットをお配りしてございますので、御覧いただければと思います。
 次に、児童虐待防止を始めとする子育て支援の新たな取組について御説明を申し上げたいと思います。
 児童虐待の問題、深刻な状況にあると思っているわけでございますが、これらの状況の中で大変注目しておりますのは、専業主婦の方が、内閣府の調査によりますと70%が子育てに自信がなくなることがあるというようなお答えがあるということでございます。
 社会福祉協議会では、平成13年度より児童虐待防止の取組として子育てサロン活動を全国的に展開しております。子育てサロンといいますのは、この資料を配布してございますので詳しくは御覧いただきたいと思いますが、地域を拠点といたしまして、子育て家庭の親子などを、地域住民が多様な活動を通じて楽しみながら仲間づくりを行って支え合う活動というものを展開しているわけでございます。現在、平成13年度の調査で524事例でございましたのが、1,000を超える事例に発展しておりまして、私どもとしては大変うれしく存じているところでございます。
 親御さんにとりまして、仲間づくりができて、子育ての負担感が軽くなるとか、悩みを気楽に相談できるとか、子どもにとりましては、少子化の中でございますので、年の違う子ども同士との遊びというのがなかなかできにくい。それが、こういった形でできたというようなことが喜ばれているわけでございます。
 一例として、大阪府の豊中市の社協での取組を紹介いたしたいと思いますが、校区福祉委員会、小地域社協でございますけれども、子育てサロンを設置いたしまして、延べ8,000人以上の参加がございまして、当事者だけではなくて、ボランティア、保育所、幼稚園、保健所、民生委員、児童委員、市の行政の方々、こういった方々の参加をいただきまして、地域ぐるみでこういったものをバックアップしていただいているわけでございます。
 こういう地域の中のボランティアの方、住民の方が自主的に取り組まれていくこういった子育てサークル、こういうことの充実によりまして、我々の社会の地域の子育て能力を充実していくということは、こういった問題への一つの解決の方法ではないかと思っているわけでございます。
 今後、地域におきまして、このようなサロン活動を通じまして、虐待の予防などに効果を上げていきたいと思っているわけでございますが、やはり防止ネットワークといった専門家による協力や連携、こういうものを本格的につくっていくことが課題ではないかと認識をしているわけでございます。一般に、地域社会が子どもや子育て家庭の福祉に関わっていくことができるような、こういったことが人々の新たな関わりが生まれて、地域社会づくりにもつながるものではないかと思っているわけでございます。
 また、次世代の育成支援対策推進法に関する行動計画が、行政と事業主の双方により策定が進められているわけでございますが、住民や民間の活力ある活動が展開できるような仕組みの実現を期待しております。
 以上、申し上げます。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 では、続きまして、日本子どもNPOセンター代表理事の牟田悌三委員代理からお願いしたいと思います。
 同じように3〜4分で、申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。

○堀田委員代理
 堀田委員がちょっと体調がすぐれないので、代理として同じく代表委員の私が発言させていただきます。
 NPOというのは、とにかく自発的に市民が問題解決するべく立ち上がったわけで、そういう流れというのが、今後非常に重要ではないかと私思っておりまして、そういう方々をネットワーク化し、そしてそれぞれが力を出しやすいようにしていくのが我々の役割だと思っておりまして、ですから、いろいろなイベントをつくるという段になって、そのイベントに参加して、コーディネーター的な役割、あるいは御支援するというようなこともやっておりますけれども、国民会議の方針も彼らにしっかりと徹底させていくということも一つでございますけれども、逆に、地域でやっていることを逐一報告してもらって、それを整理して分析していくという、そういう作業も我々の役割だと思っております。
 そういうことで、キャンペーン活動であるとか、イベント活動であるとか、具体的な一例を申し上げますと、先ほどお触れになりました中高生と幼児との交流、これを既にいろいろと調査いたしまして、それを皆様に還元していくようなことに取り組んでおります。
 それから、ちょっとこれは余談になりますけれども、私、35、6年前に、テレビのビジョン討論会という番組にゲストで引っ張り出されまして、テーマが人口問題でございました。そのときは、何とあと10年もすると1億4,000万人を超えると。この調子でいくと、日本の国は危ないというテーマで、なのにあんたはころころと子どもをつくり、5人もつくって、それでどういう気持ちなのかということを問われた覚えがございまして、今から35、6年前はそういう状況であったということを皆様にお伝えしたかったわけでございます。だから、私はいろいろな枠組みを変えていくということも重要かと思いますけれども、やはりこれは国民一人一人が、福祉というのは自分が動いて獲得するものであるというような認識のもとに、そういう意識改革をしていく方向を何としてでも、我々これだけ各界の方がいらっしゃるわけですから、一緒になってそういう社会づくりということも重要ではないかと私は思います。
 ですから、私は周りで結婚する人がいると、「結婚と子育てはあなたのための生涯学習ですよ」という祝電を打つことにしております。
 失礼いたしました。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 それでは、日本労働組合総連合会会長の笹森委員からお願い申し上げたいと思います。

○笹森委員
 連合ですが、取組状況を含めて、先ほど八代先生の方からも話があった部分も考えながら、少し意見も交えて申し上げたいと思います。
 少子化対策はこれまでいろいろなプランが出されまして、政府も一生懸命努力しているというのは敬服したいんですが、八代さんも言われたように、効果はということになると疑問を禁じ得ないという状況だと思います。一つは社会保障給付の関係費においても、やはり児童・家庭関係の給付の割り当てが非常に少ないというのが端的な例なんですね。その上で、国民の意識という話も出ていましたけれども、日本の社会環境が、外国に比べると妊娠あるいは子育て中の女性や子どもに優しくない、ということなので、そういう意識改革をどうするかということが非常に必要だと思います。
 また、企業の側でも、我々もいろいろ労働契約上対応を図っているんですが、妊娠・出産を理由とした解雇・退職強要が最近増加をしているという数字が出てきています。これは極めて遺憾だと思っています。
 余談になりますが、現在連合の事務局で社会保障政策を担当しているのは、大学卒業後、民間企業を経て労働組合に入ってきた女性で、雅子妃殿下と同じ年なんですが、2人目のお子さんが近々に生まれる予定で、今月末から産休に入ります。生まれた後、今彼女が一番心配しているのは希望通り、保育所に預けて職場復帰できるか、ということです。これは保育の需要に整備が追いつかないという状況で、そういう具体案が目に見えないから、若い世代は、政府が、あるいは日本全体が少子化問題と言っているけれども、本当に取り組んでいるとは実感できないというのが一つの実態だと思うんです。
 私ども労働組合としては、子どもを産みたい、育てたいと思っている男性、女性が、働きながら子育てができる職場、社会環境、これをどう整備するか。先ほどスウェーデンの話が清水委員の方からも出されましたけれども、日本は働いていると子どもを生み育てにくい国なんです。ところが、スウェーデンの場合には、働いているから子どもを生み育てやすい国なんです。だから、働いているから子どもを生み育てやすい日本へどう変えるかということを政策的にも出していかなければいけない。そうなると、雇用の部分と保育の部分と介護の部分、この三つが非常に重要になってくると思いますので、労働団体として、私は自らがこの問題について自分たちもやってみようという発想で、雇用については、連合版ハローワーク、株式会社ワークネットというのをつくりまして4年目に入りました。ずっと赤字だったんですが、やっと黒字になったんですけれども、これは失業した人に対する雇用安定を若年層を中心にやりたいというものです。
 それからもう一つ、子育ての問題については、これは保育の分野で、全国を回ってきたときに、地方自治体、地方の有識者ともお話をして、特にパートの方々から要請されたのが、オーバータイムした時の預けるところが全くないという状況でした。人材提供は、私どもはOB、OG、退職者たくさん抱えておりますので、そういう中に入れながら、連合保育所、それから将来訓練をしながら連合介護センター、こういうものを含めて仕事と家庭の両立をできるものをつくり上げたいという構想の中に、一つ目の雇用の問題についてはできて、二つ目の保育について取り組んでいるところです。
 その中で、また現場からいろいろ言われていますのは、企業コスト削減、これは企業として当たり前なんでしょうが、その結果、非典型雇用の増大が極めて大きい。この人たちに対しては、育児休業などの制度が全く適用されないという状況になっていますので、これでは経済的にも心理的にも、とても子どもを生みたいなんて気持ちにはならない、育てたいという気持ちにならない。これを労使協議の中で、職場の環境整備をどうするか、企業の社会的責任だけではなくて、私は労使の社会的責任として積極的に取り組まなければいけないだろうということを思っておりまして、そのことを取り組んでおります。
 それから、国としては最低でもこれだけは必ずやるという政策、かなり項目は出ているんですが、若い国民の中でいろいろ言われていますのは、子育て世代への経済的支援、これをもっと明確に出してほしい。住宅費の補助、妊娠・出産費用、それから教育費、この問題について思い切った対策を打ち出さなければいかんだろう。それから、だれでもいつでも利用できる保育所の拡充と保育料について、全国統一化を図りながら費用の低減化を図る。また、地域に親子が集える身近な子育て施策、これについてもきっちりとしたものをもっとネットワークを狭めてつくっていく必要があるだろう。この中心的な政策を実施することにより、家庭と地域と職場の子育て共同体というものを再構築し直す必要があるのではないかというふうに思っておりまして、労働運動の地域展開の中でも、私どもはこの部分をやりたいというふうに思っております。
 最後に、これは注文になりますが、これで6回目の国民会議になりますけれども、先ほど八代さんの方からも指摘されておりましたが、私は、この計画がどういうものになっているのか、それからその内容について、このメンバーを見れば多士済々の方々が入っておりますし、相当の数がおりますので、分科会を設定して分析・検討する。その上で、そのことに基づいて実際の具体的施策がどうなっているかという検証をする。そのことをもとに、環境をどうつくるかというグループをつくる。そして、そのことは法律として整備する場合にどういう内容でいったらいいのかというぐらいの分科会の検討をしていって、集中的にやらなければ、年1回程度というお茶を濁すような話ではないだろうというふうに思っております。
 以上です。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 では、最後になりましたが、日本経済団体連合会の紀陸委員代理からお願いを申し上げたいと存じます。

○奥田委員代理
 時間がございませんので、私どもの取り組もうとしている内容につきましては、そのポイントだけ4点申し上げたいと思います。
 八代先生の御指摘と、それから笹森会長が今連合として取り組まれていることと多分に重なる点がありますけれども、4点のまず第1は、基本的に男女共同参画というのは非常に大事な視点であって、これを具体的に個別企業の中でどうやって進めていくか。特に、私どもとしては、幹部職層の方々と言っていいのかどうかわかりませんけれども、やはり性別の役割分担意識をお持ちの方もおられる中で、こういう意識の改革をどうやって進めていくかということが非常に大きな問題ではないかというふうに思っております。そのために、この意識改革を進めるパンフレットをつくりました。それを各企業さんに活用していただくような手だてをしていおります。
 第2に、この意識改革とあわせて、多様な働き方というのはやはりこれから非常に大事なことになってまいりますので、それにあわせて人事制度、処遇制度、さらには雇用の仕組み、といったものをどうやって多様化させていくか。このことについてはこれまでワークシェアリングという形でも進めてまいりましたけれども、一段と具体化するような形で取り組んでまいりたいと思います。
 それから、第3に仕事と子育ての両立という点では、やはり保育サービスの充実が大事であります。これは自治体だけではなくて、各企業がそれぞれ自分の工場なり職場なりをお互い連携させて、企業の中に保育サービスの施設をつくっていくことも必要ではないかと考えます。これについては限度があるかもしれませんけれども、多様な取組がここでも必要ではないかというふうに思います。
 それから、4番目としては、若年層の就職促進という観点であります。若い方々が、やはり職を持って家庭をつくっていくような条件整備がないと、子どもを生むというところまではまいりませんので、若い人たちにどうやって仕事の場を提供するか。これもインターシップであるとか、あるいは地域の労使が仕事を発掘するという努力を今進めておりますけれども、今後とも取り組んでまいりたいと思います。
 特に、今申し上げました3番目の保育サービスの部分では、一段の規制改革が必要かと存じます。労使ができること、政労使が協力することをそれぞれきちんとかみ合わせて、地道な努力を重ねていくということが一番大事な点ではないかというふうに思います。
 簡単ではございますが、以上4点だけ指摘をさせていただきます。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 それでは、ただいま4名の方から御報告をいただきまして、これらの御報告に対する御質問もあろうかと思いますけれども、ちょっと時間が押してきているものですから、次に進めさせていただきまして、後でもう少し時間をとらせていただきます。
 国民会議の取組として、平成16年に実施する予定の少子化への取組についての全国キャンペーンの概要について、簡単に説明をお願いします。

○厚生労働省伍藤雇用均等・児童家庭局長
 資料4でございますが、時間もありませんので、これをお目通しいただければ結構でございますが、例年同様、各地でフォーラムといろいろなキャンペーンを実施したいということでございます。
 なお1点だけ、一番下にありますニュースレター、これは国民会議ニュースとして今まで発行いたしておりましたが、これを模様替えいたしまして、次世代育成支援ニュースレターということで発行しようということで、創刊号は鈴木光司委員にインタビューをお願いしておりますので、申し述べさせていただきます。
 以上でございます。

○坂口厚生労働大臣
 それでは、これまでの説明でありますとか、あるいはただいま御報告いただきましたこと等につきまして、皆さん方で御意見の交換をしていただければ幸いでございます。
 御自由に御意見をお願いします。

○長尾委員
 保育対策の充実の効果は、私は大きいと思うんですけれども、現実に首都圏等で考えますと、保育所を住んでいる地域社会の中で充実していただいても、勤め先から帰ってきて、それから保育所に迎えに行って、それから自分の家事をやるというのは女性にとって非常に負担が大きいのですね。こういう問題というのは、何かそれぞれが別々に議論するのではなくて、都市計画そのものの中で、子どもを育てやすい環境自体を考えていく、簡単に言うと職住接近といいますか、通勤するのに1時間半もかかって、それから保育所へ行って、それから自分の家の家事をやるというのは、女性にとって物すごい負担なんですね。1人育てればもう、それ以上はできないという気持ちになってしまう。
 この議論の中で、やはり都市計画といいますか、我々の住むところ、働くところ、そういうものを総合的に考えていくという視点が非常に重要なのではないかと思っております。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 どうぞ、ほかに。

○鈴木委員
 よろしいですか。
 僕はたくましさということに関して一つ意見を言いたいと思います。たくましさということに関する誤解がすごくあるような気がします。妻が高校の教師だったものですから、妻に代わって子育てをやってきたという経験をもとにいろいろしゃべるんですけれども、全国いろいろなところへ行ってこの経験をしゃべっていると、最後に質問者の中で、「男はもっと質実剛健たるべきだ」と言ったりする人が出てきます。要するに、男が子育てするなんて女々しいというような感じのことを言う人がいるわけですね。大体そういう人はおじいちゃんが多いんですけれども、じゃあ「あなたにとってたくましさとか質実剛健さというのは一体何ですか」と聞くと、「僕なんてね、君、結婚してから靴下を自分ではいたことがない。足を差し出すと女房がはかせてくれるんだ」ということを言うわけです。それがたくましさとか質実剛健さだと勘違いしているわけです。
 僕は、ヨット乗りで、そのうちに近々太平洋を横断をしようかなと思っているんですけれども、そんな人はヨットに乗れませんね。自分の力で状況を切り開いたり、困難を乗り越えるのがたくましさだとしたら、自分で靴下もはけないというのはたくましさが全くないことなんです。こういったたくましさのない人は、結婚すると妻のお荷物になるだけです。そんな姿を見ていた次世代が、結婚とか子どもを生むということに関して、幻滅してしまったのが、女性たちが子どもを生まなくなった心理だと思うのです。
 たくましい男をつくるというのはとても大事なことなんだけれども、これが難しいんですね。たくましい男、要するに、将来妻のお荷物にならない男をつくるにはどうしたらいいかと。僕は、保育園の父母の会のときに父母の会の会長をやっていたんですけれども、保育園というのは、基本的に妻も働いている。だから、お父さんとお母さんが協力し合って子育てするというのが原則のところなんですよ。そうすると、父母の会にお父さんの参加がすごく多いんです。
 たまたま僕が行っていたのは港区の高輪保育園というところで、保母さんがすごくかわいかったというところがあって、用もないのにお父さん方が集まってきたという、今思えばそうだったなと思うんですけれども、とにかくお父さんの参加率がすごく高かった。お父さんたちを交えてキャンプに行ったりすると、やることが乱暴なんです。岩の上から川の中に飛び込めと平気でやっちゃいますね。そのかわり僕たちが先にもぐって、岩がないところを確認してから、安全を確認してからやらせる。そうすると、やはりたくましい子が育ってくるんです。
 保育園のときはそうでした。保育園では、お父さんも働く、お母さんも働くが原則の集団だったからそれが成り立ったけれども、これが小学校に入ったり、中学に進んでPTAになると、女性だけの集団になってしまいます。これは僕は大問題だと思いました。どうやっても男が入り込めない。PTAの会長というものは、お飾りのように男が座るんだけれども、現場でやっているのは全部女性なんですね、お母さん方。ここで母性一色に急に染まってしまうというのは、僕は大問題だと思うんですね。これによって、たくましい男の子が育つという土壌が奪われちゃう。これは変えようと思ったらすぐに変えられることではないかと思うんです。
 今回、PTAの関係者の方もいらっしゃっていると思うんですけれども、いかにしてPTAにもっとお父さんを誘い込むかというのが大切です。PTAにお父さんの割合が3割なかったら運営はしてはいけないとか、そのくらいのことをやらないと変わっていかないような気がするんです。あるいは、育児休業制度にしても、欧米諸国と比べたらお父さんが取っている割合というのは2けたぐらい低いです。これは、ある程度強制力を働かして、せめて10%は取らせるようにする。思い切った改革を行政でやっていくと、何か解決への方法が見つかってくるかもしれない。今のやり方を見ていると、やはりちょっと漠然とし過ぎているような感じもするんですね。たくましさというのは、非常にキーワードになってくるのではないかと思っています。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 御意見もたくさんまだおありになるというふうに思いますが、総理が御出席いただきましたので、総理の方から御挨拶をいただき、その前にカメラの方にお入りいただきたいと思います。

○小泉内閣総理大臣
 もっと意見を聞きたかったけれども、時間がなくて申しわけない。

○坂口厚生労働大臣
 先ほどから、八代委員の方からも、合意ができたことをやっているというのではなかなかうまくいかない。合意ができないことでも、それは前に進めなきゃならんこともあるのではないかという御意見がございました。

○小泉内閣総理大臣
 大体そうだな、小泉の内閣の場合は。

○坂口厚生労働大臣
 それから、笹森委員からも、最低でもこれだけはやるという線を明確にしてそれをやってほしいという御意見がありましたし、これだけたくさんの専門家がお見えになるのですから、分科会をつくって、そこで今までの分析をし、検討する。今までやってきたことの分析・検討し、何が原因かということをもう少しやっていってはどうかというような御意見があったということでございました。

○小泉内閣総理大臣
 今日はありがとうございます。
 私が総理になってから、女性が子育てしやすい環境をつくるのにいろいろ要望がありましたが、何か一つ最優先する事項はと言われたら、この保育所の待機児童ゼロ作戦だったんです。これを3年間で15万やる予定になっています。しかし、ここに来て15万では足りないということでありますので、足りない分はさらに予算措置をすることにしております。
 この少子化対策というのは、政府を挙げて、国を挙げて取り組むべき問題であるということは十分認識しております。6月には、国の基本施策として少子化社会対策大綱を策定して、今全力を挙げて少子化の流れを変えるために、今日も皆さん方から御意見を伺っているわけでございます。私は、こういう施策を実効性あるものにしていくためには、職場、家庭、地域、学校、今、鈴木さんからお話がありましたようなことも含めて、国民的な理解と広がりを持った取組が着実に進められることが重要であると思っております。こうして国民会議に参加していただいている皆さん方、団体の協力が不可欠だと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 本日、新たに決定いただきました取組方針に基づいて、今後とも各団体における取組が地方レベルも含めてより一層推進されることを期待しております。
 もとより、我々が目指す社会は、子どもを安心して生める社会、そして子育てというのは苦しくなくて喜びであると、子育ては楽しいな、充実感が持てるなと実感できる社会が目標でありますので、今後とも皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げたいと思います。

○坂口厚生労働大臣
 ありがとうございました。
 本日は、いろいろ御意見も出ましたし、また非常に大切な御意見もちょうだいしたわけでございますが、一応、1時間という限られた時間になっておりまして、皆さん方も御予定もあるというふうに思いますので、今日はこの辺にさせていただきたいと思っております。
 私、今日は司会をさせていただいていますから、意見を言うことは控えなければいけないわけでございますが、八代委員からお話しがございましたように、なかなか合意できないそのためにそこはマイルドにと、こういうことも確かにあるわけでございますが、そうしたことは、全体で、例えば労使の問題で合意できないこと、労使だけお願いしているというわけにはいきませんから、やはり国全体でそれをどう支えるかということになってくるだろうというふうに思っております。そうしたことも含めて、さらに検討させていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 また、この分科会や本日までの分析等につきましても、ぜひ事務局で考えていただきまして、さらに進めていただくようにお願いしたいと存じます。
 本日は、これをもちまして終了させていただきますが、よろしゅうございますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。