少子化への対応を推進する国民会議(第6回)
1.日 時 平成16年9月3日(金)16:00〜17:05
2.場 所 内閣総理大臣官邸 4階大会議室
3.議事次第
1.開 会
2.議 事
(1)政府における取組について
(2)「国民的な広がりのある新たな取組の推進について」の決定について
(3)国民会議参加団体の新たな取組について
(4)国民会議全国キャンペーンの実施状況について
3.意見交換
4.閉 会
○坂口厚生労働大臣
それでは、定刻になりましたので、ただいまから第6回の少子化への対応を推進する国民会議を開催させていただきます。
委員の皆さんには、御多忙のところをお集まりいただきまして誠にありがとうございます。厚生労働大臣の坂口でございます。本会議の進行を務めさせていただきたいと存じます。
本日の会議には、総理は所用のため遅れて出席されまして、後ほど御挨拶をいただくことになっておりますので、お許しをいただきたいと存じます。
それでは、まず小野少子化対策担当大臣より御挨拶をいただきますので、よろしくお願いいたします。
○小野内閣府特命担当大臣
少子化対策担当の内閣府特命担当大臣の小野清子でございます。
第6回「少子化への対応を推進する国民会議」の開催に当たりまして、御多忙中、御出席を賜りました委員の皆様に厚く御礼を申し上げます。
近年の我が国における急速な少子化の進行は、経済成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会の活力低下といった問題に加え、子ども達が同世代の仲間と切磋琢磨して健やかに育つ環境がなくなりつつあるなど、国民生活にさまざまな影響を及ぼすことが危惧されるものでございます。
こうした少子化の流れを変えていくためには、子どもが健康に育つ社会、子どもを生み、育てる喜びを実感できる社会を実現していくことが喫緊の課題であり、家庭、学校、地域、職場を始めとする社会全体の課題として取り組んでいくことが不可欠でございます。そのためにも、少子化への対応を大きな国民的広がりのもとに進めようとする本国民会議におきまして、今後、さらに新たな取組が推進されることに大いに期待をしているところでございます。
政府におきましても、昨年9月に施行されました少子化社会対策基本法に基づき、本年6月に少子化社会対策大綱を策定したところでございます。私は、少子化対策を担当する大臣として、この大綱に基づき、政府一体となった総合的な取組の推進のために全力を尽くしてまいる所存でございます。
委員の皆様におかれましては、本日の会議で活発な御意見をいただき、これを踏まえて、家庭や子育てに夢が持てるような環境の整備に向け、一層の御尽力をいただきますようお願い申し上げて、私の挨拶といたします。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
それでは、会議の進行に移らせていただきますが、まず、本年6月に閣議決定いたしました「少子化社会対策大綱」でありますとか、昨今の少子化をめぐる動きなどにつきまして、今般の次世代育成支援に関する政府の取組等について、事務局からその概要の御説明をお願いしたいと思います。
○内閣府山本政策統括官
内閣府政策統括官の山本でございます。どうぞよろしく。
座って説明させていただきます。
それでは、私から、少子化社会対策大綱につきまして御説明を申し上げます。お配りしております資料の概要説明版という横長の概要版で説明をさせていただきたいと存じます。
この大綱につきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、昨年、超党派の議員立法で成立いたしました少子化社会対策基本法に基づきまして策定をいたしたものでございます。有識者8名の先生方と、小野大臣、坂口大臣を始め5閣僚の皆様方で検討を重ねていただきまして、本年の6月に総理会長の少子化社会対策会議におきまして決定いたしたものでございます。
1枚目のところでございますけれども、少子化が進んでいるということでございますが、危機感がなかなか共有されていないということで、少子化が著しく進みますことによりまして、社会経済の持続可能性を揺るがす、あるいは子どもが育ちにくい、こういったような問題があるということから、子どもを生み、育てることに喜びを感じることができる社会への転換が喫緊の課題であるという認識のもとで、今後5年程度で少子化の流れを変えるための取組を集中的に進めたいということでございます。5年程度といいますのは、第2次ベビーブーマー、いわゆる昭和46年から49年生まれの方々がちょうど今30から35ぐらいの年代でございまして、そういったような人口構造も一応背景に、こういったような目標を立てたものでございます。
全体の大綱の構成は、三つの視点を挙げまして、それに基づきまして四つの重点課題と28の行動と、こういったような構成になっております。
推進体制ですが総理を会長に、全閣僚によって構成される少子化社会対策会議を中心に、内閣を挙げて取り組んでいます。それから、具体的実施計画、これは新新エンゼルプランということになりますが、これを年内に策定する予定です。それから、国民的な理解と広がりを持った取組の推進については、本日のこの国民会議などを通じて行っていきます。それから、毎年、きちんとフォローアップをしていくということをうたっております。
中身でございますが、三つの視点ということで、それぞれライフステージの各段階に応じて視点を打ち出しております。
まず、青年期において、「自立への希望と力」ということで、今なかなか若者の自立が難しくなっていることから、社会的な自立を支援していく、そしてその前の幼児期からのたくましい育ちといったようなこともその前提として大切だということです。
それから、2番目は「不安と障壁の除去」ということで、子育ての不安や負担を軽減していく、仕事と子育ての両立といったようなことでございますとか、あるいは在宅育児につきましても、今子育て不安とか孤立化が大きいということでございます。そういう負担感を除去、軽減をしていく。それから、そのもととして働き方の見直しが喫緊の課題です。
それから、3番目としまして、「子育ての新たな支え合いと連帯」ということを打ち出しております。一つは、命を次代に伝え育んでいく、あるいは家庭を築くことの大切さ、こういったような基本的なことの理解を深めていく。それから、子育て、あるいは親育て、こういう言葉を使っておりますが、そういう社会をつくって、子育てを地域や社会全体で支え、変えていくんだと、こういう視点を挙げておるところでございます。
それに基づきまして、四つの重点課題ということで、今申し上げました3つの視点に沿いまして、「若者の自立とたくましい子どもの育ち」、この中には奨学金の充実といったようなことも入ってございます。それから、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」、これは行動計画の策定や勤務時間の短縮、といったような内容でございます。
それから、3番目が先ほどの「生命の大切さ、家庭の役割等についての理解」を深めていくということで、例えば、幼児とのふれあい体験をもう少し活発にやっていくといったようなことを入れております。
それから、4番目が「子育ての新たな支え合いと連帯」ということで、ここはさまざまな地域での子育て支援、あるいは児童虐待の問題、妊娠・出産等の保健医療の問題、こういったさまざまな問題を4番目の重点課題といたしております。
そうしまして、今申し上げましたものをさらに重点課題に取り組むための28の行動ということで、こういったような課題に政府を挙げて重点的に取り組んでいくということを大綱としてうたっているところでございます。
以上が今般の少子化社会対策大綱の概要でございます。
以上でございます。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして厚生労働省伍藤局長からお願いいたします。
○厚生労働省伍藤雇用均等・児童家庭局長
厚生労働省の雇用均等・児童家庭局長の伍藤でございます。
座らせていただきます。
続きまして、私の方からは資料2に沿いまして、最近の少子化をめぐる動きにつきまして、簡単に概要を御説明させていただきます。
資料2に1枚紙で昨今の動きをまとめてございますが、現状の取組、一番左にありますが、今年度まで5カ年計画として新エンゼルプランを進めてまいりました。それと並行して平成14年度から16年度まで、「待機児童ゼロ作戦」を進めてまいりました。
こういった取組の中で、現在をどう認識するかということで象徴的なことを書いてありますが、子どもと家庭をめぐる危機的な状況というようなことでまとめておりますが、一つは、最近発表されました15年の出生率が予想を下回っている、1.29ということで出生率が依然低下している、これが一つの現実でございます。
それから、二つ目は、一般家庭にも広がる子育ての負担感とか不安感。これは、今進めております新エンゼルプランとか待機児童ゼロ作戦、これは共働きの家庭をいかに支援していくかと、家庭と仕事の両立をどう支援していくかということに主眼が置かれた対策が今までの中心でございましたが、昨今のいろいろな問題を見ておりますと、そういう共働きの家庭のみならず、むしろ、ここにありますように統計等では家庭で子育てをしている専業主婦の方がかなり子育てに悩んでいると。それが3つ目の虐待問題などに結びついているのではないかということでございます。
それから、3点目が、今年の2月に発生いたしました岸和田の事件は衝撃的でございましたが、こういったことを初めとして、児童虐待というのが非常に増加の傾向をたどっているということでございます。
こういった現状をいかに認識をして今後の対策を考えていくかということが必要ではないかということで、現在、進めております対策の枠組みが右側にまとめてございますが、昨年の7月には、超党派の議員立法ということで、少子化社会対策基本法というのが成立いたしました。あわせて右の方に、これは政府提案で、次世代育成支援対策推進法と児童福祉法改正というようなことを相次いで実施をしたわけでございます。
具体的には、この少子化社会対策基本法に基づいて、今説明をいたしました少子化社会対策大綱というものを策定いたしましたし、それから、右の方の次世代育成支援対策推進法に基づきまして、国、自治体それぞれの関係機関、それから民間の企業に次世代育成支援のための計画をつくっていただくということで、民間も含めて総ぐるみでそういう計画づくりを進めているというのが現時点の動きでございます。
あわせて、これに関連する具体的な法案でありますが、関連法案として、私ども3法案を前国会に提出いたしました。
一つは、児童手当法の改正ということで、児童手当を小学校3年まで引き上げるという改正案。児童福祉法の改正案は、児童虐待に焦点を当てて、今、都道府県が主としてこういう対策を担っておりますが、それを市町村にも担っていただくというのが改正点でございます。それから、職場の改革ということで、職場の面からも子育てを支援していただくということで、育児・介護休業法を改正して、今、育児休業は1年でありますが、これを必要な方には1年6カ月まで取れるようにする。こういった総合的な法案を提出させていただきましたが、いろいろな経過で児童手当法だけが成立して、残りの2法案は秋の臨時国会へ継続審議という形になっているというのが現状でございます。
それから、今後の動きとして、先ほど御説明申し上げました新エンゼルプランに代わる新たなプランを、幅広いものとして今年の12月に策定をしたいということが現在の動きでございます。
あとは、参考までに次のページの参考資料1は、今年度で終了する新エンゼルプランの進捗状況をまとめたものでございまして、一番右側に最終年度までの目標値というものを掲げておりますが、これに比べて平成16年度どうであったかということをそこに並べているわけでありまして、かなり大幅に上回って目標を達成しているものもございますし、病後児保育とか、あるいは下の方の小児救急医療とか周産期医療、医療関係のところは医療との関係がなかなか難しいということで若干足踏み状態のものもございますが、おおむね進捗状況は計画を達成している、あるいは上回っているというような状況にございます。
それから、次のページの参考資料2の待機児童ゼロ作戦の関係でございますが、これは平成14年度から3カ年計画で進めておりますが、待機児童が5年ぶりに減少に転じまして、今年の4月時点では昨年の2万6千人から2万4千人に低下しているということで、新しい動きでございます。
参考資料3は、年末に策定いたしますが、新エンゼルプランに代わる新たなプランのイメージとして、先ほど申し上げましたような専業主婦の対策をどうするかとか、あるいは虐待対策にどう取り組むかということで、今までの新エンゼルプランよりも少し幅広の項目を掲げたらどうだろうかというような、まだこれは素案の段階でございますが、イメージとして提出させていただいたものでございます。
以上でございます。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
ただいまの説明に対する御質問等は、後でまとめて行っていただく時間をとっておりますので、次に進めさせていただきたいと思います。
続きまして、平成12年に当国民会議の取組として決定いたしました「国民的な広がりのある取組の推進について」につきまして、参加団体におかれましても、これまでの取組に加えて少子化の流れを変えるもう一段の取組を進めていただくよう、見直しのための検討をお願いしていたところでありますが、各団体において鋭意御検討いただきまして、それを取りまとめたものが資料3−2の「国民的な広がりのある新たな取組の推進について」でございます。
本日は、まず事務局からその概要を説明していただいて、意見交換の後に国民会議の新たな取組方針といたしまして、国民会議として決定いただきたいと存じます。
それでは、まず事務局から説明をお願いいたします。少し時間が詰まっておりますので、簡潔明瞭にお願い申し上げます。
○厚生労働省伍藤雇用均等・児童家庭局長
それでは、資料3−1と3−2に基づきまして、御説明をさせていただきます。
昨年の12月8日に開催されました当国民会議におきまして、それぞれ各団体におかれまして、少子化の流れを変えるためのもう一段の取組を行っていただくため、その見直しをするということが決定されて、それ以来、作業を進めてきたものでございます。各団体におかれましていろいろ御検討いただきまして、去る7月1日に開催されました幹事会で了承いただいたものが、本日お配りしております資料3−2でございます。それを概要にまとめたものが資料3−1の概要版ということでございます。概要版に沿いまして、説明させていただきたいと思います。
最初に、改正の趣旨でございます。
これまで平成12年に決定されました「国民的な広がりのある取組の推進について」、これに基づきまして、いろいろ各団体で取組を進めてきていただいたところでございますが、その後、合計特殊出生率が1.29になるなど、少子化が一層進んでいるということで、これをさらにどうするかということが喫緊の課題になっているということでございます。
こうした状況の中で、先ほど説明いたしました少子化社会対策基本法、あるいは次世代育成支援対策推進法、あるいは少子化社会対策大綱というものが決定されてきているということは、先ほど御説明したとおりでございます。
国民会議としても、さらに一層のこういう国民的な取組を推進するためにこれを決定するということで、主体的かつ積極的に取り組むということが、この趣旨のところに述べられているところでございます。
それから、Uの具体的な主な取組という欄でございますが、まず取組の方向性といたしましては、先ほど少子化社会対策大綱、あるいはこの大綱に基づく施策の具体的実施計画、いわゆる新エンゼルプランに代わる新たなプランに基づく政府の施策と連携を図りながら取組を進めていくということとされております。
具体的な取組の柱立てでございますが、まず1として、社会的な機運の醸成というものから始まりまして、2として、若者の自立とたくましい子どもの育ち、それから3といたしまして、次のページでございますが、仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し、4といたしまして、生命の大切さ、家庭の役割等についての理解、5が子育ての新たな支え合いと連帯というふうに、大きく五つの柱から構成されております。これは、先ほどの少子化社会対策大綱の重点課題に沿って、この構成をさせていただいているところでございます。
具体的な取組の内容につきましては、簡単に説明をさせていただきますが、まず1の社会的な機運の醸成というところでは、いろいろな全国的なキャンペーンの実施を初めといたしまして、さまざまな意識啓発等の取組を進めるということにしております。
それから、2の若者の自立とたくましい子どもの育ちというところでは、各経済団体における就労支援、あるいは世代間交流や体験活動、こういった取組を進めていただくこととしております。
それから、2ページにまいりまして、3の仕事と家庭の両立支援と働き方の見直しでは、企業行動計画の策定、それから男性の子育て参加促進のための取組、こういったことをなお一層進めるということにしております。
それから、4の生命の大切さ、家庭の役割等についての理解では、福祉教育団体における中・高校生と乳幼児がふれあう機会の取組を進める、こういったことでありますとか、各種のフォーラム等を通じて、生命の大切さ、家庭の役割等についての理解を広めていくという取組を記述しております。
それから、3ページから4ページにかけまして、5の子育ての新たな支え合いと連帯でございますが、これは地域行動計画の策定、実施への支援、あるいは多様な保育サービスの充実、幼稚園における預かり保育の拡充、親子交流の場の設置・促進、あるいは児童虐待防止に向けた各種の取組、子どもの健康や妊娠・出産への支援、こういったことを幅広く進めていくということにしております。
国民的な広がりのある新たな取組の推進について、各団体と協議をしながらまとめてまいりました概要について、ポイントだけ御説明を申し上げました。
以上でございます。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
少し急いで説明をしていただきましたので、御理解いただきにくい点もあったかと思いますが、事務局が説明いたしました国民会議の新たな取組方針につきまして、何か御意見がございましたら、皆さん方から御発言をいただきたいと思います。
どなたからでも結構でございます。
○八代委員
先ほど御説明がございましたように、本会議は6回目の会議ということなんですが、この間、日本の合計特殊出生率は一貫して下がっておりまして、しかもそれは政府の予想を上回るスピードで下がってきているわけです。従って、各界、非常にいろいろ御努力はされているわけですが、評価の視点から考えれば、はっきり言って効果はなかったというふうに言わざるを得ないのではないかと思っております。
やはり今後本当に少子化をとめるためにはどうしたらいいかという戦略をつくらなければいけないわけですが、そのためには、少子化の原因ということをきちっと分析しなければいけないのではないか。もちろん、ここに三つの視点という形でいろいろございますが、それがどの程度深刻なのか、人々の意識の変化が問題なのか、それとも制度に問題があるのかという根本に立ち返って分析しなければいけないのではないか。いわば敵を知らなければ敵に勝てないわけでして、その意味では、まだ分析が不十分ではないかと思っております。
かつて厚生省の人口問題審議会で、少子化の基本要因は二つである。それは、働き方の問題と子育ての支援といいますか、保育サービスの充実であるというふうに明確に定義した時期がございました。少子化対策として働き方を変えるといったときにどこまで変えればいいのか、保育サービスを充実するというときに、どこまでやればいいのかということがあまり議論されずに、専ら各団体が反対されない範囲で、いわば誰も文句を言わないような形の政策を積み重ねてきたのが現実ではないかと思っております。
その意味では、やはり規制改革と同じように、ある意味で一部の反対を押し切ってでもやるような戦略をしなければ、いつまでたってもこの出生率の低下というのはとどまらないのではないかと思っております。
少子化の要因については、国民生活白書とか、いろいろな白書では既に分析しているわけですけれども、基本的には子どもを持つことのコストというのが、傾向的に高まっている。それはなぜかというと、やはり今の企業内での働き方や社会保障制度というのが、専業主婦を持つ夫を前提とした形になっているわけです。それが働く女性が増えることと矛盾してきている。この矛盾を解消するためにはどうしたらいいかというと、今の生活給という世帯単位の賃金制度とか、世帯単位の年金制度とか、そういうものに切り込まなければいけないわけですが、それがいまだに十分実現していないのではないか。これは当然既得権の壁があるからでありまして、そういうやはり規制や制度の改革ということを結びつけた少子化対策でないと、残念ながら実効性はないのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
○坂口厚生労働大臣
ありがとうございました。
これはお答えするのもなかなか難しいですが、何かございますか。
○内閣府山本政策統括官
今、八代委員からお話がありましたが、先ほども申し上げましたが、この大綱をつくるに当たりましても、有識者の先生方、あるいは閣僚の大臣方にいろいろ御議論いただきました。なかなかヨーロッパ諸国も非常に出生率が低くて、要するに先進諸国は低いわけです。あるいは韓国とか、最近はシンガポールとかも低い。一体何をすればそういったものが反転するというか、歯どめがかかるのかという御議論はなかなか難しいということで、決め手がないということではございますけれども、一応、現時点での考えられる施策をまとめて、国を挙げてやっていこうということでまとめたところでございまして、さらにどういうものが、原因分析だとか、施策だとか、そういったものが一番効果的であるのかというのは、さらにこういう施策を進めながら研究を進めて、より重点的にやはりやっていく必要があると。場合によっては、今、委員おっしゃいましたように、そういう制度的な問題にもいろいろ研究・分析を加える必要があるのではないかなというぐあいに考えておるところで、なかなかはっきりした、これをやればこうだという決め手がないのがなかなか難しい問題かなというのは、実感として、この作業をやりながらも痛感しておるところでございます。
お答えにはなりませんけれども、失礼しました。
○坂口厚生労働大臣
八代先生、よろしゅうございますか。貴重な意見でございますので。
○八代委員
ただ、ヨーロッパとの比較でちょっと問題なのは、ヨーロッパも出生率が低いですけれども安定しているわけですね。日本はまだまだ安定するところまでいかずに、下がり放しになっている、そこはやはりヨーロッパとの大きな違いではないかと思っております。
○清水委員
スウェーデンは、そういう意味では上がってきたからね。
○八代委員
そうですね。
○清水委員
今お話しの2点を改善すると。
○坂口厚生労働大臣
よろしゅうございますか。
それでは、まだ御意見も恐らくおありだと思いますし、重要な点でございますが、あとまた少し御議論いただく時間もございます。
新たな取組の推進につきまして、国民会議決定として、ただいまの案を御承認いただくということでよろしゅうございますか。
それでは、この新たな取組の推進につきましては、国民会議決定とさせていただきます。
それでは、次に各団体における新たな取組の御報告に移らせていただきますが、ただいま決定いただいた新たな取組方針におきまして、もう一段の取組として、特に集中的に取り組むべき重点分野である働き方の見直しや地域における子育て支援の充実といった観点から、関連深い4団体の代表の方に事前にお願いしてございますので、御報告いただきたいと思います。
恐縮でございますが、時間の関係からお一人3〜4分程度でお願いを申し上げたいと存じます。
では、全国社会福祉協議会の会長の長尾立子委員からお願いを申し上げたいと思います。
○長尾委員
私からは2点について発言いたしたいと存じます。
第1点でございますが、子育てに関する社会的な意識の醸成、啓発活動でございます。第2点は、深刻な児童虐待の防止を中心といたします子育て支援の問題でございます。
まず、第1点について申し上げたいと思います。
子育てについての社会的な意義、社会的な認識をさらに深めていきたい、これはこの対策大綱におきましても非常に重視しておられるわけでございますが、私どもの保育関係団体におきましても、社会全体でこれらの子育てを支えようキャンペーン、こういった活動を大々的に実施いたしております。
その一つといたしまして、明日、9月4日土曜日にNHKの衛星第一放送のBSフォーラムの番組で、私どもが企画いたしましたシンポジウム、「子育ては地域の支援で」というのが紹介されますので、御覧いただければありがたいと思います。現在、全国で2万2,000カ所の保育所があるわけでございますが、すべての保育所においてこういったキャンペーンに取り組みたいと思っておるところでございます。
具体的にどういった取組かという事例を富山県の例で申し上げたいと思いますが、富山県の保育連絡協議会、いわば保育所関係団体でございますが、子育ての支援事業として、保育の出前、これは社会福祉協議会にありますボランティアセンターと提携いたしまして取り組んでおります。遊具をつくる、遊びの紹介、子育てのミニ講座、子どもの食事や生活相談、こういったさまざまな支援を公民館、学校、児童館、子育てサロンやサークル、企業等へ出向いて活動を広めているわけでございます。
保育士団体からは、子育ての喜びを保育者や保護者とともに社会にメッセージを出したいということで、楽しい子育てメッセージコンテストを行っております。これは、全国から1,385のメッセージが寄せられておりまして、皆様の御協力に感謝しているところでございます。
地域の保育所は、待機児童対策への対応を図る一方で、保育所が子育ての拠点施設としての役割を発揮して、保育所とは直接御関係のない一般市民、また、一般の子育て中の家庭に対しまして、子どもを生み育てる喜びや意義について理解を進める活動を展開しているところでございます。お手元に幾つかの活動事例集を載せましたパンフレットをお配りしてございますので、御覧いただければと思います。
次に、児童虐待防止を始めとする子育て支援の新たな取組について御説明を申し上げたいと思います。
児童虐待の問題、深刻な状況にあると思っているわけでございますが、これらの状況の中で大変注目しておりますのは、専業主婦の方が、内閣府の調査によりますと70%が子育てに自信がなくなることがあるというようなお答えがあるということでございます。
社会福祉協議会では、平成13年度より児童虐待防止の取組として子育てサロン活動を全国的に展開しております。子育てサロンといいますのは、この資料を配布してございますので詳しくは御覧いただきたいと思いますが、地域を拠点といたしまして、子育て家庭の親子などを、地域住民が多様な活動を通じて楽しみながら仲間づくりを行って支え合う活動というものを展開しているわけでございます。現在、平成13年度の調査で524事例でございましたのが、1,000を超える事例に発展しておりまして、私どもとしては大変うれしく存じているところでございます。
親御さんにとりまして、仲間づくりができて、子育ての負担感が軽くなるとか、悩みを気楽に相談できるとか、子どもにとりましては、少子化の中でございますので、年の違う子ども同士との遊びというのがなかなかできにくい。それが、こういった形でできたというようなことが喜ばれているわけでございます。
一例として、大阪府の豊中市の社協での取組を紹介いたしたいと思いますが、校区福祉委員会、小地域社協でございますけれども、子育てサロンを設置いたしまして、延べ8,000人以上の参加がございまして、当事者だけではなくて、ボランティア、保育所、幼稚園、保健所、民生委員、児童委員、市の行政の方々、こういった方々の参加をいただきまして、地域ぐるみでこういったものをバックアップしていただいているわけでございます。
こういう地域の中のボランティアの方、住民の方が自主的に取り組まれていくこういった子育てサークル、こういうことの充実によりまして、我々の社会の地域の子育て能力を充実していくということは、こういった問題への一つの解決の方法ではないかと思っているわけでございます。
今後、地域におきまして、このようなサロン活動を通じまして、虐待の予防などに効果を上げていきたいと思っているわけでございますが、やはり防止ネットワークといった専門家による協力や連携、こういうものを本格的につくっていくことが課題ではないかと認識をしているわけでございます。一般に、地域社会が子どもや子育て家庭の福祉に関わっていくことができるような、こういったことが人々の新たな関わりが生まれて、地域社会づくりにもつながるものではないかと思っているわけでございます。
また、次世代の育成支援対策推進法に関する行動計画が、行政と事業主の双方により策定が進められているわけでございますが、住民や民間の活力ある活動が展開できるような仕組みの実現を期待しております。
以上、申し上げます。
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