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知的財産戦略会議(第4回)議事録



○阿部座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「知的財産戦略会議」の第4回会合を開催させていただきます。御多忙中のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 早速でございますが、議事次第に沿って進行させていただきます。前回提示された知的財産戦略大綱の骨子案につきまして、皆様からいただきましたさまざまな御意見を踏まえながら、起草委員会において具体的検討を進めていただき、本日、知的財産戦略大綱素案を作成していただきました。お手元にお配りしていただいております。この素案について、本日は御議論をいただきたいと思います。
 最初に、起草委員会の委員長である、中山委員から知的財産戦略大綱素案について御説明を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

○中山委員 中山でございます。まず、前回体の5月22日の戦略会議以降の審議状況について御報告申し上げます。
 起草委員会を5月27日、30日、6月7日に開催いたしまして、前回の戦略会議で項目のみを提示いたしました具体的な行動計画の内容を中心に、精力的に検討を行ってまいりました。その成果といたしまして、前回の会議でお配りいたしました部分に更に推敲を加えた総論部分と、今回新たに加えました具体的行動計画からなります、知的財産戦略大綱素案を本日お諮りしたいと思います。
 資料2の「知的財産戦略大綱(素案)」は、非常に大部でございますので、本日は時間の関係で資料1の「『知的財産戦略大綱(素案)』のポイント」という資料を使いまして御説明申し上げます。
 ポイントの1ページ目は、前回と同じでございますので省略いたします。
 2ページ目も、基本的には前回と同じでございますけれども、起草委員会といたしましては、これを一刻も早く実行に移すべきであると考えまして「知的財産基本法(仮称)」の制定を、遅くとも2003年の通常国会とするとともに、2005年度までにこのプランの集中的、計画的な遂行を行うべきであると明示いたしました。なお、この大綱を実効あるものとするために、具体的な行動計画の各項目ごとに、担当府省の目標達成時期というものを明示しております。
 この具体的行動計画は、項目ベースで55、細分いたしますと100 余りの項目から成り立っております。それらのすべてを説明する時間がございませんので、今日は特に重要と考える6項目につきまして、ポイントの3ページ目に抜き出してございますので、それにつきまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 1つ目は「『世界特許』に向けた取組の強化」といたしまして、経済産業省は2002年中に日米両国に出願された特許について、調査結果、審査結果の相互利用に関する検討を開始するとともに、2002年度中に迅速かつ的確な特許審査のための計画を策定する。
 2つ目は「実質的な『特許裁判所』機能の創出」といたしまして、司法制度改革推進本部及び法務省は、2003年の通常国会におきまして、特許等に関する裁判を東京、大阪地裁に集中するための法案を提出する。
 3つ目は「模倣品・海賊版等の対策の強化」として、警察庁、総務省、外務省、文部科学省、経済産業省は連携して、遅くとも2004年度までに海外で生産された模倣品・海賊版を水際で効果的に阻止できるよう、法制面及び運用面を改善するとともに、2002年度以降、2国間交渉やWTOのTRIPS協定を通じて、模倣品・海賊版対策の国際的強化に努める。 4つ目は「営業秘密の保護強化」といたしまして、経済産業省は2003年度通常国会に営業秘密の不正取得に対する民事上の救済措置を強化し、罰則の導入を図るべく検討を進め、不正競争防止法の改正案を提出する。
 5つ目は「大学の知的財産の創出、管理機能の強化」といたしまして、総合科学技術会議、文部科学省は、2003年度までに大学等におきまして企業の参加を得て戦略的に知的財産を創出する研究開発制度を構築するとともに、同じく2003年度までに全国数十か所の主要な国公私立大学に、知的財産の創造等を総合的に支援する、知的財産本部を整備する。 6つ目は「知的財産専門人材の養成」といたしまして、司法制度改革推進本部及び文部科学省は、2004年度から学生の受け入れを開始する予定である法科大学院において、知的財産教育を行い得る制度設計をする。
 以上の重点6項目は、具体的な行動計画の記述と重複いたしますけれども、総論部分である第2章 基本的方向を読んだだけでその内容が理解できるように、それを総論部分にも加筆してございます。
 説明は以上でございますけれども、他の起草委員から一言ずつ補足説明をしていただければと思います。  以上でございます。

○阿部座長 ありがとうございました。そういたしましたら、一言ずつ補足をいただきたいと思いますが、あいうえお順で恐縮ですが、荒井委員からお願いします。

○荒井委員 今、中山委員長から御説明したとおりでございますが、今回100 項目にわたる項目がいろいろできたということは、大変画期的なことだと思います。土曜日も日曜日も、委員長自ら会議を招集していただいてやったわけで、是非これをうまく実現するようにしていただきたいと思います。
 ただし、一部抽象的なところがまだございますので、各省の調整を今後検討するとともに具体化していこうということで、そういう部分が一部ございますので、その辺は今後の課題だと思っております。
 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。それでは、桑原委員、お願いします。

○桑原委員 短い時間にいろいろ深い議論ができたと思います。これから実行に移るわけですが、ので、これから本当に実行できたらすばらしいというふうに思います。したがって、知的財産戦略本部に今後大いに期待をしたいと思うのが1点。
 もう1点は、我々の主な検討対象ではなかったのですがんですけれども、この前提としていい知恵が出てくるということが最も重要であるということです。、私は総合科学技術会議議員も兼任してやっておりますので、そちらのメイン・のファンクションかもしれませんがけれども、これは各関連省庁と連携をしながら、これを一生懸命やっていかないといけないということを改めて痛感した次第です。
 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。もう一方、大山委員がおられますが、今日は御欠席でございますので、今から皆様から御発言をいただく時間にさせていただきたいと思います。
 まず、事前にお申し出をいただいております、尾身科学技術政策担当大臣、遠山文部科学大臣、平沼経済産業大臣、久野厚生労働大臣政務官から御発言をいただきたいというふうに考えております。
 最初で恐縮でございますが、尾身大臣からお願いいたします。

○科学技術政策担当大臣 前回説明をさせていただきましたが、総合科学技術会議におきまして、知的財産戦略専門調査会というのを3月から始めまして、科学技術振興という観点から、国の研究開発に対応した知的財産の確保と活用、先端的技術分野における知的財産の保護と活用、知的財産関連の人材の育成などを主な柱といたしまして、6回調査会を開催し、3回ワーキンググループを開催して議論をしてまいりました。その結果を、知的財産戦略についてということで、今、とりまとめまして資料3でお配りしてあります。
 荒井委員、桑原委員ともに、この総合科学技術会議の専門調査会にも御参加をいただいておりまして、事務的には連絡調整を十分させていただき、この中間とりまとめの内容も知的財産戦略大綱に反映していただいていると伺っておりますが、そういう考え方で御審議をよろしくお願い申し上げます。

○阿部座長 承知いたしました。ありがとうございました。それでは、次に遠山文部科学大臣からお願いいたします。

○文部科学大臣 知的財産戦略という新たな視点から、我が国が進むべき基本的な方向性を確立日本の国力を増すための方策を樹立することは、大変大事だと考え思っておりまして、このため非常に短期間にすばらしい大綱をおまとめいただきましたことを、高く大変評価したいと思います。
 今日はいろんな意味で心が青空という気持ちなののがあるんですが、それとは別に、大変中身が良いいと思っています。
 殊に内容につきましては、基本的方向として、1つには大学等における知的財産の創出・活用の推進ということに着目をしていただき、また著作権の適切な保護、あるいは人材育成ということもきちんと位置付け取り上げられております。
 また、具体的行動計画に挙げられております55項目のうちの、約30項目は我が省に関わるものでございまして、大変責任の重さを感じているところでございます。
 我が省としては特に次の5つの点について力を入れたいと考えております。
が、まず1つには、主要な国公私立大学のへの「知的財産本部」の整備、これをはしっかりやりたいと思います。
 2つには、大学、企業などの協力によって、戦略的に知的財産を創出するリーディング・プロジェクトの実施、これも実質化してまいりますいきたいと思います。
 3番目は、著作権関連ですが、アニメやゲームソフトなどのコンピュータ・プログラムなど、日本が優れているコンテンツについてその創作活動の保護と流通の促進をますますやっていかなければならなりませんいと思います。
 4番目は、民間とも連携した海賊版対策等を実質化していきたいと思いますので、また是非その点で御協力のお知恵をいただきたいと思います。
 5番目は、申し上げるまでもなく、人材育成の関係で、法科大学院の適切な制度設計において、この考え方が反映されるように力を入れたいと考えて思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○阿部座長 ありがとうございました。続きまして、平沼大臣、お願いいたします。

○経済産業大臣 今回初めて、国家戦略として皆様方の御努力でとりまとめていただいたことというのは、まさに画期的なことだと思います。その御労苦に、心から敬意を表させていただきたいと思います。
 先ほど中山起草委員長から、経済産業省、特に3点について力を入れるということでございまして、世界特許、模倣品、営業秘密、これについては全力を挙げてその強化に取り組んでいきたいと思っております。
 また、基本法の制定に関しましては、経済産業省といたしましても、全力を傾倒してその制定に努力をしていきたいと思います。
 以上でございます。

○阿部座長 ありがとうございました。続きまして、久野大臣政務官にお願いしたいと思います。

○厚生労働大臣政務官 本日大綱案に示されました、知的財産戦略というものは、医薬品産業の発展のみならず、医療の質の向上にとって極めて重要であると思います。今後は、この対応の内容を着実に実施していく上で、厚生労働省としても協力していきたいというふうに思うわけでございます。
 なお、医薬品を始め、ライフサイエンス分野におきましては、先発特許の権利が余り強過ぎますと、産業全体における研究開発が進まないため、そのバランスを図ることが重要であると存じております。こうした観点から、1995年、日米合意の利用・開発に基づく裁定実施権の問題につきましては、修文意見というわけでは決してございませんけれども、今後とも医薬品特許の特性に配慮しつつ、競争政策上の観点から検討していただきたいというふうに思うわけでございます。よろしくお願いいたします。

○阿部座長 ありがとうございました。ただいま一連の御説明をいただきましたが、特に最後の利用・発明に基づく裁定実施権については、起草委員会でも非常に時間をかけて御議論があったというふうに伺っておりますので、中山委員から何か補足をしていただければと思います。

○中山委員 修文意見ではないということでございますので、念のために申し上げたいと思いますけれども、今、阿部座長から御発言がございましたとおり、起草委員会でも大分議論をいたしました。大綱の10ページの3の「競争政策の重要性と表現の自由などの重視」の項に、知的財産権の強化には、独占あるいは優越的地位の濫用による競争法上の弊害も伴い得るが、これに対しては、独占禁止法を中心とする競争法を的確に適用し、新たな産業の発展が阻害されないよう、バランスの取れた適切な対応がなされなければならない旨が指摘されておりまして、大体今の御意見はこれで対処したいと思っております。
 日米の合意自体は、できました経緯もいろいろございますし、国際的な約束でございますので、そう簡単には放棄できませんがないんでございますけれども、競争政策上はこのライセンスもできるとなっておりますので、これからもどういう場合がそれに該当するかという検討は大いに続けていきたいと思っております。

○阿部座長 ありがとうございます。それでは、御発言を希望される方は、御自由に挙手をいただければと思います。
 では、青木委員、お願いします。

○青木委員 では、私から2つほど申し上げます。
 第1点、今、御議論になりました、特許保護と競争の活性化という矛盾するところをどうやってバランスするかということがございますけれども、これにつきまして私が属しておりますありますバイオ関係の業界から、非常に多くの要望が寄せられたわけでありますけれども、今、中山先生のお話にありましたように、全体としてはこの中で取り上げていただいたというふうに理解しています。
 第2点でありますけれども、非常に起草委員会の先生方の御努力があって、非常にコンフリヘンシブな素案ができまして、これを確実に実行することによって、知的財産の保護・活用の面では非常に進歩があるのではないかというふうに期待しております。
 ただし、もう一つの一番大事なところであります、知的財産の創造というところは、ここでも触れていただいておりますけれども、これだけで十分かというところは若干の懸念がありまして、このところは後の保護・活用という2点に比べても、より重要ではないかというふうに理解しているわけでありますけれども、この点につきましては、また別にこういうような機会を設けていただいてくような点も取り組んでいただきたいということを、強くお願いしたいと思います。

○阿部座長 ありがとうございました。是非御発言をいただければと思います。
 安西先生、どうぞ。

○安西委員 私は前から申し上げていることですけれども、知財関係の人材育成が危惧であるということで、それが大変適切に取り入れられておりますことは、評価すべきだというふうに思います。
 特に司法試験の具体的な在り方の中に、知財の分野を反映させていただくように、重ねてお願いしたいというふうに思っております。
 もう一つは、具体的な大学と産業界での現場での特許の扱いについて、例えば共同特許を産業界と大学側の研究者が持っている場合、それを特許の移転等のときに、なかなか産業界と大学側の研究者の目的が合わないために、特許が死んでしまうようなことがよくあるわけなんでありますが、そういう具体的なことのパイプの詰まりを取り除いていくということが、とても大事になっていくかというふうに思います。
 これは、大綱は大綱として是非具体的なところを今後詰まりを取り除いて、経済の活性化につなげていただくようにお願いしたいと思います。

○阿部座長 ありがとうございました。どうぞ、小池委員。

○小池委員 全般的に、非常に起草委員の先生方に御苦労いただいて、短期間に問題点が網羅されているのではないかと思います。
 1つ特許裁判の問題につきましては、今日日本弁理士会の笹島会長の方からも要望書が出ておりますが、最近最高裁判所、法務省に御理解をいただきまして、日本の裁判所に初めて弁理士を裁判所の調査官に採用いただきました。そういった面で、この書面の中にも弁理士の活用ということを明示していただいておりますが、今後とも人材の活用という面では、弁理士会、弁理士挙げて御協力をさせていただきたいというふうに考えておりますので、今後細部を詰める上で、そういった点も是非御議論いただければありがたいと思っております。
 以上でございます。

○阿部座長 ありがとうございました。どうぞ。

○御手洗委員 これは半分質問なんですけれども、大学の中でのに知財の取り組みをする機関を強化するために知的財産本部を大学の中に設けるということでということで、大変心強いことだと思いますけれども、この知的財産本部これと今のTLOとの関係については、どうなんでしょうか。

○阿部座長 これは私がお答えするよりは、文部科学省の方に。

○文部科学大臣 知的財産本部につきましては、大学の主体的な取り組みを支援するということが大事なんでございますけれども、戦略的なマネージメントを実施する上で必要となる優秀な外部人材を取り入れてくること。  それから、既にあるTLOなどとの連携を強化しまして、そしてそれぞれの大学の所属委員が持っている、知的財産を活用していくために援助していくという形になろうかと思います。
 具体的にはまだ、規模とか、機能の細部ついては、これから詰めてまいるわけでございますが、私どもとしてはそういう拠点を幾つかの大学に置くことによって、今ではできないような具体的ないろんな問題解決ができていくのではないかと思います。

○御手洗委員 今回の大綱は大変よくできていると思いますし、先行者優位の制度設計が基本となっておりますので、日本のあるべき方向というものがはっきりして、大変助かると思います。
 特に大学の活性化が、これによって行われますし、今、大臣から御説明がありましたように、中と外で、TLOは大学の外ですから、その受け皿として大学の中に知的財産本部をつくるという意味だと思いますしけれども、知的財産本部とTLOが連携して対応するということですので、企業としても大変ありがたいと思います。  ただ、審査官の増員につきましては、たしか必要な審査官の確保と書かれていて、少しトーンが下がっているように思います。
 世界特許の取り組みにつきましては、是非審査基準の統一を絶対確保して、次いでそれから是非その相互承認というステップですすめてことを明確にしていっていただきたいと思います。が、審査政策基準の統一ということは、相互承認の第一歩であり是非早期に実現を計ってをまず明確にしていっていただきたいというふうに思いますした。
 あとは大変力作だと思います。心強く思います。起草委員の皆様方、大変御苦労様でした。

○阿部座長 御指名をして恐縮ですが、松尾委員、お願いいたします。

○松尾委員 ちょっとお願いしたいと思います。特に法務大臣にお願いしたいんですが、民事の通常の第1審の事件というのは、17〜18万件あると思います。その中で、知財関係の訴訟というのは500 〜600件 なんですね。非常に少ない小さいわけです。そこでそういうわけで、いろいろ民事訴訟法の改正なども問題になっておりますけれども、知財関係のことを取り上げて議論していただく時間や機会と言いますか、そういうものが余りにも少ない現状です。ので、是非この知財立国が問題になっている今日、この知財関係の訴訟について特別な御配慮をいただきたいと思います。

○法務大臣 今、御指摘もございましたが、ほかにもお話がありました中に、法務省の関係のあるものがたくさんございまして、もう既にある程度具体化する計画のあるものもございますし、今おっしゃいました話も含めまして、司法制度改革の中でいろいろと議論しておりますので、よく連携を取りながらやっていきたいというふうに思っております。

○松尾委員 よろしくお願いいたします。

○阿部座長 ありがとうございました。富塚委員、お願いいたします。

○富塚委員 著作権の適切な保護ということに関しましては、14ページ〜15ページにかけて、極めて簡潔によく記述されておると思います。このとおりであると思いますけれども、15ページの4行目に書いてありますとおり、今後実効性実行性を担保しつつという、これが極めて重要だと思いますので、実際にこの大綱に沿って実施を監督される、特に文部科学省等におきましては、我が国この著作権法は極めて高度な形で完備されておりますけれども、デジタル時代にはなかなか実効性実行性が担保できないというのが実情でありますので、特にこの点に意を用いていただいて、そういう面でデジタルコンテンツの適切な保護ということでフォローアップしていただきたいと思います。
 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○松尾委員 先ほど経済産業大臣も営業秘密の保護を強化するということを挙げられました。ところで、この15ページのところなんですが(3)に「営業秘密の保護強化」というのがあります。この最後の3行ぐらいの文章なんですが、これを見てみますと、「欧米に比して我が国の営業秘密保護の水準が極端に低いということがないよう、必要な対策を講ずるべきである」とあります。これは随分婉曲な言い回しだなと思って見ていますと、何か読み方によっては極端に低いということがないようということで、極端に低くなければ欧米に比して低くてでもいいよのかなというふうに読めるのではないかろうかと思います。、まさかそういう程度のことはここで問題にされていないはずなので、そういう「比較」ということではなくて、欧米に劣らないように是非営業秘密の保護制度を強化していただきたいと思います。

○経済産業大臣 そういう意味で強化すると申し上げました。

○阿部座長 中山先生、この点は何かございますか。

○中山委員 極端に低くなければいいという趣旨では勿論ないわけでして、憲法上の問題が特にありますので、非常に大変な問題がありますけれども、できる限り欧米と同じ水準ということにしたいと思います。場合によっては、修文も考えさせていただきたいと思います。

○松尾委員 よろしくお願いします。

○阿部座長 全体として、国家戦略、あるいは国益ということを非常に意識して起草委員会でつくっていただいたと私は認識しておりますけれども、その辺も含めてもし御意見がありましたら更にいただければと思います。どうぞ。

○荒井委員 3点お願いいたします。したいんですが、1点は今回の戦略大綱を、総理がこうやってリーダーシップを取っていただいて、知財立国を国家目標にするというのは、明治以来初めての大変なことだと思います。実は世界の特許というのを勉強してみますと、アメリカでも200 年前に独立したときには、初代大統領はワシントンですがか、彼は農機具の発明が好きで、それで大統領になったわけですが、ヨーロッパに追い着くには特許をやらなければいかぬということで特許法をつくったというのが200 年前です。、それから100 年経って南北戦争をやったときに、今度はリンカーン大統領だったわけですからが、彼も川をわたる船の特許を取っていました。、それがうまくいかなくて大統領になったんですが、彼は南北戦争で疲弊した経済を立て直すには、やはり工業化を進めなければいかぬ、そのためには特許が大事だと言って特許重視政策を取りまして、エジソン、ベル、飛行機のライト兄弟とかが、みんな発明をして取って、ヨーロッパに負けない特許を考え出して、発明をしたから、20世紀の初めには工業国家になってヨーロッパを抜きましたいたと。
 それから100 年経って、今度は日本やドイツに追いつかれたときに、やはりもう一遍特許とか知的財産で勝負と言って、レーガン大統領が特許を重視する政策を取ったということで、いつもアメリカは困ったら特許ということでやっているわけです。が、それに匹敵するぐらい日本が困っているかどうかは別にしまして、経済再生には特許とか知的財産が大事だというのは、歴史的にも言えるんだと思いまして、そういう意味では本当に今回の大綱は重要なものだと思います。が、さっきお話がありましたように、これが全部実現すれば立派ということですから、全部実現するように是非早く基本法をつくっていただいて、大綱が実現するようにやっていただくということで、改革をスピーディーにやるということで速やかに準備室をつくって、基本法をつくっていただくということが一番大事ではないかと思います。
 第2点は、偽物対策、海賊版対策です。が、これは総会屋対策と同じではないかと思っておりまして、被害に遭ってる企業の人に、被害に遭っている方が悪いとか、すきを見せる方が悪いと言ってもしようがないわけで、政府がやはりしっかり守ると言わない限り総会屋対策ができないのと同じように、政府がしっかり国民の財産を守りますと言わない限り海賊版対策とか偽物対策、これを犯罪組織がやっている国もあるわけですから、しっかりやるということです。、民間企業の方は表立っては言いませんけれども、今回こういうことを政府が打ち出すということで、本当に心の中では大変感謝し期待しているんだと思います。これは初めてのことだと思います。  3点目は、大学の関係ですが、大学が特許という手段を通じて、象牙の塔から社会に貢献する頭脳集団に変わるという意識革命のことだと思います。これは総合科学技術会議の方のまとめもそうなっているので、大学が本当に変わるということで、さっき大臣からもお話がありましたが、是非大学の先生方が意識改革がうまくできるようにみんなで進めていくと、そうするといいものができるのではないかと思います。
 以上3点お願いでございます。

○阿部座長 重要な御指摘ありがとうございました。ほかいかがでしょうか。どうぞ。

○桑原委員 小さい点かもしれませんが、インセンティブを付けようということで、今いろいろんなところでこれが少し強く言われ過ぎないかなと心配をしております。して、これは発明した人が持つ権利を持ってる、あるいはつくった人に対しては、もっと落ち着いた、当然の権利なんですね。ですから、インセンティブを与えるから働けよということで全体が動いたのでは、余りよくない。というふうに思いますので、是非インセンティブを我々も強化してまいりたいんですがけれども、これは当然のごとくそういう制度をつくるということで、余り、だからやれよということに動かないように全体でしたいものだと思っております。
 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。どうぞ。

○中山委員 今後度の問題でございますので、この大綱には書いていないんですけれども、先ほどからこの大綱をちゃんと実施してほしいという意見がございまして、そのとおりなんですけれども、そのためには恐らく実施をするような仕掛けが必要だろうと思います。それは基本法と推進本部だと思いますけれども、推進本部に専属の人がいませんと、恐らく多分に絵にかいた餅になりかねないという危惧を持っておりますので、人をつけるといろんな問題点はございますけれども、是非事務局というものを設置してくださるようにお願いしたいと思います。

○阿部座長 どうぞ。

○青木委員 繰り返し申し上げるんですけれども、知的財産の創造というのは、非常に個人のクリエーティビティーによる仕事でございまして、これは優れた能力とそうでない能力を峻別するような競合原理の働く社会をつくらないとだめだというふうに思われます。 そういった面から、日本というのはみんなで渡れば怖くないとか、出る杭は打たれるとか、非常にそういう知的作業に向かない社会風土、日本人が向かないとは思いません、。海外に出ると随分優れた仕事をしておりますので、。そういった面で特に大学が、ある先生によりますと大学というのは非常に巧妙につくられた競争回避型の社会だというようなことを書いてらっしゃる先生がおられますけれども、これから大学の独立法人化とか、いろいろな試みがなされると思いますけれども、是非競争に強い、競合に強い研究者をつくるように、さっきのサッカーでも見ましたけれども、競り合いに強いプレイヤーとしての学者をつくっていただきたいと思います。

○阿部座長 私も大学の一員でありますので、誠におっしゃるとおりだと思います。この大綱はある意味で出発点でございますけれども、ここには尾身大臣もおられますし、遠山大臣もおられますので、いろいろ御指導をいただきながら、今おっしゃったような趣旨をとにかく1つでも確実なものに向けていく必要があるだろうと思います。ありがとうございました。
 ほかにはよろしゅうございますでしょうか。本日、いろいろ御議論をいただきまして、知的財産戦略大綱素案については、おおむね御了解をいただものとも考えておりますが、なお幾つかの御指摘をもいただいております。本日の御議論・御指摘を踏まえまして、中山起草委員長を始め、委員の皆様とも御相談しながら、最終的なチェック、あるいは加筆、訂正を行う必要があるところは行って、大綱素案の最終案を作成する作業に入らせていただきたいと思いますが、今日の御議論でかなりおおむね御了解をいただいているということもございますので、細かい点については座長である私に御一任をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○阿部座長 ありがとうございました。それでは、責任を持って最終案を作成いたします。また、次回の会合では小泉総理大臣に知的財産戦略大綱を提出させていただきたいと思います。
 それでは、最後に内閣総理大臣からごあいさつをいただきますが、その前にプレスが入室しますので、暫時お待ちいただきたいと思います。

○内閣総理大臣 海賊版というのはどこの国でもなかなかなくならないね。また海賊版を好む人がいるんですね。海賊版とわかっていながら平気で買うんですね。

○御手洗委員 タイなんか行くと、海賊版と銘打ってして売っていますから、フェアと言えばフェアですけれども、ちょっと根が深いですね。

○阿部座長 私どもが学生のときは、ひどかったですけれどもね。

○荒井委員 日本も昔やっていたから大目に見るかというのは、もうやめた方がいいと思います。これだけ日本人の財産を侵害されているんだから、これは大変なことですね。

○内閣総理大臣 日本もされる方になってしまったんですか。

○荒井委員 もうされる方です。やはり泣き寝入りはよくないと思います。

○内閣総理大臣 ワシントンの時代から、この知的財産というのはあったんですか。

○荒井委員 この本を読んだらあったんですね。一番最初の大統領がワシントンで、彼が発明が好きで、3番目の大統領がジェファーソンで、彼も発明が好きで、スミソニアンミスソニアンに彼の発明品がいっぱい飾っているんですね。アメリカは、大統領で発明が好き者が出てくるんです。

○青木委員 リンカーンがたしか特許を持っていますね。

○内閣総理大臣 何の特許を持っているんですか。

○青木委員 平床の船の特許を取って、実際にはその船でオペレーションをやっていたらしいですね。

○内閣総理大臣 エジソンは、リンカーンのずっと後でしょう。

○荒井委員 リンカーンのすぐ後ぐらいですね。リンカーンのときに、これからは特許が大事だと言って、それからエジソンが1877年とか、そのころからいっぱい発明を続けましたから、南北戦争が終わってすぐです。

○阿部座長 プレスの入室がありますので、お待ちいただきたいと思います。お願いします。

(報道関係者入室)

○内閣総理大臣 今日はありがとうございます。特に中山先生始め、起草委員の方々、御努力をありがとうございます。
 次回最終的にとりまとめられる知的財産戦略大綱に、大いに期待しております。今日の議論を伺っていても、画期的なものだと、21世紀にふさわしい経済活性化戦略の1つの柱として期待しておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

○阿部座長 どうもありがとうございました。

(報道関係者退室)

○阿部座長 それでは、予定の時間がまいりましたので、本日の会合をここで閉会をさせていただきます。本日の会合の内容につきましては、会議終了後に私から記者会見をさせていただきます。
 次回の会合につきまして、7月3日、17時30分開始を目途に調整をしたいと考えております。
 本日は、御多用中のところ誠にありがとうございました。