知的財産戦略本部会合
議事録

日時:平成26年6月20日(金)7:40〜8:10
場所:官邸4階 大会議室


○山本知的財産戦略担当大臣
 それでは、全員おそろいですので、ただいまから「知的財産戦略本部会合」を開催したいと思います。
 本日は竹宮本部員、長谷川本部員、松本本部員が欠席となります。また、安倍総理は本部会合途中からの御出席となります。
 早速ですが、閣議も控えておりましてぎりぎりの日程ですので、議題に入らせていただきます。
 本日の議題は「知的財産推進計画2014」の決定です。私から案を読ませていただきます。
 知財政策は、安倍政権における成長戦略の一翼を担う重要な政策分野である。昨年6月には、知的財産政策に関する基本方針を閣議決定するとともに、知的財産政策ビジョンを知財本部で決定をした。
 ビジョン策定後のこの1年は、知財本部としてPDCAサイクルの確立に腐心してきた。検証・評価・企画委員会には、本日御出席の有識者本部員の方々にも御出席をいただき、議論を行った。
 特に、知財本部がその司令塔機能を発揮して最重点課題として取り組むべき分野として、資料1に記載している重点5本柱を設定し、集中的に検討を進めてまいりました。
 職務発明制度については、例えば法人帰属にするなど、イノベーションの推進に資するような制度改正を検討しております。現在、企業や研究者へのアンケート結果も踏まえつつ、できる限り早期の特許法改正法案の提出を目指し、検討を加速化させております。
 営業秘密保護の強化については、新日鐵や東芝の事例に見られるように、喫緊の課題となっております。
 @政府における制度面の整備。
 A産業界による秘密管理の取り組み強化。
 B官民の情報共有・連携体制の構築を三位一体で総合的に取り組みます。
 特に、政府の取り組みに関して、来年の通常国会の提出を目指し、不正競争防止法等の改正の検討を加速化させてまいります。
 中小・ベンチャー企業等への知財活動支援については、人財、資金、情報の3つの観点から課題と施策を整理し、海外展開を見据えた知財戦略の構築、現地エンフォースメントの支援を強化いたします。
 コンテンツの海外展開については、国内市場の縮小等を受け、海外市場への展開が急がれる音楽産業を例に課題の抽出を行いました。徹底的な市場調査や世界に通用する人財の育成を含む戦略的な取り組みを推進してまいります。
 アーカイブにつきましては、利活用のニーズの増大から整備の促進へとつながる好循環の流れを生み出すための検討を行いました。東京オリンピック・パラリンピックを見据えた日本文化の発信と教育目的に関するものを利活用の優先分野とするなど、戦略的な取り組みを推進してまいります。
 今般、1年間の取り組みの集大成として御説明をした5本柱を中心とした知的財産推進計画2014本文(案)が取まとまりましたので、知財担当大臣として御報告をさせていただきます。
 それでは、意見交換に移らせていただきたいと思います。御質問、御意見のある方は挙手をお願いいたします。なお、本日は時間が限られておりますので、発言は1人1分を目安にお願いをしたいと思います。
 まず、閣僚の方から御発言があれば。稲田大臣、どうぞ。

○稲田内閣府特命担当大臣
 ありがとうございます。
 クールジャパン戦略については、引き続き山本大臣の知財の取り組みと緊密に連携し、推進してまいります。初代クールジャパン戦略担当大臣としてアメリカ、フランス、シンガポールを訪れましたが、各国のクールジャパンに対する関心の高さにはとても驚かされました。特に漫画やアニメをきっかけとして、さまざまな世代の方々が日本語を学んだり、日本を訪れるなどしており、今回の地財計画にもあるコンテンツの活用によるインバウンド促進や、他産業との連携を通じた波及効果の情勢を力強く推進することが極めて重要であります。
 東京オリンピック・パラリンピックに向け、諸外国の日本への関心が高まっているこの機会を逃すことなく、日本の魅力を積極的に発信する観点から縦割りを廃して、関係府省の連携を一層強化し、多様な日本の魅力が戦略的に発信できるよう努めてまいります。
 以上です。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、新藤総務大臣。

○新藤総務大臣
 コンテンツを中心としたソフトパワーの強化というのは非常に重要な部分でありますが、一例を申し上げますけれども、日本の石ノ森プロと伊藤忠、商社が組みまして仮面ライダーのアクションと衣装といったものを出しました。インドネシアで現地の物語をつくってもらって、ガルーダ戦士ビーマというものをやったのです。去年の半年間、6月から12月まで展開しましたけれども、同時間帯の視聴率1位です。関連のグッズがいろいろなものに展開されるということで、産業展開もできるということでありまして、かつ、これだけのすごい仕組みは日本が提供しているということで、非常に日本の信頼につながっていくということだと思います。ぜひこのソフトパワーをパッケージで産業展開させることがぜひ期待したいと思うわけであります。
 また、BEAJという放送コンテンツ海外展開促進機構なども取り組んでおりますが、ぜひ我々も一緒にやっていきたいと考えております。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、下村文科大臣、お願いいたします。

○下村文部科学大臣
 著作者の権利の適切な保護と著作物の円滑な利用の調和を図りつつ、デジタルネットワーク社会に対応した環境整備について検討を進めるとともに、関係省庁等と連携しながら、引き続き侵害発生国における海賊版対策及び著作権の普及啓発に努めてまいります。
 4月に行われたASEAN+3文化大臣会合に際しても、我が国から提案し、成果文書の中にこれも入れていただきました。
 このほか知的財産の有効活用のための産学官連携機能の強化、文化関係資料のアーカイブの利活用促進、コンテンツの海外展開促進、コンテンツ人財の育成など、本計画に沿ってしっかりと取り組みを進めてまいります。
 以上です。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、茂木経産大臣、お願いいたします。

○茂木経済産業大臣
 経済産業省としても骨子案の内容を、制度改正、予算措置で早急に具体化して、知的財産戦略の推進を図っていきたいと考えております。特に職務発明制度の抜本的な見直しや営業秘密保護の強化については、来年度通常国会での法改正も検討し、また、任期付き審査官の確保を含めた審査体制の整備・強化による世界最速・最高品質の特許審査の実現、海外イベントへのプロモーション支援等による音楽等のコンテンツ産業の海外展開等、必要な施策に取り組んでまいります。

○山本知的財産戦略担当大臣
 貴重な情報ありがとうございました。
 それでは、続いて有識者本部員及び検証・評価・企画委員会、両座長の順に発言をお願いしたいと思います。
 まず最初に、山本本部員からお願いいたします。

○山本本部員
 今、日本代表も戦っておりますが、サッカーは世界共通のルールでございます。特許出願ということで言えば、日米欧ではまだ違いがありますので、ぜひ日本が主導的にサミット等で特許出願の共通化、できるだけ近くしていくという働きかけをしていただければと思っております。
 以上です。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、山田本部員、お願いいたします。

○山田本部員
 中小・ベンチャー支援に関してというところで、多くのベンチャーはここにもありますとおり、人財、資金、ノウハウ、全ての面においてなかなか足りない部分が多く、特に知財戦略のような領域は、重要性を認識していても動きがとれないというのが実情であるかなと思っております。
 今回の推進計画には総合窓口の設置や専門家派遣の強化など、非常に具体的に指針が盛り込まれていて、とても心強いなと思っておりまして、攻め、守り、双方の観点でバックアップできる仕組みができることを期待しております。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして宮川本部員、お願いいたします。

○宮川本部員
 今、各大臣から心強いお言葉をいただいておりますので、営業秘密の保護及び知財のコンテンツの海外進出を、ますます推進していただけることを期待しております。
 この推進計画ではもちろん日本のコンテンツパワーを海外に広めていくという非常に素晴らしい目標が掲げられておりますが、一方で日本における知財の保護、特にコンテンツ保護のための著作権法の整備を、いろいろ各省庁、法律改正に向けて動いていらっしゃると思いますけれども、特に著作権法のクラウドサービスの分野やデジタルアーカイブの分野など、これから法改正が必要になってくると思いますので、前に進めていけるようにお力をいただきたいと思っております。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、日覺本部員、お願いいたします。

○日覺本部員
 職務発明制度の抜本的な見直しについては、昨年度、山本大臣主催のワーキンググループ等を通じて、我が国の産業競争力強化とイノベーション促進のためには、法人帰属が最も好ましいという我々企業の考えを伝えてきました。そして、企業や発明者を対象とした大規模なアンケートを実施していただき、職務発明制度について企業と発明者の考えが大きく乖離しているわけではないことが明らかになりました。このような経緯を踏まえて、今年度のできるだけ早い時期に結論を出すことを目標に、産構審の知的財産分科会で議論されています。
 しかしながら、法人帰属化を含めた抜本的な見直しを行うことになっていたにもかかわらず、最近の産構審における議論では、一定の条件を満たした場合には例外的に法人帰属を認めるなど、小規模な改正にとどめようとする動きがあると聞いています。我々は小規模な改正に終わるのではなく、職務発明を法人帰属とし、訴訟リスクをなくすこと、すなわちドイツ、韓国が法改正を行った結果、現在では日本のみとなってしまった国際競争上の不利をなくすことが、我が国の産業競争力強化のために最も好ましいと考えております。
 今後の検討においては、国際競争にさらされている我が国の産業競争力強化のため、職務発明制度はどうあるべきか十分検討いただいた上で、抜本的な制度改正を進めていただきたいと思います。
 以上です。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、喜連川本部員、お願いします。

○喜連川本部員
 ビッグデータが大きく注目されまして、この本文資料の第3章にも触れられているところではございますけれども、学術あるいは先端的なサイエンスにおきましては、膨大なデータを自在に扱うためのしっかりとした情報基盤を構築することが必要不可欠であることは言うまでもありません。
 一方、我が国の学術デジタルネットワークは、ここ数年来、大幅な予算減がなされまして、欧米あるいは中国に比べても著しく劣悪な状態にあります。この状況に対して特段の御配慮を賜れますと大変ありがたいと存じます。
 また、大学等ではMOOCと呼ばれますように、教育におけるIT利活用がとりわけホットな話題になっておりまして、適切な著作権の改正等を御検討いただけますと幸いです。
 以上です。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、角川本部員、お願いいたします。

○角川本部員
 2014年の推進計画は、オリンピックとTPPのことが触れられていることが例年にない特徴だと思っています。その中でまた新しくデジタルアーカイブのことが触れられておりまして、これからの日本のIT技術で4Kで保存されていくという、各省庁がお持ちのアーカイブにつきまして、4Kとか8Kで保存されていくことが重要になってくるのではないかと思っています。
 私はその中できょう3つ申し上げたいことがあります。
 1つは、「クールジャパン特区」というものを提案させていただきたいと思います。オリンピックで訪日する外人は1,000万人から2020年には2,000万人から3,000万人とも言われております。オリンピックに来る方々が、観光の中でクールジャパンはどこに行ったら見られる、体験できるのだろうと考えたときに、渋谷に行けばいいのでしょうか、秋葉原に行けばいいのでしょうか、余りにも受け皿がお粗末だと思います。
 私は地方の行政からクールジャパン特区を申請していただいて、ここに来ればクールジャパンというものがわかってもらえるような施設をつくっていく、ハコモノをつくっていくことが大事ではないかと考えております。
 例えばそこにもし専門学校をつくれば、専門学校でありながら一定のビザを出して、日本文化を勉強してもらうような特例をつくるというふうなことも必要かと思います。
 それから、オリンピックには必ず文化オリンピックというものが併設されていると聞いております。私もギリシャでオリンピックがありましたときに、森さんと一緒になってギリシャ悲劇を見に行ったことがございました。私は2020年に文化オリンピックをするのではなくて、2年前の2018年ごろ文化オリンピックをされたらどうか。これは1つの訪日をする外国人の動きを非常に勉強できるのではないかと思いますし、日本の誇るクールジャパンのいろいろな伝統芸術を、日本の文化オリンピックを開催されたらどうかということで、2018年を提案したいと思っております。
 最後でありますけれども、今回、出版者の権利を文部科学省を中心に動いていただき感謝しておりますが、地域の書店、地域のビデオ店あるいはレコード店、つまり地域のコンテンツを売っている小売店がどんどんネットに押されて衰退しております。モバイルだとかインターネットなどで地方の商店街から書店が消えたり、ビデオ店が消えたりしております。さらにまた映画館も消えつつあります。こういう小売店という文化を伝える重要な場所、中小企業の零細のほうに入ると思いますけれども、町からこういうものがなくなることは、町のにぎわいを失っていくことでありますし、文化の伝達者である彼らに、より支援をするような基本法みたいなものを考えていただけたらありがたいと思います。
 少し長くなりましたけれども、ありがとうございました。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 続けて奥山本部員、お願いいたします。

○奥山本部員
 ありがとうございます。
 現在、職務発明制度について我々も議論をしましたし、産構審の特許制度小委員会について議論が深まっていると理解をしております。
 そういった中で、現在ある対価請求権をどのようにするのか。それから、報奨の規定をどのようにするのかというのが、イノベーション戦略の中で一番重要であると考えております。
 発明者が裁判所に持ち込めるような対価請求権は、廃止すべきであろうと思っております。発明者に対して支払うのは対価ではなくて報奨であるということを明確にした上で、例えば最低賃金制度ではないですけれども、最低限度のかなり低いレベルの基準を公的な委員会で決定して、その遵守を企業に義務づけるような考え方でいいのではないかと思っております。
 実際に大規模なアンケートもしていただきまして、そういう考え方を裏づけているというふうに私は理解しております。
 現在の対価または報奨金のレベルを維持するという考え方もあるとは思うのですが、これは本当に硬直した制度を単に存続させるだけのものとなると思いますので、避けるべきでありますし、抜本的な見直しが必要な部分であると思っております。
 もう一点、現状認識として出願と権利化の部分も報告書の中に含めていただいておりますが、大変よくなってきていると思っております。これは特許庁の御努力もあると思いますが、審査が丁寧かつ迅速になっていますし、日本弁理士会も中小企業の支援などについてますます力が入ってきていると認識しています。
 次の段階として、日本国として何をすべきかということを考えるべきだと思っておりまして、これは特許を含めた知的財産の価値の向上に向けた施策をもう一回、考えるべきだと思っております。権利の価値が向上することによって会社経営における知的財産権の重要性も高まりますし、社内におけるイノベーションの位置づけも高めることができると考えております。
 技術開発の重要性と特許の価値の高まりを結びつけて考えることで、より付加価値の高い商品の開発が促進されると思っております。
 以上です。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、中村座長、お願いいたします。

○中村座長
 コンテンツ分野を担当いたしました、慶應義塾大学の中村伊知哉と申します。
 今回、コンテンツについては海外展開とアーカイブという基盤整備、この2大テーマについてメニューをそろえました。その間、クールジャパンのファンド設立のように施策も厚くなってきましたし、更にオリンピック・パラリンピックの招致もありまして、民間側は守りから攻めという気運が非常に高まっております。しかしながら、成果を上げるのはまだこれからでありまして、関連産業の成長あるいは日本文化の海外発展といったものが目に見える成果を上げることができますように、この計画の実行を通じて民間を激励していただきたいと思います。
 ただ、政治にしかできない施策もたくさんございます。TPPのような外交あるいはデジタル教科書の本格導入のような制度整備といった事柄であります。これらは知財政策だけではなくて、IT政策との連携も非常に重要になっておりますし、それだけではなくて、例えば外交、観光、食といった分野との連携も大事になってきておりますので、ぜひ政府をあげた取組をお願いしたいと思います。
 以上です。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、渡部座長、お願いいたします。

○渡部座長
 ありがとうございます。
 産業財産権分野を担当させていだきました、渡部でございます。
 先ほどの重点5本柱の職務発明、営業秘密、中小・ベンチャー、これはいずれも非常に重要なものでございますが、今回、作業部会として3回のタスクフォースをやりまして議論しましたのが、真ん中の営業秘密保護でございます。
 山本大臣に参加いただきまして議論いたしました。非公開で企業の実情を伺いました。大変深刻なものがある。しっかりした大企業から、今まさに技術が不正流出という形で流出している。そして、中小企業においては非常に無防備な状態があるということで、これをともかく一刻も早く対策をしていく必要ということが、今回の営業秘密保護に関する施策の内容でございます。
 これをしっかりさせることによって、知財政策というもの、知財マネジメントというものが今まで特許を出すということだけではなくて、特許を出すか、あるいは営業秘密で保護をするかという、いわゆるオープン・クローズ戦略に対応したものにしなくてはいけないということにつながっていくことになります。これはまさしくワンストップの窓口でやらないと意味がないということで、省庁縦割りではなく、こういうことを実効的に行える体制をぜひつくって後押しをしていただきたいと思います。
 以上でございます。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 総理が来られるまでまだ少し時間があるので、山本本部員と山田本部員が30秒で非常に短かったので、もう一回御発言をどうぞ。

○山本本部員
 ほかの部分で言いますと、今、国際的な技術移転人財を欧米が中心となって育成していこうということで、Registered Technology. Transfer Professional 略してRTTPというものを認定していく動きがあります。現在、日本にはまだ4人しかおりません。私はその4人のうち1人ですが、南アフリカには7人もいるという状況でございます。国際的に活躍ができる人財育成、ここの中にもそれが盛り込まれておりますが、そこに政府として力を入れる。最終的には人がやることでございますので、人財育成に注力いただければと思っております。
 以上でございます。

○山本知的財産戦略担当大臣
 山田本部員、どうぞ。

○山田本部員
 タスクフォースでも発言をさせていただいたのですけれども、皆様の御発言にもありました営業秘密保護は非常に重要な課題だと思っております。しっかりとその保護を図っていくということと同時に、今、世の中がこれだけ変化をして、人の働き方が大きく変わっている中で人財流動を損なうことがないように、人財流動によるノウハウの共有によって業界全体、産業全体が底上げされていくということも同時にあろうかと思いますので、そこの妨げにならないようにバランスを持った見直しというものが必要ではないかと考えております。
 以上です。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 まだあと数分あるのですが、甘利大臣、どうぞ。

○甘利内閣府特命担当大臣
 NHKは質、量ともに世界に誇るアーカイブを持っていながら全く活用されていない、死蔵されているとよく言われています。国際放送を中心に、これは著作権の処理が必要だとか言われていますけれども、もっと活用してもらうように総務大臣に要請いたします。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 総務大臣、一言。

○新藤総務大臣
 私も同じ問題意識を持っておりますので、今、研究しております。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 麻生副総理、どうぞ。

○麻生副総理
 イギリスのBBCは国営なのに広告がとれる。なぜBBCは広告がとれて日本のNHKは広告がとれないか。簡単な理由ですよ。BBCはその国際放送をやる部分だけ別会社に、子会社にしている。だからできるようになって、あのイギリスのBBCが質の向上にあれだけ努めているのは、民間があれに入ったからできた。考えてください。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございます。
 もう一方ぐらい御発言できるのですけれども、有識者の方、これだけはというものがあれば、せっかくですから。

○下村文部科学大臣
 角川委員から具体的な提言をいただきまして、ありがとうございます。私はオリンピック・パラリンピックの担当大臣でもありますので、ぜひ受けとめさせていただきたいと思いますし、おっしゃるとおりスポーツの祭典ではなく、文化芸術の祭典。それも東京だけではなく、日本全国がそのようなことを、なおかつ4〜5年前からぜひやっていきたいと思っていますが、クールジャパン特区とか具体的なお話がありました。さらにいろいろな提案について出していただければ、これは政府全体としても受けとめたいと思いますので、また詳細をぜひ提言していただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございます。
 もう一方、あと1〜2分あるのでせっかくですから、どなたか。よろしいですか。
 それでは、大体時間どおりですので議論はここまでとさせていただきます。
 この「知的財産推進計画2014」についてお諮りをいたします。資料2のとおり取りまとめますが、御異議ありませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございます。
 御異議なしということで、本案のとおり決定をさせていただきます。
 以上で本日の議題を終了したいと思いますが、最後に総理から締めくくりの御挨拶をいただきますので、プレスを入れたいと思います。
(報道関係者入室)

○山本知的財産戦略担当大臣
 それでは、総理、お願いいたします。

○安倍内閣総理大臣
 本日、「知的財産推進計画2014」を決定いたしました。本計画には企業における発明を法人帰属とすることを可能とする職務発明制度の見直しや、営業秘密保護の強化を盛り込んでおり、速やかな法改正に取り組んでいきたいと思います。
 また、我が国の優れたコンテンツの海外展開を推進し、日本ブランドの構築にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 このような知的財産に関する各種の施策を近々改訂される成長戦略の中にも適切に反映をし、世界最先端の知財立国を実現するため、必要な法改正や体制の強化について、大胆かつスピーディーに取り組んでいきたいと思います。
 本日御出席の皆様方におかれましては、「知的財産推進計画2014」が掲げる各施策の推進に当たり、引き続き御協力をいただくようによろしくお願い申し上げます。

○山本知的財産戦略担当大臣
 ありがとうございました。
 それでは、プレスの方は御退室をお願いします。
(報道関係者退室)

○山本知的財産戦略担当大臣
 それでは、以上で知的財産戦略本部会合を閉会いたします。
 なお、この後、閣議後の記者会見において、本日の本部決定について私から発表させていただく予定です。
 本日はありがとうございました。