首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 カテゴリーなし

コンテンツ・日本ブランド専門調査会(第10回)議事録

  1. 日時:平成21年2月25日(水)10:00〜12:00
  2. 場所:東海大学校友会館「東海の・朝日の間」
  3. 出席者
    【担当大臣】 野田内閣府特命担当大臣
    【委員】 久保利会長、太田委員、生越委員、角川委員、久保委員、里中委員、重延委員、関本委員、高橋委員、中山委員、南場委員、浜野委員、三尾委員、宮田委員、村上委員、佐藤本部員
    【事務局】 素川事務局長、内山次長、関次長、小川参事官、大路参事官
  4. 議事:
    • 日本ブランド振興について
    • 政策レビュー及び第3期知的財産戦略の基本方針の在り方について


○久保利会長 ただいまから、第10回コンテンツ・日本ブランド専門調査会を開催いたします。
 本日はご多忙のところご参集いただきまして、誠にありがとうございました。
 本日は、知的財産担当の内閣府特命担当大臣でいらっしゃいます野田大臣にご臨席賜りましたので、審議に先立ちまして、一言、ご挨拶をいただきたいと思います。
 それでは、野田大臣、よろしくお願いいたします。

○野田大臣 ありがとうございます。
 皆様、おはようございます。
 ただいまご紹介いただきました、担当大臣を8月からさせていただいている野田聖子でございます。
 10回目ということで、本当に専門調査会委員の皆様方には、それぞれご多忙の中、熱心にご議論いただいていること、心から感謝申し上げます。いよいよ3月には、すばらしい成果をいただけるという期待をしておりまして、今日はそのお礼かたがた、ぜひとも皆様方の全力を賜りたいということでお願いに上がりました。
 本当に、この会議に先立ちまして、うれしいことに、アカデミー賞では「おくりびと」とアニメの「つみきのいえ」が、ダブル受賞ということになりました。ややもすると、どうしてもメディアを通じて悪い話ばかりが先行しておりますけれども、麻生総理の大好きな言葉の一つに「底力」というのがございますが、やはり確実に底力がここにもあった。ついせんだっては、やはりノーベル賞を4人受賞ということで、そこにもあった。ちょっと分野は違うかもしれませんけれども、科学技術等においては、H2Aロケットが無事に「まいど1号」を乗せて飛び立ったということで、ここにも底力があったということで、まだまだやはり現場、現場の皆さんの強さというのが形にあらわれてきているということを、真摯に受けとめておかなければならないと思っています。
 ただ、勉強するたびにわかってきたことは、やはりその現場の人たちの根性にひたすらお任せすることが多く、国・国民は、ややもすると、そういう人たちへ優しい支援の手だてがなかったのではないか。そういう意味で、特に今、厳しいと言われる中、これまでの固定観念を打ち破って、これまでどちらかというと、他の産業に比べて軽視されがちだったブランド・コンテンツについて、きちっとした輪郭を皆様方につくっていただくことで、私たちの新たな日本の魅力、顔の一つとして飛び立つことができるよう、ぜひとも素敵なアイデアがいただけることを、心から期待を申し上げているところであります。
 私自身は、ずっと前から、党にあってデジタル・アーカイブ小委員会というところで、ジャパン・ポップ憲章というのをつくったことがあります。既に諸外国の人たちからは、「ジャパン・クール」といって随分褒められているものの、肝心の国内の私たちが、それをしっかり受けとめてこなかったということで、どうにかそういう諸外国の人たちにコンテンツがかなり評価されていることを、もっともっと「我等が築いて我等が育てていこう」という機運をつくっていきたいということで、ジャパン・ポップ憲章なるものをつくったんですけれども、鳴かず飛ばずでございましたので、ぜひとも皆様方には、パンと何か柱を立てていただいて、これからの若い人たちの、やはり勇気の礎になるものをつくっていただきたいなということを心からご期待申し上げまして、ご挨拶にします。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

○久保利会長 ありがとうございました。
 野田大臣には、この後、10時15分ごろまでご同席いただけるということでございます。せっかくの機会でございますので、今、野田大臣からも「現場」というお言葉がありましたけれども、何人かの委員の方からご発言をお受けいたしたいと存じます。
 なお、限られた時間でありますので、お1人2分以内程度でよろしくお願いしたいと思います。
 どなたでも結構でございますが、例えば「現場」と言えば、コ・フェスタのエグゼクティブディレクターでいらっしゃいます、現場でまさに取り組んでいらっしゃる重延さん、まず皮切りということでいかがでしょうか。

○重延委員 重延でございます。今日は、ご出席、ありがとうございました。
 現場というか、私自身もクリエーターの1人で、しかも、コンテンツ全体のことを見ていくという役割をお受けしております。JAPAN国際コンテンツフェスティバルというのは2007年から始まりまして、1年、2年と終わりまして、昨年は36イベントを、ゲーム、アニメ、マンガ、キャラクター、放送、音楽、映画といういろいろな産業ジャンルの結合、連携をつくっていこうと。その中で、日本の優れた才能、魅力ある才能を、国際的に認識していただく。そして、マーケットにしなければいけない。さらにマーケットの中で取引が生まれていくということを大切に、そして人材を育成するということ、さらに地域からもコンテンツが生まれてくる、そういうような観点で進めてまいりまして、2年目に至って存在感が高まったというところまではやってまいりました。  今年、3年目を迎えまして、さらなる国際的マーケットの拡大ということとともに、やはりプロフェッショナルな人材を育成していく、その思いを強く持っております。日本は本当に、外国から見て魅力がある才能を持っている、あるいは魅力がある技術を持っていると思われているんです。ただ、それを伝えるのがとても下手でございまして、そういう意味で、そこをもっと国際的人間交流をして生み出していこうではないかという思いを強くしております。これから、アジアという地域の中でも、さらに日本が―リードすると言うのは、ちょっとおこがましいかもしれませんけれども、本当に才能があるということを知らしめて、相互に交流しながら新しいものをつくっていくということをやっていきたい。
 これは、舞台がなければいけません。そういう意味で、JAPAN国際コンテンツフェスティバルに、さらに国際的な方々が集まり、そこで交流するということにしたいと思います。そこから何かが生まれるということ、実際、商談も始まっております。これがよい環境をつくっていく。それから、今度のアカデミー賞のことも含めまして、本当に若い人たちが日本の魅力を世界に発信していくという、そのことに対して協力していかなければいけないということで、人間的なコンテンツフェスティバル、こういうことをしっかりととらえて、ただただ社会の中での売り買いではなくて、「人間的魅力」を通じて、これから日本のよさを浸透させていきたい。方針だけではいけませんので、「私たちは実行する」という形で3年目を迎え、さらに上海エクスポにもつながるような一つの日本の姿を見せていきたいと頑張っておりますので、ぜひご支援いただけますよう、よろしくお願いいたします。

○久保利会長 ありがとうございました。
 どなたでも、どうぞ挙手していただいて。
 では、里中委員、お願いします。まさに、現場でございますので。

○里中委員 本日は、ご出席、ありがとうございます。
 先ほど、「底力」という言葉が出ましたが、まさしくそのとおりなんですが、2点、底力があるというのは、やはりそれを育ててきた歴史があるということだと思うんです。どの分野でもそうだと思います。  例えば、マンガにおきましても、今、世界からもてはやされておりますが、実は、戦後間もなくからの日本独自の取り組み方というのを個々にやっておりまして、世界から相手にされなくても、あるいは日本の中でも相手にされなくても、マンガというものの表現力を鍛えてきた長い歴史があります。
 ただ、残念ながら、そういう過去の立派な影響を与えた作品たちを、今、見ることができないということで、日本のマンガのルネッサンス期の集大成とも言うべきもののアーカイブ化を進めておりますが、なかなか進みません。これは、やはり官民協力して、著作権者に不利益の起きないようにアーカイブ化を進めていきたいと思っております。あと一息ですので、よろしくお願いします。
 また、マンガだけではなく、ファッションとかその他の分野すべて、やはりこれまで培ってきたものというのがあるわけですね。それを知っていただいてこそ、今の輝きが理解されると思います。
 ですから、そういう各文化の分野のすべてのアーカイブ化と発信力、また拠点が欲しいと思います。やはり、外国からいらしたときに、ここに来ればすべての文化情報が得られるという拠点、今、箱物ははやらないと言われますけれども、やはり目に見える形でわかりやすい文化発信基地みたいな形のものが欲しいと思っております。だから、発信力を持つということは、さっきおっしゃいました「底力」に対して、「表の力」だと思います。ブランド力を高めるというのは、表にどういう顔を見せるか、そういう工夫と、それぞれの協力が必要だと思います。
 また、「底力」といいますと、日本ブランドと今や言ってもよい農産物とか、さまざまなものづくりの力、そういうもので、今、海賊版、模倣品が横行しております。ですから、広く文化としてとらえますと、やはり地理的表示の問題にもっと力を入れて、いろいろな地理表示で、何か日本の地名とか独自のブランド名が使われたりしておりますけれども、そういうものに動かされない。つまり、そういうものが出回るということは、それだけ実は知られているということで、それをもっと前向きに有効活用するために、地理的表示の面も力を入れていくということを、みんなで掛け声をかけてアピールすることが大事だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○久保利会長 ありがとうございました。
 南場委員、お願いします。

○南場委員こんにちは。南場です。お久しぶりでございます。
 私は、恐らくこのメンバーの中でも、インターネット業界、新興―と言われておりますが―業界の中から参加しているという意味で、立場的にユニークだと思いますので、その立場からお話をさせていただきたいと思います。
 インターネットや携帯において、悲しい事故などが何件か起きまして、インターネット全体、あるいは携帯におけるインターネットの利用全体が批判されてしまっているというのが、一昨年から起こっていることだと思います。それを受けて業界では、全力を挙げて健全化に向けて取り組んでいるところであります。
 ただ、完璧というところがないのが実状です。今、クリエイティブあるいはブランドという話題において、どちらかと言うとハイエンドなレベルの高いプロの世界に目が行きがちですけれども、日本の強さの一つは大衆文化であると感じています。その大衆のクリエイティビティの発信の場というのが、インターネットや、そして極めてユニークなこととして、携帯で行われています。そこには世界に誇らしい文化が生まれていると思います。例えば、前回もこの会議で発言いたしましたが、携帯で小説を書くということです。我が社が運営しているサイトでは約50万の小説が書かれていまして、それはユーザーの4%が日記とは別に小説を書いているということになります。それと同じサービスをアメリカでも提供したところ、きっとアメリカ人は日本人より平均的には指が大きいので、携帯では小説は書かないだろうと思っていたら、何と8%のユーザーが小説を書き始めました。まさに日本発の文化が、世界に伝播し始まったというところと言えます。
 その誇らしい大衆文化の部分の、いわゆるプラスの部分にもぜひ目を向けて頂きたいと考えています。もちろん事業者としても、健全化に最大の努力をいたします。そういう努力を全く行っていない事業者については、厳しく対応していただくのも必要と思うのですが、必ずしも一つの事故がプラスの面を含めたすべてのことの否定につながらないように、努力すれば報われる枠組み、それで健全に大衆文化が育って海外にも発信していけるような土壌づくりに、お力添えをいただきたいと思っております。

○久保利会長 ありがとうございます。
 太田委員、お願いします。

○太田委員 1つだけ。
 これは、大臣のお力をかりなければできないのでしょうけれども、実は、日本の玄関である成田空港免税エリアは、ほとんど外国ブランドのブティックがずらりと並んでいまして、日本の優れものが出ておりません。これは、いろいろな航空会社の既得権で、そこの系列の商事会社がマーケティングすると外国の高級ブランドばかりになってしまう。
 一昨日、たまたまシャネルジャパン社長のコラスさんと話していて、「日本はいい文化を持っているし、ファッションナブルだし、僕も日本の文化を尊敬しているんだけれども、どうして日本というのは自分の国のことを大事にしないんだろう」と。フランスでパリコレをやるときは、ルーブルを初めいろいろな公的施設を貸していると。ところが、日本は規制があって、どこも貸さない。結局、何となくちまちまとやっている。
空港も外国ブランドがずらっと並んでいて、なかなか入れない。免税エリアでこれから帰っていく海外から来た旅行者たちに、日本の優れものをずらっと並べてアピールするということが僕は絶対大事だと思う。例えば、今、海外でも日本の焼酎はもてはやされていますが、空港の中の免税エリアの焼酎売り場は品揃えが貧弱です。日本酒もそうです。でも、実は海外から来ている方たちというのは焼酎や日本酒にこだわりがあります。
 それから、日本には、例えば小さなおもちゃのような高くない時計、すごく優れものがいっぱいあります。でも、免税エリアで売っているのは、ロレックス、オメガになっています。
 やはり、日本のブランド、日本の商品のよさを世界にアピールするのは、まず成田からだと。そのためには、障害があまりにもあり過ぎるので、ぜひお願いします。

○久保利会長 恐縮ですが、大臣はそろそろ時間でございますので、申しわけありません。
 ありがとうございました。
 なお、野田大臣はご多忙につき、これにてご退席されます。お忙しいところ、誠にありがとうございました。  どうぞ。

○野田大臣 本当に短い時間で申しわけありませんが、極めて具体的で中身の濃いご提言をいただきましたので、できるところから取り組んでいきたいと思っています。
 私が、ちょうどジャパン・ポップをやっているときのジレンマというのは、国が応援したいけれども、あまり行政が介入すると、ろくなことにならないなと。どちらかというと、やはり大衆文化というのはアナーキーなところがあって、あまり四角四面にやってしまったら、本来のソフトパワーというのが小さくなってしまうから、国が邪魔しない程度にクリエーターの人たちを育てられるような絶妙な間というのを、ぜひ専門委員会の皆様方に築いていただきたいなということを、ともかく心からお願いしたいと思います。
 私自身も反省しなければいけないんですけれども、どうしても日本の教育の中で謙虚ということを教わり過ぎた結果、同じような実力を持っていても、何か外国の人のほうがプレゼンが上手で、同じようなものでも何か外国のほうがよさげに、そういうようにずっと生きてきた節があるので、ここは一丁、やはり今、成田の話もありますけれども、少し仕切り直しということで、国民のメンタリティを大きく変えられるような、自信につながる、多少傲慢でもよいから国民一人一人が売り手になっていくようなムードづくりというのも、ぜひこちらから発信していただけるとうれしいなと思います。
 いつもここの局長にも言っているんですけれども、行政があまりコミットすると、やはり萎縮してしまう。本当に自由な舞台をつくっていただく中で、その必要としていることにお手伝いをするというスタンス、自分たちがやろうとすると絶対失敗すると思うので、そういうところの見きわめをきちっとしながら、皆様方のお答えを心からお待ち申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)

○久保利会長 どうもありがとうございました。
(野田大臣 退席)

○久保利会長 それでは、審議に入りたいと思います。
 本日の審議の内容についてですけれども、初めに、前回の専門調査会に引き続きいて、日本ブランド戦略のとりまとめに向けた議論を行います。次に、政策レビュー及び第3期知的財産戦略の在り方について議論してまいりたいと思います。
 まず、事務局から配布資料の説明をお願いいたします。

○関事務局次長 それでは、本日の配布資料の確認をさせていただきます。
 資料1が、「日本ブランド戦略(案)」でございます。
 それから資料2、1枚紙でございますが、「「日本ブランド戦略」のキャッチフレーズ募集について」でございます。若干補足させていただきますと、前回のこの会議でご指摘等をいただきましたので、2月6日から2月20日まで2週間、募集させていただきました。委員の先生方にもご協力いただきまして、全体で200のご応募をいただいたわけでございますが、ちょっとまだ整理ができておりませんので、こういう募集をさせていただいたというご報告でございます。
 それから資料3、1枚紙でございますが、「政策レビュー及び第3期知的財産戦略の基本方針の在り方に関する報告書の構成について(案)」というものでございます。
 資料4が2つに分かれておりまして、資料4−1「第3期知的財産戦略の基本方針の在り方について(案)」、それから資料4−2が、「これまで講じてきた知的財産施策に対する評価の概要及び今後講ずべき主な施策(案)」、いずれも分厚い束でございます。
 それから、資料5でございますが、意見募集の結果ということでございまして、本体は1枚紙でございます。そこに書いてございますように、コンテンツ・日本ブランド専門調査会関連分のご意見としては、18件いただいておりまして、それを資料5の別添という形で付してございます。
 それから、参考資料としてお配りしておりますのが、昨年12月、第8回の専門調査会で配らせていただいた資料、横長のもので、「これまで講じてきた施策の概要と検討の視点について(案)」というものでございます。  最後に、資料の番号を付してございませんけれども、本日ご欠席ではございますが、服部先生からご提供いただいた資料でございます。これは、席上配布のみでございますが、「世界料理サミット2009 TOKYO TASTE」ということで、全体で4枚組の資料でございます。
 本日の資料は以上でございます。

○久保利会長 ありがとうございました。
 今、事務局から説明がありました日本ブランド戦略のキャッチフレーズの選考等につきましては、何人かの委員とご相談させていただき決定していきたい、かように考えております。
 また、表紙のデザインでございますけれども、前回の会合でご提案いただきました宮田委員にお願いするということを考えております。宮田委員、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、審議に入りたいと思います。
 前回の専門調査会においては、主に戦略の総論部分についてご審議いただきました。本日は、戦略の各論部分、すなわち具体的施策の部分もあわせた戦略案の全体像について、ご審議いただきたいと考えております。
 まず、事務局より資料についてご説明をお願いします。

○関事務局次長 それでは、資料1「日本ブランド戦略(案)」についてご説明させていただきます。
 全体の構成でございますが、1ページから4ページまでが総論でございます。それから、5ページ以降が、主な施策という構成になっております。
 まず、Tの総論の部分でございますが、これは前回もこれに似た形でお示しして、ご議論いただいたものでございます。そのご意見を踏まえて修正してございますけれども、大きな点のみ確認的に申し上げさせていただきたいと思います。
 最初は、1ページの「1.はじめに」というところでございますが、第3段落、「このため」というところで始まる段落でございますが、これを冒頭に持ってまいりまして、ここに書いてあるようなことでやっていくんだということを、冒頭に位置付けしてございます。読み上げさせていただきますと、「日本のソフトパワーの源泉となるアニメ、マンガ、映画、ドラマ、音楽、ゲーム等のコンテンツや、食、ファッション、デザインといった日本特有のブランド価値創造に関連する産業を「クリエイティブ産業」として位置付け、これら産業の新興や海外展開を総合的に推進するべきである」という部分でございます。
 それから、あと、主な変更点ということで申し上げますと、3ページをご覧いただきたいと思います。
 3ページの上から3段目、「さらに」というところで始まる部分でございますけれども、ここの段落で、地域の視点からとらえた点、それから知財制度という観点からの点、これについて追記してございます。
 それから、資料の4ページ、基本戦略でございますが、基本的な柱立ては前回お示ししたものでございまして、「創造力の強化」、「発信力の強化」、「体制の構築」という柱にしてございます。
 ただ、部分的に、若干表現を修正したところがございまして、例えば戦略4につきましては、「訪日促進等を通じた認知度の向上」とさせていただいてございます。前回、「外からの吸引力」というふうに書いてございましたが、若干わかりづらいということもございましたので、このような表現にさせていただいております。
 総論についての主な変更点は、以上でございます。
 それから、主な施策、5ページ以下をご覧いただきたいと思います。
 ここにつきましては、前回の会議におきましては、考えられる施策の具体例の案という形でお示しさせていただきましたけれども、その際のご議論等を踏まえまして、焦点化あるいは整理をして、本日ご議論いただければと思っておるものでございます。
 以下、項目をご説明申し上げますと、5ページが「創造力の強化」という部分でございますが、「創造力の強化」の1点目の戦略が、「クリエイティブ産業の振興」ということでございます。この構成といたしましては、戦略1の総論的な事柄をリード文として書きまして、それに対応する主な施策というのを下に並べるという形で書いてございます。
 施策を確認させていただきますと、「クリエイティブ産業における中小企業支援対策の活用」、中小企業対策を積極的に活用していこうということでございます。
 それから、2つ目が「地域ソフト資源の映像化を通じた地域クリエイティブ産業の育成」ということでございます。
 それから、3つ目が「コンテンツ関連技術の研究開発の促進によるイノベーションの創出」、4点目が「デジタル・ネット環境の進展に伴うコンテンツ取引環境の整備」、それから5点目が、「新しいメディアを創出するための法制度等の整備」、法制度あるいは技術的環境の整備ということでございます。
 それから、6ページでございますが、これは「創造力の強化」の中の2つ目、戦略2といたしまして、「創造基盤の整備」ということでございます。
 ここにつきましての主な施策というのをご覧いただきますと、ここは6点掲げてございます。
 1点目が、「文化資源のアーカイブ化の推進」ということでございます。
 それから、以下、人材の育成にかかわる問題でございますが、2つ目が「若手クリエーターの育成」、それから3つ目が「大学等における教育プログラムの充実」、4点目といたしまして、「幼少期からの創造教育の推進」、それから5点目といたしまして、「将来の担い手としての多様な人材の受入れ」ということで、海外からも多様な人材を受け入れようと。
 それから6点目といたしまして、「文化発信に貢献した外国人などの顕彰制度の拡充」をするということでございます。
 それから、続きまして7ページからでございますが、7ページからは、大きな戦略の柱の2番目、「発信力の強化」ということでございます。
 その戦略の3といたしまして、「外に向けての発信力の強化」、これは細項目が2つに分かれてございまして、1つ目が「クリエイティブ産業の海外展開の強化」ということでございます。
 ここでは、2ページにわたりまして9点掲げてございますが、主な施策の1点目、「コンテンツの海外展開の促進」、それを支援するということでございます。
 2つ目が、「海外展開ミッションの派遣」ということで、海外顧客の獲得あるいは販路拡大、こういったもののためのミッションを派遣するということでございます。
 それから、3点目が「サービス業の海外展開促進のための官民連携プラットフォームの設置」ということでございます。
 4点目が、「質の高い消費を求める外国人層への戦略的発信の強化」ということでございます。
 5点目が、「中小企業の海外展開に対する支援の充実」でございます。
 それから6点目、「日本ブランド発信イベントの機能強化」ということでございます。
 それから7点目、「海外市場における模倣品・海賊版対策の強化」ということでございます。
 それから、ページをめくっていただきまして8ページでございますが、「海外における地域ブランドの保護強化」、それから「海外における日本食・日本食材の普及」ということでございます。
 こういったことで、ここにつきましては海外で既に受け入れられている日本ブランドの価値を活用して、さらに販路を拡大していく。また、そのための支援を行う。さらに、それに関連して、模倣品・海賊版対策を強化する等々の施策をここに掲げてございます。
 それから、9ページでございますが、3−2といたしまして、「拠点地域における発信力の強化」ということでございます。ここにつきましては、アジア諸国、あるいはニューヨーク、パリ等々、いろいろ考えられるわけでございますけれども、それぞれの国・地域の特色、状況を踏まえて、拠点地域となる場所に分野横断的に官民挙げて発信していくというコンセプトでございます。
 主な施策といたしましては、1点目が「在外公館における支援拠点の設置」ということでございます。
 2点目が、「「クロスメディア」による効果的な発信の実施」ということでございまして、共同番組製作、翻訳の支援、あるいはイベント、国際放送の活用等々でございます。
 それから、3つ目が「アジア地域に対する戦略的な発信の強化」ということでございまして、アジア地域において重点対象国・地域を5カ所程度定めて、戦略的に発信していくということでございます。
 それから、4点目が「アジア諸国・地域との連携の強化等」ということでございまして、さまざまな政府間のハイレベル協議、あるいは官民合同ミッション、あるいはアジア・コンテンツ・ビジネスサミット、こういったことを積極的に展開するとともに、海賊版の話でございますとか、あるいはコンテンツの輸入規制緩和、検閲制度等々、それぞれの国における問題の解決に向けた働きかけをしていくということでございます。
 それから、9ページの最後は、「流行発信地における販路拡大支援の強化」ということでございまして、ニューヨーク、パリ等を想定した対応策でございます。
 それから、10ページでございますが、これは大きな柱としては「発信力の強化」でございますけれども、戦略4、「訪日促進等を通じた認知度の向上」でございます。まずは、日本に来てもらおうということでございますが、主な施策としては4点掲げてございます。
 「外国人旅行者の受入れ拡大」、ビジット・ジャパン・キャンペーン等をさらに推進していくと。  それから、2つ目が「留学生の受入れ拡大」ということで、留学生30万人計画がございますけれども、それを推進していくということでございます。
 それから、3点目が「日本語教育の推進」ということで、若年層に限らず、日本文化に対して興味を持っていただいた方への働きかけということでございます。
 4点目が、「海外現地における日本文化の発信・日本語教育と留学支援サービスの連携強化」ということでございます。
 最後の11ページでございますが、「体制の構築」ということでございまして、戦略5、「推進体制の構築」ということでございます。
 主な施策として2点掲げてございますが、1点目が「クリエーター等を中心とする懇談会の設置」でございます。
 それから、2点目が「官民合同メンバーを構成員とする「日本ブランド戦略推進委員会」(仮称)の設置」ということでございます。こういうことによって、省庁連携、官民連携による取組を進めて、分野横断的に創造・発信していくということでございます。
 以上、雑駁でございますけれども、資料1についてのご説明でございます。

○久保利会長 ありがとうございました。
 それでは、今の説明を踏まえまして、資料についてご意見等ございましたら、よろしくご発言をお願いしたいと思います。発言のある方は、ネームプレートをお立ていただければと思います。
 なお、発言は1人3分以内ということで、よろしくお願いします。
 では、村上委員、お願いします。

○村上委員 先ほど大臣がいらっしゃるときに、里中委員からもお話が出たんですけれども、このブランド戦略(案)の中の6ページにございますが、「文化資源のアーカイブ化の推進」ということを書いていただいております。
 実は、この件に関しまして、2つほどお願いがあるんですけれども、日本におきましてアーカイブの面では、映像コンテンツについて、非常に取組がまだ貧弱でございます。中で、映画に関しましては、現在、京橋にフィルムセンターがございまして、ここは歴史もございますし、かなり収集作品も多く、また展示も行われているということなんですけれども、一方の、映像コンテンツでいつも俎上にのります放送番組ですが、これにつきましては放送法によりまして、今から約20年ぐらい前に、我が国唯一の放送アーカイブといたしまして、民放とNHKが資金を出した放送番組センターというのが設立されております。この放送番組センターというのは、今、横浜で放送番組の収集と、一般の方向けに番組視聴ができるような活動を行っております。それから、NHKは川口にNHKのアーカイブをお持ちになって、これも一般の方が視聴できるような体制をとっておられます。
 ただ、放送番組センターについて申し上げますと、いろいろこれも問題があるんですけれども、実は私がその委員もさせられている関係でちょっとお話ししますと、毎年、運用できる資金というのが、これは、放送局の拠出金によっておりますために、非常に財政的に苦しい。また、収集番組も、努力はしているんですけれども、まだたかだか1万5,000本ぐらいしか収集がないんですね。欧米各国は、いずれも数十万本とか、あるいは数百万時間というような形で収集が行われているんですが、我が国はそんな状況であると。しかも、年を追うごとに、財政的に縮小を余儀なくされておりまして、ともかく今は、何とかここの存続をさせるということだけにきゅうきゅうとしているというような状況です。要するに、これから大きく発展させていく展望が開けていないという状態です。放送番組1つとってもこんなことでございまして、アーカイブにつきましては、多分、アニメなどは、系統立った収集というのは行われていないのではないかと思います。
 2つ、お願いがあると申し上げましたのは、ここでアーカイブ化の推進に、アニメ、マンガ、あるいはファッション、デザイン等、書いていただいていますけれども、コンテンツという意味では放送番組というのも、ぜひここに入れておいていただきたいということと、先ほど大臣から、あまり官が介入してはいけないという、これは大変ありがたいお話なんですが、どうしてもこのアーカイブについては、民は後回しにしてしまうんですね、こういうものについては。
 ですから、「これこそは本当に国が積極的にその支援をするんだ、アーカイブ化というのは、日本において、やはり国も支援しているんだ」と、これはよその国は大体みんなそういう状況ですから、その姿勢をまず明確に打ち出していただいて、一方、では支援の何が一番根本になるかというと、これは本当に財政的支援ということにどうしてもなります。ですから、国が積極的支援を行うという姿勢を打ち出すと同時に、財政的支援を後ろでやっていただくというようなことを、ぜひこれは強く、この際、お願いしておきたいと思っております。
 以上です。

○久保利会長 官民協力してというのは、すごくわかりやすくて、みんなが納得するところだと思うんですけれども、現実にはすごく難しい面があります。それは何かといいますと、民は民でそれぞれの企業の意識というのも、企業によって細かく変わります。私どもの世界でいいますと、出版社ごとに取り組み方が違うということもあります。
 ですから、今、お話にありましたように、やはり官のほうで姿勢を打ち出していただく。キャッチフレーズとして、アーカイブ化こそが文化を支える説得力になるのだというようなことで前面に押し出していただければ、非常に話がしやすい面はあります。
 ですから、本当に残念なのは、もし私が、外国人でなくても、日本人であっても、古い昔の放送番組とか映画とか、やはり見たいんですけれども、なかなかこれまで到達することができなかった。放送番組センターも、行けば見ることができます。あと、川口も、大変すばらしい施設なんですけれども、放送と通信の狭間で、いろいろ権利関係とかややこしく考えてしまって、足踏みしている状態がありますので、著作権法の改正に伴っていろいろ、簡単にと言うと語弊はありますけれども、発信しやすい形にしてアーカイブ化されたものを、ネットで、通信で十分に発信できるようにする。これは、日本向けだけではなくて、外国向けもそうだと思うんです。
 実は、アジア諸国の人たちは、日本のテレビ番組を見たいんですが、海外向け放送のメディアが少な過ぎるわけですね。そこで、海賊版のテレビドラマとか、テレビ向けのアニメとかが出回ってしまって、「どうしてこういうふうに無断でつくるのだ」と言うと、「こういう形でしか手に入らないから仕方ないじゃないか」と言われますと、海賊版を抑えるためにも、堂々とした形で発信力を高めるということが、ひいては、我が国の経済的損失を少なくして経済効果を上げることにもつながると思いますので、いろいろなことにつながってきますので、よろしくお願いします―「よろしくお願いします」って、誰に向かって一体「よろしくお願いします」と言っていいのかわかりませんが。

○久保利会長 では、生越委員その後、中山先生、お願いします。

○生越委員 この点について、1点だけ要望させていただきたいと思います。
 アーカイブ化するときに、いつこれが格納されたかというスタンピング、これが私は、非常に今後、重要になると思っております。この前、ある企業にご相談されたんですけれども、日本の古典柄がそのまま外国の食器に転写され、意匠出願するという話が出ました。「日本の柄を勝手に取られてしまった」という意識がありますが、「昔からデザインとどうやって証明したらいいんでしょうか」、こういった問題が起こってきまして、日本の文化、デザイン、非常にここに価値があるとなりますと、そういったものの分捕り合戦というのが、将来、起こる可能性もあって、ならないことが一番よいのですけれども、そういった意味で、最悪、これはこの時代から日本にあったということをせめて主張できるように、アーカイブ化するときはスタンピングができる、こういった機能も最初に入れ込むことが非常に重要ですので、そこも踏まえて構築していただければというふうに思います。
 以上です

○久保利会長 では、久保委員、お願いします。

○久保委員 今、中山委員のお話のGoogleの件で、1つ補足がありますが、アメリカ作家組合、アメリカ出版協会会員社との和解ができたということで、日本の書籍出版協会会員出版社に対しても同様な要望をGoogleは出してきています。対象は米国内で出版されている出版物です。彼らは、5月5日に結論を出せというような要望を持っていると、僕の記憶では思っているんですけれども、物すごいスピード感なんですね。片や、こういう会議で基本戦略を話し合っているところに、既に彼らは、具体的な要望を出してきているわけで、僕らは遅れていると感じています。
 もう1点、アカデミー賞の話が大臣のほうからも出ましたけれども、今回のアカデミー賞で2作品が同時受賞したということは、世界的に日本の作品、又は文化に興味がわいてくるよいタイミングができたと思いますが、多分、このままほうっておくと、受賞された方が成田空港へ来て取材を受けて、その後は大きな動きになかなかつながらないという、打ち上げ花火的なもので終わってしまう可能性があります。
 韓国の「冬ソナ」がはやったときには、その後「こんなものもあるよ」と韓流ドラマが重層的に日本に入ってきたことによって、定着していったという認識を持っています。今回、このダブル受賞という千載一遇のチャンスを日本人が活かせるのかということについては、官民力をあわせてしっかり考えていきたい。ぜひとも、スピード感を持って対応する必要があるのではないかと思います。
 例えば、短編アニメーションを受賞された加藤さんを、以前からご存じだった方は少ないと思います。でも、その加藤さんが属していますROBOTという製作会社は、映画では「踊る大捜査線」や「ALWAYS 三丁目の夕日」などをつくっている大変有名なプロダクションですし。そのROBOTさんがルーカスフィルムのように成長すれば、ROBOTさんから生まれていったコンテンツは世界的な注目を受けることも可能になってくると思うんですね。  ですので、この千載一遇のチャンス、あまり細かいことをごちゃごちゃ言わず、日本全体の追い風にするということを、迅速なスピード感を持ってご検討いただければ感じています。
 以上です。

○久保利会長 では、角川委員、お願いします。

○角川委員 僕たち知財本部のミッションというのは、コンテンツの「創造・保護・活用」だと思います。これは、「コンテンツ振興の三原則」と、僕は個人的には言っているんですけれども、今のお話のアーカイブについても、非常に重要な指摘だと思うんですけれども、これは「保護」という視点にあり、これから、ネットワーク、ブロードバンド化については、どうやってデジタル化していくか、あるいはデジタルデータベース化していくかということが非常に重要になってまいります。
 映画についても、実は、今もお話がありましたように、映画のほうは文化庁がやっているフィルムセンターに、かなり保存されるようになってきたんですけれども、今度、デジタル化という問題が残ります。必要性は感じているけれども、全く具体的な施策はまだ及ばないという段階で、デジタル化というのはすごくお金がかかります。今回、米国のアカデミー協会との協力を得た黒澤明さんの「羅生門」をデジタル化するのに、実は6,000万円ぐらいかかっているんですね。ですから、日本の邦画を全部デジタルデータ化するとなるとどれだけのお金がかかるかというと、ちょっと気が遠くなるんです。ぜひこの「創造・保護・活用」の「活用」というレベルで考えますと、アーカイブにとどまらず、その活用する方法、デジタル化を通して、それも通じても、やはり我々は考えていかなくてはいけないのではないかなということを思います。

○久保利会長 では、高橋委員、お願いします。

○高橋委員 私も、文化資源のアーカイブ化のところについての意見を申し上げたいと思います。
 蛇足かもしれませんけれども、今おっしゃいました「創造・保護・活用」の部分で、アーカイブ化で「活用」に力を入れていくということが、私は大切だと思っています。だとしますと、先ほどのスタンピングも当然なんですけれども、メタデータの統一という意味で、「フォーマット」あるいは「標準化」、どういう言い方が適当かわかりませんけれども、活用がしやすいように、アニメ、マンガ、映画、ファッション、デザイン、それぞれがそれぞれの分野で自由にやるということではなくて、財政支援するのであれば、ここについては活用しやすい形を前提にしたデータベース化をお願いしたいというふうに思います。

○久保利会長 いろいろお願いが出てきておりますが、そのお願いは誰が受けるのかというと、これは「この報告書に盛り込め」ということですよね。ですから、当調査会がそういう形で戦略案に盛り込んで本部に提出し、本部で「骨太」に入れるなり、具体的な戦略に変えていくといいますか、実施していくということをする方向でというご意見だと思いますので、そんな方向でとりまとめていきたいと思います。
 浜野委員、お願いいたします。

○浜野委員 コンテンツ関連技術の研究開発が出ていますが、コンテンツ関係の統計資料は、研究者や民間だけでは整備できません。役所が持っている雇用データとか市場規模とかを出していただかないと、全然わからない。アメリカについては、どの分野に何人働いていて、ファッション業界は何人、映画界は何人とわかります。
 国内のブランドとかクリエイティブ産業の統計データと、それに加えて海外の統計資料をきちっと整備すると云うことは、やはりこれは役所でないとできないので、書き入れていただければありがたいと思います。よろしくお願いします
○久保利会長 その点はどうですか、事務局のほうとしては。

○関事務局次長 では、ちょっと検討させていただきます。

○久保利会長 では、それは検討させていただくということで進めてまいりたいと思います。
 ほかにはいかがでございましょうか。
 では、宮田委員、お願いします。

○宮田委員 ここに、公的機関ということが書いてございますが、つまり、在外公館ですね。そういうところへ行く機会が、最近多いものですから行くと、やはりそこは日本の宣伝の最高の場所だと思います。太田委員が、先ほど成田の話をしましたけれども、同じように在外公館というのは、大変、そこにはその国々のすばらしい方々が接する場所だと。
 残念ながら、私がここ1年の中で10個ぐらい行った公館は、全然よくないですね。非常につまらないものしか置いていない。残念ですね。だから、そういうところにも、例えば太田委員のところのものがさりげなく置いてあるとか、いろいろなアニメのものなども、よいものがさりげなくあるということによって、会話の幅が広がるし、日本のファンになってくれるのではないかなという感じがするので、ここの文章をもうちょっと膨らませて、同時に、これは内閣府の仕事ですので、外務省にもきちっと言えるような文章になったらよいのかなという感じがいたしました。

○久保利会長 では、これもそういう方向で、事務局、検討することでよいですか。

○関事務局次長 いろいろと外務省にもご協力いただいて、作業を進めてきておるつもりでございますが、そこはまた検討させていただきたいと思います。

○宮田委員  よろしくお願いします。

○久保利会長 在外公館というのは、私も海外へ行ってもめったに寄りはしませんけれども、130国も歩いておりますので、時々問題があったりして寄るんですが、本当に、宮田委員おっしゃるとおり、つまらないものしかありませんね。お人形とかかぶとみたいなものしかなくて、もう少し気のきいたものはないかと私も思っておりますので、この辺、膨らませるようにいたしたいと思います。
 三尾委員、お願いします。

○三尾委員 この日本ブランド戦略の11ページに、「推進体制の構築」ということで、施策の中に「クリエーター等を中心とする懇談会の設置」という項目がありまして、今までは、あまりクリエーターの意見が反映されていなかったのではないかと思いますので、これは非常に好ましいというふうに考える次第なんですけれども、この懇談会を設置した後に、次のステップとして何を考えているのかというところがはっきりしないという点が、問題ではないかというふうに思います。
 この専門調査会で、従前、これまで議論していた中に、国として、日本が誇れる日本ブランドというものを世界に発信するためには、どのように日本ブランドがふさわしいという議論があったかと思うんですけれども、例えば今回、アカデミー賞をとりました「つみきのいえ」、ショートフィルムなんですけれども、日本ブランドとして、日本が世界に誇るべきものだと思うんですね。ショートフィルムの分野は、久保委員が先ほどおっしゃいましたように、あまりこれまで注目されていなかった分野なんですけれども、世界的には脚光を浴びつつある分野でして、しかも、大がかりな設備や費用が要らないんですね。ですので、若手のクリエーターには比較的手軽に取り組めて、非常に有効な分野であると思うんですね。
 こういった分野に国として力を入れ、ある程度、国がバックアップする方向性を、明らかにして、この懇談会の目的として、将来につなげていくというような位置付けをはっきり報告書の中で書いていただければ、クリエーターの方々にとっても、非常に励みになるのではないかというふうに考えます。

○久保利会長 わかりました。では、ここももう少し膨らませるというか、もうちょっとクリアに、何のための懇談会かということをはっきり書くようにと、こういうご指摘ですね。

○三尾委員 そうですね。

○久保利会長 角川委員、お願いします。

○角川委員 同じ文法の中にあると思うんですけれども、この資料3を拝見しますと、第3期の目標として、3.の(3)「クリエイティブ産業の成長戦略の推進」というのが出てまいります。この「クリエイティブ産業の成長戦略の推進」という言葉が、今度は資料1の「発信力の強化」、今、7ページのところを拝見しているんですけれども、ここに来ますと「クリエイティブ産業の海外展開の強化」という表現になっているんですね。
 私は、やはり「クリエイティブ産業の成長戦略の推進」という何か行き着くところを、今の三尾委員と同じ文法になると思うんですけれども、方向付けではなくても、その到達するところをきちっと意識して、そこに向かって邁進していくという姿勢が必要なのではないかと思います。
 それで、今回、前年度のこの知財本部の成果として、今、法制化が推進されております「検索サービスの適法化」、「通信過程における一時的蓄積の法的位置付けの明確化」、あるいはまた「研究開発に係る著作物の利用の円滑化」、あるいは、研究現場における「コンピュータ・プログラムのリバース・エンジニアリングの適法化」、この4点が、今、通常国会へ出されるというか、そういうふうな段階に来ていると思いますけれども、こういう成果に基づいて、もう一回、この「クリエイティブ産業の成長戦略」、つまり、経済財政諮問会議では20兆円と出たり、あるいはまた、今11兆5,000億円が14兆円というふうな数字が躍っているわけですけれども、そこら辺を、この知財本部はどこに向かっていくのかということが必要だと思うんです。
 その点、今回の法律改正を通して、コンテンツということについて、我々のこの知財の成果として、コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律、いわゆるコンテンツ促進法というものを制定するように、この知財本部は過去に成果があるわけです。この中で、コンテンツとは何かということで、第2条で、今、ここで討論されております映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム、こういうものにプラスして、コンピュータ・プログラム、ソフトウエアについても、コンテンツとして位置付けています。
 今までこの知財本部で、コンピュータ・ソフトウエアについての産業育成については、ほとんど触れてこなかったというふうに思うんですね。検索サービスの適法化を通して、日本におけるソフトウエア産業の育成というものを含めて、コンテンツ産業という形にしていきたいなというふうにお願い申し上げたいと思います。

○久保利会長 ありがとうございます。
 今までの段階の議論は、資料1と2ということで、主として資料1をやってまいりまして、資料3については、この後で事務局から説明をいただいた上で議論したいと。今、角川委員ご指摘の「クリエイティブ産業の成長戦略の推進」というのは、これからの2009年から2013年にかけての第3期で取り上げていこうという仕掛けになっております。
 したがって、現在、資料1で議論しておりますのは、まだそこに行く前の今回の第2期のまとめとしての我々の報告書にどこまで盛り込むかという議論でございます。全く角川委員のおっしゃるとおりだと思いますけれども、若干、この時間的な差異といいますか、段階のちょっと違いがありますので、その点を踏まえた上で、今回出すべきものには工夫していきたい、可用に考えております。

○角川委員 ちょっと先走って、すみません。

○久保利会長 いえいえ。逆に言いますと、今、角川委員からそういうご指摘をいただいて大変ありがたいので、もう資料1の点について特段のご発言がなければ、資料3を含めた次のステージに移りたいと思うんですが、この資料1の段階でご発言のある方。
 久保委員も高橋委員もそうですね。わかりました。
 では、久保委員からお願いします。

○久保委員 手短に。
 総論、「1.はじめに」のところに、やはりアカデミー賞をダブル受賞したというようなことを付記していただきたいなと。やはり、そのことによって日本人全体が大きく勇気付けられたということを、書き込んでいただきたいと思います。

○久保利会長 わかりました。受賞をまだ知る前の原稿だったものですから、大変申しわけありません。
 では、高橋委員、お願いします。

○高橋委員 書きぶりのことで恐縮なんですが、7ページの施策の丸の4つ目の「質の高い消費を求める外国人層への戦略的発信の強化」、これは先ほど来の議論から行くと、到達点を非常に明確にしているというふうには思うんですが、ここの「質の高い消費を求める」という表現がいかがなものかなというふうに私は感じております。「消費」というのをどういうふうに定義するかということもございますけれども、この日本ブランドの発信につながるサービス業についてとかということがありますが、ここのところは、例えば「質の高い商品・サービスを求める外国人層」と、このぐらいにとどめたほうが、むしろ広がりがあってよいのではないかと思います。ここの議論でも、例えば日本食だとか、日本の伝統工芸を学ぶ人とか、そういうふうな形で、そういう場を提供しようという話も出ておりますので、ちょっと「消費」でない表現を工夫していただきたいと思います。

○久保利会長 わかりました。では、そういうことで、そのあたりについては言葉をもう少し吟味したいと思います。
 佐藤本部員、お願いいたします。

○佐藤本部員 お尋ねしたいんですが、先ほどのお話では、この今やっている資料1というのは、資料3のUの後ろ側のほうへ入れる部分だという理解でよろしいんでしょうか。

○久保利会長 事務局から説明いたします。

○関事務局次長 そこは、形式的には別ものでございまして、ブランド戦略はブランド戦略としておつくりいただきたいというふうに思っております。
 ただ、内容的には、このブランド戦略としてご議論いただいているものと、それから今後、資料3以降でご議論いただきます第3期の基本方針の在り方というのは、内容的には、当然、密接に関連してくる部分があろうかと思っております。

○佐藤本部員 資料4−2というのは、今の議論のさらに深掘りしたものという理解でよろしいんでしょうか。

○関事務局次長 分野としては、両方、若干ずれている分野があろうかと思っております。

○久保利会長 資料4−2のほうですね。

○久保利会長 次長、何か追加はありますか。

○関事務局次長 はい。
 資料3で見ていただきますと、資料4−2といいますのは、これまで講じてきた知的財産施策に対する評価ということでございまして、この柱立ては第2期の基本方針の柱立てに沿っておるわけでございます。
 したがいまして、「コンテンツをいかした文化創造国家づくり」という観点から見て何がなされて、今後、何をやるべきなのかということを、この資料4−2というところでご議論いただければと思っております。
 このブランド戦略は、形式的にはそれとは別個のものでございまして、今後、日本ブランドといいますか、これを振興していくためにどのような戦略が必要なのかということで、この専門調査会でご議論いただきまして、それを踏まえて関係省庁のほうで具体の方針を考えていきたい、そのように考えているものでございます。

○佐藤本部員  何でこんなお話をしたかというと、最終的には3期の推進計画の基本方針を決めるということの一番大きな話を、今、議論されていると思っていて、そういう意味では、もう一方でやっている競争力の専門調査会のほうの流れとここの流れと、やはり平仄が合った形であるべきだというのは前回も申し上げたと思うんですね。そういう意味でちょっと申し上げたかったというのが、確認の意味です。

○久保利会長 そうです。なし始めているところがあるので、誤解が生まれているので、わざわざ書くとアメリカというよりもすごいことを書かれるのではないかという誤解が独り歩きしているんです。多分、先生たちはそんなことは考えていらっしゃらないと思うんですが。そういう意味では「日本版」と書くことがマイナスの要素を生み始めているところがあるので。

○久保利会長 全くおっしゃるとおりでございまして、資料3をつくるのは誰かというと、この資料3の2.に「報告書の作成主体」というのがあります。これは、まさに競争力強化専門調査会と当調査会の連名で出すということですから、全くおっしゃるとおり、平仄を合わせるということになります。

○佐藤本部員 私は、両方にまたがって出ている立場からちょっと申し上げたかったのは、そういうことであれば、これから資料4−2について議論されるのであれば、そのとき申し上げても結構だと思うんですが、やはり2期までの今までの政策をしっかりと批判、検証した上で3期に臨むという姿勢が非常に重要だろうと思っております。
 私のほうは、競争力の専門調査会のほうの資料を見る限りでは、結構、1期、2期に対する厳しい目での批判をし、それによって3期やるべきことを明確にしてきたというふうな感じを受けております。そういう意味では、ぜひこちら側の専門調査会においても、1期、2期の検証をしっかりやった上で3期を目指すんだという形であってほしいなというふうに思っています。
 そういう意味では、この資料4−2の突っ込み方が、まだ非常に甘いのではないかというふうに感じております。これは後ほど議論するのであれば、その細かい点は、後ほど申し上げたいと思います。

○久保利会長 ありがとうございます。まさに、これからそこに入っていこうとしておりますので、お願いしたいと思います。
 生越委員は、今の関係ですか。

○生越委員 いえ。細かい案件です。

○久保利会長 どうぞ。

○生越委員 資料1が終わらないうちに、一言、お願いしたいんですけれども、6ページの一番下です。「文化発信に貢献した外国人などの顕彰制度の拡充」で、このときに表彰制度を拡充することは、とても大事だと思います。昨年度のノーベル賞、今回のアカデミー賞で学んだように、その国の表彰が外国にこれだけ影響を与えるということを改めて認識するべきで、表彰制度を拡充するときに、あわせて世界的な賞になるように、そこまで目指して行うべきではないかというふうに思います。
 以上です。

○関本委員 ありがとうございます。
 それでは、資料1の関係につきましては、本日ご審議いただいた結果を踏まえましてまとめ、各委員からご意見をちょうだいし、さらに進めてまいりたいと思いますが―ごめんなさい、関本委員は、今お挙げになりました?
 では、どうぞ。

○関本委員 先ほどお話しになりました検証という意味で、前々回、VIPOのジャパン・コンテンツ・ショーケースについて、あまりにもアクセスが少ないという発言をしたものですから、その後、関係者に実態をいろいろ聞いたんですが、関係者の皆さん、困り果てているんですよね。それは、明らかにデータベースをつくればよいというものではなくて、目的がはっきりしていて、そのためにそのデータベースに何が入っているということが全然検証されていないままつくられたものだから、ああいう結果になったんだと思うんですが、そういう見直しというのは、やはりちゃんとやるべきだと。
 ただ、過去のことをあまりくどくど言うつもりはないんですが、海外に発信するために総合的な支援をすると書いてありますけれども、総合的な支援と同時に新たなスキームみたいなものを、やはりつくっていかないとまずいかなと。アニメなどが、一番世界で売れていると言われているんですが、事実、世界で人気があるんですが、今、商売にならなくなってきましたよね、アメリカなども含めて。これは、ネットの違法サイトなどの影響が大きいんだと思うんですが、そうすると、例えばアニメが10本ぐらいは半年前にでき上がっていて、英語版もつくれて、世界で同時放送して、同時放送したら、そのビデオの10本セットはもう発売される、そういうふうなスキームを、例えば久保さんのところとNHKでやると、これは談合だと言われますけれども、例えば放送局もそういう体制をとる、あるいはプロダクションもそういうつくり方をしていくというようなことを個々具体的に考えていくということも含めて、それをスキームというふうに僕は言っているんですが、そういうこともあわせて考えていかないと、単にデジタル化すればよいとか何とかという議論だけでは、結局、具体的につくったときに、何の役にも立っていないものがいっぱいあったというようなことにつながりかねないかなというのを、ちょっとどういう表現にしたらよいかわかりませんが、そういうことも検討していただきたいなと。

○久保利会長 わかりました。要するに、ビジネスモデル、スキームというものを考えた新しい対策というのか政策というのか、これを考えないと、結局、ビジネスに何も結びつかないということでは意味がないではないか、こういうことですね。はい、わかりました。
 では、そういう形で、さらに日本ブランド戦略(案)を適宜修正いたします。
 そして、その上で、次回3月10日の第11回会合におきまして、報告書のとりまとめに向けた議論を行いたいというふうに考えますので、どうぞこの場でご発言がなかった点についても、書面等でお寄せいただければ、資料1の変更という形でできるだけ盛り込みたいと思いますので、修文も含めて、ぜひご協力をお願いいたしたいと思います。
 それでは、続きまして、先ほど申し上げました次のステージのお話になります。すなわち、政策レビュー及び第3期知的財産戦略の在り方について、ご審議いただきたいと存じます。
 まず、事務局より、資料3から5になると思いますけれども、これについてご説明願います。

○関事務局次長 それでは、まず資料3をご覧いただきたいと思います。
 先ほど、佐藤本部員のほうからのご指摘がございましたけれども、このブランド戦略とは別に、この政策レビュー及び3期の基本方針の在り方についてご議論いただいて、おまとめいただきたいというふうに思っております。  資料3を、ちょっと確認的に見ていただきますと、1.は、おまとめいただきたい報告書の表題でございますが、「第3期知的財産戦略の基本方針の在り方について」というタイトルでございます。
 それから、2.といたしまして、作成主体ということでございますけれども、競争力強化専門調査会とこの専門調査会、コンテンツ・日本ブランド専門調査会の連名でおとりまとめいただければというふうに思っております。  続きまして、どういった内容かということでございますが、3.の目次というところでご覧いただきたいと思います。目次をご覧いただきますと、「はじめに」というのと、TとUが出てまいりますけれども、一言で言えば、これまでの施策に対する評価をきちんとした上で、第3期は何を基本方針として重点的にやっていくのかということについてお示しいただきたいということでございます。
 順番が、若干逆になりますけれども、Uのほうから申し上げさせていただきたいと思います。
 「U.これまで講じてきた知的財産施策に対する評価の概要及び今後講ずべき主な施策」ということでございますけれども、ここの部分については、過去6年、2期にわたる基本計画、2003年から2005年までと2006年から2008年まで、2期あったわけでございますけれども、それを総括していただいた上で、それを踏まえて、今後講ずべき主な施策についてご検討いただきたいという部分でございます。
 したがいまして、このUのところには、1.2.3.4.5.と、「知的財産の創造」から始まります5本の柱がございますけれども、この5本の柱というのは、第2期の基本方針の柱ということになってございます。第2期の柱立てに沿ってレビューをしていただきまして、それに沿った形で残された課題、あるいは今後、何をやればよいのかということを抽出していただきたいというのがUの部分でございます。
 したがいまして、このUの部分につきましては、2つの専門調査会それぞれに分担してやっていただきたいというふうに考えてございまして、1.と2.と3.と5.につきましては競争力強化専門調査会のほうで、そして4.の部分、「コンテンツをいかした文化創造国家づくり」ということにつきましては、こちらのコンテンツ・日本ブランド専門調査会でレビューしていただくというふうに考えております。
 したがいまして、この部分の資料4−2というのを、本日、ご用意してございますけれども、これにつきましては、その「コンテンツをいかした文化創造国家づくり」、そこの部分のみを、今回、お示ししてございます。  それから、戻っていただきまして、Tの部分でございますけれども、「第3期知的財産戦略の基本方針の在り方について」という部分でございます。
 ここは、今申しましたローマ数字のUの部分、それを踏まえまして、第3期―第3期というのは5年間を考えてございまして、2009年度から2013年度までの5年間でございますけれども、この5年間の戦略についてご議論いただくということでございまして、Uの部分を踏まえて戦略を再構築していただくということかと思っております。
 具体的に申しますと、本日お示しした案は、このTの全体をお示ししてございますけれども、そのTの3.に書いてありますように、第3期の基本方針としては(1)から(5)までの5本の柱で整理させていただいたらどうであろうかということになっておりまして、(1)から(5)それぞれについての重点施策として、何が注視されてやるべきなのかということを付すという形で、本日の資料を整理してございます。
 それで、先ほどのご質問に対する答えの繰り返しでございますが、全体を通じてブランド戦略についてのご議論と重なる部分は多々ございまして、実際の施策ということを見ていただきますと、ブランド戦略でご提言いただく予定のものと重なっているものもございますけれども、それにつきましてはご検討の時期が重なってしまったということ、それから今後の課題としては、当然、共通する部分があるということで、そこはご理解いただければというふうに思っております。
 それでは、続きまして、資料4−1と4−2の個別の内容について、ご説明させていただきたいと思います。  便宜上、資料4−2のほうからご覧いただきたいと思います。
 資料4−2につきましては、先ほど申しましたように、第2期の柱として、「コンテンツをいかした文化創造国家づくり」という柱が立っております。その中を、さらに5つの項目に分けまして、それぞれの項目ごとに、過去の施策に対する評価をしていただいた上で、今後講ずべき主な施策をピックアップしていただくという形になっておるわけでございます。
 ということで、まず冒頭の1ページからご覧いただきますと、1ページ、5本柱のうちの1本目の柱が、「新しい市場の拡大」ということでございます。「新しい市場の拡大」の中が、実は細項目2つに分かれてございますけれども、その1つ目が、「デジタル・ネット環境をいかした新しいサービスの促進」ということでございます。
 これにつきましては、(a)というところが施策に対する評価の概要でございまして、その評価の視点といたしましては、そこに3行書いてございますように、「デジタル・ネット環境をいかした新規ビジネスを創出するためにはどのような支援が必要か。また、デジタル・ネット環境をいかした新しいサービスを展開するための技術的課題への取組や制度的対応は十分か」という視点をつくりまして、これについての総括を、その下の四角の中でしておるという構成になってございます。
 四角の中を見ていただきますと、上の2つの丸は、いわば現状の認識を示したもの。それから、3つ目の「しかしながら」で始まる丸が、問題点と申しますか、課題について書いたもの、それからページがまたがりますが、「このため」で始まる丸が、今後の方向性について書いたものという整理になってございます。
 その上で、2ページの(b)今後講ずべき主な施策といたしまして、1つ目の丸が、中小の支援ということ、それから2つ目が、地域ソフトを活用した地域産業の問題、それから3つ目の丸から3ページ目の頭まで、残り5つの丸がございますけれども、これは制度的な対応すべき項目、あるいは技術的に対応すべき項目ということで5つ並べているという構成になってございます。
 それから、今のような現状分析等々をした背景でございますけれども、それにつきましては本日の番外の資料として、第8回、昨年12月にお配りした横長の資料でございますけれども、これをお配りしてございますので、それをご覧いただきたいと思います。
 今と同じことをたどっていただきますと、資料を1枚めくっていただきますと、「新しい市場の拡大」というのが出てまいりまして、それの@が「デジタル・ネット環境をいかした新しいサービスの促進」ということでございます。これについての今までの取組、主な成果及び現状、これについてデータ等を含めましてお示ししたものが、これでございます。
 この資料のときに、ページが振ってございませんが、「新しい市場の拡大(2/4)」というページがあろうかと思いますけれども、4枚中の2枚目という資料の右下のところに、「これまでの政策の評価及び今後の在り方の検討に当たっての視点」というのを示してございますけれども、この視点を本日の資料4−2でも、そのまま視点として使っているという構成になってございます。
 ということで、以下、たどっていただきますと、もう一度、資料4−2に戻っていただきまして、資料4−2の3ページからが、「新しい市場の拡大」の中の小見出しとして出てまいります「海外展開の促進」という項目でございます。
 それから、あと、ちょっと項目だけたどらせていただきますと、資料の5ページ目からが「契約環境の改善」ということでございまして、これも小見出しが2つございまして、1点目が「円滑な権利処理のための環境整備」ということでございます。それから、資料の6ページが、「適正な取引の促進」ということでございます。
 それから、資料の8ページが、「世界中のクリエーターの目標となり得る創造環境の整備」という項目でございます。
 それから、資料の10ページからが、「日本ブランドの振興」という柱でございます。
 それから、最後の13ページ目からが、「模倣品・海賊版対策の強化」という項目になってございます。
 ということで、若干、内容を省略させていただいておりますけれども、この資料4−2というところで、従来の柱立てに沿って総括していただければという趣旨のものでございます。
 それから、続きまして、資料4−1のほうをご覧いただきたいと思います。
 資料4−1のほうは、今後の第3期の基本方針の在り方についてということでございまして、ここは今後の5年間の姿を描いていただきたいという部分でございます。
 したがいまして、これも繰り返しでございますが、ここにつきましては全体像をお示ししておるところでございます。
 ここの部分の構成は、「はじめに」というのがありまして、その後、3ページ目から「第3期知的財産戦略の基本方針の在り方について」という構成になってございます。
 一応、でき上がりの姿を総括的に書いておりますのが、冒頭の「はじめに」というところでございますので、ここをちょっと見ていただきますと、「はじめに」、第1段落、第2段落とありまして、第1段落、第2段落で現状の分析をトータルにいたしまして、その中での決意を述べるような文章になってございます。それから、第3段落、第4段落が、従来の検討の経緯のようなことを総括的に書いてございます。それから、1ページの一番下、最後の段落に始まるところが、いわばそのレビューの結果、そこからどういった問題点が抽出されるのかということを書いた部分になってございます。
 それから、2ページに行っていただきまして、「資源が乏しく」というところで始まる段落として、今後の方向性について総括すると。これが、「はじめに」の内容でございます。
 それから、基本方針の在り方、3ページ目から始まりますけれども、これについての構成を申しますと、3ページが「知的財産を取り巻く環境変化」ということで、環境の変化についての分析を、ここでしてございます。
 それから、4ページ目以降が「我が国の現状と課題」ということでございますが、ここでは先ほどの「はじめに」に書きました問題意識をもう一度繰り返した上で、5つの観点から総括するという形で構成してございます。
 具体的に、一番関連いたしますところを見ていただきますと、7ページ、「(3)コンテンツ産業の振興と日本のブランド価値の発信」という項目がございますけれども、ここについて、このような総括を置いているということでございます。
 その上で、9ページ以降が今後の基本方針ということでございまして、5本の柱で構築したらどうであろうかということでございます。
 9ページをちょっと見ていただきますと、1点目の柱が「第1に」という部分でございまして、「イノベーション促進のための知的財産戦略を強化する」ということでございまして、「知的財産をいかに効果的に経済的価値の創出に結びつけるかという視点を重視しつつ、知的財産の創造から活用までの各プロセスをより有機的かつ相互に連結させるべく、知財制度や事業環境を進化させていくことが必要である」と。
 それから、第2といたしまして、「第2にグローバルな視点から知的財産戦略を強化していかなければならない」ということでございまして、国ごとに知財制度が異なっていたり、運用が異なっていたりすると足かせになるということで、「国際的なフレームワーク作りに一層強力に取り組まなくてはならない」と。
 それから、第3でございますが、「コンテンツ産業を始めとするクリエイティブ産業の振興に戦略的に取り組まなくてはならない」ということでございまして、この部分は、まさにブランド戦略でご提言いただく内容と重なってくる部分であろうかと思います。
 それから、4点目の柱が「知的財産権の安定性確保に向けた取組を強化する」ということでございます。
 第5といたしまして、「制度利用者のニーズに対応した知財システムの構築に向けた取組を強化」するということでございます。
 1ページめくっていただきまして、10ページでございますけれども、こういった「以上の5本柱を第3期知的財産戦略の基本方針とし、総合的かつ一体的に推進することにより、我が国は、技術、コンテンツ、ブランド等の優れた知的財産を多数創造し、それらを有機的に組み合わせ経済的価値を創出し続けることを通じグローバル市場における競争力強化を目指すべきである」、このように書いてございます。
 以下、その5本柱に沿いまして展開してございますけれども、例えば11ページの(1)ということで見ていただきますと、「イノベーション促進のための知財戦略の強化〈IP For Innovation〉」ということで、政策目標を設定いたしまして、評価指標を設定し、それに対応する重点施策という形で、いわばレビューから抽出された中で重点施策として推進すべきものというのを並べるという形になってございます。
 以下、同じように、15ページからが「(2)グローバルな知財戦略の強化〈Global IP〉」ということでございます。
 それから、18ページからが「(3)クリエイティブ産業の成長戦略の推進〈Promotion of Creative Industries〉」という部分でございます。
 それから、23ページからが「(4)知的財産権の安定性・予見性の確保〈Stable IP〉」、それから最後に、25ページが「(5)利用者ニーズに対応した知財システムの構築〈User-Friendly〉」という柱立てになってございます。
 大変恐縮ながら、柱立ての説明のほうが中心になって、個々のご説明が十分ではございませんけれども、とりあえず以上で、冒頭の説明として終了させていただきたいと思います。

○久保利会長 ありがとうございます。
 先ほどの佐藤本部員のご質問とも絡むと思いますので、まず佐藤本部員から、今の説明で十分なのか、あるいは、資料3の一番下の別冊2というのが、さっきおっしゃった厳しい評価という話だと思いますので、その辺も含めて、ご指摘がありましたらお願いしたいと思いますが。

○佐藤本部員 全体のまとめの中で、「クリエイティブ産業の成長戦略の推進」という項目を立てられたのは、大変結構なことだと思います。まさに、ここの専門調査会で議論されていることが、ここに実るべき話だろうと思っているんですが、率直に言いまして、では、今いただいた中で、「クリエイティブ産業の成長戦略」というのは、この中で見えるのかというところが非常に疑問に思います。先ほど、関本委員からもお話がありましたように、やはり実際にコンテンツ・ブランドが市場に結びついて、それが市場の中で評価され、それが国際競争力につながるんだというストーリーが、この各施策によって実現できるということが見えるようにしないと、わざわざ「成長戦略」とうたいながら、実は「今までやってきた各施策の足りない部分をもうちょっとやりましょう」というところでとどまってしまうのではないかというふうに感じるわけです。
 そういう意味で、その前提としては、やはり1期、2期の総括を、もっとしっかり全体像として見える形があって、その反省の下にこういう具体的な施策があって、「それによってこういう成長戦略を目指す」というようなことが見えるようになってほしいなという期待を込めまして、総論的にはお話をしたということです。
 それからもう1点は、その前提としては、やはり資料4−2のような施策の評価については、もっと具体的に、よかったところも悪かったところも明確にしてほしいと思います、この横長のペーパーで細かくいろいろ書いてあるわけですけれども、それは具体的に何をやったということの羅列と、その羅列した結果として、非常に総括的な反省文が載っているだけで、本当に何がよくて何が悪かったのかというのは、まだ見えていないのではないかと思います。その結果として、まとめたものの中に具体的な絵を持ち込んでいくかたになるべきものものが、まだ非常に舌足らずになっているのではないかというふうに感じているというところが、今、私が受けとめている感想でございます。

○久保利会長 ありがとうございます。
 私も、その評価の部分が、よいこともあれば悪いこともあったと思いますが、「これが全然できていないじゃないか」ということをきっちり評価しないで、3期に引き継いでみてもしようがないのかなと思います。今のまだ素案でございますが、これにはいろいろ問題点があるのかなというふうに思っています。その点で、むしろ各委員からも率直なご意見をちょうだいして、それを踏まえて早急にやると。
 これは、もう一つの競争力強化専門調査会のほうは、もうそろそろおしまいになるんですかね。こちらのほうが3月10日にありますので、その前に競争力強化のほうは最終回を迎えられるというふうに聞いております。
 そういう点で、両専調の連名で行くわけでありますけれども、そのすり合わせがどこまでできるかわかりませんが、ただ、もう少し厳しい評価というか、実施がどこまでできたのかということを、ただ枠囲いのところだけではなくて、もう少し踏み込む必要があるのかなと、会長としては個人的に思っているところであります。皆さん方はいかがでございましょうか。ご意見がございましたら、どうぞお願いします。
 三尾委員。

○三尾委員 私も、佐藤本部員と同じように、競争力強化のほうの委員でもございまして、今回、報告書のほうを一本化するということで、その点について両方の平仄という観点から意見を述べさせていただきたいというふうに考えます。
 該当部分は資料4−1を拝見いたしますと、9ページの「基本的考え方」という5つの柱の中の第3に「クリエイティブ産業の振興」ということで記載されるという位置付けになるわけですよね。この中で、第1、第2、第4というのは競争力強化のほうの話だと思うんですけれども、この第1では、イノベーション促進のために、創造から活用までの各プロセスを有機的に連携するというスタンスになっているわけですね。ですので、個別に創造だけ、活用だけ、保護だけということではなくて、最終的に、知や財を生み出す一連のプロセスとして支援していく必要があるというようなスタンスになっているわけなんですけれども、例えば、第3の柱を拝見いたしますと、ここでは「日本のブランド創造・発信力の強化」という、むしろつくり上げる点―「発信力」というところがどういう意味なのかというのはあるんでしょうけれども、一つの知が育っていって、最終的なところまで到達するまでの一連のプロセスを視野に入れていないというところは、競争力強化のほうのスタンスと、このコンテンツのスタンスがずれてしまっていて、ひとつの報告書の中で果たしてそういうものでよいのだろうかという非常に強い疑問を持ちます。コンテンツも、最終的に、市場として十分に活用されて、コンテンツが育っていって、最終的なユーザーのところまで到達する、そういう流通の過程も含めて視野に入れるべきではないかというふうに強く感じるわけです。
 さらに、もう1点、資料3をご覧いただきたいんですけれども、この資料4−2のところでこれまでの評価ということで書いてありますけれども、この中では、いろいろ「新しい市場の拡大」とか「契約環境」―この「契約」というのがどういうレベルの契約を言っているのか、クリエーターのレベルの話なのか、2次的なものまで含めた流通活用とか、これまで多々議論されてきた活用の部分も含めた「契約」なのか、ちょっとわかりませんけれども、これまで議論してきたものは、つくり上げたものがどのように流通して、最終的な財につながっていくかというところを議論していたにもかかわらず、それに対するレビューや、今後の方針に対する反映がなされていないというところは、非常に舌足らずになっておりまして、では、これまで何をやってきたのかということが問われてしまうのではないかというふうに思います。
 以上です。

○久保利会長 ありがとうございます。
 では、続いて重延委員、お願いします。

○重延委員 基本方針の在り方について、たくさんのことを網羅なさって、方針としては、とても流れはできてきているなということで、ご苦労さまでございました。
 この基本方針の在り方ということとか、今後講ずべき主な施策というところで、いつもそうなんですが、やはりどうしても「抽象論」で始まって、「具体性」というものには欠けている―具体性までは書けないのかもしれませんけれども、そうすると、これができ上がって1年たったところで、またすぐ報告書、こういうことになるケースが多いんですね。つまり、中間点で、これが実行されているとか、どう展開しているかというところがすべて抜け落ちる。このことでは、やはり方針があっても実施されないということになっていくような気がいたしますので、やはり中間点での確認というような計画ぐらいは、少しはこの中に入れたらどうだろうかという気がいたします。
 今回は、どこもそうなんですが、経済活動の急速な失速ということから書かれておりまして、これは事実ですけれども、その場合に、「このスピードでは間に合わない」という実感もございます。ですから、先ほどご意見もございましたけれども、「具体的なスピードが何か」というところをどうするかは、非常に重要な今になっているというように思います。
 実際には、経済活動の失速という中でも、何かが生まれていることは事実でございまして、今回、資料4−2で「契約」というところに焦点を合わせて、これはもう随分昔から、この「契約」という言葉は語られている。それが、やはりさらに適正な改善されたものになるというのは、とても重要なことでございますけれども、最近の例としては、少しずつ、こういうときだからこそ考えが変わってきているというのも実例としてはございまして、例えば放送界ということでありますと、もちろん契約内容の検討等はございましたけれども、キャッシュフローという側面は、割と放置されていたんですね。ですから、クリエーターというか、製作会社レベルで言えば、ある番組を制作して納品するまで、ほとんどの番組は放送まで一銭もいただくことなく、その会社の負担でやっていた。放送局によっては、放送の1カ月後に支払われるというケースがほとんどでございました。ですから、製作会社が自分で資金調達する。
 ところが、今のように銀行が融資してくれるのかというような時代になりますと、これはつくれない。舞台がないだけではなくて、つくれないという状況が実際に起きていますけれども、これに対応して、例えばNHKのほうからは、共同著作を持つような番組に関しましては、前渡し金30%というお言葉も出てきておりますし、フジテレビのほうからは、単発番組ですけれども、単発番組の製作委託番組、つまり制作協力の場合については、企画が通ったら25%、それから制作が始まったら25%、キャッシュフローとして前払いする、こういうようなお言葉も出始めています。
 これは、まだこれが十全、完全とは申しませんけれども、やはりそういうことでお互いが協調して何かをつくり上げていく、今までの慣習を変えていくということが生まれていることは生まれているので、そういう実効性の言葉が生まれてくると、そのほかのところもそういう考えに協調して、よりよきものをつくるという環境はできていると思いますね。そういう言葉を次第に重ね合わせていくことで、良いコンテンツをまずつくる、それからブランドをつくるということ、そういう「つくる」ところがちゃんとしていなければ、環境整備がなければ、それをいかに拡大しようと思ったって、よいものを生むことはできないと思います。そういうことが動いていることも事実なので、そして、こういうことはとても良いことだと私は思っているので、すぐ報告されて、それがほかに良い影響を与えていくというような、進み方をご検討していただきたいと思っております。

○久保利会長 ありがとうございます。
 では、生越委員、お願いします。

○生越委員 先ほど三尾委員がおっしゃったことは、非常にそのとおりなんだと思うんですけれども、特許の権利行使に比べて、著作権は新しいビジネスを立てるときに、どうしても侵害というところの予見性が少ないところがあって、この意味で知的財産の創造・保護・活用における活用の部分が、なかなか新しいものが出にくいというのが、本来的に有している大問題なんだと私は思います。この意味で、2つを統合するときに、著作権制度のビジネスがどうしてこうやって遅れているのかというのが、反対にあからさまになるのではないかというふうに考えました。
 あと、今回申し上げたいのは、商標と意匠の件なんですけれども、資料4−2の10ページにおきまして、地域ブランドについての丸が下から2番目にございます。2006年に地域団体商標制度を導入して、非常に日本の地域ブランドはたくさんよいものが出てきまして、こちらで書いてありますように、成功した事例もたくさんあります。こういった意味で、この成功した事例をはっきりすることが、先ほど佐藤本部員がおっしゃったように、成果の一つ、前向きな成果を正しく出すことが、私は必要なんだと思っております。
 この2006年の商標法施行なんですけれども、早かったかというと、中国の馳名商標がその7年前に改正されておりますので、日本の地域ブランドの保護が早かったとは、私は考えておりません。この意味で、法律の改正ということが地域に活性化を与えた、ここに着目しまして、今後も法律を改正するときは、ビジネスを誘発するような方向に改正する、こういった視野も重要ではないかと思います。
 この観点からいいますと、11ページの1つ目の丸なんですけれども、意匠法と産地偽装の問題が書いてあります。ですから、ここら辺もビジネスの今後の将来のさらなる発展を目指して、意匠法の改正、例えば新しい権利保護の対象とか、こういったことの議論が重要ではないかというふうに思います。
 3点目なんですけれども、産地偽装につきまして、3年ぐらい前からたくさん問題が出ておす。ニュースを見ておりますと、商標法侵害、JAS法侵害、不景法侵害、不正競争防止法侵害、いろいろな法律が出てきます。パリ条約では、中山先生ご存じのとおり、地理的表示は昔から入っておりますが、日本の受け皿の法律はいろいろございます。
 こういった意味で、農林水産業のGIの議論も私は重要だと思うんですけれども、工業製品でGIは要らないのか、サービスにおいてGIは要らないのか、こういった意味でWTOの議論を踏まえて、積極的に日本も保護する体制を総合的に検討するべきではないかというふうに思います。
 以上です。

○久保利会長 そういう視点を入れて、さらにここを膨らませろということですね。わかりました。
 ほかには。浜野先生、お願いします。

○浜野委員 初年度から、ずっと同じような項目が積み残しになっています。例えば、私は、外国人の顕彰をぜひやってほしいと最初から言っています。
 それらが実現できないのは、優先順位が低いのか、制度的にできないのかはっきりさせて、できないんだったら制度を変えるしかありません。
 今、私の携帯電話にメールがあって、フランスで大型マンガミュージアムができるというk連絡がありました。
 里中先生がずっと提案されているマンガのミュージアムが、フランスで実現するのに、日本ではなぜで長年この会議でも提案されているのに実現できないのか。優先順位が低いのか、制度がまずいのかということを、ちゃんと検討していただきたいと思います。

○久保利会長 「ご検討いただきたい」ではなくて、我々が書く報告書そのものに、今の問題も含めてもっと厳しい批判、要するに、なぜ実行できなかったのか、誰が原因なのかというのを盛り込むべきだとの御指摘と受けとめました。基本的には我々がつくる報告書でございますので、事務方にはもちろん手伝ってもらいますけれども、根本的には委員各位がお考えのことをはっきり書けばよいというふうに思っています。
 そういう点で、ぜひ、お願いされるという立場ではなくて、委員の方々が具体的にそういう文章をおつくりいただき、お出しいただければ大変ありがたいと。せっかく、宮田委員には表紙も書いていただくことでございますので、インパクトのあるものにしたいというふうに思います。それが、やはりこの国を支えていく。こういう100年に1度という危機にあるときこそ、逆に、普段なら通らないことでも通るかもしれないので、そういう覚悟でいきたいと思っています。
 角川委員、お願いします。

○角川委員 模倣品・海賊版条約の問題も、同じことなんですね。これは、いつもお題目で出てくるんですけれども、具体的に我々、このコンテンツ・日本ブランド専門調査会の中で、やはり「こういう項目が模倣品・海賊版条約について必要ではないか」という討論が、ほとんどされていないのが実態です。そこら辺で、ぜひ外務省と一体になって、内容についても言及できるようなことをしておきたいと思いますが。

○久保利会長 ほかの委員はいかがでございましょうか。
 模倣品の条約の進行状況というのは、どこまで進んでいるのでしょう。もしおわかりの点があれば、ご説明いただけますか。

○大路参事官 模倣品・海賊版の条約交渉に向けての検討状況でございますけれども、私ども、外務省、それから経済産業省と連携をとりながら、進捗状況を確認しながらやっておるわけでございますけれども、当初、昨年内の妥結を目指した検討が進められておったわけでございますけれども、当然、条約交渉でございますので、なかなか各国との調整に時間がかかっているというような状況の中で、今のところ、条約に盛り込む内容についての一通りの一巡した議論は行われたようでございますけれども、特に新しい課題でございますインターネット上の海賊版対策の問題でありますとか、まだ条文レベルでの検討には入っていないというふうなことも聞いておりまして、急いで検討されているという状況は聞いておりますけれども、いましばらく時間がかかるというふうな状況であるというふうに認識しているところでございます。

○久保利会長 なるほど。条約ですから、それは1国だけが頑張ってもなかなか進まないということはあるんでしょうけれども、従来報告を受けているより、大分遅れているという感じがあるので、そのあたりについても角川委員のおっしゃるようなことを、我々の報告書の検証部分で、単なる批判をするのではなくて、「もっと頑張れ、もっと早くやれ」という応援団としてのメッセージを、少し送る必要があるかなというふうに思っています。
 それ以外の点で。  久保委員、恐縮です。
○久保委員 今後講ずべき主な施策が、いろいろと書かれていますが、この施策を具体的に実行する部署を、明確に記入してはいかがでしょうか。知財本部の方たちが、すべてこれをやるわけではないので、どこの省庁のどこの課が、一体これを担当するのかと。複数の局にまたがるのであれば、どこの局が担当するのかというようなことを、具体的に部署を明記していただきたいなと思います。よろしくお願いします。
○久保利会長 中山委員、お願いします。

○中山委員 今の部署の点ですけれども、従来の報告には書いてあったと思いますけれども、今回は、書く予定はあるわけですね。少なくとも、課までは別として、省までは従来、書いてあったと思うんですけれども。

○関事務局次長 わかりました。
 それから、これは今の話とあ違うのですけれども、戦略会議のときから創造・保護・活用、人材、ずっと議論されてきましたけれども、なかなか実現できないのは、1つはやはり予算、お金の問題だと思います。戦略会議のときには、本部員が財務省の担当者とも随分やり合ったのですが、結局、予算絡みのものはあまりうまくいかない。特許庁の500人増員というのはうまくいきましたけれども、それ以外の、例えばアーカイブの問題であろうが、あるいは今、浜野委員のおっしゃったミュージアムの問題であろうが、やはり財務省に関係してくると、なかなかこれは進まないということで、その点を、何とかうまく進むような表現ぶりもしていただければと思います。

○久保利会長 誰がお願いされているのかよくわからなくなってきましたけれども、何か中山先生、よい知恵はないですか。

○中山委員 これはここで議論して、こういう文章ができるということではなくて、最終的には恐らく各省庁との折衝という問題になってくるので、そこで事務局に頑張ってもらわないと、結局うまくいかないのではないかという気がします。
 したがって、先ほどの会長の話で、「お願いしますじゃ困るんだ」という話なんですけれども、やはり事務局が財務省との交渉で頑張って、表現ぶりを入れてほしいということです。

○久保利会長 わかりました。そういうことのようですので事務局も頑張ってください。  では、高橋委員、お願いします。

○高橋委員 推進体制に関連して、1点、質問させていただきま。そもそもこの調査会が立ち上がった当初、それから真ん中辺で、この問題について発言させていただいてきたんですが、最初は省庁の連絡会議ができて、専門調査会のアイデア等を受けて、省庁がいろいろとりまとめていくというお話だったと思うんですけれども、各省の連絡会議というのは、その後、開かれているのかどうか。どういう方向性なのか。  つまり、ここで書いても、各省が主体的に当事者意識を持って取り組んでいただかないと、また前の2期と同じようなことが起こるような気が私はするものですから、そのあたりを教えてください。

○久保利会長 では、事務局、お願いします。

○関事務局次長 各省とは、その後もずっと密接に連携をとってございまして、例えば、本日資料1としてブランド戦略をご審議いただきましたけれども、それについても連携をとった上で、こういう案をお示ししておるところでございます。
 また、このブランド戦略としておまとめいただければ、それを踏まえて、具体的にどうやって実行していくのかというアクションプランを作成するというプロセスを進めさせていただきたいと思っております。

○高橋委員 確認ですが、「連絡会議」と当初描かれていた絵のものは開かないで、個別折衝でやっていらっしゃるというふうに理解してよろしいですか。

○関事務局次長 連絡会議自身は、開いてございません。
 ただ、今、申しましたような形で、実務的な折衝はずっとやってきておりますし、また、この会議でも1回、2回と、昨年、ヒアリングをしたりしていただいてございますので、その辺の連携は十分とれておろうかと思っております。

○高橋委員 そうしますと、まさに官房の事務局の責任というのは、非常に重いだろうというふうに私は感じるわけですね。
 ご存じだと思いますけれども、同じ野田大臣の指揮の下に、IT戦略の会議が立ち上がっておりまして、私はその委員をやっているんですが、この3月までに緊急対策を出すということになっています。今のところ、デジタル・ジャパンという仮称がついているんですけれども、検討中の4つ目に「新産業の創出」というのが入っておりまして、それがまさにここで検討していることと重なっているんですね。だとすれば、ここよりも早くに、野田大臣が経済財政諮問会議に持ち込むことになっていますので、そこのところに強力に入れることをやっていただきたいと思います。
 ITセキュリティとか、内閣官房の会議に幾つか入って感じるのは、官房の中が縦割りになっていて、横の連絡がとれていないこと。今回、我々の会議体が出すものはかなり遅くなるので、うまく反映するのが難しくなる可能性があると思います。その辺は、ぜひ官房の中での連絡をよくとってやっていただきたい。IT戦略では、ここで検討したところのエッセンスだけが取り上げられているんですけれども、何か、本当に申しわけない言い方なんですが、どこの会議も作文しているというふうに見えてしまって、実効性に対しての力が不足しているように思います。その辺、ぜひよろしくお願いいたします。

○久保利会長 大変よくわかります。私もそう思います。
 佐藤本部員、お願いします。

○佐藤本部員 今の件と関連してなんですけれども、やはりその実行を誰が主体的に推進するんだというのが明確になっていない。それは、当然、戦略本部があって、本部長が内閣総理大臣なので、内閣総理大臣が指揮をとって戦略を進めるというのは、形はそうです。
 だけれども、実際に実務部隊で具体的なテーマを落とし込んで、効果あるところに引っ張っていくのは誰だというのがはっきりしていないということだと思うんです。法律上は、知的財産基本法においては、知的財産推進本部の事務局が、各省庁にまたがって調整し進めるということになっているわけですけれども、それが調整にとどまってしまって、推進役にはなっていないというのが現状だと思います。それが、本来、事務局がやることなのか、もっと別な組織をつくって、ちゃんと官民一体になって、推進主体として政策を具体的に落とし込んでいくというふうなものをつくる必要があるのか。その辺を、本気でこの第3期の初めに、やはり考えるべきだろうというふうに思います。
 それからもう1点は、やはりこの金融恐慌は、猛烈に大きなダメージを日本の産業に与えると思っています。特に中小企業は、生き残れるかどうかという、全くその状況になるのではないかと。
 そうすると、日本の産業を支えている中小企業がみんなつぶれてしまったら、コンテンツを初め、これからの日本の競争力は明らかに落ちるという意味では、「緊急にこの状況で知財の観点から施策を打つんだ」という、やはり強い思いを持った努力をしなければいけないのではないかというふうに思うんですね。今までやってきた議論というのは、割と中・長期的に、ここで言うところの5年先までの間に何をやるかという話だったわけですけれども、現実にはここ1年に生き残れるかどうかというところに対して何をやるんだという切り口も、ぜひ今年は必要なのではないかと思います。特に、コンテンツにおいても、皆さん、大変資金的にも苦しんでいるところも聞いておりますので、そういうところに対しても手当てを政府がきちんとするんだというような緊急対策的なことも、今年は考えるべきではないかというふうに思います。

○久保利会長 ありがとうございます。
 それでは、三尾委員、お願いします。
○三尾委員 手短にお話ししたいと思うんですが、先ほど中山委員からお話があった予算の件なんですけれども、お金がつかないとなかなか難しい。国ができることと言えば、内容に口を出さずに、お金を出すということが一番よいのではないかというふうには思います。ただ予算がつきにくいということに関しては、現状の予算の範囲でも、いっぱいできることはあると思うんです。
 ただ、現状は少ない予算をうまく使っていなくて、必要な箇所にかゆいところに手が届くような上手な予算の使い方をしていないのではないかというふうに感じます。ショートフィルムについて少しお金を出すとか、そういったことでもかなり活性化すると思いますし、ニーズに対してのうまい予算の使い方というのを考えるべきだと思うんですね。
 そういった意味も含めて、一番最初に発言しました日本ブランド戦略、資料1の「クリエーター等を中心とする懇談会」なんですけれども、この懇談会でクリエーターの意見を十分に聞いていただいて、現状の予算の範囲内でもニーズにあわせた有効な予算の活用をしていただきたいと思います。

○久保利会長 ありがとうございます。
 そろそろ時間でございますが、基本的に私としては、中山委員もそうですし、角川委員もそうですが、ずっとこの本部ができて以来知財戦略本部でやってきて、その本部の事務局の役割というのは単なる調整ではなくて、むしろ推進事務局そのものであります。
 したがって、むしろ、他の省庁の言うことを聞いて、「はあ、そうですか。難しいですか」と言って帰ってくるのではなくて、「うちでは大変だぞ。委員からつるし上げられて、これをやってこないと帰る場がない」というぐらいの感じで、むしろ説得してきていただく、それで推進するというのが、大変ご苦労ではありますけれども、事務局長を初めとする事務局の皆さんのお仕事だというふうに、私は思っています。全面的に事務局を一生懸命バックアップしますので、そういうことも含めて、この緊急事態の中で、新しい産業としてのクリエイティブ産業というものをつくっていく、これを、ぜひ、みんなで一丸となって進めていきたいというふうに思います。  最後になりますが、角川委員、どうぞ。

○角川委員 先ほどから、今年、100年に1回の不況の中で、我々は緊急提言しなければいけないのではないかというお話がありましたので、この問題を、ぜひ事務局で、緊急提言するかどうかについて、答えをいただきたいというふうに思います。
 私は、今まで「お金がない、お金がない」、もちろん知財推進本部には予算がついていないわけですけれども、やはり強力に経産省、文科省に働きかけて、中小企業の救済、本当にコンテンツ産業をやっている人たちというのは中小企業ですから、やはりこのときに、コンテンツファンドの創設というものを提案するよい時期だと思います。今までファンド、ファンドといっても、必ず財務省につぶされるんだといって、敗北感ばかりあって、それがお題目になっていたと思うんですけれども、このときだからこそ、そういうことが実現できるのではないかというふうに思います。
 最初の1点、緊急提言をするかどうか、この点を含めて、事務局でお答えいただきたいと思います。

○関事務局次長 今のご指摘でございますけれども、私の個人的な意見として申し上げれば、まさにこの日本ブランド戦略というのが、ある意味、緊急提言的な意味を持っているのではないかというふうに思っております。今回、いろいろご議論いただきましたけれども、今の案でお示ししておりますのは、クリエイティブ産業というものをトータルにとらえて、特にそこでは中小企業が多いということもございますので、そこを積極的に支援していこうというメッセージが込められているのではないかというふうに思っております。
 ただ、具体の主な施策としてどうかということについては、本日差し上げた資料で「(P)」になっているようなところもございますので、そこはなお関係省庁と調整させていただきたいというふうに思います。

○久保利会長 まさにこの会議も、次回、3月10日でおしまいでございます。ということは、今、次長が申し上げましたように、緊急提言のタイミングになっていることはそのとおり。それから、中小企業ということもそうですし、クリエイティブ産業という切り口の仕方、これはやはり日本の大変な不況の中で、一縷の望みを託す、そういう業界だということも言えると思いますので、角川委員のお考えもよくわかります。そういう中で、最終的に今、次長が述べたような形で、緊急提言的な意味を持つ報告書をまとめたいというふうに思いますので、もう一段、ご尽力をお願いしたいと思います。
 本日ご議論いただきました政策レビュー及び第3期知的財産戦略の在り方につきましては、次回3月10日の会合で、知的財産による競争力強化専門調査会と連名の報告書の形式でお示しし、最終的なとりまとめに向けた議論を行いたいと考えております。この間に、ぜひいろいろなことをお考えでいらっしゃいます各委員の先生方からは、ご意見をお寄せいただきたいというふうに思います。
 それでは、予定の時間を若干過ぎましたけれども、本日の会合はこれで閉会したいと思います。
 次回のコンテンツ・日本ブランド専門調査会は、3月10日火曜日10時から、知財事務局2階―今日の場所とは違います。以前行っておりました知財事務局2階大会議室にて開催する予定でございます。
 本日はご多忙のところ、誠にありがとうございました。よろしくお願いします。