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コンテンツ・日本ブランド専門調査会ヒアリング(第1回)議事要旨


1. 日 時:平成20年11月5日(水)10:00〜12:00
2. 場 所:虎ノ門パストラルホテル「ミモザ」
3. 出席者:
【委 員】 久保利会長、生越委員、関本委員、高橋委員、中村委員、南場委員、三尾委員、村上委員、和田委員、佐藤本部員
【関係省庁等】 総務省、外務省、文部科学省、文化庁、農林水産省、経済産業省、国土交通省(観光庁)、独立行政法人国際交流基金、独立行政法人日本貿易振興機構、独立行政法人国際観光振興機構
【事務局】 素川事務局長、内山次長、関次長、小川参事官、大路参事官
4. 概 要:
日本ブランドの振興に関し、関係省庁等から関連施策の現状と課題、今後の方向性等について説明を行い、引き続き、意見交換を行った。その概要は以下のとおり。(以下、「●」は委員、「○」は関係省庁等の発言)
(1)総務省
  1. 国際放送の概要、活用の可能性
    (担当者欠席につき資料配布のみ。)
  2. 放送番組の海外展開の現状と今後の方向性
    【説明】
     放送コンテンツの海外展開については、民間ベースの取組をいかに支援するかというスタンスで取り組んでいる。取組の柱の一つは国際ドラマフェスティバルであり、今年から見本市の機能を強化しているが、更なる効果的な支援の在り方について考えていきたい。二つ目は海外、特にアジアにおけるチャンネル確保であり、協力体制の整備が課題である。
(2)外務省
  1. 日本の対外発信と対日理解の促進
    外交を行う上では、海外の政府のみならず一般国民の対日理解促進が不可欠であり、その手段として広報文化交流事業を行っている。政策決定者層、オピニオンリーダー等の層への働きかけに加え、広く一般市民層に対する対日理解の促進という二本立てで政策を展開している。
  2. 在外公館等における日本文化紹介の現状と今後の方向性
    【説明】
     文化交流事業としては、ポップカルチャー(大型文化事業への支援、国際漫画賞、アニメ文化大使、世界コスプレサミット)、伝統文化(歌舞伎、能、華道等)、その他(日本食紹介、映画会等)の取組をバランスをとりながら行っている。
    【質疑応答等】
    ● 在外公館における文化交流事業に関する予算は年間約3億円、単純計算すると1か所200万円から300万円程度であるが、どのような方針に基づき配分しているのか。また、民間との連絡窓口はどのような体制となっているか。
    ○ 実施額は1.7億円から2.1億円程度であり、1件50万円を上限としている。年間実施件数は1000件から2200件程度。各在外公館が現地の文化環境を考慮して企画した内容に基づき本省が採択する。伝統的な文化のみならず、ポップカルチャーも加え、日本の理解を促す視点から採択している。
    民間との連絡窓口は、本省であれば広報文化交流部、在外公館であれば広報文化担当である。それぞれの地域を担当する地域課経由で話が来る場合もある。また、在外公館には日本企業支援担当官及び知的財産担当官を設置しており現地の日本企業からの相談を受け付けている。
    ● 文化交流事業についても民間の知恵を活用すべきであり、一層の窓口明確化に取り組んでいただきたい。
  3. 在外公館等における現地オピニオンリーダー等との交流、情報提供の現状と今後の方向性
    【説明】
     日本人有識者を派遣しての講演会やシンポジウム、テレビの活用(例:NHKの協力の下「プロジェクトX」をこれまでに42か国で放送)、メールマガジンを活用した情報発信等の取組を行っている。
  4. ウェブ・ジャパンなど海外の一般向け広報の現状と今後の方向性
    【説明】
     ウェブ・ジャパンは、英語、中国語、仏語、西語、韓国語等で情報発信している日本事情紹介のポータルサイトであり、内容の異なる7つのサブサイトから構成されている。平成19年度においては約3000万ページビューの閲覧があり、キッズ・ウェブ・ジャパンは特に人気が高い。
    【質疑応答等】
    ● ウェブ・ジャパンは、年間約3000万のページビューがあるようだが、この数値をどのように評価しているか。
    ○ ページビューについては月ごとに把握している。ウェブ・ジャパンを見た人が全員日本のファンになってくれるとは限らないが、指標の一つであると認識している。
    ● ウェブ・ジャパンのページビューは、インターネットの世界的な利用率からすると必ずしも伸びているとはいえない。民間の知恵を積極的に取り入れ、言語別の利用率をとるなどにより、効果的なウェブページにしていただきたい。
  5. コンテンツの規制緩和に係る政府間協議等の取組の現状
    【説明】
     中国との関係においては、今年10月に行われた日中経済パートナーシップ協議においての規制緩和を要請。韓国との関係においては、現時点でテレビ番組の輸入規制について政府間協議において議題としているものはない。
    【質疑応答等】
    ● 中国及び韓国に対するコンテンツ規制緩和の取組について、具体的に説明していただきたい。また、韓国についても、是非、政府間協議の議題としていただきたい。
    ○ 中国については、本年10月の「日中経済パートナーシップ協議」において、更なるコンテンツ規制緩和を要請したところであるが。中国側からは規制の背景として思想道徳の確立等の説明がなされた。韓国については、経済規制というより文化規制の側面が強く、98年以降4回にわたり開放されてきたが、地上波で日本のドラマが放映できない等の問題については、引き続き改善を求めていきたい。
    ● コンテンツ規制、海賊版対策など障壁について、更なる撤廃の取組をお願いしたい。
  6. その他
    ● 本省の基本方針は、在外公館に対してどの程度徹底され、在外公館からの情報はどのくらい本省にあがってくるのか。
    ○ 基本方針については、地域ごとに在外公館の広報文化担当官を集めて周知徹底し、在外公館の個別の活動方針は、それぞれの体制に応じてできる範囲で方針を取りまとめて広報文化交流部に報告させている。更に、半期ごとの活動内容について本省に対して報告させている。
(3)国際交流基金
    【説明】
     国際交流基金は、国際文化交流事業一般を行う組織として1972年に設立された。19か国に21の海外拠点を有している。事業は、日本語教育、文化芸術交流、日本研究・知的交流の三本立てで展開している。
    【質疑応答等】
    ● 我が国のODA対象国に対する放送番組提供事業は、まだ日本の番組が浸透していない地域での販路拡大につながる事業なので、より一層の取組をお願いしたい。
(4)文部科学省及び文化庁
  1. 文化財海外交流展など海外への伝統文化紹介の取組の現状と今後の方向性
    【説明】
     文化財海外交流展は昭和26年から実施しており、本年度はブラジルのサンパウロで実施。約10万人の来場者を集め大変好評だった。また、芸術家を世界各地に派遣する文化庁文化交流使、2国間の芸術交流や海外の芸術団体との共同制作講演等を支援する国際芸術交流支援事業も実施している。

  2. メディア芸術祭など海外へのコンテンツの紹介の取組の現状と今後の方向性
    【説明】
     平成9年度より「文化庁メディア芸術祭」を実施しているが、その中で受賞した作品等を海外発信するために、最近は海外展を実施している。本年度は、今月末にシンガポールにおいて実施する予定。また、日本映画特集上映事業も行っており、今月中に韓国において実施予定である。
  3. 若手芸術家、若手クリエイターへの支援の現状と今後の方向性
    【説明】
     個人に対する支援策である「新進芸術家海外留学制度」、団体に対する支援策である「芸術団体人材育成支援事業」、海外の劇場関係者や製作者に日本の舞台芸術等を見ていただく「国際芸術見本市」等の取組を行っている。
    【質疑応答等】
    ● 「新進芸術家海外留学制度」は効果が上がっているのか。制度利用者のその後の状況はどうか。
    ○ この制度の効果を短期的なスパンで評価するのは困難であるが、意義ある制度となるよう今後とも取り組んでいきたい。
  4. コンテンツ、ファッション、デザイン、日本食に関する大学等の教育機関の設置及び留学生受け入れの現状と今後の方向性
    【説明】
     平成20年4月1日現在、コンテンツ系学部等の設置状況については、大学においては36大学、5839名の定員であり、大学院においては6大学、修士課程139名、博士課程3名、専門職大学院160名の定員となっている。なお、名称に「コンテンツ」と付くのは3大学4学科のみだが、メディア、映像、映画、漫画、アニメーション、キャラクター、ゲーム、文芸という名称が付く学科等をカウントしている。
     平成19年5月1日現在で我が国の大学、大学院及び専修学校における留学生は11万8498人であり史上2番目に多い。専修学校における芸術分野は1909人で全体の8.5%を占めており、日本にコンテンツを学びに来る留学生が専修学校に集中していることが伺える。
     また、本年7月、留学生30万人計画が閣僚懇談会に報告、策定され、情報発信の強化、入国・入学の円滑化、大学のグローバル化、受け入れ環境の整備及び就職支援の5つの施策を実施することとしている。日本ブランドとの関係では、在外公館や大学の海外拠点等と連携し、日本留学のきっかけとなる日本文化の情報発信強化に努めていきたい。
    【質疑応答等】
    ● 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科もコンテンツ系教育機関である。留学生が20名ほど在籍しているが、彼らはその存在をネット検索で知ったとのことであり、戦略的な情報提供が不可欠であると認識した。
    ● 日本及びアメリカにおける中国人留学生の人数、日本及び中国におけるアメリカ人留学生の人数、日本とアメリカにおける大学生に占める留学生の割合はどうか。
    ○ 中国人留学生の人数は日本において約7万人、アメリカにおいて約7万人である。アメリカにおいてもっとも多いのはインドからの留学生であり8万人を超えている。ついで中国、韓国、日本、台湾である。
     また、日本におけるアメリカ人留学生の人数は1805人であり、そのうち1200人は1年以内の短期留学生である。中国におけるアメリカ人留学生の人数は確か2007年度で約1万人だと聞いている。ただし、中国は統計の取り方が異なっており、日本では就学生に該当する純粋に語学を学ぶ学生も留学生に含めている。
     さらに、日本とアメリカにおける大学生に占める留学生の割合は、日本が専門学校も含めて350万人に対して11万8000人で3.3%、アメリカは大体1000万人に対して58万人で6%を下回るくらいであり、日本の留学生の割合が低いということはかねがね指摘されている。
    ● 日本のファンを増やすために、外国人有識者の子息を留学生として積極的に受け入れるべきである。特に、中学生、高校生といった多感な時期に日本を知ってもらうことが日本のファン層の底上げという観点から重要と考える。小学生についても、外国人向けのサマーキャンプなど日本に来てもらうための施策を充実すべき。
    ● せっかく日本に来ても満足してもらわなければ意味がないので、満足度調査を実施してフォローアップする必要もある。
    ● 日本のコンテンツ系教育機関は、欧米に比べて卒業生が少なく、影響力も弱い。コンテンツ系の教育機関で学んだ人口について数値目標を掲げるべきではないか。放置したままでは強くならない。
    注)データの詳細は別添を参照
(5)内閣官房知的財産戦略推進事務局
  1. 在留資格
    【説明】
     現状においては、調理師専門学校の留学生が引き続き日本の料理店等で修得活動等を行う場合、「文化活動」及び「研修」の在留資格について可能性があるが、「文化活動」は収入を得ることができず、「研修」は受入機関が法務省令の要件を満たす必要があるとの制約がある。
     関連する資格として、「技能」の資格は本国における10年間の経験が必要なプロの資格であり、そもそも日本料理は対象となっていない。「留学」や「就学」の資格はインターンシップという形式なら可能。
     その他、現在、調理技術は対象にはなっていないが、「技能実習」という制度もある。
  2. 環境モデル都市事業
    【説明】
     本年7月22日に、6自治体が環境モデル都市として、7自治体が環境モデル候補都市として選定された。日本ブランド戦略との関係においては、環境に関する情報を発信する際に連携可能ではないかと考えている。
  3. 顕彰事業
    【説明】
     外国人が対象となりうる日本ブランドに関わる顕彰制度としては、外国人叙勲、文化勲章等があり、実際に外国人が受賞したものも含まれている。
  4. 違法動画サイト・海賊版対策
    【説明】
     二国間協議としては、2002年以降、国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)と政府が合同で中国等にミッションを派遣している。本年6月にはインターネット上の著作権侵害問題について具体的要請を行った。国際的な取組としては、「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」の条文案について現在協議を進めている。
    【質疑応答等】
    ● ACTAの交渉について、具体的にどのような事項について議論が進展していて、実現しそうな事項は何か、それが実現されるとどのような効果があるのか。
    ○ ACTAに関しては交渉中であり、詳細をご説明できる段階ではないが、国としてしっかりと対応してまいりたい。
(6)その他
  1. 日本ブランド発信に関する基本方針、政策目標の数値化及び情報流通
    ● 以下の3点について各省庁にお伺いしたい。
    1)日本ブランド発信に関する基本方針はあるか。あるとすればどのような内容か。
    2)政策目標を数値化して捉えているか。また、その背景として数値的な調査事業を行っているか。
    3)各省庁及び独立行政法人間における情報流通の現状をどう評価しているか。また情報流通システムに対する希望はあるか。

    ○(総務省) 「国際競争力プログラム」において放送コンテンツの海外発信を進めていく上での基本方針を定めている。プログラムをバージョンアップするためのヒアリング調査はしているが、目標を数値化することは行っていない。省庁間連携については、コ・フェスタにおいて経済産業省と情報交換を行うなど、イベントをきっかけとして活発な情報交換を行っており、今後も改善に努めていきたい。

    ○(外務省) 日本を知って好きになってもらうとの取組の全体イメージがいわば基本方針。外交活動を数値目標化するのは難しく、定性的な評価にならざるを得ないと考えている。調査事業としては、諸外国での対日世論調査を実施。省庁間連携については、無駄がないようにお互い協力できるところは協力するとのスタンスで必要に応じて情報交換等行っている。

    ○(文部科学省) 留学生に関しては、現在は30万人計画に基づいて施策を実施している。調査事業としては、日本学生支援機構が2年に1度、日本政府の奨学金を受けていない留学生に対してヒアリング調査を行っている。また、元留学生に日本に留学した印象を調査すると84.6%がよかったと回答しており満足度は高いと評価している。省庁間連携については、国土交通省、外務省等との連携を行っている。

    ○(文化庁) 文化発信事業に関しては、昨年、「文化発信戦略に関する懇談会」を設け、文化発信について議論していただいている。数値目標については、文化が数値で示すことが可能なのか、妥当なのかとの議論もありなかなか難しい側面がある。省庁間連携については、事業に応じて観光庁、外務省、国際交流基金等と連携しており、今後もいろいろな取組を進めたいと考えている。

    ○(農林水産省) 我が国の農林水産物、食品の輸出促進に取り組んでおり、平成25年に1兆円規模とするとの目標を掲げている。そのための施策の一つとして、日本食・日本食材等の海外への情報発信に取り組んでいる。事業ごとに外務省、国際交流基金、JETRO等と連携を行っている。

    ○(経済産業省) コンテンツに関しては、昨年9月に「コンテンツグローバル戦略」を取りまとめ、さらにアジアについては今年7月に「アジアコンテンツイニシアチブ」を取りまとめている。2005年から2015年までにコンテンツ産業を5兆円拡大させるというものを掲げており、毎年、「デジタルコンテンツ白書」で公表されるデータでフォローアップしている。省庁間連携については、知財事務局をはじめ6省庁が連携してコ・フェスタを開催している。
     デザインに関しては「感性価値創造イニシアチブ」という戦略を策定している。数値目標については特に掲げていない。省庁間連携については、今年12月にパリで行う第1回フェアに関して国際交流基金やJETRO等と連携している。

    ○(観光庁) 観光に関しては、昨年6月に「観光立国推進基本計画」を閣議決定しており、その中で文化発信、ポップカルチャーの情報発信、和のコンテンツの情報発信、国際放送による情報発信の強化等日本ブランドの強化に関する方針も位置付けている。数値目標としては2010年に外国人旅行者を1000万人にするという目標を掲げている。省庁間連携としては外務省、文化庁等と連携している。

    ○(国際交流基金) 各国における文化受容の違いに応じて対応を変えているのが現状。数値目標は立てづらいが、例えば日本語教育については3年ごとにデータをとっている。省庁間連携については、外務省のほか文化庁とも定期的な会議を行っているほか、事業ごとに各省庁の委員会に参加するなどして連携している。

    ○(日本貿易振興機構) 農業水産物、ファッション、伝統工芸品、コンテンツ等の輸出促進に取り組んでいる。経済産業省のみならず農林水産省、文化庁の関係機関であるユニジャパン等と連携しており、海外拠点においては在外公館、国際交流基金、国際観光振興機構と連携している。成果として、商談件数、参考指標として成約件数を公開している。

    ○(国際観光振興機構) ビジットジャパンキャンペーンに基づき、2010年までに訪日外国人旅行客を1000万人にするとの大前提で海外キャンペーンなど行っている。省庁間連携としては、海外において在外公館を使用させていただいてプレゼンテーションを行ったりしている。

  2. 効率的、効果的な施策
    ● 海外から人を呼ぶ、つまり国際化することで活性化を促すこともブランド振興策として重要である。したがって、海外から人を呼ぶための効果的で効率的な施策を実施する必要がある。また、日本ブランド戦略における具体的な施策については、例えば情報発信については海外でのイベント実施と国際放送やネットによる情報発信のどちらが効率的で効果的なのか検証し、メリハリをつけた内容とすることが大事である。
  3. 人のネットワーク
    ● コンテンツ分野においては人のネットワークが重要と認識しているが、資料1においては人のネットワークに関する項目が1つしかない。人のネットワークづくりに関する各省庁の取組があれば教えていただきたい。
    ○ 例えば、文部科学省の留学に関する事項や、経済産業省のコ・フェスタ及びジャパン・ファッション・ウィークにおいても事業を通じたネットワークづくりの取組が行われている。ここに掲げられている様々な施策の中に人のネットワークづくりに関する要素が含まれている。