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知的財産による競争力強化専門調査会
情報通信分野プロジェクトチーム会合(第2回)
議事要旨

日 時 2007年9月26日(水)9:55〜12:00
場 所 知的財産戦略推進事務局会議室
出席者 加藤委員(主査)、倉永委員、小泉委員、田代委員
(事務局)松村次長、山本参事官、平岩参事官

情報通信分野プロジェクトチームにおける調査検討報告書(案)について議論。各委員の意見の概要は以下のとおり。

【全般的な論点】
情報通信分野ではいろいろな技術、知財を広く使える仕組みが必要。例えば、パテントプール、標準化だけではなくて、クロスライセンス、パテントコモンズなど大局的な議論が必要。
【パテントトロール】
適切な知財権の行使とは何かということをどこまで深掘りできるかがポイント。損害賠償の額の範囲を限定するための条件、差止請求の条件、権利濫用の考え方等、深掘りできれば良い。
外見的な権利者であってもこういう権利行使はまずい、というある種の認識は共有されているので、権利濫用という枠組みの中で諸事情を考慮し、裁判所等に考えてもらうことは可能だと思う。
キーワード、例示として「適切な権利行使の在り方」の具体的な考え方を示す方が良い。抽象的に書くと議論のきっかけにならないから。
法的な対応として、場合によっては差止め請求を認めず損害賠償だけにする、主体の点についてはあまり厳密に定義しない、ということも考えられる。
【標準化】
RANDの段階は基本的に個々の権利者が自ら手を挙げるというだけなので、そこで全体料率を決めることが難しい。パテントプールの考え方を踏まえれば、上限値を定めることができると思う。
ホールドアップ問題については、公取のガイドラインの適正な運用に期待する。さらに公取のガイドラインで十分なのか検討する必要があるかもしれない。
【パテントプール】
パテントプールの場合は具体的なパテントポリシーを決め、具体的なロイヤリティーを定めることが望ましい。特許のロイヤリティーの合計がどれくらいになるか、自分たちで考えてライセンス料を決定するなどの自助努力が必要。
必須特許の特許権者がライセンシーとしてはいってくれないことも大きな問題。どうやって取り込んでいくかが課題。
【OSS、組込みソフトソフトウェア全般】
OSSが国際的に広まっていく中で、そういうものをつくっていく活動に日本がもっと積極的に参加してリーダーシップをとることが必要。
ヨーロッパではEUが音頭をとって欧州版GPLのような独自のライセンスをつくろうという動きがある。我が国でも独自のライセンスを作る動きがあっても良いはず。
GPLv3は曖昧な記述が残っているので、今後にきちっと解釈などを確定する必要がある。
質の低いソフトウェア特許が多く、イノベーションが制限されている場合がある。実際にアメリカではコミュニティによって特許の可否判断に影響する先行技術を調査する活動が始まっている。我が国においても何らかの特許のクオリティコントロールの活動が必要。
元のものと同じ品質が出なければいけないというところまで相互運用性を求めるのかは非常に微妙な問題。やり過ぎるとノウハウを全部出さなければいけないので、企業のインセンティブがなくなってくる。
ソフトウェアの外部委託は非常に複雑であり、通常のいわゆるハードウェア等のノウハウ流出の防止とは若干条件が違う。実態を調査してからガイドラインの作成を行わないと、実態にそぐわないものができてしまう可能性がある。
【SaaS】
特許、著作権の両方が関係しており、契約でどう反映されるか押さえる必要がある。
これまで推進してきたビジネスモデル特許等がSaaSのような新しいビジネスにどういう影響をもたらすのか検討していく必要がある。
【検索エンジン】
日本の法制度の問題を指摘して解決した上で国際的な整合性も考えていくべき。