平成27年7月21日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
どうもおはようございます。  まず報告ですが、閣議におきましては2007年の国際コーヒー協定の加入についての決定、そして平成27年度一般会計予備費使用についての決定、またチュニジア国駐箚特命全権大使、長谷川晋ほか1名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使、高原寿一ほか1名の解任状につき認証について決定いたしました。そのほか幾つかの報告がありました。  私のほうからはそれまでです。

2.質疑応答
(記者)
冒頭2問お願いします。  まず1点目、先週金曜日に総理が新国立競技場の白紙、計画の白紙撤回を表明されました。直ちに新しい案づくりに着手するように、遠藤大臣、下村両大臣に指示したということでしたけれども、その新たな計画に関してお尋ねなのですが、これまでの新国立に関しては当初の計画では、サッカーのワールドカップが招致できるように8万人の常設のスタンドをつける、あるいは開閉式の屋根をつけて、遮音性の高いものをつけてコンサートもできるようにすると、こういった仕様があったと思うのですけれども、新たな計画において、こうした仕様を維持するのか、従来の計画では最終的にコストの面で省かれてはいますけれども、これらの点について新計画でどのように検討するお考えか、現時点でお考えあればお願いします。
(大臣)
まだ具体的な詰めの作業、行っておりません。今官邸と、いろんな形でこれからどう進めてどうするか議論しているのですから、その中で具体的な整備計画をつくるという段階で、今のような問題について整理をしていくということになると思います。
 ただ、どちらにしてもアスリートの皆さんや、多くの有識者の皆さんの御意見を聞いての上ということになると思います。
(記者)
重ねて、大臣自身のお考えとしては現時点では何かお考えお持ちのところありますか、その点について。
(大臣)
さっきのサッカーの問題とか、いろんな課題がありますから、それを自分の思いは思いとして、まずはそうした皆さん方の声をしっかり受け止めたいと考えております。
(記者)
もう一点だけ。今御指摘のありましたアスリートや有識者の話も聞いてという絡みなのですが、舛添都知事が今回の責任を追及する一方で、新たに総理をトップとした建設本部をつくってアスリートや有識者も交えて検討すべきだと、そこに関係閣僚も入ってということの提言をブログ上でされていたようなのですけれども、これについてどう思うか。特にアスリートも交えて今後検討していくべきだという点についてはどうお考えか、もしアイデアあればお願いいたします。
(大臣)
舛添知事がそのような発言をブログでされたということは承知をしております。先ほど申し上げましたように、これから官邸と相談をしながら、あるいは下村大臣と相談をしながら、具体的な整備計画を立ち上げるための考え方の整理、あるいはそれに一つ一つ、どういうスペックが必要か、そういうものも含めて皆様方の声を聞いて、そして決定をしていくということになると思います。
(記者)
いずれにしろ、今の時点では全て白紙ということになるのでしょうか。
(大臣)
そうですね。総理がまず、白紙に撤回ということですから、まずは一旦ゼロに戻して、その上で先ほど申し上げましたように、何よりもそうした有識者の皆さんやアスリートの皆さんの声をしっかり受け止めて、そしてこれも総理がおっしゃっていました、国民の皆さんが喜んで2020年のオリンピック・パラリンピックを迎えられると、そういうことのための国立競技場に建設をしていきたいと思っております。
(記者)
昨日、安倍総理がフジテレビの番組で新国立の計画見直しに関して、最終的には私の責任であるというふうに語ったのですけれども、大臣としてはそれに関してどのようにお感じになられるか。
(大臣)
最終的にそうおっしゃったということでありますが、まずはその責任ということよりも、そういう決断を総理がされたと。そしてその上で最終的に自分の責任のもとで新国立競技場をしっかりつくっていきたいということだと思っております。
(記者)
白紙でのことということなのですが、総工費についてやはり国民の批判が大きかったということが総理も見直しの理由に挙げていらっしゃいましたが、大臣、現在白紙になった上で、総工費としてどれぐらいであれば国民は納得してもらえる、あるいは国民が喜んで20年大会を迎えられるかという、現時点でのお考えというの、教えてもらえますでしょうか。
(大臣)
まあ2,520億は高いということですが、ただ、先ほど言いましたように、どういうスペック、どういう設備等にしていくか、あるいはこれまでのコンセプトもありますから、そういうことをトータルして勘案して、そして皆さん方から、時に建築家の皆さんや、あるいは設計家の皆さんや、そういう人の意見も聞きながら、これだったらこれぐらいになるということを踏まえてトータルとして決めていきたいということですから、今私からこのぐらいという数字はございません。
(記者)
繰り返しになって申しわけありませんけれども、見直し、これから設計計画をつくるに当たって、全体の見直しをどこが責任を持って進めていくのか。文科省、下村さんは先週、文科省とJSCだというふうに言ったのですけれども、この2つに関しては非常に批判があって、強い世論、そうすると調整する大臣としての遠藤さんの役割というのが非常に鍵になるかと思うのですけれども、どのような体制になるのか、その見直しの責任主体はどこになるのか、今のところの遠藤大臣のイメージをお聞かせください。
(大臣)
総理大臣から私と下村大臣を中心にして、まず計画をつくり直すような指示がありました。構築事業の整備主体は御存じのようにJSCでありますが、政府として見直しの体制を早急に立ち上げる必要があると思っております。
(記者)
それは例えば遠藤大臣のもとに何かつくるのか、官邸主導のもとに何かつくるのか。そういうイメージというのがあるのでしょうか。
(大臣)
そこは官邸、それから下村大臣と協議をして決めたいと思っております。
(記者)
総理の御説明によりますと、この見直しの話は1カ月前から計画をし始めたという話がございましたけれども、そうしますと大臣が就任された6月下旬の前後から検討が始まっていたのかなということになるわけですけれども、ただ、この間、大臣御自身も、あるいは総理も含めて、国会答弁や記者会見等では現行計画のままでいくという説明をしていらっしゃいました。大臣はこの見直しに関してどの段階で情報に接せられて、その後どういうふうな対応をしてこられたのか、改めてお伺いできますか。
(大臣)
6月25日に就任をして、そしてすぐ29日に調整会議がありました。その席で下村大臣から2,520億円という建設費の話があって、それは政府の決定ですから、私はそうだと思っておりました。それは私も国会答弁でそのように申し上げましたし、しかし総理大臣が最終的に決断をされたということで、17日、そうした話がございました。
(記者)
関連しまして、大臣おっしゃったように下村大臣がこの間ずっと一貫してあくまで責任者として全て説明をされてきたということで、大臣はそれに従ったということかと思うのですけれども、そうなりますとなかなか、また責任問題という話になりますと、国民の側からしても、ずっと見直しを検討していたと言いながらも、国会答弁等表の場ではやるんだということ、それが急に表明されるということで、また情報の開示の仕方というものに関して疑問というものもあるかと思うのですけれども、この点での対応に関して、問題はあったのかなかったのか、大臣はどんなふうに感じていらっしゃいますか。
(大臣)
この経緯についてはこれから文部科学省で検証されるという話もありますので、それを待ちたいと思っております。
ただ、今回国民の皆さんに大変心配を与えた、あるいはいろんな御批判を頂いたということがありますから、これからそうした整備計画を立ち上げるためのいろんな手段、あるいは組織、内容等について丁寧に国民の皆さんに意見を聞きながら、逆に情報の開示はしっかり進めていきたいと思っております。
(記者)
下村大臣は半年かけてコンペから審査まで終わるということでしたけれども、今整備計画とか有識者会議とかいろいろおっしゃっていますけれども、全体のスケジュール感みたいなのをもう少しイメージできるようにお話しいただけたらと思います。
(大臣)
これまでも官房長官、それから下村大臣が記者会見でおっしゃっておられますが、秋口にはそうした形をつくって、整備計画をつくって、そしてその後数カ月間いろんな皆さんと意見聞きながら練って、そして年明けに具体的に発注をしていくというふうなことになるのではないかと思います。
(記者)
計画が白紙に戻ったことによって、東京都と大臣の間で詰めようとされていた作業チーム、費用負担に関する作業チームについてはどういった扱いといいますか、今後の見通しとしてはどうなるのか。
(大臣)
2,520億円を前提にしてこれまで協議ということだったのですが、これからゼロに戻ってですから、こうした東京都の連携はしっかりとって、その上で新しい計画を進める段階でも一つ一つ東京都と連携をとりながら進めていきたいと思っております。
(記者)
支持率に関してですけれども、この週末、各社の世論調査が集中しまして、軒並み内閣支持率が下がっておるという状況で、弊社の調査ですと不支持のほうが随分多いというふうな結果も出ているようでございます。支持率に対してこの国立の問題が与えた影響をどう見ていらっしゃるかということと、今後どういうふうに対応していかれるかというお考えをお願いいたします。
(大臣)
支持率が大変下がっているということについては承知をしております。ただ、この数字については事実として、今後謙虚に受け止めながら、自分としては安倍総理大臣をしっかりと支えていく、そんな思いで全力で職務に邁進していきたいと思っております。
(記者)
先ほどの東京都との今後の調整のことで質問があったことの関連なのですけれども、具体的に2,520が完全に白紙になっていますので、協議もなかなかできてこないと思うのですけれども、作業チームの設置自体が遅れていくのかとか、あるいは話し合いもなかなか前提条件がまずないですからできないと思うのですけれども、この辺どういうふうになっていくのでしょうか。
(大臣)
2,520億円を前提にしてのお互いの連絡体制はできておったわけですが、新しい形になりましたので、そこは私が舛添都知事にそのときそのときの情報を伝え、そしてまた都からの要望を頂きながら、せっかくつくったそうしたチームですから、連携の組織ですから、そこはできるだけ活かして進めていきたいと思っております。
(記者)
それは直近でも話し合いをする準備というのはあるということでしょうか。
(大臣)
まず新たな形になったということですから、どこかの段階で舛添都知事にしっかりと御報告をして、その上でその後の作業をお互いにやっていきましょうという確認は必要かと思っております。
(記者)
ゼロベースとなったということで、国民とかアスリートの声を聞きたいということですけれども、大臣がこれまでいろんなスポーツ、いろいろ関わってこられて、大臣が考える国立競技場というのはどういう姿という、何かイメージできるようなものというのがあればおっしゃっていただけますか。
(大臣)
もともとあそこが東京の最も中心地にある、そして片方ではケンソウの森があって、スポーツ公園があってというふうなことがあったわけですが、まさにスポーツ公園としての機能、それから防災基地としての機能もあそこにあると思っておりますし、もう一つは日本の持つ力、これスポーツだけではなくて文化芸術、あるいは環境とエネルギー、そうしたものを発信できる、そうした中心地であってほしいと、私としては思っておりますし、これからもそういう形であればいいのかなと思っております。
(記者)
そうなるとやはり、総工費というのはそれなりに上がってくるものだと思うのですけれども。
(大臣)
それをどこまで具体的に、私の思いとしてはありますが、それを本当に皆さんの意見を聞いて、そしてそれがどういう形になるかについては整備計画の中でしっかりと決めていきたいと思っております。