平成27年10月27日


閣議後定例記者会見



1.冒頭発言

おはようございます。
まず、私から最初にロンドン出張について御報告いたします。 本日の閣議において御了解いただきましたが、10月28日から11月3日の間、ロンドンを訪問することになりました。現地滞在中は、現在ロンドンで開催されておりますラグビーワールドカップ2015に、IOCやIPCの関係者が数多く来ておられますので、これらの皆様方にお会いをして、改めて2020年東京大会への協力を要請させていただきたいと思っています。 また、東京大会の成功に向けて、サイバーを含めた全般的なセキュリティ対策についても、あるいは文化プログラムなどについても意見交換を行いたいと思っております。 あわせて東京大会の前年に開かれるラグビーワールドカップ2019の、この成功は、東京大会の成功につながりますので、継承式、あるいはレセプション、あるいは大会等の視察もあわせて行う予定であります。報道の皆様には後ほど貼り出してお知らせを申し上げたいと思います。
それから2つ目ですが、オリ・パラ特措法に基づく基本方針の策定に当たりまして、広く国民の皆様のお声を聞くために、本日12時より、11月の9日までインターネットによる意識調査を実施いたします。具体的にはポータルサイトのヤフーニュース意識調査を活用し、政府から設問を提供して、2020年東京大会に向けて、基本方針にどのような内容を盛り込むべきかということについて、広く御意見の募集をさせていただきます。多くの国民の皆様に調査に御参加をいただくことを期待をしており、更に首相官邸ホームページに開設されておりますオリ・パラ推進本部のページも、私がこれまで行ってきた現地視察や意見交換等について、順次掲載をしていきます。こちらも是非参考にしていただきたいと思います。
もう1点。報道を通じてですが、オリ・パラ出場の決定、内定等の吉報が届いております。セーリング女子RSX級世界選手権で、伊勢田愛選手が国別出場枠を獲得し、代表に決定をされた。2つ目は、体操の女子団体総合、そして、男子団体総合が出場枠を確定をした。3つ目は、代表選考会を兼ねた全日本50キロ競歩高畠大会で優勝した森岡紘一朗選手が代表に内定したと報道を通して、吉報が届いてまいりました。大変うれしいことでありますし、リオデジャネイロ大会で、全力で頑張っていただきたいと思っております。
以上、私からは3点、報告をさせていただきました。

2.質疑応答

(記者)
先ほどのロンドン出張に関連してなんですけれども、具体的にはどなたとお会いになって、どのようなことを話し合われる予定になっているのでしょうか。
(大臣)
後ほど詳細に御報告申し上げますが、例えば今、IOCの会長、あるいはジョン・コーツ調整委員長、それからアレックス・ギラディ副委員長と、それからIPCのフィリップ・グレイヴェン会長等にお会いしますし、また、セバスチャン・コー世界陸連会長等にもお会いする予定であります。
(記者)
セキュリティ対策ということで、何回かお伺いしているんですけど、今、具体的に一番どういうところが課題であるとお考えですか。
(大臣)
数多くありますが、とりわけサイバーセキュリティが、私、戦略本部の事務を担当するということになりますし、サイバーセキュリティについて、とりわけ対策を練っているところです。そうした関係も、今回ロンドンに行って、関係大臣等ともお会いをしたいと思ってます。
(記者)
改めてなんですが、そのサイバーセキュリティも含めた、その安全対策がオリンピックの成功に不可欠であるという、そのこころを大臣の口から一言お願いします。
(大臣)
やはり、メダルをとること。これによって国民が大いに盛り上がることもありますし、レガシーをしっかり確保することも大事ですが、そのためには何よりも安心・安全な運営ができなければ実現できないわけです。そうした意味で、いろいろなテロがあります。いわゆる軍事的なテロもあると思いますし、それからバイオテロもあると思いますし、とりわけ日進月歩の技術が激しいサイバーテロについては、ロンドン大会でも2億回等の攻撃があったと。具体的な数字ははっきりわかりませんが、1桁、あるいは2桁違う以上の攻撃があるのではないかと想定されておりますので、その取組は当面、私の頭の中で最重要課題かなとこう思っております。
(記者)
ロンドンで、過去に五輪を複数回開催している意味で、東京とも共通点があると思いますが、ロンドン五輪の成功をどのように東京に生かしたいか、どういうところを学びたいかというところを、そのサイバーとか、文化プログラム以外で、何かお考えになっていることがあれば教えてください。
(大臣)
そうですね。サイバーと文化プログラムとおっしゃいましたが、そこは、とりわけロンドン大会が成功した要因だと言われていますが、もう一つはパラ、とりわけユニバーサルデザインの社会をつくる。過去最も、パラリンピックをオリと一緒に成功させたというふうなことでありますし、先日、ロンドン市長がお見えになったときに、実はバリアフリーなどは日本のほうがはるかに進んでいます。ロンドンの地下鉄は150年前にできたので、ほとんどそういうシステムができていないんです。ただ、国民の皆さん方が、そうした障害を持っている皆様方に分け隔てなくすぐ手を差し伸べる。そういう心のバリアフリーはしっかりあってうまくいきましたと、そんな話をしておられました。
そういう意味でも、いわゆるパラリンピック、あるいはバリアフリー、そしてトータルとして、ユニバーサル社会をどうやってつくっていくか。このことも大いに学んでいきたいと思っております。
(記者)
今、冒頭にも御発言いただいた、インターネット調査について言われているんですが、大臣、広く国民の意見をということなんですが、インターネット調査に期待することですね、もう少しあれば、教えてください。
(大臣)
これから基本方針を策定するわけですが、そのためにいろいろな施設、あるいは先日は訓練も見てまいりましたし、そうした中で、やはりどうやったら国民の皆さん方がオリンピックに関心を持ち、あるいはオリンピックに参加をする意識を持ち、あるいはどうやって盛り上げられるか。そうした感覚から、そうして皆さん方からいろいろな御意見を聞いて、それを踏まえて基本方針を策定していきたいと思っております。
(記者)
インターネット調査の関連なんですけれども、ここに置いてある設問を見ると、どれも大事だなと思うんですが、こういうふうに投票を募って結果が出て、例えば人気がなかったというか、票を集めなかったものというのは、基本方針に盛り込まないということはないんでしょうが、票数に応じてその濃淡をつけるとか、そういうふうな反映の仕方はするのでしょうか。
(大臣)
今、お手元にありますインターネット調査のイメージで、圧倒的にサイバーテロが多くて、ほかはゼロというところも数多くありますが、もちろんこれは皆さんの関心の度合いであって、しかしなすべきことは先ほど言いましたように、安心・安全の運営はテロ対策だけじゃありませんし、施設整備も大事ですし、それからおもてなしの心とか、そういうものを発信するのも大事ですし、最新の技術も絶好の機会ですから発信していかなくてはいけませんし、大震災もあります。
そういうことを考えていきますと、このインターネットによる調査というのは、皆さんの関心の度合いが高い、あるいはどうしてもそういうことについて、自分たちが参加できるとか、してほしいというのもありますが、これに入っていなかったからしないというとかではなくて、トータルとして、我々すべきものはしっかりしたい。ただ、とりわけ国民の皆さんがどれに対して関心を持ち、どれに対して是非対策をしていただきたいというか、それについて意識調査をさせていただきたいと思っております。
(記者)
意識にも当然ばらつきがあるわけですが、そうするとどこに反映していくのかというのは、いま一つ見えにくいんですが、大臣がそのサイバーセキュリティをいつも一番というふうにおっしゃっていて、メダル獲得は2番とおっしゃっていることもございましたけれども、例えば国民の意識がそれとは違うという結果が出てきたときに、じゃ、基本方針ではどういうふうにその国民の意識というものを盛り込んでいくのか。この票の結果というのを盛り込んでいくのかというのが、もう少し教えていただければと思います。
(大臣)
私、順番で1番が安心・安全で、2番がメダル、3番がレガシーと言ったのは、これは別に重要なのは順番じゃなくて、まず大会を考えたときに、しっかり開催しなければならない。これは大前提でありますから。順番として、これはまず一番先に考えなければならないですねと。そして開催した以上は、やっぱりメダルをとって、そうした成績を上げることによって、国民の皆さんがそこに対する関心を高めたり、あるいは満足感を得たり、そういう部分が必要ですねと。そして、同時にこういう大会を通じて、後世にレガシーをしっかり残さなければならないと。感覚的には順番の問題ではなくて、決して重要度ではないと思っています。そして、このインターネットでいろいろな調査の結果、そうやって違う結果が出たらどうだという御指摘あったと思いますが、違う、違わないというよりもトータルとして重要なので、ただそれだけ国民の皆さんが個々について不安を持っているとか、そういうのについての意識を改めて専門家の皆さん、あるいはそうした施設等を見るだけではなくて、皆さんの意識はどうなのか。それについて、皆さんに問うて、その結果を十分踏まえてつくっていきたいということであります。
(記者)
サイバーセキュリティについてお伺いします。ロンドン大会で   2億回の攻撃ということをおっしゃいましたけれども、ターゲットとなったのは、国や組織委員会だけではなくて、電気、実際にその電気が狙われたというのは、重要インフラ、あるいは民の部分というのも大いにターゲットになり得ると思います。それでそうした大臣として民間も交えた総合的なサイバー対策として、どういった今のところ、枠組みですとか、民間をどうやって巻き込んでサイバーセキュリティというものを構築していくか、そのあたりはいかがですか。
(大臣)
ロンドンに、今度行ったときに話をお聞かせいただきたいと思っているんですが、ロンドンではそうした組織をつくって、そして民間など巻き込んで、あるいは組織委員会と政府だけではなくて、地方自治体等含めたトータルの組織をつくった。そういう話も聞いております。今、話がありましたように、実際、一つ一つの具体的な作業をできるのは民間会社でありますから、トータルとしたサイバーの対策の組織をどうつくるかを含めて、今回参考にさせていただきたいと思っています。
(記者)
インターネットの意識調査なんですけれども、国立競技場の時も同じような手法をとられたと思うんですけれども、その際どういった部分が効果的だったと総括されているのでしょうか。
(大臣)
それはインターネットの調査の中でということで意味ですか。
(記者)
調査をしたことで、国立競技場の新整備計画を策定するに当たって、どういった部分が効果的だったというふうにお感じでしょうか。
(大臣)
国立競技場の時は皆さん方からインターネットで調査をいただきました。コストを削減しろとか、そういう意見が大変多くありましたし、それからオリンピック・パラリンピックをしっかり運営できるようにしろとか、そうした意見もありました。ですからそういうことも十分踏まえ、またアスリートの皆さん初め、多くの有識者の皆さんから意見を聞き、同時にその後の運営方法をしっかり民営化をしろとか、そういう意見もありましたので、トータルとして整備計画を策定させていただきました。
同じように、今回もこうした皆さん方のいろいろな意見を踏まえて、数では、こっちのほうが多いから多くやるんじゃなくて、トータルとして皆さんの意見を踏まえて、最終的に意見を使っていきたいということでございます。
(記者)
あともう1点。ロンドンの出張の際、IOCのトーマス・バッハ会長とも会われるということで、確定でよろしいですか。
(大臣)
これは時間のセットがきちんとできるのか。あるいは継承式とか、あるいはラグビーの大会のときとか、そういう形で、お会いできる時間はいただくとしておりますが、具体的には時間、場所についてはまだ未定です。
(記者)
ロンドンに関連しまして、ロンドンの出張は大臣がいろいろ学ぶ機会であると同時に、次回開催地としての日本がアピールをする場でもあるかと思うんですけれども、今回、舛添知事、また森委員長等も御同行されていますけれども、どういった発信の場にしたいかお伺いします。
(大臣)
30日には組織委員会主催のレセプション等も開催しますし、もちろんそこでいろいろな形で宣伝をするつもりでありますが、同時に森会長、それから舛添知事、その他ラグビーの組織委員会の皆さん方が大勢いらっしゃると思いますので、それぞれの皆さん方ができるだけ多くのラグビー関係者、あるいはもちろん先ほど言いましたように、IOC、IPCの皆さんがいらっしゃいますので、通じて、日本の、例えば国立競技場の問題なんかも大変不安視されましたし、そういうことについてもしっかりと説明しながら、宣伝していきたいと思っています。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。