平成27年12月15日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
おはようございます。
新国立競技場につきましては、昨日、スポーツ振興センターが記者会見をやりましたので、私からは特段今日は報告はございませんので、何かありましたらどうぞお願いいたします。
2.質疑応答
(記者)
まず、二つの案を見られた率直な御感想をお願いします。
(大臣)
まずは二つとも、大変すばらしい出来映えじゃないかなと思っております。とりわけ神宮の杜の景観に配慮して、そして、木材、木や緑を大変多用しておりますし、まさに日本のナショナルスタジアム、世界に誇れるスタジアムができると確信をしております。
同時に、費用も当初1,550億円という価格設定をいたしましたが、1,400億円台というふうなことで大変御努力いただきましたし、また工期につきましても、2020年4月という当初の計画でありましたが、IOCからの2020年1月という強い要請をさらに2019年11月30日というふうなことでありますから、そういう意味でも大変御努力いただいたと思っております。
A案、B案ともに2020年の東京オリンピック・パラリンピックを過去最高の大会にしたい。同時に、国民の皆さんに喜ばれ、国民の皆さんに大いに協力をいただける、まさに英知が結集した案だと思っておりますし、そういう意味でも、こういう計画をつくっていただいた企業の皆様方にも心から努力に敬意を表したいと思っております。
私から見ても甲乙つけがたいといいますか、国民の皆さんもいろいろな思いがあるようでありますが、どちらにしてもすばらしい案だと思っております。
今後、JSCにおいて技術提案等審査委員会における審査等を進め、そして関係閣僚会議において、年内には優先交渉権者を選定する予定でありますが、その間にも国民の皆さんの声、あるいは政府の皆さんの声を聞くというふうな形でおりますから、何よりも先ほども言いましたように、国民の皆さん方が喜んでいただいて、そして2020年のオリンピック・パラリンピックの大会の成功の象徴となるような、そんなスタジアムに是非していただきたいと思っておりますので、なお最後まで透明性をしっかり担保しながら、厳正な審査の上での決定を期待したいと思っております。
(記者)
もう一点なんですけれども、やはり大臣もおっしゃられたように、びっくりするほど完成時期が2019年代とかになっていったんですけれども、もうちょっと頑張ってラグビーには間に合わないものかという期待の声もあるようなんですけど、そこはいかがでしょうか。
(大臣)
私に聞かれて一番切ない思いはありますが、しかし、それは7月17日にラグビーワールドカップの大会については断念すると覚悟いたしましたので、そういう思いは関係の皆さんにはあるかと思いますし、実は、過般のラグビーワールドカップで南アフリカの戦いに勝った直後は、本当に多くの皆さん方から、何とか間に合わないのかと、私にもいろいろな電話やメールや、直接言葉もいただきました。しかし、技術的にも最大の努力をして11月30日ということでありますから、それは粛々と受け止めなければならないと思っております。
(記者)
もう一点なんですけれども、今年の漢字が発表されることを受けて、大臣にとって、今年の漢字を一文字であらわしていただけますでしょうか。
(大臣)
そうですね、一文字ということであれば「謝」、感謝の「謝」だと思っています。
一つは、政治家、昭和58年に県議会議員になってから30数年になりましたが、政治家としていろいろな活動をさせていただく中で、こうして自分が国政の中で責任ある仕事をさせていただくようになった。これは、ひとえに30数年間お支えいただいた後援会や、あるいは地元の皆さんの大変な気持ちのあらわれでありますから、そういう意味でも、まさに皆さんにお礼を申し上げるという意味でも感謝の「謝」であります。
同時に、6月25日に就任をしてしばらくは謝る謝罪の「謝」でございまして、数カ月間、新国立競技場あるいはエンブレムの問題で大変皆さんに御心配をおかけいたしました。
そして三つ目は、改めて感謝の「謝」。今こうした仕事をさせていただいておりますが、今回の新国立競技場の問題、あるいはエンブレムの問題、あるいは種目の追加の問題、そして、役所でいえば基本方針を策定したこと、こうした一つ一つの仕事をそれぞれの職員の皆さんや関係者の皆さん方が大変努力をされて、そして今回の新国立競技場にしましてもすばらしい、それは最終決定はまだこれからですが、すばらしい計画をつくっていただいた。そして、2020年の大会あるいは2019年のラグビーワールドカップ大会に向けてすばらしい形が改めてできたんじゃないかなと思っております。そんな意味でも、そうした関係の皆さんに心から感謝を申し上げたいという思いを込めて「謝」といたしました。
(記者)
新国立の関係でまた改めてお伺いいたします。全体として甲乙つけがたいというお話ございましたけれども、その個々のパーツですとかスペックで見ていった場合、A案、B案、それぞれ大臣ごらんになって、これはここがいいなとか、あるいはここはもう一声欲しいなとか、何かお感じになっている部分があれば、それぞれ御紹介いただいてもいいでしょうか。
(大臣)
何よりも、最初見た瞬間に、片一方は、御神木じゃありませんけど、こうした形がきちっとあって、まさに日本のそうした精神性みたいな話かなという感じがしました。片や、こういう方式なのかもしれませんが、積み木をずっと、木の枠組みをつくってある、これはこれでまた日本の木造建築技術の粋をあらわしたという意味ですから、まさに私たちがお願いをしていた日本の木の文化、そういうものを両方ともしっかりあらわしていただいております。
また機能性、特に暑さ対策なんかにつきましても配慮いただいていますし、同時に、当初の案は70メートル近い高さでありましたが、そういう意味でも大変努力をいただいて、50メートル前後に下げていただいた。そういう意味でも、両方ともそれぞれ予算はありますし、もちろん専門家ではありませんから、一つ一つのスペックについてどういうふうな形ができたか、また説明を受けなきゃならない部分はありますが、今の段階では全体としてすばらしい案をつくっていただいたと思っています。
(記者)
もう一問、すみません。今回一番配点の高い工期に関して、どちらも2カ月以上前倒しで、同じ時期になりました。そういう意味ですと、素人目には、一番違いが生じる、ポイントに違いが生じる部分が同じということで、どこが最後決め手になっていくのかなというのがなかなかわかりづらい部分もあると思うんですけれども、大臣がご覧になっていただく中で、最終的な決め手となっていく要素というのはどのあたりにあるとお感じでしょうか。
(大臣)
昨日の公表以来、マスコミの皆さん方もいろいろなアンケートをされたり、あるいは政府のほうにも、それぞれの候補にもいろいろ意見があったり、どれを見てもまだ甲乙つけがたい状況のようであります。私ももちろんそんな感じでありますが、最終的には、先ほど言いましたように、アスリートの皆さんやそうした国民の声を踏まえて、最終的に技術審査委員会の皆さん方が、そうした皆さん、いろいろな声を踏まえて、そして判断をし、それに基づいて最終的に大東理事長のもとで決定をされるということでありますから、そうした皆さんのいろいろな思いを込めて決定されますので、私のほうからどうのこうのということは差し控えたいなと思います。
(記者)
最終的には、関係閣僚会議でチェックされるということなんですけれども、JSCが、大東理事長が決定したことに対して、関係閣僚会議ではどういったところをチェックして、どういったところを注文つけたりとかしていくような、どの辺がポイントになっていますか。
(大臣)
昨日見せていただいた段階で、あの関係閣僚会議で整備計画につきまして、そうしたスペック等については、それぞれしっかりと配慮されていると思っておりますし、これから技術審査委員会で議論されていくのも、その辺は丁寧に、配慮した上でつくられたものだと思っておりますから、そこは技術審査委員会の皆さん、あるいはスポーツ振興センターを信頼して、それで最終的に考えていきたいと思っています。
(記者)
大臣、今、A案、B案、甲乙つけがたいという話がありましたけど、昨日、アイデアが出た瞬間に、「B案がいいね」と言った人がいらっしゃって、多分この国立競技場を使われる主体の方だと思うんですけど、これについて御意見いただきたいんですけど。
(大臣)
それぞれ皆さん御意見あるのは当たり前で、少なくともスポーツ振興センターのこれに関係する責任ある立場とすれば、それは関係閣僚会議の私は、どちらこちらとは申し上げられませんが、やはり皆さんがそれぞれの自分の好み、あるいはそれを見た感じで、これは使いやすい。それは立場が違うと思いますから、それぞれ皆さん方が、自分はこっちがいいよとおっしゃることについては、これは何ら問題はないと思っております。
(記者)
JSCと関係閣僚会議の役割分担を改めて確認させてほしいんですけれども、大臣、常々透明性ということをおっしゃっていますね。そうしますと、このJSCの技術委員会が決めたものに対して、閣僚会議が例えば覆すとか差戻すとか、政治が何かを判断するということは予定されていないという、そういう切り分けでよろしいんでしょうか。
(大臣)
もちろん最終的に国として責任を持たなければなりませんから、その中身について異論があれば、それは当然おかしいとか、これは変えたいとか、そういう発言はあっていいんだと思っています。しかし、先ほど言いましたように、関係閣僚会議で整備計画をつくって、それに基づいて審査委員会が企業の技術提案を受けて、これは大丈夫だとおっしゃって、発注者であるスポーツ振興センターが責任を持って提案をすれば、それについて私たちが覆すということはないのではないだろうかと思っております。