平成28年6月28日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言

おはようございます。
まず、私のほうから、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの出場決定についてお知らせします。オリンピックではボクシング、体操女子、陸上、そしてパラリンピックではアーチェリーの上山選手と、続々と内定しております。
この前の陸上100メートルは、雨の中でしたが、いいレースをされていました。できれば、夢の9秒台にぜひ到達してもらいたいと思いますが、リオデジャネイロ大会ですばらしい成績を上げていただき、なお一層の切磋琢磨を期待しております。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(記 者)
幹事社から、冒頭1問お伺いします。25日に、大臣就任からちょうど1年を迎えられまして、新国立の問題から割とお忙しい1年を過ごされたのかなと思いますけれども、振り返られて御感想をお願いします。
(大 臣)
そうですね。今日で368日目となったのかな。1年経つと「大臣をやった」という気はしますが、ただ、6月25日に就任して、6月29日に調整会議で新国立競技場の問題の調整がスタートしたと思ったら、7月17日に白紙撤回。それから、およそ関係閣僚会議等を含めて40日間ぐらいはほぼこのことだけに没頭しておりましたし、この問題にある程度整理がついたと思ったら、今度はエンブレムの問題があったり、聖火台の問題があったり、それぞれ担当の部署は違うわけですけれども、オリンピック・パラリンピック大臣として、そうした問題に取り組んできたわけですが、なかなかやっぱり新しい事業を興すということは大変なことだなと思っております。
日本は52年前のオリンピックを一回経験しているわけですが、規模的にも参考になりませんし、ロンドンあるいは北京での大会を参考にはしておりますが、やっぱり国情の違いやこれまでの経緯の違いがあります。スポーツのみならず世界最大のイベントを全く新しくやるということですから、一つ一つそのたびごとに課題、問題があり、それを組織委員会、東京都、さらに政府が一体となって進めていかなければなりません。やはりそうした大事業ですから、どうしても今まで予測できないというふうな部分もありますし、そういう意味では、やはり大変な仕事だなということを改めて実感しております。
ただ、日頃よりマスコミを初めとする皆さまから大変御理解、御協力をいただいてきました。課題はまだまだこれからも続きますし、今も残っておりますが、全体としては、国民の皆さまにおいても「2020年の大会を成功させよう」という機運についてはかなり盛り上がってきていると認識をしておりますし、これからも誠心誠意そうした思いで、関係の皆さま方と連携をとりながらしっかりと進めていきたいと思っております。
改めて、国民の皆さま、今日おいでのマスコミの皆さま、それから職員の皆さまも一生懸命努力をしておりますから、そういう皆さま方に感謝を申し上げたいと思っています。
(記 者)
ちょっと所管外になるかもしれないですけど、イギリスのEU離脱の国民投票の件のまず御所見をお伺いしたいなと思っているんですが。
(大 臣)
正直、私は離脱とは思っておりませんでした。最終的には残留するんだろうと思っていました。これは、イギリスにいる人間と、こちらから見る私たちでは感覚の違いがあると思います。どうしても私たちは、マスコミの報道を聞いて、それに対して「こういう判断になるんだろう」と想定しますが、やはりイギリスにいる国民の皆さま方にとっては現実の生活あるいは将来の課題等を踏まえて、そういう投票をされたのだろうと思います。ただ、その後の報道を見ますと、「本当は残留のほうがよかった」とか、「もう一回再投票したらどうか」とか、逆にスコットランドやロンドンなんかは、「独立してもう一回EUと一体でやりたい」ということで出ています。まだまだ混乱が続いているようであります。離脱の手続きにまだ少し時間がかかるということでありますから、こうした動きがこれからどういうふうに進んでいくのか、私たちもやっぱり注目・注視していかなければならないと思っております。ただ、今回の通貨は円高でありましたが、これは日本の経済・政治が安定していることが評価されているためだと思っておりますし、そういう意味でも、今度の選挙を含めて、やはり政治の安定が必要だというようなことを考えております。
(記 者)
今ちょうど選挙のお話が出てきましたけれども、関連しまして、参議院選挙、現在は選挙中ですけれども、大臣の地元山形県も非常に激しい競り合いというふうに各種情勢等で報じられている状況だと思います。現在の情勢の認識と、今後の見通しをお願いします。
(大 臣)
やはり山形は大変厳しい選挙です。1つは、東北全体がTPP等の影響があって、農業団体が、前回は自民党支持の候補が大半でした。山形市は逆に相手候補の支援でしたが。これが、今回は自主投票となっているという意味でも、やっぱりTPPの影響はあるんだろうと思っております。
山形市では逆に、農業団体は前回は相手方の支援だったところから今回自主投票まできた。これは、農業関係の御出身の候補者がいますから、そういう意味でも、農業団体にかなり迷いがあって、そして、これまでのつながりなどがあってかなりとりまとめが難しかったということで自主投票になったわけですが、やはり母体を完全に持たない選挙というのはなかなか大変だということだと思います。
もう一つは、やはり4回、それも3年ごとにずっと選挙してきていることによる知名度というのはやはり大きいと思います。既に1回現職も経験されているわけですから、そうした知名度のある候補者に新人を擁立して戦うというのは、自民党の組織としてはきちっとまとまっておりますし、また公明党からも大分御支援いただいておりますが、半年ぐらいしか時間がありませんでしたから、なかなか知名度を広めることが難しい。ただ、ようやくここにきて少しずつ知名度が出てきている。候補者そのものは大変評価がいいものですから、これから2週間弱ありますので、何とかして追いつき、追い越したいと思っております。
ちなみに、衆議院選挙の場合は選挙戦が12日間ですから、今日からスタートというようなことになります。そういう意味でもこれから十分戦えると思っております。
(記 者)
全然話変わりますけれども、先日ラグビーのスコットランド戦があり、天覧試合という形で観客も非常に大勢入りまして、ちょうど2019年の開会式もそこで行うということで試合がありましたけれども、このスコットランド戦をご覧になっての大臣の御印象と、2019年に向けた準備状況で、これから取り組まなければいけないことというのを改めて試合をごらんになって、おわかりになっていることがありましたらお願いします。
(大 臣)
まず、もう一息だったと思います。ちょっと残念でした。ただ、去年のラグビーワールドカップでの南アフリカ戦以来、改めて日本代表は自力がついてきたなと思っております。
先週の試合も、怪我したメンバーがいたり、あるいは新旧交代というふうな意味もあって、昨年のメンバーとはかなり違っている部分もありましたけど、そうした中でも、あのスコットランドとほぼ互角の試合をしていました。特に、去年のワールドカップでは予選で、準々決勝だったかな、オーストラリアとスコットランドは1点差の試合でもありましたし、まさに世界最強のチームの一つですから、そことああいう試合ができたということは、すばらしい日本チームの力、自力がついてきたと思います。ぜひ、これをきっかけに、また2019年大会に向けて切磋琢磨してほしい。
新しいヘッドコーチが近々正式に就任されると思いますが、彼を中心にして、この前のロンドン大会のベスト8はもちろんですが、それ以上の成績をぜひ上げていただきたいと期待をしております。