平成29年1月6日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 皆さま、明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりまして、ありがとうございました。
 昨年は12月に大きな山場を一つ越しまして、また、引き続き地方の関係自治体の皆さま方との協議ということもございます。後ろが決まっている話ばかりでございますので、しっかりと着実に前に進めていきたいと思っております。昨年はリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックで、スポーツが私たちの未来に、また子供たちの未来に勇気を与えてくれたすばらしい1年でした。いよいよ次は日本ということで、本当に注目が集まっておりますので、しっかりわれわれもそれに応える、期待を上回るようなオリンピック・パラリンピックを目指して準備に取り組んでいきたいと思います。東京オリンピックの開会式まで、あと1295日になりました。「リオが終わったらあれをやろうこれをやろう」という話をしていたわけですが、実際終わってみると本当にもう残された時間は少ないのだなという思いがいたします。特に、具体的な作業の積み重ねが必要なセキュリティ対策であったり、あるいは日常の経済活動にも配慮をした円滑な輸送の体制確保ということについては、これからも着実に進めていきたいと思います。一方で概念を掲げても具体的にそれが社会に浸透するまでに時間がかかる心のバリアフリーというようなことについても、前倒しで進んでいくように作業したいと思います。また、地域活性化に繋がるホストタウンの推進については、熱心な自治体については実によく頑張っていただいているということを昨年も実感したところでありますが、わがこととして捉えてくださる自治体をいかに増やしていくか、より多くの地域を巻き込んでいくかということは、オリンピック・パラリンピックの機運醸成にとって非常に重要でありますので、私自身も年頭から地方へ赴いて、皆さまのお取組に耳を傾けたいと思っているところであります。さらに、地域での文化プログラムの軸になるような、全体を盛り上げていく文化プログラムの動きということについても、少し検討を進めていきたいと思っているところであります。どうぞ皆さま方、今年もよろしくお願い申し上げます。

2.質疑応答
(記 者)
 年明けから始まるとされていた3者の役割分担の見直しの協議なんですけれども、その後進捗ですとか、調整具合ですとか、いつ頃から開会予定かということが決まっていたらお願いします。
(大 臣)
 昨年から、この役割分担をどうするのかということで、関係自治体の皆さま方が小池都知事を年末にご訪問されました。そのときは、東京都知事から「都として何ができるのか、様々な視点から最大限提供していく。開催都市としての責任を重く受け止めて全力を挙げる」というご発言がございましたし、それぞれ関係自治体によって事情が違うので、作業チームを設置して情報共有を図るなどというような話もされたとうかがっておりますので、まず東京都の方でこれまでの経緯をしっかり関係自治体と共有していただいて、その上で開催都市としての東京都と、これまで作業に当たってきた組織委員会との間で、十分に協議をしていただくことが重要だと思っています。東京都と組織委員会での協議をしっかりわれわれもそばで聞かせていただきながら見守った上で、どうしても東京都ではなかなか難しいということについて、国で引き受けられる部分は何かというようなご相談があれば、それについては検討をさせていただきたいと思っております。
(記 者)
 埼玉のゴルフ会場についてですけれども、年明けに組織委の森会長が、「交通面や暑さ対策などに課題が多く、組織内で一度も議論されていない」として、課題の洗い出しを指示したという報道があります。森会長は問題解決が難しい場合、千葉県などへの変更検討にも言及しているようですが、そのことについて大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(大 臣)
 一昨日でしょうか、会長が記者の皆さまのいらっしゃるところで、「霞ヶ関カンツリー倶楽部について課題の洗い出しを今言っているんだ」というふうな話をされたということはうかがっております。うかがっていると言っても、仄聞している程度です。組織委員会に確認したところ、霞ヶ関カンツリー倶楽部については、一つの例として挙げながら、輸送面を始めどのような課題があるのか洗い出すようにという指示が出たということでございましたので、全体として作業をきっちり進めなさいということの一つの例だろうという理解をしております。一方でゴルフ会場については、国会でも様々なご質問をいただいているところですので、組織委員会においても課題をしっかり明確にしていただいて、その課題についてどのような対策を講じていくのかということについては、丁寧にご説明をいただく必要があろうかと思っています。
 あと、サマータイムや暑さ対策のことなのですが、暑さ対策については政府として、暑さ対策に係る関係府省庁等連絡会議において議論を進めてきておりまして、中間取りまとめも行ったところですし、対策は着実に進めているという認識を持っています。ですので、もし具体的なご懸念があって、それに私どもが応え切っていないのかどうかということがきちんと議論されていないのであれば、それはまずわれわれの議論をよく見ていただいた上で、改めて「これが問題なのだ」というご指摘をうかがえればと思っているので、忌憚なく意見交換をさせていただければという思いでおります。
(記 者)
 一部報道で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、チケットレス化を検討しているというお話をうかがったんですけれども、こちらについて。
(大 臣)
 最近チケットを横流しするとか転売をするといった話がありますけれども、それをどのように防止していくのかという中でのチケットレス化、またITを通じたチケットの販売ややり取りということについて話題になっているということは、私も認識をしておりますけれども、具体的に何か今決まっている状況ではありません。これは、あらゆる人がチケットを手に入れられるということがまず非常に重要な一つの観点であると思いますので、2020年にそのような環境になり得るかということを念頭に置きながら、今後組織委員会において検討されるという認識を持っています。私もサイバーセキュリティ担当でございますけれども、技術は日進月歩です。東京大会というのは、世界最先端の私たちの技術の一番のショーケースになるという認識を持っていますけれども、安全・安心ということ、そして、ユニバーサルということも一方で大切な価値でありますので、そのバランスをよく見ながら組織委員会の検討状況を見守りたいと思います。
(記 者)
 続けてになってしまうんですけれども、仮にもし導入するとなった場合は、マイナンバーカードの使用というのは予定されていらっしゃるのでしょうか。
(大 臣)
 特段その話について何か具体的に聞いているわけではありません。

(以    上)