平成29年1月13日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。今日もありがとうございます。こちらから今日は二点発言することがございます。
まず出張についてなんですが、14日から19日まで、ロンドンを中心にダボス会議にちょっと顔を出してまいります。ロンドンはご承知のとおり、成熟した先進国でオリンピックを開催して、レガシーも含めて大成功を収めたということで、数々の先輩方もこれまでその事例の勉強に行っていらっしゃると思うのですが、特に3年半前というこの時期に一体何ができていなければならないのか、もっと後のタイミングでやった方がいいことは何なのかということを、当時イギリスはちょうど政権交代をしていた時期でもありますが、そのときの担当者にきちんとお会いして話をうかがってこようと考えております。あわせて、オリンピックパークと、それからパラリンピックの関係者の皆様はやはり「ストークマンデビル病院をぜひ見てもらいたい」という思いを大変強く持っていらっしゃいますので、私はそこにも足を運ばせていただく予定にしております。
ダボス会議については多くを語る必要はないかと思いますけれども、私の立場から是非われわれのオリンピックがいかに国際社会に貢献できるのか、日本の価値、日本がスポーツをどのように社会に役立ててきたか、また社会をつくることに生かしてきたかということをお伝えする重要な場面だと考えておりますので、日本の取組への理解を広めることを含めて関わってまいりたいと思っているところです。
 とにかく、4年を切った中でタイミングを逃さずにきちんと仕事を積み重ねていくことがこれから重要だと思っていますので、ぜひ今回の視察をそのことに生かしたいと思っております。まずこれが一点目です。
それからもう一点は、競技会場の周辺等における暑さ指数の測定結果についてです。皆さまのお手元にもご覧いただけるようにお渡ししていると思いますが、これは内閣官房オリパラ事務局において調査を行ったものです。われわれのスタッフが実際に器具をお借りいたしまして計測をしたものでありますので、残念ですが環境省のプロが測ったわけではなくあくまで参考値ということになりますが、まず測ってみようということで、去年7月から8月にかけて、特に観客の皆さまの多くが日陰のないところを移動されるということが懸念される場所について測定場所を選んで暑さ指数の計測を行ったわけであります。専門家の方に一応その数値を見ていただいて、今日公表させていただきます。具体的には、お分かりのとおり3か所を選んでおりまして、霞ヶ関カンツリー倶楽部、江の島ヨットハーバー、そして競技会場ではありませんけれども有明地区の臨海広域防災公園の3か所で計測をしております。結果は3か所とも大きな差はなかったということでありますが、一方で専門家の方からご指摘いただきましたのは、「短期間の簡易な測定であり、この結果から結論を出すというのはまだちょっと早いであろう」ということでした。しっかりと複数年、しかもより長い期間にわたって測定することが必要ではないかというご助言をいただきましたので、来年度からは環境省にお願いして、より長い期間、そして精度の高い測定を実施していただくことといたしました。予算も取っていただいております。いずれにしても、この競技会場も含め観客の皆さまの動線における暑さ対策というのは極めて重要でございますので、より正確な現状を把握することを通じて対策に役立てたいと思っております。
以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 おはようございます。暑さ対策なんですが、結果を見ると「9時から17時は激しい運動は避けること」という数値になってしまっていて、競技はとてもできないような感じになると思うんですが、具体的にどういったことをして暑さ対策されていこうという、今のところの具体策か何かをお考えですか。
(大 臣)
 まだ、「考えられることとして…」というレベルです。もし来年きちんと測定できましたら専門家の評価も経て、競技の関係者の皆さまにこの暑さ対策をよく見ていただいて、競技プランを立てるときには参考にしていただく、競技の時間の設定等の参考にしていただくと同時に、それに伴って移動する観客の皆さまの移動の足をどのように確保するのかということについて、組織委員会ともよく連携をとりたいと思っています。一方で、日本の方であれば、そのような日中に移動するときに何が必要かというのは、「大体冷却グッズはどういうものがあって…」といったことでご承知だと思いますが、既に経産省にもご相談して、外国から来るお客さまに見える形、ご理解いただける形で冷却グッズや暑さ対策グッズ等をきちんと備えていただくのにどのようなことが必要か、情報発信は既にもうやるということはわれわれも決めていますけれども、その情報がより目に見える形で届くためには何が必要かということは、かなり詰めていきたいと思っています。
(記 者)
 もう一点、この後1時から関係自治体の連絡協議会で作業チームの設置ということがやられるそうなんですけれども、チームを設置して今後どういった流れで議論が進んでいくのかというところを。
(大 臣)
 まず、それぞれの自治体でそれぞれ話してきた経緯が違うと思いますので、これについて東京都側とよく共通認識を持っていただくということが始まりだと思います。必要な業務を洗い出すという話をされています。これもわれわれがほかの分野でもそうやってきたわけですけど、やっぱり具体的にどのようなことをやらなければならないのかということについてお互いに共通認識を深めるということが次のステップになると思います。その上で誰が何をやるのか、お金はどうするのかという議論に入れると思いますので、きちんと順を追って第一歩を踏み出したという思いでおりますし、非常に重要なプロセスを踏み出していただいたと理解しております。
(記 者)
先程の関係自治体の理事会の関連なんですけれども、今日から実質的な費用分担の協議がスタートするということになるかと思うんですけれども…。
(大 臣)
おそらく、実質的な費用分担の話は、業務を詰めてからでないとできないと思います。
(記 者)
仮設施設については、地方は従来どおり都や組織委員会が負担するという主張をしていて、小池都知事は「領収書の押し付け合いはやめましょう」ということを言っていますが、国としては費用分担について改めてどうあるべきだというふうにお考えですか。
(大 臣)
われわれは立候補ファイルから何か変えるかということについて具体的なオファーをいただいているわけではないので、一義的には都と組織委員会でまずよく詰めていただいて、この作業チームでは業務の洗い出しをしないとお金の話はできないということだと思いますから、業務の洗い出しをきちんとやっていただくということだと思います。おそらく業務の洗い出しをやっていると、いつまでに何をやらなきゃいけないという目算も立ってくると思います。そのスピード感によって役割分担も変わってくる部分も多少あるのかなと想像もいたしますので、この作業を先にやっていただくことが今後の作業の加速の上でも非常に重要だと思っています。国としてはこの作業には積極的に参加をして、また協力をしていきたいと思っていますし、役割分担については都と組織委員会で話をした結果、「どうしてもこれは国じゃないと無理だよね」ということになれば、そういうお話があると思いますから、そういうご提案を待ちたいと思っています。
(記 者)
ロンドン出張のことなんですけれども、課題となっているコスト削減という観点からもロンドンの担当者と意見交換したいというふうにお考えでしょうか。
(大 臣)
コストの削減も随分工夫をされたと思います。もともとその当時に、今オリンピック委員会の委員長をやっていらっしゃる方が当時もODAの関係をやっていらっしゃった…。
(事務方)
スポーツ・オリンピック担当の大臣でした。
(大  臣)
大臣でいらっしゃった。今オリンピック委員会の委員長をやっていらっしゃる方が、その当時のスポーツ担当の大臣で、そのときはODAという開発公社を使う形で資産を形成しながら、レガシーと費用の面とカバーするスタイルをとったので、われわれとちょっと違うんですけれども、いずれにしてもコスト削減でIOCとどう向き合ったかというところは同じ思いをした部分もあろうかと思いますので、ぜひそこはよく聞いてきたいと思っています。

(以    上)