平成29年3月10日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 まず、震災から6年を迎える週末になります。私自身も6年前、まだ当選間もない頃でしたが、災害対策本部に入り、刻々と被災地の状況が明らかになるにつれて、これから先どうやって東北を支援していけば良いのかという事をとめどもなく考えたという記憶があります。    改めて、被害に遭われた皆様方、今なお苦しい生活、あるいは亡くなった方を想って暮らしている皆様方、避難して生活されている皆様方にお悔やみと、お見舞いを申し上げたいと存じます。環境大臣をやっていた頃に、福島の復興ということで関わらせて頂きましたが、福島はまだ復興のスタート地点に立てていないという思いを大変強く皆さんお持ちでしたので、オリンピック・パラリンピック担当大臣としてできる限りのことを支援したいという想いを新たにしたところです。
 復興五輪ということで一つ皆様にお知らせで、是非広報して頂きたいのですが、昨年8月に、今村大臣が私の部屋にお見えになり、一緒にやっていこうということをお話しさせて頂きました。その具体策の一つとして、岩手、宮城、福島の3県に加え、東京都、組織委員会にもお力を頂き、復興五輪に関するポータルサイトを復興庁のホームページの中に立ち上げて頂くことになりました。復興五輪に関して3県が、あるいは3県で行っているイベントや、ホストタウンの情報を集約して発信させて頂くポータルサイトです。是非、復興をなし遂げつつある姿というのを効果的に広報していくツールになればと思っています。また、「beyond2020」において認証しているイベントについては、しっかりマークを付けてぱっと見て頂けるような形にしています。是非ともこれを観光振興等にも活用いただくために、東北の観光推進機構と相互リンクを貼り、お互いに応援し合うというような関係にもさせていただいております。是非とも皆様方にも情報を検索するツールとしてお使い頂き、少しでも復興五輪としての側面に御支援を賜れればありがたいと思っています。
 そしてもう一つ、別件ですが、シリーズで文化に関する懇談というのをやっています。来週の火曜日に谷川じゅんじさんにお越し頂くことになりました。皆さんもよく御存知かもしれませんが、谷川さんは空間をプロデュースするということを仕事にされている方です。昨年末に行幸通りでイルミネーションのイベント「東京ミチテラス」が行われましたが、これのプロデューサーをされていました。また、ここ数年、「MEDIA AMBITION TOKYO(メディア・アンビション・トウキョウ)」というのを森ビルでやっておりますが、このテクノロジーとアートを融合させた若いクリエイターたちのための発表の場といったようなことを、ずっと手がけている方で、空間をメディアにしたメッセージの伝達ということを御自身の使命や、テーマにされている方です。特に地方の創生にも絡んでおり、茨城の県北祭ということのプロデュースもされているので、東京はもちろん、地域地域においてどのような文化プロジェクトを進めていくかという観点、特に国民が一体になって盛り上がる一体感の醸成ということについて是非お話を伺いたいと思っています。以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 2点伺います。先程、大臣からもありましたが、明日で東日本大震災から6年になります。2020年の東京オリンピック・パラリンピックは復興五輪でもあります。被災地で幾つかの競技も行われますが、野球、ソフトボールの福島開催がまだ正式には決まっていない状況です。また、聖火リレーのルートについても今後の調整課題となっていますが、復興五輪の成功に向けて、今後、政府として具体的にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。
(大 臣)
 今御指摘いただいた聖火リレーについて、被災地を丁寧に回りたいという思いは、都、組織委員会、我々一つだと思うので、是非とも引き続きルールの緩和に向けて御理解を賜れるようにIOC等に働きかけをしていくことは重要だと考えています。実際にどこのルートを回るかは、それぞれの県の中で議論もあると思いますので、そのやり方については組織委員会の方でよく検討したいと思います。事前キャンプは既にIOCの方でも、東北のボートのプレイベント、これについては言及をして頂いているところですが、できるだけそういう機会を設けて頂けるように、もちろん福島での野球、ソフトボールの開催については前向きに議論頂いていると聞いていますので、これは確実に決まるように願いたいと思います。
 組織委員会の試算ですと、48億の人が世界でメディアを通じてオリンピック・パラリンピックに触れるということなので、この機会に、福島で今流通している物は安全です、皆さんの口に入れて頂ける、手に取って頂ける物です、ということをはっきり目で見てもらうということは非常に重要だと思います。復興していく福島の姿を映像や、言葉を介して見て頂くということは、その場にアスリートがいるだけで発信力が何倍にもなるので、やはりアスリートの皆さんが福島にいるという姿を是非とも映し出して頂き、伝えたいと思います。また、福島県産品を是非オリンピックの場でという思いは福島県の皆様も強くお持ちです。せんだって、オリンピックで花を使ってもらいたいという、花卉の市場の関係者全体の思いとしてお伝え頂いた方がおります。その中でも福島は、トルコキキョウ、ナツリンドウなど、こうしたものを農業の再興のプロセスの中で取り入れてやっているので、復興を伝えるメッセージ性のある花としてどこかの場面で取り入れられないかなと思っているところです。食についてはもちろんですが、今、福島では信頼性を高めるためにJGAPの取得について熱心に取り組んで頂いており、国でも来年度から検査の部分を含め予算を47億円つけていますので、是非JGAPからJGAPアドバンスに進んで頂き、オリンピックでの調達にかなうものを福島でできるだけ作って頂きたいと思います。
 森林についてはもう認証を取っていただいているところが3,200ヘクタールあるそうです。木材については是非利用できるようにという思いで、これは都、組織委員会と力を合わせて働きかけをしていきたいと思っているところです。いろいろな側面で福島のことを目にして頂くことがあると思いますので、IBCとかNPCでは、是非ともメディアの皆様方に直接触れていただく機会を用意したいなと思います。これは組織委員会にお願いしたいと思います。
(記 者)
 別件で、同じ内閣府の務台政務官が「長靴業界は大分儲かったのではないか」などと発言したことの責任を取り辞任されましたが、それの受け止めと政権への影響についてどう見ていますか。
(大 臣)
 大変残念なことで、御自身で御自身の責任を取られたということだと私は受け止めております。やはり被災された皆様方の気持ちを思うということは、私も環境大臣当時、本当に現場に赴いて色々な事を学ばせて頂きました。その思いが通じて、今こういう仕事に生かせて頂いているというか、それにお応えすべく努力をしておりますので、そういう気持ちをこれからも我々が持ち続けていくことが重要だと思います。
(記 者)
 昨日、新国立のサブトラックの仮設について当初より試算が増えているという報道がありました。これまで地方の当該施設について仮設の議論もしているというお話だったと思いますが、国立の施設について仮設の検討状況と費用負担についてお考えをお願いします。
(大 臣)
 国立の施設で仮設は今のところ、東京都内にはないと思います。
(事務方)
 新国立競技場があります。
(大 臣)
 あれは仮設じゃないですよね。
(事務方)
 いや、サブトラックのところが仮設です。あと代々木の体育館も仮設で、コンパウンド、放送用の機材とかそういうのが多分仮設になると思います。
(大 臣)
 オーバーレイということですね。
(事務方)
 はい。
(大 臣)
 まず都内の施設について、これはまだ議論が全くできていませんので、これも関係自治体でやっているのと同じように、都、組織委員会、国で議論をさせて頂くということがスタート地点かと思います。そのプロセスの中で今やっているように、本当にこれだけ掛かるのかというところを徹底的にチェックするということが挟まって、その後に、じゃあ誰がどういう役割分担でやりますかという話になると思いますので、我々は、組織委員会が幾ら掛かるということをおっしゃったというのは正式に聞いておりませんので、その議論の場で徹底的にその理由については詰めて話をさせていただければと思います。
(記 者)
 関連で、新国立については、総理の指示で最終的に費用を削った経緯があると思いますが、100億円まで膨らんでいるということに対する受け止めをお願いします。
(大 臣)
 これまでも組織委員会の試算というのは、我々から見ると少し保守的過ぎるのではないかという面ありましたので、今回も何かそういうことがあるのかなと受け止めております。
(記 者)
 関連で、常設にした方が良いという意見もあるようです。一部の競技団体からはそういう意見もあるようですが、今のところ仮設という前提で話を進めていくとは思いますが、今後常設にするという議論をする考えはありますか。
(大 臣)
 まず、競技をどういう環境でやるかと決めるのは、国内の競技連盟、国際的な競技連盟、組織委員会こういうセットでやりますということを決めます。我々は立候補ファイルから変更するという話は聞いていないので、その上でどういうふうにするかということを都と組織委員会がまず議論頂くことが大前提だと思っています。これはどうにも都では持ち切れないという話になった場合、まだそういう話は聞いておりませんが、そうなった時に初めて今度は国がどのようなお手伝いができるかという話になるので、これから議論をする中で、お互い共有して考えましょうということだと思います。

以上