平成29年3月31日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。私の方から2点、まず、今朝の関係閣僚会議の概要です。議題は、新国立競技場整備事業の進捗状況と、2点目がJSCの特定業務に係る文部科学大臣決定の改正についてです。進捗状況の報告は、JSCの大東理事長から行っていただきました。前回が9月30日で、その後の進捗状況ということで、本体工事に着工し、順調に進んでいますということ、また4月以降は、基礎など地下躯体工事に入っていく、との御説明を受けました。この説明を受け関係閣僚会議では、JSCにおける整備プロセスが順調に進捗していることを確認し、点検を完了致しました。JSCの大東理事長には、今後とも滞りなく整備事業を進めて頂くよう、関係閣僚会議としてお願いをしております。
 2点目のJSCの特定業務に係る文部科学大臣決定の改正については、松野大臣からJSC法に定める特定業務の対象範囲について、新国立競技場のシステム・通信機器等の整備費用、国立代々木競技場の耐震改修費用、NTCの整備費用にも充てられるよう、大臣決定を改正した旨の報告がございました。また、小池都知事からは、木材の調達について特に配慮していただきたいという御発言がありました。JSCが既に受注者に対して組織委員会が策定した木材の調達基準というのがありますが、これに則りJSCで事業を進めて頂けるように、JVに指示しているということを御説明させて頂きました。整備プロセスは、着実に進んでいるという認識で、これからも引き続きしっかり目を見張ってスケジュール通りに進んでいくようにしたいと思います。
 もう1点ですが、連続して各方面から御意見を伺っておりますが、4月3日午後3時から松竹株式会社社長の迫本淳一さんとお話をさせて頂くことに致しました。松竹がどんな新しい切り口で歌舞伎に取り組まれているかは、色々報道して頂いているところですが、古典の継承と新しい創造の両輪が大切だというのが、この迫本社長の考えです。先端技術との融合による演出や、人気漫画を題材に採用したり、海外でも非常に人気を博すような切り口で、斬新な講演をやっていらっしゃいます。日本文化の発信というのが、オリンピックに向けてどうあるべきかということで、御意見を伺いたいと思います。以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 先程行われました関係閣僚会議のことでお伺いします。工事は計画どおり進んでいるということでしたが、2019年11月完成という工期を守るために、今後重要だと考えていることはどのようなことでしょうか。
(大 臣)
 国とJSC、それからJVの皆様方が、よくコミュニケーションを取り、力を合わせることだと思います。分かっているだろう、やっているだろうではなくて、その都度きちんと確認するということが重要だと思います。
(記 者)
 関連で本日の会議では、totoの売上げを充てる対象を拡大すること、というのが松野大臣からあったということですが、この拡大されたそれぞれ三つの対象に対し、どの程度の金額を充てることを見込んでいるのでしょうか。
(大 臣)
 国立競技場の通信・セキュリティ関連機器等の整備でおよそ180億円、国立代々木競技場の耐震改修などの工事で120億円程度。ナショナルトレーニングセンターの拡充に係る用地取得はおよそ60億円と聞いています。
(記 者)
 その額については、今日の会議の中でも出たのでしょうか。
(大 臣)
 私が直接発言はしておりません。
(記 者)
 特定業務の対象の拡大についての話に関してですが、新国立競技場の整備も含めて、国のスポーツ施設の整備で、スポーツ振興くじへの財源という意味での依存度が非常に高くなってきているように思いますが、今後確実にそのくじによって財源を確保していくために、大臣としてどういうことが重要になるか。恐らくくじの売上げ等になってくるとは思いますが、そこはいかがでしょうか。
(大 臣)
 文部科学省の仕事の範疇にはなりますが、2020年の大会を契機に、一つのレガシーとして地域の活性化も視野に入れたスポーツ産業の発展ということは、与党からも御指摘頂いているところです。文部科学省を中心に、そうしたことにしっかり取り組んでいただくことも一つ必要ではないかと考えます。
(記 者)
 本日、一部報道で新国立競技場が全面禁煙になるというような報道がありました。JSCがその方針だということですが、現状何か大臣の方にこういう方針で進めていくというような報告はありましたか。
(大 臣)
 伺っております。JSCの考えとしては、国賓の方が利用するVIPの部屋からの導線は、警備上の理由だそうですが、一度も外に出ることなくずっと屋内だけだそうです。警備上、導線上の理由から、喫煙を外でするというのが難しく、屋内で喫煙できるような場所に、使えるスペースは確保してあるが、これを使うかどうかは、新国立競技場でイベントをやる人ごとに検討されることだそうで、実際に使わせる可能性もありますということだろうと、理解しております。全体的には全面禁煙ということで理解しています。
(記 者)
 昨日、文科省の組織的な天下りあっせん問題で、新たに35人の違反行為が確認され、計37人が処分されました。文科省では過去最大の規模で、文教スポーツ等からもオリパラと関わりが深いですが、大臣の受け止めをお願いします。
(大 臣)
 これだけ処分を受ける人が出てしまったことは非常に遺憾です。これが一時的な処分で終わるのではなく、しっかりと組織の意識を改めるということが重要だと思います。我々ももちろんしっかりとそうした意識の改革をし、また、改めて他の組織でも同じように高い意識を持っていただくことは重要だと思いますので、引き続き努力をしていきたいと思います。
(記 者)
 喫煙に関してですが、改めて受動喫煙ということに対し、大臣のお考えをお伺いします。競技場外のことは東京都の範囲になるかと思いますが、オリンピックに向けてどの程度、競技場の中、外を含めて、スモークフリーな社会が進むべきだというふうにお考えかお聞かせください。
(大 臣)
 IOCとWHOが一緒になり、たばこのないオリンピック・パラリンピックということをお決め頂いているということで、一義的にはもちろん組織委員会がこのオリンピック・パラリンピックについては、やっていただくことになりますが、これをレガシーにどう結び付けていくかという視点は、非常に重要だと思います。

以上