平成29年5月9日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。こちらからはイスラエルへの出張について御報告させて頂きます。4月28日に出発し、5月2日に帰国しました。 サイバー関係についてと、ギラディさんにお会いしてきました。IOCの東京大会の調整委員会副委員長でいらっしゃることは御承知のことと思いますが、コーツさんも無事にオーストラリアのオリンピック委員会の会長選挙に勝ち残られ、我々もほっとしているところでございます。これからますます連携を緊密にし、我々は国の立場からもIOCとしっかり向き合い、力を合わせて仕事をさせて頂きたいということをお願いしてきました。そして、サイバー関係については、マタニア国家サイバー局長官と会談いたしました。イスラエルの企業というのは、出発前もお話ししましたが、国民皆さんが男女問わず徴兵され、その中でもそれぞれの分野に強い方は、高校を卒業した時点で選抜されるような形で人材が集められ、本当に若いうちからトレーニングを受けられます。そういう中でサイバーの分野に引き入れた人達も若いうちから訓練し、技術を身に付けて社会に出て行くということで、そのサイバーセキュリティーの新しい技術を身に付けた若い人達が、次々とベンチャー企業を興している国です。
 我々の国も、サイバーセキュリティーに強い国の中でも、特にイスラエルは新しい技術を持っている国という認識を持っており、そうしたことを踏まえて今後の協力関係の深化ということを前提にお話をさせていただきました。私が一緒に話をしていて、特にこれから気を付けなければならない、私から取り組まなければいけないと思っているのは、全体としてサイバーセキュリティーはまだまだ人材不足の面もありますし、これから組織を構築していく面もありますが、特にオリンピックまでの時間の中で完成をさせなければいけないことについて、より注力しようということ、決して時間があるわけではないので、この点により集中していくということだと思います。オリンピックは継続性の確保ということは非常に重要ですので、その点の担保をサイバーの面でどれだけ見ていくのかということは、よく念頭に置かなければならないと思いました。物理的に何か問題が起きれば、その代替手段も別途確保する必要があるので、そのこととのバランスにおいて、どのように力を入れていくかということはよく検討していかなければならないと思いました。

2.質疑応答
(記 者)
 今のイスラエルへの出張に関連して、その後世耕大臣と向こうの担当大臣の方で協力強化について合意されたということなんですけれども、その合意の期待について教えて下さい。
(大 臣)
 産業人材については、育成のためのトレーニングをするセンターを立ち上げ、人材育成については経済産業省でより強化して頂くということが今の流れとなっていますが、私の出張の内容を受けて、世耕大臣の方ではオリンピックまでの期間に集中すべきことについて、具体的な話を進めたいということの御提案を頂いてきたところです。オリンピックのCSIRTを我々が立ち上げることについて、私の説明がまだ十分ではなかったかなと思いましたので、また事務的にやり取りをする中で、きちんと我々が何を求めているかということについて皆様にもお伝えしていきたいと思います。
(記 者)
 話題は変わりまして、安倍総理が3日の改憲派の推進集会へのメッセージで、東京オリンピックを見据えて「日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだ」ということで2020年を改憲の施行の年にすべきだというメッセージを表明されました。それに関連して東京オリンピックとの開催の時期を関連付けたこと、あと、中身のところで自衛隊を明記するように発言をされましたけれども、この点の受け止めについてお願いします。
(大 臣)
 今回の総理の御発言は、私ももちろん内容を承知しておりますが、自民党総裁という立場で発言されたという認識でありますので、今の私の政府の一員としての立場からはお答えすることではないと考えております。ありがとうございました。

以上