平成29年8月3日


就任記者会見


1.冒頭発言
 このたびの内閣改造で、東京オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会担当大臣を拝命いたしました、鈴木でございます。
 大変お世話になりますが、どうぞ今後ともよろしくお願いをいたします。
 まず、抱負を述べさせていただきたいと思いますが、正にこの国民的、国家的大事業であります東京大会、これももうちょうどあと3年という重要な時期になってまいりました。何としてもこの大会を成功させなければならないということで、大変に責任の重い立場を頂いたなと、そんな思いでございます。しっかりとまず、与えられた仕事を確実にこなしていくということで、全力を傾けていきたいと思います。この東京大会は、よく復興大会、こういうふうに言われる、復興五輪とこう言われるわけでありますが、東日本大震災が発災してから6年と5か月が経過をしたわけでありますが、あの発災直後のことを思い出しますと、やはり地元の被災者の皆さん、地元の方々、県、市町村、国、これはもちろん日本国内からのいろんな御支援があったわけでありますが、国際社会からも、本当に多くの国からも大変温かい御支援を頂戴いたしました。今、こうやって復興が進んでまいりますのも、そうした海外からの大変な支援の賜物でもあると、こういうふうに思うんです。ちょうど2020年というのは、国が定めた復興期間を終了する、そういう年でありますから、こうした東京オリンピック・パラリンピックの大会を通じて、こうした復興している姿、しかも国際社会の支えもあって復興している姿というものを、しっかりとこの東京大会を契機に発信をしていくということは、本当に意味のあることであると思います。そういう中において、私は岩手県の被災地、沿岸出身の者でありますので、あのときの大変な思いや、また本当に国際的な支援を頂いた有り難さ、そういうものを身にしみて強く感じている者でありますが、そういう私が、この復興オリンピック・パラリンピックの担当をさせていただいて、その立場で働かせていただくことというのが、よりそうした形をしっかりしたものにできるのではないかと、そんな自負もあるわけであります。
 それからもう一つは、東京大会、持続可能性ということで、環境にももちろん配慮した大会ということになるのだと思いますが、環境大臣をやらせていただきました経験もありますので、そういう立場で、そうした面での東京大会というものに、私なりに努力をさせていただきたいと思います。加えて言えば、これから特に私ども国と、そして東京都、それから大会組織委員会、そして東京都以外で競技を行う都道府県があるわけでありますが、そうした方々との意思疎通を十分とる、風通しのよい環境をつくっていくということが、これから特に重要なのではないかなと、そんなことを感じております。そういう中で、小池知事は1人の大きなキーパーソンであるわけでありますが、小池さんは、私が環境大臣をやった後の、直後の環境大臣でありまして、ともに環境派ということで、一緒に仕事をしてきたこともあります。そういう中で、気心が知れている面もありますので、そうした個人的な人間関係というのも、是非これからのいろいろな意思疎通、いろいろな意見交換、そういうものに生かすことができればなと、そんなふうにも思っているところでございます。いずれ、残された期間、3年ということでございますので、全力で頑張ってまいりますので、よろしく御指導を賜りたいと思っています。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)
 大臣は復興五輪ということ強調されていますが、大臣が復興五輪という観点で一番力を入れたい点、そういう考えていることがありましたら、具体的に教えてください。
(答)
 情報発信というのが大切だと思います。やはり、あれだけ未曽有の大災害があったということですから、そうした経験を、やっぱり全世界に伝えて、国際社会と共有するということは、これは大切なことであると思いますので、それ一つをとっても大変意義のあることであると、そういうふうに思っております。被災地では、当初東京オリンピック招致決定となったときに、何かそれによって東京の方の工事が多くなって、資材が高くなったり、労働する人が東京の方にとられちゃって、復興の足を引っ張るんじゃないかというような、そんな声すらあったんですね。ですけれども、こうした災害の復興ぶりを発信する。ただ発信するだけじゃなしに、例えば、被災地の食材、そういうものの活用を進めるとか、あるいはこれからいろいろ建築が東京で行われるわけでありますけれども、木材を使った建物なんかもできるわけで、そういうときも被災地の木材を使うとか、また、ホストタウン構想というのがございます。また聖火リレーも行うという、そういうことをやることによって被災地の人たちが、当初はオリンピック・パラリンピックというのは東京でやることであって、復興の足を引っ張るんじゃないかぐらいに思っていたものをそういうようなスポーツ以外のムーブメントによってぐっと近づける、それがまたオールジャパンに、国民全体の大会にもなって、より意義のある大会にできるのではないかなと思っていますので、そんなこともやってみたいなと思っております。進めてみたいなと思っております。
(問)
 岩手県からの入閣は平野復興大臣以来4年半ぶりとなりました。総理は常々、全閣僚が復興大臣であるとかねてから仰っておりますけれども、それを踏まえて、被災地出身の閣僚として五輪関係を含めて、五輪関係以外も含めて、復興政策全般としてどのように復興に取り組んでいきたいか、改めて閣僚のお一人として御意見伺えますでしょうか。
(答)
 今回、総理から指示書を頂きましたけれども、その中にも全閣僚一人一人が復興大臣のつもりで頑張れと、復興なくして東北の発展なしというような趣旨のお話がございました。私も、この6年数か月の地元の一番の課題は何といっても復興でしたから、全力を挙げて取り組みます。閣内におるわけでありますので、吉野復興大臣をでき得る限りバックアップをしたいと思いますし、先ほど来申し上げているとおり、今度の東京大会は復興五輪だ、復興パラリンピックだと、こううたっていますので、こういった私に与えられた職務の中を通じてもこうした復興に対する一つの働きかけができるんだと、こう思っておりますので、是非オリンピック・パラリンピックの成功と復興を進めていくことの両立をしていきたいと、こんなふうに思っています。
(問)
 先ほど大臣が、招致の当初は復興五輪が被災地の足を引っ張るのではないか、五輪は足を引っ張るんではないかという声があったとおっしゃっていましたが、依然としてやはり歓迎、被災地では歓迎という声がある一方、東京でのスポーツイベントと復興を関連づけることに対する疑問の声も依然あるというのは被災地の出身大臣としてかなり感じていらっしゃると思いますが、そういった被災地の声に対してどう思われますか。
(答)
 それは先ほど、私としてはもうお答えしたつもりになっておりますが、やはり相当距離があったのは確かでありますけれども、しかし、先ほど申し上げたような事前キャンプといったホストタウン構想をやるとか、あるいは被災地で聖火リレーをきちっとやるとかですね。ホストタウン構想というのは正にオリンピック始まる前の事前キャンプもあれば、オリンピック・パラリンピックが終わった後の事後のこともあって、そこに選手が来て、そして交流をするというようなこともできるわけですから、そういう中において、やはり実際に選手と触れ合う機会も作れる。その中で今、おっしゃったような当初あったような気持ちが少しでも緩和されるようにできたらいいなと、こういうふうに思っています。
(問)
 先ほど、復興五輪とともに環境大臣の御経験を生かして、持続可能な五輪というのも実現したいというふうにお聞きしたと思うんですが、これは具体的に、例えば今、大臣のイメージでどのようなことが実現できれば環境に配慮した五輪になる、持続可能な五輪になるというふうにお考えでしょうか。
(答)
 例えば実際に東京都では燃料電池車のバスを走らせようというようなことも考えておられるということを聞いております。それから、これから2020年に向けて、一つの課題は輸送なんですね。これは大会関係者や選手、お客さんを確実に輸送するということが大切なんですが、一方において、日々経済活動をしているわけですから、それがサプライチェーンでどういうような影響を与えるかということにも当たって、今それを真剣に交通の流れをよくしようということでやっています。放っておけばそれがもう大渋滞になって、そこからCO2が相当排出されてしまうわけですけれども、そういうような交通の流れをスムーズにやるということ、そういうことが実現することによって、そうした環境にプラスする状況が生まれてくる、こう思いますのでそんなことを通じてというイメージを持っております。
(問)
 小池知事からメールを受け取られたというお話もちょっと聞いたんですけれども、ちなみに具体的にどういった内容を頂いたかとか、何か励ましだったりとか、どういった内容だったとかというのを教えていただけますか。
(答)
 ショートメールですからそんな字数が多くないので、オリンピック、オリパラ担当大臣就任おめでとうございますと。これから力を合わせて、一緒に大会成功に向けて頑張りましょうというような趣旨でした。
(問)
 今回の内閣改造は安倍内閣の支持率が下落した中で行われたものだったんですけれども、その中で閣僚に選ばれたということでどのような姿勢でこれから臨んでいって、国民の信頼を回復していくかということと、説明を尽くすということについて御自身の意気込みがあれば教えていただきたいと思います。
(答)
 今の状況は大変厳しい状況だと思っております。そういう中でどうやったら支持を、支持率回復できるかということなんですが、まずその前に、現状から言えば、もうこれ以上失敗しないということがまず一番大切なことなんだと思います。もうこれ以上失敗しないという先に初めて支持率が回復する手立てがあるんだと思います。今回の組閣の状況を見ていますと、そういう感じですね、何かサプライズ人事もないですし。ですから、私もそういう意図を持って組閣された閣僚の一人としてとにかく自分に与えられた仕事を着実にやっていくということがまず第一歩で、そこをやらずして支持率回復をやろうというのは、これは、そうは問屋が簡単におろしてくれないことなんじゃないかと思います。
(問)
 内閣支持率が急落する中での入閣になりましたけれども、そもそもこの内閣支持率が落ち込んだ理由についてちょっとお伺いしたいんですが、総理御自身の疑惑のほかにも閣僚や自民党議員の言動に対する批判とかもありましたが、大臣として今の支持率の急落の原因についてどうお考えかと、先ほどの質問に関連しまして、改めて安倍政権として今回どういうリセットをして進んでいくべきかというその点をお願いできますでしょうか。
(答)
 リセットしてやるというのはさっき申し上げたことで、なかなかそう簡単なことじゃない、まずはしっかり失敗しないようにから出発するんだと思います。支持率の原因は、これは私の個人的な見解ですけれども、もともと強い支持ではなかったのかもしれない。つまりは、本来であれば与党に、そして政権に対抗する野党という強い野党があって、それが伸びればこっちは低く、こっちは伸びますけれども、今回はこっちがへこんでこっちもへこむみたいなことでありますから、正にそういった野党の今の現状というのが今までの高い支持率をつくっていったということで、様々なさっき御指摘のあったような積み重ねの中でそうしたものが離れてしまって、それが全部支持政党なしという無党派層に行ってしまった。こういうことで、それから考えると、もともとが本当に高い支持ではなかった、緩やかな比較の中での支持だったのかなというような気がいたします。個人的な見解です。
(問)
 20年五輪・パラリンピックを成功させていくために一番大切なことは何だと思われますか。
(答)
 一番大切なことは、やっぱり国民の盛り上がり、期待、国民の支持といいますか、この東京大会に対する思い入れがなければ、これは幾ら組織委員会が、東京都が、そして我々が頑張ってもこれは成功しないと思います。やっぱり東京大会を受けての国民の思いというものをこの3年間のうちでさらに高めていくということが一番重要なことじゃないかと思います。
(問)
 内閣支持率の話で、大臣は失敗しないことが大事と言いましたが、具体的にその失敗というのはどういうふうなことか、またその原因は何なのかということについてお聞かせください。
(答)
 今まで失敗の連続でしたよね。先ほど出たようないろいろな出来事がありました。ですから、もうそういうことはしないということです。これ以上したらもう支持率回復の危険水域を割り込んじゃう、それもあるんじゃないかと。そういう意味でもうこれ以上失敗できないというふうに思っております。

(以    上)