平成30年1月16日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 おはようございます。最初に先般の出張について報告致します。1月6日〜13日までブラジル、アルゼンチンを訪問しました。東京オリンピック・パラリンピックまで約2年半となりましたので、オリンピック・パラリンピック関係の要人と会談したり、施設を視察致しました。今後、東京大会に向けた協力関係の強化を図るとともに、様々な知見を得ることができました。
具体的にリオデジャネイロでは、2016年リオ大会開催後の会場施設の視察や、関係者との会談を通じ、大会の準備、運営はもとより、特に大会後のレガシー創出について色々と知見をいただきました。レガシーのことを考えると、ハード面の方に目が向きがちですが、実際にはレガシーを活用して子供達に対するスポーツを通じた教育プログラムをしっかりやっていました。ハード面で競技場等をしっかり残していくということも大切ですが、それとともにソフト面、先程申し上げたような色々な活動を2020年以降も定着させていく。ハード、ソフト両面においてしっかり進めていくことが大切だと認識したところです。
アルゼンチンはブエノスアイレスに参りました。今年10月にユースオリンピックがブエノスアイレスで開催されるということで、その準備状況の視察をしました。そしてスポーツを通じた外交や、これはブラジルでもそうでしたが、我が国が今進めているホストタウンの状況を説明するとともに、ホストタウンに対する協力も要請するなどして参りました。その他にも色々トピックス的なものもあります。2020年東京大会の機運醸成ということにも繋がると思いますが、ブエノスアイレスでは日系人の方々が集まり、東京オリンピック2020音頭の練習をしているところも拝見しました。地球の裏側でも2020年大会に向け、それぞれの立場で活動していたということを感じたところです。今回得た様々な知見を、ラグビーワールドカップにも、そして2020年東京大会にも生かしていきたいと思います。私からは以上です。

2.質疑応答
(記 者)
 今回のブラジル、アルゼンチンに行かれて、レガシーを生かしていきたいなということでしたが、ブラジルではどういうことをやっているというのを、大臣御覧になっていいなと思われたのでしょうか。もうちょっと具体的に教えて下さい。
(大 臣)
 やはり光と影で、うまくいっている面とうまくいっていない面があるということが分かりました。例えば、リオでは、オリンピックを機に港湾地区の再開発を行いました。そこは治安が非常に悪化しており人が集まらなくなった問題の地域でしたが、オリンピックを機に再整備し、そこが公園に生まれ変わり、オリンピックのメモリアルの地になったと同時に、休日には市民がたくさん集まり、新たな賑わいが創出され、市内でも一つのポイントになったというのがプラス面だと思います。しかし一方でカヌースラロームなどの競技会場を大会後はコンセッション方式で運営しようという計画で行きながら、その後の経済状況の変化もあったと思いますが、このコンセッションがうまく進んでいないということでした。リオ大会のレガシー管理機関の方の話ではやはりコンセッションでやるということであっても、ある程度しっかりした見通しをつくるとか、あるいはそれがうまくいかなかったときのプランBをあらかじめ考えていく必要があるのではないかと。日本とブラジルでは置かれている経済状況等が違うので、一概にはその通りにはならないかもしれませんが、一つの参考になったと思います。
(記 者)
 今回のドーピング問題ですが、選手が選手の飲み物に薬物を入れる、これまででは考えにくかったような形式で起きた問題ですが、東京五輪に向けていろいろな対策というか、よりこれまで以上に幅広い対策というのが求められると思いますが大臣はどのようにお考えでしょうか。
(大 臣)
 率直に私も驚きました。この件についてはまだ警察の捜査もあるようなのでコメントは控えます。しかし我々は2020年東京大会を最高にクリーンな大会にするということで今努力をしているところです。それを考えるとアスリートはきちんとルールに則りフェアプレーで戦うことが大切です。今回伝え聞いている行動は、まさにこのフェアプレーの対極、真逆のことであり、こういうことを通じてライバル選手を陥れるということはやはりあってはならないことだと思います。スポーツは、スポーツを通じて技術も磨くけれども、心も磨くような、そういうことを我々は一般的に思うところであり、幾ら技量が高くても心の面をやはりしっかりしなければならないと思います。今回の件を一つの教訓として、アスリート一人ひとりが今一度、こういうことがあってはならないという思いを強く持ってもらうということが大切だと思います。

以上