令和元年9月17日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 すみません、大変長くお待たせを致しました。閣議がちょっと長くなりましたので、失礼を致しました。こちらからは特にございませんので、質問がありましたらお願いします。

2.質疑応答
(記 者)
 台風15号の直撃から1週間が経ちまして、千葉県ではまだ停電が続くなど、かなり復旧に長期化している状態があります。来年の大会開催時に同じような状況になりましたら、かなり相当、大会開催に関して影響があるんじゃないかというふうなことが想定されるわけですが、今後の備えについて見解を伺わせていただければと思います。
(大 臣)
 まず初めに、この度の台風15号によりまして亡くなられた方の御冥福、そして今もなお大変な状況の中で被災をされている方にお見舞いを申し上げ、そして懸命な復旧・復興に努力をされている皆様方に感謝を申し上げたいというふうに思っております。この被害に対して、更に国土強靱化を始めとしてしっかりと国民の皆さんの命というものが守られていく、そして世界各国から来る方々たちのそういった状況というものも踏まえながらしっかりとした対応をしていくというのは、当然これからしっかりとやっていかなければいけないというふうに考えております。また、オリパラ推進本部の下に設置されておりますセキュリティの幹事会におきまして、この問題については、やはりこれから自然災害というものへの対応というものもありますし、今後に向けて海外の皆様方に対しての多言語での発信、そういったもの全てにおいてしっかりとした体制を整えていくということがその中に盛り込まれておりますので、東京都、そして組織委員会、引き続きそういったことをしっかりと想定しながら万全な体制で臨んでいくように準備を怠らずにやっていきたいというふうに考えております。
(記 者)
 今日から行われる予定だったテコンドーの日本代表の合宿が、選手たちが代表の体制に対して不満を募らせていたということで、参加を辞退する人が多くて、急遽中止になったという問題が報じられているんですけれども、まず、その点に関しての大臣の所見を伺いたいのと、いろいろ選手と協会が、オリンピックが1年を切っている中でこうしたもめごとになっていることについて、来年のオリンピック・パラリンピック、どうしてもやっぱり日本代表としてメダルを取りたいと、たくさんメダルを取りたいという中でこうしたもめごとが起こっているのをどういうふうに対処していけばいいのか、協会側に求めることもお話しいただけますでしょうか。
(大 臣)
 テコンドーの合宿が成立しなかったということは承知をしております。その中で、今後、やはりアスリートファーストという観点からしても、協会側と選手がしっかりと今後の対策について協議をしていただいて、万全な体制で臨んでいただけることでより良い方向に向かっていくというふうに私は思っております。あとは、やはり協会側がしっかりとオリンピック・パラリンピックに向けて、いろいろな形の中で努力をしていただくことでないかなというふうに思います。
(記 者)
 すみません、引き続きなんですけども、協会側は、来月の1日ぐらいに、選手のそういった意見を聞くような機会を設けたいというような話をしているようなんですけども、そんなに、あと2週間ぐらいではあるかもしれないんですけども、もっと早くやった方がいいとは思うんですが、その辺いかがでしょうか。
(大 臣)
 それは、やはり協会側がしっかりと選手の声を聞いて判断をしていくことですから、見守っていきたいというふうに思います。
(記 者)
 日曜日にマラソンの東京オリンピック代表選考会、選考レースが行われましたけれども、従来の選考方法とは一変して、ほぼ一発勝負に近い形での選考になりましたけども、大臣、どのような印象を持たれたでしょうか。
(大 臣)
 過去に、私がJOCの時代からでありますけれども、選考というこの基準は非常に設定するのが難しいなという認識はずっとありました。その中で、日本陸上競技連盟が、マラソンの選手選考に対して分かりやすく、3人の枠の中で2人を決定するというこの大会を設置をするということと同時に、来年のオリパラ本番に向けてテストイベントという形になったということは、非常にいいことであるというふうに私は承知をして、今までのやり方に対してすばらしいというふうに感じておりました。
(記 者)
 オリパラではなくて、女性活躍の大臣としてお伺いします。まず、現状認識なんですけれども、日本の社会において女性が活躍するにおいて最も妨げとなるものについては、どういったものというふうに認識されていますでしょうか。それと併せて、やっぱりそういったものの解消のために、どういった政策をまず取り組んでいきたいと思っていらっしゃるか教えてください。
(大 臣)
 まずは、安倍内閣において女性活躍の旗を掲げて取組をしてきたことに関しては、しっかりと着実にその成果というものが見られてきているというふうに思っています。その中で、今までの成果というのは、やはり平成24年から平成30年までは、女性の就業者数が288万人増えて、全体で約3,000万人弱のところまでいったということでありますし、また、第1子の出産前後の女性の就業継続率も4割だったのが、今は5割以上になってきているというようなことであったり、また、上場企業の女性の役員数も3.4倍に、この約7年間の間で上昇したというのは、非常にいい成果が表れてきているものなんだというふうに思うんですけれども、ただ、やはり御指摘をしていただいている妨げになるものということですけれども、それは、私もいろいろ経験もあるんですけれども、男女とも長時間労働で仕事と、そして育児の両立がどうしても困難になる場合があると思うんですね。どちらも、どちらを選択するかということが非常に難しい環境に置かれている方がやっぱりたくさんいるというふうに思うんです。その中で、両方がしっかりと確立できるような環境を整えていくということがまず一番大事なことであるのかな。どちらかを諦める、どちらかだけになるということが非常に仕事をする上においても、育児をする上においても、特に女性はメンタルの部分ですごくダメージがあるんではないかなというふうに思っていますので、そういったことがないような、しっかりとした、女性が生まれて、そして生涯までの全体の女性のキャリアプランといいますか、そういったものが確立されていくというふうに、そのときだけということではなくて、しっかりとした生涯を通じて女性としての生き方というものが政府としてバックアップできるような体制というもの、そして、常に心の部分で寄り添う形というのが今一番私は大切であるなというふうに思っております。そういったことが一つ一つ確立されていくことによって、少しずつそういった女性のキャリアを積んでいく、あるいは子育てもしっかりとしながらというロールモデルが増えていくと思うんですね。ロールモデルが増えていくということになると、私もできるんだ、私もこういうことを参考にしてやっていこうというようなことに、非常に前向きな姿勢でいけるようになるんだというふうに思うもんですから、そういう環境整備に全力を尽くしていきたいというふうに思っています。
(記 者)
 14日土曜日に札幌市で開かれた、自民党の札幌市支部連合会へ出席された際のコメントについてです。大臣、札幌市が目指す2030年の札幌冬季五輪について、実現に向けて命懸けでやり遂げられるという御発言をされました。まだ招致が正式に決定してない中ではありますが、ただ、大臣が現時点で考える具体的な、具体策や取組などがあれば是非お聞かせいただければと思います。
(大 臣)
 札幌市で開かれた来賓挨拶だったんですけど、基本的に「命懸け」というのは、私の座右の銘の一つですから、全てのことにおいて命懸けでやるということには変わりない中でなんです。全体的な背景を説明をせずに、あの時間では2030年の冬季札幌開催、北海道開催というものを常に要望されているということもあって、全力でその招致活動に力を注ぎたいということだったんです。その背景はどういうことかというふうに申しますと、今年の6月のIOC総会におきまして、オリンピック・パラリンピックの開催に関して変わったことが、二つあったんですね。その二つあったことの一つが、開催をするということから、今までは長年にわたってIOCは7年前に決定をしてたんです。ですが、今年の6月のIOC総会において決まり、発表されたことは、7年前に開催地を決定するということの決まり事だったことが、今回、オリンピック憲章から削除されました。そして、じゃあ今後どのようになっていくのかというふうになったことに関しては、IOCの総会では、あのときは、今後、IOCの中に将来開催地委員会というのを設置するということが決められたんです。そこで決まったことは、夏季オリンピック・パラリンピック開催に対しては10名、そして冬季のオリパラの開催に関しての将来開催地委員会は8名、この10名と8名で各委員会が構成をされるというところまでは決まりまして、そこからIOCが今後どういうような基準で、いつ、どのようにオリンピックの、パラリンピックの開催地が決まっていくかということは、その委員会が設置をされた後に基準がIOCから示されることになると私は承知しています。そして、その6月の総会から、今後この年内にかけて、IOCから、どのような形でそれぞれのNOCに対して開催地を決定するプロセスというものが決まるかということが発信されるはずだということまでは承知しています。それを受けまして、今後、将来開催地委員会が、その手を挙げた開催地に対していろいろな調査をして、そして、いろいろな調査をした結果をIOC理事会に上げて、IOC理事会によって今度はIOC総会に諮っていくという流れまでは発表されたことで当然もう御承知のとおりだというふうに思います。その中で、今後、JOCがそのIOCからのプロセスが発表されたときに正式に手を挙げていく可能性もあるかというふうにも承知をしているんですけれども、7年前に決定するということが削除された以上は、もしかしたら、将来開催地委員会が、いずれ日本のどこかの都市が手を挙げていくだろうというふうに見たときに、オリンピック・パラリンピック東京大会というものを成功させていくプロセスといいますか今後の動きもそこに非常に重要な要素になっていくということが想定されるということなんですね。そうすると、結果的に、2020年というものを成功させ、そのことがレガシーの一つとなって2030年につながっていく可能性というのは非常に重要なことだと承知をしています。そこで私自身の、今後実際に札幌市が手を挙げる、それに対してJOCがバックアップといいますか立候補をするということになれば、一丸となっていくということは考えられますので、遡ってそこからというんではなくて、今この2020年を、しっかりとした開催運営をしていくという手順を組んでいく姿も、将来開催委員会においては非常に重要な要素であるんだということは当然のごとく判断されるというふうに思います。私はやはりレガシーとして、全てにおいてのいいレガシーを次の世代に持っていくということに関しては、全てが招致にもつながっていくんだろうという判断の下で「命がけ」という表現をしたというのが私自身にとっての思いです。
(記 者)
 引き続きなんですけど、まず東京五輪の成功というのが第一だと思うんですけども、まずは東京五輪を成功させて、そのレガシーとして、それで札幌になるか他の都市になるか分かりませんけども、札幌市がそういう意向を示しているので、そういうところにつながればという思いでしょうか。
(大 臣)
 はい、そうです。
(記 者)
 分かりました。
(記 者)
 質問、話が戻って恐縮なんですが、テコンドーに関する問題への対処について1点お伺いしたいんですけれども、テコンドー協会自体が、過去に公益法人を自主的に返納するといったこともありまして、今回の問題の根底にも、選手から協会に対する運営に対する不信感みたいなものがどうもあるようなんですけれども、飽くまでも今回の合宿の不参加問題については、競技団体の自主的なその対応によって解決すべき問題なのか、競技大会の自助作用に任せるのは限界があるのかなというような印象も受けるんですけれども、大臣、この辺りお考えがあればちょっとお聞かせいただけないでしょうか。
(大 臣)
 様々な問題があるというふうに認識しているんですけれども、ですが、この問題は、やはりまずは協会が選手としっかりと向き合って健全な運営ができる努力をしていただかないことには始まらないというふうに思うもんですから、まずはそれが一番重要であるというふうに思います。
        
 以上