令和2年1月14日


閣議後定例記者会見


1.冒頭発言
 あけましておめでとうございます。2020年になりまして、初めての記者会見となりますが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2.質疑応答
(記 者)
 新年の抱負と、先日のヨーロッパ出張の成果や感想がありましたら、お聞かせください。
(大 臣)
 いよいよオリンピック・パラリンピックの年を迎えました。アスリート時代から、オリンピック・パラリンピックの年を迎える新年というのは、いろいろな思いを巡らせてきましたけれども、自国開催のオリンピック・パラリンピックの担当大臣として今年を迎えまして、今までにない緊張感といいますか、責任を感じる新年を迎えたと思っております。3月には聖火リレーがスタートしますので、全国の皆さんと7月の開会に向けて盛り上がりを共有して、成功に導いていかなければいけないと思っております。そして、復興オリンピック・パラリンピックなくして東京大会の成功はなしということで、復興オリンピック・パラリンピックをもっともっと盛り上げていかなければいけないなと思っております。その中でホストタウン、あるいは共生社会、そして「ただいま・おかえりホストタウン」等々の事業についても、全力を挙げてやっていきたいと思います。何よりもしっかりとした、次世代にレガシーというものを構築していかなければいけませんので、そういったレガシーもしっかりと創出できるように取り組んでいきたいと思っております。また、男女共同参画についてですけれども、次の5年間の男女共同参画社会の形成に向けた総合的な計画というのが、令和2年度内に策定をするということになっておりますので、この基本計画の策定に向けた検討もしっかりとやっていきたいと思っております。女性の積極的な採用、あるいは登用の促進、そして男女が共に仕事と生活を両立できる環境の整備と、女性に対するあらゆる暴力の根絶のための取組、今年もこのダブルリボンバッジありますけれども、こういった取組をしっかりとやっていかなければいけないと思っております。また、国際社会においては、北京プラス25として、国連の場などで様々な国際会議が予定されております。ちょうど私が国会に参画させていただいたのが25年前、初めて国会議員として北京に行かせていただきました。そのときの女性国会議員の数からしますと、日本もかなり増えてきているわけですけれども、世界的に見てもまだまだ少ないということもありますので、こういった取組も含めて、世界の動向も踏まえながら、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。やはり、男女共同参画、すべての女性が輝く社会づくりということにおいては、引き続き安倍内閣における重要な柱の一つでありますので、担当大臣として、全力を尽くしていきたいと考えております。また、先週7日から12日までパリとローザンヌ、フランスとスイスに出張してまいりました。フランスにおいては、フランスのエネルギー会社のエンジィに視察をさせていただきまして、2030年までに女性の管理職の割合を50%にすることを目標ということであったり、あるいは働く女性のみならず、働きながら子育てをしていく世代の方たちに対しての家庭の支援というものを大変力を入れられており、社内の保育園も視察をさせていただきました。そういった取組をしていく中で、非常に印象的だったのは、女性の活躍というのは火にかけた牛乳と同じということがフランスの言葉にあるようで、それはどういうことかというと、常に目を離さず絶え間なく取り組んでいかなければいけないということをおっしゃっておりまして、これは非常に印象的だなと思いました。また、オリンピック・パラリンピック関係では、私何度もお会いしているんですけれども、マラシネアヌ、フランスのスポーツ大臣、元水泳の金メダリストでありますけれども、そういった方やカスティクス2024年のパリ大会関係省庁の代表と会談をしてまいりました。昨年、ラグビーのワールドカップがありまして、そしていよいよ今年はオリンピック・パラリンピックということですけれども、同様に次の2023年のラグビーワールドカップはフランスで行われて、そしてさらにオリンピック・パラリンピックもパリ、フランスで行われるということで、この2つの大きな大会が同じように4年後に向かっていくというのも、今までにないことでもありますので、そういったことの情報共有をしながら、今後、パリ大会に向けて、あるいはパリのその後の問題というものに対して、どのように二国間連携をとって、そういった発展性をもって、持続可能な社会をつくり上げるために、このラグビーそして東京大会オリンピック・パラリンピックというものをどのように位置づけていくかというような、そういった話をすることができたことは非常に有意義であったなと思っております。また、スイスのローザンヌにおいては、バッハ会長はじめ、コーツ調整委員会委員長ですとか、IOCの関係者と対談をすることができまして、非常にいい機会を得させていただいたなと思っております。特に、バッハ会長からは、東京大会に向けた進捗状況というのは、非常に高い評価をいただくことができましたので、ここで安心することなく、更に今まで以上の成熟した国家としてのオリンピック・パラリンピックの成功に向けて、様々なことのシミュレーションしながら、全力を尽くしていかないといけないということを改めて感じました。そして、今まさにユースオリンピックがローザンヌで開催されておりますけれども、その開会式を見ることができまして、今度のオリンピック・パラリンピックの開会式が今後どのようににぎわいを見せていくのかということも、自分自身の中で開会式を見ながら想像を豊かにしたところでもありました。今回はやはり、もう一つ印象的だったのは、パリにまた話が戻るんですけれども、パリのスポーツクラブチームというんでしょうか。学校には体育の授業がないんですね。そこで、スポーツをする環境というのは、地域クラブでしかないということで、そういった取組を柔道を初めとするパリの地域クラブ、スポーツクラブを見学して、皆さんに意見を聞かせていただいたんです。非常にそういったこともマラシネアヌスポーツ大臣は、そういった取組と同時に、日本の学校における体育の授業というものが非常に理想的だというお話をされておりまして、そういった取組も今後考えていきたいというようなことの意見交換もできたということは、非常に私にとっては、全体を通じて有意義な視察をすることができたと思っております。こういったことを東京大会に向けてしっかりと、また更に取組を進めていきたいと思っております。これが大体、パリとローザンヌを視察してきた感想です。
(記 者)
 先程、ヨーロッパ出張に関連してなんですが、ローザンヌで行われたIOCとの、バッハ会長との懇談なんですが、大臣と札幌市長が同席して懇談して、会長から東京五輪のマラソン、競歩の開催地となったとともに、2030年の冬季五輪招致を目指している札幌市への高い評価等もあったと聞いております。バッハ会長によると、国も30年の札幌市の冬季五輪招致活動を支援する意向を与えられたと報道されているんですけれども、大臣の懇談の感想と、あるいは冬季五輪招致への手応えや期待感などがあれば是非お聞かせください。
(大 臣)
 バッハ会長、そしてコーツ委員長、あるいは将来開催地委員会委員長も同席をされての会談をすることができました。札幌市長からの東京から札幌にマラソン、そして競歩が会場変更になったことへの準備状況というのもお話をされた中で、バッハ会長からは、非常にそういった迅速な取組と今後札幌、2030年に向けた取組というものに対しての評価が非常に高かったなと印象があります。それと同時に、ただ、国としてどうかというときには、やはりこれから正式にJOCが今月末になるということですけれども、12月末までに募集した中で札幌市以外、冬季のオリンピック・パラリンピックに当面手を挙げるというところがなくて、札幌だけになったということもあって、それを受けてJOCが今月末に正式に札幌ということで、IOCへの立候補を表明するということは聞いていますけれども、それがなされなければ、国としての動きというのは正式にお話をすることができません。ただ、一般的には、やはり何よりも2020年のレガシーとしては、そういったことを継承していくというのは、レガシーの一つでもあると思いますので、前向きに取り組んでいくということと、そして前向きな発言をバッハ会長から得ることができたというのは、非常に良かったんではないかなと思っております。
(記 者)
 バドミントンの桃田選手が、東南アジアの遠征中に交通事故に巻き込まれるという実態がありました。オリンピックの開幕が迫った中でこのようなことが起きたことに関する大臣の受け止めと、それと競技団体やJOCが中心になると思いますが、海外を日常的に転戦する選手、増えていると思うんですけれども、こうした選手の安全管理等について、例えば何かいま一度見直す必要性等があるのか、その辺りは考えていらっしゃいますか。
(大 臣)
 私はちょうど帰国をした翌日にこのニュースを知りまして、大変驚いたと同時に、今後についてどのようにしていくべきかと、様々な思いが巡りました。状況を把握していく中で、今現地で入院中ということでありますけれども、大事に至らずに、何とか回復に向けていけるんではないかということを知りまして、ほっとしたのと同時に、今後メンタル的にですね、肉体的にも強い桃田選手ではありますけれども、一日も早い全てにおいての回復、これをもう祈るばかりです。そして私もJOC時代から海外のそれぞれ単独で合宿に行かれる、あるいは滞在に行く、そして団としてJOCで派遣をする、それぞれのパターンがありますけれども、常に安心と安全という環境を整備していかなければいけないというのは、日々考えてきていることであります。こういう中で今回のこういった事故が起きたということは、また更に今まで以上にしっかりとした管理体制と、安全の管理ですね、そういったものを各連盟やあるいは各国際レベルでの競技団体との情報を共有しながら、どのような環境の中で選手たちが移動していくのかということも含めて、これは全力を挙げてやっていかなければいけないというのが私自身の考えです。これをやはり各競技団体やJOCも今後しっかりと精査をして、検証して、いち早くそういった取組を、今までもやっていると思いますけれども、それ以上の取組をしていくことだと思いますが、それを願っております。
(記 者)
 JOCの山下会長が正式にIOCに選ばれまして、先程もちょっと質問出ましたけれども、今後2030年札幌を見据えたときに、改めてJOCで長くお仕事をされていたというところもあると思いますけれども、山下会長の国際社会での活躍ですとか期待される点ありましたら。
(大 臣)
 大変うれしいことの一つでした。今回の山下会長がIOCのメンバーに選任をされたということ、これで体操の国際会長であります渡邊さんと山下会長2人がIOCのメンバーになったということで、久しぶりに日本からIOCのメンバーが2人体制になりましたので、この状況を踏まえながら、今後大いに活躍をしていただくために、国としても、あるいはスポーツ団体としても、しっかりと取り組んでいかなければいけない、あらゆる面においてですね、取り組んでいかなければいけないと改めて感じました。やはりいろいろな部分において決定権はIOCですので、このIOCのメンバーに日本が2つ席を持てるということは、非常に心強いと思いますし、あらゆる面においてのやはり主導権をしっかりと握るといいますか、発言力を持つ立場にいていただきたいなと期待をしているところです。
(記 者)
 先程の桃田選手の件の関連なんですけれども、国際レベルの競技連盟などで情報共有しながら全力を挙げてやってもらいたいうのは、大臣として何かお願いをするとか、そういった具体的な動きはあるんでしょうか。
(大 臣)
 やはり交通事情ですとか、いろいろやはり現地の方でなれていらっしゃる方にお任せをしないといけないと思うんですね。ただ、そういったときに、全て移動の手段においては、例えば旅行会社にお願いをするというケースが今までもたくさんありますので、更にそういったお願いをする、お任せをするということ以上に、中に入っていただく旅行会社ですとか、あるいは現地の方との状況というものをやはり、ただお願いをするだけではなくて、しっかりとどういう状況かというのを把握していくことも必要なのではないかなと改めて感じました。
                            
 以上