追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会(第1回)
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| 1 | 日 時 | 平成13年12月19日(水)17:00〜17:45 |
| 2 | 場 所 | 総理大臣官邸大客間 |
| 3 | 出席者 |
| (政府側) | 福田 康夫 | 内閣官房長官 | |
| 安倍 晋三 | 内閣官房副長官(政務・衆) | ||
| 上野 公成 | 内閣官房副長官(政務・参) | ||
| 古川 貞二郎 | 内閣官房副長官(事務) | ||
| (委 員) | 今井 敬 | 社団法人経済団体連合会会長、新日本製鐵株式会社代表取締役会長 | |
| 上坂 冬子 | ノンフィクション作家、評論家 | ||
| 坂本 多加雄 | 学習院大学法学部教授 | ||
| 田中 明彦 | 東京大学大学院情報学環教授 | ||
| 西原 春夫 | 学校法人国士舘理事長、元早稲田大学総長 | ||
| 御厨 貴 | 政策研究大学院大学教授 | ||
| 山崎 正和 | 劇作家、東亜大学長 |
| 4 | 議事内容 | |
| (1) | 内閣官房長官挨拶 |
| 委員皆様方には、御多忙のところお集まりをいただき、心から御礼を申し上げる。小泉総理大臣は、去る8月13日の談話の中で、靖国神社や千鳥ヶ淵戦没者墓苑に対する国民の思いを尊重しつつも、内外の人々がわだかまりなく追悼の誠をささげるにはどのようにすればいいかを議論する必要があると述べられた。また、21世紀を迎える我が国にとって、来年は「日本国との平和条約」発効からちょうど50周年という意義のある年でもあるので、これを機会に、委員の皆様方、有識者にお集まりをいただき、何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠をささげ、かつ、平和を祈念することのできる記念碑等の国の施設の在り方というものについて幅広く御議論いただきたいと考えている。皆様には、施設の必要性の問題、そしてまた種類、名称、設置場所などについて、おおむね1年間をめどとして高いお立場から自由に御議論をいただきたい。 |
| (2) | 運営方法等 |
| 官房長官の指名により今井委員が座長に就任、委員の互選により山崎委員を座長代理に選任。 | |
| 懇談会の議事内容の公表について、以下のとおり確認。 |
| ・ | 懇談会の状況については、各会合の終了後に座長から記者会見を行う。 |
| ・ | 無記名の議事要旨を速やかに公表する |
| ・ | 配布資料については、特別な場合を除いて、原則として公開する。 |
| ・ | 議事要旨と資料の公開については、官邸のホームページで公表する。 |
| 検討スケジュール等について以下のとおり確認。 |
| ・ | おおむね1年を目途とし、開催の頻度は原則月1回程度とする。 |
| ・ | 必要に応じて関係者に出席を要請し、意見聴取をする。 |
| (3) | 委員自己紹介等 |
| ○ | この会の課題は、国のために、あるいは国の行為の結果として亡くなった人をいかに追悼するかを考えることだろうと思う。直接には小泉総理大臣の談話発表があって開かれたわけだが、当然語られざる背景として靖国神社の存在があろうかと思う。靖国神社は法的には一宗教法人であるという意味においてあくまでもプライベートなインスティチューションである。従って、本来ならば誰がどういう資格でお参りになろうと問題ないはずだが、過去その国家との関係がややあいまいである。あいまいなままに置かれていたために何かと問題を引き起こしている。この際、国が公に戦没者等をおまつりする場所ができれば、靖国神社問題も自動的に解決するであろうというのが私の今の見方である。 |
| ○ | 今、総理の談話を拝見したが、大体一番最初に「とりわけアジア近隣諸国に対しては」から始まって「困難な時代に祖国の未来を信じて」となっている部分が気になる。この会合は、近隣諸国が初めにあるのか、初めに日本国ありきなのか。私は、断じて初めに日本国ありきでないと発言しにくいという気持ちでここへ来ているので、まずその点を最初に討論するなり、固めていただきたい。 |
| それから、きっかけは総理なのであるから、心情を語っていただくために総理に一度は御出席いただきたい。 |
| ○ | この懇談会の趣旨として、最初にこの施設が必要か否かということを論じるんだということで、それは私の考えに即して発言してよろしいということで委員となることをお引き受けした。総理の談話を拝見して、すべての人がわだかまりなく追悼の誠をささげるにはどのようにすればよいかというのは、非常に重大なテーマであるが、問題はわだかまりの意味である。一部の外国政府が、例えば靖国神社に参ることに何かわだかまりを覚えるというのは理解しているが、日本国民が果たしてわだかまりを感じているのかについては、私は疑問に思う。さらに、追悼の誠ということであるが、まず外国の方から意見があって、そこでわだかまりが生じ、そのために別の追悼施設をつくるというときに、これが本当に追悼の誠をささげることになるんだろうか。国民のかなりの部分の中で、現在の靖国神社や千鳥ヶ淵では追悼の気分になれないという意見があれば、政府の責任で新たな追悼の施設を設けることには何か意味があると思うが、そうでないときに追悼の誠が本当にこの新しい施設で達成できるかということに疑問を感じる。 一たんそうなって国民はほとんど参らないというときに、外国の賓客をそういうところに案内して花をささげたりすることは、実は外国の賓客に対しても失礼に当たるという気がする。その辺りから、必要性について今後とも御意見を申し述べさせていただければと思っている。 |
| ○ | 日本国民が自分たちのことを考えるときは、まず日本国民自身の心ということを前提に考えるべきだと思うが、そうは言っても日本国民だけで世界の中で存在しているわけではなく、日本国民が行ってきた歴史というのは、日本国民と周辺諸国の人々との共有する歴史だろうと思う。いろいろな理由で、靖国神社の問題、追悼の問題は政治化し、何か問題がある度に日本国内政治の問題にもなるし、国際政治の問題にもなる。現実には毎年夏が来る度にさまざまな問題が起きる。このような状況では、21世紀の東アジアの国際政治を安定化させるのはなかなか難しいのではないか。総理が8月13日に靖国神社に参拝したことについても国民の反応はさまざまだったと思う。だから、その国民の反応をもう一度振り返りつつ、また長期にわたる東アジアの国際政治環境の安定というものの中からどのような形の行為を行うか。これは非常にシンボリックな行為であり、それ自体として政治的な意味がくっついているので、この政治的な意味をすべて御破算にして新たにもう一度つくりなおすのはなかなか難しいと思う。 したがって、長期的なことを考えて、ここで新たな形の追悼の誠をささげるための新たなシンボリックなものができ、それができるだけ多くの人にとって毎年政治的活動をしなければならなくなるのを防ぐというようなものができればいいなと思っている。 |
| ○ | 大学にいる間に国際交流の在り方、平和、近隣諸国との友好について考えたり、外国を訪問したりする大変多くの機会があった。更に、3年間ヨーロッパにいて、通貨統合直前のヨーロッパ統合に向けて大変な努力をしているヨーロッパの姿を見るとともに、その立場からアジアは一体どうなるんだ、日本は一体どうなるんだろうかとずっと考え続けてきた。そういういろいろな考え方から、総理が8月15日に靖国神社を参拝されるという方針を出されたことに対し、ある一つの考え方からお手紙を差し上げた。その考え方というのは、当時よく議論された靖国神社参拝が違憲であるとか、近隣諸国に配慮すべきであるという議論ではなく、もっと違う次元からの意見であった。結局、採択されなかったが、恐らく委員に任命されたのもそういうことがあったのではないかと推測している。その考え方については、いずれこの懇談会の席上で、時間を取って発言させていただきたい。 |
| ○ | 戦没者を悼むという行為がどういう形で表現されるのか、言葉の上での表現と同時に、その言葉の上での表現がどうしても形を必要とするならば、その形となるものも議論するという感じがする。最初から記念碑ありきではないという感じを持っている。靖国神社問題、もう一つ言えば日本の近代、特に近代史をどう考えるかという問題と決して無縁ではない。そういう歴史の政治化という現象が90年代に非常に強くなってきたことに対して、一度きちんと議論を整理したい。その議論を整理したところで、シンボリックな意味での追悼平和祈念のために何をしたらいいのか、あるいは何もしない方がいいのか、そういう議論が出てくるという気がする。一から議論に参加したい。 |
| ○ | 総理が非常に純な気持ちで8月15日とおっしゃって、その反響が非常に近隣諸国で大きかった。これはきちんと整理しておかないと、日本の国内問題だけで済まされる問題ではないと思い、中国で江沢民、韓国で金大中、台湾で陳水扁、皆さんにお会いした。江沢民、それから金大中さんは3度総理にお会いして総理が非常に誠実な方だということがわかり、わだかまりはなくなったと思うが、7つの課題の中に靖国問題が挙がっており、来年以降また同じことが起これば同じ問題が起こると思っている。いろいろな立場からきちんと整理しないといけない問題であり、必要か必要でないかを含めてまず議論を始めて、何人もわだかまりなくというのは一体どういう方を追悼するのかとも関連すると思うが、幅広く議論をしていかなければいけないと痛感している。 |
| ○ | 小泉総理の思いを一遍聞いてみたいというお話だが、小泉総理はこの問題に当然のことだが大変関心をお持ちである。小泉総理には、ちょっと離れて皆様方の議論を見ていただいた方がいいと思い、私が座長から御報告を伺うという立場になることにした。しかし、いずれなるべく早い機会に肉声や思いを聞いていただく機会もあってもいいのではないかと思っている。私もこの問題についてはいろいろ考え悩んできたところであり、私自身の思いがあるが、まずは委員の皆様方の御意見を拝聴したい。国内向けか外国向けかということについては、間違いなく国内向けである。施設そのものについては、もしつくるとすれば、あくまでも国内向けだということは御了解願いたい。国の施設として日本国向けのものであるということは大前提だと思う。 |
| (4) | 意見交換 |
| ○ | 懇談会の期間は1年ということだが、来年の8月に同じようなことが起こるとやはり大変だなという感じを持っており、もちろんそこまでに結論を出すというのは難しいと思うが、何かの基本方針でも出ると少し違ってくるのではないかという気もしている。これは来年の状況にもよるわけだが、少し審議促進ということで、月に2回くらいどうかと考えている。 |
| ○ | 今の予定では、来月は現状整理、その後現状を踏まえての意見交換、論点整理をして、そしてその論点に基づき各論としていろいろな討議をしていくことになると思っている。ただ、いたずらに時間をかけることがいいということでもないので、意見がそろってくれば早く結論を出してもいいとは思う。 |
| ○ | これは国の相当大事なことにかかわるので、もちろん靖国参拝とは別個な問題ではあるが、関連するということからすると、どちらかと言うと早目の方がいいのではないかという気持ちがある。 |
| ○ | 進め方の問題だが、我々の知識を増やすためにあと1回やってもらい、その後、場合によっては集中審議をやるとか、小委員会方式をとるなどすれば議事は促進されるのではないかと思う。私の経験だが、例の小渕総理の構想のときには合宿して1泊でやった。そういうやり方もあるし、逆に2人、3人の部会をつくって問題別にやれば非常に実質的な議論で固まるので、考えて欲しい。 |
| ○ | 恐らく何回目かに各人の意見をまとめて述べる機会があると思うが、その際、例えば発言要旨をペーパーで用意して配布した上で発言をすることは可能か。 |
| ○ | それは構わない。 |
| ○ | 先ほどから「何人もわだかまりなく」というふうにさらっと言うが、どんなに言ってもわだかまる人はわだかまるわけで、わだかまりの質をある程度分けたいと思う。 |
| (5) | 閉会 |
| ○ | 次回の会合については、後日皆様方の御都合について調整した上で、別途事務方から日程等をお知らせする。 |