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首相官邸 追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会
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資料2−1

千鳥ヶ淵戦没者墓苑について

平成14年2月1日
厚 生 労 働 省

1.千鳥ヶ淵戦没者墓苑設置の趣旨

 千鳥ヶ淵戦没者墓苑(以下「墓苑」という。)は、遺族に引き渡すことができない戦没者の遺骨を納めるために国が設けたものである。現在、墓苑には、約34万8,000柱の遺骨が納骨されている(海外戦没者概数 約240万人)。


2.墓苑設置の経緯等

(1)「無名戦没者の墓」に関する件(昭和28年12月11日閣議決定)(別紙1)

 先の大戦による海外戦没者の遺骨については、「日本国との平和条約」の発効を機会に、計画的に収集を行うこととされ、昭和28年1月から本格的に政府による収集が行われた。

 しかしながら、収集された遺骨の大部分は、氏名の判別が困難で遺族に引き渡すことが不可能であることから、これらの遺骨については、昭和28年12月11日の閣議決定「「無名戦没者の墓」に関する件」において、概ね次により取り扱われることとされた。

 遺族に引き渡すことができない戦没者の遺骨を納めるため、国は「無名戦没者の墓」(仮称。以下「墓」という。)を建立する。

 「墓」に納める遺骨は、政府において収集する戦没者の遺骨及び現に行政機関において仮安置中の戦没者の遺骨であって遺族に引き渡すことのできないものとする。

 「墓」の規模構造については、関係方面の意見を徴した上所要経費とともに別途決定するものとする。

(2)「無名戦没者の墓」に関する打合会議(昭和29年6月から昭和32年2月まで)

 昭和28年の閣議決定を受け、関係方面の意見を徴するため、厚生大臣主催の下、次のような会議が開催された。

 主な出席者
  衆議院(自由党、改進党及び日本社会党)
  参議院(自由党、緑風会、日本社会党及び改進党)
  日本遺族会 日本宗教連盟 海外戦没者慰霊委員会
  全国戦争犠牲者援護会 全日本無名戦没者合葬墓建設会
  日本英霊奉賛会 靖国神社 日本建築学会 日本造園学会
  全国知事会 東京都 内閣官房 大蔵省 文部省 建設省 厚生省

 主な合意内容

 「墓」の性格については
I.遺骨を収納する納骨施設である
II.収納するのは、遺族に引き渡すことができない遺骨である(全戦没者の象徴として一部の遺骨をまつるとする諸外国の「無名戦士の墓」とは異なる)
とされた。

 場所については、靖国神社境内等様々な意見があったが、現在地(宮内庁宿舎跡地)とされた。

(3)「無名戦没者の墓」の敷地に関する件(昭和31年12月4日閣議決定)(別紙2)

 昭和31年12月4日の閣議決定「「無名戦没者の墓」の敷地に関する件」において、「無名戦没者の墓」(仮称)の敷地には、現在地(東京都千代田区三番町所在の国有地の一部)を充てるものとされた。

(4)竣工及び追悼式並びに拝礼式

 昭和34年3月28日、天皇皇后両陛下の御臨席及び内閣総理大臣、各大臣、関係団体等の出席の下厚生省主催の竣工及び追悼式が行われた。

 昭和34年の竣工式以降に収集された遺骨を墓苑に収納するため、昭和40年3月28日、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、厚生省主催による納骨式を行うとともに、併せて墓苑に納められた遺骨に対して拝礼を行うための拝礼式を行った。その後毎年、皇族の御臨席及び内閣総理大臣、関係大臣、関係団体、遺族等の出席の下厚生労働省(厚生省)主催の拝礼式を行い、前回の拝礼式以降遺骨収集等で新たに持ち帰られた遺骨を納骨することとしている。

(5)墓苑の構造(別紙3)

 設置当時
 本屋(いわゆる六角堂)の中央に据えられた陶棺に主要戦域の代表遺骨を納め慰霊の象徴とするとともに、その下に納骨室(60m)を設置し、納骨していた。
 なお、昭和41年度までは、各戦域から戦没者の遺骨の象徴として一部の遺骨のみを我が国まで送還することとしていたところである。

 納骨堂の増設
 昭和42年度以降は収集した遺骨はすべて我が国まで送還することとしたため、送還される遺骨が増加した。このため、平成3年には六角堂の奥正面の地下部分に納骨室(30)を増設し、遺族会等関係者を招き、増設竣工式を挙行した。その後、旧ソ連地域の遺骨収集の実施等による送還遺骨数の増加により、平成11年度にも関係者に説明の上、増設(290)を行った。

(6)管理等

 墓苑については、敷地が公園敷地に当たり、環境省が管理している(厚生労働省は、増設納骨室のみ管理)。

 財団法人千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会(瀬島龍三会長)が墓苑の清掃等維持管理に協力している。


3.最近の動き

(1)墓苑の改善要望等

 最近、墓苑の増設納骨室について、納骨室としてふさわしくない形状である、増設した納骨室前にも献花台を置くべきであるなどの意見がある。国会においても、墓苑をよりよいものとすべきとの議論があり、小泉首相も賛成であると発言している。

(2)対応

 厚生労働省及び環境省において、墓苑の改善を図るため、平成14年度政府予算案に所要の予算を計上したところであり、墓苑の構造等については、今後、関係者を交えて具体的な改善内容を検討していくこととしている。