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郵政民営化に関する有識者会議第20回会合 議事要旨


日時:平成16年11月26日(金) 10:04〜11:37

場所:中央合同庁舎第四号館(11階) 共用第一特別会議室


○中城審議官 それでは、定刻になりましたので、これより郵政民営化に関する有識者会議の第20回の会合を開催いたします。
 本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 なお、竹中大臣、国会の方にご出席で、今日は出席できないというご連絡が今あったところであります。
 それでは、早速議題に移らせていただきますが、これまでと同様に資料説明については、ポイントをかいつまんだ形でさせていただきます。
 初めに、事務局より、郵貯、簡保の既契約を新契約と一括して運用するための具体的な仕組み、それから、郵便保険会社民有民営後の公社承継法人契約の取扱い、監視組織の具体的な機能の3点につきまして、お手元の資料に沿ってご説明させていただき、その後ご議論いただきたいと存じます。
 また、お手元の資料の中に、11月22日に、日本郵政公社の生田総裁から、渡辺郵政民営化準備室長に提出のあった骨格経営試算に対する意見をお配りしておりますので、後ほどご覧いただければと存じます。
 それでは最初に、郵貯、簡保の既契約を新契約と一括して運用するための具体的な仕組みにつきまして、ご説明させていただきます。

○竹内審議官 それでは説明させていただきます。まず1ページ目、基本方針でございます。
 これはご承知のところと存じますが、一番ポイントになりますのは、一番下のところでございまして、公社勘定から生じた損益は、新会社に帰属させると、こういう基本方針の中で、前回、私どもとしては、特別預金スキームと信託スキームについてご説明させていただいたわけでございます。資料の方に、図が最後の方についております。
 2ページ目でございますが、これは有識者会議、前回のときの関連する議論ということで、皆様方の議論を私どもの方でまとめさせていただいております。皆様のご意見そのものだと思っていただいて結構でございます。
 今回の議論ということで、3ページ目でございますが、一つ、私どもの方でまとめましたのは、新旧勘定を分離する意義ということについて、基本方針を踏まえ、以下のように整理されるのではないかとまとめさせていただきました。もう、既にご承知と思いますが、一応読ませていただきますと、(1)これまでの民営化事例では、既存の政府保証債務も新会社が承継することが通例であるが、今回は、(1)新会社が契約する預金・生命保険については、政府保証は付かないものであること、(2)旧契約の郵便貯金・簡易生命保険については、引き続き政府保証が付されるものであることを、一般の利用者に対してより明確にするため、旧契約に係る政府保証付債務は公社承継法人に引き継ぐとの政策対応をとったものであるということでございます。
 また、(2)法人格分離を行うことで、新会社の運用リスクが政府保証付債務に係る預金者及び保険契約者に及ぶ可能性を極力回避し、過去の政府保証から国民負担が生ずるリスクを回避するスキームを構築する基盤ができるという観点があろうかと考えているところでございます。
 スキームにつきまして、これまでの検討状況でございますが、会議でのご議論等も踏まえまして、私どもとしては、ディスクローズの充実と、イコールフッティングが重要ではないかと考えておるところでございます。
 まず、ディスクローズにつきましては、基本方針に基づき「公社勘定に関する実際の業務は郵便貯金会社及び郵便保険会社に委託し、それぞれ新契約分と一括して運用する。」こととなっておりますが、新会社の経営状況を的確に把握していく観点からも、郵貯会社・郵保会社が「公社勘定の資産・負債の管理」部分について管理会計上の損益を把握し、公表していく必要があるのではないかということで、公表の方法等について検討しているところでございます。
 また、イコールフッティングの問題でございますが、特別預金が預金保険の対象とならないことから、郵便貯金会社に超過利得が生じるとの見方も可能で、信託におきましても、損益が新会社に帰属することから同様の問題があるわけでございますが、イコールフッティングの観点や骨格経営試算も踏まえまして、更に検討を進めるべきではないかということで検討しているところでございます。
 また基本方針に基づき、旧勘定の損益が新会社に帰属する以上、新会社、これは銀行法上の銀行又は保険業法上の生命保険会社の経営責任の範囲の明確化という観点も加味いたしまして、具体的な制度設計を行うということで検討しているところでございます。
 以上のように、法制的な詰めも、前回もちょっとご説明しましたが、やや技術的なところも相当ございますので、法制局等、あるいは監査法人、あるいは法律の専門家等と今、詰めを行っておりまして、最も適切なスキームを検討する必要があるということで、進めているところでございます。
 前回の会議のポイントは省略させていただきます。貯金については以上でございます。

○中城審議官 それでは次に、郵便保険会社民有民営後の公社承継法人契約の取扱いについてご説明させていただきます。

○篠田審議官 資料の9ページ以下でございます。
 以前の有識者会議で、貯金、保険を集中審議いただきました際に、奥山委員の方から簡易保険については契約が長期にわたるために、移行期間経過後、つまり10年経過後にどのようにするのかをあらかじめ考えておく必要があるのではないかというご指摘がございました。これにつきまして、現時点における検討状況をご報告させていただきたいと思います。
 まず先に、11ページをご覧いただきたいと思いますが、郵政公社のご協力をいただきまして、一定の条件のもとに推計をしていただきました。その結果、11ページは、生命保険の保有保険金額の推移、つまり契約高の推移でございます。これでご覧いただきますと、平成19年当初、一番左側、162兆円余りの契約高が漸減してまいりまして、28年度末で35.9兆円の契約保険金高ということになります。
 次に、12ページでございますが、これは、資金量といいますか、資産の残高ということでございます。資産の残高でご覧いただきますと、民営化当初は113兆円余りと見込まれておりますが、これが47.9兆円、47兆円から48兆円ぐらいの資産残高が残ると、このように見込まれております。
 10ページに戻っていただきまして、そこで準備室といたしまして、内閣法制局のご意見も聞きながら、いろいろと検討しておるところでございます。ここでは、まず考え方の1でございますが、郵政民営化時点においては、郵便保険会社の円滑な民営化を進める観点から、公社承継法人と郵便保険会社との間で、承継時に再保険、または信託及び業務委託契約が締結されたものとしてはどうかとしております。
 これは、郵政省時代から、郵政事業庁を経て、現在の郵政公社に至る間で、有効に結ばれました契約につきまして、これは最後まできちんと契約を管理していくということは、政府の責任でございますので、やはりスタート時点できちんとした契約が結ばれるということが必要であるということでございます。
 次に、郵政民営化以降も、旧簡易生命保険契約は、民有民営後も長期にわたり継続することから、再保険または信託及び業務委託契約は、終期を定めないこととし、解除条件をそれぞれの契約に規定し、解除の効果は主務大臣の認可にかからしめてはどうか。
 これは、ちょっとご説明させていただきますと、民営化時点では契約を締結するということにするわけですけれども、その契約関係につきましては、一定の場合には解除ができるようにしておく必要があると考えております。これは、例えば郵便保険会社が契約者の保護に欠けるような行為をするといったような場合には、旧簡易生命保険契約の責任者は承継法人ということになりますので、承継法人側が解除する場合もあり得るべしということで、制度としてはそのように設計をしておく必要があると思っております。ただ、この場合に、安易な解除が行われますと、簡易保険契約の契約者の保護に欠ける場合がありますので、主務大臣の認可にかからしめてはどうかと、このように考えているところでございます。
 次の段落ですが、公社承継法人は、再保険または信託及び業務委託契約が解除された場合には、主務大臣の認可を受けて、他の保険会社と契約を締結できることとしてはどうかと。
 これは極めて法制上の技術的な問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、一定の場合には、解除が行われることを想定しているわけですけれども、その場合におきましても、既契約の契約者の管理ということはきちんと承継法人はしなくてはなりませんので、その場合には新たな受託者を探してきて、主務大臣の認可を受けて契約を責任をもって実行していくと、こういう仕組みをつくりたいと思っております。
 このような仕組みで2007年4月にスタートするわけですけれども、10年経過いたしました後も、先ほどご覧いただきましたように、相当程度の契約が残っておりますので、これを突然放棄するわけにはまいりませんので、この構造をそのまま残しておくということにしてはどうかと考えております。
 以上でございます。

○中城審議官 それでは、引き続きまして、監視組織の具体的な機能につきまして、ご説明させていただきます。13ページをお開けいただきたいと思います。
 監視組織につきましては、これまでに有識者会議で議論いただきまして、中立性を担保するような強力な組織にすべきではないか。それから、推進本部に直結するような形はどうかと。そして、監視組織は役割が終わればなくすべきで、設置期限を設けるべきではないか。それから、監視組織の役割として最も重要なのはイコールフッティングの確保ではないかと。それから、これまでの経営の自由度の確保、金融庁や公正取引委員会といった既存の行政機関の存在を考慮して、関与事項というのは重要なものに限定すべきではないか。時限的に狭い範囲で強い権能を持つべきではないか。それから、透明性が重要なので、事前的にも事後的にも確保すべきだと、このようなご意見をいただいているわけでございます。
 次のページでございますけれども、監視組織につきましての考え方ですが、移行期において、イコールフッティングの確保や経営の自主性の観点から監視し、民営化の進捗状況や経営上の重要事項について意見を述べることができることとしてはどうか。更に、必ず監視組織の意見を聴くべき事項として、どのような事項が考えられるかということでございますけれども、例といたしまして、窓口関係では、取扱いをする業務の範囲、貯金保険関係では、預入限度額・加入限度額の引上げ・撤廃を進めるときの考え方。それから、貸付等の業務範囲の段階的な拡大の進め方。そして、民有民営実現の判断と、こういったものが我々として考えられますけれども、その他にどういうことがあるだろうかというような点があるかと思います。
 それでは、これまでご説明させていただきました論点に関しまして、ご意見、ご質問などをいただきたいと存じます。順次、項目ごとに進めさせていただきたいと思います。まず、最初の郵貯・簡保の既契約を新契約と一括して運用するための具体的な仕組みにつきまして、ご意見があればお願いいたします。
 どうぞ。

○翁主席研究員 確認ですが、A案とB案と、両方載っておりますけれども、現在のところの検討の状況について、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。

○竹内審議官 前回、A案、B案という形で出させていただきまして、その際、たしか奥山相談役の方から、この信託の方は概念矛盾ではないかというご指摘をいただきまして、実はあの時点で必ずしも法律の専門家とか、そういう方と深い議論をしていたわけではないのでございますが、その後はそういう関係者ともお話をさせていただきまして、ざっくばらんなところで、受託者に、先ほど申しました損益は受託を受ける新会社に帰属するというのは、言い方は悪いんですけれども、ちょっと信託という基本概念そのものに矛盾するのではないかと。反則技とは言わないんですが、そういうようなご指摘も専門家等から受けておりまして、私どもといたしまして、基本方針を前提に制度設計を行うということであれば、今ご提案申し上げておりますA案と申しますか、特別預金スキームの方で法制化を図っていくのが妥当ではないかと、現実的ではないかというところで今作業を進めているところでございます。
 もちろん、第3の道というものがあるかということも、たしか翁委員の方からご指摘もいただいておるわけでございますが、残念ながら私どもの検討で出てきたのは、損益問題のある前は多分、あのとき大臣は信託で検討していたこともあるということをたしかおっしゃっておりましたが、現在の基本方針を前提に考えますと、この特別預金スキームで制度をつくっていくというのが適切ではないかということで作業を進めているところでございます。
 もちろん、先ほどのディスクロージャーとか、イコールフッティングのところ、ここにつきましては、事務方としても、いい知恵がないかさらに詰めていくというところでございます。
 以上でございます。

○奥山相談役 その点なんですけれども、これはむしろ大臣がいたら大臣にも確認したいところなんですけれども、前に連絡協議会のときは、この新旧別会社で管理して、それぞれが一緒に運用しないという考え方も一つあったかと思うんですね。しかしながら一方では、やはり合理的な運用を考えたときには、新旧一緒にした運用をすることがいいのではないかという意見もあったかと思います。しかしながら、損益までは新会社に帰属するということではなくて、合理的に運用するということで一括してやるということは結構なんだけれども、その成果、結果については、それぞれに帰属させるということが暗黙に実はあったのではないかと思うんですね。現在、それが基本方針では、新会社に帰属させるという項目が入りましたので、一括して運用するということが、すなわち合理的な成果というものが新会社に帰属するということ、いわばイコールのような関係になってしまったので、この点について非常に戸惑いがあるんですけれども、この新会社に損益を帰属させるというルールはどういう意味合いで入ったのか、もう一度確認の意味で教えていただきたいんですけれども。

○竹内審議官 大臣がいらっしゃれば、一番お答えがあれなんでございますが、後でちょっとこれ経済財政諮問会議の議事録というのは、また公表されておりますものですから、あとでその関連部分をまたお渡しさせていただこうと思っておりますが、当時の本間委員、それから多分オブザーバーでお見えになった生田総裁、それから麻生大臣、谷垣大臣、竹中大臣等のご議論が残っております。ちょっとこれを私の方でこうでありますと解釈することは、ちょっと大臣もいらっしゃらないので、適当でありませんので、文章をそのままお渡ししたいと思いますが、私どもの理解といたしましては、政府保証債務を有する公社承継法人をまずリスクフリーとするということで、新たな国民負担の回避をすることということが一つあっただろうと。それから、民営化直後の新郵貯や郵便保険会社の収益基盤が必ずしも万全でないことなど総合的に勘案して盛り込まれたのではなかろうかなと思っております。
 また、当時、生田総裁の方から、ALMから考えると新旧と分けられないから、一括運用が不可欠であろうとか、やはり経営基盤の観点から、損益とも新会社につけたらどうだとか、総務大臣なんか、後でちょっとこれご覧いただいた方がよろしいので、そんなご発言もあったというところだろうと思っております。公の議論はそんなところでございます。

○奥山相談役 そうすると、先ほどの繰り返しになりますけれども、少なくとも信託方式は、やはりこういうことからすると、とり得ないということでございますね。

○竹内審議官 こんな言葉、変なんでありますけれども、要するに受託者が利益を総取りしてしまうという信託は、概念矛盾であろうということかなと思っております。別にこんなところで、歴史を振り返るというのも変なんですけれども、たしか信託というのは、イギリスの百年戦争のときに考えられたスキームでございまして、それはなぜかと申しますと、百年戦争のとき確か、負けた方の貴族が所有権というか、領土を全部取り上げられてしまうと。百年も戦争しているから、それをやっていったらみんな領土がなくなってしまうので、それを回避するために、結局所有権は持っていない、それをだれか受託者に信託すると。しかし、その果実はもらうと。それで始まったのが今のトラストという仕組みでございます。
 今回、私は別にそんな意味合いを話すあれでもないんですが、ですから果実を全部受託者が取るということは、信託のそもそもの根源からいいますと、論理矛盾ではないかなと。こんな議論を信託法の学者の方と直接やっているわけではないのでございますが、ですからしたがって、受託者がせいぜい取れるのは信託報酬だろうと。今回の場合では郵便貯金会社や保険会社なんですけれども、その損益を全部持っていってしまうというのは、もともとさっき申し上げたように信託というのが、一種の所有権回避みたいな、ちょっとスキームから出ています。一方、フィデューシャリー・デューティということで、委託者と受託者の間には、非常に善管注意義務を超えるような信頼関係があるはずなので、ちょっとそういうものを形として使わせていただいて、こういう大きな国の政策目的の実現を行うのは、特に信託というのは、奥山委員ご承知のとおり、非常に租税回避とか、別の目的で使っていることもありまして、ちょっと制度的にも、さっき反則と言われた方の背後にはやっぱりそういう問題意識がおありになるのではなかろうかなと思っているところでございます。

○吉野教授 新旧のそれぞれが運用と、それから人件費、コストの部分を計算しませんと、旧勘定と新勘定のはっきりとしたB/SとかP/Lが出ないと思うんですけれども、運用に関しては、恐らく資産の額に応じて按分すれば一つはできると思いますが、コストに関して、人件費が多分大きいと思うんですが、どこまでが旧勘定に対するコストで、どこまでが新勘定かというところもやっぱりはっきりとルールをつくって分けていただいて、ディスクローズしていただきたいと思います。そうしませんと、ある片方の勘定に少し余計にコストを負担させることによっていろいろ収益の変化をもたらすことが可能だと思いますので、ですからぜひコストの面とか運用の面は多分ルールでできると思いますけれども、コストの面もはっきりとしたルールをつくって、それをどういうルールに基づいているかをディスクローズしていただいて、管理会計上の損益を出していただくということが重要ではないかと思います。
 それから、5ページのところで、この特別預金スキームでいった場合の運用の方に、もう一つありまして、前もちょっとメモで入れていただいたんですけれども、リスクフリーの資産、国債を持っていただくときに、やっぱり前の運用部ショックのときにはまさにそうだったんですけれども、こういう制度が変わるときに市場が物すごく不安定になります。それからこの間の金融政策のちょっと変更でも、今国債が非常に発行されてしまっているものですから、ですからこのリスクフリー資産のどういう形で持つかということもやはり市場に対してアナウンスメントをしていただきませんと、制度が変わる瞬間のときに、多分、乱高下が起こってしまうのではないかと思います。
 それから、もし、きつくはなりますけれども、ある程度法的にもリスクフリー資産でどれぐらいの期間は保有していくというようなことももしできればマーケットに対して安心感を与えるということが必要ではないかと思います。

○奥山相談役 信託勘定がだめだという前提で、次なる意見を申し上げたいんですけれども、そうなりますと、かなり明確化ということが、はっきり出なくなるということですと、特別預金にして先取特権ということになるんでしょうけれども、ここでは管理会計上の損益を把握し、公表していく必要があるのではないかと。この公表していくということは当然だと思うんですけれども、管理会計上の損益ということがもうちょっと明確に、例えばそれぞれの合理的な損益とか、意味合いをもうちょっと深めた方がいいのではないかと。管理会計というと、かなり幅広い概念ですし、また制度的にはなじまない概念ですので、もうちょっと制度上になじむような中身にして、かつそれが制度的にきちっと把握をして、それがディスクローズされるというふうな書き込みの方がいいのではないかというふうに思います。ディスクローズでいくしかやむを得ないのかなというところが、ここのところでは感じるところでございます。

○竹内審議官 今ご指摘の点、私ども、会計に関してみれば、全く素人でございますので、そういう技術的な面も含めまして、いろいろ今後ご指導いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○宇田プリンシパル まず確認ですが、新会社に入るというのは、貯金からの旧勘定の部分というのは、新会社の貯金会社に入り、それから保険からのものは保険会社それぞれに入ってくると、こう考えてよろしいんでしょうか。

○竹内審議官 結構でございます。おっしゃるとおりです。

○宇田プリンシパル その場合に、情報開示ということから考えてみると、一つは市場へのインパクトというところからの開示というのは当然必要です。もう一つは、政府保証のあるお金が入ってくるわけですね。郵貯、あるいは保険が窓口に委託をする場合に、募集とか、それから口座獲得とかに対して委託手数料を支払うというところの流れが一貫して見えるといいんですけれども、そこの部分が見えないと、政府保証債務のクロスサブの議論が大きな問題として出てくる。そのときに、2つあって、一つは今言った窓口委託手数料の決め方について一回議論をしておかなくてはいけない。
 もう一つは、預金保険料の話で、これが免除されている部分がクロスサブになるのかならないのかというお話がもう一つの点である。もしそれが明らかに優遇されているという場合に、施策としてはどういうことがあり得るというふうにお考えになっているのか。例えば持株会社に返すということなのか。持株会社に返すとなると、今度は持株会社の側でそれをどうやってディスクローズしていくかとか、管理をしていくかということがないと、単に返されても多分、後が困るということになる。貯金だけの話を超えるかもしれませんけれども、このあたりの考え方をどう整理するか現状を教えていただければありがたいんですが。

○竹内審議官 こちらのところのイコールフッティングのところで、ちょっとお書きして申し上げているんですけれども、もう一つ、実は骨格経営試算も踏まえて書きましたのは、そんなに超過利得があるのかなという逆の問題も、実際にはちょっと見えているところだと。ただしもし、そういうそもそも論として、超過利得があるということであれば、持株会社の方に何らかの形で渡すと。ただその渡し方もここが実は、ざっくばらんに申し上げまして、渡し方にいかんによって、課税の問題が生じてくるわけでございます。ですから、そういう面も踏まえまして、今非常に会計的な面、税制的な面、実際として超過利得がある点、その辺も詰めまして検討しているというところで、今の時点では検討しているというところでございます。

○中城審議官 どうぞ。

○伊藤教授 ちょっとここら辺のところ私、必ずしも専門でないので、勘違いしているかもわかりません。もし何かお考えがあれば教えていただきたいんですけれども、旧勘定を受け継いで、それは新勘定と一緒に運用する場合、具体的な新しいいわゆる新会社のさじかげんで、どういう影響があるかというところの一つの可能性として、旧勘定はもちろん自動的に受け取って、引き受けて、先取特権でやるわけですけれども、例えば一つの例として、金利が上がっていくようなフェーズを考えたときに、旧勘定の方は金利固定していますから、何もなければ、もう少し金利の高いところに変わっていきたいという預金者のニーズがあって、旧勘定が減って、新勘定がふえていくわけですけれども、そこはそこで人間のやることですから、当然入り口のところで、まあしかしそんなに変えても大変だからもうちょっと旧勘定、持っていた方がいいでしょうかとか、例えばですが、一つの言い方なんですけれども、そういう旧勘定が新勘定の裏側にあるいわゆる預金者のシフトみたいなことに対して、営業だとか窓口のところで、多少いろいろ、そういうの営業というのかどうか知りませんけれども、影響は当然あり得るわけで、それはそれでビジネスですから、ひとつ別に構わないというふうに考えるところもあるのかもしれませんけれども、要するにお聞きしたかったのは、基本方針の旧勘定の損益が新会社に帰属する以上は、新会社の経営責任の範囲の明確化というところに、そういうものも含まれるのかどうか、あるいはそういうところまで考えるべきなのかどうか。それともそこら辺のところは、全体のリスクに関係ないし、むしろ営業の範囲だからいいということになるのかもしれませんけれども、どちらかというとちょっと私の今までの見方が狭かったのかもしれませんけれども、何となく旧勘定というのは、いわゆる預金者の方の自動的な行動の中で減っていくというふうに考えていたんですけれども、結構やっぱりそれを新会社がまとめてやろうとすると、行動範囲によって相当影響を受ける部分もあって、これは後の監視の部分とも関係があるかもしれないですし、あるいはそれは民営化に向かうのだから、それはもう自由にできるのかということかもしれません。もしかしたらこのことについて何か少し皆様で議論をされて、こんな意見があったとか、こんな可能性があったということを教えていただければありがたいんですけれども。

○田中参事官 私から少し、今の伊藤先生のご質問にお答えさせていただきますけれども、ここで資料のところに一括してALM管理を、この資料の5ページ目に、現在のALM管理のことを書いておりまして、このALM管理というのは、特に過去負債の動向予測も踏まえまして、新規運用資金の期間選択と、新規貯金の金利設定を行う。それはどれだけ調達をするかということを意識してやると。この特別預金を採用した場合には、それも新会社の負債でございますので、これが今、伊藤先生がおっしゃいましたどういうピッチでいわゆる金利が上がったときに変わってくるのかということは当然新会社の経営責任、経営判断の事項に入ってまいります。したがいまして、それを前提にして金利をつけるということでございますので、先ほど言われましたように、ここの文章を書かせていただいたときには、こういう新郵貯は全体のALMについて責任を持つと。当然損益も帰属するわけですので、リスクも帰属すると。ここのマネジメントを全責任を持ってやっていただきたいという趣旨で文章を入れさせていただいたところでございます。

○伊藤教授 そういうことは、例えば金利が上がっていったときに、新会社の利得としては、旧勘定、せっかく政府保証もついているし、金利は低いかもしれないけれどもお得ですよというので、できるだけ流出を防ぐような行為を仮に経営努力としてやったとしても、それは今のALMの管理の一部というふうに考えればいいんですかね。

○中城審議官 どうぞ。

○吉野教授 先ほどと今の伊藤委員とそれから宇田委員に関係するんですけれども、これよく生保のことで起こるんですけれども、新しい保険商品に古いのを移すような手数料設計というのがあるわけですね。そうすると、セールスレディの方が非常に古いものを早くやめさせて、新しいものに乗りかえさせると。ですから、ここの手数料とか、報酬体系をどう設定するかによって、シフトというのをすごく加速することもできますし、あるいはそれを遅らせることもできると思うんです。ですから、やっぱり全体で、経営の自由とはいうんですけれども、手数料なり窓口会社と保険会社、あるいは郵貯会社の間の払い方、それから商品に対してどうするかということはものすごく全体の経営に影響するような気がいたします。やっぱりそこはしっかりと見ておいていただかないといけないような気がするんですけれども。

○中城審議官 どうぞ。

○翁主席研究員 今日お話を伺って、法的な制約を考えるとA案しかないという事務局からのお話しでございましたので、そういうことで考えますと、今ここに書かれておられるようなディスクロージャーの徹底とか、それからイコールフッティングの点を配慮したさまざまな検討というのを今後お進めいただくことしか努力の余地がない、ということなのだろうと思います。
 こちらの5ページの方にも、運用の図のところに、運用規制で、特別預金と同額のリスクフリー資産保有を検討という形で書いてございますが、基本方針でも、公社勘定の運用に当たって安全性を重視するということが基本的な方針となっておりますので、そこが明確に担保されているということが外から見てもきちんとわかるような形でディスクローズされていくということが必要だと思いますし、先ほど何人かの先生からご発言がございましたような損益のディスクローズに当たっても、いろいろなご配慮をお願いしたいというように思います。
 それから、セーフティネットの範囲ということですと、最初のところに、利用者の誤認がないようにということがございましたが、貯金の方はほとんどセーフティネットの範囲が変わりませんけれども、生命保険の方は変わる面もございますので、利用者が惑うことがないように、きちんと説明していくことを制度として担保しておくことも重要だろうと思います。
 それから、超過利潤のところについては、基本的には旧勘定の保証料のところをどう考えるかということだと思いますが、残高が下がるに従って保証料の部分というのは小さくなっていくわけで、そういったことを移行期間の制度設計を考える際にひとつ念頭に置いておく必要があると思います。

○中城審議官 よろしいでしょうか。
 それでは次に、郵便保険会社民有民営後の公社承継法人契約の取扱いにつきまして、ご意見をお願いいたしたいと思います。

○翁主席研究員 幾つか質問なんですが、例えば民間の生命保険会社でも、今は配当が金利予定利率を上回るというような可能性は余り実感としてないんですけれども、生命保険の場合は、貯金と違ってあくまでも予定利率ということで、金利が上がっていった場合は、契約者に配当が還元されるということがあると思うんですが、そういった旧契約者の利益と、今回の新旧一体で、損益を新会社につけるということは矛盾するようですがどういうふうに理解して、どういうふうに制度的に考えていけばいいとお考えか、その辺をちょっとお伺いしたいんですけれども。

○篠田審議官 今、翁委員がお話しになりましたように、そもそも生命保険事業におきましては、通常の事業会社の利益という考え方とは、伝統的には少し概念が異なっておりまして、利益に当たるものが生じましたときには、これは契約者に配当として還元していくという考え方が生命保険事業一般の考え方でございます。そういう観点から、今回制度改正によりまして、旧契約と新契約を一体として管理をしていくことになるわけですけれども、委員がご指摘になりましたように、旧契約の部分から生じた利益については、基本的に旧契約の契約者に還元されていくということは、内部管理会計をこれからつくっていくときにも念頭に置いて、制度設計に当たっていきたいと思っております。旧契約の利益が不当に新契約者の配当に回るようなことがございますと、これはイコールフッティングの上でも大きな問題がありますので、そういうことがないようにしていきたいと思っております。

○翁主席研究員 それに関連して、保険の場合は10年以上も公社承継法人というのが続くということになりますし、またもしかしたら、これ今回のご提案の一つでございますけれども、ほかの保険会社との契約ということになるかもしれないということになりますと、公社承継法人自体のガバナンスというか、それから旧契約者の保護というか、そういった観点から、何らかの工夫が制度設計上必要なのではないかなというような感じを持ちます。こういったことについてのご検討はいかがなんでしょうか。

○篠田審議官 お尋ねの点は、二つの要素があるかと思いますが、これは制度を設計する上ではこういう形で、解除があり得ることを想定しなければいけませんので、その場合にきちんとした次の受託者を探していく構造というものを制度としてはつくっていくわけです。ただ、現実にそういうことがかなりの蓋然性を持ってあり得るかということを考えますと、生命保険契約に関して膨大なシステムを持って、契約者の履歴、保険料の受け払い、あるいは保険金の受け払いといったことについて、履歴を管理していくシステムを同時に持っておりませんと、その旧契約の部分の受託ということはできませんので、現実に他の第三の会社があらわれて、その契約を受け継いでいくということは、なかなかないのかなという感じはしております。ただ制度としては、そういうことがあり得るべきことを想定して設計していきたいと思っております。
 それから、もう一つの点は、承継法人に対するかかわり方、これをきちんとガバナンスをしていかなければならないのではないかというご指摘だったと思いますが、これはご指摘のとおりだと思います。それで、承継法人をどのような法人に位置づけるかというのは、前回もいろいろとご議論がございましたけれども、当然政府としては承継法人の業務が適切になされるように、財務会計も含めていろいろなかかわり方をしていかざるを得ないのだろうというふうに考えております。それは全体の制度設計の中できちんとガバナンスを見ていくということにしていきたいと思っております。

○奥山相談役 今のことと関連して確認なんですけれども、再保険スキームでやるということになると思うんですが、ここの運用資産一体となって出てきた利潤については、損はちょっとまた別途考えるとして、利潤が出た場合には、これは新会社の保険会社に収入として上がるということではなくて、そこの旧勘定の契約分については、配当の形で旧契約者の方に原資が確保されるということで今後はスキームを設計していくと、こういう理解でよろしいんですね。

○篠田審議官 細部まですべて固まっているわけではございませんけれども、基本的な考え方は今、奥山相談役がおっしゃったような考え方をもとにしていきたいと思っております。この再保険というものは、現在でも民間の生命保険業界でも行われておりまして、元受会社が再保険の引き受ける受再側の保険会社に一定のリスクと、それからそれに見合う再保険料を支払って行うということが行われております。その中には、当然受再側が一定の自分の計算において、リスクと報酬を盛り込んだ形で当事者間で契約をしていくという形で行われております。
 今回、どのように細かい制度設計していくかはもう少し時間がかかるかと思いますけれども、基本的な考え方は、今、奥山相談役がおっしゃったような形で、旧の部分と新の部分についてセグメントをしていくというようなことを考えていきたいと思っております。具体的には、公社のご協力を得て、さらに検討を進めていきたいと思っております。

○奥山相談役 それは大変結構なことだと思うんですけれども、利益を新会社に帰属させるということは、先ほどのご説明ですと、一つは新会社の運営が安定しないということもあるので、いわば一つの利益確保という面もあるのではないかというふうに承ったんですけれども、そこは仮に新会社で新契約の部分が余りうまくいかないとか、運用も余りうまくいかないということがあったとしても、それは新会社の利益には使わないと。運用の補填には使わないと、こういうことでよろしいですね。

○篠田審議官 すべてのことを今ここでお答えはなかなかできない面もあるかと思いますけれども、今の現実の生命保険商品の収益性の構造をちょっとご説明いたしますと、日本はバブル崩壊後の高金利から現在のゼロ金利に金利が下がってまいりましたので、旧の部分にどちらかといいますと採算性の悪いといいますか、予定利率の高い契約が多うございまして、現在は既に予定利率が引き下げられておりますので、新の部分というのは、予定利率の低い、わかりやすく言いますと、採算性のいい商品で成り立っている、そういう構造で動いております。
 したがいまして、現実的には、奥山相談役がおっしゃったような新会社が何か逆ざや契約の関係で、経営がおかしくなるということは想定しにくいのではないかなというふうに思います。
 そういった現実の状況はありますけれども、今おっしゃったように、旧の部分と新の部分のセグメントにつきましては、きちんと検討していきたいと思っております。

○奥山相談役 再度で恐縮ですけれども、私が想定しましたのは、政府保証がない場合には、保険商品について、かなり既存の保険会社と争いになるのではないかというふうに思っているわけですね。よっぽど有利なような保険が発売されないと、旧勘定から乗りかえの保険でやっていくと。そうすると、それは歩留まりがかなり悪くなる可能性もあると。最悪の場合は相当悪いという場合には、新勘定の残高がそんなにないということになると、運用というのはご案内のように、分母の金額が小さくなればなるほど、そううまくいかないケースもあり得るということをちょっと考えまして、それでそのときに母体が大きい部分というのは旧勘定であると、そこを出た利益も少なくとも固定費があるわけですから、会社には。固定費を負担に使わせてもらいたいというふうなことがないとは言えないなというおそれを持ったものですから、旧勘定は旧勘定でやっていただけるというのは、それはそれで大変結構だと思うので、確認の意味で質問したんです。

○吉野教授 今のに関連するんですけれども、旧勘定が逆に赤字になった場合に、やっぱり前のポイントとも関係するんですけれども、経営責任の問題というのをどこまで考えるかということがあると思うんです。旧勘定というのは、既に発売してしまっている商品でありまして、ただし運用に関しては、両者を継承したところが一括してやっているわけですね。ですから、既に発売した商品性が悪かったために、例えば赤字が生じているのか、それとも運用が悪いから赤字になっているのかと。そういう経営責任の問題というのは、本当に具体的になったときには大きな問題になるような気がいたします。ですから、既契約の赤字とか黒字に関して、どこまで経営責任があるかというのは、どこかできちんと議論しないと、もし起こったときには大きな問題になるような気がするんですけれども。
 それから、同じように貯金に関しましても、さっき伊藤先生がおっしゃっていました、金利が上がっていくような状況ですと、また同じような問題が起こると思います。それから、大きく旧勘定と新勘定の間でシフトした場合には、今度は資産運用の側の比率も大きく変わるわけですから、そうするとマチュリティーのストラクチャーとか何かも急に変えたりしなくてはいけないわけですね。ですからやっぱり新勘定、旧勘定の区分をはっきりすることと同時に、そこで何か損失が生じたときの責任のあり方というのは、事前にきちんとしておくことが必要だと思います。

○宇田プリンシパル 保険会社の立場で考えてみると、旧勘定のお客さんがいる。勘定というのは、要するに客が見えているわけですね。そうすると今のお話で、新勘定の商品を売るときに、旧勘定のお客に多分いくんでしょう。そうすると、新勘定のものをクロスセルということになる。
 そうすると、その部分は、お客のメンテナンスという意味では、旧勘定の部分と新勘定はどっちなんだと言われたときに、旧勘定のお客さんのメンテナンスということもあるではないですかと。旧勘定のお客さんにはもう一切合財いかないということであると、完全に分けられるんだけれども、必ずしもそうではない。完全に旧勘定の配当だけに回しますよということになってしまうと、今言ったようなことが制約されてしまうのは気持ちが悪い。そういうことも含めて、どうしたらこれがうまく機能するのかということを考えた方がいいと思います。

○翁主席研究員 さっき吉野先生がおっしゃったかもしれないんですが、保険集団で考えると、新しい会社ができて、どんどん勧誘して、乗り換えていくというようなことが起こって、旧勘定の方にリスクの高い人たちが残ってしまうという可能性がないわけではないというような気がいたします。その意味で、いずれもしかしたらほかの会社にいくというようなことも考え合わせますと、旧勘定自体として、危険準備金とか、価格変動準備金とかがきちんと積まれている必要があるというように思います。

○篠田審議官 吉野先生のご指摘と、それから今の翁委員のご指摘でございますけれども、いわゆる旧勘定にあたる現在の公社の簡易保険事業に関する会計を見ますと、必要な責任準備金をすべて積んでおります。したがいまして、必要な責任準備金をきちんと新会社の方に移行させていくことが、当然するわけですけれども、そうすることによりまして、新会社の方が旧のリスクを背負うという部分はないというふうに思っております。
 問題は、これからまだ3年間、3事業年度ございますので、どのような経済変化があるかわかりませんが、公社において適切な事業運用をしていただいて、必要な責任準備金等をきちんと積んでいただき、それを新会社がきちんと引き継いでいくということであれば、ご指摘の懸念はないと思っております。

○奥山相談役 今の点ですけれども、たしか骨格経営試算のときは、通常の保険会社以上に積んである準備金については、取り崩して利益を出すようなことで毎年3,000億円ぐらいやっていたような気がするんですけれども、それは全然今の話とは無関係で大丈夫だと、そういうことですか。

○篠田審議官 骨格試算のやり方につきましては、前回も申し上げましたが、私は直接かかわっておりませんので、うまく説明ができないかもしれませんが、現在の公社の責任準備金の積み方につきましては、総務大臣告示に従いまして、将来収支分析を行って、当初計算基礎で不足する部分については、きちんと積み立てるということをしております。これを俗に追加責任準備金と呼んだりしておりますけれども。したがいまして、現在の公社の保有しております簡易生命保険契約につきましては、必要な責任準備金が積まれていると。生命保険会社の経理の場合は、この取り崩しと申しますのは、経営陣が恣意的に、ある年はどんと取り崩したり、あるときは取り崩さなかったりと、そういうことではありません。一会計年度の中におきまして発生する保険金の支払いがございますが、この保険金の支払いのために責任準備金を積んできたわけですから、その年の会計年度の中で保険事故が発生して、保険金の支払いが行われるときに必要な部分が機械的に取り崩されていくと、こういう考え方でございます。

○吉野教授 前のところの議論とここと関係するんですけれども、旧勘定は全額政府保証で、それから新しいところは預金保険に入ったり、あるいは保険契約者保護機構に入って、それでやっていくということなんですけれども、先ほどのイコールフッティングの問題ですと、旧勘定の方に関してはすべて政府保証ですから、その分、預保とか、保護機構に払わなくていいので、イコールフッティングではないのではないかという議論があると思うんですね。そのときは、一つは政府保証した分だけ、政府保証に見合った何か資金を国に払うということで、イコールフッティングをするというやり方も私はあるのではないかと思います。というのは旧勘定は、預金もそれから保険も全額政府保証ですから、その有利な部分が今のところ払われていないわけですから、もしそれが何かのコストとして本当に必要であれば、そこを明確にして、民間に対してイコールフッティングであるんだということを、私は言った方がいいのではないかと思います。ですから、旧勘定に関するところの全額の保証の部分というところが、多分移行期の中でも、ひとつ明確にしないといけないのではないかと思います。

○中城審議官 よろしいですか。
 それでは、最後の監視組織の具体的な機能について、ご意見があればお願いいたします。13、14ページでございます。
 どうぞ。

○吉野教授 監視組織の13ページ、14ページですけれども、私はどういう人材がこの監視組織に入るかということが非常に重要ではないかと思うんです。業界の方が入るのか、そういう方は排除して、中立の方だけが入るのか、あるいは全く別の業界でこういうことを経験されたJRの方とか、そういう別の業界のこういうことを経験された方が入るのかということで、監視組織の中にお互いのインタレストグループが入りますと、例えば14ページの例として、こういう扱う商品の範囲とかいろいろ具体的なことが入りますから、そうしますと本当に中立的なところから考えないで、どうしても自分の業界の意見が入ってしまうかもしれないと思います。ですから私は、監視組織は非常に重要な組織ですので、入るべき人材のどういう方々が入って、ここで議論するかということをぜひ真剣に考えていただきたいと思います。
 それから、これまで証券監視委員会ですか、そういうような監視組織がこれまであったんですけれども、そういう組織の中でのこれまでの経験でよかった点、悪かった点という、そういう反省点とか、あるいはよかった点があれば、今後少し教えていただければ、監視組織のどういう方が入るというようなことも含めて参考になるのではないかと思います。

○伊藤教授 既にもう議論になっていることだと思うんですが、今の吉野さんのことにも関係するんですけれども、今回の民営化についていろいろな議論をしていて、やっぱり非常に象徴的なのは、立場によってやっぱりいろいろな意見の違いがある。一方で、昔ながらの郵便事業をなるべく維持したいというような非常に強い勢力で、これはそれなりの当然理由があるんだろうと思います。他方でしかし、せっかく民営化でやるので、できるだけ自由にやらせてほしいと。公社の方から聞こえてくる議論にはそういうところがあると。
 しかし余り、保護が一部残った中で自由にやられたら、今度は民業が非常に圧迫されるという悲鳴みたいなものも民間の方から聞こえてくることも事実で、つまり全くかなり違った意見の反映、どこか中間のところに落ちる、それがこの10年間の移行期間に、それが非常に難しいことに我々議論しているわけですけれども、そうすると監視組織というのは非常に重要になるんですけれども、逆にどういうふうな形で運営されるかということが非常にやっぱり難しくなると。これは監視組織の中に入った方も非常に悩まれるだろうと思うし、あるいはいろいろな問題で、だから、これ前に議論したと思うんですけれども、そういうのをコード・オブ・コンタクトというかどうか知りませんけれども、やっぱり監視組織のあり方みたいなもの、ルールみたいなもの、ある程度やっぱり最初にきちっと、どこまでやるかということはもちろん柔軟性の問題もあると思うんですけれども、議論しておかないと、単に恣意的な監視組織のディスクレッションに任せるような多分問題ではないと思いますので。それをどこまで決めるかというのはなかなかここでは議論しにくいと思いますけれども、ぜひもう一回リマインドしたいと思います。

○中城審議官 どうぞ。

○奥山相談役 今の伊藤委員の考え方、私もかなり賛成なんですけれども、やはり経営の自由度と、それから民業圧迫というか、つまりイコールフッティングの部分とは、ある程度、10年間でどういうふうに総体的に移行していくべきかという全体のスキームはあらかじめ示してあげないと、監視組織が何をやるんだと言われたときも大変困るということで、そこは今の段階で書き込む必要があるのではないかというふうに思います。
 それを前提としますと、例えば例で幾つか挙がっていますが、もしこれが法律の中に書き込むんだとすると、もうちょっと幅広く書いていただきたいというのがあるんですね。例えば、預金や貯金保険関係でも、新しく商品を発売、販売するという場合に、それはどうするんだと。今のままでいきなり発売する、販売するということはいいことなのか。それから、民有民営実現の判断と書いてありますけれども、やっぱり単に実現を判断するという大まかな話ではなくて、株式を何%売却していくかとか、ある意味で、何年度までに売却していくかとか、その売却に応じて、民有民営が実現していくということも明確にしておく必要があると。あるいは政府保証分がどんどんどんどん下がっていくはずなんですが、それが下がる段階に応じて、やっぱりそれに対応した考え方を持てるのではないかと。あるいは委託、受託関係、これをいつまで縛るかと。窓口利用義務と、逆にもっとフリーで、よそを利用するということもどこまで、どこから認めていいのかと。あるいは利益補填を受委託関係で、いわば経営に困ったら利益補填の形で委託料を上げるというふうなことを、やはりあっては困るとか。それから支店の設置、銀行、貯金会社、保険会社の支店の設置、それからもっと言えば、人件費あるいは労務政策、こういうことについてももっと民間的な活用方法、例えば貢献度に応じた給与体系とか、あるいは従業員に対してストックオプションを与えて、将来の株価の高騰に対して何らかの利益を上げるとか、そういう幾つか考えられると思うんですけれども、そういう余地がこの中に盛り込む必要はないかと、そういう検討をお願いしたいと思います。

○宇田プリンシパル 大体ここがどういうガイドラインで、どういう判断で決めていくかというのを事前にある程度枠を入れておくというのは大事だと思います。この組織は、推進本部に最終的にはぶら下がる。この人たちは、基本的には推進本部の長に対しての責任を負うということになるわけですね。
 そうすると、多分ボードとここと両方が推進本部に対して契約関係を結ぶことになる。そういうことを考えてみると、ボードの設計とか、あるいはボード、それからトップに対しての契約の仕方、ミッションの与え方というようなものと、この監視組織ということが果たす役割というのは、両方あわせて議論をしておいた方がいいのではないかと思います。
 かなりの部分、例えば民有民営の実現の判断、例えば市場に出せるかどうかとか、どのぐらい価値がつくのかというような判断というのは、別に監視組織ができる話ではなくて、あくまでも経営上の話でしょう。そうすると、そういうことを経営が判断するときに、何をチェックしておかなければいけないのか、その経営をサポートするボードをいかにつくるかという議論はある。もう一方でそれがあったとしたときに、この監視組織が特にすることは何なのかという議論があると思います。
 それと全く別の考え方として、民営化推進本部の分身として、全体のすべてに対して、民営化のステップに対して関与するという考え方も、もう一つの考え方としてあると思うんですけれども、どちらかというと、私はボードの役割が基本的にコアとしてあって、それに対して監視組織をどう位置づけるのかというように考えています。従って、ボードのあるいは新しい組織のガバナンスの話と一緒に議論できるといいのではないかと思っています。

○奥山相談役 ボードと一緒に考えるというのは賛成ですけれども、ボードの役割は、多分持株会社があって、そこに当然取締役会ができますが、それに対して経営委員会が意見を言っていくという形になると思うんですね。その持株会社のグループ方針に従って、それぞれ事業会社のトップは経営をしていくということになるんだろうと思いますけれども、その場合の経営委員会なり、持株会社の取締役会というのは、やはりそれぞれの事業が、きちんと収益を上げていって、存続していけるかということを経営上第一義的に考えるのではないかと。おそらくそういう立場に立つと、イコールフッティングの考え方とか、あるいはよその民業圧迫とかいう観点は、余り出ないだろうというのが私の想定です。ですから、そういうことに対してはこの監視組織が目を光らせていくと。経営の立場に立てば、どんどんどんどん発展させていくということに対して全力を尽くすというのは、ある意味で経営者の注意義務ということからすると当たり前だと思うんですね。要するに他がつぶれようが、他を圧迫しようが、そういうことは関係なく、どんどん収益を上げていくというのが経営陣のあれですから、やはりそこは、経営委員会も幾ら天下国家の会社とはいえ、ガバナンスが余り働かないのではないかということで、私は監視組織はイコールフッティングが最重点ですけれども、やはり経営上の重要事項についても、余りにも民業圧迫、あるいは天下国家の会社が理不尽なことをやったら、やはりそこに対して意見を述べると。もちろんこれは本部に対して意見を述べて、本部からその会社に対して政府サイドとして意見を言っていくことになるんだろうと思いますけれども、そういう図式であるのではないかというふうに思います。

○吉野教授 今の奥山委員のご意見には賛成なんですけれども、そんなふうにうまく本当にこの会社がいくかという逆の場合もありまして、とにかくあけてみたらすべてが赤字だと。そういうときに、やっぱりそこのところで、もうちょっとこういう業務範囲を広げてみたいと。しかし逆に今度、監視委員会の方では、それをやると民間の圧迫だという、そういう逆のことも私はあり得ると思うんですね。ですから、この監視委員会というのは、非常に大変な任務を負っていると思いまして、やっぱり経営の自由度で、ある程度会社が核の利益を確保できると同時に、やっぱり民業のイコールフッティングという、両方のバランスを考えなくてはいけない機関ではないかな、組織ではないかなというふうに思いますので、奥山委員の言われたように、非常にうまくいくんでしたらそのとおりだと思うんですけれども、そうでない場合には、やっぱり自由度とイコールフッティングというバランスを特に考える必要があるような気がいたします。

○中城審議官 どうぞ。

○奥山相談役 ちょっと誤解されたら恐縮なんですけれども、私はこの監視委員会がプレッシャーをかけるというだけの存在として意識しているのではなくて、やはり当然のことながら、新組織の会社は経営上うまくいくということを前提とするというのが当たり前のことですし、またどんどんどんどん自由度を高めて、経営を進めてもらいたいということも当然だと思います。ですから、それが過度にならないようにという趣旨で申し上げているつもりでございますので、そういう意味では、プレッシャーをかけるということを、それだけを念頭に置いているわけではないというふうに言わせていただきたいと思います。

○翁主席研究員 前回も議論がありましたけれど、私も、基本的に監視組織というのは、イコールフッティングの確保を一つの大きなモニタリングの柱とするのであれば、そういったところに新しい郵政の4会社、持株会社が、例えば給与体系がどうとかについていろいろ監視されるというのは、必ずしも新しい会社にとっても愉快なことではないというように思いますし、その意味でもし監視組織をイコールフッティングということを主軸に考える組織とするのであれば、一方でボードの方できちんと企業価値の最大化ということを最大の目的として経営し、そのバランスの中で民営化を目指していくというような構図を描いていくことが望ましいのではないかというように思います。
 いずれにせよ、国が初期の段階では、一部ガバナンスを担うわけで、国としても株が高く売れていくということは、国民の利益に本来はかなうはずですが、そういったところからの監視と、それから一方で民業との関係からの監視と両方がうまく組み合わさって、ナロウパスではありますけれども、移行期をうまく進めていくというのが一番重要な、難しい課題だというふうに思っております。

○中城審議官 どうぞ。

○山下理事 ただいまのご意見を伺っていて、例えば奥山先生のご意見ですと、監視組織が労働条件とか、ストックオプションのところまで見るということで、要するに、政府出資があるから自立した会社としては認められないということをおっしゃっているように聞こえます。それでは取締役会としての権能を、この監視組織がいわば監視し代替するというような形になるわけですから、実際これは自立した会社になるのかなという感じがします。私の印象としては、新会社には主務大臣も、それから公正取引委員会等の監督組織があるわけですから、その上にまた監視組織というのを別途設けるということは、屋上屋を重ねることにならないのかと。民間会社であれば、主務大臣、公取委等の監督の枠組みの中で、民間会社として規制されるはずです。その中で大きな問題があれば、それぞれの法律の枠の中で取り締まられていくことは当然なのではないかなという気がしますが、ちょっとその辺が非常に大きな疑問として残ります。
 それから、2点目として、伊藤先生がおっしゃられたことは、そのとおりだと思いますが、経営に関する重要事項の範囲を明確にしないとか、あるいは許認可の判断の基準が法律上明確にされないということは、監視組織は裁量権を非常に持った組織になる。つまり普通の行政機関であれば法律があって、それに基づいていろいろやるわけですが、ここはそういった基準がない。非常に大きな権限を持つ組織になりかねないし、それが何でも見るということになると、新会社は箸の上げ下げまで監視される、裁量的な行政指導を受ける組織ということになって、これでも民営化会社なのかという感じがいたします。
 3点目としては、イコールフッティングの確保というのが非常に指摘されているわけですが、私どもの立場から見ますと、民業の圧迫の回避という点だけが強調されすぎているという認識です。新会社は政府出資がなくなるまで新しいことは何もしてはいけないというようなことではなく、やはり実質的なトータルとしてのイコールフッティングの確保という点からしっかり見ていただかないと非常に困るなと考えています。
 総じて申し上げまして、基本方針に書かれている監視組織は、本来、民営化を推進するため、民営化をうまくやるための仕組みをつくるということだと考えるのですが、これが今、下手に制度設計することになると、何でも縛ってしまう、あるいは監視するということになり、むしろ民営化抑制組織になってしまうのではないかというふうに心配しています。
 そういった意味で、制度設計に当たっては、経営の自由度確保の視点も十分に入れ、あるいは取締役会の権限ということについても十分視野に入れていただきたいというふうに考えています。

○奥山相談役 経営の自由度を100%認めるべきではないかというご意見はよくわかりますけれども、この監視組織は、いわば過渡的な存在で、民有民営が実現したら解散するわけですよね。あくまでも民有民営に行くまでのプロセスの中で監視するという趣旨でありまして、何も民営化された後のはしの上げ下ろしまで見るという趣旨でないことは、これはもう前提として明らかだと思います。
 イコールフッティングにどこまで迫っていくかということについて監視するわけですから、新しく設立される会社が全く通常の競争条件にある会社であれば、監視組織なんか本当は要らないと思うんですね。しかしながら、あくまでも民間でできる会社としては余りにも巨大ではないかということがあって、その巨大さがゆえに既存の民間企業に対して、かなりの圧迫を与えるのではないかというおそれがあるからこういう話が出てきているのだと、私は理解しています。
 ですから、初めから分割するとか、民間の企業と同じレベルの会社にするというボリュームをお考えになるなら、監視組織なんかなくて、初めから自由にやらせてもいいのではないかと、やっていただいたらいいのではないかと思いますけれども、そこはやはり郵政公社という非常に大きな組織が民間化するという前提ですから、全く自由度を認めるべきだというご主張はわかりますけれども、やはりある程度監視するというのはやむを得ないのではないかと、こういうふうに捉えています。

○中城審議官 よろしいですか。ほかに特にご意見ございませんか。
 それでは、今日の予定した議事はここまでにさせていただきたいと思います。これまでと同様、本日言い足りなかったご意見、さらに考えを深めていただきたい意見がありましたら、随時遠慮なくお申しつけていただきたいと思います。
 なお、本日の会議後の記者ブリーフィングにつきましては、事務局から行います。それでは最後に、次回の会合の日程等につきまして、事務局から連絡があります。

○利根川参事官 次回につきましては、12月10日金曜日、10時から12時ということで開催させていただきたいと考えております。12月10日の10時からでございます。場所は、この建物の4階にございます共用第4特別会議室になります。内容につきましては、基本的にはこれまでの議論の整理、さらには前回竹中大臣から申し上げましたように、視点を変えて自由な問題意識に基づく討議ということでご議論していただきたいと思っております。
 したがいまして、議論に参考になるような資料とか、あるいはご意見等ございましたらば、12月7日までに事務局の方にご提出をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○中城審議官 それでは、本日の会合は以上でございます。どうもありがとうございました。