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郵政民営化に関する有識者会議第7回会合 議事要旨


日時:平成16年7月12日(月) 10:00〜12:03

場所:虎ノ門10森ビル(3階) 郵政民営化に関する有識者会議室


○中城審議官 それでは、定刻になりましたので、これから郵政民営化に関する有識者会議の第7回会合を開催いたします。本日は、皆様お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。
 本日は、前回会合にて御案内させていただきましたとおり、引き続き関係業界からのヒアリング等を行いたいと考えております。
 最初に、こちらにお越しいただいております生命保険協会の瀧島義光副会長からお話をお伺いしたいと思います。瀧島副会長、本日はお忙しいところ御出席いただきまして本当にありがとうございました。
 これより瀧島副会長から20分程度お話をいただきまして、その後、同程度の質疑時間を設けてさせていただきたいと思います。
 なお、本会議におきましては、会議終了後にその概要について記者レクを行い、更に議論の内容を議事要旨として取りまとめ、公表する取扱いとしておりますのでお含みおきいただきたいと思います。
 それでは瀧島副会長、よろしくお願いします。

○瀧島副会長 生命保険協会副会長の瀧島でございます。本日は、簡易保険事業の問題につきまして私どもの考え方をお聞きいただく機会を設けていただき、ありがとうございます。
 本来ですと協会長の森田が参上して御説明すべきところ、折悪しく海外出張中でございますので、私の方から御説明させていただきます。
 最初に、協会からの出席者を御紹介させていただきます。企画部会長の小谷、企画部調査役の椿でございます。
 本日は4点に分けてご説明させていただきます。1つ目が「生命保険市場の現状」、2つ目が私どもの立場から見た「簡易保険事業の問題点」、これは3つありまして、いわゆる入り口の問題で「健全な生命保険市場の発展を阻害」しているということ、いわゆる出口の問題で「効率的な金融市場の形成を阻害」しているということ、「潜在的な国民負担を発生」させていることです。3つ目が、いわゆる「ユニバーサルサービス」という問題、最後に「簡易保険事業の今後のあり方」についての所見を述べさせていただきます。
 まず、「生命保険市場の現状」についてです。生命保険市場は高齢化の進展、その他の事由によって成熟化していますが、その中で、非常に数多くの生命保険会社による競争が激化しています。生命保険契約高は減少していますが、その中で事業費を節減したり、職員数を削減したりと、生保各社は経営効率化への取り組みを懸命に行っております。
 「簡易保険事業の問題点」については、先ほど申し上げましたとおり3つあります。
 1つ目が、「健全な生命保険市場の発展を阻害」しているということです。簡易保険はかつて民間が取り扱っていなかった、あるいは取り扱うことができなかった小口、無診査、月掛の生命保険を提供するために創設されました。その後、民間が取り扱えるようになり、現に取り扱うようになった後も、事業特典を背景に民間と同一の市場で競合し、肥大化してきました。
 事業特典とは、保険金支払いの政府保証、三事業の兼営、租税負担の免除等です。
 また、簡易保険は過去度重なる限度額の引上げの実施に加えまして、取扱商品についても民間生保が新たな商品を開発すると、数年たって同じような商品を売り出すというようなことで競合状態を深刻化させてまいりました。
 よく簡易保険には事業特典がある一方で加入限度額の制限があり、民間生保とはトータルでバランスが取れているという御意見を聞くことがありますけれども、民間生保の新契約件数の約75%は簡易保険の加入限度である1,000万円以下であり、また年金保険も新契約の90%が簡易保険の限度である90万円以下です。いわば同じ土俵で相撲を取っているという状況があるわけです。同じ土俵で相撲を取りながら、片方で優遇された条件が認められていることは、競争条件を著しく阻害していると考えております。
 従来は、簡易保険は養老保険等の貯蓄性の強い商品を得意とし、民間生保は終身保険や定期保険、疾病保険など、保障性の強い商品を中心に販売してきたという実態がございます。ところが、本年1月に簡保は民間生保の主力分野である定期付終身保険を発売し、保障性商品の分野へ事業領域を拡大してまいりました。行政改革の基本精神は、民間でできることは民間でというところにあると思いますが、これにいわば真っ向から抵抗しているのではないかと私どもは考えざるを得ないわけです。
 簡易保険はかつて財政投融資への協力など、市場原理が十分に働かない運用等を背景に、民間生保以上の水準で予定利率の設定を行い、生保市場の価格形成をゆがめてきました。金融の世界では、安全なところでは金利が低いということが常識ですが、一番安全なところが率先して金利を高くするという現象があったわけです。
 このような予定利率の動きも大きな原因の一つになり、逆ざやという現象が続いています。
 この10年間で簡易保険は急速に肥大化し、その資金量は民間生保全40社の個人保険分野における資金量合計142兆円の88.5%という水準に達しています。
 なお、民間の個人預金残高に対する郵便貯金の割合が5割くらいですから、簡保における民業圧迫の度合いは郵貯におけるそれよりも更に強いということです。
 問題点の第2は「効率的な金融市場の形成を阻害」しているという問題です。簡易保険によって集められました膨大な資金の78%が公的部門に配分されており、民間部門への投資は7%にすぎません。この問題は2001年の財投改革により、制度的にはある意味でけりがついたと言えなくもありませんけれども、公的部門への資金集中という現状はいまだに残っており、仮にこの名残が何年か経って消えることになるとしても、1つの組織にこれだけ巨額な資金が集中するということ、それ自体非常に大きな問題であると考えます。
 3番目は「潜在的な国民負担を発生」させているという問題です。簡保事業はさまざまな国の補助を受け、事業を実施してまいりました。ここで強調して申し上げたいのは租税負担の問題です。経済財政諮問会議の論点整理においては、負担する方向になるということが記述されていますが、例えば簡保が追加で積み立てている約9兆円の責任準備金がありますが、無税で積み立てられています。もし同じことを民間で行うとすれば、有税で積み立てなければならない性格のものです。その法人税等の累計負担免除額を試算いたしますと、3兆4,000億円という膨大な金額になります。
 「ユニバーサルサービス」の問題に入ります。郵便のみならず、簡保も含めましてユニバーサルサービスが必要であるという主張がなされることがありますが、保険については民間で既に十分なサービスの提供が実現できている。いわば、ユニバーサルサービスの提供ができているというのが私どもの認識です。民間生保は都市部の営業活動が中心であり、過疎地においては郵便局と比べて店舗が少ないことから、民間だけでは十分なサービスの提供ができないといった議論がなされることがあります。
 この点につきまして生命保険文化センターの調査で、世帯特性別の加入率につきまして、農協の生命共済と民間の生命保険を合計したものと、簡易保険との比較を行うと、地域、職業等に関係なく民間のサービスがあまねく利用されていることがわかります。
 なお、保有金融資産あるいは年齢といったものをメルクマールに普及率を見ると、簡易保険の場合は、保有金融資産の多い世帯ほど、また年齢の高い世帯ほど加入率が高いという傾向が、はっきり出ているのではないかと思われます。簡易保険については小口で零細な保障手段というイメージが強調されることがありますが、実態とはいささかずれがあるような感じがしてなりません。
 民間の生命保険会社中27社と、農協の生命共済の過疎地域における保有契約件数の合計が同じ地域における人口に対してどのくらいの比率を占めているかを見ると、人口比106%という状況になっています。これを全国ベースで見ますと110%ですから、過疎地域においても全国と全く遜色なく、行き届いたサービス提供ができているということが示されています。
 同じ数字を簡易保険について取ってみますと、過疎地域の数字は入手できませんでしたが、全国ベースでは63%ということになっています。 
 全国あまねく行き届いたサービスを提供できているということに関連して、保険と預貯金との違いについて触れますと、預貯金とは異なり、生命保険はそもそもお店に来ていただいて商品を売るという営業スタイルではなくて、営業職員等による訪問という形で商品を買っていただくものです。約28万人の営業職員等が全国あまねくサービスを提供しています。生命保険文化センターの調査で簡易保険の加入理由を見ますと「近くに生命保険会社、生協・農協の店舗がないため」と答えた人々の割合が0.3%にすぎません。
 なお、これに関連しまして、郵貯についてはいわゆるナローバンクへの機能変更という議論が出ておりますけれども、簡保についてはすべて民間生保で代替可能であり、一部の機能のみを残すといった対応の意味はないと考えています。
 全国約2万4,800の郵便局のうち簡保の営業を行う外務職員が在籍しているのは約4,800の集配局のみです。そして、新契約の8割はこの集配局で取り扱っており、簡保の業務の大部分はそこにおられる2万7,000人の外務職員が担っていると考えられます。無集配特定局の業務は郵貯関係の業務が大宗を占めておりまして、無集配特定局の人件費のうち簡保が負担している割合は9%にすぎません。よく郵貯、簡保と引っくるめて7割を超える人件費負担割合というようなことが言われることがありますが、簡保と郵貯を分けないと本質が出てこないと思います。
 さて、「簡保事業の今後のあり方」についての生命保険協会としての基本的な考え方は、以上申し上げましたところから御推察いただけるとおり、簡保事業は既に役割を終えており「縮小・廃止」すべきであるというものです。民間生保は過疎地に至るまで全国あまねく多様な商品、サービスを提供できているし、公共投資の在り方、特殊法人の見直しがなされていく過程において、公的金融の規模縮小とともに調達部門としての簡保の役割は低下している。むしろ一機関に巨大な資金が集中するということ、それ自体が問題になっているということがその立論の根拠です。簡保事業を廃止する際の具体的な視点としては、新契約の募集を取りやめ、政府保証が継続する既契約の維持管理業務に特化させまして、段階的に縮小することが考えられます。
 主要先進国における国営・公営生保事業の状況を見ますと、主要先進国における大きな流れとして、やはり国営生命保険事業の廃止・民営化といったものは明らかに見てとれ、この流れは参考になるのではないかというのが私どもの認識です。
 諸般の事情によりまして、簡易保険事業の存続、民営化という選択肢がとられた場合には、「国の関与」、「民間と異なるルール・諸制度」の適用といった各種の事業特典の撤廃は当然のことですが、今までこうした事業特典の下で長い間、業務を行ってこられた過程で蓄積された顧客基盤、販売力、膨大な保有資産といった、民間企業で言えば「のれん」とでもいうべき価値を含めて、民間生保との競争条件を完全に同一化していただくことが不可欠であると考えます。
 具体的な競争条件の整備につきましては、国の関与の解消としては、政府保証を廃止し、政府出資を解消した上で国家公務員の身分を解消する必要があると考えます。また、保険業法を始め民間生保と同一の諸規制を適用し、納税義務を課す必要があります。
 更に、民間とのイコール・フッティングを図るという観点からは三事業の分離・別法人化が必要です。また、民間会社になるということはある意味で自由な経営という長所がある反面で、破綻するリスクもあり得るということです。そして、その三事業あるいは四事業の中に郵貯あるいは簡保といった金融関連業務が含まれることもあり、リスクの遮断、つまり破綻の連鎖を阻止するメカニズムをつくっておくことがどうしても必要であると考えます。こうした観点からも、三事業あるいは四事業の分離・別法人化というものは必須条件ではないかと考えております。
 具体的なイメージにつきましては、まず三事業を分離した上で、簡易保険事業については政府保証の付いた旧簡保と、民営化後の政府保証のない新簡保とを分離・別法人化する必要があります。この2つが分離されなければ、利益やリスクが相互に混入したり、情報が流用されたりといった問題を生じるおそれがあります。
 なお、以上申し上げました三事業、新旧の分離、別法人化といった措置が講じられましても、その分離が形式的なものにとどまり、民間生保との競争条件の完全な同一化が図られていない場合には商品、加入限度額、業務範囲といったものについて制限を加えるなど、さらなる措置が必要になるものと考えております。
 諮問会議の論点整理では、競争条件に関して完全民営化までの準備・移行期間において「段階に応じ、経営の自由度やイコール・フッティングの度合い、国の関与の在り方等を考えていくべきではないか」とされていますが、昨年来、簡易保険の新商品認可に際し、生命保険協会として再三申し上げてきましたように、事業特典により肥大化した簡保が民間との競争条件が完全に同一化されない中で新たな業務領域に進出することは一切認められるべきではないと考えます。
 最後に、4つの機能についてそれぞれ御議論なされる際に御留意願いたい点を2つ申し上げておきたいと存じます。
 第1は郵貯と簡保についてでありまして、これらは機能的に見ても異なるものでありますので、一括りではなく、それぞれ別個に吟味されてしかるべきであると考えております。
 第2はネットワーク機能について、今ある経営資源のすべてを無条件に維持するとの前提で御議論なされるのではなくて、ユニバーサルサービスの定義、その維持にかかるコスト等を明らかにした上で、民間ネットワークの活用といった形でのサービスの維持策も含め、維持すべき機能、サービスあるいは維持すべき郵便局ネットワークの範囲等について検討がなされていくべきであると考えます。
 御説明は以上でございます。

○中城審議官 どうもありがとうございました。それでは、瀧島副会長のお話に関しまして御質問、御意見等がございましたらお願いします。

○奥山氏 2つ伺いたいと思います。
 1つは資料中のアンケートで、簡易保険の加入理由で3番目に「国の保証が付いていて安心だから」ということがありますけれども、それ以外は結構簡易保険に対してどちらかというと親しみを感じているように思うんですが、こういうアンケートでは必ずしも国の保証とか、従来の生保にないということではなくて、簡易保険自体に親しみを感じて入っているということが今後もあり得ようかと思います。それと、最後の方の御説明でありました商品、基盤販売力、保有資産面での優位性排除ということと、ちょっと気になったのは保有資産は別としまして基盤販売力の優位性排除ということと、今までの親しみやすい保険ということとの関係をどのようにお考えになっているかということを伺いたいと思います。
 それから、リスク遮断が不十分な場合には商品加入限度額、業務範囲等において制限を課す措置が必要だということですが、これは具体的にどういうイメージでいらっしゃるのか。この点も伺いたいと思います。

○瀧島副会長 実は加入理由については別に郵政事業庁で調査されたデータがあります。これによりますと、最大の加入理由は「国の事業であり、信頼性が高いから」であり、75%以上の方が挙げておられます。作成主体が郵政事業庁でありますから、ここで引用するのはフェアではないということで遠慮をしたわけです。 
 リスク遮断はどういうことかと申しますと、私どもとしては筋論として簡易保険というものが廃止されるのが正当である。しかし、諸般の事情でどうしても残さざるを得ない。しかも、民営化して残さざるを得ないとした場合には、巨大ですごく怖い競争相手がそこに登場してくるわけです。今までは1,000万円という枠があった、あるいは商品についても一定の制限があった。それが全然なくなるということは、いわば隣の家の大きな犬が鎖から放たれて動き出すというような怖さがあるわけです。
 しかし、雄々しくも最悪の場合には受けて立たなければならない。そのときには少なくとも民間生保と完全に競争条件は同一にする。そこだけは実現してくださいというのが私どものお願いです。三事業、新旧の分離というものを完全に行わないと、大変有利な立場となってしまうとこうことです。
 私は海釣りが趣味でありますけれども、太平洋の真ん中で船に乗せられて、自由に釣りをしろと言われても、なかなか釣れるものではありません。そこに精密なる魚群探知機というものを積み込んで、船長からこの地点の下50メートルのところを探ってくださいと言われて初めて魚は釣れるわけです。膨大な顧客基盤があるということは魚群探知機を持っているのと同じであり、そういういわば積み重ねられた事実上の優位さ、情報力の優位さがある。資金量から見ても、1社で40社分の情報を持っているわけですから、そこのところは配慮していただかなければ競争にならなということを申し上げているわけです。ですから、形式的な分離・独立法人制ということに加えて実質的に郵便局の窓口で情報の共有が行われることがないように、しっかり分離していただきたい。

○奥山氏 そうしますと、保険事業の簡保事業が事業会社として出た場合、その分割を考えているわけではないんですね。

○瀧島副会長 簡保事業の分割ということは理論上難しいと思います。お客様の住所が変わることによってサービスの質が変わるということがあってはならない。特に保険のサービス期間というのは超長期にわたりますので、移転ということを考えると膨大な数のお客様が保険会社を移るというようなことになりかねない。移転があっても同じサービスが受けられるということが重要です。

○奥山氏 もう一つわからないのですが、既存契約の管理会社というのは別につくる。それで、新規契約からまた新しい事業会社になる。その場合には、基盤販売力はむしろあって当然ではないかと思うんですけれども、それもなしですか。基盤販売力をなくして新たな事業会社というのはちょっと想像がつかないんですけれども。

○瀧島副会長 今、民間生保業界では外資系、損保系、旧来の生保が入り乱れて激しい競争をしています。新しく入ってこられる保険会社は、最初は基盤なしでスタートしているわけですから、それと同じ条件にしてほしいということが1つ。
 それから、旧簡保については既にお客様との間に交わされた約束があるわけですから、政府保証というものを継続するしかないと思います。この分離をしっかりしておきませんと旧簡保から生ずる利益が新簡保に流用されるということもありますし、旧簡保の信用力というものが新簡保に知らず知らずのうちに浸透してくるということもあります。それでは競争条件に甚大な影響を与えることになる。今、アメリカで問題になっているようなGSE、いわば暗黙の政府保証のある企業について、政府というにおいが感じられるだけで、偏った資金の流れが生じている。これと似た現象が起こると思います。

○翁主席研究員 今のところの関連でお伺いしたいのですが、情報の混入を避けるといったときに、ただ現在郵政で販売をされている方はそのまま新会社に移行されて、恐らく過去に蓄積された人的な情報はおありでしょうし、そういう意味では何をメルクマールとして情報の混入を避けるということをお考えなんでしょうか。例えば、旧会社の個人情報のインフラについて新会社は活用しないというようなことをお考えなのか。どういうイメージで情報の混入を避けるということを言っておられるのかということがまず1点です。

○瀧島副会長 非常にごもっともな御質問だと思います。頭の中に入ったものを消せと言っても消せません。したがいまして、新旧会社を分けるときに今まで簡保を担当しておられた職員が新簡保会社に移ることは避けられない。頭の中の情報は消せません。その限りで、ある意味でのれんのかなりの部分というのはそちらに移ってしまうわけです。
 私どもは少なくとも制度的に、システマティックに情報の流用が起こらないようにしていただきたいと考えている。例えば、法令で旧簡保のコンピュータにアクセスできないようにし、違反した場合には罰則を適用するといったように、できる限りのことはやっていただかなければいけない。頭の中を2つに割れとまでは要求しません。

○小谷企画部会長 生保や簡易保険が取り扱う情報は、個人情報保護法などでも言われておりますセンシティブ情報もあり、個人情報保護法の中でしっかりと管理していかないといけないと思います。そういった中で別法人になっているところの情報まですべてアクセスできるということでは困る。きちんと新旧契約を別法人化していただきたいというのが我々の主張です。

○翁主席研究員 もう一つは既契約維持管理会社ですけれども、今まで民間生保会社さんが既契約だけの管理をする会社ということで幾つか事例がおありだと思うんですが、こういったことからそのフィージビリティについて何かお考えがおありでしたら教えていただきたいと思います。

○小谷企画部会長 日産生命が平成9年に破綻した後、あおば生命に契約を移転したが、新規契約を募集しておりません。それからもう7年たっております。保険の場合は御存じのとおり、既契約からも新たな保険料が入ってくる。維持管理と言っても全く新たなお金が流入してこないというわけではありません。
 大手生保の例では、前年度までの契約から入ってくる保険料収入が全体の9割、新たな契約からは1割程度です。これは保険特有のものでございますけれども、新たなお金も入ってきて、それを新たに運用するし、保険金の支払い等は徐々に生じてくるということです。
 簡保の場合は10年を超す契約もかなりございますので、既契約維持管理会社になったからといって、新たな金も入ってまいりますので、すぐにはコストをカットしないと立ち入かなくなるというものではございません。徐々に規模が縮小してまいりますので、それに応じて徐々に人等も含めてコストカットをしていけばいいと考えております。

○椿調査役 簡保の負債残存期間毎の構成を見ると、10年を超えるものが29.1%です。

○小谷企画部会長 民間の破綻会社では解約が殺到しましたけれども、政府保証がありますので、そういったことも起きないと思います。10年後も35兆円程度の契約は残る。そこから引き続き保険料が入ってくるということでございます。

○伊藤教授 仮に今の簡保を維持管理会社にした場合、それでもある程度雇用が維持できるというようなことが書いてあります。保険のことは詳しくはないんですけれども、何となく印象で言うと簡保で実際に働いている人というのは過去に契約した保険の維持管理で働いているよりは、新しい契約を取るために動いているような感じがします。実際に維持管理会社にしたときに本当にそんなに雇用が守れるかのかということについて、印象でも結構ですから教えていただきたいということが第1点です。
 第2点は、16ページに書いてあるように平成4年度から平成14年度にかけて民保は2割から3割増えているのに簡保はほぼ倍に増えている。要するに非常に肥大化しているわけですけれども、この背景にある要因についてどう考えますか。つまり、バブルが崩壊した後の非常に特殊な要因というものがあるのか。それとも、例えばこの間に行われていた簡保に対する何か制度的な変更みたいなものがあるのか。つまり、今後の経済状況を考えたときにこういう規模の拡大がまだ続くのかどうかということについて、もう少し踏み込んで状況を教えていただければと思います。
 それと関連して、今の公社になってから新しい保険も可能になっているという表が13ページにありましたね。簡保で新商品が10.3%と書いてあるんですが、この10.3%という表の読み方なんですけれども、具体的なイメージとしてこの状態が続いたときに総額の中で簡保の占めるウエートにどの程度のインパクトがあるものか。数字の内容についてもう少し教えていただけるとありがたいと思います。

○伊藤教授 仮に今の簡保を維持管理会社にした場合、それでもある程度雇用が維持できるというようなことが書いてあります。保険のことは詳しくはないんですけれども、何となく印象で言うと簡保で実際に働いている人というのは過去に契約した保険の維持管理で働いているよりは、新しい契約を取るために動いているような感じがします。実際に維持管理会社にしたときに本当にそんなに雇用が守れるかのかということについて、印象でも結構ですから教えていただきたいということが第1点です。
 第2点は、16ページに書いてあるように平成4年度から平成14年度にかけて民保は2割から3割増えているのに簡保はほぼ倍に増えている。要するに非常に肥大化しているわけですけれども、この背景にある要因についてどう考えますか。つまり、バブルが崩壊した後の非常に特殊な要因というものがあるのか。それとも、例えばこの間に行われていた簡保に対する何か制度的な変更みたいなものがあるのか。つまり、今後の経済状況を考えたときにこういう規模の拡大がまだ続くのかどうかということについて、もう少し踏み込んで状況を教えていただければと思います。
 それと関連して、今の公社になってから新しい保険も可能になっているという表が13ページにありましたね。簡保で新商品が10.3%と書いてあるんですが、この10.3%という表の読み方なんですけれども、具体的なイメージとしてこの状態が続いたときに総額の中で簡保の占めるウエートにどの程度のインパクトがあるものか。数字の内容についてもう少し教えていただけるとありがたいと思います。

○椿調査役 雇用が維持できるかということですが、1つは先ほど申し上げたように保険料収入があるので、給料として払う収入はあるだろう。ただ、維持管理会社の維持管理業務のために何万人分もの仕事があるかといえば、そこはまた別だと思います。
 私どもの提案としては、既契約維持会社というのは単に既契約維持だけをやるのではなくて、例えばそこが窓口になって国債の販売をするというようなことを考えてもいいではないか。新しい分野の仕事も既契約維持会社ができる範囲でやっていけば、ある程度雇用も確保できることはできるのではないかと考えています。ただ、雇用の問題というのは私どもがそもそもコメントするような話でもないかと思っており、アイデア的にはその程度の話を考えているという段階でございます。

○小谷企画部会長 養老保険が毎年数兆円くらいずつ満期になると考えられますので、そのお金を例えば国債にというようなことはできるのではないかと思います。

○伊藤教授 そこでいわゆる関連事業みたいなものが発生し得るわけですね。

○瀧島副会長 運用資産が2倍に跳ね上がったことについてでございますけれども、よく言われますのは、生命保険会社が破綻したからこれは危ないということでシフトしたのではないかという説でございます。これは半分当たっていて、半分当たっていません。
 生命保険会社が最初に破綻しましたのは日産生命で平成9年のことでございます。総資産が2倍というデータは平成4年度と平成14年度とを比べたものでございます。平成4年度から破綻が発生した平成9年度までの間にもかなり増えているわけです。破綻した後はある程度の増加は示しておりますけれども、分母の民間生保が増えなかったという跳ね返りの効果であります。破綻の影響というものも全部ではないけれどもある。しかし、その根っこそのものはバブル期に発生していた。
 バブルというのは資産運用でございますから、そのときに保障性を中心とした生命保険に入るより、資産運用の一形態としての養老保険に加入するという行動が盛んになった。これが主因であろうと私どもは考えています。
 それから、簡保新商品の10.3%について、郵政公社の方は、「民保が主力と考えている定期付終身保険に殴り込みをかけたわけではなくて、その中のごく一部の商品と競合する商品を売り出しただけで、大した影響はない」と主張されることがありますが、これには重要な誤解があると思います。私どもの統計では、広い意味での定期付終身保険を3つに分類しております。狭義の定期付終身保険、利率変動型積立終身保険、更新型終身移行保険です。公社の方は、6.7%というウエートを占めている狭義の定期付終身保険と比べて「主戦場でも何でもない」といわれます
 なぜ我々が利率変動型積立終身保険あるいは更新型終身移行保険を含めて主張しているか、たとえて申し上げますと、民間商店はチョコレートやチューインガムとかを売っております。チューインガムが広い意味での定期付終身保険です。チューインガムをよく見ますとコーヒー味とペパーミント味とイチゴ味の3種類あります。そこへ、簡易保険がペパーミント味のチューインガムを売り出すわけです。
 このときに、「我々が売っているのはチューインガムではなくて、ペパーミントチューインガムである」と言うのが正しいのか、「チューインガムを売り出した」というのが正しいのかということでありまして、我々生保業界でペパーミント味もコーヒー味もイチゴ味も強烈にしのぎを削ってお互いに食いつ食われつの競争をやっているわけです。したがって、簡易保険がペパーミント味のチューインガムを売り出したときに、その打撃を受けるのは民間のペパーミント味だけでなく、コーヒー味も影響を受けるし、イチゴ味も影響を受ける。これは論争にならないくらい明白な事実であろうと考えております。
 現在、滑り出しは穏やかでございますが、本気でこれを広げ始めたときに、例えば民営化されて加入限度額の制限が取れたときに、どこまで増えていくのか。潜在的には非常に恐ろしいと考えております。

○中城審議官 よろしいでしょうか。時間の都合もございますので、生命保険協会のお話はここまでとさせていただきます。瀧島副会長、本日は御多忙のところ本当にありがとうございました。

(生命保険協会・瀧島副会長他退室)

(日本通運・児玉常務執行役員入室)

○中城審議官 それでは、続きまして日本通運の児玉駿取締役常務執行役員よりお話をお伺いしたいと思います。児玉執行役員、本日はお忙しいところをお越しいただきましてありがとうございました。これより児玉執行役員から約20分お話をいただきまして、その後、同程度の質疑応答の時間を設けさせていただきます。
 なお、本会議におきましては会議終了後にその概要につきまして記者レクを行い、更に議論の内容を議事要旨として取りまとめ、公表する予定としておりますのでお含みおきいただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いします。

○児玉常務執行役員 日通の児玉でございます。よろしくお願いいたします。
 資料として、パンフレットと簡単な資料を用意させていただきました。
 最初に話のまくらみたいなことで、パンフレットの一番後ろのページをお開きいただきますと、歴史と簡単な現状のデータが載っております。私どもの会社は明治5年に創業でございます。そのときの名前は陸運元会社と言うんですけれども、実は江戸時代の飛脚問屋の方たちがつくりました会社です。明治4年に郵政の国営郵便が始まったわけですけれども、前島密駅逓頭、郵便の父と言われているわけですが、徳川幕府の期間中、幕府の公文書なり私文書あるいは簡単な荷物というようなものはすべて飛脚問屋、飛脚が運んでいたという歴史がありまして、明治初年に国営郵便が始まるに当たりまして時の前島密翁が信書のたぐいの輸送は国営化する。貨物については新しく飛脚問屋大手5社で一つの会社をつくりなさい。それでつくった会社が陸運元会社でございます。
 そのころの裁定で、民間側が貨物を運び、官が官営で郵便物、信書のたぐいを運ぶという仕切りになったわけです。それで、それを発足した直後に郵便小包をどうしようかという議論がやはり出てまいったようです。結局、明治25年になりまして国際郵便条約との絡みで郵便小包という事業が開始されるわけですけれども、明治初年の段階では前島密翁の裁定で郵便の方は貨物に手を出すなというような経過があったようです。それで、明治25年に小包が始まって以来、この分野は官と民が同じビジネスの中で競合するという形が出てきたと考えられるわけですが、現時点で再度郵政側が民営化が論議され、そして貨物なり物流の分野にかなりフリーハンドで入ってこようという趨勢にあるわけだと思いますけれども、歴史の流れとしてはそういうことがございました。
 私どもの会社は、昭和12年、1937年という段階で戦時輸送を全国的に展開しようということで、国策会社として半官半民で日本通運株式会社という名前で発足しています。その後、昭和25年に株式を上場いたしまして完全な民営化をしたということになりますが、その後、日本通運の通運という言葉は鉄道を利用した輸送ということで、その両端の集荷配達をやると同時に、お客様に対しては全ルートの責任を持つという事業が通運事業でございますけれども、鉄道輸送を主体にその両端から事業を始めまして、当然自動車で自ら輸送をする。倉庫を持つ。それから、船についても一定のものを保有して陸海空、航空機も使う。そして国際展開するといったような物流、ロジスティクスの分野に展開してきて今日がある。このようなことでございます。これは一応御参考までに、話のまくらでございます。
 右のページには、現在の当社の単体ベースの収入規模なり、事業の内訳を記載しておりますので、御参考までに申し上げたいと思います。
 資料の方に入ります。まず郵政事業体は民営化を論議され、そして物流の分野に参入をするという動きにあるわけですけれども、我々の物流業界は今どういう状況かということで、簡単なマーケットの状況を御報告したいと思います。これは国内貨物輸送量の推移なんですけれども、1990年、平成2年、67億7,600万トンというものが国内貨物総輸送量の数字です。下の表の左の端です。ここを100といたしますと、現在58億9,400万トン強まで落ちてきているというのが貨物輸送量のトレンドでございます。したがいまして1990年、十数年前の87%、これは2003年度においても更に2%強落ちておりまして、マーケットとしては縮小してきております。
 この理由としては、当然低成長なり、物が小さくなって軽薄短小という言葉がございましたけれども、ロット、輸送単位が小さくなっているということもございますが、さまざまな物流効率化、つまり消費者を通して幾つかの段階で輸送をしていたものを直接メーカーから、場合によってはユーザーダイレクトで運んでしまうといったような宅配も含めた輸送形態の変化、いわゆる中抜きということがございます。もう一つは生産拠点の海外移転、特に近年で言えば中国向けの生産シフトということが大きく影響しているわけです。
 この中で、先ほど申し上げました鉄道の分野がどんどん落ち込んでいる。また、内航海運もトレンドとしては若干減少しておりまして、いわゆる自動車輸送がこの中で自家用から営業用の方にシフトしつつあるということが現状でございます。
 その次に、今後の貨物輸送の見通しです。一番下の線が国内貨物輸送量のトレンドの見通しです。これは日通総研という私どものシンクタンクの見通しですが、今後も年率1%強で落ち込むだろう。2015年には現在の更に88%、したがって1994年を100としたベースでいきますと4分の3くらいまでに落ち込んでくるだろう。今、申し上げましたような諸要因が更に続く、あるいは加速化することによって、国内の貨物の輸送のトータルの量は落ち込んでいくという見通しです。
 また、この反面、国際航空貨物なり外貿コンテナ、これは海運ですけれども、これは今、申し上げましたような海外シフト等、国際貿易の進展ということで伸びるだろうという見通しです。つまり、国内貨物はこれからも年率1%強減るだろう。海外輸送は増えるだろう。このような見通しです。
 その次に物流コストという面で、国民経済トータルで見てGDP比率の物流コスト、これは日本ロジスティクスシステム協会、ロジ協というところが算出したものですけれども、輸送コスト、保管コスト、物流管理コスト等をトータルで積み上げた額は、GDPに占める比率は10%強あったものが今は8%まで落ちてきているということです。これはGDPに占める比率もそうなんですけれども、額自体も49兆円から41兆円まで落ちてきているということで、先ほど申し上げましたような要因に加えて、なおかつ各企業サイドのサプライチェーンマネージメント、物流コストの圧縮というような状況が更に深度化しているということを示しているわけで、このマーケットは縮小マーケットになっているということでございます。
 次に、供給サイドです。実は、非常に小規模のトラック業者の参入が続いておりまして、下の表にございますけれども、地場トラックというのは中小の小さな運送業者とお考えいただければいいんですが、5台あれば仕事ができるということで、6万社に近い業者が参入しております。特積みトラックというのは聞き慣れない言葉かもしれませんけれども、これはいわゆる路線ネットワークを有している大手業者というふうに見ていただいて結構です。こちらはむしろ減っているわけですけれども、中小の参入は貨物運送事業法の参入規制緩和もございまして、どんどん広がって更に続いているわけです。したがって、マーケットとして縮小する中で供給サイドはむしろ過剰の状態が進行していると言えるかと思います。
 5ページは、今の繰り返しになりますけれども、海外生産比率が一応、国内法人の売上高分の現地法人、海外の売上高という取り方をいたしまして18.2%まできているという数字になるわけですが、これと合わせて輸送のスピードアップという社会的ニーズから、輸出入の中の航空の輸送のウエートが非常に高まってきているという状況を示しているわけでございます。
 その次に、6、7を飛ばしまして8ページにいきたいと思います。郵便小包あるいは信書、宅配、あるいは小口貨物といったマーケット全体の規模を見てみた数字です。宅配の貨物の総個数というのは2002年度で27.5億個、30億個弱です。これはほぼ横ばいないし微増、つまり従来マーケットとして非常に大きく伸びてきたわけですが、ほぼ行き渡って成熟化して微増、横ばいに移りつつある。この二十何億強というものをヤマトさん、あるいはこの後、佐川さんがお話になられますけれども、私どもを含めて民間20社くらいでシェアしているマーケットでございます。
 これに対して4つ下の郵便の信書、メール、要するに郵便物の通数ということになって個数と違うわけですけれども、これは261億件という数字でございまして、私ども宅配のマーケットの約10倍、つまりこれは文字通りけた違いの数を有しているマーケットでございます。
 参考までに、一般小包が約1億8,000万個、そのほかの冊子小包というのは郵政がやっておられますので、これを足しますと別の数字になりますけれども、一応純粋小包としては2億個弱という状況でございます。
 これを収入ベースのマーケット規模に推計を置き直したものが左の下の表ですけれども、宅配便のマーケットというのは二十数社でシェアしている中で、1兆6,508億というのが下の棒グラフです。これに対して郵便事業は1兆9,450億、約2兆円の規模でございます。これは単独でのマーケットということになります。これは郵便小包を抜いてございますけれども、少しずつ最近縮小してきているわけです。民間のメール便に蚕食されているという分もございますけれども、やはりインターネット等によるいわゆる手書きの部分の信書が減ってきているということは言えるかと思います。一応そういうことですが、かなり信書のマーケットがシュリンクの傾向にあって、したがって物流の方に活路を見出そうという動きがあるわけですけれども、信書のマーケットの規模は単独で約2兆円という規模であって、宅配の方は物流全体も含めてかなり成熟化して、なおかつ供給過多の状況にあるというのが実態です。
 したがいまして、この2兆円弱の郵便物というのは少しずつ減りつつはあるわけですけれども、非常に大きなマーケットでございますし、また民間の参入は言うべくして非常に難しい分野でもありますので、ここでの効率化というのは十分今後考えられるだろうと考えているわけでございます。
 次に、9ページは小包を含む宅配の分野と、いわゆる信書を運ぶ通常郵便の仕事の本質みたいなものを少し整理いたしましたけれども、やはりビジネスモデルとして違うんです。通常郵便を運ぶ方は当然信書の秘密を守らなければいけない。また、配達の欄で見ていただきますとわかるんですけれども、原則は郵便受けへ投函したら終わりということになります。配達ルートは固定的であって、配達時間の約束はない。配達する物の性格からして自転車、バイク等が主体の集配形態で、持ち戻りというのはないわけです。
 いわゆる宅配ビジネスは対面をいたしまして判子をいただく。ここで配達完了を情報入力して、お客様にもフィードバックするという情報システムの面の違いもあるわけですけれども、ポストに投げ込んで帰ってくるということではないんです。また、時間帯指定等で配達時間を約束するというのが今の競争場裡の実態です。
 したがって、需要に応じた最適な配達ルートを常時提供し、組み立てる必要がある。通常は小型トラックによる集配になりますが、持ち戻りは約20%発生しておりまして、今はお中元時期ですけれども、お客様がおられないとそのまま置いてくるわけにはいかないので無料で、20%の持ち戻りというコストをかけながらやっている。
 あるいは冷凍、クールといったような温度管理を持った施設車両も必要だという状況です。これについては、ほぼ民間宅配と郵便小包は同じような仕事をしております。ただ、中身としては民間のサービスの方が先行して充実しているというのが実態です。
 次のページに、民間の宅配便、ゆうパック、定型小包、民間メール便というものの3つのサービス内容を比較してございます。ここで言いたいことは、下の方の商品等の欄で冷蔵というのはクール、冷凍というのはフローズン、これは温度帯が違うわけです。それから、空港までお運びして帰るときに空港からまた自宅までお送りする往復の宅配、またはゴルフ、スキー、それから代金引換え、あるいは決済等々といったようなサービスについて、民間宅配が先行をして、郵政がこれを追いかけるというような状況でございます。ここでは、既にこの分野も民間の競争の中で非常にサービスが多様化し、先行しているということを申し上げているわけでございます。
 次に、先ほど飛ばしました6ページ、7ページです。これは今、物流業がロジスティクスという言葉に変化しつつあるわけです。極めて理念的にもともと単なる輸送、トランスポーテーションから真ん中のフィジカル・ディストリビューション、物流に変化し、今はロジスティクスに変化して来ているということです。
 どういうことかといいますと、単なる輸配送から保管機能、荷役機能、流通加工機能、包装機能等々を備えながら、さまざまな輸送サービス、物流関連サービスを提供してきたわけです。その物流附帯業務の下の方に検品とか組立て修正、製品テスト、ラベリング、梱包、伝票発行といったようないわゆる流通段階での加工業務を物流業者がかなりやっています。いわゆる商業流通の中で我々物流業者がこれを提供している例が非常に多くなっています。
 我々としては、これらのサービスをトータルで提供しなければなかなかお客様が取れない。また、これに情報管理を付け加えてトラッキング、貨物のトレースなり、お客様との電子データ交換なり在庫管理まで提供しているのが実態です。これを更に進めてロジスティクスということになりますと、いわゆる調達から生産、販売に至るまでのサプライチェーン全体の効率化を私どもの方でプランニングをして提案をしていく。そしてまた、それを運営していくということで、事業プランなり経営計画の中心になる分野まで含めたトータルのロジスティクス提案をし、そしてこれを実際にオペレーションもしていく。情報システムを備えた上で提供をしていくといったようなことが私どもの業界の競争の実態です。これを更に国際化していくという状況にございます。
 3PLというのは、そのようなロジスティクス・プロバイダーとしてのビジネスですけれども、お客様側から言いますとアウトソースをする。輸送業務の中の関連する在庫管理なり、場合によってはその商品データをそこから把握してさまざまな売上予測、傾向をマーケティングに生かしていくということになりますけれども、トータルのそのようなサプライチェーン全体のロジスティクス、これらを含めてお客様からいたしますと専門の業者にアウトソースをするという動きになります。3PLという言葉はお客様と物流業者以外の新しいこのようなシステム提供をするサードパーティのロジスティクスということを言うわけですが、私どもはセカンドパーティ兼サードパーティでございまして、この表にございますようにそれぞれの業界から、つまり真ん中に書いていますメーカーから卸、小売といったようなサプライチェーン全体の中にメーカー系の物流子会社、商社系の物流子会社、あるいは物流系の倉庫会社、利用運送事業者、自動車運送事業者が参入しております。
 私ども日本通運は倉庫についても日本で最大の倉庫面積を保有している会社なんですけれども、実運送を提供する会社でもあり、利用運送をするフォワーダーの会社でもあるわけですが、3PLビジネスに当然チャレンジしているわけです。そこに商社系、メーカー系や全く新しい業態からの参入があり、なおかつ御承知かとは思いますけれども、今、国際インテグレーター、UPS、FedEx、DHL、その上にはドイツポストがいるわけですけれども、TPGといったような飛行機を持って集配機能を持った、つまりキャリア機能、フォワーダー機能、両者を有したインテグレーターが参入してくる。日本国内マーケットはもとより、新しくこれからの世界の主戦場であります中国に向けて非常に大きく展開しようとしているわけです。このような状態です。
 最後に、フォーチューンの国際的なメールパッケージ、フレートデリバリー業者のランキングで当社の収入が6位にランキングされています。これは日本郵政がなぜかこのときに抜けているわけですけれども、先ほど申し上げました収入規模でいいますと4位くらいに入るかと思われます。以上が資料です。
 あとは、これらを元にして私どもの意見を少し口頭で申し上げたいと思います。今、郵政事業体が民営化をされ、物流事業あるいは国際物流分野に進出をしようという動きにあるわけですけれども、今、申し上げましたような物流業界の実態からして需要サイド、これはかなり今後引き続き生産拠点の海外移転も含めてシュリンクするという中で供給過多、業界再編が必要と思われるような状況にあって、ここに新たに郵政事業体が物流の分野に参入することに必ずしも必然性があるという状況ではないだろう。また、郵便の信書輸送を含めた品質についてはかなり国民の信頼は高いわけでございまして、ここにおいて利用者側の大きな不満があるようにも見えない。また、小包や宅配の分野についても民間のサービスはかなり多様化、高度化しておりまして、ここに新たな更に激しい競争を惹起する参入が歓迎されるという状況ではなかろうと思います。
 それから今、この物流というのは申し上げましたように輸送から物流、更にロジスティクスというふうに進化しておりまして、この業界に対して今、国際インテグレーターも含めた激しい競争が展開されているということでございます。ここに郵便事業体が参画しようという動きにあるわけですけれども、やはりノウハウとして今まで蓄積されたものは保有されていないわけで、私どもはかなり国際分野も含めてそのノウハウはあるわけですが、お役に立つことは当然できると思うわけですけれども、単独でこの分野にいきなり入り込むというのはかなりリスクが高いのではないか。一般論としてそう言えるのではなかろうかと思っております。
 次に、参入をされる場合についての意見です。まずイコール・フッティングという観点で申し上げたいと思います。1つは、郵便小包というのは実際には宅配ビジネスとビジネスモデルは同じでございます。それで、信書の輸送はやはり信書を運ぶということからの制約もあるし、一定のユニバーサルサービスを求められているということでありますので、ビジネスモデルが違うわけですけれども、今は宅配事業については貨物自動車運送事業法による規制下にございます。これは役所で言うと国土交通省になるわけで、郵便事業はすべて郵便法と信書便法ということで総務省の管轄下になるわけですけれども、貨物自動車運送事業法による規制に小包についても統一するのが正しいだろうというふうに我々としては考えています。
 なぜならば、この貨物自動車運送事業において運行管理者の配置なり、車両の整備管理者の配置なり、幹線運行形態の運行系統における一定の規制とか、料金についても一応事後の届出制になったんですけれども、適正原価主義という考え方があって、例えば全国一律運賃というような弾力的な運賃設定は私どもにはできないという状況にあります。
 これに対して郵便サイドは、郵便小包自体は全国一律ではないですけれども、新しいエクスパックといったようなものは一律料金でございまして、ここら辺のフリーハンドは民間側にはないということになります。したがって、郵便については信書便法、郵便法でよろしいわけですが、小包についてはむしろ法規制を統一する必要があると考えております。
 それから、公租公課については現状ある不平等性というものを民営化されて参入される場合には平等化される必要があるだろう。また、余り目には見えないんですけれども、航空機の優先搭載の問題とか、有料道路の一部については民間と全く同じではないといったようなこともあるようでございまして、いずれにしても民営化して一定のマーケットで競争するとすればそのイコール・フッティングが必要だろうと思っております。
 それから、郵便事業というのは郵政三事業のうちの一つでございまして、2003年度には一定の利益が計上されたわけですけれども、郵便貯金なり簡易保険とは非常に規模が違う。利益構造も全然違うということで、郵貯、簡保で生み出された巨額の利益をこの郵便事業あるいは物流分野に無制限に投資されるということについては、マーケットの攪乱要因になるだろうと考えるわけです。これは、この物流業界におけるコストを無視した形で他の事業分野から流用されるということは我々としては歓迎できないというふうに考えるわけです。
 次に、ユニバーサルサービスと信書の範疇について、当然私どもは信書便事業を行う事業者は郵政を含めてユニバーサルサービスの義務付けが必要だろう。参入する民間側もそれを負うのは当然だろうと考えます。また、信書について国民的な意識からも、すべてこれはだれが運んでもいいということにはならないはずでありまして、信書便事業者以外が信書を運ぶことは許されないだろうと思います。
 また、信書の範疇についての定義付けと、厳正な運用は必要だと思います。ただ、現在の社会意識の変化あるいはITの進歩といったようなことから、この定義付けは適宜見直していく必要があると思っています。したがって、今の定義付けがすべてフィックスされるべきではないだろうと思います。
 次に国際物流分野ですけれども、先ほど申し上げましたように国内と違ってこちらは拡大の傾向にあります。しかし、既に国際インテグレーターを含めた非常に激しい競争が行われておりますので、この中にノウハウなしに進出されることについてはかなりのリスクがあるのではないかと考えていますけれども、中国も含め、この分野で日本の国益を守ろうというニーズはあろうかと思いますので、そこに進出される場合には私どももさまざまなお客様との接点、ノウハウからしてお手伝いできる分野はあるだろうと考えています。
 結びというようなことになりますけれども、当社は一般の信書便事業に参入することは少なくとも当面は困難だろうと考えております。郵政のネットワークというのは明治初年以来、長年にわたって築き上げられてきた非常に貴重な国民的な財産であり、社会インフラだと考えております。私どものコアコンピタンスというのは、陸海空にわたる総合的な機能とグローバル展開だと思います。海外売上高が2,800億近くになっておりますので、そのようなものを生かして郵送事業体のネットワークを利用できるものは利用させていただく。競争場裡において切磋琢磨し合いながら相互に活用をしていく。そして、共存共栄できればいいと思っているわけでございます。
 資料の後ろから3枚目辺りに当社のグローバルネットワークの図がございます。数字が少し古いんですけれども、世界の百六十数都市に300近い拠点を展開しておりまして、海外売上高も2,800億程度になっています。
 中国については1枚出しておりますけれども、昭和54年に香港日通というものを設立いたしまして、昭和56年には北京に駐在事務所を出し、現在33の現地法人なり、支店なり、事業所、そして54か所の拠点を持って運営をしています。現在、内陸部に日本のメーカーもどんどん進出してきている状態で、沿岸部から内陸部への展開を今、図っております。特に日系のお客様については相当強い結び付きなりノウハウを持っているということで、先ほどの郵政事業体の国際物流分野への進出ということがもしあるとすれば、一定のお手伝いができるのではなかろうかと考えているところでございます。以上でございます。

○中城審議官 どうもありがとうございました。御質問、御意見等かございましたらどうぞ。

○伊藤教授 物流のマーケットが縮小しているというようなお話をされたんですけれども、他方で我々のイメージだと、この20年間で例えば宅配便ができたり、あるいはいろいろな新しいサービスが出てきたりということで物流は非常にダイナミックに動いているような感じもします。そういう意味では、これから将来を考えたときに、例えばこういう動きの中に郵便会社が関わる可能性というのは随分あるような気もするんです。
 そこで1つお聞きしたいのは、例えば7ページに3PLの例としていろいろな会社があるわけですね。左の倉庫会社から右側の低温運送事業者とあったときに、こういう中でいろいろな業者が組む可能性があるとすると、例えば郵政会社のネットワークみたいなものと皆さんの業界あるいは倉庫会社でもいいんですけれども、そういう形のものが組むことによっていろいろな新しいタイプの物流事業が出てくるという可能性はないのでしょうか。

○伊藤教授 物流のマーケットが縮小しているというようなお話をされたんですけれども、他方で我々のイメージだと、この20年間で例えば宅配便ができたり、あるいはいろいろな新しいサービスが出てきたりということで物流は非常にダイナミックに動いているような感じもします。そういう意味では、これから将来を考えたときに、例えばこういう動きの中に郵便会社が関わる可能性というのは随分あるような気もするんです。
 そこで1つお聞きしたいのは、例えば7ページに3PLの例としていろいろな会社があるわけですね。左の倉庫会社から右側の低温運送事業者とあったときに、こういう中でいろいろな業者が組む可能性があるとすると、例えば郵政会社のネットワークみたいなものと皆さんの業界あるいは倉庫会社でもいいんですけれども、そういう形のものが組むことによっていろいろな新しいタイプの物流事業が出てくるという可能性はないのでしょうか。

○児玉常務執行役員 いわゆる量で測ったマーケットは間違いなく縮小していますし、今後も縮小を続けるだろう。
 ただ、生産拠点が少し日本に戻りつつある部分もあるようですけれども、特に中国へ出していく動きはまだ暫く進むだろうと思います。ただ、先ほど申し上げましたように輸送から物流、物流からロジスティクスというふうにサービス内容を広げていくという面はあるわけです。川上に向けて、あるいは川下に向けて、川上で言えばさまざまな在庫管理なり商品管理といったような側面まで入ったサプライチェーン全体のものを提供、提案していく。そこの一定の分野をアウトソースしていただいて、我々の業界でやっていく。
 生産工程の一部も、工場内の物流に絡む中で、簡単な作業はここまでやってよというような部分もあることはあるんです。ただ、川下の届ける先についてはもちろん料金決済なり、時間帯なり、さまざまなサービスの多様化はあるだろうと思います。ただ、非常に厳しい競争下にありまして、トータルで言うと物流コストを抑えていこうという動きは当然あるわけで、それは抑えながら提案してトータルで受注できるものは受注していくということになろうかと思いますので、マーケットとしては非常に厳しいだろうと思っております。物流コスト自体は当然これからも縮小していくことになり、あるいは効率化していくことが求められる。それを逆に提案することによって、その仕事がいただける。トータルとしては、物流事業としてやはり効率化するという動きであると考えています。

○伊藤教授 非常に具体的な例なんですけれども、アスクルのような事業所だけに特化した販売・配達を専門にした会社のような事業の場合には、いわゆるユニバーサルな宅配、集配とは随分違っている。非常に限定した所への物流になる。同じものを運ぶと言っても、実はどういうものを運ぶのかとか、どういう顧客につながるかによって、いろいろなタイプの物流ネットワークがあるわけですから、物流業界というにはいろいろなビジネスが出てくると思うんですけれども、その中の一つのプレイヤーとして、郵便と貨物事業が全部それをやるという意味ではなくて、どこかに入ってきてほかといろいろ組んでやるという補完関係はいろいろな形で成立するのではないでしょうか。

○児玉常務執行役員 これはユニバーサルネットワークを保有されておりますので、強みだと思います。そこに新しいビジネスチャンスはあると思います。我々としても、津津浦浦のネットワークという意味では我々にないものを持っておられますので、むしろうまく相互に利用し合うということの中でビジネスチャンスを生み出していきたいと我々としては考えているわけで、当然そこまでのチャンスはあろうかと思います。

○奥山氏 1点だけ伺いたいと思います。郵便事業をはたから見ていて、信書は特に今までの維持をした方がいいのではないかというふうに聞こえたんですけれども、事業体として単独で郵便事業というものが損益が成り立つかどうか、はたから見ていてどうお感じになられますか。あるいは、もっと合理化する部分というのはたくさんあるのではないかというふうなところがおありかどうか、そちらの意見をお聞かせ願いたいと思います。

○児玉常務執行役員 それは可能だろうと思っております。これだけ大きい収入規模がございますし、経営効率化、民間的手法を入れつつあるわけですけれども、その方向の中で当然効率化ができるし、収益化も可能だろうと考えています。
 ただ、トータルで縮小傾向にあるということはあるかと思いますけれども、現状においてはそれは十分可能ではないかと思っております。

○翁主席研究員 当面、郵便事業には参入されないというお話でしたけれども、仮にどういうことが変わった場合にそういった分野に参入するという可能性があるのか。これは日本通運さんだけでなく、ほかの会社も含めてお考えがあればということが1つです。
 もう一つは、非常に過剰供給の状況になっているということですが、なぜそれがわかっていながら、なおも参入が続いている状況になっているんでしょうか。その2点をお伺いしたいと思います。

○児玉常務執行役員 ネットワークとして私どもの現状では、いわゆるユニバーサルサービスを提供していくために特に過疎的な地域に投資をしていく余力は当面難しいだろうと判断しています。
 2つ目は、小さい事業者なりの分野があると言えばありますけれども、もう一つ、我々大手から言うと、さまざまな法規制が十分守られていない中での事業展開もあるというふうに見ているんです。小さい業者には監督が行き届かないという面がありますので。
 ただ、トータルで物流コストを下げようという国民的ニーズに合うのかもしれないけれども、十分実際にルールが守られていない部分もあるだろうと思います。小さい部分で生きてくる部分は、ニッチの分野であると言えばあります。

○中城審議官 それでは、時間の都合もございますので、日本通運のお話をここまでとさせていただきます。児玉執行役員、本日は御多忙中どうもありがとうございました。

(児玉常務執行役員退室)

(佐川急便・若佐本部長入室)

○中城審議官 それでは、続きまして佐川急便の若佐照夫取締役経営企画本部長よりお話をお伺いしたいと思います。若佐本部長、本日はお忙しいところありがとうございました。それでは、若佐本部長から20分程度お話をいただきまして、その後、同程度の質疑応答の時間を設けさせていただきたいと存じます。
 なお、本会議におきましては議論の内容を議事要旨として取りまとめ、公表する取扱いとしておりますのでお含みおきください。それでは若佐本部長、よろしくお願いします。

○若佐本部長 皆様おはようございます。本日、お招きに預かりました佐川急便経営企画本部の若佐でございます。それでは、御指定のございましたレジュメに沿いまして、手前どもの方から発表させていただきたいと思っております。
 まず、貴社の物流事業ということで当社の宅配便、メール便の現状と、郵便事業との競争などということで御設定をいただいていますので、それにつきまして御説明をさせていただきます。
 まず、当社は平成16年度から向こう3年間の新たな中期経営計画を策定いたしております。計画の詳細につきましては御説明申し上げませんが、計画の骨子といたしましてはアジアにおける総合物流機能のトップブランドを目指してまいりたい。積極的な海外投資及び設備投資を実行し、当社の新たなコア事業としてアジア域内において中国での宅配便事業、物流を伴う企業の金融決済の一つといたしました決済事業や、また保管、物流加工など、アセット、ノンアセットを問わず物流技術を売り物としたロジスティクス事業を、中国を中心に3か年で30か所の物流拠点の展開を実行してまいりたいと考えております。
 当社の平成15年度の宅配便の取扱い個数は9億個でございます。メール便につきましては、平成15年度は1億5,000万冊であります。前期との比較では、両商品とも成長を継続させていただいております。特に当社における宅配便取扱い個数における増加の牽引役は代金回収サービス、e−コレクトが大きく貢献をさせていただいております。近年、決済手段の多様化に伴い、取扱実績もここ4年連続40%増の進捗となっております。
 ちなみに、平成15年度のe−コレクトの取扱個数は4,000万トランザクションでございます。
 メール便におきましては、従来からの新聞販売店のネットワークを活用した飛脚メール便、本年4月からリリースをさせていただきました郵便ネットワークとの連携による佐川ゆうメールなど、順調に推移をいたしております。特に佐川ゆうメールは6月の実績におきまして、スタートいたしまして2か月余りではございますが、2億円の取扱いをさせていただいております。本年の15年度の最終月、3月には単月ベースで20億円強を目指すところでございます。今後も、佐川ゆうメールは順調に数を伸ばしていける商品と認識をいたしております。
 続きまして、国際物流事業でのインテグレーターによる寡占化の進展についての現状認識を申し上げます。物流業界は世界的に寡占化の一途をたどっております。4兆円、5兆円規模のワールドワイドな総合物流一貫輸送企業、いわゆるインテグレーターが更に規模の拡大を図り、陸海空一貫輸送体制を一層強化をしておるところでございます。一部の意見の中にも、郵政公社が巨大過ぎる、民業への影響が必至であると言われておりますが、こと、郵便事業、物流事業における市場環境を申し上げますと、郵政公社が民営化するしないにかかわらず、海外のインテグレーター事業者は積極的にアジアや日本の市場に侵食していくことも事実であります。
 現時点では、世界のインテグレーター事業者に対抗できる国内物流企業は単独では皆無ではないかと考えております。特にヨーロッパでの郵便事業の民営化はドイツポストがお手本となっており、国を挙げて国益にかなう民営化政策を敢行し、成功モデルとして世界が注目していることも事実であります。御承知のとおり、結果としてポストの事業収益や金融事業の収益から得た莫大な資金を元に物流事業への積極的な投資や企業買収を行い、名だたる世界的な物流企業を傘下に収めていったわけであります。ドイツポストは国民に負担を強いることなく、競争環境を国内から国外に拡大し、自国以外からの収益を稼ぎ出せるモデルに展開したお手本ではないかと考えております。
 当社にとりまして、日本郵政公社が民営化されたことによる影響は非常に大きいと言わざるを得ません。しかし、一方で世界的なネットワークを保有し、豊富な資金量と売上規模を誇る世界のインテグレーターが国内の国際貨物マーケットに大きな影響力を及ぼしつつあることも、これまた事実であります。残念ながら、日本における国際宅配分野においても、国内の物流事業者の取扱占有率は微々たるものでございます。既にこの分野では圧倒的に世界的なインテグレーター事業者の独壇場であります。
 一口に国際物流と申し上げましても、カテゴリーを分けて考えていかなくてはならないと思います。まずドキュメントを中心としたクーリエサービスにつきましては、完全に外国資本のインテグレーターにシェアを奪われているとの認識でございます。あくまでもこれは予測数値ではございますけれども、国内取扱量の6割から7割近くのシェアをしているものと思われます。
 一方、国内事業者の中でも海外普及新聞、OCSまたはEMS等が対抗しているものと思われます。このような状況に至った背景は、ここ十数年の間に当社を含む国内大手の物流事業者と海外インテグレーターとの業務提携は、結果的に望まれるような体系にはなり得ませんでした。提携後、ほぼすべてのインテグレーターが国内における自社集配網を拡大し、提携関係も希薄になり、今となっては彼らの成長を助長しただけに終わってしまったのではないかと考えます。海外インテグレーターのそれぞれのブランドに対し、親密な資本関係を元にしたアライアンスが実現されなかったということでもあります。
 今後の課題といたしまして、陸海空物流一貫輸送を売りにした彼らの次のターゲットは日本国内のドメスティックな分野であるBBの領域への進出も考慮しなくてはならないという危機感を抱いております。世界のエアフォワーダーのベストテンに日本国内の事業者が3社ランキングをされております。この領域に対しましても複合一貫輸送体制を前面に押し出し、ITを武器に侵食してくるのも明白であります。現にここ数年、水面下での国内中堅事業者に対するM&Aのうわさが絶えません。こういった現状から、当社といたしましてもあらゆる可能性を認識し、対処しなくてはならないと考えております。
 続きまして、経済財政諮問会議の中間報告、民営化後の郵政公社が国内外の物流市場に進出することに対する考え方を申し述べさせていただきます。現在、明確に申し上げられるのは、日本国内に世界のインテグレーターのような機能を備えた物流会社は存在しないということでございます。インテグレーターの誕生した背景は、ともに世界の大陸でのビジネスモデルであるということであります。もともとが海運や航空機という輸送手段を選択せざるを得ないマーケットであったということであります。
 それと同時に、国力がそのビジネスモデルを必要としたからこそ、海外展開にはずみがついたということは言うまでもありません。今後、新たなインテグレーターの出現があるとすれば、間違いなく中国であると考えられます。
 日本の郵政公社の民営化に当たりましては、国際物流を念頭に置いた民営化でなければ、その存在意義が問われるのではないかと考えます。国内の既存の事業者との補完をしながら、世界のマーケットで活躍する日本企業のインフラとして側面から支援できる会社でなければ、また組織でなければ意味や存在が失われることになるのではないでしょうか。
 世界じゅうどこの国を探しましても、日本のような宅配システムが完成している国は存在いたしません。まさに国内は寡占化が進み、高度なサービス競争の真っただ中であります。国内の宅配便市場は3兆円の規模と思われますが、今後の成長は緩やかなものというものが専らであります。したがいまして、当社といたしましては世界のマーケットを意識した郵政民営化であるべきではないかと考えます。特に世界のインテグレーターが次のターゲットと公言しているアジアを中心とした展開を望むものであります。
 続きまして、信書便事業制度に関する評価でございます。そもそもの結論から申し上げますと、現状の郵便配達システムの問題点はどこにあったのかと言えば、赤字が続く郵便事業が利用者へのコスト負担を強いたことが問題であったのであって、現状の配送品質に対し不満を持っておられる方は少なかったのではないかというのが当社の見解であります。当社はあくまでもメール便の事業は宅配便顧客に対してメニューの一つとして提供していこうということであり、冊子小包分野においてダイレクトメールやカタログなど、もともと通販顧客が多い当社にとっては必要不可欠なメニューでありました。
 平成14年に当社は信書便法に伴うパブリックコメントを出しておりますので、今回は御説明は割愛をさせていただきたいと思っております。当社は、その当時から郵便事業の民営化を求めていたわけではございません。当社は利用者であるお客様がわかりにくい、または認識しにくい状態であった信書についての定義の見直しを要求したものでございます。当社の方針といたしましては現在、一般信書便について参入をしていく意思はございません。信書便事業制度につきましては参入条件、環境等を考慮いたしましても、決してそのハードルが低いという状況ではないのではないでしょうか。当社は、信書便事業制度そのものの善しあしの以前に、信書であるか否かの判断をもう少しわかりやすい状況にしていただきたいというのが当社の結論でございます。
 最後に、民営化に当たりまして配慮すべきと考える事項ということで、郵政公社の存在意義と民営化の目的を明確にすべきと考えます。ただ単に国内マーケットに対してイコール・フッティングの問題をクリアさせても現状、民間のコンペティターが存在する以上、当社にとりましても脅威であることに変わりはございません。仮に物流事業に参入せずコストダウンを図っていった結果、公社においても相当の雇用が削減されるはずであります。また一方、物流事業に参入した場合、既存の民間事業者の雇用に大きな影響を与えかねないとの懸念もございます。
 そういったことからも、民営化に当たりましては現在、機能として国内に必要とされている分野に目的を絞っていただくべきではないかと思います。民営化が国益や国民の利便性に寄与するのであれば、当社といたしまして反対する立場にはございません。以上でございます。

○中城審議官 ありがとうございました。それでは、今の御説明に質問、御意見がございましたらお願いいたします。

○奥山氏 先ほどの日通さんのお話を伺って、今、佐川急便さんのお話を伺ったわけですけれども、海外、特にアジアに対する進出の問題ですね。海外のインテグレーターと競争関係にあって、もし今後やっていくのならばそういう中に郵便事業の展開も総合的に考えた方がいいのではないかというお話があったんですけれども、現実には日通さんも佐川さんも中国には別々に進出しているわけですね。たしかほかの会社さんもばらばらに出ていたのではないかと思いますが、こういう展開と、それから国際的にはインフラを考えて総合的な展開をした方がいいのではないかということと、どういうつじつま合わせになるのでしょうか。

○若佐本部長 それは、郵政公社様のアジアの展開ということと、民間の企業との歩調ができていないということのつじつま合わせがどうなっているかということですか。

○奥山氏 はい。

○若佐本部長 日本通運さんからも先ほど御説明があったかと思いますけれども、日本通運さんの場合は基本的に今のところフォアーダーとしての展開を中国、アジアを中心にやっておられますし、どちらかというとフォアーダーという単位でお仕事をされているかと思います。
 当社の場合は中国国内での宅配便事業、それから韓国、台湾での宅配便事業ということを今のところ模索をいたしておりますし、これは郵政公社さんが仮に民営化になった場合に、既に報道にあったとおり、中国郵政との提携とか、いろいろな模索はするんでしょうけれども、それぞれに日本の企業が連携してアジアに向かっていかなければいけないということを決して申し上げているつもりではなくて、マーケットそのものをアジアに目を向けるべきではないのかということで申し上げているのであります。
 というのも、私の今の御説明の中にもございましたとおり、もともとのインテグレーターというのはやはり大陸で育った背景がございます。その中で次に成長、またターゲットとされているのはまさしくアジアだということで、我々としても次の市場、まだ手あかのつかない状態のアジアでしっかりとしたビジネスをさせていただきたいと考えています。これが今、御質問のあった民間同士が連合していく、いかないということでは決してないと思っております。それぞれ得意分野、強み、弱みかございますので、現段階ではそれぞれの企業単位でアジアの方に進出をさせていただいているという現状でございます。

○翁主席研究員 先ほど、大手の物流会社と国際企業の提携がいろいろ動きがあったけれども、結果的にうまくいかなかったというお話があったんですが、この最大の原因はどんな背景なんですか。大手物流会社がその国際企業との提携によって当初は何を企図していて、結果的に何が一番実現しなかったということなんでしょうか。

○若佐本部長 個人的な発言をしてよろしいでしょうか。他社さんのお話もあるので、当社にだけ限って申し上げますと、ここまで日本国内に自社集配網を構築するという認識は提携時点では全くございませんでした。当社も海外資本のインテグレーターと業務提携をさせていただいていますけれども、その昔も大手インテグレーターと提携をいたしておりました。そのときはまさしく企業買収的な状況に至りましたので、提携を解消したという経緯がございます。
 しかしながら、当初描いていたエクスプレス事業、今よくテレビで宣伝しているようなドキュメントを中心とした、そういったものは国内の市場で約1,000億と言われているんですけれども、その7割、8割がほぼ寡占化の状態で海外の大手3社に日本は侵食されている。それが、10年前ですとハンドリングの半分以上は我々が国内のお客様を開拓し、地方におけるそういうドキュメントも扱ってきた。
 しかしながら、まさに今、冒頭に申し上げましたとおり、自社集配網をここまで広げてくるという認識はその当時には全くございませんでした。そういったことも含めて、ドイツポストがDHLを買収するなどということは夢にも思っておりませんでしたし、アメリカに目を転じるとFedExとアメリカンポストが提携関係にある。ここの5年くらいで大きく変化を遂げていることは間違いないと思っていますし、結果的に御説明申し上げたとおり、最後は大手のインテグレーターは世界じゅうで自社のブランドを掲げていくという方針がこの4、5年で明確になってきたということだと思っております。

○中城審議官 よろしゅうございますか。
 では、時間の都合もありますので、本日の議事はここまでとさせていただきたいと思います。本日の会合につきましては、定例どおり後ほど事務局から記者レクを行いますのでお含みおきください。若佐本部長、本日は御多忙中のところを本当にありがとうございました。
 では、事務的な連絡がございますので、メンバーの方はしばらくお時間をいただきたいと思います。

(若佐本部長退室)

○利根川参事官 それでは、若干事務的な御連絡をさせていただきます。  今、お手元にお配りしておりますペーパーは、在日米国商工会議所の方からの簡易保険に関する意見書でございます。
 本日の会合をもちまして、関係業界等からのヒアリングにつきましてはひとまずひと区切りということにさせていただきたいと考えております。いろいろとヒアリングの御要望におこたえするように努力をいたしましたけれども、先方の御都合等もございましたりして御希望に沿えなかった点もございましたことはおわび申し上げたいと思います。
 次の会合の日程でございますが、7月16日午前10時からこの場所で開催させていただきたいと思います。議題につきましては、本日欠席をされておりますけれども、宇田さんの方から郵政事業に関するデータの提出の御要望を受けまして、先生と私どもと郵政公社の三者で適宜会合を持ちまして将来の郵政事業に関します一つの試算を行わせていただいておりますので、これを宇田先生の方からプレゼンテーションをしていただく予定でございます。
 その後の日程でございますけれども、この週末以降、吉野先生、翁先生、宇田先生に御参加いただきましてヨーロッパ各国に調査出張を行います。その模様の報告ということで、7月30日に開催させていただきたいということで今、調整をさせていただいておりますので、またよろしくお願いいたします。以上でございます。

○中城審議官 よろしゅうございますか。
 それでは、本日の会合は以上でございます。どうもありがとうございました。