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郵政民営化に関する有識者会議第8回会合 議事要旨


日時:平成16年7月16日(金) 10:00〜11:45

場所:虎ノ門10森ビル(3階) 郵政民営化に関する有識者会議室


○中城審議官 それでは定刻になりましたので、これより郵政民営化に関する有識者会議第8回会合を開催いたします。本日は、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
 本日は、民営化後のビジネスモデルの検討ということで、その意義や前提条件、留意事項等につきまして宇田プリンシパルから発表いただきまして、それについての皆様方の御意見等をお伺いさせていただきたいと考えております。
 なお、議事に入る前に事務局から3点ほどお断りをさせていただきたいと思います。
 1点目でございますが、本日は公社から経営企画部の谷垣戦略担当部長、出西企画担当部長にオブザーバーとして出席いただいております。
 2点目でございますが、奥山メンバーには御都合により10時40分ごろ御退席と伺っております。
 3点目ですが、本日は11時ごろ竹中大臣が出席する予定でございます。
 それでは、宇田さんよろしくお願いいたします。

○宇田プリンシパル どうもありがとうございます。
 今日、なぜここで私が今しゃべっているかということを先にお話をした方がいいのかもしれません。
 まず最初にお断りしておくべきことがあります。1ページ目を見ていただきます。実は、この事業モデル等々の検討というのは数字も使うし、時間もかかるものだという理解をしておりまして、今日はそのさわりというか、どういう考え方で検討をするのか、あるいはしていくのかということをまずお話させていただきたいと思っております。したがって、まだ中間段階の議論でございますし、今日の議論等々を踏まえてまた大きく内容も変わっていくと思っておりますので、あくまでも今日お話するのはたたき台でございます。2番目のポイントですけれども、この事業モデルに最終的にすべきだとか、そういうことを今日議論するということではないということを御理解ください。むしろ今後準備室の中で議論されていくときの発想の広がりを生み出すことに役立つといいなという趣旨でやるわけでございます。
 3番目のポイントですが、私はもともとコンサルタントなのでこういうシミュレーションというものを普通やってはいるんですけれども、そのときにはいろいろな可能性を考えてシミュレーションをします。ところが、中にはそのシミュレーションの前提条件が出た途端に、こんなことはできないと言って思考停止をされるというケースもあります。今日はいろいろな前提が出てきたりしますけれども、それの実現がどうかということよりも、むしろ考え方としてどういうふうな広がり、あるいはボトルネックがあるのかということを抽出するためのものでございますので、フィージビリティというところを今日のところは余りぎりぎり議論せずに、できればその可能性であるとか、今後の考え方の枠組みということが議論できるといいかと思っております。
 そういうことで2ページ目に移りますけれども、秋の取りまとめに向けて事業をどう考えるかということが非常に喫緊の課題になってきている。そのときに、一体自立するモデルがあり得るのか、そのときに何が課題になるのか、施策にどう反映させていくのかというときに、この事業の中身そのものの議論なくしてなかなか前に進みにくいと理解しております。
 たまたまこういう事業モデルを一般の企業について考える機会が多かったということで、ひとまずたたき台を出せと準備室の方からおっしゃられまして、それであれば今日たたき台を提示しましょうということでここに立ったということでございます。
 資料の3ページには、どういう目的でこの事業の検討を行うのか、どんな範囲を議論するのか、4つの機能を4つの事業モデルとして構築する意義というのは一体何なのかということを示しています。
 それから、将来損益シミュレーションを今後実施するに当たって、そのときに勘案すべき点というのは何なのかについても示しました。
 将来にわたっていろいろなシナリオが考えられると思います。不確定な要素がかなりあるし、そういう外部要因を考えた上でどういう将来の広がりの幅があり、事業の成長の幅があるのかということを考える。戦略的な自由度と我々はよく言いますけれども、どこまで事業体が自由度を持っていれば将来の不確定要素に対して、自立を維持できるのかということを見ていくことが必要なのではないかと思っています。
 本日は入り口のところだけでございますけれども、どういう考え方でやるのかということをお示ししながらフィードバックもいただきたいと思っています。
 4ページは「検討の目的」ということで、4つの機能に分けた事業モデル創出の意義の確認ということと、4つの事業モデルの複数のオプションというのはどういうものなのか、ひとまず示しております。それから、ここでは今日詳しくは議論しませんけれども、将来の金利及び政策といった外部環境を加味した場合にどういうシナリオが考えられるのか。最後に、企業としての自助努力について、コスト効率化部分と成長部分はどういう可能性があるのか。概念的でございますけれども、こういう議論をし、こういうことをベースにして皆さんの多面的な議論に反映していっていただきたいと考えています。
 途中でもし御質問等々がありましたら止めてください。いつでもお答えしたいと思います。
 5ページ以降、今回の「検討範囲」は私なりに多分こういうことかと理解をしています。もともと4月の経済財政諮問会議における主要な論点というところからスタートをしていると思っておりまして、その中で民営化の成功に向けてできるだけ早い段階で確認をしておきたいことはどういうことかということを右の方にまとめてあります。
 基本的にはなぜ民営化なのか(ホワイ)というところ、それから郵政公社にとってのホワット即ちどんな事業モデルになるのか、それが政策に対してどういう意味合いがあるのかということが3番目で、4番目がハウ、どうやってこれを実現させていくのかということです。これをワンセットでわかりやすく考えて、外にも伝えられるようにしていくし、中でもこの議論ができるようにしていくということが大事なのだろうと思います。
 ホワイのところは議論がいろいろあると思いますけれども、特に今日、議論をすべきところは多分2のところではないかと思っております。これは、民営化後の郵政会社が事業会社として自立経営し得るのか、そのためには条件としてどういう整理をしていかなければいけないのか議論しておきたい。そのときに、間違えては困るのは、5年後、10年後の事業を今の段階で、例えばこういう議論の中で細かく決めるということは不可能であるということです。
 ただ、一定の幅を見ながら民営化後の郵政公社が事業会社として自立し得る自由度をどの辺まで持っていなくてはいけないのかということは一定量議論できる。つまり、これ以上は出来ないけれどもここまでは広げなくてはいけない。そうしないと、どちらにしても自立していくことはかなり難しい。こういった一種のバウンダリーコンディションを決めるということは必要だろう。
 もう一つは、もしそういうバウンダリーコンディションがあると仮定したら、たまたま例えばこういう事業モデルを考えてみると、こういう可能性が少なくともありそうだということを考えてみる。皆さんも事業モデルのイメージがわかないと、そのバウンダリーコンディションでいいかどうかということもわからないと思います。その事業モデル自体をやりますということではなくても、一定量十分条件としてそういう可能性が本当にあり得るのか。例えば、成長の可能性というのは持っているけれども、具体的に成長の施策というのはどういうものがあるのだろうか。金融商品を第三者から仕入れて売るとか、非金融商品を売るとか、コンビニをやるとかいろいろなことがあると思いますけれども、果たしてそれでどのくらいまでいくかを議論しておくことは大事なことかと思っております。
 即ち、バウンダリーコンディションを決めるのと、十分条件的な例を確認していくということが必要なのだろう。もしかしたら少し違っているかもしれませんけれども、こういうふうに理解をしております。
 それ以外の国民にとって政策の全体像、それから組織体制、移行期の設計というのは、これまた後の話と思っておりまして、今日あるいはこの検討の中では特に直接的には扱わない。ただ、意味合いとしては議論されてしかるべきだと思っております。
 6ページでございますけれども、ではどんな検討をするのか、いわゆるアプローチということです。1つは、左側の経済財政諮問会議の論点整理からスタートをし、上の方の点線の中で準備室にいろいろな組織もできてきて検討が進み始めていると理解をしております。その検討に対して、下の方に書いてある一種のサブのパスというか、これが事業モデルをあれやこれやと考えながら、これでいけるかいけないのかという議論をしながら、また組織の検討、あるいは政策面の検討との間でいろいろな議論をしていく。今日はこの点線の中のさわりを議論したいと思っています。
 それは4段階に分かれているかと思っております。まず最初に3事業の現状が一体どうなっているのか。これは現状把握ですけれども、非常に大事なところだと思っています。先日、最新の決算報告ということをしていただいて大変ありがとうございました。その内容は、当然のことながら現状の把握のスタートになると思っております。
 それから、4月の経済財政諮問会議でもありました官業の特典の見えない国民負担という問題ですね。民営化された事業の話をしますから、必ず今どのぐらいのものが見えない負担としてあるのか、あるいは官業の特典としてあるのかということは把握しておかなければいけません。これなしには、この民営化の議論は非常に難しい。
 それからもう一つは今、公社の中で議論をされている2006年までの中期経営計画というもので、企業の中にいらっしゃる方からどう見えているのか。これは一番重視しなければいけないところではないかと思っておりまして、ここをちゃんと理解をするということがスタートになるかと思っております。
 第2段階では4つの機能を事業に落とし込んでいく。基本の3事業に加えて窓口ネットワークも一つの事業として考えてみようということで、4事業の基本的な構成はどうなるのだろうかということでございます。
 事業モデルというのは一体何なのかというと、事業そのものが一種のもうける仕組みを持って自立していけるようなものでなければ事業モデルとは言えないわけで、単に組織を4つに切りましたというのでは事業モデルではありません。ですから、ハイレベルの、というのは余り詳細のところはなかなかこの段階では難しいんですけれども、4つに分けたとき多分こういう可能性というのはないのかというくらいの事業モデル案が必要でしょう。
 その中で、特に窓口というのは新しく登場してくるものでありまして、非常にわかりにくいのでこの定義というのはやはりはっきりさせておく。それから、4つに分けた場合にはお互い同士の相互のやり取りですね。収入及びコストの配分とか、どういうふうに中の組織を分けるかによってコストがどうなるのかというようなことも出てくる。こういうようなルールが出てくるということです。この辺のところを決めながら、4事業としてのベースケースというのでしょうか。将来のシミュレーションに入る前に、一応ベースケースとしてこの4事業というのはどうあるべきかということをまず考えるということではないかと思っています。
 次に、将来施策及びシミュレーションということですが、ここは2つに分かれると思っております。1つは外部要因であります。これが第3段階です。これは例えば金利の環境であり、それから政策的にある程度明確にわかるもの、こういうものは内部の努力とは無関係でございまして、これはシナリオで議論していきたい。それから、フォーシーズ・アット・ワークと言いますけれども、事業環境で今、起こりつつあることですね。例えば顧客動向が今、大きく変わっています。こういうようなものが例えば預金の動向にどう関わってくるのかといったようなこと、こういうようなこともある程度外の要因として考えておかなくてはいけないことでしょう。これは一定量シリナオで、このくらいの範囲のところまでブレそうだということを見ておいた方がいいでしょう。
 ただ、これもいかんせん、かなり時間軸の長い話だとすると、普通の企業で言うと3年から5年くらいまで何とか見ながら戦略というのは考えていきますけれども、それ以上になるとなかなか考えにくい。限界はありますけれども、一応そういうシナリオで考えてみるということでございます。
 第4段階は、自助努力、経営努力によって改善というのはどこぐらいまでいくのかということです。現状、公社の中で大変いろいろな経営の努力が行われていることは非常によくわかります。したがって、更に今回枠組みを少し変えて、もっと自由にできるようにならないのかとか、もっと早くできるようにならないのか、あるいはもっと思い切ったことができるようにならないのか。こういうことを多分考えるんだろうと思います。公社の中だとなかなかそこは考えにくいところだと思いますけれども、むしろそういうことが自助努力として、もしここまで広げればここまでできるのではないか。これは効率化も成長もあるかと思います。
 戦略的自由度と私たちは言いますけれども、どのくらい経営者が打ち手の自由度というものを持つのかということを議論しながら、例えば大体この辺までの民営化するとプラスの効果がありそうだ、これでは足りないから4事業の基本構成に戻ってみようかとか、シミュレーションをぐるぐる少し回しながら、事業モデル、成長要件であるとか、政策への意味合いとか、そういうところに反映をさせていくというイメージでございます。事業に関しては、普通の企業経営の中でそういう議論というのはよくやることでございますけれども、やはりここでも今の段階からやっておくべきではないかと思っております。
 少し中身の話に入ります。7ページは、そもそもなぜ4事業なのかということはいろいろ書かれたものも多少見ましたけれども、これだというものがなかなかはっきりしていないところもあったので一応書き出しました。私としては単純に3つくらいのことかと思っております。
 1つ目は、郵便局の窓口ネットワークということに自由度をいろいろ与えることによって、一種成長の原動力としていきたいということです。フィービジネスはそんなに大したことはないとか、いろいろな議論があるのは十分わかった上で、しかしながらいろいろなやりようというのがもう少しないのかということです。これは新しいビジネスだけではなくて効率化ということもあります。窓口の効率化ということも含めて経営に自由度を与える。成長というのは何も新規ビジネスで考えるだけではなくて、むしろ一種効率化をしながら、それをまた再投資していくということも当然あると考えていただきたいと思います。
 なぜそれができるのかということは多分3つくらいあるかと思いまして、1つはお客さんとのリレーションシップということだろうと思います。今後、重ね売り商品で1人のお客様に対して複数の商品を売っていくということ、それによって1人のお客さんからの収益の拡大を行っていくというようなこと。これを行う上で、このリレーションシップというのは大変大事だということです。
 2つ目は地域性の考慮ということで、コンビニに関しての議論というのが前にこの席でもあったかと思いますけれども、窓口ネットワーク事業というのは地域性もかなり強い事業が結構あるかと思います。こういうことを反映していくことが多分可能になってくるのではないか。
 それから、一種ブランドということで、個々人の人からしてみると郵政との接点というのはやはり個々の窓口になるわけです。ですから、そこに一種の体験空間といいますか、安心とか、そういうようなものに加えてお客様に対してのブランドというか、お客様が感じる価値というものをそこでつくっていけるということが大事なポイントだと思います。
 2番目は、事業としての一貫性、透明性が生まれて事業責任に対する規律が生まれるということです。可能性としてはそれぞれの事業責任者の責任をより明確にしていくということができるようになる。それぞれが本業として、それぞれの事業が制約を受けずに最適なネットワークオペレーションの体制を築くことが可能になるのではないか。
 それから、これはやや企業戦略的な話になってしまいますけれども、商品を提供する方と販売側ということは一種緊張関係も出てくるし、それが両方にとってプラスの効果を働かせるということは十分可能だと、こういう可能性も生まれてくるということです。
 3番目は、競争相手がいろいろな意味で出てくるわけですけれども、そういうようなところの商品を提供するとか、あるいはそこの取扱いをするというようなことで、新しい提携関係、協調関係も生まれる。いろいろな意味で新しいネットワークが生まれてくるということです。第三者商品を売ることによって新しい手数料ビジネスということもあるし、一種の協調関係が生まれてくるというのも、やはり今回のこの窓口を分離をして4つで考えていくときの一つの利点かと思います。
 8ページですけれども、そうやって4事業として考える場合に、幾つか非常に大事なポイントが残ります。まず4事業をどう定義するのか。窓口事業の切り出し方も含めてそれぞれの4事業がどのように定義されるのか。それから、それぞれが自立をしていくときに、内部手数料というものが必要になる。これによって窓口の営業のインセンティブのかけ方もここで決まってくると思いますし、何かあったときのリスクの負担にも影響してくると思いますので、これも非常に大きなポイントになってくると思います。
 その上で右の方に移っていただくと、将来損益を左右する幾つかのキーレバーというものがあって、ここには外部要因があり、自助努力の要因が両方ある。外部要因には確実性が高いか低いかということの両方がある。これに対して、今後どのような収益の振れ幅が想定されるのかということを考えておかなければいけない。
 それから、自助努力です。ここでは既存の延長線上で見える部分と、それから全く新しい部分ということで不確実性も違うでしょう。したがって、これは戦略的な自由度ということとも絡むんですけれども、どういう広がりを持たせていくと、例えば不確実なものを実現していく可能性が出てくるのかという話になってくるかと思います。
 後半の2つだけ、外部要因と内部努力のところだけ詳しく申し上げます。「外部要因を勘案した4事業将来シナリオ設計の考え方」ということなのですが、これも9ページを見ていただくと共通の外部要因としては金利がどう変わるのかということです。これによって郵貯、簡保の収益は当然大きく変わってくるわけで、これが非常に大きなインパクトを与えるだろう。したがって、ここの部分は共通の外部要因として一種のシナリオなどを置いて考えていくということではないかと思います。
 一方、それぞれの事業ごとに事業特有にいろいろな外部要因的なものがあります。郵便のマーケット、それから預金残高とか、運用の利回りであるとか、あるいは簡保の保有残高。それから予定利率とか、こういうようなものが今後どう推定、推移していくのか。この辺りは一定量のシナリオで入れていく必要があると思います。
 一方、左側に書かれたものも当然のことながら死亡率、解約率とかいろいろあるんですけれども、これを全部変数とすると大変なので、ひとまず固定的と考えておいて、後で非常に大きな要素があるのだとしたら、それは拾い上げていくというふうに考えます。
 その上で、窓口に対して一種の配賦のルールについては、3つか4つくらいのタイプがありますので、それぞれのタイプで配賦をしたときに窓口事業がどのくらいになるのかということ、収益の幅がどうなのかを推定していく。これは、自助努力なしに単純に外部変化によってそれぞれの事業がどうなるかを考えるということです。
 10ページですけれども、その上で「民営化後の戦略自由度と事業ポテンシャルの関係」ということで、実は皆さんが多分一番知りたいのはこの右側のインパクトというところの数字ではないかと思いますが、今日は数字が入っていません。「鍵となるステップ」というところで、今の外部要因以降なんですけれども、5つくらいの段階で戦略的な自由度というものを分けて考えたらどうかと思っています。
 まず事業のオペレーションの効率化ということで、既存の枠組みの中でも今、進められているもの、トヨタ方式でやられているようなものを更に展開していくというようなことはどちらにしても必要であって、こういうような要素のものが1つです。
 それから、2番目は組織体系変更による経営効率化とややわけのわからないことが書いてあるんですけれども、例えば郵便局ネットワークというものをフランチャイズとか、今いろいろな議論があるかもしれません。あるいは、簡易郵便局の数とか、この辺のところのミックスを変えていくということもあるかもしれません。こういうようなものによる変更、経営の効率化がある。
 3番目は、抜本的な経営効率改善ということで、例えば郵便局の配置の中で地価が高いところのものをどうするかとか、こういうようなことも含めて配置の効率化というようなことも一つの手の打ち方ではないかと思います。
 それから、4番目は新しい事業で、金融商品を外から販売をしていく窓口であり、場合によっては非金融商品の販売ということも出てくる。5番目は、他社も含めたM&Aとか提携によってかなりダイナミックに出ていくということで、これは海外戦略というふうに書いてありますが、ほかにもあるかもしれません。窓口の中の非金融商品あるいは金融商品の販売ということもあると思います。
 1から5のように戦略的な自由度を拡大していく中でいろいろな改善というか、改革というものが起きてきて、それぞれごとにこれが一体どのぐらいのインパクトがあるのかということを議論していかなくてはいけないことなのではないかと思うんです。
 最初に申し上げましたけれども、こういうときに、ではこれはできないからこの数字は入れないとか、そういうことを言わないで、一応こういうことまでやったらどこまでいけるのかということを範囲として見ていくことは非常に大事なことではないかと思います。今日はこの数字のことは議論しませんけれども、一応こういうイメージです。

○中城審議官 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの発表につきまして御質問、御意見をいただきたいと思います。
 なお、宇田プリンシパルからは本件については事務方とも活発な議論をしたいということで御要望を伺っておりますのでよろしくお願いします。それでは、どうぞ。

○吉野教授 御報告ありがとうございました。
 幾つか質問があるのですが、1つは現状での簡保とか郵貯の需要というのはやはり商品性とか、店舗の全国展開、国の保障、そういういろいろな条件があるわけですけれども、民営化された場合にその条件が変わってくると思うんですが、シミュレーションを考える場合に現状とそこでの需要の違いをどう考えていらっしゃるのか。
 2番目は関連ですけれども、例えば郵貯でいきますと10年物定額貯金という魅力ある商品があったわけですが、そういう商品が財投改革の関係でうまく出なくなってくるわけですが、そうするとやはり需要がシフトするのではないかという気がします。
 3番目は、現状で日本郵政公社の商品の強みと、民間の消費の強みとそれぞれあると思うんですが、ここは全く今後それを白地に考えてやるような感じだったのですけれども、そのメリット、デメリットをどう生かすかという部分がもしわかれば教えていただきたいと思います。
 4番目は、こういうモデルをしたときに現在の民業にどういう収益の構造を与えていくのか。例えばオーバーバンキングを加速するのではないかとか、いろいろな議論があるわけですけれども、現状の民業に対する影響というのはどうなるのでしょうか。
 最後は、不採算店舗を閉鎖していけばコストはどんどんカットされるわけですが、そういうところはどう考えていらっしゃるのか。たくさんの質問で申し訳ないのですが、お願いします。

○宇田プリンシパル まず1番目と2番目のような商品が変わってくることによって需要は当然変わってくると思っています。それをどうやって推計するかというのは非常に難しくて、これはいろいろ調査をした資料などを見て、今なぜ簡保の商品を買っているのかとか、今なぜ郵貯と付き合っているのかというような資料から、もし安定しているとか、そういうようなものがなくなったらどうなるのか。どのぐらいそういう人たちははげ落ちるのだろうかとか、こういうところを推定していくことに多分なるだろうと思うんです。
 その調査を大規模にやったわけではありませんけれども、既存のものを見て大体はげ落ちるのはどのくらいかということは、一定量の推定はやろうと思ったらできるかなと。ただし、実際には一定量の調査をしていかないと見にくいところではないかと思っています。
 これは今後、多分必要になってくるだろうと思います。ただ、お客さんは常によく言うんですけれども、余り見たこともないものを幾ら聞いてもはっきり言えないところもありまして、過去にこういう場合にどういう行動を取ったのかということをよく見た方がいいかもしれません。そういうことを考えながら、どのぐらい剥落するのかというのは、多少何%剥落するとか、こういうことをシミュレーションの中では入れていきたいと思っております。
 それから、今の商品の強み、弱みを活かすということが多分あるんだろうと思うのですが、実際には商品もそうなんですけれども、先ほどの最初の窓口の強みといったようなところですね。お客とのリレーションとか、信頼性とか、こういったようなものは非常に大きい変わらぬものの強みかなと。商品というのはいろいろな意味で変わってくるところも多分あると思いますが、そういう比較の仕方が多分あるだろうと思いますので、そういう考え方をしていきたいと思います。
 それから、民業へのインパクトということですが、これは是非皆さんにも議論していただきたいところだと思います。巨大なこういうようなものが生まれてくる可能性に対してどうするのかということです。これはあると思います。
 ただし、協調の可能性もかなり出てくると思っております。この辺りは是非、今後議論をしたいと思います。
 それから、不採算店舗云々ということですけれども、先ほどの戦略的な自由度の中に入っていましたが、あの中にはもちろん店舗の形態を少し変えていくということもあるし、店舗が統廃合されるということも一定量はありうると思っております。そのことについてはどこまでかというのはいろいろな範囲があると思います。
 ただし、人員に関しては自然減をベースとして配慮という原則はもちろんありますので、その配慮の原則を考えながらいくべきではないか。

○中城審議官 ほかにございますか。

○伊藤教授 質問なのか、自分の意見なのかわからないんですけれども、お答えいただけるところだけお答えいただければいいと思います。
 1つは、とりあえず何らかのパターンで考えて、いろいろなリスクが起こったとき、あるいはリスク要因が発生したときに、それにどういうふうに対応するかという場合、フレキシビリティということがすごく大事だと思うんです。比喩として適当かどうかわからないんですけれども、例えばこの郵便の店舗と、それからその背後にある郵便事業とか金融とか保険とかというものを流通業などと比較してみると非常にわかりやすいのですけれども、一方でショッピングセンターみたいないわゆる店舗に対応するものが独立してあって、そこにいろいろなビジネスがつながるようなタイプと、例えばユニクロやダイエーのようにいわゆるバックヤードを持っているところが店舗まで全部垂直統合的に持っていくところがあって、どちらが今、強かったか、微妙な議論はあるんですけれども、一般論としては顧客に直面する店舗の部分、流通で言うとショッピングセンターの部分は後ろのここで言う郵便とか金融になるわけですが、そういうものと分けた方がいろいろな意味で対応がうまくいっているのではないだろうか。これは私の個人的意見です。
 それはなぜかというと、やはり後ろにある郵便だとか、郵貯だとか、保険というものがいい方にいくのか、悪い方にいくのか、いろいろなケースであるわけですけれども、それに対して顧客と接するところがなくなってしまったらもともとこういうことを議論することに意味がないわけですから、そこのところを比較的中心に考えた方がいいのではないかという見方もあると思うんです。そういう意味では、予期しないことが起こったときにどういうリスクがあるかというよりも、そのリスクに対してどういう調整能力があるかという観点で何かお考えがあれば教えていただきたいということが第1点です。
 第2の戦略的自由度というのは非常にわかりやすいお話で勉強になったんですけれども、私の頭の中で混乱してしまったのは、こういう民営化とか規制緩和の議論をするときに、いわゆる当該事業主体にどういう自由度を与えるかというのは多分2つの議論があると思うんです。
 例えばこれがNTTの民営化自由化の議論であれば、NTTというのは非常に巨大な通信事業者だから、それ以外の事業者との間でハンディを与えるべきだとか、あるいはここまでやってはいいとか、こういうことをやってはいけないとか、そういう意味での自由度みたいなことはかなり議論になってきて、それが結果的にNTTの変化に大きな影響を及ぼしてきたわけですね。
 ただ、ここで議論されているのはそういう話ではなくて、郵便の窓口にかなり強い自由度を与えてしまうと、郵貯というものは結果的に自分独自では窓口に人を持たない形の中で郵貯事業をやらなければいけないから、それがある種の本当に戦略的に自由度を狭めるのか高めるのかよくわからないんですけれども、そういう話です。
 つまり、何が言いたいかというと、全体としてどこまで自由度を与えるのか。全く自由にするのか、あるいは制限していくかというようなタイプの議論と、どうやって区分けをしていくかという議論の2つのレベルで戦略的な自由度の話が出てきているみたいなので、ここら辺のところをもう少しお話いただければと思います。
 それから、余りお話されなかったのですけれども、リスクを遮断するという議論を多分これから我々はしなければいけないのですが、それにどういうような影響があるのかということです。
 それから、これも余りおっしゃらなかったのですけれども、特定郵便局のポジションというのはどんなふうに考えたらいいのかというようなことがもし何かあればお願いしたいと思います。

○宇田プリンシパル まず、リスクのときにどう対応するか。これは、要するに金利とかその他に影響しないコア事業はどこまで埋めるのかということですね。いわゆるフィービジネスであり、金利であり、あるいは株価とか、そういうことに影響しないようなコアビジネスをどこまで埋めるかということです。
 それからもう一つは、やはり資本を一定量を持つかというような話があります。そうすると、その資本はどこで持つのかという議論があって、これはフィーの決め方とも結構影響してきて、今、言った4つの事業の中でいろいろな外的な振れ幅が起こったときにどこで受け止めるんですかということを考える必要がある。それはさっきの2のモデルで言うと郵貯の会社の方で受けるんですか、販売の方で受けるんですか、それとも両方で受けるんでしょうかという質問になる。これはひとえにフィーの決め方などの要素で決まってくるわけです。
 それからもう一つは、固定の収益をどこまで持てるのかということは、最後の部分の成長のところでどこまで持ってこられるのかということです。
 あとは、リスクへの調整能力ということで考えてみると、多分マネジメントがそういう能力をちゃんと持っていくのかということももちろん当然のことながら大事になってくるのかと思います。私が今、考えているリスクへの調整能力というのは一応そのくらいで対応できるのではないかと考えてはいます。今後議論をさせていただければと思います。
 それから、戦略的自由度でおっしゃる部分は2つ内包していると思っていただいて結構です。この部分というのはおっしゃるように両方あると思います。
 そういう中で、リスクの遮断ということは多分窓口事業をどう設計するかということにかなり影響してくるかと思いまして、今後の検討事項ではないかと思います。新しく設定しなくてはいけない部分というのは出てくるのではないかと思っております。
 それから、特定郵便局のポジションということはユニバーサルサービス・オブリゲーションともちろん絡んでくる話だと思いますけれども、私の基本的な理解は、窓口事業というのは窓口ネットワークを全部今の形で維持しなければいけないということではなくて、むしろ窓口を分離され、郵政事業に、ユニバーサルサービス・オブリゲーション(USO)というものがかかる。郵便事業は最適なネットワークにすることで、リザーブドエリアとよく言いますが、規制のエリアの中からの利潤で自分たちがそれで自立ができるようにする。自分たちで自立できるような形で効率化し、しかも今のUSOというものを維持していきましょうというモデルをつくるわけです。
 そうなってくると、今の郵便局の数というものが全体の郵便のUSOを実現するための絶対条件ではなくなる。そういう意味では、窓口を分離する議論というのは、郵便局のネットワークと郵便のUSOというものを分けて議論をするということを意味するというのが私の理解です。
 したがって、特定のポジションというのは全部窓口に入ると理解をしておりますけれども、窓口事業の中でこれはどういう形になるかわかりませんが、最適なリテールネットワーク、都心が厳しいんだとすると都心の方の効率化が必要かもしれませんけれども、そういう中で考えられていく対象であると思っております。

(竹中大臣入室)

○翁主席研究員 確認事項があるんですが、1つは郵貯残高について新旧を分けて議論されているのかということです。 あとは、このモデルの前提として金融商品開発、資産運用の規模についてどういうイメージをお持ちかということが二つ目です。
 それから、三つ目は、論点としてあり得ると感じましたのは、窓口販売チャネルを銀行代理店として位置付けることは可能か、というのが一つの重要な論点かと思います。証券仲介業になったことによって有価証券とか投信の販売というのは問題はクリアできると思いますが、預金については恐らく銀行免許がないと難しい。その意味では、やはり銀行代理店制度を改革して今、専業になっているとか、100%出資でなければならないとか、そういったところを規制緩和していくことによって、こういったビジネスモデルの可能性が広がっていくのかというような感じがいたします。
 あとは、IYバンクのときにかなり議論がありましたけれども、こういった窓口で異業種というか、銀行以外のところがいろいろなことをするときに、やはり顧客情報の管理の問題が非常に重要になってくるので、ここについても相当条件整備をしていくことも必要になっていくのかなという感じを持ちました。

○宇田プリンシパル 最初の点は全くの私見ですけれども、これは旧勘定と新勘定に分かれて、新勘定のベースとして最長10年で130兆円から150兆円と考えていただいたらいいかと思います。その間、旧勘定の方がアセットが減り、新勘定が増え続け、最終的にこういうような姿になるという想定です。
 それから一種の資産預かり運用会社というような巨大なアセットマネジメントカンパニーみたいなイメージを今のところ考えておりまして、これに対してどのぐらいのバッファーが必要なのかということは、まだ私の方では計算しておりません。一種の資産運用会社というような、新しい業態を想定しています。
 それから、3番目の論点のことなんですが、代理店のところは実は規制緩和が必要になると思っております。またこれは自分たちのためだけにやっているわけにはいかないので、例えば地方銀行の預金を集めるとか、別の金融機関が貯金を集めてくれるとか、そういうような関係が必要になってくると思います。この辺のところはもう少し今後、議論が必要かと思っております。
 それから、顧客情報のことはそのとおりで、この辺はしっかりと実現上のボトルネックにならないようにすべきではないかと思っております。

○中城審議官 ほかに何かございますか。

○鍋倉副室長 では、事務方で私から口火を切らせていただいてよろしいですか。
 郵貯の営業、販売部門を全部窓口の方にやってしまうことになると、販売と企画というものが全く分かれた会社になってしまうんですね。ですから、事業の一貫性という意味が私はよくわからないんですけれども、事業の一貫性からいくとやはり販売と企画が切れるというのは郵貯の事業から見ると営業を持たない会社をつくってしまうということですから、それは企画と運用だけやる巨大な会社をつくってしまうことになると思うんです。
 それでもう一つ、営業をやりながら商品の企画というものをやっていかないと、企画だけというのは本当にできるのか。それから、郵貯の事業の一貫性からいって、営業をして、運用をして、企画をするということがやはり一貫性があるのではないかという感じがするんですけれども、そこはどうなんでしょうか。

○宇田プリンシパル もし本当にそういう企画のための情報が欲しければ、アンテナショップ的にどこかに2つか3つくらい直営を持って顧客情報を取っていく。これはよくやるんですね。だから、全部が全部それで直営チャネルを持たなければいけないということとは少し分けて議論をするということではないかと思います。
 それから、販売と企画が分かれているというのは投信会社とかいくつも例があります。そういう会社でどうやってマーケットの情報を得ているのだろうかというと、非常に積極的に販売側と議論をしますね。自分のチャネルだけではなくてほかのチャネルとも議論をして、一体どういう商品だったら売れるのだろうかということを考えるようになっていく。営業とか企画の人たちからしてみると、外の情報を聞いてきて中で考えるというようなことも出てくる感じがするので、いいか悪いかというのはどちらにもあり得るのではないかと思います。

○鍋倉副室長 旧来の殻にとらわれているのかもしれませんけれども、貯金事業というのをやってきました。商品の企画というのはなかなかできない部分もありましたけれども、この事業に身を置いた立場として、そこが全く販売部門がない会社をつくってしまうというのはどうもものすごい違和感があるんですけれども。

○宇田プリンシパル おっしゃるように、多分違和感はあると思うんです。違和感とは何なのかということを是非議論させていただきたい。是非その違和感を教えていただけるとありがたいと思います。

○鍋倉副室長 何となく気持ち悪いというよりも、その事業に多少携わった者として言わせていただくと、窓口会社というものを仮につくるとすれば一番、今、似つかわしいのは特定局だろうと思うんです。特定局というのは、要するに窓口しかない部門ですから、そこでいろいろな物を売っているということで、これはいわゆる窓口機能オンリーと考えてもいいかと思うんです。
 ところが、集配局の大きい郵便局ですよね。そいう郵便局というのは宇田さん御承知のとおり外務員もいるし、外務の販売もある。それで、後方部隊というのがあって事業が一体となって動いているわけですね。その郵便局で一体的に事業を動かしているわけです。郵便、貯金、保険、それぞれ縦割りになっているわけですね。そこを横に切らなければいけないことになってしまうので、そこにどうしても分割ロスと、分割ロスは多少は分割するんだからしようがないにしても、それはどのくらいなのかということはやってみなければいけないわけだろうと思いますが、一つの大きな問題だろうと思います。
 それともう一つは、郵便局が3つの事業を縦でやっていたものを窓口だけ横に切ってしまうわけですから、そうすると人員の配置で今までやっていたものが全部狂ってくるわけです。
 今、郵便を例に取りますと、郵便の窓口に入る人は、窓口と内部で区分をしたりしている人が年休処理とかいろいろあるわけで交互に入っているわけです。それが切れてしまうので、そういう意味で分割ロスが絶対出てくると思うんです。それと、今まではそれ全部を一つの事業としてやってきたのがそこで切るわけですから、後方部隊との関係をどうするのかというような話が出てくるわけです。
 だから、イメージ的に、それがいいか悪いかは私の偏見も入っているのかもしれませんけれども、私の感じとしては、仮に窓口会社をつくるとすると、繰り返しになりますが、特定局みたいなものは非常にわかりやすい。それから、先ほども言いましたように販売もやって企画もやるというようなことになると、郵便局がそれ一体として直営で事業をするみたいなことは非常にシンプルでわかりやすいかという感じがするんです。そういう場合分けみたいなものも、ある程度議論の中に加えていただければ非常にありがたいと思います。

○宇田プリンシパル オプションとしてもちろん幾つかあると思うんですけれども、1つ確認ですが、特定集配局というか、地方の中の少人数でやっている部分と、都心部というか、普通郵便局の集配機能があるところというのは一緒に議論していいかというと、多分少し分けて議論をした方がいいかなという感じがします。

○鍋倉副室長 そこは私は自信はありません。集配特定局ということになると、かなり小さくなってしまいますから。

○宇田プリンシパル 私は銀行のコンサルティングをずっとやってきて、その中で例えば営業店の機能として個人と法人とを分けるとかいろいろなことをやるわけですね。そのときに、都市部などは割と分けやすいんです。けれども、地方に行くとなかなか分けにくい。だから、地方は、営業店が全機能を持つ方式として、そこは管理体系でうまく分ける。地銀などは皆そういうところで苦労をしています。だから、1つ考えうるのは、地方の特定集配局と普通局というのは少し分けて考えた方がいいかと、私はそういう感じがしているんです。
 それから、普通局のもう一つの問題として、これは議論が少しずれて申し訳ないかもしれないけれども、集配機能が普通局の中にすべて一体化している。つまり、窓口と集配が一体化している。かなりいい場所に郵便局をお持ちなんですけれども、ここに全部これを一体化して置いておくということが果たして今後現実的なのか。一方で、郵便事業には債務超過がありますよというような議論がありました。
 余りそれと結び付けてもしようがないかもしれませんけれども、本当にここの問題解決をしようと思ったときには、1つの解決策としては普通局の機能を窓口と集配とに分けてみる。郵便のネットワークの機能の最適化という意味から、本当に今の普通局のあるところで窓口と集配と一体化しておくべきなのか。つまり、窓口に人が来る場所が果たして集配をやるのに一番いい場所なのかという議論がもう一つあると思います。そこのところは今後、戦略的な自由度の中で議論していった方がいいのではないかと思います。
 それから、もう一つは郵貯が直営チャネルを持っていくべきか、郵便が集配機能と窓口機能を必ず合わせて両方持っているべきか、というのは本当に何がベストなのかという議論がもう一つあると思います。それからもちろん後方と窓口との間でいったりきたりの効率化はあるんだけれども、今度窓口ネットワークになると窓口の中でもそういうことができるわけです。そういう意味で、実務的にどういう解決をすべきなのかという問題はもう少し議論をしていった方がいいのではないかという感じがします。
 それからもう一つ、最後のところで先ほど言った特定集配局のところは、イタリアなどでも皆、同じ問題を抱えています。同じ問題のときにどうしたのかという一つの例は、まず分けることから開始するということです。まずは分けて考えてみる。ひとまずはシャッポを分けてみる。シャッポを分けて確かに一定量の非効率みたいなものが出てきたりすると、今度はやはり時間管理というものを導入していく。
 いろいろなやり方がある。ただし、今より管理が難しくなると思います。だから、そこの部分はマネジメントとしては一歩先に進んでいっていただきたいということは常にあります。一方マネジメント上の工夫で一定量解決できる問題というのはかなりあるのではないかと思います。

○鍋倉副室長 確かに郵便の集配機能の部分と窓口の機能が違うというのは私もわかります。例えば東京中央みたいなところに郵便工場があっていいのかとか、旧郵政省の時代からある議論で、御承知だと思いますけれども、だんだん郵便独自の郵便しかやらない郵便局というのはつくってきているんです。それは窓口と郵便の後方部隊との分離をした方が、例えば大都会のど真ん中に置くよりもコスト的にある程度郊外でも高速道路に面したようなところに置けば、郵便というのはある程度いけるわけですから、配達をしなければいけないのである程度中心地にはなければいけないんですけれども、そういうネットワークの部分と窓口の部分の切り離しというのは、私は昔から郵便でもある議論なのでそこは否定しません。
 ただ、だからこそ全部普通局の窓口は窓口だけ切れるのかということとは違うので、貯金と保険というのは普通局では普通局の後方部隊と一体となって事業をやっていますから、そこを切ってしまうということにもなるわけです。郵便だけは確かに郵便だけのネットワークをつくることはできますけれども、だからと言って普通局を全部貯金も保険も皆、切れるのかというとそうではない。

○中城審議官 途中ですが、大臣のお時間がないので、もし大臣から特にここで議論しておかれたいことや聞いておかれたい点がありましたら言っていただければと思います。

○竹中大臣 今の鍋倉さんと宇田さんのような議論を是非重ねていただきたいということに尽きると思います。本音で議論をしないと前に進みません。是非、今のような方向感を持った、かつ詳細について本音の議論をここでやっておいていただかないと、諮問会議でそれを受けて更に取りまとめということができませんので、今のような議論をお願いいたします。
 それで、私は出なければいけないのですが、総理とお話したときに総理が一番言っておられるのは、なぜ民営化が必要なのかということの入り口の議論を是非きっちりやっておいてほしいということです。論点の整理のメモの中に、見えない国民負担を最小化して国民の利便性を最大化するんだという一般的な書き方をしておりますけれども、それについて、より国民に対して明確な説明ができるような議論を是非入り口でしなければいけないと思っておりますので、その準備は是非ここの準備室の有識者会合でお願いをいたします。いずれにしても、今のような議論を続けてください。
 では、申し訳ありませんが。

(竹中大臣退室)

○竹内審議官 なかなか役人というのはこういうことをめったに聞かせていただけないので、目からうろこで少し光明が見えてきた気がするんですが、損益のところで収入配賦ルールのところは最終的に言うと完全民営化後は要するに独立になるわけですから、初めからコストベースというか、アームスレングスでやる方式にしておかないとまずいのではないか。
 ですから、これは大体私ども役人がやると、長期計画は0.7ではいかないから0.5にするとか、国鉄のまさに失敗はそういうことで起きているわけですから、是非ここはコストベース的な議論で、ただコストプラスアルファのところをどうするかというのは何が適当かという御議論はあると思うんですけれども、そこは例えば電力会社のああいう方式もありますので、是非教えていただきたいと思います。
 もう一つは、普通リアルオプション的な考え方かどうかはともかく、状況がくればおっしゃっているように民間銀行や民間企業の場合は単純にはコストをカットするわけです。たまたまこの前、ある国立病院の話を聞いたんですけれども、30年間全然黒字にならないのに、民間の経営者が入った途端に翌年から黒字になった。どうなったかという話をここで言うと長くなるんですけれども、例えばアントレプレナウアーシップとかイノヴェーションですね。
 昨日、私どもは郵便局に行ったのですが、都心の郵便局に行って窓口の人と話していたら、驚いたことにどうやって商品を売ろうかというので特定郵便局長さんを除き、夜の7時から1週間に1回営業会議をやっていると言うんです。それで、そこにある学資保険のポスターなどを見ると手書きのポスターで、どこかの銀行のものよりも全然魅力的なんです。そういうシュンペーター的なプラスアルファというところが多分ここのリスクファクターの中のところにももう一つあるのかなと。そういう点で言うと、やはりインセンティブがわく民営化ということもあるのかなという感じがしています。
 それからもう一つ、金利にかかる話なんですが、正直なところこれからはどうみても金利は上がってくるわけで、そう金利においてシナリオが変わるという感じはしていないんです。というのは、もう既にあるべき姿のポジションがありますから。
 一方、どうしても感じとして思うのは、まさにさっきネットワークとしての郵便局とユニバーサル・オブリゲーションを分けて考えるべきだとおっしゃられていますね。そうすると、ユニバーサル・オブリゲーションの部分はひょっとしたらここのモデルの外かもしれないですね。それに伴うナショナルミニマムを維持するためのコストですね。
 これは私の個人的な感じですけれども、さっきおっしゃったように銀行のをおやりになっていて、銀行などというのは民営化すれば都心の店舗をどんどん減らしていくのは当たり前で集約すればいい。だけど、よく言われているように山奥の、我々も昨日奥多摩に行ったんですけれども、80世帯のところにある簡易郵便局なんです。だけど、逆に言うと、では何で暮らしているのかと聞いたら、観光とかほかのことをいろいろやっていると言うんです。だから、1日にお客さんは2人だけれども、それでやっているわけです。そういう形で既に生き残っている部分もあるんだから、それはそういう中でお考えいただけばいいのかなと。
 昨日、朝から晩まで郵便局を回ってみて印象をすぐ持ち込むのはあれなんですが、その辺は特に銀行をおやりいただいているということなので、破綻したところから比べればここは債務超過といってもたかだか数千億円ですから、あの規模で数千億の破綻なんて私が言うのも変だけれども、そこを埋めるようなこともモデルの中でアイデアとして出していただければいいかと思います。
 いずれにしても、今日ここで実は初めて伺った話でして、事務方としては時間をいただいて、先ほど鍋倉副室長が議論したようなことでいろいろ議論をさせていただきたいと思います。

○翁主席研究員 ビジネスモデルとの関連、それから竹中大臣も今、言われたのですが、官業ゆえの特典というか、見えざる国民負担について、先日いただいた平成15年度の決算の要旨を元に幾つか前提を置いて試算してみますと、免除されている税金が約7,000億、政府保証による預金保険料とか、生保の機構の負担金で大体2,000億、それから過去の財投預託に伴う金利優遇分が大体2,000億で、大体1兆1,000億というようなイメージです。
 これはいろいろな計算や試算、前提があると思うので、また御検討いただきたいと思うのですけれども、現在4,800万世帯日本にはありますので1世帯当たり大体2万3,500円というイメージになります。
 さっき竹内審議官が過疎地のコストの話をされましたが、これも簡単に試算してみたんですけれども、行政監察結果で99年に集配特定局と簡易局の年間の運営コストというものが出ていまして、このデータを基に、過疎地の郵便局が大体4,500ありますけれども、簡易局と無集配特定局と集配特定局の内訳はわかっていますので、これで一定の前提を置いて過疎地の郵便局のコストを試算すると年間大体1,300億くらいしかかかっていないことになります。ですから、こういったことも少し参考にしていただければと思います。大体こんなイメージでございます。

○中城審議官 何が1,300億なんですか。

○翁主席研究員 過疎地における年間の運営コスト、過疎地の4,500局の年間の運営コストです。

○鍋倉副室長 それは簡易局にすれば安くなるということですか。

○翁主席研究員 無集配特定局が年間の運営コストが2,833万円、簡易局が1,170万円ということが行政監察結果に出ておりまして、それに集配特定局は過疎地においては5人という前提を置いて人件費を3分の5倍して、それではじきました。

○中城審議官 トータルとして1,300億程度が過疎地を今、支えるために必要なコストだと。

○翁主席研究員 行政監察結果を使って試算した過疎地郵便局の維持コストです。

○鍋倉副室長 前提としてお伺いしたいんですけれども、これは窓口会社が大体郵便局を持つというイメージなんですか。郵便局はどこに所属するんでしょうか。

○宇田プリンシパル 郵便局は郵便局でいいと思うんです。それで、郵便局の中の窓口部分は窓口事業会社が持ちます。裏側は郵便会社が持ちます。

○鍋倉副室長 そうすると、郵便局は区分所有みたいになってしまうんですね。

○宇田プリンシパル そうですね。だから、店長さんというか、そこの全体をマネージする人はいるわけですね。ビル管理をする人、一体管理をする人はいます。

○竹内審議官 では、コンビニの運輸業とATMが置かれて物販もあると。それでは余りにイメージ的に……。

○宇田プリンシパル そこまで言っていいかどうかはわからないですけれども。
 それから今、言っている、見えざる国民負担のところについて、我々の試算は1兆2,000億くらいだったんですが、ただ、これは大体そのくらいの範囲かなという感じであります。これも固定資産、財投金利部分と保険料と日銀当座預金、一部法人税、事業税、住民税ということを考えてということです。

○中城審議官 ほかにいかがですか。

○鍋倉副室長 私の希望として、私は自分で先ほど申しましたようなイメージがあって、それは恐らく私だけではなくて郵政事業に従事する者というか、そこはいわく言い難いところはあるんですけれども、普通局が直営みたいな感じで特定局が窓口というような感じの場合分けというのも私もつくりますので、そこのシミュレーションというものも是非お願いできればと思います。

○宇田プリンシパル 普通局が直営ですか。その直営はだれが持っているということですか。普通局を直営している主体はだれになるのでしょうか。

○鍋倉副室長 これはいろいろな考えがあると思います。御承知のとおり、ほとんどのスペースを郵便で占めていますから、郵便局会社が持つこともあるかもしれませんし、それはいろいろな場合分けはあると思います。

○中城審議官 よろしいですか。
 それでは、本日の議事はここまでにさせていただきます。本日の会合につきましては定例どおり事務局から記者レクを行います。
 最後に、次回の会合の日程につきまして事務局から御連絡いたします。

○利根川参事官 ただいまお配りしていますものにつきましては、先般郵政公社の決算のヒアリングの際に奥山先生の方から御質問があって別途資料提出をしますという回答が公社からあったものでございます。資料の方には郵便貯金保険の削減人員数だけが出ていたのですけれども、これを金額に置き直すとどのくらいになるかということでございましたので、お配りさせていただきました。
 それから、翁先生の方から1兆2,000億強の貯金の運営費が530億くらいのコストが削減されている。これは、1兆2,000億がベースで、それが500億円ぐらい運営費が削減されているという理解でよろしいかという御質問があったかと思います。基本的にはそうなんですが、ただ、企業会計原則を適用していますので、実際に1兆2,000億というのは官庁会計時代の数字でございますから、そこの違いは多少ございますけれども、考え方はそういうことでございます。
 それから日程の関係でございますけれども、これからヨーロッパの方へ先生方に御出張をお願いしてございます。吉野先生、宇田先生、翁先生に御参加いただきまして、事務局の方からも随行させていただきます。そういうことで、来週水曜日の21日から宇田先生、途中から翁先生にお願いしまして、フランス、イタリア、ドイツの3か国、それからその前の18日から吉野先生にイギリス、オランダ、スウェーデンということで予定をしております。
 次回につきましては、この海外調査の結果と、今日の宇田先生からの御発表についての御議論を合わせまして、7月30日金曜日の午前中に開催をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。以上です。

○中城審議官 よろしいですか。
 それでは、本日の会合は以上でございます。本当にどうもありがとうございました。