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小泉内閣メールマガジン

[シリーズ郵政民営化]


[2004/12/02]第166号

● 健全な事業運営が可能な制度設計を(慶應義塾大学教授 池尾和人)

 「郵政民営化の基本方針」では、郵政民営化によって「公的部門に流れて
いた資金を民間部門に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可
能になる。」とされています。この点が、郵政民営化の大きな意義の一つだ
と考えられているわけです。確かに「官」に資金が集中している状態を是正
することは、日本経済にとって非常に重要な課題です。

 しかし、すでに2001年度から財投改革が実施されています。すなわち、
財政投融資制度の仕組みが大きく改められ、預託制度は廃止されました。い
まはまだ経過措置が残っていますが、それを別にすれば、郵便貯金や簡易保
険で集まった資金が自動的に政府や特殊法人等に回るという仕組みはもうな
くなりました。経過措置も、2008年3月末で終了します。

 したがって、政府や特殊法人等が債務(国債、政府保証債、財投機関債な
ど)の発行をやめれば、「官」に資金が集まることは止まります。もちろん、
そのためには財政を健全化し、赤字を出さないようにしなければなりません。
この意味で、資金の流れの正常化のためには、郵政改革以上に、「出口」の
特殊法人の見直しや財政再建が重要です。

 言い換えると、特殊法人改革・財政改革の進展がなければ、郵貯・簡保事
業の改革が大きな成果をあげることは期待できません。したがって、小泉政
権には、これらの課題にいっそう注力していただきたいと思います。

 他方、郵政改革の進め方としては、郵便事業の持続可能性に関する検証に
もっと注意が払われるべきだと考えます。このメルマガもそうですが、イン
ターネットの活用が進む一方で、手紙やはがきの取り扱い量は急速に減少し
てきています。こうした中で郵便事業の健全な存続を図っていくことは、並
大抵な努力で可能なことではありません。

 それゆえ、郵政民営化にあたっては、健全な事業運営が可能なように、徹
底的に考え抜かれた制度設計が行われることを強く希望するものです。

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