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 トップ会議一覧郵政民営化について郵政民営化情報システム検討会議開催状況 [印刷用(PDF)]


郵政民営化情報システム検討会議第6回会合 議事要旨


日時:平成16年12月13日(月) 15:01〜17:15

場所:中央合同庁舎第四号館(11階) 共用第一特別会議室


○加藤座長 本日は、皆様、お忙しいところをご参集いただきましてありがとうございました。
 定刻になりましたので、これより郵政民営化情報システム検討会議の第6回会合を開催いたしたいと思います。
 前回に引き続きまして、今回もこの会議における意見集約に向けたフリーディスカッションを行ってまいりたいと思っておりますので、議論の端緒といたしまして、天野先生に1つ資料を用意いただきました。さらに、事務局にも資料を用意させてありますので、それをご紹介したいと思います。
 天野先生の資料ですが、前回のこの会議で事務局から紹介があったとおり、11月25日開催の第7回ワーキングユニットにおきまして、取りまとめの報告書作成に当たっては、図を用いることなどにより論理的に整理すべきであるというご意見がございました。その際の議論では、天野先生からイメージをお示しいただきましたので、これを清書したものでございます。
 それでは、天野先生、よろしくお願いします。

○天野CIO それでは、資料1を説明させていただきます。
 1枚目は、日本郵政公社さんの現状のシステムをあらわしたものだというふうに思っております。人事とか経理とか、総務関係は省略してありますけれども、基本的には事業ごとの機能別のシステム構成になっておって、郵便局の段階では情報を一元的に管理することは非常に難しいという構成でございます。
 資料2ページ目をお願いします。2ページ目は、現時点で想定し得る将来のシステム構想図でございます。窓口ネットワーク会社のシステムが、各郵便局ごとの情報を一元的に管理します。このシステムには、今現在されております各事業、郵便、郵貯、保険のシステムが接続されることができますし、またさまざまな新規業務、例えば各種の物品とかチケットの販売とか物流とか、郵便、簡保会社以外の金融機関からの金融商品の販売も取り扱える構造になるというふうに思っております。これらの販売データを、各郵便局から郵便、郵貯、保険会社に対して一元的に提供することができるのではないかというふうに思っております。
 3枚目は、2007年4月の暫定システムのイメージでございます。2番目に述べましたように、窓口ネットワーク会社独自のシステムが、今、日程上、作成が困難だということから、現在の郵貯のシステムを拡張して、各郵便局単位で一旦経理を締めることを可能にするつもりでございまして、当然これは郵政民営化に関する各種の前提に基づく暫定案でございますので、実際に民営化が行われた後で、本来あるべき2枚目のようなシステムへの移行が、民営化会社の経営陣の判断に基づいて行われるだろうということが予想されるわけです。
 なお、つけ加えますと、これらのシステム図は概念図でありまして、個人情報など法律で保護されるべき各種情報については、物理的に機器を分離するとかソフトウェアで対応するなどの各種の方法を講ずることが可能であるということをつけ加えさせていただきたいと思います。
 以上で説明を終わります。

○加藤座長 ありがとうございました。
 それでは、ご質問は後にさせていただきまして、続いて事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくどうぞ。

○高橋参事官 事務局からは、資料2を用意いたしました。
 資料2は、これは前々回、前回と主な意見を整理した表を提出させていただいておりましたが、前回いただいたご意見等を踏まえまして再編集いたしまして、改めて配付させていただいたものでございます。
 特に説明はしませんけれども、以上でございます。

○加藤座長 ありがとうございました。
 それでは、フリーディスカッションをいたしたいと思いますので、どうぞご意見をおっしゃっていただきたいと思います。
 山下さんの方から、何か今の天野先生の図をごらんになって、概念的にこういうふうにできそうだというような判断はございますか。

○山下CIO 今の天野先生のご説明は、現状と、それから私どもが本来あるべき本格対応と想定しているのが2つ目で、3つ目が暫定対応の概念図を書いていただいたということで、いわばそういった議論を整理していただいたということでございますので、特にこちらからこれ自体について意見はございません。

○加藤座長 ただ、この3枚目のところは、天野先生のお考えでは、2007年4月にスタートできる案ということになっているんですが、これはやはり可能というふうにお考えになりますか。

○山下CIO それは、今までも何度も申し上げておりますけれども、これは概念図でございまして、この背後にある色々な問題は、これからだけではわかりません。それが可能かということでしたら、また同じ話をするというふうに先生方は思われると存じますが、少しまとめてもう一度私どもの考え方をご説明させていただきます。
 前にも申し上げましたけれども、私どもとしては、民営化はもう早くやりたいんだけれども、我々には経営上の責任がある。リスクがコントロールできる範囲内でやりたいということでございます。前回も紙でお示ししましたように、私どもとしてはきちっとした業務の要件を確定し、その後で窓口会社も自立した会社としてシステムを持てるような形で2009年4月からというのが最適ではないかというふうに思っているということを申し上げました。
 その上で、しかし、政府のご方針であり、また先生方も2007年4月から工夫をすればできるというご判断であれば、私どもとしては、そういうご判断であればということでございます。ただ、その暫定対応については、私どもはベンダーとともにいろいろ検討してきましたけれども、公社としてはあまりにもリスクが大き過ぎるので、経営として責任を持てないと申し上げてきましたし、また実際にシステム開発を担当いたしますベンダー各社も、全く同じ心配をしております。
 その理由をもう一度整理して申し上げますと、まず第1に、その業務要件がタイムリーに固まらないリスクが小さくないことであります。今回の民営化、分社化では、窓口ネットワーク会社が新設されるわけでございます。これは、銀行とか保険業務等を営む代理店として、いわば新しい試みになるわけでございまして、前回の会合で金融庁からご説明がありましたように、この代理店はどこまでの業務が認められるのか、またその新しい業態である代理店業務、代理店に対して一体どういう報告が義務づけられるのかとか、顧客情報管理に関する規制が一体どうなるのかとか、まだはっきりしたことがわかっていないわけであります。また、民営化に伴って、新たに税制面への対応が大きな課題になるわけでございますが、与党・自民党は、ご承知のとおり民営化自体について態度を決めておりませんので、来年度税制改正の検討の爼上に上るかどうかもはっきりしないわけでございまして、その意味で税制面での要件がタイムリーに決まるのかということもわかりません。
 このように、公社だけでは決められない要件が無数にございまして、私どもが要望しておりますように、必要な業務要件がタイムリーに固められるのかどうか、かなり心配しているということであります。これが第1、つまり我々自身で決められない業務要件が本当にきちっとタイムリーに決まるのかどうかということが第1であります。
 第2に、官である公社の業務の現状から民に移行するわけでございます。私どもの生田総裁は、いつも旧大陸から新大陸への移行というふうに表現しておりますけれども、非常に大きなギャップがあるわけでございます。企業会計原則、税法、そして金融業法等によって求められる業務水準と現状とのギャップがあまりにも大きいため、公社内での業務要件の確定自体に多くの時間がかかりますとともに、既にご説明しておりますように、システム開発規模自体が暫定対応でも4万2,000人月と極めて大きく膨らむということであります。
 このうち、郵貯の勘定系システムの改修による部分が大きなウエートを占めておりますために、無理なスケジュールでの開発を強行いたしますと、国民生活に大きな影響を及ぼす「みずほ銀行型」のシステムトラブルの発生さえ心配されるということであります。あまりにも大きなシステム開発になるということであります。
 3つ目が、こうした巨大なシステム開発にもかかわらず、開発期間が仮に来年6月末までに業務要件が固まりましても21カ月間という、公社にとってはかつて経験したことのない短期間で作業を行わなければならないということでございます。最大の心配は、この21カ月では、テスト期間が3カ月、訓練研修期間が2カ月しか確保できないという点でございます。仮に、テストで郵貯の勘定系システムにバグが出た場合でも、再度のテストでもう一度、大丈夫か、直ったかどうかをチェックするチャンスがないということであります。しかも、公社の約80に上るシステムを同時に改修して、それぞれの連携を確保しなければなりません。こうした大プロジェクトのマネジメントを、公社の200名のシステム担当がやるわけですが、うち半数は、3年以下の経験しかない、いわば素人でございます。人員の増強には努めておりますが、公務員の給与等さまざまな制約がございまして、その補強は短期間には実現しません。これだけの巨大システム開発を、21カ月という短期間にこの脆弱な体制で実現にこぎ着けることは、公社の業務の実態を知る私の感覚からしますと、ある意味では奇跡に近いというのが実感でございます。
 第4には、仮にシステム開発が幸いに目立ったトラブルがなく間に合ったとしても、これまで何度もご説明申し上げておりますように、法令・規制遵守面、あるいは経営支援面の双方において多くの問題が発生する。せっかく民営化するのに、自立した会社とはとても言えない、独立した会社として経営可能とはとても言えない状況になるのではないかということが、確実だと思われますので、これも大きな問題だと私どもは思っております。
 そして第5には、予期せぬ事態の発生で2007年4月のシステム稼働が困難と判断される事態が起こったときに、法律による民営化実施の前提になっているわけでございますから、経営者の判断ではシステム稼働を延期することはできません。こういったリスクにどう対応するかということが大きな問題だと思います。
 例えば、そうならないことは祈っておりますけれども、国会審議が紛糾して大きな枠組みの変更がある、あるいは政府サイドの業務要件の確定がおくれて21カ月の開発期間がとれないというようなことになった場合には、3カ月のテスト期間の確保さえ困難になるということがあり得るわけでございます。さらにはシステム開発に手間取って計画どおりの線表が維持できなかった場合等々、いろいろな心配が想定されるわけです。これだけの巨大システム開発でありまして、政府の強いご意思によって、私どもが無理だ、ある意味では奇跡を祈るしかないと考えているスケジュールでのシステム開発を強行されるわけでございますから、全国のお客様にご迷惑をかけないよう、必要最低限のセーフガードを設けることは、そうしたご判断をされる政府サイドの義務ではないかと私どもは考えております。
 このような国民生活に大きな影響を及ぼしかねないプロジェクトにつきまして重要な決断が下されるわけですから、この決断をされる先生方には、そのご判断の前提となる条件が守られているかどうかについてきちっとチェックしていただいて、中立的な専門家として国民の立場から、政府や公社、あるいは関係ベンダーに対してアドバイスや勧告をしていただく。まことに申し上げにくいことでございますが、そういった責任をお持ちいただくのが適当なのではないかと考えます。歴史的大事業である郵政民営化の立ち上げがうまくいくかどうか、また、国民生活に予期せぬ打撃を与える可能性のあり得る重大なご判断をしていただくわけでございますから、ぜひそのようなご覚悟を持ってご決断をいただくようにと、そういうふうに私どもはお願いしている次第でございます。
 長くなりましたが以上です。

○加藤座長 何度も同じことをお聞きしているものだから、大変お答えも非常に順序立って、うまくなられましたね。
 いかがでございますか。
 天野先生の図で参りますと、この窓口用サブセットのところというのは、これは今までのを使えばよろしいんですか、それとも新しくつくるわけですか。

○天野CIO 詳細は詰めておりませんけれども、多分、今のものを少しなぶらなければいけないのではないかという感じがしています。つくり直すというよりは、少し形を変えて、私どもの会社の言葉で言うと、「カイゼン」するんだろうなという感じで、客観的に言うと、この部分は1割か2割のステップ数になるのではないかなと個人的に思っておりますけれども。

○加藤座長 ほかにいかがでございましょうか。

○天野CIO 1つだけ。山下CIOの話ではないんですけれども、これはもう既に、いわゆる民営化の準備のために、今あるシステムをどう直したらいいのか、いわゆる株式会社としてやるために、税法上の話も含めて大体わかっているところがありますね。それは、スケジュール的にどうなっているかわかりませんけれども、アイ・エヌ・ジーだというふうに聞いておりますが、もしどの程度進んでいるかわかったら、差し支えない範囲で教えていただきたいなと思いますけれども。

○加藤座長 どうぞ、間瀬さん。

○間瀬執行役員 前からお話ししていますように、税制ですとか、それから預金保険機構等既に法律があるもの、これらについては既に勉強を進めているところです。できるものからやっていっているというのが実態でございますけれども、最終的にそういう枠組みのところは、ある程度勉強が大分進んでおりますけれども、ただ、これもIT部隊が先行してやっているというのが実態で、業務部隊は日々の業務にかなり追われておりまして、実際、ITと業務が本来は一体としてこういう仕事は進めていかなければいけないんですけれども、若干ITが進んで、業務が若干おくれているということです。全体から見てまだ3割程度か、進んでいるところは4割というところもありますけれども、そのぐらいかなというふうに感じております。

○山下CIO 補足をさせていただきますと、おっしゃるとおり、民営化によって企業会計対応としてどういうことをしなければいけないかとか、あるいは税法でどういうことが必要かということは、鋭意勉強しております。
 ただ、これまでも何度かご説明申し上げましたように、私どもは2万4,000の拠点と、それから多数のオペレーション要員を抱えておりまして、それに事務センターもあって、その中で一体どういう形で具体的に従来の業務フローを変えていくかということ自体が非常に大きな作業でございます。これはこの間も申し上げましたけれども、プロジェクト推進本部を立ち上げて、今、業務フローの見直しを鋭意進めているところでございます。
 ただ、いずれにしましても、その業務の見直し自体が大変な作業でございまして、それを私どもとしては、この間からご説明しておりますように、6月末までに何とか仕上げて業務要件を確定させ、システムの開発に持っていけるような準備をしているという段階でございます。
 ただ、私どもが危惧しておりますのは、民営化に当たっては非常に大きな作業が同時並行的にたくさんあるわけですね。例えば、労働組合はまだ民営化自体に反対しているわけですよ。それを、国会で法案が通って、それから組合が合意して、それから5つの労働協約を締結して、20数万人の、個々の1人1人の帰属を決めていかなければいけないという大作業があります。それから、民営化、税法対応のための膨大な資産の確定を含めていろいろな実務作業がある。そうした中で、業務フローを固めて、それでシステム開発に入るというように同時に膨大な作業を進めていくわけで、実務的に非常に大変だということでございます。そういった意味で、いわば公社の全員が取り組んで、この短期間のうちに片づけなければいけない実務面の課題が多数あるということでございます。
 ですから、今申し上げましたように、私どもとしては、このシステム開発には最低21カ月が必要であり、その前提としての業務フロー策定には、今、天野CIOからご質問がございましたように、できるところからいろいろ勉強し、準備し、あるいはNTTの過去の経験を教えていただいたりとかしながら、準備作業を進めているというところでございます。

○加藤座長 天野先生、よろしいでしょうか。

○天野CIO はい。

○加藤座長 國領さん、何か。

○國領教授 ちょっと質問させていただければ。
 スケジュール的には、これは年内に何か結論を出せというのが我々のミッションだということでよろしいんですね。

○加藤座長 はい。

○國領教授 わかりました。最終的には、基本的に可能か否かという判断を書けばいいということと理解してよろしいわけですね。

○加藤座長 そうですね。

○國領教授 わかりました。だから、大分、論点はもうかなり出尽くしているので、そろそろどういう表現というのか、やはりどういうまとめ方をするのかという議論をするのがよろしいのではないかと。

○加藤座長 そういうこともあると思いますね。
 同時に、私がいつも思うことは、こういう民営化をやるときは、相手側がやろうという気持ちになってくれないと困るんですよね。どんな場合でもそうなんですけれども、なかなか賛成してくださらない。今お話しの中にも、組合が反対云々とありましたね。それから、組合の人たちをどこへ配置するかということを考えなければなりませんとおっしゃったでしょう。そういうものは、国鉄の場合も全く同じでございまして、そういう人たちをどうやって配分するかということを頭の中に入れながらやらなければいけないわけで、それが終わってからやるのではないわけですよね。そこのところが、何か山下さんのをお聞きしていると、そっちの方がちゃんと問題解決してからやりましょうと、こういう感じなんですけれども、やはり民営化をやろうということについては、前からもう山下さんは同意していらっしゃるわけですから、その民営化をやろうという気持ちがおありなんだとすれば、多少の問題のあるところは切り捨てておいても、そして実際にそこのところは完璧な姿がなかったとしても、やり得るんですよね。それが結局やれないということは、民営化する気持ちも実はないんだということになってしまうんですよね。そこは困ってしまうんですけれども。

○山下CIO いや、それは私、大変異論があります。私どもとしては、ともかくいい民営化をやりたいというふうに思っていますし、公社の我々の未来がかかっているわけですから、きちっとしたことをやりたいと思っています。
 たしか、加藤座長は、郵政民営化に関する有識者会議の第2回会合にゲストスピーカーとして出席されておられますが、公表されている議事要旨を見ますと、こういう言い方をされておられます。「何と言っても改革をやるのには時間がかかります。国鉄の場合には、これはすぐできたかのように皆思っておりますが、間違いでございまして、実はスト権ストから始まっている。」「郵政民営化については、スパンで考えますと、10年でやっと方向がつくんじゃないかという感じなんです。今みたいに2007年に民営化ですというのは、ちょっと早過ぎるという気がします。そんな急速にできるのかという気になりますよ。」「私はやると言ったって、部分的にやってみた、それから全体として、これは早くやるけれども、これはゆっくりやる、そういうおおらかな民営化を頭に描いた方がいいと私は思っています」と、こう言われているわけですね。
 先ほど私が、いろいろ実務面で大変だと申し上げました。それは、だからできないと言っているのではなくて、時間がかかるということを申し上げているんです。要するに、27万人の人たちが未来に向かって全力を挙げなければ民営化などはうまくやっていけない、それはまさに加藤先生がおっしゃっているとおりでございます。あともう一つの大きな問題は、やはりその実務の積み重ね、それは時間の関数でございまして、特にシステムでございますから、しかも郵貯の基幹系システムの大きな改造が入るということで、私どもはそこに大きなリスクがあるということを申し上げているわけです。ですから、私どもはそういうものをきちっと踏まえた上でやらなければいけないと。
 しかし、政府のご方針として、ともかく今、多分、加藤先生もこの春のゲストスピーカーの時点と考え方が変わっていないとすれば、やはり今のテンポというのは相当性急だということになると思うんです。そのように性急でやる場合にはいろいろなリスクが出てくるわけですから、そこについてきちっとセーフガードをつけていかないと、せっかく民営化をやるのに、2007年4月に郵便局の窓口が大混乱になって、国民の皆さんから一体何だ、何をやっているんだというようなことになったら、本当にせっかくの民営化が最初から泥がつくということになりますので、そういうことを避けたいということを申し上げているんです。

○加藤座長 國領さん、よろしいですか。

○國領教授 多分、そのあたりが残る1つの詰めるべきところのような気がしまして、それがそのセーフガードの意味なんだろうと思いますね。ちょっと巷で、もう新聞に載ってしまっていてやや違うなと私が思うのが、セーフガードとして民営化を延期しなさいというふうに主張されているかのごとく報道されてしまっているんですけれども、それはそうではなくて、セーフガードとしてやはり法令遵守のところが守り切れなくなることについての手当てをしましょうと。つまり、いざもう最後のところで暫定システムがいろいろなものに振り回されて間に合わなくなってしまったときに、現行システムのままで突っ込むと、これは恐らく国民生活を脅かさないという意味では、その方がかえっていい場合もあると。ただし、法令遵守などについて、いろいろな特例措置を総動員しないとすごく大変なことになってしまう場合において、法令遵守義務の方について、いろいろ安全装置をつくっておくことによって、逆に暫定システムをとにかく頑張ってそれまでに間に合わせてつくろうという気持ちに公社の中でもなっていただけるんだとすると、そこについてのセーフガードというのは一体何なのか。確かに、ちょっとこの資料に書いてあるように、全く経営陣だけで決められない話というのはやはりあると思いますし、外側で決まる話というのもあると思いますので、そこについて考えるとか考えないとか、そこの議論になると思うんですけれども、まず入り口論として、セーフガードというのは民営化を延期しろという話とは違うというところについてちょっと確認いただけると、話が前に進むと思いますが。

○山下CIO 前回あるいは前々回にもお話しして、前回は紙でお出ししたと思いますが、そこで申し上げたのは、1つは業務要件、これは私どもで固められる部分もございますけれども、今回は私ども国営企業が民に変わるということで、今、準備室を中心にいろいろな制度設計をされ、これから法制化されるわけですから、そこで決まるところがたくさんあるわけですね。そういう大きな枠組みとか土俵が決まらないと、業務要件が確定されない部分がたくさんあるわけですから、例えば保険の外務員が窓口ネットワーク会社に入るのか、保険会社にそのままいくのかで随分業務フローのつくりが変わってきます。システムのつくりも変わってくるわけです。そういったものがいろいろあるわけですね。私どもは、自分たちで決められるものはどんどんやるし、それから私どもからリストをお出しして、準備室を中心に政府で固めていただくことについては6月末までに決めていただく。そうすれば、開発期間として21カ月とれるわけですから、テストも1回、研修期間も2カ月とって、何とか線表は書けます。そういうことを申し上げているわけですので、そういった要件の確定について、政府の方でも最大限のご協力をいただいて、来年6月までに、100%とは言いませんけれども、100%に近いものを決めていただかないと困りますと、これが第1の要件として申し上げました。
 それから2つ目は、私どもは今回の暫定対応について、私の感覚からいうと、奇跡に近いことがないとなかなかうまくいかないのではないかという心配を持っておりますと申し上げました。もし万が一、テストをやって郵貯の勘定系システムや何かにいろいろバグが出て心配だということになった場合には、やはりこれは本当にそのまま突っ込むのかというところが問題になります。それを民営化の延期というかどうかは別として、その実施時期を何カ月かずらし得るフレキシビリティーを持たないと、ともかくバグがあるにもかかわらずそのままいかなければいけないということになります。だからそういった意味ではその実施時期について、ある程度のフレキシビリティーを持てるセーフガードがなくて大丈夫かということを申し上げています。
 それから3つ目は、暫定対応でいろいろなものを先送りするわけですから、今、國領先生がおっしゃったように様々な問題が起こり得るので、そこについてはウエイブしていただけるような経過措置を設けるか、あるいは金融庁等関係省庁の方で、それぞれ一定のシステム対応ができるまでは一応おとがめはしないよというような形で、新しい経営陣が最初から業務停止命令とか、いろいろ警告を受けるというようなことがないようにセーフガードを設けていただきたいということです。
 4つ目が、この間から申し上げておりますように、今回の暫定対応はやはり政府がお決めになり、それを先生方たちがオーソライズして決まるものです。従って、先ほども申しましたように、来年6月までに業務要件を確定していただきたいところが、仮に50%も決まらないというようなことになる、あるいは、与党との調整がつかず、決定時期がずれ込んだうえ大きな枠組みの変更があるといったような場合には、やはり暫定対応をオーソライズされた先生方に、前提条件が変わりましたから、やはり何かの見直しが必要ですといったことをきちっと政府に言っていただくというような枠組みをつくっていただかないと、私たちとしては心配であると、こういうことを申し上げたわけでございます。

○國領教授 セーフガードという言葉で言われていることは、今4つおっしゃったうちの3つ目、つまり全く現行のシステムのまま民営化に突っ込んだ場合に、発生し得る法令上の報告義務であるとか納税義務とかというものに対するセーフガードの話であると。おそらく例えば報告書の中に盛り込むとしても、ちょっと、セーフガードという言葉をそこに限定して考えるのかと。ただしそうならないような他の管理メカニズムのようなものもあわせて必要だとおっしゃっている、というふうな書き振りでいくのではないかと思います。
 つまり、多分、民営化、分社化して現行システムのまま突っ込むという方が、バグを抱え込んだ暫定システムで突っ込むよりはいいという、ここの部分は、私はやはりそうだと思うんです。

○山下CIO それは、暫定対応のシステム開発をやっていって、2007年3月の時点で判断してこれは危ないという場合には、システムは変えないでそのまま、しかし民営化、分社化というのは宣言して入る。実態は、何カ月か新システムに移るまでは今のままで、民営化、分社化は実施されたというふうにみなすということですか。

○國領教授 ここは少しやわらかく……。逆に言うと、そこのところは、やはりシステム現場のことを考えると、そこを政治リスクから切り離すことを考えてあげないと。政治はメンツにかけて分社化、民営化しなければだめという決め決めの状態で突っ込んでしまうということというのはもちろんあり得るわけでありまして、そのときに、メンツをかけて暫定システムを4月1日に動かさなければいけないところに現場を追い込むのは、やはり危ないでしょう。なので、ここはやはりポリティカルなリスクから現場を切り離すことを考えてあげないと、両向きにね。やはり、2009年なのか2007年かというのは、残念ながらここだけでは決められないですよ。
 なので、ここは当面、我々としていただいているのは、2007年4月に間に合うんですかという判断を問われているので、それは条件付で間に合うと思いますと。条件が満たされないリスクというのがあるようなので、それをよく考えておいてくださいねと。ついては、考えられるものとしてはこんな措置があり得るけれども、それは我々としては推奨できるという感じではないかなと。今、ちょっと報告書自体は全委員の問題なので、ただ、私が書くんだったらそんな書き方にしかならないのかなと思います。

○加藤座長 あまり結論まで言ってしまうと困るので……。
 私も、今おっしゃったことは非常によくわかるので、実際にやってみるといろいろなことが起こってきて、そのいろいろなことが起こっていくことに関して我々は予測できないし、また、それを今ここで言うべきことでもありませんよね。我々ができることは、論理的にはこうやれば可能なはずなんだ、その可能なところをやればいいではないかというふうに主張しているわけですよね。それを、少なくとも公社側が、そのくらいならやってみるかという気持ちになってくださることが一番重要で、絶対だめだだめだとおっしゃっていると、なかなか我々としても知恵の出しようがなくなってしまうという危険があるんですよね。非常に自己の立場を主張することは、悪いことはではないんですけれども、やはりこういう問題についてはある程度現実の問題ですから、妥協するところもあり得るわけですね。
 さっき、山下さんから、私が最初に郵政の有識者懇談会で話したことをおっしゃいましたけれども、私も、民営化などというものは、そんなに急ぐものだと思っているわけではないんです。
 ところが、私が実は郵政が民営化しなければだめですということを主張したのが、ちょうど20年前なんです。20年間何をやっていたんですかと、私はむしろ聞きたくなるくらいなんですね。
 ということは、全然やる気がなかったから、つまり私が本を出したときに、それは国会でもって取り上げられて、こんなばかなことを言うやつがいるといって物凄く批判されたわけですよ。私は、そのときに批判されたけれども、しかし、日本の将来を考えたらどうしようもありませんという気持ちを持っていましたから、現実にどことどこを切ってこういうふうにやってというようなことを空想はできます。今度だってこの場合、例えば地域分割を先にやってしまって、その地域分割の中でもって1つ1つ考えていけば、もっと考え方が楽になるかもしれない。そこは、私もまだ検討を十分しているわけではありませんから、答えを言うわけではありませんけれども、そういう考え方もあり得るわけですよ。つまり、いろいろな工夫があって、そしてやるわけですから、そうすると民営化という方向で、これを民営化の方向だと考えて政府がやるとすれば、それはやはり多少の危険があるのかもしれないし、あるいはセーフガードが必要になるのかもしれないけれども、私どもとしては、それはやるからには何とかうまくやらなければいかぬ、リスクがないようにしようと考えることなんですよ。
 そういうふうに公社の方で考えてくだされば、我々も乗るチャンスがいろいろあるわけで、それではこうしましょう、ああしましょうと言えるんですけれども、何かもう絶対だめですよ、これがある以上やれませんと、こう言われてしまうと、何か現実のことをやっているのではなくて議論の争いをやっているみたいで、私はどうもぴったりこないんですけれども、その辺は山下さん、もうちょっと考え方が弾力的になっていいのではないですかね。

○山下CIO 今、加藤先生がおっしゃった点でございますが、私も加藤先生の本は読ませていただきましたし、日銀にいる時代にはまさに全く同じ考え方で、早く民営化した方がいいと思ってやっておりました。去年、公社が発足して、私も公社の役員になりまして、生田総裁の下で今改革に邁進しているわけでございます。問題は、公社は、NTTとか、あるいは国鉄が追い込まれた状況にあったのとは全然違って、ついこの間まで、ともかく公社化で頑張ろうと職員はみんな一生懸命やってきたわけです。それが今年に入って、あれよあれよと言う間に民営化。しかも、最初は3事業一体で民営化なのかなと思っておりましたら、いつのまにか分社化まで一気に進みまして、こうやりなさいということになりました。それにつきましては、生田総裁が何度も申し上げているように、私どもとしては、今これだけ大きな環境変化の時代に公社のままではとてもやっていけないというのはわかっておりますから、どうせやるのならちゃんとやろうということで、そういう覚悟で今、我々としても準備を始めているところです。けれども、先ほども申し上げましたように実務の問題とかシステムの問題というのは、そういった意味での心意気だけではなかなかいかない。やはり、実務の積み重ね、時間の関数の面があるわけですね。
 先ほど、いろいろ申し上げましたけれども、組合との交渉から始まって、人を5社に分けるところとか、それから業務フローをがらっと変えて、それをみんなに覚え込ませるところとか、これは膨大な作業ですね。それから、この間、NTTの方のお話を伺いましたけれども、税務会計の対応というのも、1つ1つ資産を全部洗い直して、もう大変な作業でございまして、そういうものをこの短期間、2年ちょっとの間に全部やっていかなければいけないということでございます。ですから、そういったものを今の我々の実力を見ながら、経営としてこの短期間に本当にできるのかどうかというところを申し上げているところでございます。おっしゃるとおり、民営化に向けて、例えばそういう企業会計対応とか銀行法の対応とかというのは当然やらなければいけないことで、我々としてはもちろんやるつもりで、今、チームもつくり、業務フローの見直しを始めているわけでございます。
 ただ、そうはいっても、それは心意気とかだけではできない。我々の能力と、それから膨大な作業というものをどれぐらいの時間をかけてやれるのかという関係をきちっと見ないと。決して我々はやれないと言っているのではなくて、私の能力からいうと、今ここで我々が想定している作業量というのは、とてもリスクが大きいということを申し上げているわけでございまして、ですからそういったリスクがあるにもかかわらず、政府として、2007年4月にやる、政治的な意味が大きいんだからやれということであれば、そこに伴って発生するリスクについて、セーフガードを設けていただきたいということを申し上げているわけであります。
 加藤先生は、ともかくできるところからやればいいとおっしゃるわけですけれども、そういうふうにやると言って、しかしうまくいかないときは、我々が責任をとるわけです。生田総裁以下の経営陣が責任をとるわけですが、新しい経営陣にも大変迷惑がかかることになるわけでございます。我々として自信があるのであれば、それはもちろん当然やるということになるわけですけれども、そこは先ほど来何度も申し上げていますように、いろいろな難点がございまして、そこについてやはり私どもとしては相当にリスクが大きいと思っておりますので、そこはやはり経営者として、それを簡単にできると言うのは無責任だと思います。私どもとして、この会合で、20数時間にわたって皆さんにお聞き苦しい話を何度もさせていただいて、こういうリスクがあるんだから、そこについては先生方がそういうご判断をされるならば、それらの問題点を踏まえた上で、国民に対してきちっと責任がとれる形でのご決断をいただきたいと申し上げているわけでございます。これは我々がやる気がないから言っているわけではなくて、やるつもりです。ただ、そのやるところで非常にリスクがあるので、リスクマネジメントの仕組みをきちっと作っていただきたい。これは、我々公社が言っているだけではなくて、一緒にやるベンダーが非常に心配しているわけでございまして、そういった意味で、公社が民営化が嫌だからぐずっているんだというようなことでは全くないので、その辺はぜひ、誤解のないようにご理解いただきたいと思います。

○加藤座長 どうぞ。

○宮田教授 この委員会は、極めて実務的なことをやる委員会だという理解でやってきたわけですけれども、今、公社の方で、要するに非常にリスクが高いということを主張されているわけですね。その大きな理由は2つあって、業務要件が不確定であるというのが1つと、もう一つは、暫定的な小さいシステム改修にしたとはいえ、4万2,000人月の大きい工数がかかると、この2点なんですね。
 その2つを、ある程度軽減して現実化するというのが、非常に重要なことですよね。基本的な考え方としては、2007年4月に間に合わすために、この2つ、業務をどうするか、システムをどうするかを決めてしまえばいいわけで、逆ではないかと思うんです。2007年4月に間に合わすことができるように業務を決めてしまう。なるべく、現状のサービスを絶対守る。プラス、民営化もそうですけれども最低限のことをやるというふうに今後決めてしまう。
 それから、システムについては、その4万2,000人月というのは、私はこういう大きいシステムはよくわかっていないんですけれども、この天野さんの資料のような、1枚目と3枚目は非常に似ているんですよね。この変化で4万2,000人月というのが唯一の答えなのかどうかというのが私はずっと気になっていまして、これ以上のブレークダウンしたものが何もありませんから、その4万2,000人月の根拠がよくわからないんですね。いろいろな答えがいくつかあって、非常にいいかげんな、もっとずっと短い工数でできるものもあるような気がするんですね。その辺の詰めが本当にできているんだろうかと思うんですね。
 もし、この4万2,000人月がどうしても減らせないとなれば、本当に厳しいことになるかもしれませんけれども、それ以外は2007年4月に間に合わせるように設計して経営すればいいはずなんですね。私は、そういうふうに考えてきているわけですけれども、その4万2,000人月を、天野さんが詳しいと思うんですけれども、もっとこういう形でやれば業務はほとんど、業務フローとおっしゃるけれども、1ページ目と3ページ目の業務フローはほとんど変わっていなくて、現状どおりの端末が郵便局にあって、現状どおりにされて、それに多少の変更があるという形だと思うんです。それ以外はあり得ないと思うんですけれども、それが、4万2,000人月が唯一の解のようにあるのは、私はちょっとわからないなと思っています。何らかの工夫をすればできる、そういうふうに考えております。

○加藤座長 私も全く同感なんですけれども―いや、同感だと言って答えを出してしまうわけではないんですけれども、今、宮田先生がおっしゃったことは、やはり現実的に考えるとそうなのではないかという気がしているんですが、さっきもおっしゃっていたんだけれども、何かできないということを強調されると、やはりやる気がないんだろうというふうに思いますよね。それは思ってはいけないと思いながら、自制しながら言っているんですけれども、しかしやはり何かそうなってしまうなという気がしていまして、国鉄のときと比べ物にならないくらいコンピューターが発達しておりますから何とも言えませんけれども、私も実は国鉄のことをやるときに、たまたま国鉄の丸ノ内のところのコンピューター室へ連れていかれまして、そのときの高木総裁から、コンピューターがこういうふうに北海道から九州まで全部つながっている、これを分割するなどというのはとんでもない話だということを言われたんですよ。私は、そのときはコンピューターのことがあまりわかっていたわけではない、今もわからないんですけれども、しかし、何かその言っていることが、こうだからもうだめなんだというような言い方をされるものだから、それは違うのではないですかというふうに思っていましたし、それから同時に、今、組合のことを山下さんも何度もおっしゃったから、あえて言うんだけれども、国鉄の方が組合はひどかったですよね。では、その国鉄の組合のひどさに対してと同じように、今、この皆様方の公社が労働組合は大変だと言うならば、労働組合に対してどういう接触をなさってどういう説得をなさっているのか。私は、よく聞いてはいるんです。何かやっていらっしゃるなと思うんだけれども、しかし、そんなに強力な反対があるのかなというくらいにしか、私の頭に入っていないんですよ。この会議は、そんなことを議論するところではないから今まで言いませんでしたけれども、本当にそんなに大変なんですか。

○山下CIO 私が先ほど申し上げたのは、時間的な制約について申し上げておりまして、ですから……。

○加藤座長 それは同じことですよね。国鉄の場合だって、いつまでにやろうということですから、それは同じことですよ。

○山下CIO いや、ですから、要するに今、組合は反対の姿勢にあって、それが、国会が通ってから、彼らとしては中央委員会、全国大会をやって、それから……。

○加藤座長 いや、だから、そんなことをやらせる前にやらなければいかぬですよね。何か私は、全然手も触れないで大変だ大変だと言っている感じがして仕方がないんですけれどもね。

○山下CIO 要するに、民営化について賛成するように、組合に我々が働きかけるべきだとおっしゃっているわけですか。

○加藤座長 はい。何かちょっとそこら辺が私は理解できない。それはいいです、ここの会議の議題ではありませんからいいんですが、さっき宮田先生がおっしゃったのは、工期の短縮ができますよとおっしゃっているんですね。

○山下CIO 明らかにそれは、一般論としておっしゃっておられますよね。2007年4月までに間に合わせるように、できるところだけやればいいとおっしゃっておられるわけです。私どもは、法律で決められたリクワイアメントについて対応するということですから、我々が想定する、例えば企業会計原則とか税務会計対応とか、そういうものをやっていくために必要最低限のものは、これはクリアしなければいけないということでベンダーと相談してやってきたわけですから、それについてはご説明したつもりです。それでもここまで絞り込むと、いろいろな問題が起こるということをご説明したわけでございまして……。

○加藤座長 どちらかというと、我々がまだ信用していないんですよ。

○山下CIO そうであれば、ではこれとこれは外せるということを言っていただければ、我々としても検討できるわけでございまして。

○加藤座長 どうしましょうか。満塩さん、どうぞ。

○満塩シニアマネージャ 暫定対応のところを出していただいた経緯としても、要は、今ある案の中でイエス・ノーというか、できるできないという判断をしてくれと言われても困るという話で、どこまでやれますかという話を一歩進めていただいて、検討していただいたと思っております。
 また、宮田先生のお話もこれにつながるのかなと思っているのは、そうしたらまたもう一歩出ていただいて、暫定対応が今4万2,000人月というところで計算されているわけですけれども、もう一歩また進んだ中で、ではこれを減らすとしたらどうするかというところで、リスクを減らしながらやれるところはどこかというところを探っていただいたところで、その中で本当に出てくる問題というのを議論するというような、議論のプロセスですけれども、そういった形に持っていかないと、多分、逆にここで教えてくれとか、そういう話になってしまうと、我々としてもどこがというのは、現場を実際に見ているわけではないので、正直言って申し上げられない形になるので、やはりそこは、そういう意味ではできるだけご自分たちでやるとして、リスクがない範囲はどこですかというのを本当は一番求めていたんですが、その出てきた暫定対応でもまだリスクがありますと言われてしまうと、ちょっと私としても何とも言いようがなくなるところもあります。ですからそういう意味では、今出てきた暫定対応は暫定対応で結構だと思いますので、だからそれをもう一歩進めて、ではリスクがないというところでいくと、どういったところのレベルまでだったらできますかというようなお話を進めていった方が、進め方としては効率的だと思っております。

○加藤座長 天野先生、いかがですか。

○天野CIO 難しい質問を振られまして、どう答えていいかわかりませんが、私の考え方では、当初この会議というのは民営化も大変だねという話が、公社さんの方から民営化はやれる、やった方がいいというふうになったということは、1つ進歩だと思います。
 では、民営化をするということは、よくわかりませんけれども、中山先生の方が多分お詳しいのであれですけれども、議論の中で、要するに会計対応とか税務対応とか、そこのところを最低限やれば何とかクリアできるのではないかと。ただ、それは新しい会社の門出としてふさわしいかどうかというのは、よく私にはわかりませんけれども、最低そこはやるべきだろう、やらざるを得ないのだろうと。その会計対応をどこまでやるかという話は、多分もう少し議論して、あるガードを法律的にやるかどうかというのは、私はわかりませんけれども、あるかもしれません。
 ただ、先ほどお聞きしたときに、既にそういう現状のシステムでどこをどうなぶれば、少なくとも現状の株式会社という会計経理に対して仕事が回るようになるということについてはおやりになっているというふうに理解しておりますので、それは何とかできるのではないか。多分、山下さんのおっしゃっているのは、そこのところは本当はうまくいくんだけれども、新規のところについて何か出てきて、それが今考えている会計基準よりも多くなった場合にどうしてくれるんだというところの話で、何か保険を掛けてほしいねというお話ではないかなというふうに思っております。願わくば、そこを掛けていただいて早く民営化して、新しい新規業務も取り込みたいんだというふうに本音はおっしゃっているのではないかと。だから、僕は山下さんの意見を一番こっちで聞いていると、早くさっさと公社から民営化して、自由にお金を使わせてくれ、好きなことをやらせてくれと。ただ、リスクがあるので、そこのところだけ少し面倒を見てもらえませんかというような感じに思っているんですけれども。ちょっと答えになっておりませんが、そんな感じがいたします。

○加藤座長 私も、何かそう聞いてしまっているんですけれども、違いますか。

○山下CIO いやいや、今の天野さんも、公社が民営化に反対するためにシステムを口実にしてというような感じのことをおっしゃいましたが、もともとそうではありません。私どもは、基本方針決定について、生田総裁も参画し、こういう形でやるということについて政府が決定されたわけですから、それについて全面的に協力して準備をしていくという基本姿勢にいることは、生田総裁も何度も申し上げておりますし、私どももそういうつもりで一生懸命やっているところでございます。
 ただ、何度も申し上げますけれども、やはりこれは実務がついていくかどうかという問題でございまして、本当に膨大な実務作業をこなさなければいけないので、そこでお客様に迷惑をかけるような混乱が起こらないようにするということが我々にとっては大前提であり、経営の責任だと考えております。先ほど来、もっと開発規模を小さくできるだろうというふうにおっしゃるわけですけれども、1つは、これは法律で決まることでございますし、それからこれはまた何度も同じことを申し上げますけれども、私どもの場合には、今、決算は90日かかってやっているわけですが、これを民間のベースに直すということは45日でやらなければいけないとか、その前提としての事務、業務を全部直していかなければいけない。あるいは、銀行法対応のためには、平残が計算できるように、日々の残高を把握しなければいけないわけですけれども、そのためにシステムを直していかなければいけない。その貯金のところが非常に大きなシステム負担になるということは、何度もご説明申し上げたつもりです。私どもは政府の基本方針を前提として、本当にミニマムで2007年4月までのところで何とかできるところはどこまでかということで、ベンダーと一緒に詰めて、こういう形で出させていただきました。もちろん、決まっていないことがたくさんあるわけですから、前回も申し上げましたように、この4万2,000人月というのは確定数字ではなくて、もっと少なくできるかもしれませんし、あるいは場合によっては膨らむかもしれません。そういう暫定計数であるわけです。これについて私どもとしては、政府が、あるいはこの会議メンバーの先生方ができると判断されるということであれば、生田総裁と小泉総理との合意で、ここの結論を尊重してやるというわけでございますからやるわけでございます。ただ、何度も申し上げていますように、私どもとしてはこの暫定対応には物すごくリスクがあるから、それについての条件をきちっとセーフガードについて見ていただかないと本当に危ないですよと。我々が責任を持ってやるわけですし、それについては我々が、これだけでは責任がとれないというふうに申し上げているわけですから、そこについてはこのセーフガードをつけていただきたいとお願いしております。
 もし、さらにこの4万2,000人月の中身が怪しいからもっと詰めるんだということであれば、またベンダーを集めて、先生方からもう少しいろいろな削減の視点をいただいて、また1カ月ぐらいいろいろ作業しなければいけないということになると思います。そういうことを言っておられるのかどうか。私どもとしては、この第3回目の会合のときに先生方からのご指示をいただいて、ベンダーとともにこういう作業をし、今の基本方針の枠組みで、かつ、企業会計対応とかどうしてもやらなければいけないミニマムのものだけをやって、自立した会社としてできるべきことも先送りして、最大限絞り込んだものがこれだということでご説明したつもりでございます。そこが怪しいということであれば、もう一遍、ベンダーもここに呼んで、またヒアリングでもしていただいて、作業をやり直すしかないのではないかなという気がいたします。

○加藤座長 中山先生、いかがですか。

○中山委員長 財務会計のお話が出たので、ちょっとコメントさせていただきますけれども、純粋な財務会計というんですか、新しい会社さんの決算をやるためだけの何かシステムをつくりましょうというと、それ自身はそれほど大きなシステムではなくて、もともと問題なのは、今勉強を一生懸命されていますということがあるように、その前提になっている各局なり各支社、支店なりがやっております業務が果たしてちゃんと追いついているかどうか、そこが一番問題だと思うんですね。会計は、あくまでもそれを反映した結果に過ぎませんので、上流側でやっている人がそれを無視したことをやってしまえば、幾ら財務会計システムをつくってもうまくできない、絶対計算はできないということになると思うんですね。
 現状のシステムと多分一番違ってくるのは、消費税の計算を今まで全く計算したことがない、あるいは固定資産税の計算もしたことがないと。あるいは、郵貯でいうところの多分、印紙税の計算とか、そういった計算も追加しなければいけない。これは、確かに現行の貯金、保険、郵便のシステムにある税金の部分を付加していかなければいけないというところは、当然、財務会計にも影響しますし、それが税務に反映されますから、それは本当に新たに付加部分があるのかなと思いますが、これそのもの自身は、お客さんとの間の直接やりとりにはかかわる部分ではありませんし、既存の部分に大きく手を加えるというようなイメージではちょっとないと思うんですね。
 あと、貯金で変更するとすれば、新旧の分離とか、保険もそうですけれども、そういった分離部分がありますので、その部分は当然、財務会計上どうするのかと。最初から分離していますから、旧勘定については企業会計とは別の管理をされるんだと思いますけれども、この旧勘定と新勘定で、当然、企業会計に対応する処理をする部分としない部分が出てしまうという部分で、ちょっと変則的な部分があるのかなという気がしますが、やはり税制、財務会計だけいえば、要件は非常に単純というか、決まっていますので、それをどこまでどこに組み込むかというのも、ほぼ見えている部分がありますので、それだけを今やってしまうと、確かに無駄になってしまいますので、ほかの、例えば天野先生の案でいうと、窓口用サブセットをつくるとともに、貯金について民営化に対応する仕組みを加えていく。簡保とか郵便も同じことをやっていきますので、結果的にはでき上がりは同じタイミングにならざるを得ないんですけれども、組み込むべき要件そのものについては、もう見えている部分が非常に多いということから、それほど待たなければいけない部分というのはないのかなと。もちろん、例外的に消費税は課さなくていいですよと言われれば、やらなくて済むと思いますけれども、あらかじめもうそういう前提はないという前提で、すべて組み込んでいけるのかなと。
 あと、業法等の対応は、確かに新しいシステムがうまく稼働しない場合は平残が算出できないとか、そういうリスクが残されていますので、その場合は先ほど國領さんがおっしゃっていたように、もし旧システムを動かした場合、新システムが稼働できず旧システムで突入した場合、その部分についてしばらく免除するような、別の形でのセーフガードというのは何か必要なのかもしれませんけれども、それはちょっとこのシステム開発とは別な部分での対応というのが必要なのかなと思います。
 それと、ちょっとそれとは別な議論なんですけれども、この公社さんのご説明の中で、窓口会社さんが独立した会社として自分で情報を持っていないことが1つネックとして挙げられていまして、天野さんの資料の2ページ目でいうと、窓口会社システムができ上がれば、独自で情報を一元的に管理して、各ほかの3社さんとの間でやりとりする、いわゆる突合処理ができて、お互い納得した数字で売上高なりを上げていくことができるということになっていますけれども、現状、今の1ページ目にあるように、一元的な情報管理はないというお話ですが、基本的には収支計算そのものは郵便局単位でやっておられて、例えば日計表なりに全部掲載されているわけですよね。そうすると、あれに載っていない収支はないというふうに理解しているんですけれども、そうすると、あそこに載っているものが、この2ページ目の窓口システムに今度展開されてくるというイメージになるのかなと、個人的にはそう思っているんですが、もちろん新しい業務は当然別ですけれども、現在やっているものについては、日計表をこの2ページの窓口システムに置き直すという位置づけだとすれば、日計表をちょっと拡張するような形で、最低限必要な情報というのは全部あそこに載っているのではないのかなと思うんですが、いかがなんでしょうか。

○間瀬執行役員 今、日計表に関してのお話がありましたけれども、前にもご説明しましたけれども、まだまだ郵便局において、すべてがオンライン扱いになっていないという大きな問題がありまして、そこら辺のところを全部解決した後では、前に先生がご指摘になったやり方で十分できて、日計表を出すという形では十分やれるのではないかなと。いずれにしても、今回の天野先生の2007年4月スタート案というものと2009年4月のスタート案では、やはり若干、暫定色が強くなっているのかなというふうに考えています。

○加藤座長 はい、どうぞ。

○天野CIO ここには僕は書かなかったんですけれども、今の中山先生の意見について、ちょっと感覚的に教えてほしいんですけれども、今のシステムを全然なぶらなくて、外付けでいわゆる財務会計とか会計処理のところだけを何か工夫するということは不可能なんですか。どうせソフトだから可能だと答えろということを言っているわけではなくて、そういう聞き方ではなくて、普通に言うと、国鉄さんでもそうだと思うんですけれども、今あるシステムを正直言ってなぶるということは、手を入れればバグが出ます、テストはしなければいけない、いろいろな感じで本当にリスクがあります。それはわかります。そうすると、外付けで何かつくって、そういう会計の処理のところ、財務関係のところだけ何か報告用の、法律に最低限のっとったシステムを外付けするということを、僕らなどはそういうふうに考えてしまうんですけれども、そういうことはやはり難しいんでしょうか。多分、間瀬さんが一番郵貯のことをご存じなので、ちょっとこの場で質問していいかどうかわかりませんけれども、すみません。

○間瀬執行役員 普通、何か新しいサービスとかちょっと状況が変わるときに、システムをつくる人間から見れば、今安定しているシステムの外側につくるというのはよく考えることでございます。
 実際、そういう意見もあるとは思うんですけれども、今回の場合、今まで郵貯のシステムが、要は金庫番の代わりのシステムをしていましたので、結局そこで基本的なものが大体全部そろっているということと、それと郵便と簡保の連携ということになりますが、これも、ある程度今の金庫番という仕組みからいけば、データとしてももうちょっと細分化しなければいけないんですけれども、基本的なものはあるので、むしろそちらの方がやりやすいのではないかと。むしろ、外付けすると、またWTOとか、そういう問題が出てきてまた時間がかかってしまうという問題もありまして、今回、暫定案を考えたときの方策として、こういう形をとらせていただいたというのが実態でございます。

○宮田教授 私も、ソフトウェアの開発、システム開発というのはもう20数年やっていまして、しかしあまりにも分野が違うものですから、あまり立ち入ってもと思ったんですが、しかし、やはり一般的にソフトウェアというのは、考え方、コンセプト、それからどういう基本構造にするか、モデルというんでしょうか、この辺のところはもうかなり決めてしまいますので、今、天野さんがおっしゃったようなところを含めて、もっとあるのだろうと思うんですね。特に、改修で暫定という場合にはどうすればいいのかというのは、もう少し実務的に詰める必要があるような気がするんですね。日常的に、4カ月かかるソフト開発を2カ月にしてしまうとか、ごく普通に行われていることなんですよね。それは、基本的な構造を変えていく、それから基本的なその考え方、コンセプトを変えることによってそういうふうになる場合が、割と日常的にあるんですよね。ですから、本当にそこまで詰めているのかなというのがちょっと疑問で、何しろこの流れは、その裏側の方でなくて窓口のところに関しては、ほとんど何も変わっていない絵ですから、そういうことが可能なように感じるんですね。あまり詳しいところはわからないのですが、どうもそんなにおいがするものですから、もっともっと工夫があり得るのではないか、そうしたリスクを下げることができるのではないかというのが私の感想です。

○満塩シニアマネージャ ちょっと私が先ほど言った、正直言って、引き続き検討していただきたいというのがありまして、要は、例えば6月に本当に仕様確定でスタートするのであれば、そこまでに、通常のベンダーさんとかシステム開発だと、多分プロジェクトマネージャをもちろん置かれるとは思うんですが、そこの中で機能がうまく働けばいいですが、こういった業務であるとか、それこそ若干政治も含んで、調整機能というのを明確に置かれた方がいいかなと。その中で、それこそ4万2,000人月で、多分、今検討されるとまた時間がかかってしまうので、それは別に私も今欲しいという意味ではないですが、引き続き、ではどこまでこれをもっと小さくしていって、最終的な仕様確定の段階で本当にどこまでやるのかというところの役割はちゃんと置かれた方がいいかなというふうに思っております。多分、皆さんこの役割が必要だということは認識されていて、大体だれかがやられるんですけれども、多分あまり兼任でやらせていると、こういったことが実際に機能しなくなります。ですからそういったことはちょっと認識していただいて、今後も準備室と、実際のシステム開発の部分と、今の公社内の経営的なところの判断と、法律等も含めてご調整いただくというのが明確な役割という方がいらっしゃった方がいいかなというふうに思っていますので、そこだけお話ししておきます。

○加藤座長 それは非常に重要なご指摘なので、考えなければいけないですよね。そこら辺は、我々の提言の中へ入っていいわけですよね。

○満塩シニアマネージャ そうですね。あとは、システム開発で通常入れるときに、あまり実務だけの方のイメージのときが多いので、ちょっとそこだけは申し添えておいた方がいいと思います。

○加藤座長 そうですね。
 ほかにいかがでございますか。せっかくこういう会ですから、にらみ合いのように終わらないように、どちらかで何か手を差し伸べられることがあるといいと思うんですけれどもね。
 リスクがあるから思い切ってやれないんだというのは、何かちょっと私どもはまだしっくりきませんね。やはり、それは当たり前の話ではないのかと思いますね。どんな組織をつくったって、必ずリスクは考えられるわけですから、そのリスクがすべて危険だから手を出さないとおっしゃるんだけれども、そうすると今度は全然手を出さなければ、今までのことをやってしまうわけでしょう。今までのことをやって、今までは全くうまくいっていましたと言えるんですかね。私は、やはり今の郵政公社は頑張ってくれと言われているけれども、郵政公社が幾ら頑張ったって、二、三年たったらもう息切れしますよね。ですから、そこをあまり言われても、何か今までのことをやるんですかという感じになってしまうんですけれども。

○山下CIO いや、それは全くの誤解であって、私どもが言っているのは、民営化は我々としてもやりたい。そのために、きちっとした会社、よい民営化をしていきたい。その前提として、システムはコアになるわけですから、よいシステムをつくりたいと。
 ただ、これまでご説明したような暫定対応ということでやっていくと、まだ基本方針の制度設計自体がオン・ゴーイングのところですから、まだ内容が確定していない。この段階で、やはりできるかどうかということを問われているわけですから、私どもが経営として責任をとるわけですから、これだけの大きなことについてはなかなか我々としては自信がない。しかし、それでもぜひやりなさいというご判断であれば、それに対して我々は、一定のセーフガードを設けていただかないと、その責任がとれないということを申し上げているわけでございます。先ほど来、先生方からご示唆をいただきましたように、これから準備室等と打ち合わせしながら、システム開発の負荷が小さくなるような工夫はしていく。我々としては、リスクをなるべく小さくしたいわけでございますから、そこはもちろんやっていくつもりでございます。ただ、それでもともかくリスクをとってやってみろということだけでは、経営として責任を持ってやる立場から我々のリスクアセスメントとしてはあまりにも危ないということでございます。そういうリスクがあっても政府としてどうしてもやるんだ、2007年4月の混乱があり得るということも踏まえてやるんだということであれば、万一その混乱が起こるような事態が発生しても、国民の皆さんには迷惑をかけないような形でのセーフガードについてきちっと担保していただきたいということで、お願いをしているわけでございます。決して、我々はリスクをとらないとか、やりたくないとかと言っているのではなくて、リスクをとってやるのならば、国民の皆さんに迷惑をかけないようなきちっとしたセーフガードを設けた上で、やらせていただきたいということを申し上げているわけです。

○國領教授 私も、あまりそんなに対立しているような感じを持っていなくて、ただ、やはりレトリックの話というのが結構あって、セーフガードで責任とれないとかというような言葉遣いでやってしまうとおかしくなってしまうわけで、結局のところ、やはりリスクをとるために必要なリスクマネジメントの仕組みを埋め込んでおこうよと、そういうことを多分おっしゃっているように聞こえるし、それをやはり世の中に対して、かなりリスクだけとってこれをやろうよと。ただし、リスクマネジメントの仕組みを持たないで、リスクをとって突っ込むのはばかなので、こういうリスクマネジメントの仕組みを持ちながら、このリスクをあえてとって、2007年4月に向けて頑張ろうよと、こういうものでメッセージが送れれば一番いいのだと思います。要するに決まったらそういうふうに頑張ろうよというふうにメッセージを送れるのが一番よくて、あとはだから細かいところで、このリスクマネジメントのやり方だといいとか悪いとかというのは、ちょっとこれはそこまでのリスクマネジメントの仕組みは、あまりに法律を曲げてでもできるとかできないとかという話というのは、おそらくあると思うんですけれども、やはり必要なリスクマネジメントのベースのところで、基本的にやるというポリティカルな意思決定があったら、これはもう頑張ってやりましょうと。その具体的な仕組みとして、こういうことをやるんです、準備するんですというふうにしておかないと、何か責任がとれないからどうとか、僕らも別に責任から逃れる気はないので、そういう意味でもし委員会をやれというのなら、それで決定されてしまったらしようがないなと思うんですけれども。でも、そのレベルの話ではなくて、そういうようなメカニズムが必要なのも、いざ最後のところでリスクアセスメントをして、ここはもうちょっとその委員会の名前で、法令を守れないようなことについて言い訳を代わりにしてあげるとかというぐらいの話が関の山で、それはあまり意味はないかと実は思うんですけれども。ただ、いずれにしろ、この責任どうこう、だれがとるのこうのという話ではなくて、やはり国民に迷惑をかけずこの大プロジェクトをちゃんとやるためにはどういうメカニズムが必要なのかという議論に、そういう形で一緒になって世の中に出していかないと、繰り返して言いますけれども、結局のところ振り回されて割食うのは現場になるので、やはり現場がきちんとやるべき仕事ができるという体制は組んであげたいのではないでしょうか。

○加藤座長 國領先生、今、リスクマネジメントとおっしゃいましたね。リスクマネジメントの段階でも、やはり大したリスクではない、これは全体の流れの中から見れば、ほんのちょっとお金がどんぶり勘定だったのがうまく分けられなかったというような、そういうことはありますよね。そういうリスクはありますけれども、これはやっていく段階でもって解決していけばいいんだから、これはむしろあまり考えておかなくていいリスクマネジメントなんですよね。
 それから、その次のリスクマネジメントは、今度はWTOに引っかかるとか何かそういう問題がありますので、これはある意味では政治的に決着する段階の前の段階であって、お互いに話し合っていけば、何か少しずつ見通しがつくリスクなんですよね。
 最後に残るリスクは、これが本当に何が起こるかわからないというところで、これはもう生田さんと小泉さんとでもってお互いに話し合って、お互いに行こうという、西郷隆盛と勝海舟みたいな最後の談判の段階が来ると思うんですよ。そのようなところでどうするかというのは、これはもう私は民営化をするということが大命題だとすれば、つまり日本が明らかに徳川幕府を倒すんだということが1つの大きな流れになっていれば、その流れは、もうこれは我々が言うことではなくて、どういうふうに話し合ってくれるんですかということで最後の段階ですから、その段階については、当然、小泉さんがやろうと思うならばこういうふうに考えなければならないし、こんなことが起きたらこうしようとかということを、恐らく生田さんもお互いに考えて決めることだと思うんです。だから、そこのところは、あまり今ここで議論しているような、山下さんと間瀬さんが非常に苦労して言っておられることよりは、もっと大きな問題なんですよね。
 だから、私は、そのことについて今ここでは議論しなくてもいいのであって、それを何かどうも山下さんの言うのを聞いていると、そこら辺まで約束してくださいというような話が出てくるものだから、ちょっと大き過ぎるなと思っているんですけれども、その辺はやはりもう任せるしかないですよ。本当に民営化をやると言っている以上、両方とも、生田さんもそういうふうに思っているんだし、小泉さんもそう思っているんだから、お互いにやるとしたらどういう形でやるかというのは、最後に決めますよね。実際に、政治的問題がそこにいろいろ出てくれば、それは自分たちでもってこういうふうにして解決しようと思ってやるんでしょうから、私はそれはいいと思うんですよ。そこのところを心配して、だからできませんよというふうになっちゃうと、これはまずいんですよ。つまり、山下さんはそうやるんですよと言っている、決してやらないと言っているのではないですよと言いながら、いや、そういう親分同士の腹の探り合いがあって、それが決まらないとできませんと、こう言っている感じなんですよ。そうではないですか。

○山下CIO 全然違います。そういう大所高所の話ではなくて、私が言っているのは、ATMからお金が出るかとか、きちっと日計表をつくり直して、企業会計原則なり税金が払えるような形になるかとか、そういう実務がきちっと整えられるかどうかの話をしているわけでございまして……。

○加藤座長 でも、それは、だって今、中山さんも言われたし、それから天野さんの図でもわかるし、宮田さんもおっしゃっているし、満塩さんもおっしゃっているように、解決できないことではないのではないですかと言っているわけですよ。それに対して、何もお答えになっていないんですよ。

○山下CIO いや、ですから、それは我々としてはきちっとお示ししたつもりですけれども、2007年4月までにはここまでという……。

○加藤座長 いや、だからそれは、できないということを言っているだけであって、なぜできないんですかということは言っていない。

○山下CIO いや、2007年4月、ここまでは……。

○加藤座長 2007年ですか。はい、それならそうですね。

○山下CIO 2007年4月の暫定対応というのは、ここまでのことはやれますと。だけれども、これだけのリスクがあるので、我々としては……。

○加藤座長 いや、だからもうリスクはいいから。

○山下CIO いや、リスクが、我々が一番問題にしているところです。今、それは國領先生も……。

○加藤先生 いや、そのリスクというのはトップの話ですよ。

○山下CIO いや、違う、そうではなくて、システムが回らなくなるリスクの話をしているわけです。

○加藤座長 それは回ると思っているんですよ、みんな。それは回らないという証拠を出してくれないと、議論ができないですね。
 私は、何か間違ったことを言っているんですかね、どうなんですか。天野先生、どう思いますか。

○天野CIO 民間企業ですと、A、B、Cランクで、どこでも一緒ですけれども、やれるところまで決めて、Aランクは必須、Cランクは、これは最後にどうするか、現場のオペレーションにどれだけ迷惑をかけるかというものをします。多分、山下さんが心配されているのは、最後にだれか、仏様かキリスト様か知りませんけれどもジャッジする人を、公社だけではなくて、どなたかも含めて支えていただけませんかということだと僕は正直言って思います。僕は、公社さんは早く民営化して、お金も、先ほど言いましたように自由な仕事のやり方に変えたいという意識は、随分ここの議論の中で変わってきたように思います。それをもう一歩進めたいんだけれども、ちょっと心配なので、幼稚園か中学生なので、社会人の給料をもらうまでの主食の世話でもしてくれというのか、ちょっと言い方は悪いんですけれども、多分、随分そういうところで心配されているのではないかと。だから、加藤先生流に言うと、そんなものは大丈夫だ、みんなが支えてあげるから心配しなさるなよとおっしゃっているのではないかと。
 ただ、それについて証文を書けとかと言われるので、我々もそこまではちょっと大変ですねという議論ではないかというふうに思うんですけれども。

○山下CIO そうおっしゃるんですけれども、例えば事業庁が公社になるときも、やはりいろいろシステムトラブルが多発しました。それは、ぎりぎりまで政省令が固まらずに、例えば国庫歳入金システムも、最終的には2月まで要件が決まらないというようなことでいろいろな手戻りも発生して、結局4月1日から大きなトラブルが起こって、官庁、日本銀行、お客様に大変な迷惑をおかけしたという経緯がありました。
 そういう意味で、我々はいろいろな苦い経験があるんです。そういうものを踏まえて、やはりそうはおっしゃるけれども、なかなか要件は決まらない。政治だってこれだけもめているわけですから、一体いつこの様々な要件が決まってくるのかということですし、それからもっと絞り込めばいいではないかとおっしゃいますけれども、本当に最低限やらなければいけないことがあるわけでございます。その辺のところについて、我々としてはこれだけの大きな規模になる可能性があるので、そこについてはさっき國領先生から言っていただいたように、私の言葉遣いがやや悲壮感に満ち過ぎているのかもしれませんが、やはりリスクマネジメントというか、要するにポイントは国民、お客様に迷惑をかけないような形で円滑にスタートできるようにしたい。そのためのいろいろな努力をしていくわけだけれども、そうはいっても法律が決まってやるわけですし、それから我々自体のアセスメントでは難しいと言っているものをやるということですから、やはりきちっとリスクが起こった場合にマネジメントできる仕組みをつくっていただきたいということをお願いしているわけでございます。特に要件の確定などについては、私どもは今までもいろいろなことが起こって、大きな問題を経験しているわけでございますから、そういうものを踏まえて言っているわけで、決して杞憂で申し上げているわけではないわけでございます。そういった意味で、お客様にご迷惑をかけないきちっとした形でよい民営化ができるように我々としてはしたい。やはりそのためのリスクマネジメントの仕組みを、この間お願いしたような形できちっとつくっていただくのが一番いいというふうに私どもは思っています。

○加藤座長 はい、どうぞ。

○宮田教授 最大のリスクは、顧客に迷惑をかけるということですね。それが、要するに最悪の状態をどこまで想定して、お客さんには迷惑をかけないから大丈夫だというところ、最後のラインみたいなものを読めれば、経営者は判断してしまうわけですね。そこまで、やはり顧客までいってしまうとまずいから、絶対それはやらないでしょうけれども、それがクリアできればあとはどうでも―どうでもとは言いませんけれども、何とかなると思ってやってしまうのが普通でしょうね。
 ですから、このシステムがうまくいかなかった場合にはどういうふうに対応するか、そのヘッジの仕方、それはどこかで考えていく必要があるのだろうと思うんですね。多分、民間会社にしたら、天野さんのところにしたら、車をつくれなくなるというのが最悪の問題ですから、何とかすればどこかがつくれる、手作業でも何でもいいからどこかでつくれるというのがあればやってしまうというのが判断ですね。その辺のところを判断する人が必要なのと、それからヘッジする仕組みですよね。6カ月間、出てきたものを手でやってもいいからともかくやってしまおうとか、6カ月手でやるということは、ヘッジといいますか、一番まずい場合の絵ですよね。その辺がわかると、大分、安心になってくるのではないかと思うんですね。
 それから、外付けのソフト的な話をすれば、やはり私も天野さんのおっしゃるとおり、既存のソフトというのは本当に触りたくないんですよね。1行変えても、その1行をどういう意図で変えているかわからなくて、実はほかの別のところと関係している1行であったり、1行だけで読めないところがあるわけですね。ですから、直すというのはやはりやりたくないというのが一般論だと思うんですね。
 だけれども、外付けにするとWTOがという話が出てくるではないですか。これはやはり変な話で、本末転倒ですよね。WTOなどはどうでもよくて、一番いい構造にする。それも、リスクを小さくする1つの方法ですから、これは別の論点ですけれども、それはWTOなどと言わないで、リスクを下げる基本構造をつくるべきだと思います。

○中山委員長 最大のリスクというのは、先ほどから出ているようにお客様への迷惑ということで、そのお客さんに接しているのは郵便、貯金、保険と3つあるわけですが、このうちの郵便と保険については、たしかあまり手を入れずに済むというような想定だったと思うんですけれども、逆に貯金は一番手を加えてしまうので、先ほどからリスクが大きいと。ひょっとしたら、2007年4月1日にお金を出せなくなってしまうかもしれない、そこが起きると最悪だというお話だったんですが、では仮にそういう、もしぎりぎりまで準備、手直ししたけれども、結局、新しい郵貯システムが動かせないとなったときに、先ほど國領さんが言っていたように前のものをそのまま使うと。ただ、郵便とか簡保、その他の周りのほかのものはでき上がっていますよと。最大、一番大きな手のかかる貯金だけ動かせなくて、旧システムだけを稼働させていた場合、そうすると、それでなおかつ4会社に分割したときに一体何が支障を来すのかという、そこをもうちょっと明らかにしていただけるといいのかなと。
 多分、すぐにわかるのは、銀行法の資料が出ないとか保険業法の資料が出てこないとか、例えば企業会計の決算が4月、5月、6月はうまくできないとか、そういうお話だけだと思うんですが、端的に言うと、お客さんとの間のやりとりでは、あまり迷惑をかけずに済むのかなと。お金を引き出せないことはないですし、振込ができないこともないですし、そういうイメージがあるので、そうなると、単に保険、銀行といういわゆる業法の話と企業会計の決算をどうするかというお話で、そうすると利害関係者というのは非常に限られた人たちですよね。当局の方々、あるいは株主の方々となった場合、例えば新しいシステムの入れ替えを、もう一度、半年遅らせて動かすと。これは、半年間でバグ取りして、もう一度テストをして、新たな形で入れ直す。半年間の旧システムで運用している期間の業法対応、企業会計の決算は、別な手段を講ずることが果たしてできるのかと、そういうこともちょっと考えていただけるとありがたいなと思うんですが。

○間瀬執行役員 システムを担当する者として、リスクを考えないでシステムをつくることはあり得ない、これはもう当たり前の話であって、私も貯金のシステムを約30年、この後、ここ10年ばかりはこのリスクマネジメントをずっとやっているわけです。ですから、24時間365日、システムは運転していますから、毎日、携帯電話を枕元に置いて寝るというのが私の日課です。
 今、お話になられました、先ほど國領先生からも言われました、要はシステムを改造していくときにリスクを考えながらいろいろ手だてをつくっていくということは、我々も一生懸命やります。
 ただ、今回の場合、不幸にして、要は途中でジャッジするわけです。これは、多分ジャッジするタイミングとすれば、まず業務要件がいつ固まるか。要は、これは公社で考えるものと、今、準備室の方で進めていただいています制度設計がいつ固まってくるのか、そういうところのものが1つと、それから開発に入ってうまくいっているのかと、それから試験に入って本当にちゃんと問題なくいっているかどうか、そういう各フェーズフェーズのところでチェックをかけていくことになると思うんです。
 最終的に、「これでいける」「いけない」という判断は、必ずやらざるを得ないと思っていますが、不幸にしてそこのところでジャッジしたときに、3月31日まで動いている現行システムを4月1日以降そのまま存続させていいよということを決定する判断権が我々にあるんでしょうか。そこが、判断していいよということでシステムの提供を先延ばししたとすると、先ほど言いましたように、今、準備室の方でやっていただいている制度設計、要は9月につくっていただいた基本方針が、1つも守れないわけです。だから、延長してでもいいよということを、誰が、そこをうまく何とか保証といいますか、そういうことを公社だけではとてもじゃないけれどもできないのではないかなと言っているのです。システムをやる人間にとって、失敗を前提にしてシステムを走らせるわけはないわけで、本当はもうちょっと時間軸をいただければ一番いいわけですけれども、それが無理だとすれば、そういうところのセーフガードを、―セーフガードという言葉で言わせていただいておりますが、山下の方はいつも言っていますけれども、そういうことでぜひご理解をお願いしたいなと思います。

○山下CIO 今の中山さんのご質問のところですけれども、今、間瀬が言ったように、あるいは中山先生がおっしゃったように、やはりいろいろ問題があってリスクが大きいから、とりあえず例えば半年なり3カ月なり延ばしてやるんだということで何が問題かとおっしゃいましたけれども、やはりその場合には、例えば窓口会社というのは、事実上、存在しないのと同じですね。現金の区分もできないわけですし、それぞれ3事業のままで業務を行うことになりますし、それから民営化とか、あるいは業法対応のところ、それはもうやらなくてもいいんだということになれば別ですけれども、例えばもちろん日々の残高の把握もできませんし、そういった意味で要するに今と変わらないということになります。それを民営化、分社化したというふうに宣言すれば、それで民営化、分社化したことになるのであれば、それは我々としては、では半年待っていただけるんですねと全く同じことをおっしゃっているのだろうと思うんですね。
 ですから、まさにそういうことを、つまりだめなときにそういうことができるということがポイントです。間瀬が言ったように、我々は一生懸命やりますし、何とか間に合わせるように最大限の努力を尽くします。さっきお話が出ましたように、プロジェクトマネジメントもいろいろ外部の方の助けも借りながらやろうということで、社内でいろいろ議論をしています。ただ、そうはいってもこれだけの大プロジェクトなので、國領さんがおっしゃたように、やはりリスクマネジメントの手段が要るよねと。我々で決断できるところはすごく少ないわけですから、そこのところをやはり先生方にきちっとみていただいて、政府もそうしたリスクマネジメントの仕組みをつくるということを約束していただいて、その中でやらないと、我々はお客さんに対して責任がとれないのではないかということを申し上げているんですが。

○加藤座長 よろしゅうございましょうか。ほかにございませんか。

○國領教授 リスクは3種類あると思っていまして、やはり最大のリスクは、実はこの国の金融システムというか、僕は資金の流れを今のまま放置することではないかと思うんですね。それが、2年早いとか遅いとかという話を言うので、どれくらいリスクが増えるとか増えないとかという話があると思うんですけれども、それが一番大きなリスクなのだろうと実は思います。その次にあるのは、もちろん日常のオペレーション的に顧客に悪影響を与えることというのがその次に来て、3つ目が、業法的な法令が守れないことというような話なんだろうと思います。それぞれのレイヤー、段階で、やはり判断というのは、これはその時々のリーダーがちゃんとやっていただくという話なんだろうと思います。専門家として言えるのは、より上位を守るために下を放棄しなければいけないようなときのリスクマネジメントというのは一体どういうような仕組みが考えられるのかということについて、正しく意思決定をする方に報告することということではないかと思います。
 ここの場合、1番目のものは、もうちょっと我々の範疇外ということに定義されていますので、残る2つのことについて、より上位のリスクマネジメントの対象である顧客の決済システムなどに影響を与えないことということを守るために、法令部分について何か考えなければいけないという話になったときに、そのリスクマネジメントのあり方というようなものを適切に手当てするべきであるというような意見をつけて出すというような話ではないかと思います。

○加藤座長 はい、どうぞ。

○宮田教授 つけ加えるならば、そのセーフガードというのはやはりちょっと変な言葉なので、むしろしっかり自主的な経営ができるようにするということの方が本当ですよね。経営者がしっかり判断できれば、今のようなリスクに対してもいろいろ対処できる、そういう自由度がしっかり与えられるということだと思うんですね。監視委員会とかセーフガードよりも、むしろしっかりした経営ができることに重点を置いた仕組みといいますか、経営が許されるということだと思うんですね。それは、山下さんのおっしゃるのもごもっともなので、やはり手かせ足かせして泳げと言われてもそれは泳げませんから、それだけは当たり前のこととして、ただ、セーフガードという形はあまりよろしくないのではないかということで、要するに経営者がしっかり経営するような自由度を与えていただきたいということだと思います。

○満塩シニアマネージャ 1点、今の間瀬さんのお話の中でもちょっと気になったのは、システムが分離できないことイコール完全な分社化、民営化ができていないかということに、私はならないと思っています。逆に、多分、やはり分離されてお話しした方がいいいのかなと。要はシステムが、最悪そのままを使ったとしても、経営的なところと指揮命令系統、そういったところはすべて変わっているわけで、あとは数字的な受け渡しだとか業務というところは、システムが前のものを使っていることによって、若干なのか複雑になるのかわかりませんが、関連しているという言い方になるかなと思っています。
 ですから、そういう意味では、多分そのシステムの分離状態と民営化対応イコール完全な民営化、分社化だというふうに表現なさるか、表現の問題だと思うんです。あとは、逆にシステムとしては、そこまで頑張っていただけるということを思っていらっしゃるということでは、評価と言ったら恐縮なんですけれども、すごく頑張っていらっしゃるなと思いますので、ですからそういったところでは、そういう意味ではコミュニケーションとして、そういったところはどう説明するのか、私などはよくシステム監査とかをやっていると、どう説明するかというお話で考えていただいて、少しずるいいろいろな論理立てをする場合もありますということで、それをそのままやってほしいとは言いませんけれども、表現の問題としてそういったところはあるかなとちょっと思いました。

○加藤座長 はい、どうぞ。

○中山委員長 私も、今の満塩さんの意見と同じで、システム的にすっきりした状態になれば、一番これは完璧な姿だというのは、これはだれもが納得しているところだと思うんですが、たとえそうなっていなくても、最終的な計数として4社分の数字が出てくる、4社それぞれどれだけのものを持っているんだと。あるいは、窓口会社としてどれだけ取り扱い量があるのかということを後から計算することは、可能ではあるのかなと。もちろん、完成している状態ではないので、直ちに同レベルの数字が出るというものではないかと思いますけれども、後追い状態になってしまって、今の満塩さんの話ではないですけれども、説明のための資料に最悪の場合はならざるを得ないのかもしれませんが、何らかの形で4社分のデータが出てきて、こういう状態になっています、これだけのものが分離されていますということの説明というのは可能であるのかなという気はします。確かに完成品としては非常にふさわしくなくて、多分つくられている間瀬さんとしては、それはちょっと嫌だなというのはわかるんですけれども、ただ、会社として分かれていないかというと、分かれていますよという説明ができないわけではないというふうに考えます。

○間瀬執行役員 すみません、先ほどの発言のところでちょっと誤解があったのかどうかわからないですけれども、私が言ったそのものは、不幸にしてリスクが顕在化したときに、要はお客様に迷惑がかからないという線では、現行システムでやっていれば、サービスそのものが変わるわけではないので、問題ないと申し上げたものです。ただし、基本方針で決められているいろいろな条件がほとんど守れないことが問題であることも申し上げたものです。
 あくまで私もシステム屋ですから、できればこの2枚目の2009年4月スタートをやりたいんですけれども、そうはいっても、今はそういう議論になってきていませんので、2007年4月にここをやったときに、そういうどうしてもシステムが4月にスタートすることができないといったときのリスクとしては、現行システムで走らせるということに、多分ならざるを得ないだろうと。そのときに、今、基本方針に書いてあること、それから制度設計でやられていること、これが何カ月なり守れないわけですので、その守れない間というのは本当に大丈夫なんでしょうかというか、我々として、例えば税金もうまく払えないというような感じであっていいのかということをちょっと危惧している。ですから、そこのところを何らかの形でご検討する場とか、先ほど國領先生とかほかの方も言われていますけれども、そういった何らかの対応をぜひお願いしたい。もしものことを考えて、お願いしているということです。

○満塩シニアマネージャ 私が言ったことも、ちょっと逆に誤解されているかもしれませんのでつけ足しておくと、ちょっと今日は資料を持っていませんのであれなんですが、方針の中に明確に、システム対応してどうこうしろという話はなかったと思っているというのがまず1点ありますと。
 それで、この間の金融庁のお話でもあるように、経営的な判断ができるようにとか、システムではなく、いろいろなもう一段上の言い方としての方針というのは、もちろんそれはあると思いますので、逆に対応していないとおっしゃらない方がよろしいかなというのがまずは方向です。それで、どこまで説明できるかというところで説明された上で、そういう意味で言うと、判断するのは最終的に我々でもありませんし、多分、公社さんでもないところでまた別の判断はあると思うので、あくまでも、そういう意味ではここの委員会のメンバーも含めて、多分、説明するだけというか、こういうふうに対応する話ですよねということを言うしかないのかなと思っていますので、そういった意味合いですので、逆に誤解があったかもしれませんので、ちょっとつけ加えておきます。

○加藤座長 今の先生のお話は、こう考えてしまっていいんでしょうか。組織とシステムとは別なことであると。別なことであると言ってはおかしくて、対応はしているんですけれども、だけれども、組織が例えば分社化をやるということが行われることとシステムが分離されていることとは別のことと考えていいと、こういう意味にとってよろしゅうございますか。

○満塩シニアマネージャ はい、1つの局面としてはまさにそのとおりだと思いますし、あと、私もITの方をやっていますので、ITが今、経営に重要だということはもちろん認識しております。
 だけれども、とはいえ、やはりITはITですというところで、1つレイヤーが違うかなという感覚があります。だから、そういう意味ではレイヤーが違いますので、持ち方というのは、前から議論があるように、本当のハードも含めて完全な分離というのもありますし、ある意味バーチャル、論理的な分離というのもありますし、そこはあり得るのかなと、それが1つ。典型的なところで見えるのは、やはりアウトソーシングという形でどこかに委託しますと、ただ、委託するときに、ちゃんと委託する要件というのをしっかり決めておいて、ちゃんとデータ、情報を戻してもらうという形で使っているわけですから、そういったところの使い分けはあると思っています。

○國領教授 ちょっと時間が足りないところに細かい話で恐縮ですけれども、恐らく間瀬さんがおっしゃっている方針を守れないというのは、リスク遮断の話が一番大きいのだと思うんですけれども、その意味で1枚目のリスク遮断、要するにおっしゃっているのが、論理的なリスク遮断であれば、物理的なリスク遮断でなくていいはずだとおっしゃっていて、そのときの1枚目と3枚目の絵のこのグレーの矢印の違いぐらいを大ごとと考えるか小さなことと考えるかということなんですけれども、これは小さなことと私は思いますので、暫定でいけるということは、いざとなれば現行システムでいけるという判断だって、ほぼ同じことだと思います。

○山下CIO そうすると、今のシステムのままでも、民営化、分社化ができるとおっしゃっておられるのですか。

○國領教授 ただし、業法的な法令違反のたぐいの話というのが、報告義務や何やらと確かにいろいろなものがあるので、そこについてでき得る限りのリスク管理というのを、この検討会の立場からも、していただくような配慮をお願いするというのは、僕はそれはやるべきだとは思っております。これはもう意識決定権限者の権限内の話なので、我々がどうこうという話ではないですけれども、具体的なそれに対する適切な手当てというのはすべきだろうとは思っておりますが、そのリスク遮断の話ということを考えるのであれば、もうこの検討会はかなり前に、物理的なリスク遮断の話をしているのではなくて、論理的なリスク遮断の話をもってやって、それを適切にやればいいはずだという、そういう判断でずっと走ってきているのではないかと思っています。

○山下CIO 2007年4月に民営化、分社化して、それぞれが自立した会社として経営可能な形態にするというのが基本方針に書いてあることだと思います。
 ですから、仮に今のシステムのままであれば、例えば現金の管理、窓口会社が幾ら現金を持っているとかという日々の管理もできませんし、それから私どもはまだ官ですから、企業会計対応のベーシックな部分とか税法対応とかというのはできません。そういう意味で、ともかく民営化、分社化という、基本方針に書いていることは全くできないと思います。今、國領先生がおっしゃったように、2007年4月まで我々が一生懸命やって、しかしそれでもいろいろなバグが出てできないから、ではしばらくはそれで泳いでもいいという話であればそれは分かりやすい。しかし、それで民営化、分社化という基本方針に書いてあることが実現できたかというと、それはそうではないという気がします。
 そういう意味で、別に民営化を延ばせとかと言っているのではなくて、リスクマネジメントとしてそういう事態に立ち入ったときの対応の仕方についてやはり意識しておいて、それを誰が決めるかをはっきりさせておいていただきたい。我々が決められないわけですから。

○國領教授 この辺のかなり具体論のところで、何のリスクが発生しかねないから、それについて、その民営化をするという大前提のもとで考えられるリスクに対応すべきであって、第一義的には国民に迷惑をかけない、第二義的には報告義務を満たして、第一義の方を守るためには第二義のことについて、適切な仕組みというものをつくればいいということで……。

○加藤座長 おっしゃるとおりですよね。それはだめなんですか。

○山下CIO いや、ですから、それを私どもはこの間紙を出して、こういう形でお願いしたいと。

○加藤座長 できるわけですよね。

○國領教授 なので、細かなセーフガードという文言がいいかとか、確定するにしてもそのような文言がいいかとか、ちょっと表現は、何か僕はこの間からすごく、もっと上手な表現をすればいいのにと思い続けながら、なので、そのあたりのことについては、ちょっとそこまでは書けませんよということになると思うんですけれども、気持ち的、方向的にはそういうことなのではないでしょうか。

○加藤座長 ですから、ここまで来ると、大体、公社側の考えていることと同じことを言っているんですよね。それを、明言しているかどうは別ですよ。だけれども、もしそうなったらそうなるだろうぐらいのことは、みんな想定していますよね。例えば、絶対に運営が全部できなくなってしまうというような状況が生まれるんだとすれば、それは我々の考えることではなくて、どうしても民営化するということの意味から出てきたことですから、それに対する対応は、当然、政府は考えていなければいけないわけで、そこを保証してまでやってくださいと言われたら、我々にはとても答えられないということでしょうね。

○國領教授 だから、多分、専門家として呼ばれている立場からすると、こういう事態が想定されているときに、こういうような意思決定をおそらくリーダーはする局面が来る可能性について、ちゃんと考えておいてねということを言うということなのではないでしょうか。あらかじめ、お約束というのがとてもしにくい種類のものであるということについては、おそらく心の中ではご理解いただいているのではないかと思います。
 ただし、その難しさの中でも、公社とこの検討会とが一体となって、そのリスクがどこにあるかということを明らかにしておいて、その場で判断する方々が適切な判断ができるようにする、それがちゃんと書いてあるということが、最終的に責任どうこうという話についても、そのときに意思決定する方々も、当初からこういうような警告が発せられていたような、こういうような悪いシナリオに行った場合にはこういう事態が起こり得るので、そのときには判断してねとここで書いてあることが、そのときの腹をくくる人が腹をくくりやすくするというような効果を期待するという程度のことなのではないかと思います。

○加藤座長 それは、運営する方からいけば、当然そう思わなければだめですよね。そうでなければひっくり返らないでしょうからね。だから、そこを心配してやってもしようがないんですよね。そういう状況が来たら、もうそれは本当に日本全体が大変なことですから、考えなければならぬとなるでしょうね。それは政府の判断ですよ。それを、心配だからそこまでは手をつけるのをやめましょうというのはちょっとまずいので、それまでの間に、やはりできる民営化を少しずつやりましょうということではないのでしょうかね。
 私も、何度も前から言っているではないですかと言われると、ああ、そうかな、言われたのかなと思いながら聞いているんだけれども、何かやはり山下さんの腹の中がわからないんですよ。多分、今、國領さんがおっしゃったくらいの気持ちはもう持っているよと、持っていないですか。

○山下CIO 私は単純な男ですから、そんなに腹の中も外もないんですけれども・・・。先生方からいろいろなことをご示唆いただいているように、もう少し削減できる可能性は、もちろん我々もリスクを小さくするために努めていくつもりです。しかし、いろいろな制度設計もまだ決まっていないわけです。重要な前提条件が決まっていないわけですから、そこについては我々としては、当面、2007年4月に基本方針に書いてある内容を最低限実施するためにはこれだけのことはしなければいけないと考え、そういう覚悟で今作業を進めているということでございます。何度もご説明していますように、我々としては暫定対応にはこれだけのリスクがあるので、そのリスクマネジメントのためには、やはり例えば業務要件は来年6月までに基本的には固めていただいて、21カ月の開発期間を確保していただきたい。この点はさっき申し上げましたように、公社化のときにも大変苦労して、システムトラブルまで起こっているわけですから、それはやはりきちっと見ていただいきたい。高橋さんはそこにいらして聞いておられるわけですけれども、ほかの方はだれも聞いていないわけです。準備室の方も、多分、公社がお願いしたからといって別に6月までになんかできないよと言われれば、それで終わりなわけですよね。
 そのようにして、基本的なところが決まらないと、21カ月の期間というのは確保できずに、テスト期間も確保できないことになります。ここについてはやはり約束していただいて、かつ、それができなかった場合には、後に大きな影響があり得るわけですから、そこを中立的な立場から、もともとここは危ないよということを言っていただく。それから先ほども申し上げましたように、いろいろ一生懸命頑張っても、これだけの大きなプロジェクトですから、どこかでバグが出て難しいとなったときに、本当に今、両先生がおっしゃったような形で、ともかくいけばいいではないか、これも民営化、分社化と呼べばいいんだというふうに本当になるのかどうか。監査人にも厳しく言われるでしょうし、いろいろな問題が起こり得るわけですから、そういうところが法令違反にならないのかも含めて懸念材料です。それからシステム開発がうまくいったからといって、これはいろいろな開発を先送りしているわけですから問題が起こりうる。準備室の方で、政府としてそれは仕方がないということをきちっと言っていただきたい。私としてはそんなに無理を言っているつもりはないんですけれども・・・。しかも先生方はこうした暫定対応をエンドースされて実施するわけですから、それについてやはりそういう前提条件が守られているかどうかというのをきちっと見ていただきたい。これだけ重要な、国民生活にも大きな影響を与える決定をされるわけですから、やはりそれだけのレスポンシビリティーというのは担っていただいて一緒にやっていただく。我々も一生懸命頑張りますし、準備室も頑張りますし、先生方からも応援をしていただくという、そういう枠組みがどうしてだめなのかなという気がするんですが。

○加藤座長 はい、どうぞ。

○宮田教授 山下さんがおっしゃることは、ごくもっともというか、普通のことだと思うんですね。
 ただ、私たちではなくて、それは経営者と後見人の政府がやるべきことではないかと思いますし、それは当然あるのではないでしょうか。そう思って、私たちが出る幕ではないなと。問題は、経営者がリスクをとるべきですから、第三者はリスクをとるわけでございません。リスクをとる人が経営するわけですから、山下さんがおっしゃることに全く反対するわけではなくて、やり方としてそういう方向で、必ずしもすべての場合、リスクをなくするということはできませんから、それはだれかがとるわけですね。それは、やはりとるべき人がとるべきで、変なところにとらせると変なことになってしまいますから、それはやめた方がいいのではないかということなんですけれども。

○加藤座長 宮田先生が今おっしゃったのは、まさにそのとおりでございまして、私は今、いろいろ考えてみて思うんですけれども、郵政公社になって頑張れというので言われていたわけですけれども、郵政公社ができたときに私が言ったことは、公社として成功しては困るよということですよ。それはなぜかというと、公社というのは本来、企業として、経営として成り立っていないんですよ。それを、成功しようと思って懸命にやったって、それは結局ゴムが伸びてしまうようなもので、いずれは破綻することになるんです。それよりは、大体それに、これから失敗、リスクが起きたら困る、消費者に迷惑をかけると、こうおっしゃっているんだけれども、今、実際は、表に出ないけれども、今までやってきた郵政が迷惑をかけているんですよね。これは、信じられないかもしれないけれども、今の郵政がやってきたことは、日本経済をこんなにゆがめたことはないんですよ。そのことを直さなければならぬのですから、そこが第1なんですよ。それを直すために、民営化ということが出てきているわけでしょう。ですからそれを、これからリスクが起きるからとおっしゃるけれども、我々から見ると、もっとリスクを温存していくんですかと、こう言いたくなってしまうんですよね。
 だから、そんなことをやらないで、やはりここで変えなければならぬことは変えましょうということは基本に考えていらっしゃる。それは、決してシステムと連動しているものではないんですよね。この会ができたときに、私の記憶では、何か民営化をやるために分社化しなければならぬ。分社化をやるためには、一番重要なことは、システムが分離しなければならぬことだと。だから、そのことを検討してほしいと、こういうことになったので、専門家の検討集団、検討会議をつくったというだけの話でありまして、本当を言うと、そんなことはあまり関係ないと私は思うんですよ。むしろ、分社化ができるかどうかということの方が重要であって、そこに多少のまずいところがあったりするのは、これはもうある程度覚悟しなければ、分社化というのはできないですよ。
 これは、国鉄だってそうですけれども、本当は長野のところなど、長野とそれから向こうの北陸と、どっちをどっちに入れるか、東の方にするか、それとも西の方にするかというので物すごくもめたわけですよ。もめたって、そんなことはどうでもいいことなんです、全体から見ればね。今までの国鉄がもたらしてきた国民に対する迷惑から考えたら、そんなことはどうでもいいことです、目をつぶっていいんですということで決着してしまうんですよね。そういう決着というのが、政治の世界では現実にあり得るわけであって、それを恐れて、だからそこがちゃんと決まらなければできませんと、こう言われたら、それはいつまでたったってできないと私は思いますよ。
 だから、私は、山下さんが反対されるけれども、やはりやる気がないのではないのと、こう言いたくなってしまうんですよね。「なってしまう」というのは、これは私が悪いのではなくて、山下さんが悪いわけですよね、そういうふうに思わせてしまうんだから。それを、やはりちゃんと山下さんが言ってくれなければ困るんだけれども、私は分社化というものができるということについて、多少の誤差があったって何だって、それはもうある程度合わせるしかないんですよ。それをやっていってだんだんと直していくうちに、システムがだんだんよくなってくるんですね。そういう意味でやらなければいかぬのであって、それをもう初めから、完璧になるまでは私たちは手をつけませんと、こう言っていたら何もできなくなってしまう。もっと大きな国民的損失を与えることになるんですよ。
 こんなことを言うと、また郵政の方から怒られるかもしれませんけれども、今までとにかくやってきた郵政のやり方を見たってわかるけれども、日本のお金を、国民のお金であるべきものを3割も握ってしまっているなどということは、明らかにこれはおかしいのであって、そういうところを直さなければならぬのが民営化の意味ですから、それが結論的にできればいいんですよ。それができる方向に行けばいいのであって、どこがうまく合うか合わないか、例えばどんぶり勘定で、もう今までだって合わなかったことが随分ありましたと山下さんが正直におっしゃったので、私は、ああ、山下さんって正直な人だと思って聞いておったんですけれども、やはりそういうミスはいろいろ起きますよね。実際に、齟齬することがいっぱいあるんですよ。だけれども、それを乗り越えてなお大きな道をつくることができるかどうかというのが、私はこの民営化の方向だと思いますので、やはりそこを考えていただかなければならぬのだという気がして仕方がない。何か、そこら辺のところがちょっと弱いなという感じがしまして、システムができなければだめですよという発想になってしまっているというのが、私はどうも理解できないですね。システムはある程度齟齬があったって、これはある程度、目をつぶったっていいところがいっぱいあるわけですよ。そういうことが完璧にできなければだめだという、そういう発想ではとても進めないのではないかという気がしますね。
 何か反論がありますか。

○山下CIO 私の説明が下手なので、ご理解いただけないのかもしれませんけれども、全くそんなことを言っているつもりはありません。民営化をするためには、我々は2009年4月までにきちっとしたものをつくる方が、総体的な、加藤さんもおっしゃる民営化というのは時間がかかるという意味で、いい民営化をしていくためにはやはり時間をかけた方がいいと。
 何度も申しますけれども、我々は民営化をきちっとやりたいと思っております。先生はそうおっしゃいますけれども、我々のシステムというのは、貯金であり、保険であり、郵便であり、そういった国民生活を支えるインフラを担っているわけですね。ですから、そういったインフラを支えるシステムがきちんと回るかどうかというのが我々の最大の関心であって、いや、できるんだったら早くやりたいですよ、それは。

○加藤座長 今までだってできなかったからね。

○山下CIO いや、ですから、それはやや次元が違う話であって、今は確かに金の流れにディストーションを起こしているとか、金融社会主義であるとか、そういう問題はおっしゃるとおりある。それは、もう中城さんのところできちっと今議論して、いろいろな制度設計をされているわけですが、その上で、ではそれが実務として回るかというところを我々は心配しているわけです。さっきから申し上げているように、実務でそれを実現していかなければいけないわけでして、それが象徴的にシステムというところに来ているわけですよ。ですから、業務フローを見直したりとかいろいろな作業をやっていく、それについては非常に時間が足りない。我々はきちっとやるためにはもっと時間が要ると思うけれども、しかし、そういう高い次元のところから2007年4月にやらなければいけないご判断であれば、それは……。

○加藤座長 そういう努力をなさるんでしょう。

○山下CIO 先生方がやれるというご判断であれば我々はやりますけれども、しかし、我々から見ると非常にリスクがたくさんあって、自分たちでそのリスクヘッジがでなきいわけですから、そこについてのセーフガード、リスクヘッジの手段をこういうふうにお願いしたいということを申し上げているだけなんですけれどもね、そこは。

○加藤座長 いや、それが、だから余計なことなんですよ。つまり、もっと我々はやるだけやってみて、工期も削りましょう、ここも努力しました、こういう努力をしてやっていって、それでどうしても2007年に間に合わなかったと。それは間に合わないのが現実なんですから、間に合わなくてしようがないではないですか。そういう気持ちを持たれなければ、だめなのではないですか。何か、そこはその気持ちがないんですよね。

○山下CIO いや、ですから、そういう無責任なことは、私どもはできないと思っているわけです。

○加藤座長 無責任ではないんですよ。それは、責任を持ってやっているからですよ。無責任だったら、2007年にできましたと言ってしまえば、それでいいんですから。そうではない、もうとにかく2007年までいって、とにかくだめだ、もうどうしようもないと言ったら、それは責任をとっているんですよ。その覚悟をしてほしいんですよ。それで、私は、山下さんはもうその覚悟ができていると思っているんですけれどもね。

○山下CIO まことに申しわけないですけれども、私も公社の経営陣の一角として、27万人を代表して、要するにこの例えば2007年……。

○加藤座長 いや、27万人ではないんですよ、1億人ですよ。1億人の国民を代表して言っているわけです。

○山下CIO いや、それは公社が責任をもっても、1億人のお客様に対してサービスが提供できるかどうかについてのリスクアセスをしているわけです。

○加藤座長 だから、それが今までもできていなかったから、これからやろうと、こういうことでしょう。

○山下CIO それは、今、先生がおっしゃっていることは、このシステム検討会議の次元の話ではないと思います。ここの話は私どもが郵便局で回しているビジネスがきちっと民営化後もやれるかどうか、しかも、民営化によっていろいろな……。

○加藤座長 だから、そうなってほしいと私は願っているわけです。

○山下CIO ええ、ですから、そうなれるような体制を我々としてつくりたい。システムは、非常にコアだと。

○加藤座長 でも、それは最低、最後は少なくとも2009年までにはできるんでしょう。

○山下CIO それは2009年4月までには、はい。

○加藤座長 できるわけでしょう。それが、やってみて、もうとにかく工期を減らしてやって、2007年までにできたというところまで行けばいいわけですよ。それが、できないできないと言ってしまったら、できないでしょうね。

○山下CIO ですから、2009年4月については、精いっぱいやればできるというふうに私どもは思っています。それについてはもう何回も、ここでベンダーも一緒になぜそれぐらいかかるかというのはご説明して、多分システムの専門家の先生方も、ベンダーの説明と私どもの説明については、そういう前提であればこうなるだろうなということはご理解をいただけたのではないかと思います。それで、先生方は、ここまでかかるのはわかるから、2007年4月までに開発期間を縮めるならばどういうことがあり得るかというご下問がありました。それで暫定対応をご説明して、それについてはいろいろなシステム開発を先送りするので、我々としてはこういう問題があるということを縷々説明してきたわけでございまして……。

○加藤座長 だから、そこには、努力されればセーフガードは要らぬのではないですか。セーフガードの問題ではないのではないですか。

○山下CIO いや、ですから、我々として責任を持ってそれをやっていくためには、やはりリスクマネジメントの仕組みをつくっていただきたいということをお願いしているわけです。

○加藤座長 いや、だからそれは、それをつくってくださいと言われたら、今、我々が言っていることでやってみたらどうですかというだけの話ですよね。今、大体、先生方が共通して言っていることは、工期はもっと縮小できるのではないですかということを言われているんですから。

○國領委員 だから、あまり難しく考えず、とにかく民営化、分社化はやりたいんですとおっしゃっていただいていて、条件がそろって順調にいけば何とか間に合うような気がしますと。なので、ちゃんと順調にいくように援護射撃をよろしくお願いしますと、それだけですよね。その援護射撃が、何か約束、必ず証文がなければちょっと不安だという、そこぐらいは確かに当事者だったら不安なのはわかるので、そこは気持ち的には同情しつつ、でもやはり、とにかく基本的にこの国の金融システムをちゃんとするために、可及的速やかに民営化、分社化をやるべきで、そこの方針が出てきたら、それについて最大限協力する気はあるとおっしゃっていただいていて、ただしそれを順調に動かすための援護射撃をよろしくと言われているので、できる援護射撃、できない援護射撃があるんだけれども、できる援護射撃については前向きに考えて差し上げたいのではないかと思います。

○加藤座長 今の國領さんに言葉に尽きますよね。

○山下CIO 基本的にはそうだと思います。
 ただ、やはりこれは国民生活に大きく影響するプロジェクトですから、私どもは公社としてこういうお願いをして、その援護射撃として、先生方はそのうちこれとこれだけは認めたというようなことは、やはりきちんと世間には示していただきたいと思います。それは、これから何かが起こったときも、やはり我々としては精いっぱいやりますし、きちっとやりたいし、せっかく民営化するのに最初から混乱するようなことは絶対避けたい、よい民営化をするためにも最大限やっていかなければいけないと思っています。しかし、本当にしつこいようですけれども、私ども実際に公社で実務をやっている者としては、この暫定対応にはものすごくリスクがあると感じており、ベンダーも全く同じ意見です。それを、政府それから先生方がこれはできるんだというふうにおっしゃるわけですから、そこについては精いっぱいやりますけれども、ただ今申し上げた意味でのリスクマネジメントについて、私どもとしては最低限こういう手段をお与えいただきたいということをお願いしているので、それは、あとはその援護射撃の中身について先生方が、これはどういう理由でだめかということを明確にしていただければと、このように思います。

○加藤座長 我々も、援護射撃はいたしますから、公社の方でも一生懸命やりますと言っていただきたいんですよね。

○山下CIO それは、さっきから言っているつもりですけれども。

○加藤座長 いや、一生懸命やりますとおっしゃっている言葉の裏で、いや、難しいですと言っておられるから、何かそういうものかなという気になってしまうんですけれども、ただ、私が思うことには、やはり公社は、私などの気持ちなどからいきますと、20年も前から郵政の民営化を望んでいた私から言わせれば、長い目で見たら問題ないと思うんですよ。それで、だからいいものをつくってもらえるというのは、これはわかっています。それから同時にまた、それにふさわしいように努力してくださることはわかる、そこまでいけばいいんですよね。そうすれば、私たちは非常に大きな希望が持てますよ。

○山下CIO それは、加藤先生と全く同じ意見です。ただ、それを、政府と先生方は2007年4月に短縮して無理をしてやれというふうにおっしゃっているわけです。そこについては無理があるから、リスクもある。我々としては、精いっぱい頑張りますけれども、自信がないので、リスクマネジメントの手段を考えていただきたいとお願いしているわけです。

○満塩シニアマネージャ ちょっと大変なお話になっているので、多分、私を含め引っかかっていらっしゃる方々のところで、私の考え方で言うと、リスクをこちらが―こちらがと言うと変ですけれども、委員会の方でとってくださいというような表現がまずは引っかかると。要は、リスクを自分たちでとると思っていただかないと、本当のリスクマネジメントは多分できないでしょうというのが私の思うことです。ですから、そういう意味では、援護射撃はどの程度やるかというのは、レベル感もあったりするのでいろいろだと思いますけれども、そういう意味では我々としても、少なくとも私としては、委員会に参加した以上、全く無責任に発言しているつもりももちろんございませんので、そういった意味でのレベルの自分たちでちゃんと責任をとってくださいねという話は、もちろん理解しております。
 ただ、お互いにやはり責任をとってというか―責任と言ったら変ですけれども、リスクをとって進めていきましょうと。それで、逆に言えば、援助できるところは援助しましょうと、私は半分個人的にですが思っています。そういうことです。

○加藤座長 大変時間が遅くなってしまって、何か一言ございますか。

○山下CIO いや、何かちょっと勘違いが……。私は、そうではなくて、責任をとるのは我々で、経営責任ですから、それは当然です。ただ、我々のリスクマネジメント能力を超える経営責任をとらなければいけないので、そこについてリスクマネジメントができるように応援をしていただきたいと言っているわけです。1つは、政府に対しては、業務要件を早く固めていただきたい。それから、先生方には2007年4月までにできると判断されたいろいろな条件について、きちっとそれが遵守されているかどうかについて、やはりちゃんと見ていただきたい。さっきも申し上げましたように、政府というのは、高橋さんみたいな物わかりのいい人ばかりではなくて、おれは知らないということが多い。公社化のときにも大変苦労して、いろいろなトラブルも起こっているわけです。ですから、そういったことについて、やはりこれはおかしいではないかと言っていただいて応援射撃をしていただくとか、最後にバグが起こったよというときには、これはやはり危ないということをきちっと言っていただくとか、最後まで見守っていただきたいということをお願いしているわけで、責任をとれとか、そういうことを申し上げているつもりではありません。

○加藤座長 よくわかりました。今のお気持ちは、我々も腹の中にみんな入れておりますので、何かこれから起こったときには、一応それなりの我々の発言もしたいと思っておりますが、少なくとも、私は前から言っておりますように、試験を受けるときに落第しないことが条件ですよと言われると、それは無理ですよ、そんな考え方は世の中にないでしょうと。しかも、企業というものは、民営化されれば自分でもって努力して、そしていろいろな条件が変わるんですよね。その変わっていく条件の中で、最適な条件を求めて企業というものは動くわけですから、そういう意味で公社の方も、そういうお気持ちになってほしいということが1つありますね。
 そういうことをお考えになっていただくと同時に、私がいつも思い出すことは、それは福沢諭吉の言葉を出して申しわけないんですけれども、彼はいつも言っているんですよね。「立国は私なり、公に非ざるなり」、つまり公が助けるのではないですよ、それは自分でやらなければだめですよと言っているんですけれども、私はそれがすべて成功しているとは夢にも思わないし、現実には日本の経済は護送船団方式で随分行われていましたね。しかし、それを少しずつでも改めていくことができればいいと、こう思っていますので、そういう意味で公社の方の非常に民営化するという気持ちを強くお持ちになっていることはよくわかりましたので、その点に関しては、何とか日本の前進を果たしたいと、こういうような気持ちを持っているわけでございます。
 もう時間が超えてしまって、大変ご迷惑をおかけしましたが、最後になってきましたので、時間はむしろ、会議は大体2時間が普通なんですが、どういうわけか1時間半しか設定しないので、いつも30分足りない気持ちでいたんですけれども、少しここでうっぷんを晴らしましたので、そこで皆様方とこれからさらにどういうふうに進めるかということで、事務局で今度はお話しいただくと思いますし、何か問題がございましたら、事務局を通じましてどんどんご意見を言っていただければ、またそれを答申の中に含めた形でもってつくっていきたい、こんなふうに思います。
 次回の会合は、日程、議題とも非常に不確実でございますので、ご一任をいただきたい、こういうふうに思っております。いずれ事務局からご連絡をして、皆様方のご提案などもありましたらそれも入れて、また会議を開きたい、こんなふうに思っております。
 大変時間を突破しまして、今日は申しわけございませんでした。お許しをいただきまして、これで終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。