就職・採用活動開始時期の変更について


 平成25年4月19日に開催された「経済界との意見交換会」において、安倍総理から経済界に対し、平成27年度卒業・修了予定者からの就職・採用活動開始時期変更を要請されました。

 この要請は、平成27年度卒業・修了予定者(現在の大学4年生等)からの就職・採用活動のスケジュールを以下のように変更することを求めたもので、その後、「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)において政府方針として決定されました。

「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)抜粋

第U.3つのアクションプラン
  一.日本産業再興プラン
  2.雇用制度改革・人材力の強化
     D若者・高齢者等の活躍推進
     ○若者の活躍推進
学修時間の確保、留学等促進のための、2015年度卒業・修了予定者からの就職・採用活動開始時期変更(広報活動は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降に開始し、その後の採用選考活動については、卒業・修了年度の8月1日以降に開始)について、中小企業の魅力発信等、円滑な実施に向けた取組を行う。


 就職・採用活動開始時期の変更について

 @学修時間の確保

 我が国では、卒業見込みの学生について、卒業後直ちに働き始めることを前提に在学中に採用を内定する、いわゆる「新卒一括採用」の採用慣行が定着してきました。そのため、若年失業者は、先進国の中では低くなっていると評価されています。(2012年の15〜24歳失業率:日本8.1% フランス23.8% ドイツ8.2% 韓国9.0% アメリカ16.2% イギリス21.0% <出典:OECD  Labour Force Statistics>)
 他方、就職活動の早期化・長期化は、学業に専念すべき学生自身の負担になるばかりでなく、学生の成長が最も期待される卒業・修了前年度の教育に支障を来し、結果として学生の学力の低下が懸念されます。
 就職・採用活動開始時期を変更することで、学生が落ち着いて学業等に専念できる環境が整備されることが期待されます。


 A留学等の促進

 下図にあるとおり、日本人の海外留学者数は、平成16年(2004)年に約8万3千人を記録したのを最後に減少し続け、平成23(2011)年時点で6万人を下回るまで落ち込んでいます。

 また、留学に関する障害について、平成19年に国立大学協会が国立大学に対して実施したアンケート調査結果をみると、「帰国後、留年する可能性が大きい」と7割弱が回答しています。


 このような回答結果が得られる一因には、現状の就職・採用活動時期の早期化が挙げられます。例えば、大学3年次から1年間留学を希望すると、帰国時期は早くとも4年次5〜6月頃になると予想されますが、その頃には日本での採用選考活動はすでに始まっていて、採用選考が既にほぼ終わっている企業も少なくないと考えられます。
 以下の図にあるようにグローバル人材の不足が顕在化しているにも関わらず、就職活動時期の早期化を一因として、海外で学ぶ学生が減少の一途をたどっている中、採用選考活動が4年次の8月から始まることとなれば、このような理由で留学を諦めていた学生が留学することにつながり、帰国後は選考活動にも乗りおくれることなく対応することが期待できます。
 また、留学だけでなく、ボランティア活動等の参加促進に良い影響を及ぼすことも期待されます。



 Bインターンシップ等キャリア教育の早期実施を期待

 昨年度実施した内閣府委託アンケート調査(「平成24年度 若年者のキャリア教育、マッチング、キャリア・アップに係る実態調査」)おいて、現在の勤務先について就職活動期間中にどれくらい理解が深まったかという点とその勤務先に対する満足度との関係が明らかにされています。これによれば、就職活動期間中に企業への理解が深まっていた者ほど勤務先への満足度が高いという結果が得られています。



(出典)平成25年4月6日 第4回若者・女性活躍推進フォーラム参考資料


   今回の就職・採用活動開始時期変更は、企業の広報活動を大学3年次の3月以降に開始することを要請するものであって、学生が自己の興味や適性を考え、就職に向けた企業・業界理解や職業意識の醸成のための教育を早くから進めることに何ら制限をかけるものではありません。
 大学1年次から自分の適性をみるために興味のある業界のインターンシップに参加したり、まずは働くとはどんなものなのか、社会とは何なのかを知るためにインターンシップや職場体験などに積極的に参加したりすることを奨励します。


 就職・採用活動開始時期変更を円滑に実現するための政府の取組

 今回の就職・採用活動開始時期の変更を円滑に実現するため、政府は以下の 取組を進めていきます。(平成25年4月22日 第9回経済財政諮問会議資料 「我が国の人材育成強化に関する対応方針(大学生等の就職・採用活動問題を中心に)」から抜粋)

 @在学生に対するキャリア教育・就職支援機能の強化

 インターンシップに参加する学生の数の目標設定を行った上で、大学等と地域産業界との調整を行う仕組みを構築し、学生に対して、卒業・修了前年度の夏季・春季休暇中に行うインターンシップ、地元企業の研究やマッチングの機会の拡充をはじめ、キャリア教育から就職まで一貫して支援する体制を強化します。 (関連資料)

@ 産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業【テーマB】インターンシップ等の取組拡大(PDF)
A 成長する企業のためのインターンシップ活用ガイド
<経済産業省HP>
B 教育的効果の高いインターンシップ実践のためのコーディネーターガイドブック(PDF)
C インターンシップ標準帳票集(Word)
   
 教育効果の高い比較的長期のインターンシップの有用性や中小企業の魅力発信としての活用の重要性を示すこと等について、関係団体等の意見を踏まえつつ、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方(平成9年9月18日 文部省、通商産業省、労働省)」について、関係省庁間で見直しを行い、平成26年4月8日に、関連資料Aのとおり一部改正したところです。

「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方(平成26年4月8日一部改正、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)」
<文部科学省HP>


 A中小企業への就職支援策の充実・強化

 地域の中小企業と大学等が連携し、経営者による出前講座等を通じて中小企業と学生が日常的に顔の見える関係を構築するとともに、合同説明会等によるマッチング支援を全国的に展開しています。 (関連資料)

地域中小企業の人材確保・定着支援事業<事業HP>
  
 新卒者や既卒3年以内の未就職者に対して、中小企業の事業現場で働く上で必要な技能・技術・ノウハウを習得するための職場実習を全国2万人規模で実施しています。 (関連資料)

@新卒者就職応援プロジェクト<中小企業庁HP>
A大学生等対象就職面接会、企業説明会等開催予定<厚生労働省HP>
  
 詳細な企業情報・採用情報を公開し積極的に若者を採用・育成する中小企業を「若者応援企業」として位置付け、その情報発信を強化するとともに、新卒応援ハローワーク等を活用して学生と中小企業とのマッチングを推進すること、等の施策を展開していきます。 (関連資料)

@ 「若者応援企業宣言」リーフレット<厚生労働省HP>
A 新卒応援ハローワーク<厚生労働省HP>
  
 大学等や各地域の経済団体、地方公共団体等においても、前記施策の展開を十分に活用されるとともに、独自の事業として、地域の企業を対象とした合同就職説明会の開催等に、積極的に取り組むことを求めます。


 B学卒未就職者への支援の拡充

 学卒未就職者に対しては、新卒応援ハローワーク等のジョブサポーターを通じた支援の実施とともに、紹介予定派遣(派遣先企業への職業紹介を予定して行われる派遣)の活用により、正社員就職を促進します。(関連資料)

ジョブサポーターを通じた支援<厚生労働省HP>


 参考:就職・採用活動開始時期開始時期変更に係る関連資料

第2回及び第4回若者・女性活躍推進フォーラムにおける検討(平成25年3月15日、4月16日)
<第2回若者・女性活躍推進フォーラム:官邸HP>
<第4回若者・女性活躍推進フォーラム:官邸HP>
  
「経済界との意見交換会」における総理要請(平成25年4月19日)<官邸HP>
  
「我が国の人材育成強化に関する対応方針(大学生等の就職・採用活動問題を中心に )」(内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)の発表(平成25年4月22日 第9回経済財政諮問会議)
<第9回経済財政諮問会議:内閣府HP>
  
「我が国の若者・女性の活躍推進のための提言」の取りまとめ(平成25年5月19日 第8回若者・女性活躍推進フォーラム)<第8回若者・女性活躍推進フォーラム:官邸HP>
  
「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)(PDF)<官邸HP>
  
一般社団法人 日本経済団体連合会 「採用選考に関する指針」(平成25年9月13日)
<一般社団法人 日本経済団体連合会HP>
  
就職問題懇談会「大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)」(平成25年9月27日)<文部科学省HP>
  
稲田大臣インタビュー〜就職・採用活動開始時期の変更に向けて(平成25年10月10日)
<政府インターネットテレビ>
   
主要経済・業界団体への就職・採用活動開始時期変更に係る4大臣要請について(平成25年11月22日)<官邸HP>
   
学生の就職・採用活動時期の変更に関する担当者説明会(平成25年12月19日)<文部科学省HP>
   
平成27年度における国家公務員採用試験日程の後ろ倒し等について(PDF)<人事院HP>
   
平成27年度における総合職試験受験者の官庁訪問について(PDF)<人事院HP>
   
就職問題懇親会「企業等の協力を得て取り組むキャリア教育としての学内行事実施に関する申合せ(平成26年9月16日)<文部科学省HP>
  
一般社団法人 日本経済団体連合会「採用選考に関する指針」の手引きの改定について」(平成26年9月16日)<一般社団法人 日本経済団体連合HP>
  
学生の就職・採用に関する調査について(平成26年12月1日)<文部科学省HP>
  
就職・採用活動開始時期変更に係る学生の意識等調査<内閣府HP>


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