社会保障構造の在り方について考える有識者会議

社会保障構造の在り方について考える

有識者会議(第2回)議事録


社会保障構造の在り方について考える有識者会議(第2回)議事次第

日  時 平成12年2月23日(水)17:30 〜19:30
 
場  所 総理大臣官邸大食堂
次  第
1.開  会
2.議  事
  (1)資料説明
  (2)討  議
  (3)今後の進め方
3.閉  会

【貝塚座長】それでは、時間がまいりましたので、ただいまから社会保障構造の在り方について考える有識者会議の第2回会合を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。

 本日は、赤崎委員及び木村委員が御欠席であります。政府側では官房長官が御欠席であり、また大蔵大臣の代理として林大蔵政務次官が御出席されております。なお、自治大臣は少し遅れると伺っております。

 本日の議論は、まず社会保障の現状につきまして事務局から資料説明をいただいた後、委員各位に御議論をいただきたいと考えております。それから、その後でこの会議の今後の進め方についても御意見をいただきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

 それでは、最初に事務局の方から資料に沿いまして御説明をお願いいたします。

【貝塚座長】それでは、これから各委員の先生方にはそれぞれ御専門の立場での御発言がいただけるかと思いますが、本日は事務局の方で一応その基本的な部分についての資料を用意させていただきましたので、私の方から簡単に御説明させていただきたいと思います。

 今回は、社会保障の現状を中心とした資料を用意させていただきましたが、次回は社会保障の負担、国際比較あるいは各方面で出された意見等をまとめたものを提示させていただきたいと思っております。

 お手元の資料の1でございますけれども、「T.社会保障をめぐる経済社会状況」という資料がございます。これと、資料の2の参考資料、この2つを使いまして簡単に御説明させていただきたいと思います。

 まず1ページにございますように、1の「少子高齢化の進行」ということでございます。合計特殊出生率が1.38と過去最低になっておるということでございまして、国際的に見てもドイツ、イタリアと並んでいわゆる最低のレベルにあるということが1つ。それから、我が国のもう一つの特徴といたしましては高齢化の速度が非常に早いということかと思っております。

 参考資料の3ページをごらんいただきたいと思います。我が国が1970年にいわゆる高齢化率7%を超えまして約24年間という非常に短い期間で1994年に14%、その倍のレベルに達しております。それで1995年、ほぼこの時期にイギリス、ドイツ、フランス、いわゆるヨーロッパ諸国とほぼ並ぶといいますか、同じレベルの高齢化率になっておりますが、それからわずか5年足らずで現在のところはそういった国を追い越しまして、最も最高水準のスウェーデンと同じようなトップクラスの高齢化率になっているということでございます。これが2050年には更に倍近い32.3%ということで、ある意味で群を抜いた形のレベルにまで上がっていくということでございます。それから次の4ページをごらんいただきたいと思いますが、もう一つは世帯の構造がかなり変化してきております。世帯の構成割合がございますけれども、従来ですと夫婦と子から成る世帯が昭和60年を見ますと40%ということで、これがいわゆる社会の中核的な部分を占めていたわけでありますけれども、これがどんどん少なくなってまいりまして、2020年の推計では26%、むしろ全体では少数派になっております。それに引き換えまして単独世帯、それから夫婦のみの世帯、これがどんどん増えてまいりまして、2020年には過半数を超えるという状態が一つございます。

 それから、高齢者世帯の状況も昭和60年代辺りまでは子と同居というのが一般的な姿でございましたが、これもどんどん少なくなっておりまして、恐らく現在においては50%を切るという状況になってきているところでございます。

 本文の1ページの方へお戻りいただきまして、2番目としましては御案内のように右肩上がりの経済からいわゆる低成長経済へ経済の基調が変わったという点でございます。

 それから、3番目が財政状況が現在非常に厳しい状況にあるということでございます。 

 次の2ページ目でございますが、「将来の社会保障の給付と負担についての不安」ということで、現役世代に対する世論調査をいたしますと約9割以上の方が将来に対する不安を感じているということでございます。特にその中でも将来の給付の確実性への不安でありますとか、税、保険料の負担の増大といったものについての不安が多いということでございます。

 それから次の5の「家計の状況」でございますが、経済成長に伴いまして家計の実収入、消費支出は大幅に増加しております。この間、いわゆる税保険料の非消費支出も実質収入の倍ぐらいの伸びで負担が増えているわけでありますけれども、しかし実収入と実支出の差でありますいわゆる黒字幅もかなり伸びておりますので、ある意味では負担増を吸収しつつも黒字幅も増加してきたというのがこれまでの状況かというふうに思います。

 参考資料の7ページをごらんいただきたいと思います。世帯主年齢階級別の所得金額の状況を見たものでございます。一世帯当たりで見ますとかなり格差があるわけでございますが、世帯人員一人当たりで見ますとかなりその格差が縮んでおりまして、例えば65歳以上で一人当たりで見ますと203 万円ということで、全世帯平均が227 万円でございますので余り差がないような状況になっております。

 それから、高齢者夫婦世帯で有業者のいない世帯と有業者のいる世帯を比較すると、有業者のいない世帯は低収入層に多く分布しており、有業者のいる世帯になりますと年収300 万円以上の方に多く分布があるということで、したがって大分様相が違うということがわかるわけでございます。

 次の8ページは同じく年齢階級別に貯蓄なり家計資産の状況を見たものでございますが、これは高齢者ほどやはり貯蓄資産額が多くなっているということでございます。貯蓄、家計資産、いずれを見ましても大体60歳以上は真ん中の40ないし49歳の階級の倍近い資産を持っているということで、こういったストックをどう評価していくかというのも一つの課題かと思っております。

 それでは、本文の3ページへお戻りいただきまして大きな2といたしまして「社会保障の現状」について簡単に御説明したいと思います。1番が「社会保障の歩み」といいますか、発展過程を見たものでございますが、我が国の社会保障制度の発展は大体4つぐらいの段階を経てきているかというふうに思います。まず第1番目には終戦直後のいわゆる救貧時代、これは生活保護を中心として貧困に陥った方を事後的に救済していくというところからスタートいたしまして、1961年、昭和36年にいわゆる国民皆保険皆年金時代ということで、いわゆる防貧といいますか、貧困に陥らないように事前に備えるということで社会保険方式を中心にしまして、あらかじめ拠出金を拠出してお互いに社会連帯で支え合えるシステムというところへ移っていったわけでございます。

 それから、高度成長期にはこういったものの給付改善が行われましたが、1980年代に入りますといわゆる高齢化社会に伴いましていろいろな制度の見直しが始まったということでございます。

 最近では御承知のように介護という新しい社会的な問題に対応するために介護保険制度が今年からスタートするということでございます。

 それから2の「社会保障の規模」でございますが、参考資料の10ページをごらんいただきたいと思います。「社会保障給付費の推移」というのがございます。ごらんいただきますように、1970年代からかなり大きく右肩上がりに増加してきております。給付費総額は1970年の3兆5,000億から97年の69兆4,000億と約20倍に増えております。それから、これの国民所得費を見ますと、70年代では対国民所得費5.8%でございましたが、97年では17.8%と、これも約3倍ぐらいになっているということでございます。

 それから、当然これに伴いまして一般歳出に占めます社会保障関係費の割合もどんどん増えておりまして、70年代では19%でございましたが、現在は35%と約3分の1が一般歳出における社会保障関係費ということになっております。

 次に、11ページをごらんいただきたいと思います。これは社会保障給付費を収入、制度、部門ごとに見たものでありますが、収入の財源の欄をごらんいただきますと収入の約6割が保険料収入となっております。それから24%が公費ということで、主として低所得対策なり財政基盤の安定化の観点から公費が投入されている。それから、資産収入等が15%という構成になっております。それから、制度別に見ると全体の約9割が社会保険という形で制度が含まれているということでございます。それから、部門別で見ますと年金が全体の5割、医療が約4割弱、福祉関係が1割と、大体5対4対1の割合になっております。それから、対象者で見ますと大体高齢者が全体の65%ということで、社会保障給付の65%は高齢者向けの給付ということになっておるところでございます。

 ちょっと飛びまして14ページをお開きいただきたいと思いますが、これは平成9年9月に厚生省におきまして将来の社会保障の給付と負担の見通しを推計したものでございます。一定の経済指標を置きましてある意味では機械的に計算したものでございますけれども、95年度時点の社会保障給付費対国民所得費で見ますと17%でございます。これが、この推計では2025年には33.5%ということで倍近くになっております。また、社会保障に係る負担についても、現在の18.5%から33.5%というふうに推計されております。いわゆる社会保障負担、税プラス保険料を両方合わせた社会保障負担と租税負担の合計額の国民所得比でありますいわゆる国民負担率を見ますと、この33.5%のほかに社会保障以外の租税負担がございますので、それが現在大体約20%ございます。これが現状並みに推移すると仮定しますと33.5%足す20%ということで、2025年の国民負担率は大体53.5%ということで、50%を超えるぐらいのレベルにこの推計では見通されております。ちなみに、2000年におけます国民負担率は36.9%という形になっております。ただ、これに財政赤字の分を加えますと、いわゆる潜在的な国民負担率を見てみますと、2000年におきまして財政赤字分が12.3%ございますので、これを加えますと49.2%ということで、いわゆる財政赤字を超えた潜在的な国民負担率は既に50%近くになっているということでございます。

 それでは、本文の5ページへお戻りいただきたいと思います。5ページ以降は、一応これまでは全体の姿をごらんいただきましたが、この会議では制度を横断的、総合的に検討していただくということでございますけれども、とりあえず現在の制度の組み立てのおおよその概要をVの「社会保障の構造」ということで指摘させていただいております。

 1番目の「所得保障」でございますが、これは最低生活を保障する生活保護という部分と、いわゆる国民全体のセーフティーネットとしての年金、この2つがメインになっております。全体的にはいわゆる救貧としての生活保護から出発いたしまして、年金へというのが先進国共通の歩みかと思っています。

 1の「生活保護」でございますが、これは御案内のように最低限度の生活を保障するといういわゆる最後のよりどころというところでございますが、生活保護は全部公費でやっておりますので、本人の収入資産、あるいは扶養義務者の扶養等、すべての手段を尽くしてもなお最低限度の生活水準に達しない場合にその不足分に限り給付するというものでございますので、個別にそれを審査し、決定していくというものでございます。

 受給者数は約100万人ということで、1950年ごろは200万人を超えておりましたが、現在はその半分ぐらいの100 万人になっております。受給者の大半は高齢者あるいは障害者ということで、高齢者、障害者で全体の85%、ほとんどを占めているという状況でございます。現在の生活扶助基準額でございますが、東京都の区部の標準3人世帯が一番トップレベルでありますけれども16万4,000円ということでございます。一番低いところでは、これが12万7,000円ということになっております。

 それから2の「年金」の方でございますが、これは加入者が約7,000万人いまして国民の5人に1人が何らかの年金を受けているということでございますが、恐れ入りますが参考資料の15ページをお開きいただきたいと思います。高齢者世帯における所得の種類別の表がございます。平成9年で見ますと高齢者の所得の中で205 万、いわゆる公的年金・恩給というのがございますが、64%が収入全体に占める割合です。年金のウェートが過半数を占めているということでございます。それから、いわゆる年金だけでほかの収入がない、年金が収入の100 %という世帯が58%、それからそれが80ないし100%というところが10.8ですので、両方合わせますと約7割のところがほとんど年金を柱に収入が構成されているということでございますので、今や年金は老後生活の中核としてなくてはならないものとして定着しているのではないかと思っております。

 本文の5ページへお戻りいただきまして年金の水準でございますけれども、厚生年金で23.8万円、これはモデル年金でありますが、おおむね現役世代の手取り収入の6割の数字になっております。

 次の6ページでございますけれども、基礎年金の方は夫婦2人で月額13万4,000円ということでございます。括弧書きで小さく書いてありますが、高齢者夫婦世帯の基礎的消費支出、いわゆる食料、住居、衣服という衣食住の基礎的な部分については現在大体12万1,000円が消費支出と言われていますので、一応それをカバーできる水準にはなっているというふうに言えるかと思います。

 続きまして、7ページをお開きいただきたいと思います。「医療」と「介護」の関係でございます。「医療」につきましては、やはり同じように皆保険体制になっております。高齢者医療につきましては各保険者の共同事業になっていますし、医療機関もフリーアクセスになっていますし、保険からの支払いもでき高払いという形の構成になっているところでございます。

 恐れ入りますが、参考資料の19ページをごらんいただきたいと思います。19ページに「国民医療費の推移」というものがございます。1つ御注意いただきたいのは、2000年で医療費が少し下がっているように見えますが、実は2000年から介護保険が導入されますので、そこへ移行する部分の医療費が約2兆円減になっております。ですから、これがなければ31兆円と右肩上がりで増えておりますが、この部分が2000年は減になっているということでございます。

 1つは国民所得の伸びが平成4年以降低い数字となっていますが、そういったものを上回る医療費が伸びているということがございます。それから2つ目は、老人医療費の伸びが非常に高いまま維持されているということ。それから3つ目には、老人医療費のシェアがどんどん増大し、現在35%ぐらいまでになっているということでございます。

 本文の7ページに戻っていただきまして、「介護」につきましては御案内のように今年の4月からスタートするということでございます。

 最後に9ページでございますが「少子化対策」、これにつきましても現在少子化対策基本方針なりエンゼルプラン、新エンゼルプラン、あるいは国民会議などを通じて総合的な取り組みを行っているところでございます。

 簡単ではございますが、以上でございます。

【貝塚座長】どうもありがとうございました。それではただいまの説明を踏まえ、今日は各委員どうぞ御自由に御意見のある方は御発言いただいて、後でこの先の議論をお願いしたいと思います。どなたからでも御発言いただければと思います。今日は、分かりやすく申し上げますと現在の日本の社会保障制度のバックグラウンドの説明と、それぞれの制度の概略を説明いただいたということですので、今の御説明について、あるいはもっと外側の話で御質問あるいは御発言いただいてもよろしいかと思います。

【中村委員】私は前回にも申し上げましたように、国民負担率がこれからの社会保障制度の一番のバロメーターになると思います。そして、国民負担率を分析してみますと、当然税の部分と保険料の部分、それと自己負担の部分、私はやはりそれぞれの分野でメスを入れていかなくてはいかぬと思いますけれども、その3つの分野の中で一番焦点を合わせていかなくてはいけないこと、今まで整理整頓ができなかった部分は私は自己負担部分だと思うんです。

 それはどういうことかというと、自己負担部分は所得の高い方も低い方も同じような扱いをしてきた。高齢者に対する介護保険の場合もそうでございますけれども、高齢者即経済弱者というような形にしてしまった。そういうことで、介護保険料の軽減という部分にしても、大塚製薬の会長まで軽減するというようなことになるわけでございますが、私は所得の高い方と低い方と、この辺の住み分けが一番議論をしていかなくてはいけない部分ではないか。それなのに、高齢者即経済弱者という視点で大部分の制度、政策が打ち出されております。ただ高齢者全体としてとらえなくてはならない施策があるにはありますが、やはり所得の高い方低い方という視点を当然入れた中で自己負担分を考えていかなくては、年金もそうでしょうし、医療保険もそうでしょうし、それから介護保険もそうだろうと思います。私はこの点が一番言いたかったことでございます。

【貝塚座長】どうもありがとうございました。では、石委員どうぞ。

【石委員】今日は貴重な資料を出していただきまして、この資料のメッセージは右肩上がりの経済が終えんして財政が赤字になって、さはさりながら社会保障はこれからますますいろいろな意味で負担を与えるよということだと思いますが、今、中村さんのおっしゃったことに私も関連してひとつ言いたいのは、高齢者の所得なり資産、資産は高いんですよね。本文の2ページに書いてございますけれども、高齢者というのは平均的に見ますと結構いいところへいっているわけです。

 ところが、高齢者ほど平均で取ると間違いがあるというケースはないのでありまして、恐らく一番格差があるのが高齢者ではないかと思います。所得を見ても、資産を見てもそうです。したがって、恐らく今おっしゃった意見にあえて付言すれば、平均だけで見ないで、失礼な言い方をすると、社会で見て一番の最低層にいるのは高齢者が多く、また最高層にいるのも高齢者だという意味で、その辺の配慮は十分しなけれはいけないだろうということだと思います。

 それから、これはうちの専門家に聞いた話ですが、だんだん高齢者世帯というのは単身が増えてくるというのはさっきの資料にもございました。特に女性の単身者が増えて、これが大きな社会問題になるだろうということを聞きました。というのは、男は単身になると3年ぐらいしか平均寿命はもたないんですが、女性は20、30年平気で生きる。うちの母親はそうだったから大体そう思っているんですけれども、そういう意味で女性の単身でかつプアーな人が増えるという辺りが恐らくこれからの社会保障でネットワークをつくるときの一つの配慮ではないかと思います。

 最後にもう一つ、私はやはり負担の在り方という意味で高齢者というのが昔に比べれば随分負担ができる層になってきた。そういう意味で私も間接税を主張しているのでありますが、それにしても歳出面で少し救わなければいけないというところとの組み合わせというのは、これからいろいろな意味で大きな問題になってくるんじゃないかと思います。とりあえず今、思いついたことを発言させていただきました。

【貝塚座長】どうもありがとうございました。では、渡辺委員どうぞ。

【渡辺委員】今のお2人の提起されたことはほぼ同感なのでありますが、高齢者は確かに貧富の格差は高齢者の中にはあるでしょうけれども、平均的に見てみると資産も、金融資産も含めて相当60歳以上は大変な資産がある。それから、所得も結構ある。それで、貧富の格差が高齢者の中にあることも今、石さんが指摘されたとおりでしょうけれども、非常に貧しい高齢者というものは生活保護費とか、他の手段で面倒を見るべきであって、私は73歳ですから高齢者なんですけれども老人医療はただで、1アンプル8万円の注射を打っても530円しか取られない。私はがんの手術をやりましたが、何十万円掛かる大手術をやってもほとんど取られないんですよね。とにかくいつ行っても530円しか取られない。

 こんなばかなことをやっているから老人医療費が非常にかさんでいる。しかも、社会保障費の中で年金は基礎的なものですから少しずつ増えていってもしようがないんですが、社会福祉というのは将来の展望のどこかにありましたが伸び率は大したことはない。医療費は一番伸びるんです。資料の10ページですか。年金はとにかくこれから年金制度というものを確立していかないと若い者の将来に展望がないということもあって、これは100%年金は受給する。しかし、医療というものは病気にならない限り受給しないので、特殊な人たちが医療費給付を受けるんですけれども、それにしてもその伸び方が非常に激し過ぎる。これは恐らく老人医療だろう。

 ところが、また先ほどの説明にあった統計の中で、最近がたっと減っているでしょう。19ページですね。97年、98年でがたっと減っていますよね。国民医療費が96年の5.8 から1.9 、2.1 へと減っているし、2.4 というふうに減っている。それから、老人医療費は9.1 から5.7 、5.9 、4.8 と減っているんです。これは、自己負担率を増やしたからこうなったんです。非常に効果があったわけです。しかも、自己負担率というものもそう大きなものじゃない。大部分の高齢者が払える範囲内で自己負担を1割から2割に増やすとこういう現象が起こる。坪井さんは反論があるかもしれないので後で伺いたいんですが、医師会が自己負担率を増やすとお医者さんに来る患者の数が減ってもうけが減るから自己負担率を増やすのはいかぬという主張をされているという話も聞かないではないわけなのでその辺の真相をお聞きしたいと思うけれども、私はとにかく高齢者福祉、高齢化時代に入るからと言って何か一つの錯覚にとらわれて、そちらの経費をやたらに出していくようなことをやったら本当にパンクしちゃうと思うんです。そうでないことも考えておかなければいけない。今お2人の言われたことをそのまま繰り返しただけですが、以上です。

【貝塚座長】ただいまのところで高齢者の現在の取扱いとか、あるいは先ほどいろいろ御意見があったんですが、厚生省さんの方で何か付け加えられることはありますか。

【宮島総務審議官】現在の制度では今お話がありましたように定額の形になっておりますが、今国会提出予定にしております医療費の改正の中ではいわゆる定率負担といいますか、もちろん上限を設けますけれども、そういう改正案を提出する予定にしておりまして、そういう意味で老人医療費についての自己負担部分は少し変わる形になると思います。

【渡辺委員】97年からがたっと減りましたね。そのとき自己負担率は何%でしたか。

【宮島総務審議官】今回の改正案の中身を御紹介いたしますと、現在外来につきましては1日530円御負担いただくということになっております。それで、これを今度の改正案では定率1割の御負担をいただくということでございます。ただし、上限がございまして、これは2段階になっておりますけれども、200床未満の病院なり診療所におきましては月3,000円までの上限がございます。それから、200床以上の大きな病院ですと月5,000円までという上限付きですが、一応従来の定額負担という形から定率負担という形に変わったというのが大きな点かと思います。

 入院につきましても同じように現在1,200円を定額負担でございますが、これも定率1割負担という形でございます。入院の場合、上限がやはり月額3万2,700円ということでございます。

【貝塚座長】それでは宮島委員、どうぞ。

【宮島委員】私は2つ資料について追加をお願いしたい点があります。

 1つは、先ほどの日本の家族形態の中で同居と別居、あるいは単身世帯と夫婦のみ世帯とかなり大ざっぱな分類になっておりますけれども、御承知のとおり同居というのは住居と財布が同じだというのが同居の定義であります。しかし、財布は別だけれども同じ家に住んでいるというタイプがかなり都市ですとか、そういうところで見られます。そういう場合、随分社会保障の対象としては考え方は違ってくる可能性がありますので、同居、別居というような話ではなくて、定義は単身だけれども、しかしそれは実は住居は同じだけれども財布は別で単身になっているとか、そういうところを少し調べてほしいと思います。それからもう一つ、今度は社会保障全体での中の保険料と公費との分類がありますが、年金部門、医療部門、介護その他部門の中でそれぞれ保険料と公費と国費と消費ですね。そういうものの構成ができればいただきたいと思います。

 それから、ちょっと意見にわたるのでございますけれども、実は前回最後に非常に舌足らずなことを申し上げましたが今、御意見がありましたように、高齢者に応分のこういう社会保障の負担を求めるという考え方は高齢者の経済状況から見てもそれは当然あり得る議論であると思います。

 ただ、前回ちょっと私が申し上げたことは、もし例えは年金課税ですとか利子課税のような高齢者の取得に対して所得課税を現在よりも所得税で強化をする、あるいは消費税の税率を引き上げるというようなことをいたしますとどういうことが起こるかと申しますと、年金受給者なり高齢者の実質的な政府から受ける年金なり医療のレベルというものは変わらなくても、見掛けの負担だけはふくらむ。非常に言い方があれですが、例えば100という年金を給付して10%の所得税をかけると、高齢者は90使えるわけです。そういう国と、90を給付して所得税非課税という国は、実は年金受給者の実際の消費の能力は同じなんですけれども、見掛けは課税している国の方が国民負担率が高く出てしまう。

 ですから、これから例えば政府の大きさを計るとか国民負担率の議論をするときに、一体見掛けというか、グロスの社会保障レベルで議論をするのか、あるいは課税などを控除したネットなレベルで議論をするのか。これをちょっとはっきりしませんと、見掛け上の国民負担率が50%を超えても、それに見合う実質的な年金受給者なり高齢者の給付というのはもっと低い。だから、どこを一体抑えるなり、抑制のメルクマールにするのかということをはっきりさせませんと、国民負担率を抑制するとか言ってもこれは政策的にどういう政策にするのか、必ずしも明確ではないという問題がございますので、その点を少し…。

【貝塚座長】今の点は、統計は現在利用可能なもので、単身というのは結構難しそうだけれども、公費の関係は割とありそうですね。それから、税金の話はかなり複雑であって、これはまた議論しなくちゃいかぬのですが、とりあえずそういうことで次回にでも準備をお願いします。

【清家委員】確かに高齢者に負担を求める、あるいは負担能力のある人に負担を求めるというような形の所得の再分配といいますか、所得移転というのは当然社会保障制度の中にあるわけですが、恐らくもう一つ重要なポイントは、特に社会保険というシステムをとっていることからわかるように、これはリスク対応なわけですね。つまり、リスクが発生しなかった人からリスクが発生した人への所得の移転というのはもともと社会保障制度の中にあるわけですね。つまり、個人では対処できないようなリスクに対して全体で対処するのが社会保障制度だとすれば、そういう意味で社会保障の範囲というのを比較的限定することもできると思うんです。

 例えば、医療保険というのは私は今、鼻声ですけれどもこれは花粉症だからしようがないんですが、予想できるような軽微な医療については別に保険をかけなくても自分で貯金しておけばいいわけですが、高度な大病になったりしたら、それは個人では対処できないからやはり社会保険で対処する。介護などもそうですね。

 それから、年金などもこれはちょっとわかりにくいんですけれども、これは理論的には長寿のリスクですね。つまり、自分が65歳で死ぬというふうにわかっていればその死ぬ日に銀行の口座から最後の1円がチャリンと落ちるように貯金をしておけばいいわけですから、これはリスクがないわけですが、しかし寿命は幸いなことに不確定ですから、思いがけない長寿をしたときのためにやはり保険をかけておく。ところが、100歳まで生きるというようなことまで心配して貯金をしたら個人はものすごい大変ですから、そこで保険制度というものが考えられるわけです。そういう意味で、自分で対処できる範囲、例えば65歳までほとんどの人は生きるとわかっているわけだから、そこまでの生活は別に社会保障でやる必要はない。あるいは、軽度な病気だとか、短い期間の介護のコストだとか、そういうようなものは自分で備えてもらうとして、それ以上の個人で対処し切れないようなリスクに対して社会保障が、しかもそういうリスクが生じたときには手厚く保障するというような考え方に立てば、かなり社会保障の範囲というのを限定することは可能だと思います。

 ただ、もちろん今の社会保障制度はそういうリスクの再分配だけではなくて、豊かなお金を持っている人から貧しい人への所得の再分配を含んでいますから、必ずしもそこのところに純化することはできませんが、そういう軸の考え方は必要だと思います。つまり、所得再分配というのは非常に重要なポイントなんだけれども、それは必ずしも豊かな人から貧しい人への再分配というだけではなくて、同じグループの人の中で豊かな人でもリスクが生じたら再分配を受ける、あるいは貧しい人でもリスクが生じなければ再分配は受けない。医療などはわかりやすいわけですけれども、そういう負担のあり方も大切だと思います。

 それからもう一つは、では自分でどうやってやっていくんだ。特に、年を取った人がどうやって自分で自立していくんだということですけれども、その点で先ほどから議論が出ているように、年を取った人というのはいろいろな資産を持っているわけですね。例えば人的資産といった仕事の能力も持っているわけです。そうしたもっと高齢者が持っている資産を活用できるようにする、あるいは働けなくなっても高齢者は資本家として経済活動をすることができるわけですね。自分の持っている金融資産を運用して経済活動に参加できる、あるいは自分の持っている不動産を他人に貸すというような形で経済活動をして所得を得ることができる。

 ところが、今の問題は高齢者がせっかく人的資産だとか物的資産あるいは金融資産を持っていても、それを有効に活用して自分が自立するためのフローをそこから生み出すことがなかなか難しい。それはいろいろな規制の問題だとか、市場が十分に開発されていないというような問題だと思うので、もう一つの大事な視点は社会保障の範囲を限定したときに、年を取ってから自立して生活できるための、特に年を取った人たちの人的、物的あるいは金銭的な資産をもっと有効にフロー化できるようなシステムをつくっていくということが大切だと思います。

【貝塚座長】ありがとうございました。ただいまの話を要約しますと、第1点は要するに現在の保険制度が簡単に言うと大体、人の寿命が60とか65ぐらいのところを念頭に置いて設計されていたんだと思うんです。それがだんだんそうでなくなってきたときどうするかという話と関係が非常に深いと。

【清家委員】そういうふうに考えれば、支給開始年齢を引き上げるというのはそれなりの合理性があると思います。

【貝塚座長】それからもう一つは、65歳以上の人が資産を活用して、直接の仕事じゃないけれども間接的にいろいろなサービスが提供できることを重視するという御意見でございます。

【京極委員】突拍子もない話なんですが、2050年に高齢者が32.3%ということで3分の1ということなんですけれども、そもそも社会保障を考えていくときに高齢者というのは一体何歳からという問題があると思うんです。通常は生物的な年齢で還暦から60歳からとか、あるいは国連ので65からとか、古希で70からとかというふうにやっているんですけれども、そういう絶対的な評価だけではなくて人口の上位10%は高齢者という見方もあり得るわけでありまして、江戸時代などは人生50年という、今の発展途上国では50歳以上は大体10%という数字もあるわけなので、そういう人たちを社会的に扶養したりするという、これは家族がやったり親族がやるものを含めて、公的なものばかりではありませんけれども、そういう文化人類学的というか、長期的な視点で考えたときに、今後本当に高齢者というのは今65歳を前提にしているような感じなんですが、果たしてそれが正しい考え方かどうか、長期的に考えてきたときにやはり見直す必要があるんじゃないか。

 では、10%以下の残りの90%に入るいわゆる高齢者の場合はどうか。人によって個人差がありますのであれですけれども、やはり働ける人は働ける環境をつくるとか、かなり自分でできることはできるような条件整備というのが今の社会は非常に弱いんじゃないか。特に厚生労働省になりますと大分状況が変わってくる期待もありますけれども、いずれにしてもそういう環境がかなり弱いような感じがいたします。

 それから、健康の問題でもそうですけれども、確かに医療で手厚くということは大事なんですが、いわゆる高齢者の方でも元気な方が大変増えておりますし、そういう健康づくりとか生きがいづくりでかなり医療にかかる年齢を遅らせていけば、そう暗い社会ではないのではないかということもありますので、ちょっと問題提起させていただきました。

【阿藤委員】1つは、先ほど石先生が女性の単身高齢者が大変増えてきて男性とは随分差があるようなお話でした。確かに寿命の点ではまだ男女格差が開いているんですが、必ずしもこれからそうなるとは限らない。それからもう一つは今、大変な未婚化時代で生涯独身が恐らく大まかにいって男性で20%、女性で15%ぐらいになると見込まれます。こんなふうになると、これはまた男性で結婚したことのない独身者が大変増えてくる。さらに近年は離婚も増えていますが、離婚で再婚する確率が昔は圧倒的に男性が高かったんですが、今はそれほど男女格差はないというふうなことがあって、決してこれは女性だけの問題ではない。男性の単身高齢者というのが大変増えてくるだろうということも同じく我々は注目していく必要があるだろうということです。

 それから、話が少子化の方にいってよろしいでしょうか。かつては「子は家の宝」ということで、要するに家族経済を支えるものが子どもであり、結婚の目的も子どもを持つことにあるというふうな時代があったわけであります。それが近代社会になって、むしろ親が子どもを持って丁寧に大切に育てて、そして社会に送り出すという時代になった。昔は親が子どもを持つことによって自分がもうかるというか、子どもは「資本財」だとか「生産財」だという時代だったんですが、近代社会になるとむしろ子どもはそういうものでなくなってくる。「子は家の宝」というよりは、むしろ「子は消費財」というニュアンスがどんどん強くなってくる。ですから、当然親は子どもにお金をかけるわけです。

 ところが、もう一方で社会保障制度が発達して、ジェネレーション的には若い世代が年寄りの世代に税や保険料で所得移転する。そうすると、いわば子育てをしているジェネレーションというのは子どもにお金をかけ、同時に所得移転で高齢者を支えるという二重負担になっているじゃないかということが大変強く感じられるわけです。今日いただいた資料でも、例えば7ページの図表の世帯人員一人当たりの収入分布を見ますと、これはちょうど子ども2人を抱えている御夫婦ということになるでしょうけれども、この世代というのは大変低い方に偏っているということでもありますし、そういう意味で経済的に大変苦しいんじゃないか。日本では更に年功賃金というのがあって、若いほど所得が低いというような要素もあり、こういう子育て中の若青年層あるいは中年層に新しい家族を持てというのは大変難しい時代になっているんじゃないかということです。

 その一方で、今日いただいた資料の11ページの社会保障の中に占める児童・家族関係経費はわずか2.3 %しかない。余りにも社会が子どもを育てる家庭に冷たいじゃないかという印象を改めて強く持ったわけであります。新しい家族をつくるということは非常に特別なことだというふうに考えまして、そこに対して所得移転をしていくという大きな考え方がないと、社会保障の支え手を生み出していくということは難しい時代がきているのではないかと思うわけです。

【貝塚座長】少子化と社会保障の関係というのは大分話の側面も違っているという御指摘ではないかと思います。

【袖井委員】また女性のところに戻ると思うんですが、確かに高齢者はお金持ちだと言われますけれども、これは大体男性で長い間一つの大企業に勤めて退職なさった方が割にお金持ちなんですよね。たくさん退職金をもらっていますし、それで貧困世帯といいますか、生活保護受給者というのはほとんど一人暮らし高齢者ですが、8割が女性なんですね。ですから、1つは資料としてその辺のところも出していただきたい。いわゆるジェンダー統計の問題が最近大きくクローズアップされていますけれども、例えば生活保護受給者における男女のものとか、いわゆる女性の貧困というような問題はやはり忘れてほしくないと思うんです。どうして女性が貧困かというとそれはずっと長い歴史があるわけでして、賃金が低いとか、就業年数が短いとか、そういうところに連なってくるので、前回も社会保障だけではなくて雇用とか全部トータルに考えなくてはいけないというお話がどなたかから出ていまして、そういうところから続けないと高齢のときだけ見ても仕方がないんじゃないかという感じがするんです。それで、これは今の阿藤先生のお話とも関連すると思うのですが、やはり生涯を通じたライフスパンで見ないと、阿藤先生は子どもをつくるときのいろいろな援助ということをおっしゃいましたけれども、例えば住宅とか教育とかですね。ですから、本当に高齢者だけを見ていてもしようがないというか、長い一連で考えなくてはいけないということと、それからやはりジェンダーの問題は是非見落としてほしくないと思います。

 それからもう一つ、子との同居というのが資料の4ページで今なお5割ぐらいあるんですが、注目していいことは未婚子との同居が非常に増えているんですね。それで、国民生活基礎調査で見ていきますと今16、17%、未婚子同居が増えていて、これは当たり前で未婚化、晩婚化が進めば未婚子同居は増えてきているんです。ですから、同居といっても昭和60年代あるいは昭和50年代くらいの同居というのは既婚子同居がかなり多かったんですが、今は未婚子同居が増えてきて、生涯未婚が増えてくればそういう問題がどんどん出てくると思うんですね。それで実際に今、介護負担に耐えられず介護している親を殺してしまうというのは未婚の息子さんがお母さんを見ているとか、そういう問題もあるんですね。ですから、同居率がこれだけあるからということではなくて、やはりこの中身ももう少し細かく見ていく必要があるんじゃないかと思います。

【貝塚座長】ジェンダーに関して厚生省はどういう統計があるのか、その辺は重要な論点ですので後で整理してください。

【坪井委員】先ほど渡辺さんから御指名いただきましたので、そのお答えを申し上げようと思います。老人の一部負担を抑えようという主張を私どもがしたことは確かです。

 ただ、それで受診抑制が起きるからというのは現実には起きていません。老人の受診抑制は起きなかったんです。ですから、負担が重くなっても老人は医療にかからざるを得ない社会的な弱者とは言いませんけれども、そういう状況があるので、その辺のところはかなり慎重に考えなければいけないのではないかということはひとつあります。それで、この表は恐らく介護保険を抜いてあるんでしょうから、2000年で介護保険をこれにプラスすると1999年より上に出ているわけです。

 3つのことを言いますけれども、2つ目は先ほど京極先生がおっしゃった老人の就労率といいますか、元気な老人が増えたら労働力が増える。そういう政策をとるべきだということのシミュレーションは、65歳までの間に若いときから自立した健康づくりをしてもらう。そうすると、高齢者の就労率が1.8 %上がるというシミュレーションがあるんです。これは実際にそうなるかどうかはやってみないとわかりませんけれども、高齢者の就労率が上がって若い者は今、失業で困っているのにそういうところをどう整理するんだという御議論がありますからもう少し整理しないといけないことですけれども、そういうこともある。したがって、我々は医療の最終的な終着点は恐らく予防医学と健康教育、健康づくりというふうに思っていますので、それはまさに京極先生がおっしゃるとおりだと思います。

 3番目の話は、今日最初に出てきた中村委員のお話がそうですけれども、自己負担分を実際に重点的に考えると、皆さんそういうお考えですね。私もそのとおりだと思います。ただ、私の考え方でちょっと違うところは、医療保険という世界の中での自己負担を拡大していくという考え方でなくて、全体的な社会保障をみんなで支えるという意味での国民的な合意といいますか、そういう意味での自立した投資意欲、社会保障に対する国民の投資意欲というもので負担意識をもつ、自立負担といいますか、そういうものをとらえるべきなんだろう。これがないと、まさに支える財源そのものはすぐ頭打ちになってしまう。保険の中の自己負担だけ増やすという、保険料全部が増えれば別ですけれども、そうでないと保険料は増える、税金が増えるというのはなかなかこれから難しいわけですから、その中で自己負担だけを増やすというと国民にいたずらに負担感だけを与える。保険料というのはナショナルミニマムとは言いませんけれどもかなり大きなセーフティーネットだと思うんです。それは十分に国民が享受できるシステムをつくるべきだと思うんですけれども、全体の社会保障を支えるために更にいろいろな面でお金が要るんだとするならば、自立した投資意欲というものを国民的な合意の中でつくっていくということが必要だと思います。それからもう一つ、先ほど高齢者が高齢期になったときに自立していくような意識の合意をつくるべきだ。これはまさに私がお話したことと共通するんですが、今の高齢者に対するいろいろな社会保障的な考え方の整理といいますか、あるいはその政策というのは絶対必要ですからやらなければいかぬと思います。しかし、それだけで将来の社会保障そのものがうまくいけるかというと、私はどうもいかないような感じがするんです。そのためには今お話されたように、若いときからの自立意識で自分が高齢期になったときにどうするかという考え方、国民的な合意をつくっていくことがこれからの社会保障の中では必要なのではないかということを私どもは医療という視野の中で考えておりますけれども、そういうようなところでいろいろな御意見を私としては承りたいという立場におります。

【貝塚座長】今、最初におっしゃいました医療自己負担を上げたときに診療の受診抑制がなかったという、その辺のところも資料をお願いします。多分そうなんでしょうが。

【岩男委員】先ほど清家さんが高齢者の物的資産ということをおっしゃったんですけれども、高齢者、特に女性の高齢者の中には先ほども御説明があったように単身者が非常に多いわけですが、資産として持っているものがほとんど住まいだけという人がかなり多いんですね。それをお墓に持っていくわけにはいかないわけですから、高齢者自身としてもできるだけそれを生かしたいという気持ちが強いのに、かつて武蔵野市が試みた制度もなかなかうまくいかなかったように思いますけれども、その辺りはみんなで知恵を出し合って工夫をする必要があるんじゃないかということをひとつ感じます。

 それからもう一つは、女性もこれからはしっかり働いてしっかり稼いでしっかり税金や保険料を払って充実した人生を長く生きるという方向にしていく必要があると思うんです。ところが、さまざまな理由で女性がパートをする場合が多いわけですけれども、例えば35歳から45歳くらいのパートの人の平均の時給というのは850円から870円にしかならない。しかも、1日大体5.6時間も働いている。ですから、6時間弱働いていてフルタイムの人よりも2時間ぐらいしか短くないにもかかわらず、月に稼ぐことができるお金というのは20日間ぐらい働いて9万幾らにしかならないわけですね。この中で、例えば1万3,300 円という年金を納めるというのはとても大変なことです。ですから、オランダでやっておられることは、もちろん難しい面もありましょうけれども、いろいろと示唆に富んでいると思うので、パートとフルの日本のような非常に大きな格差というものを是正していくことを考えないと、現実的に女性がしっかり働いてしっかり納める側にはなかなかならないのではないかというふうに思っております。

【貝塚座長】最初の点はリバースモーゲージとかいろいろ制度の話で、あとの点は税制の話とも関係しますね。

【堀田委員】少子高齢化が非常に激しいですから、社会保障の仕組みの枠内だけではなくて、その外側の仕組みをいろいろと考えないとうまくいかない。今日は最初の議論ですから、その外側の部分について幾つかの提案を申し上げたいと思います。

 まず、社会保障制度について今生じている問題の根本原因は少子高齢化が進んでいるということであろう。もし人口構成が将来ともにずっとピラミッドのままでいくということであれば将来別に問題が起こることはない。これが少子高齢化が進んで50年後、100 年後、200 年後となると、これは恐らく筒形といいますか、タケノコ形といいますか、ピラミッド形からそういう筒形の人口構成に移っていって、そのまま安定してずっと大体筒形で、その後何百年か何千年か知りませんが、進んでいくだろう。この人口構成が筒形になって進んでいく安定した時代になればこれはまた社会保障の問題はないので、人口構成が安定すれば負担の関係もうまくいく。

 ですから今、生じている問題がなぜ生じているかというと、ピラミッド形がずっと少子化になって、しかも長生きするようになって、筒形に移る転換期の過程で、やや逆ピラミッド形になっているためでしょう。その原因は特に団塊の世代ですね。今50代中ほど、前半ぐらいの団塊の世代、250万から270万生まれた世代がふくらんでいて、あとは今は120万ぐらいしか生まれていませんから、ここのところの層が重い。それで、この層は非常に頑張って働いておられますから今はいいんですけれども、この方々がやがて高齢になり、負担をかけるようになってくると、若い世代が120万しか生まれていないから大変です。だから、図式的に言いますと、今やや逆ピラミッドになるその時期をいかに乗り切るかというのがここでやっている問題だと思うんです。

 そこで、この大変な負担を負う若い人たちはどんなにいろいろ考えてみても自分たちは大変なんだと思っているでしょうが、ここの層の負担感を和らげる方策というのはなかなか立たないと思うんです。ですから、若い人たちは先に夢がない、負担感が重い、先が見えないということに当然なってくる。今、現にそうなっていると思うんです。

 そこで、どうすれば彼らが納得できるのか。将来頑張る気になれるのか。それは、ずっと安定した将来の筒形の社会になったことをまず想定する。筒形社会だと大体同じ構成で上がっていきますから、負担してもそれは納得できる負担になると思うんです。それが、今は下がへこんでいるから、何で我々だけこんなに重い負担をしなきゃいけないんだという不満がある。特殊な移行期に生ずる特殊現象として逆ピラミッド形になっているからどうしても重い負担にならざるを得ない。この特別な負担分ですね。この部分をほかのいろいろな措置で埋めて、筒型にした程度の負担にすれば、若い人たちも納得できるんじゃないかと思うわけです。

 そこで、そこの部分をどうして埋めるのかという点について4つほど御検討いただきたい点があります。

 第1はさっきから出ておりますが、まず今、持っている人たちの資産、特に個人資産を、高齢者たちがどんどん使えるようにする。これは先祖から譲ってもらった資産も含めて、事業用資産は別ですが個人用資産は使い切って何とかここを乗り切る。そのために先ほどから出ていますリバースモーゲージ、あれが武蔵野でうまくいかなかったのは相続人に文句を言わせたからで、そこは本人の意思だけで決める公の仕組みをつくる。本人の持っている資産を担保に、行政が保証してお金を貸し付けて使っていくという仕組みですね。収入はないけれども資産だけあるという高齢者が多いわけですから、そこのところをどんどん使えるような行政の仕組みをつくってあげれば、資産を使って高齢者たちは自分でやっていけるということになる。そこの行政の仕組みが欲しいですね。武蔵野のような任意の方式じゃなくてですね。それが第1点です。

 第2は、だんだん話はおかしくなってきますけれども、相続税の活用ですね。相続税というのは、自分で稼いだものが相当入っているわけですが、これを子どもに譲っても子どもはろくなことにならないです。親の財産を当てにして頑張ろうとしない、そういう子どもが増えています。この相続税分というのは、事業用資産は別です。事業用資産はきちんと引き継ぐようにしなければいけないんですが、個人用の資産などというようなものは子どもに譲る必要はない。これは全部取り上げてしまって、その高齢者世代のために使っていただきましょう。個人用の資産の相続税について、この特殊時期を乗り切るためにこれを使う道を考えてほしいというのが2つ目です。

 これから更に突拍子もなくなっていきますけれども、それでもうまく埋まらない場合は国有財産を使って埋めてほしい。これが3番目の御検討いただきたいことです。

 4番目は、財政の問題ではなくて人の問題です。逆ピラミッドを埋める当座の措置として、外国人労働者を活用する。これは「21世紀日本の構想」懇談会も言っておられますけれども、これを入れることを検討してほしい。これは非常に感情的な問題になりますし、反発もあると思いますけれども、優良な労働力をうまく日本に入れる手はあると思います。ほかの発展途上国がだんだん少子高齢化してくるととてもそういう施策はとれませんけれども、幸い日本が逆ピラミッドになっている期間というのはまだ東南アジア諸国その他はそれほど少子高齢化が進んでいない。まだまだ人を出したいという力が強い。ですから、当面優良な労働力を埋めることによって逆ピラミッドを少しでも和らげるという政策についても御検討をいただきたい。

 この4つ、突拍子もないようですが、提案します。

【渡辺委員】今の件に関連して相続税の問題ですが、相続資産を全部取り上げろというのは極端な社会主義思想であって、自由主義経済の立場をとっている以上、相続資産というものは私有財産権は憲法で保障されているので、それを否認するような考え方で社会保障を論ずるということは基本的に間違っている。これはとても同調できないので、世界一日本の相続税が高い。こんな社会主義的収奪税制はないんです。それはいかぬ。これはどうしても一言言っておかないと今、素通りされたら困りますから。

 それと全然関係ないことでもう一つ発言させていただきたいんですが、少子化の問題です。晩婚化によって少子化が進んでいる、これも事実ですね。それで、ここでこういう議論をしちゃいけないのかどうか、座長にも伺っておきたいんだけれども、この間、参議院の本会議で参議院議員会長の村上さんが代表質問をされたときに中絶の問題ですね。経済的理由による中絶というものは禁止しろという趣旨の発言をしたわけです。これは、中絶というのは女性にとって自由だと。アメリカでも大統領選挙の争点は人工中絶を寛大に見るか、きつく見るか、これはリベラルとコンサーバティブの争点の大きな問題になっていますね。私は人工中絶が奨励的にというか、奨励しているわけではないかもしれないけれども、全く非道徳に行われているということが少子化の一つの大きな原因じゃないかと思うんです。この規制というか、優生保護法の改正になるんですかね。経済的理由が余りめちゃめちゃに拡大解釈されて、性行為をしてはらんだらみんな捨てちゃうんだと、これは非人道的であって、そのために少子化が相当進んでいるという面もあると思うんです。これは女性の方に反論があるかもしれませんので、発言だけさせていただきます。

【阿藤委員】2点だけコメントさせていただきます。1つは、堀田先生の人口についての見通しと、それから渡辺先生ご指摘の中絶の問題です。

 人口は今が過渡期でやがて落ち着くだろうというのは、恐らくそうはならないのではないかと思います。団塊の世代を超えた後、更に高齢化が厳しくなって、つまり今の少子化がそれを起こしているんですが、その後、2040年代の30%台で安定する可能性があるんです。今、日本はそういう危機に面しているということが第1の点です。

 それから中絶の問題ですが、中絶によって少子化が起きている。これは全くの間違いで、データ上も明らかにそれはありません。中絶は戦後どんどん減ってきたわけですね。そして、ある時期に避妊と中絶の併用ということで出生抑制の方法というのは大体固定化しまして、その間ずっと子どもは大体一夫婦2人体制だった。それが今日、出生数が大きく減っているのは、先ほどおっしゃった未婚化、晩婚化、これがほとんどの理由ですから、基本的に出生抑制の問題とは関係がないと思います。

【矢崎委員】私は医師であり、医学者の立場から前回、我が国の高齢化社会は必ずしも暗いものではなくて明るいのではないかというお話をいたしましたけれども、今日の議論をお聞きして2点申し上げたいと思います。1点目は、現状のままでは高齢者の負担に対しては慎重な対応が必要かなということと、2点目は国民的な不安になっている医療費の上昇がこのまま続くかどうかです。

 1点目は、現状の老人医療費の一律負担とか、その程度ならば全然問題ないと思うんですけれども、新たなもう少し大きな負担をお願いする場合には、最初に清家先生がおっしゃられたように、リスクに対する対応を十分やっていかなければいけない。前回、やはり高齢者になると失敗が効かないと。渡辺社長ぐらいですと3回失敗しても取り直すことはできるかもしれませんが、私は1回ぐらいで2回は立ち直れないかもしれないという感じがします。ですから、個人によって随分違いますので、何かのときにそのリスクに対応できるようなシステム、それは本当に徹底的なのは堀田委員みたいな意見だと思いますけれども、お互いに支援し合う相互負担のシステムを確立するのが老人に対する不安感を救済し、応分の負担をお願いできるんじゃないか。

 それから、2番目の医療費の上昇があたかもずっと右肩上がりでいくかどうかということがひとつあると思います。それで、国民皆保険が導入された昭和36年と現在の医療の診療の中身がものすごく違いますね。昔、検査ができなかったことが何でも検査できる。しかし、医療のグレードがうんと上がったかどうかというと、がんは今もって手術して治すとか、従来の手法から更にブレイクスルーの医療が行われているかというと、大部分は対症療法ということである。それで、前回も感謝申し上げましたけれども、今、国家的なミレニアムプロジェクトで例えば体質が遺伝子レベルからわかる。そうすると、本当にその人にどういう薬を投与してどのぐらいの量を差し上げたら副作用もなく治るかとか、そういうことが医療費の随分節減になりますし、それから先ほど坪井会長が言われたような適確な予防医学ができると、それこそ健やかな高齢者が社会で活躍できる。そういう高齢社会ができるんじゃないかというふうに思います。

 それからもう一つ、再生医療というプロジェクトを立てていただいたんですけれども、今までの医療は治すというよりも先ほど申し上げました病気をある程度軽くしておくという治療ですが、こういう新しい医療手段ができますと、病気をそれこそ治すということができるわけですね。例えば、糖尿病の方は毎日インシュリンを打つ。血糖値も測って医療費が随分かかります。だけど、もし1回の遺伝子の注入で治るというか、ある程度のことができれば随分医療費が節減できる。ですから、私が申し上げたいのは医療費の上昇が今後このままずっと右上がりにいくのか。恐らく、そういう新しい医療技術のブレイクスルーによって、もしかするとアウトカムがよくて経費が少なくなる可能性も多分にある。それを私は希望して、楽天的かもしれませんが……。

【貝塚座長】その辺のところは専門家としてどのぐらいの長さというんですか、何年先ぐらいの見通しをお持ちですか。

【矢崎委員】これは、方法論のブレイクスルーがあるとうんと進むわけです。ですから、科学の進歩というのはなかなか予測が難しいんですけれども、今は少なくとも2003年に人の遺伝子のDNAが解読される。ですから、その後それぞれの遺伝子がどういう役割をなしているかということがわかってきますので、私どもの予測では2010年くらいに相当具体的なことまでできるのではないか。ですから、従来の医療の構造で2010年、2020年、2050年と考えられると、国民的な不安が更に大きくなるんじゃないかと思います。

【木幡委員】先ほど堀田さんがおっしゃった、若い人に納得して払ってもらうという納得という部分は非常に大事だと思うんです。今お話を聞いていますと、お年寄りの方から負担をより多く取るとか、最終的には若い人の負担を多くするということになったとする。そのときに、結論の部分だけが伝わってしまって結局負担増、またお金に困ったら国民にそのツケを回すのかとか、ちょっと前の世代は払わなくてよかったのに何で私たちの世代はという不公平感ばかりが漂ってしまうのはマインドの問題で非常に嫌だなと思うので、マスコミの伝え方も悪いのかもしれないんですけれども、その部分でなぜそうなるのかということをきちんとわかりやすく説明して、制度自体がとてもわかりづらいと思うので、それからくる誤解とか、無関心とか、あきらめ、もうこんな制度いいやというのがあると思うんです。

 私なども同じ世代に聞いてみますと、やはり正しい情報がない。これだけ今、払っている。では、将来幾らもらえるのかわからないで払っているというところに非常に不満感があると思うので、そこでちゃんと説明して、今これだけ負担を増やすけれども安心してください。その分、将来は必ずこのように保障しますという安心があれば、公的制度に対する信頼感も高まると思うし、払うということに対しても納得が得られるんじゃないかと思います。

【京極委員】私は教科書などを調べますと日本の小学校、中学校と高校とありますけれども、社会保障の教育というのはほとんどしていないんです。納税の義務というのは小学校で覚えるんですけれども、社会保険料を払う義務などというのは余り教えていないんです。だから、やはり国民が小さいときから社会保障というのは国民の生活を守っているんだということをきちんと教えた上で不安感を持つのと、それをゼロにして若い人たちが何となく払いたくないというのと次元が違うんですね。だから忘れないうちに、国民教育として社会保障教育というのをきちんとしなくちゃいけないんじゃないかということをどこかで言いたいと思いまして、ひとつ発言させていただきました。

【貝塚座長】日本の大学の経済学部で社会保障の講座を持っているところはありませんから、やはり問題なんですね。もちろんほかの福祉学部とか、そういうところはあるんですが、その辺のところもありますね。

【今井委員】さっき堀田委員がおっしゃったことに関連するんですけれども、今の潜在的な国民負担率は49%になっているわけで、これからだんだん人口が減ってきますと、これはもっと増大すると考えられますから、果たして解決可能なんだろうかというふうに私は思っているわけです。つまり、高齢者がもっと働いて労働力として社会参加する、あるいは女性が参加する、あるいはもっと少子化対策を打つなどといろいろやっても、結局これからの30年ぐらいを考えると解決できないのではないか。そうしますと、やはりアメリカもかなり移民をやっていますし、ヨーロッパもEUの拡大ということで人口が増えていますし、日本も計画的な移民政策ということを、これは21世紀懇談会でもお取り上げになっているけれども、少し考えていかないと、そして国民的な議論をやっていかないと解が出てこないんじゃなかという気がします。これは大変な大問題だと思いますので、移民政策がいいのか悪いのか、そんなことをやらなくても成長しなくてもいいじゃないかという方もおられると思いますし、そうだとするとこの問題というのはなかなか解が出てこないんじゃないかと思いますので、その辺の問題も1回ぐらい議論した方がいいんじゃないかということが1つです。

 それから、そんなことを言っても急にはいかないでしょうから、今の高齢者医療制度というのはほとんどが世代間の扶助になっておりますので、まず世代内扶助の考え方をこれに取り入れる必要があると思います。つまり今回、介護保険が導入されることになりましたけれども、当面高齢者の保険料負担を延ばしちゃったので負担がどうなるかということが出ませんが、あれは1割の自己負担と、それから第1号保険料というのは17%ということですから、同じ65歳以上の人が大体25%負担して成り立っている制度をスタートさせようとしているわけです。そういったような世代内の負担が一体どこまでできるのかということで改革を進めないと、さっきからお話が出ているように若い人が納得するような高齢者の医療制度を構築できないのではないかと思います。つまり、世代間ばかりではなくて適正な自己負担と世代内扶助という思想を取り入れないと解が求められないんじゃないか。

 それからもう一つは、この前もどなたかおっしゃいましたが、やはりいろいろな公的社会保障の中で何が一番大事かというと、私はどうも基礎年金じゃないかと思うんです。それで、基礎年金は公費負担の割合をだんだん上げるようになっているようですが、随分保険料を払わない人もいるわけで、この保険料を払わない人は多分将来いわゆる福祉の対象になってしまう人ではないかということを考えますと、基礎年金の部分はできるだけ公費でということになります。これは要するに税の問題、間接税の問題であって、ここで基礎年金の部分は間接税でという考え方を出してもいいんじゃないか。そうしませんと、やはり払わない人に対して結局は福祉でやる結果になってしまいますし、その辺が大事なポイントじゃないかなと私は思います。

【貝塚座長】ただいまの今井委員の最初のお話は、人口政策というのは一体これからどうするのであるか。ある意味で今まで消極的というんですか、その辺のところのスタンスは今も消極的であるかのごとき印象はありますが、その辺の全体の政策のスタンスの問題があって、その点も一つの重要な政策課題だというふうに思います。

【坪井委員】関連なんですが、このいただいた資料の3ページの一番下のところにアメリカがありますね。これは私は非常に興味があるんですけれども、アメリカの先生方は我々は老人の問題はあと10年たってから考えるんだと言っているんです。実際にこれを見ますと、確かに高齢化率は伸びないんです。移民や何かの関係で今の今井会長のお話に関係あるんじゃないかと思うんですけれども、これもちょっと厚生省にその内情等を分析してもらうと面白いデータが出てくるかと思います。

【貝塚座長】今の点は本来は阿藤先生のあれですが、私の理解ではアメリカの高齢化はもう少し先で、しかしアメリカの学者が心配しているのはかなり先ですが相当深刻だという意見がありますけれども、それはいかがですか。余り深刻ではないんですか。

【阿藤委員】とても日本とは比較にならないですね。出生率が今、基本的に大体人口置換え水準なんですね。2.1 近くです。ですから、さっき本当に堀田先生がおっしゃったように、まさにそのままいけば人口構造が長方形型になるということですから、高齢化は進むけれども非常に安定した姿になると思います。

【京極委員】最近、人種差別の問題でカラーとホワイトという分類は統計的に余りされていないんです。これは国際的な傾向ですけれども、私どもが知っているのは白人社会では急速な高齢化と少子化が生まれていて、そして黒人とかプエルトリコとかメキシカンとかはすごく子どもが多いですから、そういう人たちが支えているという面もありまして、移民で埋めているという統計はちょっと数字的に無理があるんじゃないか。もちろん移民も入っていますけれども、しかしこれは調べていただいて、ちょっと難しい数字ですが。

【貝塚座長】それは後であれですが、私の感想としてはアメリカはやはり社会構造が日本とかなり違って非常に複雑な面がありますので、その辺のところは注意する必要があるという御指摘で、全体像として阿藤先生の言われる平均的なところはそんなにあれじゃないという感じがします。

【宮島委員】実は社会保障というのは国民にどういうメッセージを送るかというのが私は重要だと思っているんですが、その点でもちろんきちんと論理的な整理ができると思いますが、見ていると一方では高齢化が進んでも大丈夫な社会保障制度をつくろうという発想と、もう一つは何とか高齢化を直そうという政策が同時に打たれているんです。つまり、極端に言えば高齢化が非常に進んでしまっても余り影響を受けないような世代内の分配にしろというような議論があると、これはどういうメッセージかというと少子化はもっと進んでもいいですよというメッセージを送るわけです。子どもを生まなくてもいいと。ところが、その一方では児童手当を増やす。育児対策を重視する。そちらは子どもを増やす政策ですね。この両方を同時に打っていますから、国民はどちらに反応したらいいかというのは非常に難しいと思うんです。

【貝塚座長】宮島さんのおっしゃることを私なりに理解すれば、やはり現在の政策として人口政策的な要素もある程度あるんだけれども、逆のいろいろな考え方があって、そこの仕分けが必ずしも十分でなくて、全体として……。

【宮島委員】少子化対策というのは今、打っても効果が出てくるのは20年先ですから、今のうちはとにかく少子化前提政策を打っているんだというふうに言えば説明はつくんですけれども、しかしこれは同時に政策を打っていますから、極端に言えば子どもを生まないで一人だっていい年金制度ができる、医療が受けられるという。

【丹羽厚生大臣】そこは私が申し上げるのはあれですけれども、一応私どもが国会でこのことを何度も聞かれております。その中で申し上げておりますのは、結婚するしないというのは個人の自由です。子どもを生む生まないというのも、あくまでも個人の判断によるものです。しかし、現にこれだけ過去最低というような1.38という中で子どもさんの数がだんだん減っていく。それはどこに原因があるのかということであって、子育てが大変であるのか、それから要するに女性の皆さん方が自立してどんどん職を求めていくということで十分な環境がなされていないのではないか。そういう中で少子化対策というものがあって、要するに保育所の充実であるとか、それから児童手当の問題につきましてもいろいろな御意見はありまして、欧米などに比べますとまだ低いわけでございますけれども、そういうようなことを申し上げてこういうことでございますと。なかなか難しくて、これがすぐ労働力の低下になるというようなことはなかなか申し上げられないという立場で今まで答弁してきております。

【高木委員】いろいろお話をお聞きしていて、今まで社会保障はこういう原則でやるんだという原則があったと思いますが、その原則が壊されつつあることを皆さんどのように思われているのか、と疑問に思いました。例えば医療で言えば、保険料は所得に応じて払い、給付は公平にやりますというのが原則だったはずなんですが、後で配っていただいた資料の高額療養費の見直しというところでそういう原則を今回お変えになろうとしている。財政が急迫している、そういう意味では苦肉の策だけれども、少々制度がゆがんでもやむを得ないみたいなパッチワークを今やらざるを得ない。これはいろいろな政治的な問題も、隣りに坪井さんはおられるけれども医師会との問題とかいろいろあるんでしょうが、今まで原則はこうだった、今後もこの原則は維持していくものだ、継続していく原則はどれとどれなんだという点を再確認しておかなければならないと思います。それで、理念的に言うとこういう原則になるんだけれども、これから数十年は財政問題などもあり、そうは言っておれぬ、そういう意味で、ある部分は原理原則と違っても非常時だからみんな我慢しろ、この原則にこだわるのはやめてくれと国民に訴えなければいかぬことは何と何か、それを国民に明らかにする必要があると思います。

 そういう仕分けでこれから物事を考えていかないと、財政の問題にしても、先ほどお話が出た若い人たちの納得性の問題にしても、話がきれいについていかない。そのことは目に見えているんだろうと思いますので、上位所得者というのは高い保険料を払っている、けれども、給付は別建てにするというふうに今度一部されるわけで、これは従来の原則を変更せざるを得なかったという例なんだと思います。

【貝塚座長】高木委員のおっしゃる点は、普通の保険原理、社会保険の原則は均一保険料ですよね。そこの部分は確かに今までも多少例外がありますが、その例外がある意味では非常に増えてくると、もともとの制度の根幹にかかわるという。

【高木委員】だから、この原則は日本の社会が今後も大事にしていくもの。この部分は財源の問題もあり原則を守れぬ、だからあきらめてくれ、ないしは我慢してくれと、そういうふうに仕分けして、国民に理解を求めていくということだと思います。

【行天委員】諸委員のお考えで大体私も集約されたんですけれども、全然違う側面で1つだけ申しますと、やはり日本型がどうこうとよく言われますが、私はやはりこの特殊な国では日本型というのはある程度頑張って持っていった方がいいんじゃないか。これはあらゆる社会保障、特に医療そのほかに関して全部同じだと思うんです。阿藤委員もおっしゃったように、とにかく異常な加速性で高齢化が進んだというのが一つの大きな問題になっておりますけれども、今120万ぐらい生まれて90万ぐらい亡くなっていますが、このバランスが少しずつ接近していって、やがてとんとんになるのは2005、2006年からもうちょっと先だと思うんです。そして、同時に人類最初と言われている超高齢社会に入っていきますので、これはだれもわからない世界であって、そこでどうだこうだと論じているということは相当の決断でやっていかないと無理じゃないか。

 特に今日、実は京都大学の人文研の人たちと午前中話をしていて、そちらの受け売りになりますけれども、チンパンジーやサルの生活をずっとあそこは調べているわけですが、たくさんの種がございますけれども親の面倒を見るというのは人類だけなんです。これを何とかして残すべきなのか、あるいは時代だから仕方がないと思うのかというのは重大な日本の社会保障の決断だという話が出ました。確かにそうなんですが、高齢者、高齢者という話がいっぱい出るんですけれども、やはり私は高齢者ぐらい悲しいものはないと思いますので、高齢者が収入が多いというので資料で8ページのところですと宅地資産と住宅資産、特に宅地資産は評価が圧倒的に高いんですね。ところが、これは年度が94年なんです。現在はもうがた落ちに落ちているときに同じ数字で、だから年寄りは金を持っているんだという論はちょっと無理があるんじゃないか。

 それが一つございますことと、それから世界的に見てもやはり種としての人類、人間というものを少し視点として持ってもらいたいというのが出まして、高齢化というのは全人類できているわけです。開発途上ですら追い掛けるようにきていますけれども、60億のうち30億が今まで飢餓線上だったんですが、これだけたん白質と脂肪が供給されますと明らかに種として妊孕力が落ちてくるんです。だから、少子化がどうだ、結婚がどうだなどと行っても、幾ら頑張らせたところで妊娠ができない、子どもができないという状況はたん白質、脂肪が十分過ぎる先進諸国で明らかに起こっている現象なんです。そうなりますと、もうちょっと飢えた方がいいという乱暴な意見も出てくるわけですけれども、この辺りは本当に動物としての種で考えていかなければいけない問題もやがてきますので、ちょっと頭の隅っこに置いておいていただきたいと思います。

【貝塚座長】もう大分時間がたちましたが、厚生大臣から何か今までの議論と関連するところで御発言いただいた方がよろしいかと思いますので、お願いします。

【丹羽厚生大臣】私は政府側でございますので、先生方の御意見を聞く立場でございます。ですから、私の考えではなくてちょっと現状だけ御説明といいますか、申し上げます。

 先ほど渡辺社長がちょっと耳打ちされまして、我が社は今度社会保障部をつくったと、こういうことでございますが、実は朝日新聞の方も暮らしと明日班という各精鋭が何十人集まってやっています。それから毎日新聞は「暮らしはどこへ」ということで、各社全部社会保障で、私は正直申し上げて新聞を読むだけで嫌になっちゃうような状態で、その影響もありまして毎日毎日とにかく、こんなことを総理の前でぼやいてもしようがないんですが、細かいことから大きいことまで質問を受けています。それで、その中で私が感じました国会の中でどういうことを取り上げているかという議論を御紹介だけさせていただきたいと思います。

 まず、その中で私は細かいことは申しませんが、大きな問題として論点となっておりますことは、いわゆる国民生活のセーフティーネットとしての社会保障の範囲、水準というのはどこまで求めていくべきなのか。これが第1点であります。それからもう一点は、それでは費用をどうやって負担していくのかという問題であります。つまり、税によるのか、保険料によるのか、国庫負担によるのか、自己負担によるのか、こういうような問題をもっと明確にしたらどうかという問題であります。当然のことながら、先ほどからお話があったような高齢者の所得のある方、あるいは低い方の問題もこれに関係してくるかと思います。

 それから大変難しい問題がございまして、私の方からこんなことを申し上げるのが適当かどうかわからないんですがお許しいただいて、国民負担率という言葉がずっと言われております。それで、昨日も実は国会の参議院の国民福祉委員会の方で言われたんですが、国民負担率ということは租税と社会保険料を単純に合計しているんですが、それで非常にわかりにくい。要するに、国民負担率が今は36%でしょう。だけれども、では月給から36%、37%引かれるかというとそうではない。そういう中で、国民負担率というような非常にあいまいな中でやがて五十何%を超えるだろう。それを50%以内に抑えたらどうかと、こういう話よりも、もっといわゆる可処分所得の中で考えたらどうか。つまり家計に与える影響と、こういうことで考えていくべきではないかという議論が出ております。

 それから、最後はやはり高齢者の問題でございまして、これは社長の前で大変失礼でございますが、個人個人の記者の皆さん方はやはり若年世代、現役世代のことを主張します。しかし、何かマスコミ報道されますと必ず私はいつも悪者になるんですが、高齢者へのしわ寄せということになります。大体一貫して、要するに何か改革を求めていくと年金にしても何でも若い人たちが将来の給付が下がっていくのではないかとか、それから高齢者の負担になるんじゃないかということで、この問題は率直に申し上げてどこまで国民の皆さん方の理解、納得が得られるかという問題でございます。

 こういったところに毎日毎日悪戦苦闘いたしておるわけでございますが、大ざっぱなところでございまして、国会の中で今、議論として持ち上がっているところでございますので、その一部を紹介させていただきました。

【渡辺委員】細かいことで質問なんですが、ちょっと聞き損なったというか、聞けなかったことがあるので数字の問題ですが、生活保護が200万人から100万人へ減った。これは大変結構なことなんですが、そのうち85%が高齢者と障害者という話がありましたね。85%のうちの高齢者と障害者の内訳はどういうものなのか。それから、残る15%というのはどういう人たちなのか。前回のときに私はホームレスの問題を出したので、それとの関連でちょっと伺いたい。

 それともう一つ、国民医療費の分配という表の中で、医療材料というのは5.9%と非常に少ないんですね。人件費が5割で医薬品は約2割、医療材料費というのはわずか5.9%だと。そこで、さっき矢崎先生が言われたゲノム解読、遺伝子治療などがどんどん発達してこれからの国民医療というものは変わってくるという非常に重要な御指摘があったんですけれども、例えばゲノム解読でもコンピュータとか、そういう装置、機械等が相当要るわけですね。そういうものを全部含めてこの医療材料の5.9%、MRIとか放射線医療施設とか、非常に金の掛かるものはありますね。全部含めて5.9%なのですか。それだけちょっとお願いします。

【宮島総務審議官】まず生活保護の関係ですが、高齢者の割合が44%、それからいわゆる傷病障害者の割合が41%で、合わせますと85%です。残りの8%が母子世帯で、その他というのがありますけれども、ちょっと中身はつまびらかではございませんが、その他が7%という内訳になっております。

【渡辺委員】その5.9%というものの中にはいわゆる相当金のかかる償却するのに大変な資産といったらおかしいんだけれども、MRIなどというのは1台で10トンもするような大きな機械もありますね。それから、ゲノム解読にはスーパーコンピュータがないと解読は簡単にできないという。

【貝塚座長】今の渡辺委員のお話は細かい資料は多分今、厚生省は持っていないと思いますので、また次回以降の話題の中でと思います。

 今後の議論の進め方でございますが、もう一回ぐらい事務局の方で御説明いただいて、大体社会保障制度の現状ないし問題点を御理解いただいて、そうするとある程度議論する視点が見えてくると思います。それで、その後どういう形で議論を進めていくかというのが重要なポイントになります。

 それからもう一つ別な話ですが、先ほどから若い世代、若い世代という話が出ていますが、4月をめどに若い世代の方からヒアリングを行う機会を得たい。それで、その場合の対象とか選考方法、あるいはヒアリングの方法などでどういうふうにやればいいのか、お知恵を拝借したいということでありまして、何かその点についてございましたらどうぞ。

【石委員】ヒアリングというのはこういう審議会でよくやるので私も随分経験しましたけれども、全部が全部じゃなくていいんですが、私はヒアリングは半分ぐらいは公募にすべきだと思うんです。まさに今インターネットや何かで情報は幾らでも流れますから、やはりお役所が恣意的に選んだというイメージもよくないから、恐らく総理はインターネット辺りでよく若い人とやられているからだれかやらないかぐらいの声を掛けるのはできるだろうし、意外にこちらの目でこういうことを言ってもらいたいなどというようなやり方より、白地に絵をかくような感じで言ってくれる方が面白い話が聞けるので、これは私の個人的印象です。全部が公募じゃ無理だと思いますから一部ですね。

 それからもう一つは、この審議会の非常な特色は委員同士が結構やり合っているということで私は非常にいいと思うんです。普通の審議会は事務局から20、30分か40、50分長い長い説明を聞いた後で質問をして終わりというのが一般的なんですが、そういう意味で私は一通り1、2回説明を聞いた後はスピーカーを決めてその日に3人か4人ぐらい、1人10分ぐらい問題提起をしてもらって論点を整理してもらうというような格好でいろいろなことを言いたい人がいると思うから、手を挙げてボランティアでいいと思います。その代わり、問題領域を5つか6つあらかじめ事務局に示してもらってエントリーしたらどうですか。おれはここで発言させてくれというようなことをやれば、多分出てくる人はいっぱいいるんじゃないかと思います。これは私の勝手な言い分ですけれども、ひとつの御参考になればと思います。

【貝塚座長】どうも非常に具体的な提案をしていただきましてありがとうございました。

【高木委員】今の石先生の後の方の論議に近いんですが、いろいろな切り口、論点があるんだろうと思うんです。その中で主要な論点の幾つかについて今日はこのテーマだ、みんなフリーに議論しろというよりは、ある種のレポートというか、プレゼンテーションしていただいて、それをスタートにして議論するみたいなやり方の方が効率的じゃないかと思います。

【渡辺委員】石さんの発言に関連してですが、ヒアリングはよく本当にいろいろな審議会でやるんですけれどもほとんどナンセンスで、本を読めば書いてあることばかり聞かされるんです。だから、公募でやることも私は余り賛成でないので、このメンバーを拝見していますと、拝見というのは失礼なんだけれども、非常にバランスよく各方面の専門家がおいでになるんだから、各方面の専門家の方の意見も聞かないでまた第三者をどこかから連れてきてヒアリングを学校の生徒みたいに先生の話を聞くのは本当にばかげていて時間の浪費だと思うので、ヒアリングはできるだけ少なくしていただきたいと私は思います。

【京極委員】ヒアリングというのは何回かあっていいと思いますけれども、ただ、さまざまなアンケート調査とか統計がありますので、そういうものは是非積極的に活用しないと声の大きな意見が何か世論のような感じになるので、そこだけは両論でいかないといけないということと、それからせっかく総理大臣の有識者会議ということですので、世論調査を何か企画してそういうものと、それからここで出る提言がうまくフィットするような形になれば一番理想的だと思いますので、なかなか世論調査というのは枠があって難しいと伺っていますけれども、是非国民の世論、特に若い人たちの意見がどうなっているかということも最終的には知りたいなと思っております。

【貝塚座長】いろいろアイデアを出していただいて大変ありがとうございました。ヒアリングというのはどういうふうに効率的にと言ってはおかしいですけれども、経済学者はすぐ効率ということを言いますが、非常に実りのあるヒアリングをどういうふうにするか、どういう人を選んでするか、その辺はもう一度検討させていただいて、かなりいろいろな御意見がありましたので検討させていただきたいと思います。

 それから、後の進行については先ほど来御議論がありましたけれども、石さんが言われましたようにやはりせっかくいろいろな専門家が来ておるわけですから、数人の委員の方にそれぞれの得意な分野をレポートしていただいて議論するというのは一番効率的であろうと思いますので、具体的な人選等につきましては私に御一任いただければこれから考えますが、こちらから御依頼した場合にはよろしくお願いします。今のようなことでよろしゅうございますか。

 では、せっかくですので総理から何かございますか。

【小渕内閣総理大臣】先生方のお話をお伺いし、勉強になりました。

 当分の間は先生方のお話を聞かせていただくことといたしますが、要はまとめていただいたものをどう実現していくかということが我々の課題であろうと思います。私は、この会議には、社会保障構造の在り方についての最後の検討機会との思いで検討をお願いしている旨、国会で申し上げているところですので、是非これからもよろしくお願いいたしたいと思います。ありがとうございました。

【貝塚座長】ありがとうございました。

 次回のことについて申し上げておきますが、次回の進め方は社会保障の負担、国際比較、それから各界や各党の意見についてどういう意見が出てきているか、事務局に資料を出していただいて御議論いただく。そして、一応そういう事務局からの御説明は次回で終わりまして、その段階で論点の整理をして、その後、議論を展開させるということになると思います。

 日程につきましては御存じだと思いますが3月16日木曜日の午後5時でありまして、正式な連絡は事務局からお知らせするということになると思います。本日は御多忙中のところ、どうも長時間ありがとうございました。