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官房長官談話等
 

内閣官房長官談話

(「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案」と武器輸出三原則等との関係について)

平成十五年六月十三日

 政府は、国連安保理決議に基づき米国等によりイラクに対して行われた武力行使及びこれに引き続く事態を受けて、イラクの復興のための支援に積極的な対応を行うための検討を行ってきた。現在、国家の速やかな再建を図るためにイラクにおいて行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進しようとする国際社会の取組が進められているところ、我が国としてもこれに主体的かつ積極的に寄与するため、国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号を踏まえ、本日、「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案」を閣議決定し、本法案に基づく対応措置として、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うこととし、もってイラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することとした。

 本法案には、自衛官が本法案に基づく対応措置を外国の領域において実施するに際して「武器」を使用する場合に関する規定が置かれているなど、武器輸出三原則等における武器等の輸出が行われることを当然に想定するものである。また、本法案に基づき自衛隊が対応措置を実施する際には国連加盟国等に対する「武器(弾薬を含む。)」の提供は実施しないこととしているものの、その他提供することとしている物品又は役務の一部には、武器輸出三原則等における武器等に当たるものが含まれることが排除されない。政府としては、これまで、武器輸出については、武器輸出三原則等によって慎重に対処してきたところであるが、一に述べた本法案の趣旨にかんがみ、今回閣議決定された法案の下で行われることのある武器等の輸出については、武器輸出三原則等によらないこととする。この場合、
(一) 本法案に基づき我が国が実施する対応措置は、イラクの国民に対する人道上の支援を行い若しくはイラクの復興を支援するため、又はイラクの国内における安全及び安定の回復に貢献するため、本法案の範囲に限って行われるものであること
(二) 自衛官等が使用するために輸出する武器等については、自衛隊等により厳格に管理され、任務終了後我が国に持ち帰ることとしていること及び当該武器等の使用は、本法案等に定める要件を充足する場合に限定されること
(三) 対応措置の実施に際して武器等の輸出を行うこととなった場合には、当該武器等の輸出に当たり、輸出先国又は提供先国政府等と我が国政府との間での国際約束等により、当該武器等の使用が国際連合憲章と両立するものでなければならないこと及び当該武器等が我が国政府の事前同意なく第三者に移転されないことを担保することを条件とすること
により、国際紛争等を助長することを回避するという武器輸出三原則等のよってたつ平和国家としての基本理念は確保されることとなる。

 なお、政府としては、今後とも武器輸出三原則等に関しては、国際紛争等を助長することを回避するというその基本理念を維持していく考えである。