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官房長官談話等
 

内閣官房長官談話

平成15年12月19日


  1.  政府は、本日、安全保障会議及び閣議において、「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」を決定いたしました。本決定は弾道ミサイル防衛(BMD)システムの導入の考え方を明らかにするとともに、BMDシステムの導入や新たな安全保障環境を踏まえた我が国の防衛力の見直しの方向性を示すものであります。政府としては、本決定に基づき、平成16年末までに新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を策定することとしております。

  2.  政府は、大量破壊兵器及び弾道ミサイルの拡散が進展している状況の下、BMDシステムについて、近年関連技術が飛躍的に進歩し、我が国としても技術的に実現可能性が高いと判断し、また、BMDが専守防衛を旨とする我が国防衛政策にふさわしいものであることを踏まえ、我が国としてイージスBMDシステムとペトリオットPAC-3による多層防衛システムを整備することとしました。

  3.  BMDシステムの技術的な実現可能性については、米国における迎撃試験や各種性能試験等の結果を通じて、また、我が国独自のシミュレーションによっても、確認されています。したがって、これらのシステムは技術的信頼性が高く、米国も初期配備を決定したことなどにもみられるように、その導入が可能な技術水準に達しているものと判断されます。

  4.  BMDシステムは、弾道ミサイル攻撃に対し、我が国国民の生命・財産を守るための純粋に防御的な、かつ、他に代替手段のない唯一の手段として、専守防衛の理念に合致するものと考えております。したがって、これは周辺諸国に脅威を与えるものではなく、地域の安定に悪影響を与えるものではないと考えております。

  5.  集団的自衛権との関係については、今回我が国が導入するBMDシステムは、あくまでも我が国を防衛することを目的とするものであって、我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のために用いられることはないことから、集団的自衛権の問題は生じません。なお、システム上も、迎撃の実施に当たっては、我が国自身のセンサでとらえた目標情報に基づき我が国自らが主体的に判断するものとなっています。

  6.  BMDシステムの運用にかかる法的な考え方としては、武力攻撃としての弾道ミサイル攻撃に対する迎撃は、あくまでも武力攻撃事態における防衛出動により対応することが基本です。なお、弾道ミサイルの特性等にかんがみ、適切に対応し得るよう、法的措置を含む所要の措置を具体的に検討する考えです。

  7.  現在実施中の日米共同技術研究は、今回導入されるシステムを対象としたものではなく、より将来的な迎撃ミサイルの能力向上を念頭においたものであり、我が国の防衛に万全を期すためには引き続き推進することが重要です。なお、その将来的な開発・配備段階への移行については、今後の国際情勢等を見極めつつ、別途判断を行う考えです。

  8.  我が国としては、BMDについて、今後とも透明性を確保しつつ国際的な認識を広げていくとともに、米国とも技術面や運用面等において一層の協力を行い、我が国の防衛と大量破壊兵器及び弾道ミサイルの拡散の防止に万全を期すべく努めていく所存です。