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官房長官談話等
 

政府開発援助によるテロ・海賊行為等の取締り・防止のためのインドネシア共和国に対する支援と武器輸出三原則等との関係についての内閣官房長官談話



平成18年6月13日


 本日の閣議で、インドネシア共和国との間で巡視船艇三艇の整備を目的とする「海賊、海上テロ及び兵器拡散の防止のための巡視船艇建造計画」の実施のために無償資金協力に係る取極を締結することを決定した。
 
 政府は、かねてより、開発途上国におけるテロ・海賊行為等の取締り・防止に対する支援に関し、積極的な取組を行ってきており、このような取組を更に強化するための措置の一環として、この度、テロ・海賊行為等の取締り・防止に対する我が国の政府開発援助大綱にのっとった政府開発援助による支援に関連して次の結論に達し、本日の閣議において了承を得た。
 
 現在、世界各地においてテロ・海賊行為等が多発しており、こうした問題への対策は、国際社会の平和と発展にとっても、益々重要な課題となっている。
 テロ行為の防止やその根絶は、国際社会が一丸となって取り組むべき課題であり、とりわけ、開発途上国にとって経済社会開発の重要な前提条件である。
 また、海賊行為等は、我が国自身の平和と繁栄に直結する問題であり、特に、昨年三月にマラッカ海峡で発生した我が国の船舶・船員に対する襲撃に象徴されるような事件が近年東南アジアにおいて急増し、海上輸送に従事する我が国国民の安全及び我が国経済活動にとって直接の脅威となっている。 国際社会が全力で取り組んでいる海賊行為等の防止に積極的に協力していくことは、我が国の国益にかなうものである。これまでも我が国は、経済社会開発や経済成長を通じた貧困削減を支援しており、このような支援によって開発途上国における安定に貢献してきたが、今後はテロ・海賊対策等に直接効果の及ぶ支援を行うことが一層重要となっている。このため、我が国とし ては、開発途上国の政府等が行うテロ・海賊行為等の取締り・防止に対し、積極的に支援を行うこととしたところである。
 
 政府は、これまで、武器等の輸出については、武器輸出三原則等によって慎重に対処してきたところであるが、3に述べた諸点にかんがみ、今般、インドネシア共和国に対するテロ・海賊行為等の取締り・防止に対する支援として、武器輸出三原則等におけ る武器等に当たる巡視船艇に係る無償資金協力を行うことを決定した。今回の支援の実施に際して行われる当該巡視船艇の輸出については、インドネシア共和国政府と我が国政府との間の国際約束で、当該巡視船艇が我が国の政府開発援助の対象であるテロ・海賊行為等の取締り・防止に限定して使用されること及び当該巡視船艇を我が国政府の事 前同意なく第三者に移転しないことが担保されることを条件として、武器輸出三原則等によらないこととする。これによって、政府開発援助大綱にのっとった支援の実施が確保されることとなり、また、国際紛争等を助長することを回避するという武器輸出三原則等の基本理念が確保されることとなる。
 
 なお、開発途上国の政府等が行うテロ・海賊行為等の取締り・防止に対する支援について今後積極的に進めていくこととしたことに伴い、政府開発援助による当該支援として行われる武器等の輸出については、被供与国の政府等からの具体的な要請内容を踏まえ、また、政府開発援助大綱に明記された政府開発援助の目的及びその実施の原則にのっとり、個別の案件毎に検討の上、実施していくこととする。
 
 政府としては今後とも、武器輸出三原則等に関しては、国際紛争等を助長することを回避するというその基本理念を維持していく考えである。