平成23年3月23日(水)午後

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被ばくに関する試算の結果について

 私の方から、今朝ほどの会見でも御質問にございました「SPEEDI」と称するシステムを用いた、被曝に関する試算のことについて御報告を申し上げます。本日昼ごろ、原子力安全委員会から、このSPEEDIシステムを用いた被曝に関する試算の結果について報告を受けました。詳細はこの後、原子力安全委員会から公表をさせる予定でございますので、詳細についてはそちらにお問い合わせいただきたいと思います。

 これは、大気中の放射性核種の測定値とこれまでの気象状況を踏まえて、放射性ヨウ素による甲状腺被曝線量を予測したものでございます。これまで、いわゆる放射線量の測定モニターはさまざまな数値、マイクロシーベルトの単位で、原子力発電所の内部を含めて皆さんにも御報告をしてまいりましたし、たくさんのデータが取れておりますが、空気中、大気中の、いわゆる放射性物質の量をはかって、そこから、原子炉からどの程度の放射性物質が出ているのかを推測し、その推測された数値に基づいて、それがどういったところに拡散をし、そして人体に影響を与え得るような数値になっているか、いないかということを、更に気象条件等を含めて計算したシミュレーションでございます。

 この間、今朝ほど申し上げましたとおり、このシステムをしっかりと利用して試算等を行うようにという指示を申し上げてきたことは御報告をいたしたところだと思いますが、そのときも申し上げましたが、原子炉から出ている放射性物質の量は、残念ながら今の原子力発電所の状況では測定ができないということの中で、それを言わば逆算する形で、あるデータから、原子炉から放出されている放射性物質の量を逆算、推定できないかということを指示していたことを申し上げたかと思います。これをするためには、大気中の放射性物質の量、正確には放射性核種の測定値が、なおかつ風下の陸上地域で必要でございまして、その数値が昨日モニタリングができて、それに基づいてシミュレーションを行ったものの報告がなされたものでございます。

 そして、それによってシミュレーションされた結果は、福島原子力発電所の事故発生後、毎日一日中屋外で過ごすことを仮定した場合に、甲状腺の被曝線量が100ミリシーベルト以上となる地域を試算したものでございます。これによると、福島原発から30km圏外の一部においても、100ミリシーベルト以上の被曝線量となり得るケースも見られますが、現時点で直ちに避難や屋内退避をしなければならない状況だとは分析をいたしておりません。

 今後、実際の放射線の量のモニタリング、あるいは更に精度の高いシミュレーション等を専門家の皆さんに行っていただきながら、人体に影響が出る可能性の生ずる、この100ミリシーベルトの被曝線量に達することの出ないように、今後の対応をしっかりと注視をしてまいりたいと考えております。なお、この被曝線量は、風向きによって大きく影響を受ける。その風向きなどに基づいて、このSPEEDIというシステムでシミュレーションを行っているもので、そのため、風下地域での放射性物質の数を測定しないとシミュレーションができないというものでございます。したがいまして、念のため、現在所在する場所が風向きから見て発電所の風下に当たるような場合には、できるだけ窓を閉め、密閉した屋内にとどまっていただくことをお勧めしたいと思っております。

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