第5回議事次第

資料3

討 議 参 考 資 料



2.郵政事業の経営形態
2) 経営形態を考える視点(国営公社によりどこまで実現されるか)

    (到達点としての国営公社の是非)

    • 郵政三事業の到達点は国営の公社でなければいけないのか、もう少し民間に近い形でできるのかという見極めが一番重要。

  1. ガバナンスのあり方(規制・監督、会計制度、情報開示など)の観点

    (新たな国営公社のガバナンス)

    • 国営である以上、郵政公社の目的・存在意義を郵政公社法の中に明示し、業務展開を行う枠組みを決めておく必要があるのではないか。
    • 国営の新たな公社においては、企業会計原則に基づく会計処理、中期経営計画の策定及びこれに基づく業績評価の実施、コーポレートガバナンスの樹立が図られるのではないか。

    (公社化後のガバナンスのあり方)

    • 問題は、民営化すべきか否かではなく、「良い民営化」か「悪い民営化」か−どのようなガバナンス構造をもった企業とするか−にある。
    • ガバナンスの仕組みを明確にしておけば、国営か民営かは問題にならないのではないか。
    • 郵政事業の民営化の議論とは別に(あるいは同時に)、日本企業の構造改革(ガバナンス改革など)を促す策を検討すべきではないか。
    • サービスが切り捨てられても良いと思えないなら、民営化しても一部株式は政府が持ち続ける等の処置を考えないといけないのではないか。

    (規制・監督)

    • 類似業態の業法(物流法令、銀行法、保険業法)(で規定する健全性確保のための項目)を並列的に適用することが必要ではないか。

    (会計制度)

    • 事業間の内部相互補助ができないような透明な会計制度を作るべきではないか。
    • 国営の新たな公社においては、企業会計原則に基づく会計処理が導入されるのではないか。

    (情報開示)

    • 郵貯・簡保は、国家保証がある以上、リスクの大きさ、リスク管理手法の開示が必要ではないか。
    • 情報開示を通じて市場の不確実性増大を回避するよう努めるべきではないか。
    • 国営の新たな公社においては、経営情報の公開の徹底がなされるのではないか。

  2. 事業の収益性と財務の健全性の観点

    (動学的効率性、自律的・弾力的な経営)

    • 今後の環境変化が大きいとすれば、動学的効率性を高めるためには、ある種の参入を認めて、競争的な環境をつくり出すことは適切。
    • 国営の新たな公社においては、独立採算性の下、自律的・弾力的な経営が可能となるのではないか。
    • 過疎地の生活拠点のライフラインとしての拠点を活かし、様々なサービスを提供できる民間経営主体として生き残る道はないか。

    【郵便サービス】

    (事業環境の変化と採算性)

    • 経営上の制約が大きい国営公社では、代替的な情報通信手段の普及、信書への民間参入という事業環境下において、採算を維持することは難しいのではないか。
    • 事業環境の変化にイノベーティブに対応する必要があり、経営の自由度(とそれに伴う責任)の拡大が不可欠ではないか(動的な観点でみた効率化が重要)。

    【貯金・保険サービス】

    (定額貯金)

    • 定額貯金は維持できるか。

    (自主運用におけるリスク管理)

    • 郵貯は自主運用により金利リスク等を抱えることとなり、採算面で苦しくなるのではないか。簡保も採算維持が可能か。
    • 郵貯・簡保は、EaRをはじめとする最新のリスク管理手法を用いて、各種リスクを把握、分析する体制を整備しているのではないか。

    (国が資金運用を行うことの意義)

    • 運用を国家公務員が責任を持って行うことには、矛盾があるのではないか。
    • 運用に失敗した場合、民間であれば株主だが、国営であれば結局納税者の負担になる。原理的には、官が運用することと民が運用することの意味は違うのではないか。
    • 運用が難しいというのは官民の問題とは別ではないか。

  3. 経営効率と組織見直しの観点(特定郵便局など)

    (特定郵便局と簡易郵便局のあり方)

    • 「特定郵便局」制度を維持するのか。「無集配特定郵便局」を簡易局化するのか。
    • 特定郵便局と簡易郵便局は取扱業務等が異なることから、両者を費用面の観点のみで比較することは適当ではないのではないか。

    (地方組織等)

    • 郵政企画管理局、地方郵政局、地方郵政監察局を維持するのか。

    (郵便局ネットワークのあり方)

      郵便局ネットワークはユニバーサルサービスか。
    • 過疎地のライフライン(公的機能、福祉的役割等も含む)としての郵便局の存続は必要か。
    • 郵便局舎・人員の運営という物理的なネットワークと郵便貯金事業・簡易保険事業のあり方は区別して検討されるべきではないか。

  4. 金融資本市場に与える影響の観点(財政投融資との関係を含む)

    (マクロ経済との関係)

    • 郵貯・簡保が過大な資金を有することが国民経済に引き起こす非効率の現状はどうか。
    • 財投改革、特殊法人改革、民間金融機関の不良債権処理を進めるにあたっては、経営が安定した公的金融機関が必要ではないか。

    (国債市場の市場メカニズムへの影響)

    • 郵貯・簡保へ資金が集中したことは、国債市場の市場メカニズムが機能することを妨げてきたのではないか。
    • 国債市場等への金利面、流動性面での影響をどう捉えるべきか。
    • 郵貯・簡保資金の国内債券への運用は、長期・安定的な運用手法、各運用資産の市場規模に配意した運用を基本方針としていることから、市場を混乱させることはないのではないか。

    (債券市場の安定性への寄与)

    • 郵貯、簡保は、国債市場の安定に寄与しているのではないか。
    • 国債、地方債、財投債といった債券市場は、郵貯や簡保が安定的に支えている面があるのではないか。

    (政府財政のファイナンスとの関係)

    • 現在の日本国政府全体の財政的厳しさを考えると、郵貯・簡保は財政のファイナンスという話と切り離して、在り方を考えることはできないのではないか。
    • 郵貯からの資金が一巡する間、国がどういう手立てをする必要があるかという現実論を詰める必要があるのではないか。

    (短期金融市場との関係)

    • 郵貯・簡保の資金運用の短期金融市場への影響をどう捉えるべきか。

    (リスクマネーの供給との関係)

    • 郵貯・簡保の民営化には、リスクマネーの供給が拡大するというメリットがあるのではないか。
    • 郵貯があるからエクイティーマーケットにリスクマネーが供給されないとの意見もあるが、それは今投資してもリターンがないからではないか。
    • 今日のような政策を打たれても、リスクマネーにはお金を回したくないという人も多くいるのではないか。
    • 郵貯資金が日本経済の活性化に寄与するかどうかは、一人ひとりの国民が、持っている預貯金をダイナミックな競争社会の原理の中に、放り込むことができるかに、大きなウェイトが掛かっているのではないか。

    (財政投融資との関係)

    • 資金が流れ込んでいる先を表裏一体として改善策を検討すべきではないか。
    • 郵貯があることで、出口に政策金融機関が存在することとなり、民間金融機関がビジネスモデルを立てることを難しくしているのではないか。
    • 財政投融資の問題については、郵貯ではなく財政投融資に原因があったのではないか。

  5. ユニバーサルサービスの観点

    (ユニバーサルサービス)

    • 郵便局ネットワークはユニバーサルサービスか。
    • ユニバーサルサービスと経営形態の関係についてどう考えるか(ユニバーサルサービス義務の有無と経営形態の議論は別のものではないか)。
    • 社会インフラとして不可欠なものについては、別途、補助金、競争入札という政策手段の組み合わせで競争システムを導入することもあるのではないか。

    (ミニマムスタンダード)

    • 保証すべきミニマムスタンダードはどこまでか、という議論が必要ではないか。

    【郵便サービス】

    • 郵便事業のサービスはどのレベルまで確保すべきか。
    • 国もしくは地方自治体の政策、ないし緊急連絡事項を確実に伝達するネットワークを、どのように、どこで担保していけば良いのかが重要ではないか。

    【貯金・保険サービス】

    • 郵貯、簡保についてユニバーサルサービスは必要か。
    • 郵貯はかなりリスク回避的な事業形態として、少なくとも金融市場が未発達な時代には、それなりの機能を果たしたのではないか。

    (利用者利便)

    • 利用者の利益・不利益、便・不便を確認しながら議論すべきではないか。また、郵政事業の福祉的役割およびジェンダー的視点を検討すべきではないか。
    • 高齢化が進む中、今後期待される金銭の安全な管理等の福祉的役割はどこが実行しうるかということも検討すべきではないか。

    (コストの在り方)

    • ユニバーサルサービス維持のためのコストを何らかの形で負担するか。
    • 民営化した場合には、過疎地の郵便サービス提供のため、外部委託制度の活用や国庫による外部補助が必要になるのではないか。

  6. 国が支払を保証する小額の貯金、簡易な保険の妥当な水準の観点

    (国家保証の維持)

    • 郵貯・簡保の、国による支払保証は維持されるべきか。

    (小額の貯金、簡易な保険の適正規模)

    • 少額貯蓄、簡易な保険として過大すぎないか。
    • 郵便局の金融業務がいわゆる庶民金融の範囲に限定されるならば、民を補完するという論点も当然出てくるが、民業の補完ということならば、預入限度額を明確に入れる必要があるのではないか。
    • 預入限度額については、客観的な基準をつくってから議論する必要があるのではないか。
    • 限度額を減らして民の補完に徹しさせる方向と郵便局のネットワークを国営の制約を外して自由に生かす方向はベクトルが違うのではないか。

  7. 職員の身分の観点

    (現実論としての職員の身分の問題)

    • 人間、設備、仕組みという今ある土台を無視した議論は観念論に終始してしまうのではないか。
    • あるべき論とともに、国家公務員を民営化して身分を切り換えるプロセスはどうあるべきかという現実論も重要ではないか。
    • 民営化するときには、多くの職員は辞表を出して新しい民営化企業に応募するというプロセスを取ればよいが、残る人については代わりの仕組みをつくらないといけないのではないか。

    (職員の身分と効率化の関係)

    • 「民間企業の経営を取り入れ効率的な事業遂行を目指す、ただし従業員は公務員」という公社化の問題点は何か。
    • 国営の新たな公社においては、職務実績・公社の業務実績を効果的に反映する給与制度が導入されるのではないか。

(注) この資料は、これまでの会合で出された意見、検討すべき論点に関し御提出いただいた意見及び総務省の説明を、とりあえずまとめたもの。