第6回議事次第

郵政三事業の在り方について考える懇談会の皆さん:

池尾 和人(慶應義塾大学経済学部)




 まことに申し訳ありませんが、11 月16 日の第6 回会合には、他の所用のために出席できません。つきましては、第6 回会合での議題に関連する意見を書面で述べさせていただきたく存じます。

郵政公社の在り方について

国の支払い保証

 国営公社である限り、現行郵便貯金法第3 条、簡保法第3 条の国の保証規定を削除したとしても、実質的な国の保証(いわゆる暗黙の政府保証)を断ち切ることはできない。それゆえ、国の支払い保証は継続せざるを得ないと考える。しかし、政府保証を行うとすると、他の政府保証と同様に、国会の議決を経ることが必要になるのではないか?
 また、政府保証は無コストで提供できるものではない。そのコストが(顕在化して)納税者負担となることを回避するためには、保証料相当分の金額の国庫納付が必要になる。
 これら2 点を現実的に解決するためには、郵政公社が預金保険制度に加入することが望ましいと考える。

検査・監督権限

 郵便貯金事業(および簡易保険事業)が公社化され、運用その他の面での自由度も高まるのであれば、検査・監督体制の強化も必要になる。すなわち、総務省が政策遂行の観点から監督するのは当然としても、それとは別に事業の健全性確保の観点から別途、検査・監督が行われることが不可欠である(行政監察、会計検査だけで十分とはいえない)。

 政策目的の追求(policy )*と事業の健全性維持(prudence )とは、常に両立するという保証は存在しないし、チェック・アンド・バランスを確保するためにも、異なった観点から複数の機関による監督が行われることは望ましい。

 現在、預金取り扱い金融機関の健全性を検査・監督に関する専門的能力をもつ政府機関は金融庁しか存在しない。したがって、新たな政府機関を設立する無駄を避けるためにも、郵政公社は金融庁による検査・監督を受け入れることが望ましいと考える。

*ただし、この前提として、国営公社形態を維持して追求されるべき政策目的とは何かが明確にされねばならない。それが乏しければ、民営化が妥当である。

 郵便事業についても、全面的な民間参入と独立した監督機関の設置が望ましいと考えます。