第6回議事次第

2001年11月16日

郵政公社についての意見

懇談会委員 松原聡




I.郵貯・簡保事業について

1.金融庁の検査・監督を受けること
・郵貯,簡保事業は,財投制度の廃止,公社化により,民間の金融機関と極めて近い性格を持つようになる。民間の金融機関と同一の基準で,その経営の健全性を検査・監督されるべきである(注1)。

2.税金,預金保険料等に相当する金額を国庫納付すること
・郵貯,簡保事業は,金融市場において民間金融機関と競合関係にある。競争条件をできる限り同等にするため,民間金融機関が負担している税金,預金保険料,生命保険契約者保護機構保険料などに相当する金額を,郵政公社も負担すべきである。
・財投制度の廃止にともない,郵貯,簡保事業はその全額を自主運用することになる。郵貯・簡保を国家保証するということは、その運用リスクを納税者が負うことを意味する。郵貯,簡保利用者は,民間金融機関利用者と同等のリスク負担を、国庫納付という形で負うべきである(注2)。

II.郵便事業について

1.郵便事業は,全面民間開放すること
・郵便事業への民間参入は,全面自由化が原則である。過渡的措置として参入が制限される場合にも,限定したユニバーサルサービス義務を民間事業者に課した上で,全面的に自由化する(注3)などの方法をとるべきである。

2.郵便事業にたいする規制・監督は,新しい規制制度が担うこと
・郵便事業への民間参入にともない,郵便,郵便小包,宅配便はほぼ同一のマーケットに入ることになる。これらを,同一の新たな規制体系(注4)の下に入れるべきである。
・監督者には,総務省や国土交通省(宅配便の監督者)から独立した、「委員会」があたるべきである(注5)。

(注1)金融等の検査には、高度な専門性が必要となり、一般の行政のような会計検査院等の検査では不十分である。

(注2)現在,預貯金者の保護制度は,預金保険機構(民間金融機関等),農水産業協同組合貯金保険制度(農林中金,農協等),国家保証(郵貯)が併存している。本来は、郵政公社発足とともに,郵貯の国家保証を廃止して,農協預金などとともに,預金保険機構に一元化すべきであると考えられる。簡易保険に関しても、民間の生命保険と同様に、生命保険契約者保護機構に加入すべきである。
 同時に、政府系金融機関も経営形態のあり方の検討を進めるとともに、同じ制度の中に組み込まれることが望ましい。

(注3)郵便は,長くユニバーサルサービスが維持されてきた。その基本は,はがきや封書が,@全国同一料金,Aポスト投函制による全国収集,B全国配達、でサービスされるところにある。このサービスが,民間参入によって損なわれることがないように,当面新規参入事業者にユニバーサルサービスを義務づけるという考え方もありうる。その場合にも,ユニバーサルサービスの対象は,「通常はがき,25グラム以下の封書」に相当するものに限定すべきである。(この場合、制限以上のものに関しては,サービス提供の地域,内容なども自由となる。)

(注4)現在のはがき,封書から30キログラム程度の荷物までを一括して,「書状・小型荷物運送事業法」といった新たな法律の制定が必要となる。現行の郵便法は廃止,貨物自動車運送事業法も,たとえば30キログラム以下の荷物の運送に関しては新たな法律に移行すべきである。

(注5)新たな法律には、従来の信書に相当するものの運送も扱うため、事業者に「書状(通信文)の秘密の保持義務」などが課せられるべきである。しかし、参入や料金規制は,届け出制を原則とした緩やかなものにすべきである。
 また、書状や小型荷物等への規制が「委員会方式」で行われるようになると,電気事業や電気通信事業などの規制も,同様の方式を取りうることが明確になる効果も期待できる。