(1)郵政公社が金融市場に与える影響は極めて大きいので、わが国金融システム全体の安定性を維持する観点から、金融監督当局のモニタリングが必要
- 郵便貯金、簡易保険事業におけるシェアは抜きんでて大きく、それぞれの市場において大きなシェアを有している。また、自主運用額も巨額であり、金融市場に潜在的に大きなインパクトを持っている。
- 郵政公社は多くの民間金融機関とネットワーク化されているため、郵便貯金システムが日本の金融システムのブラックボックスになってはならず、日常的な取引行動や金融危機時における対応の在り方などについて、金融当局が情報を持ち、日常的に郵政公社と情報交換できる体制であることが不可欠。
(2)高度な専門性を有した当局による健全性の観点からのチェックの必要性
- 400兆円弱の資金運用に伴うあり得べき損失は納税者負担につながるため、その妥当性は外部からチェックできる必要がある。
- これらの目的を果たすためのモニタリングが意味を持つためには、当局側に金融システム・金融取引についての高度な知識が必要。例えば、自主運用のリスク管理をEaRにするのが良いかVaRにするのが良いか、というチェックを会計検査院に求めるのは困難。
- 必要なのは、単線的な監督体制ではなく、複線的・多角的チェックとチェック・アンド・バランスの仕組みであると考えられる。市場のプレイヤーとしての郵政公社の内部管理や会計士による外部監査は必要であり、総務省による政策目的遂行の観点からの監督も当面必要であろうが、金融市場のプレイヤーの健全性確保や市場ルールの監視役(レフェリー役)としての監督は、プレイヤーから明確に切り離し、中立的である必要があり、外部の金融当局(金融庁、日本銀行)に求める必要があると考えられる。
――この点、郵便事業に関しても、プレイヤーとレフェリーを明確に切り離す観点から、独立した監督機関が必要と考えます。
- 外部からのチェックのもう一つの要素は市場によるチェック。市場に対するリスク情報の情報開示(リスクの大きさ、リスク管理手法そのものの開示)を積極的に進め、市場から評価を受けることが必要。