第7回議事次第
資料1
討議参考資料(改訂版)
1.郵政事業の機能
(検討手順)
- 経営形態の選択は手段であり、出発点では機能面からのアプローチをとるべきではないか。
- 三事業の狙いと、これまで果たしてきた役割を総括し、現状と比較・認識することが必要ではないか。
- 遂行度を測る指標に照らして過去の成果を判断する必要があるのではないか。(投資効果、人的資源管理、経常的事業活動、政策的支援)
- 郵政事業の問題点の明確化・事実関係の解明が必要ではないか(民業圧迫、イコールフッティング論、財投原資としての責任、運用能力等)。
- 1) これまでどのような機能を果たしてきたのか(成果と問題点)
- ○ 郵政事業が果たしてきた機能(成果)
- 郵便サービスをなるべく安い料金で、あまねく公平に提供。
- 郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段として、あまねく公平に提供。
郵便為替、郵便振替を簡易で確実な送金の手段として、あまねく公平に提供。
- 簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供。
- その他以下のサービスを提供
-
- 公的なサービス(内容証明郵便、年金・恩給の支払い、国庫金の受払い等)
郵便局ネットワークの民間企業等への開放(ATM提携サービス、確定拠出年金制度への加入申込みの受付等)
社会福祉的サービス(障害者用郵便物の料金免除、寝たきり独居老人等への年金・恩給の配達等)
地域関連施策(ワンストップサービス、ひまわりサービス等)
地域振興施策(ふるさと小包等)
災害時のサービス(郵便料金免除、災害義援金の振替料金免除等)
- ○ どのような問題点があるのか
(民業圧迫論)
- (金融資本市場への影響)
- 金融市場における郵貯・簡保の位置付けについてどう考えるか。
- 短期金融市場、国債市場等への金利面、流動性面での影響をどう捉えるべきか。
- 郵貯・簡保が資金を自主運用することになれば、金融資本市場を歪めることになるのではないか。価格形成に歪みを与えない仕組みを構築することが肝要ではないか。
- 郵貯、簡保は、国債市場の安定に寄与しているのではないか。
- (財投原資責任論)
- 財政投融資に必要な資金の吸収機関としての性格も強かったが、財投改革によってこの意義は薄れてきたのではないか。
- 資金が流れ込んでいる先を表裏一体として改善策を検討すべきではないか。
- 財政投融資の問題は、郵貯ではなく財投機関の側に起因するものではないか。
- (事業体としての健全経営、効率化の問題)
- 郵貯は自主運用により金利リスク等を抱えることとなり、採算面で苦しくなるのではないか。簡保も採算維持が可能か。
- 公務員による郵貯・簡保の巨額資金の自主運用はうまくいかないのではないか。
- 資金運用の巧拙と、官と民の違いは無関係なのではないか。
- 現在のコスト・パーフォーマンスはどの程度改善されるべきか。
- 静学的、動学的に郵政事業のユニバーサルサービスは効率的か。
- 信書参入に伴いクリームスキミングが起こると、全国ネットワークを維持するコストは、トータルで高くなる可能性があるのではないか。
- 普通の企業であれば独占分野の利潤を競争分野での設備投資に充てるところだが、郵便は独占分野で赤字。長期的には、あやういのではないか。
- (事業の透明性の問題)
- 情報開示を通じて市場の不確実性増大を回避するよう努めるべきではないか。
- 2) 今後必要とされる機能(サービス)は何か
- (事業分野別の検討)
- 郵政三事業または郵便局が提供するサービス・機能のうち、どの機能・サービスが民間には期待されず、社会的に供給すべきものは何か。
- 21世紀の時代背景に合致した三事業毎の方向付けを行うべきではないか。(事業の範囲、規模、形態、ガバナンスのあり方、人の問題)
- 21世紀の国民のニーズから、郵政三事業には、どのような機能が求められ、どう果たされるのが望ましいか、という議論をしていくことが適当ではないか。
- 郵便事業に重要なことは、確固たる戦略(将来価値をどこに置くか等)と具体的戦術(どれだけのインフラが必要か等)を持つことではないか。
- 【郵便サービス】
- 郵便には、国家意思を国民に伝える最終的な行政手段や人権に配慮した通信手段であるという側面があるのではないか。
- ユニバーサルサービスについては、現在のレベルよりも、もう少し広く、緩く考えてもよいのではないか。
- 大幅にサービス水準が下がることになれば、どこまでが許容範囲か議論となるのではないか。
- 郵便料金については、均一料金である必要はないのではないか。
- ユニバーサルサービスと同一料金を原則としてほしいというのが、国民の考えではないか。
- 郵便の民間参入については、競争によるサービス向上とともに、クリームスキミングへの手当てが必要ではないか。
- 【貯金・保険サービス】
(個人への基礎的金融サービス)
- 郵貯、簡保については、国家が、最低限の生活保障や生活設計を保証しているものという側面があるのではないか。
- 少額貯蓄、簡易な保険として過大ではないか。
- 郵貯は、ローリスク・ローリターンの金融機関としての機能を果たしてきたのではないか。
- 郵貯が果たしてきた安全な貯蓄手段の提供という機能は、預金保険制度が整備され、貯蓄国債が直接国民に販売されれば、代替できるのではないか。
- (財政政策、金融政策との関係)
- 直接金融のパイプを太くすることによる経済活性化と国営の郵便貯金を維持することは、政策として矛盾するものではないか。
- 郵貯・簡保に資金が集まったのは、リスク資産への投資をあまり望まないという我が国の国民性によるところが大きいのではないか。
- 個人金融資産がリスクマネーに向かわないのは、民間企業の株式に投資対象としての魅力がないことが主因ではないか。
- 国・地方の債務のファイナンス主体として機能しているという事実を踏まえれば、郵貯を国債ファンド的なものに改組することが現実的ではないか。
- (財投、特殊法人改革との関係)
- 郵貯があることで、出口に資源配分を歪める形で政策金融機関が存在しているのではないか。
- 財投改革、特殊法人改革、民間金融機関の不良債権処理を進めるにあたり、経営が安定した公的金融機関が不可欠ではないか。
- 【郵便局ネットワーク】
- 基本的には「民間でできることは民間に任せる」という考え方は正しいが、郵便局ネットワークは、セーフティーネットとして必要な存在ではないか。
- 国民により良いサービスを提供するため、郵便局ネットワークを活かしていく必要があるのではないか。
- 利用者から見た三事業一体は維持されるべきだが、郵便事業・郵便局舎ネットワークと勘定としての郵貯・簡保特別会計の議論は分けて行うべきではないか。
- 利用者(高齢者、地方在住者を含む)利便の観点
- 郵政事業は、地域社会・一般住民の生活に根を下ろした存在。利用者の便・不便、事業の福祉的役割を確認しながら議論すべきではないか。
- 先進諸外国における民営化等の経営形態の変更に伴って実際に起きた利点、不都合等が参考になるのではないか。
- 経済合理性、効率的な資源配分、国民負担(コスト)の観点
- 公共サービスにおける国民の利便性と経済合理性を三事業別に分析、把握すべきではないか。
- 郵貯・簡保の自主運用の失敗によるコストは納税者の負担となるのではないか。
- 経営環境の変化(情報技術革新、グローバル化など)の観点
- 事業環境の変化にイノベーティブに対応する必要があり、経営の自由度(とそれに伴う責任)の拡大が不可欠ではないか(動的な観点でみた効率化が重要)。