歳出の改革と縮減の具体的方策を議論するに当たっての基本的考え方


  1. 検討の進め方
     財政構造改革会議として、企画委員会を中心に歳出の改革と縮減の具体的方策の検討を進めることとするが、その際、政治主導で、一切の聖域を設けずに検討を進めていくこととし、5月中旬までに検討結果をとりまとめ、財政構造改革会議に報告するものとする。
  2. 財政の危機的状況と破局の危機
     我が国の財政は、9年度末に国債残高が254兆円、国、地方合わせた長期債務残高が476兆円に上る等、主要先進国中最悪の水準となり危機的な状況にある。
     現在の財政構造を放置すれば、我が国経済は、かつていずれの国も経験したことのないような巨額の双子の赤字(例えば、経済審議会の試算では、現状のままでは2025年の財政収支の対GDP比は△14.7%、経常収支の対GDP比は△14.3%)の重圧を抱え、国民生活が破綻することは必至である(同試算によれば、2025年の国民負担率(財政赤字を含む)は70%を超える)。
  3. 財政構造改革五原則
     次の五原則に従い、強力に財政構造改革を断行する。
  4. 各分野における改革と縮減の具体的方策の検討事項

  5. 文教予算

    (5)防衛
    防衛力整備については、我が国の安全保障上の観点と経済・財政事情等を勘案し、節度ある整備を行うことが必要であり、現下の国際情勢及び危機的な財政事情の下財政構造改革が喫緊の課題となっていること等を踏まえ、SACO関連事業を着実に実施するとともに、

    (6)ODA(政府開発援助)
     ODAについては、日本の量的拡充が国際的に顕著なものと なっている一方、我が国の財政が危機的状況にあることに鑑み、 量から質への転換を図る等、そのあり方及び当面のODA予算の抑制等について検討する。

    (7)農林水産
    農林水産関係予算については、我が国農林水産業を取りまく 内外の諸情勢の変化の中で、担い手への施策の集中、市場原理、競争条件の一層の導入を図りつつ、危機的な財政事情を踏まえ、更に重点的・効率的なものとする必要があることから、

    (8)国鉄清算事業団債務
     残高が28兆円にのぼる国鉄清算事業団長期債務については、平成8年末の閣議決定において、「平成10年度より、国鉄長期債務等の本格的処理を実施する」ため、「その具体的処理方策の検討を進め、平成9年中にその成案を得る」とされているところである。
    本問題は財政構造改革の見地からも極めて重要であり、避けては通れない課題である。現在、この問題については、与党内で検討が開始されているところであるが、その検討状況を見極めつつ、将来世代への負担の単なるつけまわしとならないよう、あらゆる選択肢を精力的に検討する。

    (9)整備新幹線
     今後、政府・与党における検討委員会において、収支採算性の見通し、JRの貸付料等の負担、並行在来線の経営分離についての地方公共団体の同意、JRの同意等の基本条件が整えられていることを十二分に確認した上で厳正に判断する必要がある。
    財政構造改革と矛盾しないようにその取り扱いを検討する。

    (10)科学技術予算
    科学技術予算については、官民の役割分担において政府の役割を限定する観点及び研究開発資金の重点的・効率的配分を図る観点から、研究評価の徹底、大型プロジェクトの見直し、国の研究機関・研究制度の見直し等について検討する。

    (11)エネルギー
    エネルギー対策については、中長期的に安定的な施策の推進との観点に立ちつつ、一般会計の危機的な財政事情を踏まえ、歳出全般の見直し等、そのあり方及び当面のエネルギー予算の抑制について検討する。

    (12)中小企業対策
    中小企業対策については、国の危機的な財政事情を踏まえ、中小企業者の活力や地方の役割を尊重する観点から、そのあり方及び当面の中小企業予算の抑制について検討する。

    (13)地方財政
    地方財政は、国の財政と並ぶ公経済の車の両輪である。
    こうした中で、まず、各地方公共団体が自ら強い自覚をもって事務事業の合理化、組織、機構の見直し、定数や給与の適正化等徹底した行財政改革を行うことが強く求められており、その方策について検討する。
     国としても、地方歳出の多くが国の経済政策や予算と密接に関連していることから、国・地方双方に通ずる歳出抑制策を検討するとともに、地方単独施策等を抑制する等により、地方財政計画の策定に当たって、国と同様に一般歳出を抑制する等の地方財政健全化方策を検討する。
    更に、国として、各地方公共団体の自主的な財政健全化努力を促す工夫が必要であり、このような観点から、交付税制度・地方債制度についてその仕組みを見直すとともに、各地方公共団体独自の自主的な財源調達の途を拡充強化することを検討する。