日本経済団体連合会審議員会

更新日:令和5年12月25日 総理の一日

 令和5年12月25日、岸田総理は、都内で開催された日本経済団体連合会第12回審議員会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「内閣総理大臣の岸田文雄でございます。本日は第12回日本経済団体連合会審議員会にお招きいただきまして、誠にありがとうございます。
 経団連の皆様方には、日頃より政府の取組に対しまして、様々な面で御理解・御協力を頂いておりますこと、心から厚く御礼を申し上げる次第です。
 十倉会長を始め、こちらにお見えの皆様方には、先週1週間をとってみても、ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳を招待した経団連主催の昼食会にお招きいただいたこと、これを皮切りに、デフレ脱却や社会保障制度の在り方を議論する経済財政諮問会議、また、国内投資促進策を議論する官民投資フォーラムなど、官邸の様々な会議や行事にも頻繁に御参加いただいております。
 そして、今日はまず、自民党の政策集団の政治資金の問題で、一言申し上げます。国民の皆様から疑念を持たれている事態を招いていること、これは大変遺憾なことであり、心からおわびを申し上げます。
 国民の信頼あっての政治の安定であり、政治の安定あっての政策の推進だと、改めて肝に銘じて対応してまいりたいと存じます。
 そして、政権発足以来、この2年間、賃上げ、国内投資の拡大などの取組を続け、足元では賃上げ、投資、株価など、30年ぶりの水準となりました。経済の潮目は明らかに変わってきています。デフレからの完全脱却へ千載一遇のチャンスが巡ってきています。
 バブル崩壊以降、約30年の長きにわたり低物価・低賃金・低成長が続き、停滞が続きました。
 この30年を「失われた30年」と呼ぶ方もいますが、私はむしろ青木昌彦スタンフォード大学教授が唱えた「移りゆく30年」と呼ぶべきだという見方をとっております。
 つまり、高度経済成長期に最適化した経済社会構造から、イノベーションと社会課題の解決に最適化した経済社会構造へと転換するためには、一つの世代が代替わりする30年程度が必要だという議論です。
 経済構造の移行のために、この30年、世代を超えて営々と積み上げてきた改革努力の成果がようやく花開こうとしていると考えています。
 バブル崩壊後、30年を経て、日本経済の変化は加速してきています。変化が目に見える形で一気に力となりつつあります。
 グローバルな経験を積んだ経営者の輩出。コーポレートガバナンス改革への海外投資家からの高い評価。経団連の皆様の御協力もあり、GX(グリーン・トランスフォーメーション)や人口減少社会など国家課題を官民連携して解決していこう、こういった機運も高まっています。
 私は先月、APEC(アジア太平洋経済協力)の際に訪米し、その際、スタンフォード大学で韓国の尹(ユン)大統領と共に米国西海岸で活躍する日本と韓国のスタートアップ経営者との車座対話を行いました。
 その際に感じたことですが、今例えば野球の世界、大リーグで活躍する大谷翔平選手のように、最初から世界的な志あるいは力を持った日本の若者たちが登場している。かつては世界を目指すということで努力してきた、こうした多くの若い人たちがいましたが、今や最初から自分は世界的な志を持ち、そして力を持っている自信にあふれた、若い日本人がどんどん増えている、こういったことをスタンフォード大学の車座の場でも改めて感じた次第です。
 こうした変化を受けて、先月取りまとめたデフレ完全脱却のための総合経済対策では、こうした変化の兆しを確実なものとするため、様々な施策を盛り込みました。
 企業の稼ぐ力を強化するため、思い切った税制改革も政府与党連携で実現いたしました。
 一例として、戦略分野国内生産促進税制です。予見可能性の観点からイニシャルコストのみならず、生産段階でのコストにも着目した税額控除措置を講じる、正に世界に伍(ご)する前例のない取組だと考えています。
 また、先週、アジア・ゼロエミッション共同体構想の初めての首脳会合を開催しました。アジアのGX投資へ、経済界と連携しながら、日本の技術力・金融力を役立てながら、一方で、アジアの成長力を日本に取り込んでまいります。
 本格始動したデジタル行財政改革についても、明日の規制改革推進会議において、教育、交通、介護やライドシェア事業などの制度改革について、方針を示し、実行に移してまいります。
 一人一人の実感が積み重なって初めて社会全体のマインドは変わります。国民の皆様に、賃金が上がり、所得が増える実感を持ってもらう必要があります。春闘で今年を超える賃上げを強く呼びかけると同時に、定額減税によってデフレ完全脱却の移行期にある可処分所得を下支えしてまいります。
 また、貯蓄から投資に向け、先日策定した、資産運用立国実現プランに基づき、来年1月からスタートする新NISA(少額投資非課税制度)の普及を進めるとともに、コーポレートガバナンス改革の実質化に加え、資産運用業とアセットオーナーの運用力の向上に取り組み、我が国のインベストメント・チェーンを強化してまいります。
 こうした政府の取組に呼応する形で、国内投資拡大のための官民連携フォーラムでは、積極的な国内投資に向け、十倉会長には力強いメッセージを発信していただきました。また、11月の政労使の意見交換でも、今年を上回る賃上げに向けて前向きな発信を頂きました。
 移りゆく30年の出口から日本がしっかりと抜けられ、来年には新たなステージの入口のドアを開けられるように、政府として政策を総動員してまいります。
 経済界の皆様におかれましても、国内投資の加速、そして何よりも今年を上回る賃上げの実現に向け、引き続き御協力を頂きますようお願いを申し上げます。
 未来の世代に持続可能な経済社会を引き継いでいけるよう、共に取組を進めてまいりましょう。
 最後になりますが、経団連の皆様方の1年の御理解と御協力に改めて感謝を申し上げ、来年の皆様方の御多幸を心から御祈念申し上げまして、1年にわたりお世話になったことを感謝申し上げ、1年の終わりに当たりましての御挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。」

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