認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議

更新日:令和5年12月25日 総理の一日

 令和5年12月25日、岸田総理は、総理大臣官邸で第4回認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議を開催しました。

 会議では、とりまとめ案の説明及び意見交換が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「本日を含めこれまで4回にわたり、皆様方から貴重な御意見を頂戴いたしました。誠にありがとうございました。
 本年6月の記者会見で、高齢者や御家族の皆様にとって切実である認知症への対応について、国を挙げて、先送りせず、挑戦していくべき課題であると申し上げました。
 先送りできないからこそ、共生社会の実現を推進するための認知症基本法の施行に先立ち、本会議を立ち上げ、切実な課題であるからこそ、認知症の方御本人、御家族に御参加いただき、御意見を伺ってまいりました。
 本日の会議で示された意見のとりまとめ案にあるとおり、認知症治療の新たな時代を迎える中、早期発見・早期介入の実証プロジェクトの推進、検査・医療提供体制の整備、更なる治療薬の研究開発などの取組が進んでいます。介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度がより活用されるための関連法案を、来年通常国会に提出するための検討が大詰めを迎えています。
 しかし、制度や施策を充実すること以上に重要なことが、企業、地域社会を含めた意識改革です。認知症に関する偏見除去はもとより、私自身も8月の視察で実感した、認知症と共に希望をもって生きるという新しい認知症観の理解促進を、認知症の方御本人の発信等を通じて進めることが重要です。若年認知症の方を始め、社会参加や就労機会をできるだけ確保することも重要です。
 認知症バリアフリーの取組を進めるには、家族などの『点』ではなく、企業などを含めた地域という『面』で取り組むことが必要です。企業等が取り組む場合には、経営戦略の一環と位置付けることや、両立支援制度を活用しやすい職場環境を作ることも重要です。
 いよいよ来年1月から、認知症基本法が施行されます。認知症基本法の施行に先んじて、取り組むべき方向性を見出(いだ)すことができましたので、本会議での検討の成果を認知症施策推進基本計画の策定にいかしていかなければなりません。
 これまでの議論を通じて、認知症基本法が、いかに関係者の皆様の想(おも)いが込められたものであるか、特に、認知症の方御本人や御家族にとって、どれほど多くの期待と希望が持たれているのか、そして、御本人や御家族の参画の下で施策を進めることがいかに大切であるかが改めて浮き彫りになったものと考えています。
 同法に基づく推進本部とともに、関係者から構成される会議を早々に立ち上げ、基本計画の策定に取り掛かります。
 認知症バリアフリーの取組を進める観点からの業界・業種ごとの手引きについては、御本人・御家族の御希望を聴きながら、関係府省で連携して対象業種を広げ、幅広く、個別の業種で手引きが作成され、普及するよう、取組を引き続き進めるべく、厚生労働大臣を中心に、関係府省が連携して年度内に工程表を策定してください。
 本会議では、『幸齢社会』実現会議と銘打ち、独居高齢者を含めた高齢者の生活上の課題にも取り組んでまいりました。本会議での御意見を踏まえ、ガイドラインを策定するとともに、官房長官を中心に、必要な論点の整理等を更に進め、骨太の方針にその内容を今後の方針と共に盛り込むこととしてください。
 改めまして、構成員の皆様、またこれまで取組を発表いただいた有識者の皆様の本会議への協力に心より感謝申し上げるとともに、今後とも共生社会の実現に向けた認知症施策の推進に向け、御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。誠にありがとうございました。」

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