経済財政諮問会議

更新日:令和6年5月10日 総理の一日

 令和6年5月10日、岸田総理は、総理大臣官邸で令和6年第5回経済財政諮問会議を開催しました。

 会議では、マクロ経済運営(金融政策、物価等に関する集中審議)及び中長期の重点課題のうち、先端技術実装と競争力強化について議論が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「我が国の経済は約30年ぶりの高水準となった、力強い賃上げや史上最高水準の設備投資など、前向きな動きが続いています。その一方、最近の円安の動きを十分注視しており、政府・日銀は引き続き密接に連携をしてまいります。
 その上で、成長型の新しい経済ステージへの移行に向けて、本日の議論にもあったように、賃金や所得の拡大、価格転嫁対策の強化、人手不足への対応に全力を挙げて取り組む経済の好循環を実現してまいります。
 これに関連して、本日は新藤大臣から価格転嫁や賃上げに関する中小企業からのヒアリング結果の報告がありました。足下の賃上げの動きの裾野を広げ、来年以降も持続的なものとして定着させていくためには、労務費の適切な転嫁や省力化投資の加速が必要です。この春季労使交渉に向けて下請法違反行為について、厳正に対処するとともに、労務費指針を策定し、労使双方に周知いただきながら取組が不十分な事業者の企業名を公表するなど、その徹底を図ってきました。
 その結果、今年の春季労使交渉では力強い賃上げの流れができました。来年以降もこの流れを定着させていくためには、中小企業の声を踏まえ、官民双方で取組を更に強化していく必要があります。骨太の方針の取りまとめに向けて、私自身が来年以降の賃上げの定着を確かなものとするために、必要な政策課題について、更に意見交換を行ってまいります。新藤大臣においては、早急に準備を進めてください。
 また、脱炭素、経済安全保障、生活の質の向上や、人口減少、少子高齢化への対応といった分野での課題の解決を経済成長へつなげていくこと、これも重要です。このため、研究開発や人材投資を拡大するとともに、政府調達や規制改革を通じてスタートアップによる技術開発を支援し、それを地域で実践することで新技術の社会実装を加速してまいります。具体的には、成長分野への学部転換など、大学改革を通じた人材育成、フロンティア分野における研究開発の推進とその成果の有効活用、そしてスタートアップの連携強化によるイノベーションエコシステムの構築などを進めてまいります。
 新藤大臣、齋藤大臣、松本大臣、高市大臣、盛山大臣においては、本日の議論も踏まえて骨太の方針に向けた施策の具体化を進めてください。以上です。」

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